説明

車両用空調装置

【課題】 空調ユニットをインスツルメントパネルの内側に配置するにあたり、インスツルメントパネルを下ろさなくても空調部品の修理、交換などの作業を行えるようにする。
【解決手段】 エバポレータ6、温水ヒータ7、及び吹出モード切換装置8を車幅方向のほぼ同位置に配置し、内外気切換装置3及び送風機5をエバポレータ6に対して車幅方向にオフセットして配置し、さらに内外気切換装置3と送風機5とを車幅方向のほぼ同位置に配置して構成される空調ユニット1において、インスツルメントパネルにその一部をなす分解可能な分割部を設け、このインスツルメントパネルの分割部と空調ユニット1の空調部品を脱着させる部分とを対向して配置し、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介してこれと対向する空調ユニット1の部分から空調部品を脱着する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のインスツルメントパネルの内側に搭載される空調ユニットの空調部品を容易に脱着させることができる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】昨今において、インスツルメントパネルを含む車室前方に配置される部品をモジュール化することが提案されており、例えば、特開平11−59162号公報においては、空調ユニットなどをステアリングメンバに取り付け、この空調ユニットにディスプレイ装置を取り付けることによりユニットアセンブリを形成し、このユニットアセンブリを車体に取り付けた後にこれを覆うようにインスツルメントパネルを取り付けるようにするもの等が考えられている。
【0003】一般に空調ユニットは、内気と外気との導入割り合いを調節する内外気切換装置、送風機、冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、吹出モードを切り換える吹出モード切換装置などの空調部品を風の流れに対して直列に配置して構成されているが、上述のようなモジュール構成においては、それぞれの空調部品をメンテナンスするにあたり、インスツルメントパネルを外し、その後、メンテナンスを必要とする空調部品を空調ユニットから外す作業が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メンテナンス時にインスツルメントパネルをいちいち上げ下げしていたのでは、作業効率が悪く、また、インスツルメントパネル自体、大きく重いものであるので、インスツルメントパネルの脱着は容易ではなく、メンテナンス時の大きな障害となっていた。このため、空調ユニットとインスツルメントパネルとのモジュール化を図る上においては、メンテナンスのし易さが重要な課題となってきている。
【0005】そこで、この発明においては、特に、冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、及び吹出モード切換装置を車幅方向のほぼ同位置に配置し、内外気切換装置および送風機を冷却用熱交換器に対して車幅方向にオフセットして配置し、さらに内外気切換装置と送風機とを車幅方向のほぼ同位置に配置して構成される空調ユニットをインスツルメントパネルの内側に配置するにあたり、インスツルメントパネルを下ろさなくても空調部品の修理、交換などの作業を行うことができ、もって、メンテナンス作業の作業性の向上を図ると共にメンテナンスコストの削減を図ることができる車両用空調装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、この発明にかかる車両用空調装置は、内気と外気との導入割り合いを調節する内外気切換装置、送風機、冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、及び吹出モードを切り換える吹出モード切換装置を含む空調部品を風の流れに対して直列に配置し、前記冷却用熱交換器、前記加熱用熱交換器、及び前記吹出モード切換装置を車幅方向のほぼ同位置に配置すると共に、前記内外気切換装置及び前記送風機を前記冷却用熱交換器に対して車幅方向にオフセットして配置し、さらに前記内外気切換装置と前記送風機とを車幅方向のほぼ同位置に配置するように構成した空調ユニットを備えており、この空調ユニットをインスツルメントパネルの内側に搭載するようにした構成において、前記インスツルメントパネルにその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この前記インスツルメントパネルの分割部と前記空調ユニットの前記空調部品を脱着させる部分とを対向して配置し、前記インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介してこれと対向する前記空調ユニットの部分から前記空調部品を脱着できるようにしたことを特徴としている(請求項1)。
【0007】したがって、メンテナンス時においては、インスツルメントパネルの一部をなす分割部を分解して、この分解した部分を介して空調ユニットから空調部品を脱着させることができるので、インスツルメントパネルをわざわざ下ろす必要がなくなり、メンテナンス作業を簡易に行うことが可能となる。
【0008】ここで、空調ユニットの空調部品を脱着させる部分には、空調部品の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して空調部品を脱着できるようにしても(請求項2)、また、空調ユニットの空調部品を脱着させる部分には、空調部品を露出して設け、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して空調部品を脱着できるようにしてもよい(請求項3)。
【0009】また、インスツルメントパネルの分割部は、インスツルメントパネルの上部に設けるようにしても、インスツルメントパネルの下部に設けるようにしても、インスツルメントパネルの正面にかけて設けるようにしてもよい(請求項4〜6)。
【0010】例えば、冷却用熱交換器については、インスツルメントパネルの下部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に冷却用熱交換器の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して冷却用熱交換器を脱着させるようにするとよい(請求項7)。
【0011】また、空調ユニットの内外気切換装置と送風機との間にフィルタを配置する構成においては、インスツルメントパネルの上部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分にフィルタの取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介してフィルタを脱着させるようにするとよい(請求項8)。
【0012】加熱用熱交換器については、インスツルメントパネルの下部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に加熱用熱交換器の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して加熱用熱交換器を脱着できるようにするとよい(請求項9)。ここで、加熱用熱交換器は、温水を熱源とする温水ヒータであっても、電気ヒータであっても、温水を熱源とする温水ヒータとその下流側に設けられた電気ヒータであってもよく(請求項10,11)、空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部は、足元へ温調空気を導く通路を構成するものであってもよい(請求項12)。
【0013】また、送風機については、インスツルメントパネルの上部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に送風機を露出して配置し、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して送風機を脱着させるようにするとよい(請求項13)。
【0014】吹出モード切換装置については、インスツルメントパネルの一部分をなす分解可能な分割部を前記インストルメントパネルの上部から正面にかけて設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に吹出モード切換装置を露出して配置し、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して前記吹出モード切換装置を脱着させるようにしてもよい(請求項14)。
【0015】上述した各構成は、特に、送風機および冷却用熱交換器を車両の車幅方向に配列し、内外気切換装置を送風機に対して上下方向に配置し、加熱用熱交換器を冷却用熱交換器に対して車両の前後方向に配置し、吹出モード切換装置を加熱用熱交換器に対して上下方向に配置して構成される空調ユニットをインスツルメントパネルの内側に装着する場合に適した構成である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1において、車両のインスツルメントパネルの内側に搭載される空調ユニット1が示されている。この空調ユニット1は、空調ケース2に、図示しないインテークドアによって内気と外気との導入割り合いを調節する内外気切換装置3、フィルタ4、送風機5、エバポレータ6、温水ヒータ7、及び図示しないモードドアによって吹出モードを切り換える吹出モード切換装置8を風の流れに対して直列に配置して構成されるもので、このうち、エバポレータ6、温水ヒータ7、および吹出モード切換装置8を車幅方向のほぼ中央に配置し、また、内外気切換装置3、フィルタ4、および送風機5を、エバポレータ6に対して車幅方向にオフセットして配置すると共に車幅方向のほぼ同位置に配置するようにしている。
【0017】この例において、エバポレータ6と温水ヒータ7とは車両の前後方向に配列され、吹出モード切換装置8は、前記温水ヒータ7の上方に配置されている。また、送風機5は、エバポレータ6に対して助手席側にずらして配置され、内外気切換装置3及びフィルタ4は、送風機5の上方に配置されている。
【0018】エバポレータ6は、温水ヒータ7よりも車室側に配置されているもので、エバポレータ6の取り付け箇所に臨む空調ケース2の正面には、エバポレータ6の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニット1の一部分をなすエバコア脱着カバー9が分解可能に取り付けられており、このエバコア脱着カバー9を取り外すことで、エバポレータ6を空調ユニット1の正面から脱着できるようにしている。
【0019】そして、この空調ユニット1は、内外気切換装置3、フィルタ4、及び送風機5を設けた部分がブロワーユニット1aとして構成され、エバポレータ6、温水ヒータ7、及び吹出モード切換装置8を設けた部分が温調ユニット1bとして構成され、下記するようにインスツルメントパネルの内側に装着されている。
【0020】図2において、ミニバンのインスツルメントパネル20の内側、即ち、エンジンルーム10と車室11とを仕切るファイヤーウォール12とインスツルメントパネル20との間に形成される空間に上述した空調ユニット1を搭載した状態、特にエバポレータ6が配置されている温調ユニット1bの部分の搭載状態が示されている。
【0021】送風機5から圧送された空気は、エバコア脱着カバー9の側方に設けられた流入口13からエバポレータ6とエバコア脱着カバー9との間の空間に流入し、エバポレータ6を通過した後にエアミックスドア14によって温水ヒータ7を通過する空気とバイパスする空気との割り合いが調節され、温調された後にモードドア15a,15bの位置に応じて温調ユニット1bのエンジンルーム側端部に設けられたフット吹出口16を介して車室下方へ供給されると共に、温調ユニット1bの上部に設けられた別体をなすデフノズル17や一体をなすベントダクト18を介してフロントガラス21や車室上方へ供給されるようになっている。
【0022】また、この例において、エバポレータ6を収納した部分は、車両の中央前方のインスツルメントパネル20の下部に設けられた収納ボックス22よりもエンジンルーム側に配置されており、前記エバコア脱着カバー9は、この収納ボックス22と対向した位置に配置されている。収納ボックス22は、インスツルメントパネル20の一部分をなしているもので、この部分を分解して取り外すことで、空調ユニット1のエバポレータ6を収納した部分にアクセスすることができるようになっている。尚、23は、オーディオユニット又はナビゲーションユニットであり、24は、収納ボックス22の上方に設けられたヒータコントロールパネル、36は、ファイヤーウォール12に続いて形成されたフロアパネルである。
【0023】このような構成において、メンテナンスのために、エバポレータ6を取り外す作業工程を説明すると、先ず、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を分解して取り外し、この取り外した部分から手を差し入れて空調ユニット1のエバコア脱着カバー9を分解して取り外す。そして、収納ボックス22を取り外したことによって形成されるインスツルメントパネル20の開口部分とエバコア脱着カバー9を取り外したことによって形成される空調ケース2の開口部分とを介して空調ユニット1からエバポレータ6を車室側へ取り出せばよい。
【0024】また、取り外したエバポレータ6を空調ユニット1に取り付ける作業工程においては、取り外し工程の逆を作業を行えばよく、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を取り外して形成される開口部分と空調ケース2のエバコア脱着カバー9を取り外して形成される開口部分とを介して空調ユニット1の所定箇所にエバポレータ6を装着し、しかる後に空調ケース2の開口部分にエバコア脱着カバー9を嵌め付け、インスツルメントパネル20の開口部分に収納ボックス22を嵌め付ければよい。
【0025】したがって、エバポレータ6のメンテナンス時においては、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を分解すれば、空調ユニット1のエバポレータ6を収納した部分にアクセスできるようになるので、収納ボックス22とエバコア脱着カバー9とを取り外すことによって形成される経路を介してエバポレータ6を脱着させることが可能となる。このため、エバポレータ6のメンテナンス時においてインスツルメントパネル20を下ろす必要がなくなり、エバポレータ6のメンテナンス作業を簡易に行うことが可能となる。
【0026】図3において、車両のインスツルメントパネルの内側に搭載される空調ユニット1の他の構成が示されている。この空調ユニット1は、空調ケース2に、図示しないインテークドアによって内気と外気との導入割り合いを調節する内外気切換装置3、フィルタ4、送風機5、エバポレータ6、温水ヒータ7、電気ヒータ25、及び図示しないモードドアによって吹出モードを切り換える吹出モード切換装置8を風の流れに対して直列に配置し、このうち、エバポレータ6、温水ヒータ7、電気ヒータ25および吹出モード切換装置8を車幅方向のほぼ中央に配置し、また、内外気切換装置3、フィルタ4、及び送風機5をエバポレータ6に対して車幅方向にオフセットして配置すると共に車幅方向のほぼ同位置に配置するようにしている。
【0027】この例において、エバポレータ6、温水ヒータ7及び電気ヒータ25は車両の前後方向に配列され、吹出モード切換装置8は、温水ヒータ7の上方に配置されている。また、送風機5はエバポレータ6に対して助手席側にずらして配置されると共に車室側が高くなるように全体を傾かせて配置され、内外気切換装置3とフィルタ4とは、送風機5の上方において同じく車室側が高くなるように傾斜して配置されている。
【0028】フィルタ4は、内外気切換装置3と送風機5との間に配置されて送風機5の吸気部分に設けられているもので、フィルタ4の取り付け箇所に臨む空調ケース2の車室側の側部には、フィルタ4の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニット1の一部分をなすフィルタ脱着カバー26が分解可能に取り付けられている。したがって、フィルタ4は、フィルタ脱着カバー26を取り外すことで、空調ユニット1の内外気切換装置3と送風機5との間に位置する車室側の上方に向いた側部から脱着できるようになっている。
【0029】また、温水ヒータ7は、エバポレータ6よりも車室側に配置され、また、電気ヒータ25はエバポレータ7のさらに車室側に配置されており、これら加熱用熱交換器(温水ヒータ7、電気ヒータ25)の取り付け箇所に臨む空調ケース2の正面には、加熱用熱交換器の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニット1の一部分をなす脱着カバー27が分解可能に取り付けられており、この脱着カバー27を取り外すことで、温水ヒータ7や電気ヒータ25を空調ユニット1の正面から脱着できるようにしている。尚、この例において、脱着カバー27は、フットダクトを兼ねたものとなっている。また、電気ヒータ25は、加熱能力の不足を補うために必要に応じて取り付けられるもので、温水ヒータ7のみで十分な加熱能力が得られる場合には取り除かれるようになっている。
【0030】そして、この空調ユニット1は、内外気切換装置3と送風機5を設けた部分がブロワーユニット1aとして構成され、エバポレータ6、温水ヒータ7、電気ヒータ25、及び吹出モード切換装置8を設けた部分が温調ユニット1bとして構成され、下記するようにインスツルメントパネルの内側に装着されている。
【0031】図4において、乗用車のインスツルメントパネル20の内側、即ち、エンジンルーム10と車室11とを仕切るファイヤーウォール12とインスツルメントパネル20との間に形成される空間に図3で示す空調ユニット1を搭載した状態、特にフィルタ4が配置されている部分での搭載状態が示されている。
【0032】このフィルタ4を収納した部分は、助手席側前方のインスツルメントパネル20に設けられた助手席エアバック30やサイドベントダクト31、ステアリングメンバ32よりもエンジンルーム側に位置しており、前記フィルタ脱着カバー26は、インスツルメントパネル20の上面に分解可能に取り付けられたインパネカバー33と対向した位置に配置されている。このインパネカバー33は、インスツルメントパネル20の一部分をなしているもので、このインパネカバー33を分解して取り外すことで、空調ユニット1のフィルタ4を収納した部分にアクセスできるようになっている。尚、34は内外気切換装置3のインテークドア、35はインスツルメントパネル20の下部に設けられたグローブボックス、36はファイヤーウォール12に続いて形成されたフロアパネルである。
【0033】このような構成において、メンテナンスのために(フィルタ4の清掃や交換のために)、フィルタ4を取り外す作業工程を説明すると、先ず、インスツルメントパネル20のインパネカバー33を分解して取り外し、この取り外した部分から手を差し入れて空調ユニット1のフィルタ脱着カバー26を分解して取り外す。そして、インパネカバー33を取り外したことによって形成されるインスツルメントパネル20の開口部分とエバコア脱着カバー26を取り外したことによって形成される空調ケース2の開口部分とを介して空調ユニット1からフィルタ4を斜め上方へ引き抜けばよい。
【0034】また、フィルタ4を空調ユニット1に取り付けるには、取り外し工程の逆を作業を行えばよく、インスツルメントパネル20のインパネカバー33を取り外して形成される開口部分と空調ケース2のフィルタ脱着カバー26を取り外して形成される開口部分とを介して空調ユニット1の所定箇所にフィルタ4を装着し、しかる後に空調ケース2の開口部分にフィルタ脱着カバー26を嵌め付け、インスツルメントパネル20の開口部分にインパネカバー33を嵌め付ければよい。
【0035】したがって、フィルタ4のメンテナンス時においては、インスツルメントパネル20のインパネカバー33を分解すれば、空調ユニット1のフィルタ4を収納した部分にアクセスできるようになるので、インパネカバー33とフィルタ脱着カバー26とを取り外すことによって形成される経路を介してフィルタ4を脱着させることが可能となる。このため、フィルタ4のメンテナンス時においてインスツルメントパネル20を下ろす必要がなくなり、フィルタ4のメンテナンス作業を簡易に行うことが可能となる。
【0036】図5において、ミニバンのインスツルメントパネル20の内側、即ち、エンジンルーム10と車室11とを仕切るファイヤーウォール12とインスツルメントパネル20との間に形成される空間に図3で示す空調ユニット1を搭載した状態、特に温水ヒータ7が配置されている温調ユニット1bの部分の搭載状態が示されている。
【0037】この例においては、加熱用熱交換器として温水ヒータ7のみが配置されている状態が示されており、送風機5から圧送された空気は、温調ユニット1bの側方に設けられた流入口40からエバポレータ6のエンジンルーム側に形成される空間に流入し、エバポレータ6を通過した後にエアミックスドア41によって温水ヒータ7を通過する空気とバイパスする空気との割り合いが調節され、温調された後にモードドア42a,42b,42cの位置に応じて温調ユニット1bの車室側端部に設けられたヒータ脱着カバー27で構成されるフットダクトを介して車室下方へ供給されると共に、温調ユニット1の上部に設けられた別体をなすデフノズル44やベントダクト45を介してフロントガラス21や車室上方へ供給されるようになっている。
【0038】また、この例において、温水ヒータ7を収納した部分は、車両の中央前方のインスツルメントパネル20の下部に設けられた収納ボックス22よりもエンジンルーム側に配置されており、前記ヒータ脱着カバー27は、この収納ボックス22と対向した位置に配置されている。収納ボックス22は、インスツルメントパネル20の一部分をなしているもので、この部分を分解して取り外すことで、空調ユニット1の温水ヒータ7を収納した部分にアクセスすることができるようになっている。尚、32はステアリングメンバ、36はファイヤーウォール12に続いて形成されたフロアパネル、46はオーディオユニット又はナビゲーションユニット、47はヒータコントロールパネル、48はドリンクホルダである。
【0039】このような構成において、メンテナンスのために温水ヒータ7を取り外す作業工程を説明すると、先ず、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を分解して取り外し、この取り外した部分から手を差し入れてヒータ脱着カバー27を取り外す。そして、収納ボックス22を取り外したことによって形成されるインスツルメントパネル20の開口部分とヒータ脱着カバー27を取り外したことによって形成される空調ケース2の開口部分とを介して空調ユニット1から温水ヒータ7を車室側へ取り出せばよい。
【0040】また、温水ヒータ7を空調ユニット2に取り付けるには、取り外し工程の逆を作業を行えばよく、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を取り外して形成される開口部分と空調ケース2のヒータ脱着カバー27を取り外して形成される開口部分とを介して空調ユニット1の所定箇所に温水ヒータ7を装着し、しかる後に空調ケース2の開口部分にヒータ脱着カバー27を嵌め付け、インスツルメントパネル20の開口部分に収納ボックス22を嵌め付けて塞ぐようにすればよい。
【0041】したがって、温水ヒータ7のメンテナンス時においては、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を分解すれば、空調ユニット1の温水ヒータ7を収納した部分にアクセスできるようになるので、収納ボックス22を取り外すと共にヒータ脱着カバー27を取り外すことによって形成される経路を介して温水ヒータ7を脱着させることが可能となる。このため、温水ヒータ7のメンテナンス時においてインスツルメントパネル20を下ろす必要がなくなり、温水ヒータ7のメンテナンス作業を簡易に行うことが可能となる。
【0042】図6において、ミニバンのインスツルメントパネル20の内側、即ち、エンジンルーム15と車室16とを仕切るファイヤーウォール17とインスツルメントパネル20との間に形成される空間に図3で示す空調ユニットを搭載した状態、特に、電気ヒータ25が配置されている温調ユニット1bの部分の搭載状態が示されている。
【0043】この例においては、温調ユニット1bに加熱用熱交換器として温水ヒータ7と電気ヒータ25とが設けられ、この電気ヒータ25は、温水ヒータ7の車室側に並設されており、ヒータ脱着カバー12は、車両の中央前方のインスツルメントパネル20の下部に設けられた収納ボックス22と対向した位置に配置されている。尚、他の構成においては、図5で示す構成と同様であるので、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0044】このような構成において、メンテナンスのために電気ヒータ25を取り外す作業工程を説明すると、先ず、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を分解して取り外し、この取り外した部分から手を差し入れてヒータ脱着カバー27を取り外す。そして、収納ボックス22を取り外したことによって形成されるインスツルメントパネル20の開口部分とヒータ脱着カバー27を取り外したことによって形成される空調ケース2の開口部分とを介して空調ユニット1から電気ヒータ25を車室側へ取り出せばよい。
【0045】また、電気ヒータ25を空調ユニット2に取り付けるには、取り外し工程の逆を作業を行えばよく、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を取り外して形成される開口部分と空調ケース2のヒータ脱着カバー12を取り外して形成される開口部分とを介して空調ユニット1の所定箇所に電気ヒータ25を装着し、しかる後に空調ケース2の開口部分にヒータ脱着カバー12を嵌め付け、インスツルメントパネル20の開口部分に収納ボックス22を嵌め付けて塞ぐようにすればよい。
【0046】したがって、電気ヒータ25のメンテナンス時においては、インスツルメントパネル20の収納ボックス22を分解すれば、空調ユニット1の電気ヒータ25を収納した部分にアクセスできるようになるので、収納ボックス22を取り外すと共にヒータ脱着カバー12を取り外すことによって形成される経路を介して電気ヒータ25を脱着させることが可能となる。このため、電気ヒータ25のメンテナンス時においてインスツルメントパネル20を下ろす必要がなくなり、電気ヒータ25のメンテナンス作業を簡易に行うことが可能となる。
【0047】図7において、車両のインスツルメントパネルの内側に搭載される空調ユニット1のさらに他の構成例が示されている。この空調ユニット1は、空調ケース2に、インテークドア49a,49bによって内気と外気との導入割り合いを調節する内外気切換装置3、送風機5、エバポレータ6、温水ヒータ7、及び図示しないモードドアによって吹出モードを切り換える吹出モード切換装置8を風の流れに対して直列に配置し、このうち、エバポレータ6、温水ヒータ7、及び吹出モード切換装置8を車幅方向のほぼ中央に配置し、また、内外気切換装置3および送風機5をエバポレータ6に対して車幅方向にオフセットして配置すると共に車幅方向のほぼ同位置に配置するようにしている。
【0048】この例においては、エバポレータ6及び温水ヒータ7が車両の前後方向に配列され、吹出モード切換装置8は、温水ヒータ7の上方に配置されている。また、送風機5は、エバポレータ6に対して助手席側にずらして配置されると共に空調ケース2の上面に螺子止めなどの適当な手段によってモータ部分を露出させた状態で着脱自在に固定され、内外気切換装置3は、送風機5の下方に配置されている。
【0049】そして、この空調ユニット1は、内外気切換装置3と送風機5を設けた部分がブロワーユニット1aとして構成され、エバポレータ6や温水ヒータ7を設けた部分が温調ユニット1bとして構成され、吹出モード切換装置8を設けた部分がベントダクト50と共に一体をなして分解可能なディストリビュータユニット1cとして構成され、下記するようにインスツルメントパネルの内側に装着されている。
【0050】図8において、トラックなどの商用車のインスツルメントパネル20の内側、即ち、フロントインナーパネル51とインスツルメントパネル20との間に形成される空間に図7で示す空調ユニット1を搭載した状態、特に、送風機5が配置されている部分での搭載状態が示されている。
【0051】この送風機5を設けた部分は、助手席側前方のデフロスト吹出口52よりも車室側に位置すると共に、助手席側エアバック53やグローブボックス54、ステアリングメンバ55、サイドベントダクト56よりもエンジンルーム側に位置しており、送風機5は、インスツルメントパネル20の上面に分解可能に取り付けられたインパネトレイ57と対向した位置に露出して配置されている。このインパネトレイ57は、インスツルメントパネル20の一部分をなしているもので、このインパネトレイ57を分解して取り外すことで、送風機5に直接アクセスすることができるようになっている。尚、21はフロントガラスであり、58はフロントアウタパネル、36はフロアパネルである。
【0052】このような構成において、メンテナンスのために送風機5を取り外す作業工程を説明すると、先ず、インスツルメントパネル20のインパネトレイ57を分解して取り外し、この取り外した部分から手を差し入れて送風機5を固定しているネジを取り外す。そして、インパネトレイ57を取り外したことによって形成されるインスツルメントパネル20の開口部分を介して送風機5を上方へ取り出せばよい。また、送風機5を空調ユニット2に取り付けるには、取り外し工程の逆を作業を行えばよく、インスツルメントパネル20のインパネトレイ57を取り外して形成される開口部分を介して送風機5を差し入れ、空調ケース2の所定箇所にネジ止めし、しかる後にインスツルメントパネル20の開口部分にインパネトレイ57を嵌め付ければよい。
【0053】したがって、送風機5のメンテナンス時においては、インスツルメントパネル20のインパネトレイ57を分解すれば、送風機5に直接アクセスすることができるので、インパネトレイ6を取り外すことによって形成される経路を介して送風機5を脱着させることが可能となる。このため、送風機5のメンテナンス時においてインスツルメントパネル20を下ろす必要がなくなり、送風機5のメンテナンス作業を簡易に行うことが可能となる。
【0054】図9において、乗用車のインスツルメントパネル20の内側、即ち、エンジンルーム10と車室11とを仕切るファイヤーウォール12とインスツルメントパネル20との間に形成される空間に図7で示す空調ユニット1を搭載した状態、特に、吹出モード切換装置8が配されているディストリビュータユニット1cの部分の搭載状態が示されている。
【0055】このディストリビュータユニット1cは、インスツルメントパネル20の上部に設けられたオーディオユニット又はナビゲーションユニット60よりも下方に配置されると共に、車幅中央に設けられた温調ユニット1bの上部に分解可能に組み付けられている。送風機5から圧送された空気は、温調ユニット1bの側方に設けられた流入口61を介してエバポレータ6のエンジンルーム側に形成された空間に流入し、エバポレータ6を通過した後にエアミックスドア62によって温水ヒータ7を通過する空気とバイパスする空気との割り合いが調節され、温調された後にモードドア63a,63b,63cの位置に応じて温調ユニット1bの車室側端部に設けられたフットダクト64から車室下方へ供給されると共に、ディストリビュータユニット1cの上部に設けられた別体をなすデフノズル65や一体に設けられたベントダクト50を介してフロントガラス21や車室上方へ供給されるようになっている。
【0056】また、ディストリビュータユニット1cの部分は、インスツルメントパネル20の上部に設けられるオーディオユニット又はナビゲーションユニット60や、インスツルメントパネル20の正面に設けられるベントグリル67、ヒータコントロールパネル68、ドリンクホルダ69などが取り付けられたセンタクラスタ70と対向した位置に露出して配置されている。このセンタクラスタ70は、インスツルメントパネル20の一部分をなしているもので、このセンタクラスタ70を分解して取り外すことで、吹出モード切換装置8に直接アクセスすることができるようになっている。尚、21はフロントガラス、36はフロアパネル、71はシフトノブ、72はセンターコンソールである。
【0057】このような構成において、メンテナンスのために吹出モード切換装置8を取り外す作業工程を説明すると、先ず、インスツルメントパネル20の上部から正面にかけて形成されるセンタクラスタ70を分解して取り外し、このセンタクラスタ70を取り外したことによって形成されるインスツルメントパネル20の開口部分を介して吹出モード切換装置8が設けられているディストリビュータユニット1cを空調ユニット1から分離して車室側へ取り出せばよい。また、吹出モード切換装置8を空調ユニット1に取り付けるには、取り外し工程の逆を作業を行えばよく、インスツルメントパネル20のセンタクラスタ70を取り外して形成される開口部分を介してディストリビュータユニット1cを空調ユニット1の所定箇所に取り付け、しかる後にインスツルメントパネル20の開口部分にセンタクラスタ70を嵌め付ければよい。
【0058】したがって、吹出モード切換装置8のメンテナンス時においては、インスツルメントパネル20のセンタクラスタ70を分解すれば、吹出モード切換装置8に直接アクセスすることができるので、センタクラスタ70を取り外すことによって形成される経路を介して吹出モード切換装置8をディストリビュータユニット1cごと脱着させることが可能となる。このため、吹出モード切換装置8のメンテナンス時においてインスツルメントパネル20を下ろす必要がなくなり、吹出モード切換装置8のメンテナンス作業を簡易に行うことが可能となる。
【0059】尚、上述したエバポレータ6、フィルタ4、温水ヒータ7、電気ヒータ25、送風機5、吹出モード切換装置8の各脱着構造は、それぞれ車種に応じて個別に設けるようにしても、2以上の脱着構造を組み合わせて設けるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、及び吹出モード切換装置を車幅方向のほぼ同位置に配置し、内外気切換装置および送風機を冷却用熱交換器に対して車幅方向にオフセットして配置し、さらに内外気切換装置と送風機とを車幅方向のほぼ同位置に配置して構成される空調ユニットをインスツルメントパネルの内側に搭載する場合において、インスツルメントパネルの一部分をなす分解可能な分割部と空調ユニットの空調部品を脱着させる部分とを対向して配置し、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介してこれと対向する空調ユニットの部分から空調部品を脱着できるようにしたので、メンテナンス時にインスツルメントパネルを下ろす必要がなくなり、メンテナンス作業を効率よく行うことができると共に、メンテナンスコストの削減を図ることができるようになる。
【0061】この際、空調ユニットの空調部品を脱着させる部分には、空調部品の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して空調部品を脱着させるようにしても、空調部品を露出して設け、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して空調部品を脱着させるようにしてもよい。
【0062】例えば、インスツルメントパネルの下部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に冷却用熱交換器の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して冷却用熱交換器を脱着できる構成とすれば、冷却用熱交換器のメンテナンス作業においては、インスツルメントパネルの下部に設けられた分割部を分解することで、空調ユニットの冷却用熱交換器の収納部分にアクセスすることができ、さらに空調ユニットの分割部を分解することで冷却用熱交換器の脱着が可能となるので、効率のよい作業を行うことが可能となる。
【0063】また、空調ユニットの内外気切換装置と送風機との間にフィルタを配し、インスツルメントパネルの上部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分にフィルタの取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介してフィルタを脱着できるようにすれば、フィルタのメンテナンス作業においては、インスツルメントパネルの上部に設けられた分割部を分解することで、空調ユニットのフィルタの収納部分にアクセスすることができ、さらに空調ユニットの分割部を分解することでフィルタの脱着が可能となるので、効率のよい作業を行うことが可能となる。
【0064】インスツルメントパネルの下部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に加熱用熱交換器の取り付け箇所を塞ぐと共に空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、インスツルメントパネルの分割部と空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して加熱用熱交換器を脱着できるようにすれば、加熱用熱交換器のメンテナンス作業においては、インスツルメントパネルの下部に設けられた分割部を分解することで、空調ユニットの加熱用熱交換器の収納部分にアクセスすることができ、さらに空調ユニットの分割部を分解することで加熱用熱交換器の脱着が可能となるので、効率のよい作業を行うことが可能となる。
【0065】インスツルメントパネルの上部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に送風機のモータを露出して配置し、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して送風機を脱着できるようにすれば、送風機のメンテナンス作業においては、インスツルメントパネルの上部に設けられた分割部を分解することで、送風機に直接アクセスすることができ、そのまま空調ユニットから送風機の取り外しが可能となるので、効率のよい作業を行うことが可能となる。
【0066】さらに、インスツルメントパネルの一部分をなす分解可能な分割部をインストルメントパネルの上部から正面にかけて設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に吹出モード切換装置を露出して配置し、インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して吹出モード切換装置を脱着できるようにすれば、吹出モード切換装置のメンテナンス作業においては、インスツルメントパネルの正面に設けられた分割部を分解することで、吹出モード切換装置に直接アクセスすることができ、そのまま空調ユニットから吹出モード切換装置の取り外しが可能となるので、効率のよい作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる空調ユニットの構成例を示す図であり、図1(a)は、その平面図、図1(b)は、その正面図である。
【図2】図2は、本発明にかかる空調ユニットのエバポレータの脱着部分を示す図であり、図2(a)は、エバポレータの取り外し前の状態を示す図であり、図2(b)は、エバポレータを取り外す作業工程を説明する図である。
【図3】図3は、本発明にかかる空調ユニットの変形例を示す図であり、図3(a)は、その平面図、図3(b)は、その正面図である。
【図4】図4は、本発明にかかる空調ユニットのフィルタの脱着部分を示す図であり、図4(a)は、フィルタの取り外し前の状態を示す図であり、図4(b)は、フィルタを取り外す作業工程を説明する図である。
【図5】図5は、本発明にかかる空調ユニットの温水ヒータの脱着部分を示す図であり、図5(a)は、温水ヒータの取り外し前の状態を示す図であり、図5(b)は、温水ヒータを取り外す作業工程を説明する図である。
【図6】図6は、本発明にかかる空調ユニットの電気ヒータの脱着部分を示す図であり、図6(a)は、電気ヒータの取り外し前の状態を示す図であり、図6(b)は、電気ヒータを取り外す作業工程を説明する図である。
【図7】図7は、本発明にかかる空調ユニットの変形例を示す図であり、図7(a)は、その平面図、図7(b)は、その正面図である。
【図8】図8は、本発明にかかる空調ユニットの送風機の脱着部分を示す図であり、図8(a)は、送風機の取り外し前の状態を示す図であり、図8(b)は、送風機を取り外す作業工程を説明する図である。
【図9】図9は、本発明にかかる空調ユニットの吹出モード切換装置の脱着部分を示す図であり、図9(a)は、吹出モード切換装置の取り外し前の状態を示す図であり、図9(b)は、吹出モード切換装置を取り外す作業工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 空調ユニット
3 内外気切換装置
5 送風機
4 フィルタ
6 エバポレータ
7 温水ヒータ
8 吹出モード切換装置
9 エバコア脱着カバー
20 インスツルメントパネル
22 収納ボックス
25 電気ヒータ
26 フィルタ脱着カバー
27 ヒータ脱着カバー
33 インパネカバー
57 インパネトレイ
70 センタクラスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 内気と外気との導入割り合いを調節する内外気切換装置、送風機、冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、及び吹出モードを切り換える吹出モード切換装置を含む空調部品を風の流れに対して直列に配置し、前記冷却用熱交換器、前記加熱用熱交換器、及び前記吹出モード切換装置を車幅方向のほぼ同位置に配置すると共に、前記内外気切換装置及び前記送風機を前記冷却用熱交換器に対して車幅方向にオフセットして配置し、さらに前記内外気切換装置と前記送風機とを車幅方向のほぼ同位置に配置するように構成した空調ユニットを備えており、この空調ユニットをインスツルメントパネルの内側に搭載するようにしている車両用空調装置において、前記インスツルメントパネルにその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この前記インスツルメントパネルの分割部と前記空調ユニットの前記空調部品を脱着させる部分とを対向して配置し、前記インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介してこれと対向する前記空調ユニットの部分から前記空調部品を脱着できるようにしたことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】 前記空調ユニットの前記空調部品を脱着させる部分には、前記空調部品の取り付け箇所を塞ぐと共に前記空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、前記インスツルメントパネルの分割部と前記空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して前記空調部品を脱着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項3】 前記空調ユニットの前記空調部品を脱着させる部分には、前記空調部品を露出して設け、前記インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して前記空調部品を脱着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項4】 前記インスツルメントパネルの分割部は、前記インスツルメントパネルの上部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項5】 前記インスツルメントパネルの分割部は、前記インスツルメントパネルの下部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項6】 前記インスツルメントパネルの分割部は、前記インスツルメントパネルの正面にかけて設けられていることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項7】 前記インスツルメントパネルの下部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する前記空調ユニットの部分に前記冷却用熱交換器の取り付け箇所を塞ぐと共に前記空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、前記インスツルメントパネルの分割部と前記空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して前記冷却用熱交換器を脱着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項8】 前記空調ユニットの前記内外気切換装置と前記送風機との間にフィルタを配置し、前記インスツルメントパネルの上部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する空調ユニットの部分に前記フィルタの取り付け箇所を塞ぐと共に前記空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、前記インスツルメントパネルの分割部と前記空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して前記フィルタを脱着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項9】 前記インスツルメントパネルの下部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する前記空調ユニットの部分に前記加熱用熱交換器の取り付け箇所を塞ぐと共に前記空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部を設け、前記インスツルメントパネルの分割部と前記空調ユニットの分割部とを分解することで、これら分解した部分を介して前記加熱用熱交換器を脱着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項10】 前記加熱用熱交換器は、温水を熱源とする温水ヒータまたは電気ヒータからなることを特徴とする請求項9記載の車両用空調装置。
【請求項11】 前記加熱用熱交換器は、温水を熱源とする温水ヒータとその下流側に設けられた電気ヒータとからなることを特徴とする請求項9記載の車両用空調装置。
【請求項12】 前記空調ユニットの一部分をなす分解可能な分割部は、足元へ温調空気を導く通路を構成していることを特徴とする請求項9記載の車両用空調装置。
【請求項13】 前記インスツルメントパネルの上部にその一部分をなす分解可能な分割部を設け、この分割部と対向する前記空調ユニットの部分に前記送風機を露出して配置し、前記インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して前記送風機を脱着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
【請求項14】 前記インスツルメントパネルの一部分をなす分解可能な分割部を前記インストルメントパネルの上部から正面にかけて設け、この分割部と対向する前記空調ユニットの部分に前記吹出モード切換装置を露出して配置し、前記インスツルメントパネルの分割部を分解することで、この分解した部分を介して前記吹出モード切換装置を脱着できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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