説明

車両用空調ユニット

【課題】車両用空調ユニットについて、リアベント吹出用の流路及び開口部を有しない態様の標準仕様からリアベント吹出用の流路及び開口部を有する態様の高温地帯用の仕様にケースをそのまま流用して、変更することを可能とする。
【解決手段】冷暖房機能の双方を備えた標準仕様ではリアフット吹出用として機能していた流路12及び開口部16を、加熱用熱交換器設置空間部7と流路12とを連通路19で連通させ、フロントフット吹出用流路11と流路12との間を閉じることにより、冷却用熱交換器37で冷却された冷風は常に加熱用熱交換器設置空間部7から流路12を通過して開口部16から吹き出されることで、流路12及び開口部16をリアベント吹出用として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷暖房機能の双方を備えた標準仕様から冷房機能のみを備えた中近東等の高温地用の仕様への変更が可能な構造の車両用空調ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調ユニットとしては、例えば特許文献1の図1(a)に示されるように、冷暖房機能の双方を備えた構造の空調装置を標準仕様として設定し、中近東等の高温地用の仕様とする場合には、前記特許文献1の図1(b)に示されるように、上記標準仕様の空調装置から暖房用熱交換器を取り除くことで冷房機能のみを備えた構造に変更するというように、標準仕様の空調ユニットを高温地用に流用する発明は既に公知である。
【特許文献1】特開2005−306302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対し、車両用空調ユニットを高温地用の仕様とする場合に、近年における後席側の搭乗者に対する快適性の向上を図るため、前席用のフロントベント吹出用開口部の他に後席用のリアベント吹出用開口部の設置も要望されるところ、上記の特許文献1の車両用装置の構造では、高温地用の仕様用として新たに後席用のリアベント吹出用開口部並びにその後席用のリアベント吹出用開口部までのリアベント吹出用流路を追加する必要性が生じて、標準仕様の空調ユニットのケースを流用することが困難となり、また様々且つ多数の追加部品も必要となるという不具合を有する。
【0004】
そこで、本発明は、後席用のリアベント吹出用の流路及び開口部を有しない態様の標準仕様から後席用のリアベント吹出用の流路及び開口部を有する態様の高温地用仕様に、ケースの大概の部分についてはそのまま流用し、追加部品の数も少なく、変更することを可能とした車両用空調ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用空調ユニットは、ケース内に、送風機で空気入口から取り込まれた空気が流れる空気流路と、この空気流路上に設置される冷却用熱交換器と、暖房機能を持たせる場合に前記空気流路のうち前記冷却用熱交換器よりも風下流側となる設置空間部に設置される加熱用熱交換器と、前記空気流路のうち前記冷却用熱交換器又は前記加熱用熱交換器を設置した場合にはこの加熱用熱交換器よりも風下側部位の一部を構成する吹出用流路とを有し、この吹出用流路は、前記ケースの外面に、前席側に空気を送るためのフロントベント吹出用開口部、前席側に空気を送るためのフロントフット吹出用開口部、及び後席側に空気を送るためのリア側吹出用開口部を形成して、前記フロントベント吹出用開口部を最も風下側としたフロントベント吹出用流路、前記フロントフット吹出用開口部を最も風下側としたフロントフット用吹出流路、及び前記リア側吹出用開口部を最も下流側としたリア側吹出用流路を有した構成とすると共に、このリア側吹出用流路は、前記フロントフット吹出用流路から分岐し、且つ前記加熱用熱交換器の設置空間部とは仕切り部を介して隣接させて、前記仕切り部が連通路を有する場合には直接的に連通させることを可能として、前記加熱用熱交換器を設置する場合には前記仕切り部が前記連通路を有しないと共に前記リア側吹出用流路の風上側部位が開放された構成とし、前記加熱用熱交換器を設置しない場合には前記仕切り部が前記連通路を有すると共に前記リア側吹出用流路の風上側部位が閉塞された構成とすることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
そして、本願に係る車両用空調ユニットにあっては、前記空気流路は、前記ケースの外面に、車両の窓側に空気を送るためのデフ吹出用開口部を形成して、このデフ吹出用開口部を最も風下側としたデフ吹出用流路を有し、このデフ吹出用開口部又はデフ吹出用流路は、前記加熱用熱交換器を設置する場合には開放された構成とし、前記加熱用熱交換器を設置しない場合には、ケースと別部材の閉塞部材により閉塞された構成としたことを特徴とする(請求項5)。
【0007】
標準仕様とする場合と高温地用の仕様とする場合との双方において、少なくともフロントベント吹出用開口部から吹き出される空気の量とフロントフット吹出用開口部から吹き出される空気の量とを調整するための第1の吹出モード切換ドアが吹出用流路内に配置されている。標準仕様とする場合には、加熱用熱交換器を設置空間部内に設置すると共に、この加熱用熱交換器と冷却用熱交換器との間にエアミックスドアを配置して、加熱用熱交換器を通過する空気と加熱用熱交換器を迂回する空気との割合を調整する。そして、この標準仕様とする場合には、ベント吹出用開口部から吹き出される空気の量とデフ吹出用開口部から吹き出される空気の量とを調整するための第2の吹出モード切換ドアも吹出用流路内に配置されている。これに対し、高温地用の仕様とする場合には、加熱用熱交換器もエアミックスドアも設置されず、デフ吹出用開口部は閉塞されて、第2の吹出モード切換ドアも設置されない。
【0008】
これにより、標準仕様とした場合で、VENTモードに設定したときには、エアミックスドアの加熱用熱交換器側への開度が0パーセント、第1の吹出モード切換ドアは、フロントフット吹出用開口部又はフロントフット吹出用流路を全閉とし、第2の吹出モード切換ドアはデフ吹出用開口部又はデフ吹出用流路を全閉として、送風機により空気入口から空気流路内に入った空気は、冷却用熱交換器で冷却された後、加熱用熱交換器を迂回してフロントベント吹出用流路からフロントベント吹出用開口部に至り車室内に吹き出される。また、標準仕様とした場合で、B/Lモードに設定したときには、エアミックスドアの加熱用熱交換器側への開度が0パーセントより大きく100パーセント未満で、第1の吹出モード切換ドアは、フロントフット吹出用開口部又はフロントフット吹出用流路とフロントベント吹出用開口部又はフロントベント吹出用流路との双方に開放し、第2の吹出モード切換ドアはデフ吹出用開口部又はデフ吹出用流路を全閉として、送風機により空気入口から空気流路内に入った空気は、冷却用熱交換器で冷却された後、その一部が加熱用熱交換器を通過して加熱され、他の一部が加熱用熱交換器を迂回し、このうち、加熱用熱交換器を通過した空気は、フロントフット吹出用流路からフロントフット吹出用開口部に至り車室内に吹き出されると共に、リア側吹出用流路からリア側吹出用開口部に至り車室内に吹き出される。そして、加熱用熱交換器を迂回した空気は、フロントベント吹出用流路からフロントベント吹出用開口部に至り車室内に吹き出される。更に、標準仕様とした場合で、FOOTモードに設定したときには、エアミックスドアの加熱用熱交換器側への開度が100パーセント、第1の吹出モード切換ドアは、フロントベント吹出用開口部又はフロントベント吹出用流路を全閉として、送風機により空気入口から空気流路内に入った空気は、冷却用熱交換器で冷却された後、その全部が加熱用熱交換器を通過して加熱され、この加熱用熱交換器を通過した空気は、フロントフット吹出用流路からフロントフット吹出用開口部に至り車室内に吹き出されると共にリア側吹出用流路からリア側吹出用開口部に至り車室内に吹き出される。すなわち、標準仕様では、リア側吹出用流路、リア側吹出用開口部は、B/Lモード、FOOTモードにおいて、リアフット吹出用流路、リアフット吹出用開口部として機能する。
【0009】
これに対し高温地用の仕様とした場合で、VENTモードに設定したときには、第1の吹出モード切換ドアは、フロントフット吹出用開口部又はフロントフット吹出用流路を全閉とするが、この第1の吹出モード切換ドアにより連通路は閉塞されないので、送風機により空気入口から空気流路内に入った空気は、冷却用熱交換器で冷却された後、フロントベント吹出用流路からフロントベント吹出用開口部に至り車室内に吹き出されると共に、加熱用熱交換器の設置空間部から連通路を介してリア側吹出用流路内に入って、このリア側吹出用流路からリア側吹出用開口部に至り車室内に吹き出される。また、高温地用の仕様とした場合で、B/Lモードに設定したときには、第1の吹出モード切換ドアは、フロントフット吹出用開口部又はフロントフット吹出用流路とフロントベント吹出用開口部又はフロントベント吹出用流路との双方に対して開放すると共に、この第1の吹出モード切換ドアにより連通路は閉塞されないので、送風機により空気入口から空気流路内に入った空気は、冷却用熱交換器で冷却された後、フロントベント吹出用流路からフロントベント吹出用開口部に至り車室内に吹き出され、フロントフット吹出用流路からフロントフット吹出用開口部に至り車室内に吹き出されると共に、加熱用熱交換器の設置空間から連通路を介してリア側吹出用流路内に入って、このリア側吹出用流路からリア側吹出用開口部に至り車室内に吹き出される。更に、高温地用の仕様とした場合で、FOOTモードに設定したときには、第1の吹出モード切換ドアは、フロントベント吹出用開口部又はフロントベント吹出用流路とフロントフット吹出用開口部又はフロントフット吹出用流路との双方に対して開放される一方で、この第1の吹出モード切換ドアにより連通路は閉塞されないので、送風機により空気入口から空気流路内に入った空気は、フロントフット吹出用流路からフロントフット吹出用開口部に至り車室内に吹き出されると共に、加熱用熱交換器の設置空間部から連通路を介してリア側吹出用流路内に入って、このリア側吹出用流路からリア側吹出用開口部に至り車室内に吹き出される。すなわち、高温地用の仕様では、リア側吹出用流路、リア側吹出用開口部は、VENTモード、B/Lモード、FOOTモードのいずれにおいても、リアベント吹出用流路、リアベント吹出用開口部として機能する。
【0010】
しかるに、この車両用空調ユニットは、リア側吹出用流路、リア側吹出用開口部に対し標準仕様ではリアフット吹出用流路、リアフット吹出用開口部として機能させていたのを高温地用の仕様では、設置空間部に加熱用熱交換器が存せず、冷風がこの設置空間部から連通路を介してリア側吹出用流路に入るので、リアベント吹出用流路、リアベント吹出用開口部として機能させることが可能である。
【0011】
そして、前記仕切り部は、前記連通路を開閉自在な開閉扉を設けることにより、前記開閉扉が前記連通路を閉塞して前記連通路を有しない状態とし、前記開閉扉が前記連通路を開放して前記連通路を有する状態とすることができる(請求項2)。この閉塞扉は、例えば前記仕切り部のうち加熱用熱交換器の設置空間部側の面に沿ってスライドするスライド式の扉である。そして、前記リア側吹出用流路の風上側部位は、前記ケースのうち前記リア側吹出用流路を形成するリア側吹出用流路形成材をこのケースとは別部材とし、このリア側吹出用形成材の内面に前記リア側吹出用流路の空気流路と交差して、前記仕切り部まで達することが可能な閉塞部を形成し、この閉塞部を有するリア側吹出用形成材を取り付けることにより、閉塞することが可能である(請求項4)。
【0012】
これにより、車両用空調ユニットを、リア側フット吹出用開口部を備えた冷暖房機能の双方を備えた標準仕様とする場合と、リア側ベント吹出用開口部を備えた高温地用の冷房機能のみの仕様とする場合とで、前記標準仕様では、連通路を開閉扉で閉じ、且つ閉塞部を有しないリア側吹出用流路形成材を装着して、リア側吹出用流路の風上側を開放し、前記高温地用の仕様では、開閉扉を開いて連通路を開放し、閉塞部を有するリア側吹出用流路形成材を装着して、リア側吹出用流路の風上側を閉塞するのみであるから、ケースの大概の構成品は標準仕様と高温地用の仕様とで共通にすることができ、且つ連通路が開閉扉で開閉可能な仕切り部も共通化されると共に、閉塞部を有しないリア側吹出用形成材と閉塞部を有するリア側吹出用形成材との交換のみで足りるので、追加部品の数も少なくて済む。
【0013】
また、前記ケースを形成するための金型を入れ子構造として、この入れ子の調整により、連通路を有する仕切り部が形成されたり、連通路を有しない仕切り部が形成されたりするものとしても良い(請求項3)この入れ子の調整とは、例えば入れ子の交換、追加、一部取り外し等が該当する。そして、この場合でも、前記リア側吹出用流路の風上側部位は、前記ケースのうち前記リア側吹出用流路を形成するリア側吹出用流路形成材をこのケースとは別部材とし、このリア側吹出用形成材の内面に前記リア側吹出用流路の空気流路と交差して、前記仕切り部まで達することが可能な閉塞部を形成し、この閉塞部を有するリア側吹出用形成材を取り付けることにより、閉塞することは可能である(請求項4)。
【0014】
これにより、車両用空調ユニットを、リア側フット吹出用開口部を備えた冷暖房機能の双方を備えた標準仕様とする場合と、リア側ベント吹出用開口部を備えた高温地用の冷房機能のみの仕様とする場合とで、前記標準仕様では、連通路を有しない仕切り部が形成可能なようにケースの金型の入れ子を調整してケースを製造し、前記高温地用の仕様では、連通路を有する仕切り部が形成可能なようにケースの金型の入れ子を調整してケースを製造するのみであるから、ケースの大概の構成品は標準仕様と高温地用の仕様とで共通にすることができ、仕切り部に関しては一切の追加部品を必要とせず、この追加部品の製造のために新規な金型のための投資を不要とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、これらの発明によれば、ケース内に形成された空気流路のうちリア側吹出用流路は、冷暖房機能の双方を備えた標準仕様ではリアフット吹出用流路として機能させ、冷房機能のみを備えた高温地用の仕様では、冷風が設置空間部から連通路を介して常に流入するので、リアベント吹出用流路として機能させることができ、これに伴い、ケースに開口したリア側吹出用開口部は、前記標準仕様では温風が吹き出すリアフット吹出用開口部となり、前記高温地用の仕様では冷風が吹き出すリアベント吹出用開口部となるので、高温地用の仕様において、ケースに対し後席用に冷風が吹き出される流路及び開口部を追加する必要がなくなる。このため、リアフット用吹出用開口部を有する標準仕様の空調ユニットのケースを、そのままリアベント吹出用開口部を有する高温地用の仕様の空調ユニットのケースに流用することができる。
【0016】
特に、請求項2及び請求項4に記載の発明によれば、リア側吹出用流路、リア側吹出用開口部に対し、標準仕様ではリアフット吹出用流路、リアフット吹出用開口部として機能させ、高温地用の仕様ではリアベント吹出用流路、リアベント吹出用開口部として機能させるにあたり、仕切り部の連通路を開閉扉で開閉する動作及び、閉塞部を有しないリア側吹出用形成材と閉塞部を有するリア側吹出用形成材との交換の作業で対応することができるので、部品点数の増加を相対的に少なくすることができ、仕様の変更のための作業も簡易である。
【0017】
また、特に、請求項3及び請求項4に記載の発明によれば、車両用空調ユニットを、リア側フット吹出用開口部を備えた冷暖房機能の双方を備えた標準仕様とする場合と、リア側ベント吹出用開口部を備えた高温地用の冷房機能のみの仕様とする場合とで、前記標準仕様では、連通路を有しない仕切り部が形成可能なようにケースの金型の入れ子を調整してケースを製造し、前記高温地用の仕様では、連通路を有する仕切り部が形成可能なようにケースの金型の入れ子を調整してケースを製造するのみであるから、ケースの大概の構成品は標準仕様と高温地用の仕様とで共通にすることができ、仕切り部に関しては一切の追加部品を必要とせず、この追加部品の製造のために新規な金型のための投資を不要とするので、ケース全体の製造コストの削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態を図面により説明する。
【0019】
本発明に係る車両用空調ユニット1(詳細は後述する。)に用いられるケースとして、図1及び図2にケース2の構成が示されている。
【0020】
このケース2は、縦置き形式のフル一体型の車両用空調ユニット1のうちの空調ユニット本体29に対応させたもので、インテークユニット部28の風上側と接続するための空気入口3、送風機34のファン35が収納されるスクロール状のファン収納空間部4、このファン収納空間部4の下方に開口するノーズ部4aから延出された空気流路5を有して構成され、この空気流路5は少なくとも冷却用熱交換器37が収納される冷却用熱交換器設置空間部6、加熱用熱交換器39が収納される加熱用熱交換器設置空間部7、及び、空気の風下側となる吹出用流路8を有して構成されている。
【0021】
吹出用流路8は、前席搭乗者のフェース等側に空気を送るためのフロントベント吹出用流路9、このフロントベント吹出用流路9よりも車両上下方向の上方に位置するデフ吹出用流路10、前席搭乗者の足元側に空気を送るためのフロントフット吹出用流路11、及び、このフロントフット吹出用流路11から分岐して車両上下方向の下方に延びて、後席側に空気を送るためのリア側吹出用流路12を有して構成されている。そして、フロントベント吹出用流路9の最風下側にはフロントベント吹出用開口部13、デフ吹出用流路10の最風下側にはデフ吹出用開口部14、フロントフット吹出用流路11の最風下側にはフロントフット吹出用開口15、及びリア側吹出用流路12の最風下側にはリア側吹出用開口部16が設けられている。
【0022】
また、ケース2は、加熱用熱交換器設置空間部7とリア側吹出用流路12とを仕切る仕切り部18を有し、この仕切り部18は、リア側吹出用流路16の開口と略対峙する位置に通孔状の連通路19が開口している。この連通路19は、図1に示されるように、例えば仕切り部18の加熱用熱交換器設置空間部7側面に沿ってスライドする開閉扉20により開閉自在となっている。尚、開閉扉20をスライドさせるための機構は公知のものであるためここでは省略した。
【0023】
更に、ケース2は、後述するフロントフット吹出用開口部15の開口部より車両上下方向の上側部位からリア側吹出用流路12の外側面を形成する部位を経てリア側吹出用開口部16の周縁部位を形成する範囲までにおいて、当該ケース2とは別部材のリア側吹出用流路形成材22を有している。
【0024】
このリア側吹出用流路形成材22は、図1、図2及び図6乃至図8に示されるように、リア側吹出用流路12のうちフロントフット吹出用流路11から分岐した部位となる上流側部位を閉塞することが可能な閉塞部23を有するリア側吹出用流路形成材22aと、図3乃至図5に示されるように、この閉塞部23を有しないリア側吹出用流路形成材22bとの2種類があり、リア側吹出用流路形成材22aとリア側吹出用流路形成材22bとは交換可能となっている。
【0025】
そして、ケース2は、図1及び図2に示されるように、リア側吹出用流路形成材22aの閉塞部23の先端を挟んで係合することが可能な係合部24と、リア側吹出用流路形成材22a又はリア側吹出用流路形成材22bの下方端を挟んで係合することが可能な係合部25とを有している。
【0026】
かかる構造のケース2を用いる車両用空調ユニット1は、図3から図5に示される態様と図6から図8に示される態様とを成している。この車両用空調ユニット1は、例えば縦置き形式のフル一体型のもので、インテークユニット部28と空調ユニット本体29とで基本的に構成されている。もっとも、後述する送風機34も空調ユニット本体29ではなく別のユニット内に収納したセミ一体型のものであっても良いことは勿論である。
【0027】
インテークユニット部28は、図3から図5に示される態様と図6から図8に示される態様とで共通のものであり、この実施形態では、外気導入口30、内気導入口31がケース32に開口していると共に、これらの外気導入口30と内気導入口31とを適宜選択するための内外気切換ドア(図示せず)がこのケース32内に収納されたものとなっている但し、外気導入口のみがケース32に開口したものとしても良く、また、インテークユニット部28は、空調ユニット本体29と一体でも別体でも良い。
【0028】
空調ユニット本体29も、その大部分において、図3から図5に示される態様と図6から図8に示される態様とで共通のものであり、その構成について説明すると、前記インテークユニット部28とオフセット状態で連接されているもので、ケース2内のファン収納空間部4には送風機34のファン35が収納されている。これにより、送風機34のファン35を回転させることで、外気導入口30又は内気導入口31からインテークユニット部28内に取り込まれた空気が空気入口3を通って空調ユニット本体29の空気流路5まで送られる。
【0029】
冷却用熱交換器設置空間部6には、例えばエバポレータ等の冷却用熱交換器37がこの冷却用熱交換器設置空間部6を塞ぐように収納されていると共に、この実施形態では当該冷却用熱交換器37の風上側にフィルタ38が同じく冷却用熱交換器設置空間部6を塞ぐように収納されている。
【0030】
そして、この冷却用熱交換器設置空間部6の風上側となる空気流路5のうち車両上下方向の下方側には先述した加熱用熱交換器設置空間部7が画成されており、この加熱用熱交換器設置空間部7には、図3から図5に示されるように、ヒータコア等の加熱用熱交換器39が設置可能となっており、且つこの実施形態では、加熱用熱交換器39が設置される位置に対し、図3から図5に示されるように、車両の上下方向の上方にて、加熱用熱交換器39を通過する空気の割合と加熱用熱交換器39をバイパスする空気の割合とを調整するエアミックスドア40が設置可能となっている。
【0031】
加熱用熱交換器39及びエアミックスドア40を設置する場合には、空気流路5のうち加熱用熱交換器39の車両上下方向の上方域が冷風流路41となると共に加熱用熱交換器設置空間部7のうち加熱用熱交換器39よりも風下側が温風流路42となって、加熱用熱交換器39をバイパスして冷風となった空気は冷風流路41を通過して吹出用流路8まで流れ、加熱用熱交換器39を通過して温風となった空気は温風流路42を通過して吹出用流路8まで流れる構成となる。
【0032】
すなわち、加熱用熱交換器39及びエアミックスドア40を設置した場合には、この車両用空調ユニット1は、温暖地用の冷暖房機能の双方を備えたエアコン仕様のものとなり加熱用熱交換器39及びエアミックスドア40を設置しない場合には、この車両用空調ユニット1は、例えば中近東等の高温地用の冷房機能のみを備えたクーリングユニット仕様のものとなる。
【0033】
吹出用流路8には、少なくともフロントフット吹出用流路11に流れる空気とフロントベント吹出用流路9とに流れる空気とを切り換えるための吹出モード切換ドア43が配置されている。この吹出モード切換ドア43は、この実施形態ではロータリー型のもので、略扇状の構成のうち円弧状の部位は閉塞され、直線状の部位は開放されたものとなっている。
【0034】
また、吹出用流路8は、図3乃至図5に示されるように、デフ吹出用流路10及びその最も風下側のデフ吹出用開口部14を有する場合には、フロントベント吹出用開口部13からケース2外に吹き出される空気とデフ吹出用流路10に送られる空気とを切り換えるための吹出モード切換ドア44が、デフ吹出用開口部14に臨むと共にデフ吹出用流路10の風上側となる位置に配置される。そして、吹出モードのうちデフモードを不要とする場合には、図6乃至図8に示される閉塞部材45でデフ吹出用開口部14を閉塞すると共に吹出モード切換ドア44を取り外す構成が採られる。
【0035】
上記の構成に基づき、加熱用熱交換器設置空間部7に加熱用熱交換器39を設置し、エアミックスドア40、及び吹出モード切換ドア44を配置し、閉塞部23を有しないリア側吹出用流路形成材22bを装着すると共に、連通路19を開閉扉20で閉塞して、エアコン仕様とした場合の、VENTモード、B/Lモード、フットモードの各吹出モードについて、図3乃至図5を用いて説明する。
【0036】
図3ではVENTモードが示されている。すなわち、エアミックスドア40の加熱用熱交換器側への開度は0パーセント(冷風流路41側への開度が100パーセント)、吹出モード切換ドア43は、フロントフット吹出用流路11の風上側を全閉とし、これに伴いデフ吹出用流路12への空気の流れも遮断すると共に、吹出モード切換ドア44はデフ吹出用流路10の風上側を全閉とし、且つフロントベント吹出用開口部を全開としているので、送風機34により空気入口3から空気流路5内に入った空気は、冷却用熱交換器37で冷却された後、加熱用熱交換器39を迂回して、冷風流路41側に流れ、フロントフット吹出用流路9からフロントベント吹出用開口部13に至り車室内に吹き出される。
【0037】
図4では、B/Lモードが示されている。すなわち、エアミックスドア40の加熱用熱交換器39側への開度は0パーセントより大きく100パーセント未満で、吹出モード切換ドア43は、フロントフット吹出用流路11側とフロントベント吹出用流路9側との双方に対して開放し、吹出モード切換ドア44はデフ吹出用流路10の風上側を全閉としているので、送風機34により空気入口3から空気流路5内に入った空気は、冷却用熱交換器37で冷却された後、その一部が加熱用熱交換器39を通過して加熱され、他の一部が加熱用熱交換器39を迂回する。そして、加熱用熱交換器39を通過した空気は、温風となって温風流路42を経てフロントフット吹出用流路11からフロントフット吹出用開口部15に至り車室内に吹き出されると共に、リア側吹出用流路12からリア側吹出用開口部16に至り車室内に吹き出されると共に、加熱用熱交換器39を迂回した空気は、冷風のままフロントベント吹出用流路9からフロントベント吹出用開口部13に至り車室内に吹き出される。
【0038】
図5では、FOOTモードが示されている。すなわち、エアミックスドア40の加熱用熱交換器39側への開度は100パーセント(冷風流路41側への開度が0パーセント)吹出モード切換ドア43は、フロントベント吹出用流路9の上流側を全閉とし、フロントフット吹出用流路11の上流側を全開としているので、送風機34により空気入口3から空気流路5内に入った空気は、冷却用熱交換器37で冷却された後、その全部が加熱用熱交換器39を通過して加熱され、この加熱用熱交換器39を通過した空気は、温風となって温風流路42を経て、フロントフット吹出用流路11からフロントフット吹出用開口部15に至り車室内に吹き出されると共にリア側吹出用流路12からリア側吹出用開口部16に至り車室内に吹き出される。
【0039】
すなわち、リア側吹出用流路12、リア側吹出用開口部16は、B/Lモード、FOOTモードにおいて、リアフット吹出用流路、リアフット吹出用開口部として機能する。
【0040】
上記の構成に基づき、加熱用熱交換器設置空間部7に加熱用熱交換器39、エアミックスドア40、及び吹出モード切換ドア44を収納、配置せず、閉塞部23を有するリア側吹出用流路形成材22aを装着し、デフ吹出用開口部14を閉塞部材45で閉塞してデフ吹出用流路10をなくすと共に、連通路19を開放して、クーリングユニット仕様とした場合の、VENTモード、B/Lモード、フットモードの各吹出モードについて、図6乃至図8を用いて説明する。
【0041】
図6ではVENTモードが示されている。すなわち、吹出モード切換ドア43は、フロントベント吹出用流路9の風上側を全開とし、フロントフット吹出用流路11の風上側を全閉とすると共に、連通路19は開放されて加熱用熱交換器設置空間部7とリア側吹出用流路12とは連通した状態にあるので、送風機34により空気入口3から空気流路5内に入った空気は、冷却用熱交換器37で冷却された後、フロントベント吹出用流路9からフロントベント吹出用開口部13に至り車室内に吹き出されると共に、加熱用熱交換器設置空間部7から連通路19を介してリア側吹出用流路12内に入って、このリア側吹出用流路12からリア側吹出用開口部16に至り車室内に吹き出される。
【0042】
図7では、B/Lモードが示されている。すなわち、吹出モード切換ドア43は、フロントベント吹出用流路9の風上側とフロントフット吹出用流路11の風上側との双方に対して開放されると共に連通路19は開放されて加熱用熱交換器設置空間部7とリア側吹出用流路12とは連通した状態にあるので、送風機34により空気入口3から空気流路5内に入った空気は、冷却用熱交換器37で冷却された後、フロントフット吹出用流路11からフロントフット吹出用開口部15に至り車室内に吹き出され、フロントベント吹出用流路9からフロントベント吹出用開口部13に至り車室内に吹き出されると共に、加熱用熱交換器設置空間部7から連通路19を介してリア側吹出用流路12内に入って、このリア側吹出用流路12からリア側吹出用開口部16に至り車室内に吹き出される。
【0043】
図8では、FOOTモードが示されている。すなわち、吹出モード切換ドア43は、フロントフット吹出用流路11の風上側を全開とし、フロントベント吹出用流路9の風上側を全閉とすると共に、連通路19は開放されて加熱用熱交換器設置空間部7とリア側吹出用流路12とは連通した状態にあるので、送風機34により空気入口3から空気流路5内に入った空気は、冷却用熱交換器37で冷却された後、フロントフット吹出用流路11からフロントフット吹出用開口部15に至り車室内に吹き出されると共に、加熱用熱交換器設置空間部7から連通路19を介してリア側吹出用流路12内に入って、このリア側吹出用流路12からリア側吹出用開口部16に至り車室内に吹き出される。
【0044】
すなわち、高温地用の仕様では、リア側吹出用流路12、リア側吹出用開口部16は、VENTモード、B/Lモード、FOOTモードのいずれにおいても、リアベント吹出用流路、リアベント吹出用開口部として機能する。
【0045】
以上により、この車両用空調ユニット1は、加熱用熱交換器設置空間部7に加熱用熱交換器39等を収納したエアコン仕様を標準仕様として設定した場合には、リア側吹出用流路12、リア側吹出用開口部16について、リアフット吹出用流路、リアフット吹出用開口部として機能させていたところ、ケース2の大概の部分については共通として、リア側吹出用流路形成材22bからリア側吹出用流路形成材22aへの交換、加熱用熱交換器39等の取り外し、開閉扉20の可動のみで、高温地用の仕様とすることができ、しかもリア側吹出用流路12、リア側吹出用開口部16にについて、リアベント吹出用流路、リアベント吹出用開口部として機能させることが可能となっている。
【0046】
その一方で、ケース2について、連通路19を開閉扉20で開閉する代わりに、図示しないが、ケース2を形成するための金型を入れ子構造として、この入れ子の交換、追加、一部取り外し等の調整により、仕切り部18が連通路19を有するものとなったり、仕切り部18が連通路19を有しないものとなったりすることで、対応するものとしても良い。
【0047】
すなわち、車両用空調ユニット1を、冷暖房機能の双方を備えた標準仕様とする場合では、ケース2の成形のための金型の入れ子を、連通路19を有しない仕切り部18が形成可能な入れ子となるように調整して、この入れ子を備えた金型から形成したケース2を用い、高温地用の冷房機能のみの仕様とする場合では、ケース2の成形のための金型の入れ子を、連通路19を有する仕切り部18が形成可能な入れ子となるように調整して、この入れ子を備えた金型から形成したケース2を用いる。
【0048】
この場合、車両用空調ユニット1を冷暖房機能の双方を備えた標準仕様とするために仕切り部18が連通路19を有しない構成のケース2を採択した場合には、先の実施例と開閉扉20で連通路19を閉塞しているか連通路19自体がないかの差異しかないので、吹出モードがVENTモードでは図3の連通路19を開閉扉20で閉じたのと同様の空気の流れを生じ、吹出モードがB/Lモードでは図4の連通路19を開閉扉20で閉じたのと同様の空気の流れを生じ、吹出モードがFOOTモードでは図5の連通路19を開閉扉20で閉じたのと同様の空気の流れを生じさせることができる。これに対し、車両用空調ユニット1を高温地用の冷房機能のみの仕様とするために仕切り部18が連通路19を有する構成のケース2を採択した場合には、先の実施例と開閉扉20が遊んだ状態にあるか開閉扉20自体がないかの差異しかないので、吹出モードがVENTモードでは図6の連通路19を開閉扉20が開放したのと同様の空気の流れを生じ、吹出モードがB/Lモードでは図7の連通路19を開閉扉20が開放したのと同様の空気の流れを生じ、吹出モードがFOOTモードでは図8の連通路19を開閉扉20が開放したのと同様の空気の流れを生じさせることができる。
【0049】
尚、リア吹出用流路形成部材22a、22bの構成及びその用い方については先の実施例と同様であるのでその説明を省略した。また、加熱用熱交換器39の搭載の有無についても先の実施例と同様であるのでその説明も省略した。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、この発明に係る車両用空調ユニットのケースの構造を示した概略図である。
【図2】図2は、同上の車両用空調ユニットのケースの加熱用熱交換器設置空間部及びリア側吹出用流路の部分の構成を示した概略図である。
【図3】図3は、同上の車両用空調ユニットを温暖地の標準仕様たるエアコン仕様とした場合で吹出モードをVENTモードとしたときの態様を示した概略図である。
【図4】図4は、同上の車両用空調ユニットを温暖地の標準仕様たるエアコン仕様とした場合で吹出モードをB/Lモードとしたときの態様を示した概略図である。
【図5】図5は、同上の車両用空調ユニットを温暖地の標準仕様たるエアコン仕様とした場合で吹出モードをFOOTモードとしたときの態様を示した概略図である。
【図6】図6は、同上の車両用空調ユニットを高温地仕様たるクーリングユニット仕様とした場合で吹出モードをVENTモードとしたときの態様を示した概略図である。
【図7】図7は、同上の車両用空調ユニットを高温地仕様たるクーリングユニット仕様とした場合で吹出モードをB/Lモードとしたときの態様を示した概略図である。
【図8】図8は、同上の車両用空調ユニットを高温地仕様たるクーリングユニット仕様とした場合で吹出モードをFOOTモードとしたときの態様を示した概略図である。
【符号の説明】
【0051】
1 車両用空調ユニット
2 ケース
3 空気入口
5 空気流路
6 冷却用熱交換器設置空間部
7 加熱用熱交換器設置空間部
8 吹出用流路
9 フロントベント吹出用流路
11 フロントフット吹出用流路
12 リア側吹出用流路
13 フロントベント吹出用開口部
15 フロントフット吹出用開口部
16 リア側吹出用開口部
18 仕切り部
19 連通路
20 開閉扉
22a又は22b リア側吹出用流路形成材
23 閉塞部
34 送風機
37 冷却用熱交換器
39 加熱用熱交換器
43 吹出モード切換ドア
45 閉塞部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に、送風機で空気入口から取り込まれた空気が流れる空気流路と、この空気流路上に設置される冷却用熱交換器と、暖房機能を持たせる場合に前記空気流路のうち前記冷却用熱交換器よりも風下流側となる設置空間に設置される加熱用熱交換器と、前記空気流路のうち前記冷却用熱交換器又は前記加熱用熱交換器を設置した場合にはこの加熱用熱交換器よりも風下側部位の一部を構成する吹出用流路とを有し、
この吹出用流路は、前記ケースの外面に、前席側に空気を送るためのフロントベント吹出用開口部、前席側に空気を送るためのフロントフット吹出用開口部、及び後席側に空気を送るためのリア側吹出用開口部を形成して、前記フロントベント吹出用開口部を最も風下側としたフロントベント用流路、前記フロントフット吹出用開口部を最も風下側としたフロントフット用吹出流路、及び前記リア側吹出用開口部を最も下流側としたリア側吹出用流路とを有した構成とすると共に、
このリア側吹出用流路は、前記フロントフット用流路から分岐し、且つ前記加熱用熱交換器の設置空間部とは仕切り部を介して隣接させて、前記仕切り部が連通路を有する場合には直接的に連通させることを可能として、
前記加熱用熱交換器を設置する場合には前記仕切り部が前記連通路を有しないと共に前記リア側吹出用流路の風上側部位が開放された構成とし、前記加熱用熱交換器を設置しない場合には前記仕切り部が前記連通路を有すると共に前記リア側吹出用流路の風上側部位が閉塞された構成とすることを特徴とした車両用空調ユニット。
【請求項2】
前記仕切り部は、前記連通路を開閉自在な開閉扉を設けることにより、前記開閉扉が前記連通路を閉塞して前記連通路を有しない状態とし、前記開閉扉が前記連通路を開放して前記連通路を有する状態とすることができることを特徴とした請求項1に記載の車両用空調ユニット。
【請求項3】
前記ケースを形成するための金型を入れ子構造として、この入れ子の調整により、連通路を有する仕切り部が形成されたり、連通路を有しない仕切り部が形成されたりすることを特徴とした請求項1に記載の車両用空調ユニット。
【請求項4】
前記リア側吹出用流路の風上側部位は、前記ケースのうち前記リア側吹出用流路を形成するリア側吹出用流路形成材をこのケースとは別部材とし、このリア側吹出用形成材の内面に前記リア側吹出用流路の空気流路と交差して、前記仕切り部まで達することが可能な閉塞部を形成し、この閉塞部を有するリア側吹出用形成材を取り付けることにより、閉塞することが可能であることを特徴とした請求項1、請求項2又は請求項3のいずれかに記載の車両用空調ユニット。
【請求項5】
前記空気流路は、前記ケースの外面に、車両の窓側に空気を送るためのデフ吹出用開口部を形成して、このデフ吹出用開口部を最も風下側としたデフ吹出用流路を有し、このデフ吹出用開口部又はデフ吹出用流路は、前記加熱用熱交換器を設置する場合には開放された構成とし、前記加熱用熱交換器を設置しない場合には、ケースと別部材の閉塞部材により閉塞された構成としたことを特徴とする請求項1、2、3又は4のいずれかに記載の車両用空調ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−166744(P2009−166744A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8625(P2008−8625)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(500309126)株式会社ヴァレオサーマルシステムズ (282)
【Fターム(参考)】