説明

車両用空調制御装置

【課題】運転者が替わった場合であっても、個人の温感差による空気調和装置の設定を個人好みの設定にその都度操作する必要がない車両用空調制御装置を提供する。
【解決手段】運転者の識別情報を取得する個人認証センサ11と、制御手段(1)の制御特性情報と識別情報とが対応付けて登録された制御情報登録部14と、を有する個人認証手段2を備え、制御手段(1)は、個人認証センサ11が取得した運転者の識別情報に基づいて、制御情報登録部14から制御特性情報を読み込み、読み込まれた制御特性情報に基づいて、空気調和装置(50)の運転開始時の初期値を設定する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者の身体的な状態や精神的な状態に応じた空調制御を行うため、運転者の各種状態や状況の変化(例えば、車室内に搭載されたカメラで撮影した運転者の顔画像の変化)により運転者の身体的な状態や精神的な状態を推定し(例えば、運転者がイライラしている等)、推定結果に応じて、車室内に外気を導入したり、運転者の顔に風を直接吹きかける等の空調制御を行う車両用空調制御装置が知られている。この運転者の各種状態や状況の変化とは、例えば、個人認証装置により運転者が特定された時の運転者の顔の表情が、その後運転中に変化したことをいう。
【0003】
さらに、このような空調制御を行うに際して、生体認証等の個人認証装置を車両に搭載して運転者を特定し、特定した運転者に対応する制御情報テーブル(運転者の各種状態や状況の変化に応じた空気調和装置の制御内容が含まれた情報テーブル)を読み込み、運転者の身体的な状態や精神的な状態の推定結果を制御情報テーブルに対応させて、運転者の好みに応じた空調制御を行う車両用空調制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-329800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に提案されている技術によれば、運転者の顔の表情等の運転者の各種状態や状況が、個人認証装置により運転者が特定された時と比較して変化した場合に、運転者の好み応じた空調制御が行われるものである。
【0006】
このため、空気調和装置の運転を開始した直後や、個人認証装置により運転者が特定された時と比較して各種状態や状況の変化がない場合には、運転者の好みに応じた空調制御を行うことができない。
【0007】
特に、運転者が替わった場合には、空気調和装置の運転開始時の設定は前に運転者として乗車した者の好みに設定されており、その設定は個人の温感差によるものである。従って、新たに運転者として乗車した者が、空気調和装置の運転開始時に再度個人の好みに応じた設定になるようにその都度操作する必要があり、煩わしさがあるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、運転者が替わった場合であっても、個人の温感差による空気調和装置の設定を個人好みの設定にその都度操作する必要がない車両用空調制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用空調制御装置にあっては、個人認証センサを用いて運転者の識別情報を取得し、この識別情報と対応付けて登録された制御特性情報に基づいて空気調和装置の運転開始時の初期値を設定する制御を行うものである。
【0010】
すなわち、車両用の空気調和装置の制御を行う制御手段を有する車両用空調制御装置において、運転者の識別情報を取得する個人認証センサと、前記制御手段の制御特性情報と前記識別情報とが対応付けて登録された制御情報登録部と、を有する個人認証手段を備え、前記制御手段は、前記個人認証センサが取得した前記運転者の識別情報に基づいて、前記制御情報登録部から前記制御特性情報を読み込み、読み込まれた前記制御特性情報に基づいて、前記空気調和装置の運転開始時の初期値を設定する制御を行うことを特徴とする。
【0011】
ここで、空気調和装置の運転開始時の初期値とは、空気調和装置の運転を開始した直後の送風温度、配風量等のことをいう。
【0012】
このように構成された本発明に係る車両用空調制御装置によれば、個人認証手段が運転者を特定して、特定された運転者の識別情報と対応付けて登録された制御特性情報に基づいて空気調和装置の運転開始時の初期値を設定するため、運転者が替わった場合であっても、個人の温感差による空気調和装置の設定を個人好みの設定にその都度操作する必要がない。
【0013】
また、本発明に係る車両用空調制御装置において、前記個人認証手段は、1又は2以上の識別情報が予め登録された識別情報登録部と、前記個人認証センサが取得した前記運転者の識別情報が前記識別情報登録部に登録されているか否かを判断する照合部と、を有し、前記制御手段は、前記運転者の識別情報が前記識別情報登録部に登録されていないと前記照合部が判断した場合には、前記車両用空調制御装置の通常の制御を行うような構成とすることが好ましい。
【0014】
ここで、通常の制御を行うとは、個人の好みに特化していない、従来の汎用の制御を行うことであり、空気調和装置の運転開始時の送風温度、配風量等を通常の値に設定(デフォルト設定)することをいう。
【0015】
このように構成された本発明に係る車両用空調制御装置によれば、予め登録を行っていない者や、予め登録を行っていた本人であるにもかかわらず認証失敗により登録されていないと判断された者が運転者である場合であっても、空気調和装置を通常の制御で作動させることができるため、認証失敗によって、空気調和装置が全く動作しなくなるのを防止することができる。
【0016】
さらに、本発明に係る車両用空調制御装置において、前記個人認証手段は、前記個人認証センサを、前記運転者の乗車時から発進時までの動作で前記運転者が触れることのできる範囲の位置(例えば、ドアノブやイグニッションスイッチの操作部)に備えているような構成とすることが好ましい。
【0017】
ここで、運転者の乗車時から発進時までの動作で運転者が触れるとは、運転者が乗車してから車両を発進させるまでの間に運転者が行う通常の動作の中で運転者が触れることをいう。
このように構成された本発明に係る車両用空調制御装置によれば、運転者が行う通常の動作の中で運転者が特段の個人認証意識を有しなくても、個人認証センサに無意識のうちに触れることができるため、空気調和装置の制御のためだけに意識的に個人認証動作を強要することを必要とせず、円滑に空調制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る車両用空調制御装置によれば、運転者が替わった場合であっても、個人の温感差による空気調和装置の設定を個人好みの設定にその都度操作する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1の車両用空調制御装置100と空気調和装置50との関係を示す全体構成図である。
【図2】図1の車両用空調制御装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の個人認証手段2の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の個人認証センサ11の取付け位置を示すための模式図である。
【図5】実施例1の車両用空調制御装置100の制御作用の流れを説明するフローチャートである。
【図6】図2の個人認証CPU3の配置位置を変えた場合の車両用空調制御装置100の構成を示すブロック図である。
【図7】図3の個人認証センサ11の取付け位置(変形例)を示すための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の車両用空調制御装置100を実現する形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1の車両用空調制御装置100と空気調和装置50との関係を示す全体構成図であり、図2は、実施例1の車両用空調制御装置100の構成を示すブロック図であり、図3は、図1の個人認証手段2の構成を示すブロック図であり、図4は、図3の個人認証センサ11の取付け位置を示すための模式図である。
【0022】
実施例1の車両用空調制御装置100は、図1に示すように、空気調和装置50の制御を行う制御手段1と、個人の識別情報に基づいて個人を認証する個人認証手段2と、を有する。
【0023】
[制御手段1の構成]
制御手段1は、図1に示すように、エアコンCPU3と、エアコンCPU3に入力情報をもたらす情報源として各種センサ5(内気温センサ5a、外気温センサ5b、日射センサ5c、水温センサ5d、湿度センサ5e)と、エアコンコントロール6と、各種制御部7(第1モータアクチュエータ7a、駆動回路7b、第2モータアクチュエータ7c、第3モータアクチュエータ7d)と、を有している。
【0024】
また、制御手段1は、図1に示すように、各種センサ5から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器8と、イグニッションスイッチ9と、バッテリー10と、を有している。
【0025】
[個人認証手段2の構成]
個人認証手段2は、ボディコントロールモジュール(図示せず)等に設けられ、図3に示すように、個人認証センサ11と、個人認証CPU12と、を有する。
【0026】
個人認証センサ11は、例えば、指紋センサや網膜スキャナ等の個人の生体情報を検出し、その特徴点から識別情報を取得するセンサであり、実施例1では、この個人認証センサ11として指紋センサを用いている。この個人認証センサ11は、図4に示すように、車両ドア25の開閉を手で操作するドアノブ26に備えられている。
【0027】
個人認証CPU12は、個人認証センサ11から識別情報が送信される識別情報受信部13と、制御手段1の制御特性情報と識別情報とが対応付けて登録された制御情報登録部14と、1又は2以上の識別情報が予め登録された識別情報登録部15と、識別情報受信部13に送信された識別情報が識別情報登録部15に登録されているか否かを判断する照合部16と、を有している。
【0028】
[空気調和装置50の構成]
空気調和装置50は、図1に示すように、冷房用熱交換器17と、暖房用熱交換器18と、インテークドア19と、ブロワモータ20と、エアミックスドア21と、デフドア22と、ベントドア23と、フットドア24と、を有している。
【0029】
また、車両用空調制御装置100と空気調和装置50とは、制御手段1に設けられた各種制御部7のうち、第1モータアクチュエータ7aがインテークドア19の制御を行い、駆動回路7bがブロワモータ20の制御を行い、第2モータアクチュエータ7cがエアミックスドア21の制御を行い、第3モータアクチュエータ7dがデフドア22、ベントドア23およびフットドア24の制御を行うように構成されている。
【0030】
次に、作用を説明する。
【0031】
図5は、実施例1の車両用空調制御装置100の制御作用の流れを説明するフローチャートである。
【0032】
[予め登録された者Aが運転者である場合]
運転者Aが乗車する際、運転者Aは車両のドアを開けるためにドアノブに触れる。このとき、ドアノブに備えられた個人認証センサ11が運転者Aの生体情報を検出し、その特徴点から識別情報を取得して識別情報受信部13に送信する(ステップS1)。
【0033】
そして、照合部16が、識別情報受信部13に送信された運転者Aの識別情報を読み込み、運転者Aの識別情報と識別情報登録部15に予め登録された識別情報とを照合して運転者Aの識別情報が識別情報登録部15に予め登録された識別情報であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0034】
運転者Aの識別情報が識別情報登録部15に予め登録されていると照合部16によって判断された場合、運転者Aの識別情報が照合部16から制御情報登録部14に送信され、さらに、運転者Aの識別情報と対応付けて登録された制御特性情報が制御情報登録部14からエアコンCPU3に送信される。
【0035】
その後、エアコンCPU3は、制御情報登録部14からの制御特性情報と、各種センサ5からの入力情報と、エアコンコントロール6からの入力情報と、を読み込み、様々な温度環境条件を考慮し、運転者Aが設定した温度や送風量に応答良く収束するように、空気調和装置50の運転開始時の初期値の算出をする(ステップS3)。
【0036】
この初期値とは、空気調和装置50の運転開始直後の目標吹出し温度や目標配風量等の目標値および各種制御部7の制御値を意味する。また、各種制御部7の制御値とは、算出された目標吹出し温度や目標配風量等の目標値に基づいて、インテークドア19、エアミックスドア21、デフドア22と、ベントドア23と、フットドア24のドア開度制御値と、ブロワモータ20の電圧制御値と、を意味する。
【0037】
ステップS3において算出された各種制御部7の制御値が各種制御部7に出力されて、各種制御部7はこの制御値に基づいて駆動するため、第1モータアクチュエータ7aがインテークドア19の制御を行い、駆動回路7bがブロワモータ20の制御を行い、第2モータアクチュエータ7cがエアミックスドア21の制御を行い、第3モータアクチュエータ7dがデフドア22、ベントドア23およびフットドア24の制御を行う(ステップS4)。
【0038】
また、運転者Aが一旦降車して、再び乗車する場合には、再度ドアノブ26に設けられた個人認証センサ11が再び運転者Aの生体情報を検出し、その特徴点から識別情報を取得して識別情報受信部13に送信されるので(ステップS1)、その後、ステップS2〜ステップS4の制御作用の流れを繰り返すことになる。
【0039】
[予め登録した者B、Cが運転者である場合]
運転者Aとは別の者である運転者Bが乗車する際には、運転者Bの識別情報と対応付けて登録された制御特性情報が制御情報登録部14からエアコンCPU3に送信される。
【0040】
そして、エアコンCPU3は、制御情報登録部14からの制御特性情報と、各種センサ5からの入力情報と、エアコンコントロール6からの入力情報と、を読み込み、様々な温度環境条件を考慮し、運転者Bが設定した温度や送風量に応答良く収束するように、空気調和装置50の運転開始時の初期値の算出をする(ステップS3’)。
【0041】
また、運転者A、Bとは別の者である運転者Cが乗車する場合も同様であり、運転者Cの識別情報と対応付けて登録された制御特性情報が制御情報登録部14からエアコンCPU3に送信され、エアコンCPU3は、制御情報登録部14からの制御特性情報と、各種センサ5からの入力情報と、エアコンコントロール6からの入力情報と、を読み込み、様々な温度環境条件を考慮し、運転者Cが設定した温度や送風量に応答良く収束するように、空気調和装置50の運転開始時の初期値の算出をする(ステップS3’’)。
【0042】
他のステップS1、2、4については、運転者Aの場合と同様であるので、説明を省略する。
【0043】
このように、識別情報を識別情報登録部15に予め登録した者(A、B、C)が運転者である場合には、各自が設定した温度や送風量に応答した空調制御が行われる。
【0044】
[予め登録していない者Dが運転者である場合]
予め登録されていない運転者Dが乗車する際には、照合部16は、運転者Dの識別情報が識別情報登録部15に予め登録されていないことを判断する(ステップS2)。
【0045】
その後、運転者Dの識別情報が照合部16から制御情報登録部14に送信されるが、制御情報登録部14には運転者Dの識別情報と対応付けられた制御特性情報が登録されていないため、制御特性情報はエアコンCPU3に送信されない。この場合、エアコンCPU3は、各種センサ5からの入力情報とエアコンコントロール6からの入力情報とを読み込み、空気調和装置50の運転開始時の初期値を個人の好みに特化していない値(通常の温度、送風量等)に設定する(ステップS3’’’)。
そして、ステップS3’’’において設定された値に基づいた各種制御部7の制御値が各種制御部7に出力されて、各種制御部7はこの制御値に基づいて、従来の汎用の制御である通常の制御を行なう(ステップS4)。
【0046】
なお、予め登録されている者A、B、Cが乗車する場合であっても、ステップS2で行われる照合において、認証失敗により識別情報が識別情報登録部15に予め登録されていないと判断される場合があり、この場合、予め登録されていない者Dが運転者である場合と同様に、ステップS3’’’に移行する。
【0047】
このように、識別情報を識別情報登録部15に予め登録していない者(D)が運転者である場合や、実際には登録されていても認証の過程で何らかのエラーが生じて照合が合わない場合には、個人の好みに特化しない通常の空調制御が行われる。
【0048】
次に、効果を説明する。
【0049】
このように構成された実施例1に係る車両用空調制御装置100によれば、個人認証手段2が運転者を特定して、特定された運転者の識別情報と対応付けて登録された制御特性情報に基づいて空気調和装置50の運転開始時の初期値を設定するため、運転者が替わった場合であっても、個人の温感差による空気調和装置50の設定を個人好みの設定にその都度操作する必要がない。
【0050】
また、個人認証手段2は、1又は2以上の識別情報が予め登録された識別情報登録部15と、個人認証センサ11が取得した運転者の識別情報が識別情報登録部15に登録されているか否かを判断する照合部16と、を有し、制御手段1は、運転者の識別情報が識別情報登録部15に登録されていないと照合部16が判断した場合には、車両用空調制御装置100の通常の制御を行うため、予め登録を行っていない者や、予め登録を行っていた本人であるにもかかわらず認証失敗により登録されていないと判断された者が運転者である場合であっても、空気調和装置を通常の制御で作動させることができるため、認証失敗によって、空気調和装置50が全く動作しなくなるのを防止することができる。
【0051】
さらに、個人認証手段2は、個人認証センサ11を、運転者の乗車時から発進時までの動作で運転者が触れることのできる範囲の位置であるドアノブ26に備えているため、運転者が行う通常の動作の中で運転者が特段の個人認証意識を有しなくても、個人認証センサ11に無意識のうちに触れることができ、空気調和装置50の制御のためだけに意識的に個人認証動作を強要することを必要とせず、円滑に空調制御を行うことができる。
【0052】
なお、実施例1に係る車両用空調制御装置100は、運転者の識別情報が識別情報登録部15に登録されていないと照合部16が判断した場合には、個人の好みに特化しない通常の空調制御が行われる場合について説明したが、このような形態に限られず、運転者の識別情報が識別情報登録部15に登録されていないと照合部16が判断した場合には、制御情報登録部14に登録された制御特性情報のうち、直前に読み込まれた制御特性情報に基づいて、空気調和装置50の運転開始時の初期値を設定する制御を行うように構成することも可能である。
【0053】
このような構成によれば、登録していないと照合部16が判断した場合のうち、実際には登録されていても認証の過程で何らかのエラーが生じて照合が合わない場合があり、このような場合に、直前に運転者として乗車した者の設定と同一の設定を使えば、直前に運転者として乗車した者と今回運転者として乗車した者とが同一人である場合に適切な設定として利用することができる。
【0054】
また、実施例1に係る車両用空調制御装置100によれば、図2に示すように、個人認証手段2に設けられた個人認証CPU12とエアコンCPU3とはそれぞれ独立しているが、図6に示すように、個人認証CPU12がエアコンCPU3に備えられているように構成することも可能である。
【0055】
さらに、実施例1に係る車両用空調制御装置100によれば、図4に示すように、個人認証センサ11はドアノブ26に備えられているが、図7に示すように、車両のイグニッションスイッチ9の操作部27に備えられるように構成することも可能である。
【0056】
このように構成された場合であっても、運転者が行う通常の動作の中で運転者が個人認証センサ11に触れることができ、空気調和装置50の制御のためだけに個人認証を行うことを必要とせず、円滑に空調制御を行うことができる。
【0057】
そして、個人認証センサ11は指紋センサに限らず、例えば、網膜スキャンを用いてルームミラーに内蔵するように構成することも可能である。
【0058】
以上、本発明の車両用空調制御装置を実施例1に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0059】
2 個人認証手段
3 エアコンCPU
11 個人認証センサ
12 個人認証CPU
13 識別情報受信部
14 制御情報登録部
15 識別情報登録部
16 照合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の空気調和装置の制御を行う制御手段を有する車両用空調制御装置において、
運転者の識別情報を取得する個人認証センサと、前記制御手段の制御特性情報と前記識別情報とが対応付けて登録された制御情報登録部と、を有する個人認証手段を備え、
前記制御手段は、前記個人認証センサが取得した前記運転者の識別情報に基づいて、前記制御情報登録部から前記制御特性情報を読み込み、読み込まれた前記制御特性情報に基づいて、前記空気調和装置の運転開始時の初期値を設定する制御を行うことを特徴とする車両用空調制御装置。
【請求項2】
前記個人認証手段は、1又は2以上の識別情報が予め登録された識別情報登録部と、前記個人認証センサが取得した前記運転者の識別情報が前記識別情報登録部に登録されているか否かを判断する照合部と、を有し、
前記制御手段は、前記運転者の識別情報が前記識別情報登録部に登録されていないと前記照合部が判断した場合には、前記空気調和装置の通常の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調制御装置。
【請求項3】
前記個人認証手段は、1又は2以上の識別情報が予め登録された識別情報登録部と、前記個人認証センサが取得した前記運転者の識別情報が前記識別情報登録部に登録されているか否かを判断する照合部と、を有し、
前記制御手段は、前記運転者の識別情報が前記識別情報登録部に登録されていないと前記照合部が判断した場合には、前記制御情報登録部に登録された制御特性情報のうち、直前に読み込まれた前記制御特性情報に基づいて、前記空気調和装置の運転開始時の初期値を設定する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調制御装置。
【請求項4】
前記個人認証手段は、前記個人認証センサを、前記運転者の乗車時から発進時までの動作で前記運転者が触れることのできる範囲の位置に備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用空調制御装置。
【請求項5】
前記個人認証手段は、前記個人認証センサを前記車両のドアノブに備えていることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調制御装置。
【請求項6】
前記個人認証手段は、前記個人認証センサを前記車両のイグニッションスイッチの操作部に備えていることを特徴とする請求項4に記載の車両用空調制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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