説明

車両移動装置

【課題】 簡易な構成で、より効率良く平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置を提供しようとする。
【解決手段】
従来の車両の姿勢を変更できる車両移動装置にかわって、車両の車輪を各々に平面から持ち上げることをできる複数の車輪支持機構と複数の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる走行機構とを有する台車装置を備え、前記車輪支持機構が車両の車輪の外周に接触できる前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させることをでき、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上げる、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置に係る。特に、搬器に車両を格納して駐車する例えばタワー式駐車場のような駐車施設において、搬器に車両を搬入・搬出する駐車施設に用いることをできる車両移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬器に車両を格納して駐車する駐車施設、例えば、エレベーター式駐車場のような立体駐車場等では、車両を支持する搬器が立体的に配設されるように構成されている。即ち、エレベーター式駐車場では、多層の収容空間を上下に貫通移動するリフトによって搬器としてのパレットに載置された車両を搬送して所定の収容空間にパレットごと移載するようになっているものである。
【0003】
ところで、このような駐車施設では、通常、道路に面する前庭部から直接パレットに車両を乗り入れるようになっている。パレットには、車輪を案内する溝が形成されてはいるものの、特に初心者のように微妙な運転が不得手な者にとってはこのパレットへの乗り入れは難しく、何度も切り返しが必要で手間取るという問題があった。
また、パレット周辺の車両が乗り込むためのスペースが車イスが通るのには狭いケースが多く、車イスを使用する者にとって乗り込むのが難しいという問題があった。
【0004】
例えば、このような問題を回避するために、自動入出庫装置が提案されている。これは、搬器の搭載位置と対応する前庭部に、車載移動体が入出庫方向に移動可能に設けられると共に、当該車載移動体に搭載される車両のトレッドに合わせて二条のコンベアを備えて構成され、車載移動体に搭載された車両をコンベアの移動によって搬器内に移送すると共に、コンベアを車載移動体の後退と同期させて前進駆動することで車両を搬器に移載するようになっているものである。
【0005】
【特許文献1】特公昭58−18501号公報
【特許文献2】特願2004−169451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で、より効率良く平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置を、車両の複数の車輪を各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる複数の車輪支持機構と複数の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる走行機構とを有する台車装置を備え、前記車輪支持機構が車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる前後一対の車輪外周支持機構と前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる車輪支持移動機構とを持ち、前記車輪外周支持機構が左右方向に伸びる車輪支持部材と該車輪支持部材に左右方向に沿って伸びる回転軸回りに回転自在に支持される円筒部材である車輪支持ローラと該車輪支持部材の前記車輪支持ローラを挟んで左右方向に離れた位置に各々に固定され平面の上を任意の方向に転動できる左右一対の自在車輪とを含み、前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がり、また、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する、ものとした。
【0008】
上記本発明の構成により、複数の車輪支持機構が車両の複数の車輪を各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる。走行機構が複数の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる。前後一対の車輪外周支持機構が車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる。車輪支持移動機構が、前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる。車輪外周支持機構の車輪支持部材が左右方向に伸びる。円筒部材である車輪支持ローラが、該車輪支持部材に左右方向に沿って伸びる回転軸回りに回転自在に支持される。平面の上を任意の方向に転動できる左右一対の自在車輪が、該車輪支持部材の前記車輪支持ローラを挟んで左右方向に離れた位置に各々に固定される。第一姿勢が前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた状態である。第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がる。第一姿勢の状態で、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する。
その結果、台車を車両に互いの前後左右を一致させて沿わせて、前記第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させて、車輪を平面から持ち上げて、走行機構が平面の上を走行した後、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させて、車輪を平面に接することにより、車両の車輪以外の箇所に触れることなく、平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる。
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係るいくつかの車両移動装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0010】
本発明の実施形態に係る車両移動装置は、前記台車装置が、前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させる左右移動機構を有し、前記左右移動機構が前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた第二姿勢との間で姿勢を変化させる。
【0011】
上記本発明の構成により、第二姿勢が、前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた姿勢である。前記左右移動機構が、前記走行機構を基礎として前後一対の該車輪支持機構を左右方向に移動させて、前記第一姿勢と第二姿勢との間で姿勢を変化させる。
その結果、台車を車両に互いの前後左右を一致させて沿わせて、前記第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させて、車輪を平面から持ち上げまたは下げることをでき、第一姿勢から第二姿勢に変化させると、前後一対の車輪支持ローラを車両に干渉させることなく、台車装置を車両から容易に引き離すことをできる。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置を、車両の左右の一方の側の前方の車輪と後方の車輪とを各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる前後一対の車輪支持機構と前後一対の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる走行機構とを有する左右一対の台車装置を備え、前記走行機構が前後方向に沿って伸びる梁構造体と該梁構造体の前後方向に距離を離した位置に設けられた前後一対の走行車輪と前記梁構造体と前後一対の該車輪支持機構とを連結し前後方向に伸びる揺動軸回りに揺動する連結構造とを持ち、前記車輪支持機構が車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる前後一対の車輪外周支持機構と前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる車輪支持移動機構とを持ち、前記車輪外周支持機構が左右方向に伸びる車輪支持部材と該車輪支持部材に左右方向に沿って伸びる回転軸回りに回転自在に支持される円筒部材である車輪支持ローラと該車輪支持部材の前記車輪支持ローラを挟んで左右方向に離れた位置に各々に固定され平面の上を任意の方向に転動できる左右一対の自在車輪とを含み、前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がり、また、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する、ものとした。
【0013】
上記本発明の構成により、左右一対の台車装置が前後一対の車輪支持機構と走行機構とを有する。前後一対の車輪支持機構が、車両の左右の一方の側の前方の車輪と後方の車輪とを各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる。走行機構が、前後一対の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる。走行機構の梁構造体が、前後方向に沿って伸びる。前後一対の走行車輪が、該梁構造体の前後方向に距離を離した位置に設けられる。連結構造が、前記梁構造体と前後一対の該車輪支持機構とを連結し前後方向に伸びる揺動軸回りに揺動する。前後一対の車輪外周支持機構が、車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる。車輪支持移動機構が、前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる。前記車輪外周支持機構の車輪支持部材が、左右方向に伸びる。
円筒部材である車輪支持ローラが、該車輪支持部材に左右方向に沿って伸びる回転軸回りに回転自在に支持される。平面の上を任意の方向に転動できる左右一対の自在車輪が、該車輪支持部材の前記車輪支持ローラを挟んで左右方向に離れた位置に各々に固定される。第一姿勢が、前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた姿勢である。第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がる。第一姿勢の状態で、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する。
その結果、左右一対の台車装置を車両に互いの前後左右を一致させて沿わせて、前記第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させて、車輪を平面から持ち上げて、走行機構が平面の上を走行した後、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させて、車輪を平面に接することにより、車両の車輪以外の箇所に触れることなく、平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる。さらに、前後一対の走行車輪が平面を基礎として走行機構の梁構造体を支え、前後一対の該車輪支持機構が連結構造を介して走行機構の梁構造体の重量を支え、前記一対の自在車輪が平面を基礎として車輪支持機構を支え、台車装置が安定して平面に支持されて移動できる。
【0014】
本発明の実施形態に係る車両移動装置は、前記走行車輪が、水平方向に沿って伸びた車輪回転軸の回りに回転駆動される駆動車輪と該車輪回転軸を垂直軸の回りに回転させる揺動駆動機構とを持つ。
【0015】
上記本発明の構成により、駆動車輪が、水平方向に沿って伸びた車輪回転軸の回りに回転駆動される。揺動駆動機構が、該車輪回転軸を垂直軸の回りに回転させる。
その結果、揺動駆動機構と駆動車輪が連動して作動することにより、左右一対の走行台車が平面の上で姿勢または位置を任意の姿勢または任意の位置に変更でき、走行台車により持ち上げた車両の姿勢または位置を変更できる。
【0016】
本発明の実施形態に係る車両移動装置は、前記台車装置が前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させる左右移動機構を有し、前記連結構造が前記梁構造体を基礎として左右方向に移動自在に案内される副梁構造体と該副梁構造と前後一対の車輪支持機構とを連結し前記揺動軸回りに揺動する連結部材とを含み、前記左右移動機構が前記梁構造体を基礎として前記副梁構造体を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた第二姿勢との間で姿勢を変化させる、
【0017】
上記本発明の構成により、左右移動機構が、前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させる。副梁構造体が、前記梁構造体を基礎として左右方向に移動自在に案内される。前記揺動軸回りに揺動する連結部材が、該副梁構造と前後一対の車輪支持機構とを連結する。前記左右移動機構が前記梁構造体を基礎として前記副梁構造体を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた第二姿勢との間で姿勢を変化させる。
その結果、梁構造体を基礎として副梁構造体が左右方向に移動して、副梁構造体を基礎として連結部材を介して前後一対の車輪支持機構を左右方向に移動させる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明に係る平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置を、車両の複数の車輪を各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる複数の車輪支持機構と複数の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる走行機構と該走行機構を基礎として前後一対の該車輪支持機構を左右方向に移動させる左右移動機構とを有する台車装置を備え、前記車輪支持機構が車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる前後一対の車輪外周支持機構と前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる車輪支持移動機構とを持ち、前記車輪外周支持機構が左右方向に伸びる車輪支持部材と該車輪支持部材に左右方向に沿った中心軸回りに回転自在に支持される円筒部材である車輪支持ローラとを含み、前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がり、また、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接し、前記左右移動機構が前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた第二姿勢との間で姿勢を変化させる、ものとした。
【0019】
上記本発明の構成により、複数の車輪支持機構が、車両の複数の車輪を各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる。走行機構が、複数の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる。左右移動機構が、該走行機構を基礎として前後一対の該車輪支持機構を左右方向に移動させる。前後一対の車輪外周支持機構が、車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる。車輪支持移動機構が、前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる。前記車輪外周支持機構の車輪支持部材が左右方向に伸びる。円筒部材である車輪支持ローラが該車輪支持部材に左右方向に沿った中心軸回りに回転自在に支持される。第一姿勢が、前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた姿勢である。第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がる。第一姿勢の状態で、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する。第二姿勢が、前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた姿勢である。前記左右移動機構が前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と第二姿勢との間で姿勢を変化させる
その結果、台車を車両に互いの前後左右を一致させて沿わせて、前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させて、車輪を平面から持ち上げて、走行機構が平面の上を走行し、その後、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させて、車輪を平面に接することにより、車両の車輪以外の箇所に触れることなく、平面の上で車両の姿勢または位置を変更でき、第一姿勢から第二姿勢に変化させると、前後一対の車輪支持ローラを車両に干渉させることなく、容易に台車装置を車両から引き離すことをできる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明に係る平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置、その構成により、以下の効果を有する。
離間距離を接近し離間させることをできる前後一対の車輪支持ローラで車両の複数の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とを支持して、離間距離を接近させると車両の車輪が持ち上がる様にし、前後一対の車輪支持ローラを車輪支持部材で回転自在に支持し、車輪支持部材の車輪支持ローラを挟んだ位置に固定された左右一対の自在車輪を平面の上で任意の方向に転動させ、平面の上で移動する走行機構を前後一対の車輪支持ローラを設けられた車輪支持機構に連結したので、第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させて、車輪を平面から持ち上げて、走行機構が平面の上を走行し、その後、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させて、車輪を平面に接することにより、車両の車輪以外の箇所に触れることなく、平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる。
また、前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させて、前記第一姿勢と前記第二姿勢との間で姿勢を変化させる様にしたので、前記第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させて、車輪を平面から持ち上げまたは下げることをでき、第一姿勢から第二姿勢に変化させると、前後一対の車輪支持ローラを車両に干渉させることなく、容易に台車装置を車両から引き離すことをできる。
また、台車装置を左右一対の台車装置に分け、前記走行機構に前後方向に沿って伸びる梁構造体を設け、前後一対の走行車輪で該梁構造体の前後方向に距離を離した位置を支持し、揺動軸回りに揺動する連結構造で前記梁構造体と前後一対の該車輪支持機構とを連結したので、前後一対の走行車輪が平面を基礎として走行機構の梁構造体を支え、前後一対の該車輪支持機構が連結構造を介して走行機構の梁構造体を支え、前記一対の自在車輪が平面を基礎として車輪支持機構を支え、台車装置が安定して平面に支持されて移動できる。
また、駆動車輪が、水平方向に沿って伸びた車輪回転軸の回りに回転駆動され、揺動駆動機構が、該車輪回転軸を垂直軸の回りに回転させる様にしたので、揺動駆動機構と駆動車輪が連動して作動することにより、走行台車の平面の上で姿勢または位置を任意の姿勢または任意の位置に変更できる。
また、左右移動駆動機構が前記梁構造体を基礎として副梁構造体を左右方向に移動させ、連結部材が副梁構造体を前後一対の車輪支持機構に連結する様にしたので、梁構造体を基礎として副梁構造体が左右方向に移動して、副梁構造体を基礎として連結部材を介して前後一対の車輪支持機構を左右方向に移動させる。
また、離間距離を接近しまた離間させることをできる前後一対の車輪支持ローラで車両の複数の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とを支持して、離間距離を接近させると車両の車輪が持ち上がる様にし、前後一対の車輪支持ローラを車輪支持部材で回転自在に支持、平面の上で移動する走行機能を前後一対の車輪支持ローラを設けられた車輪支持機構に連結したので、前記第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させて、車輪を平面から持ち上げて、走行機構が平面の上を走行した後、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させて、車輪を平面に接することにより、車両の車輪以外の箇所に触れることなく、平面の上で車両の姿勢または位置を変更でき、第一姿勢から第二姿勢に変化させると、前後一対の車輪支持ローラを車両に干渉させることなく、容易に台車装置を車両から引き離すことをできる。
従って、簡易な構成で、より効率良く平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
本発明の実施形態に係る昇降足場装置の構成を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両移動装置の斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る車両移動装置の側面図である。図3は、本発明の実施形態に係る車両移動装置の平面図である。図4は、本発明の実施形態に係る車両移動装置のA−A断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る車両移動装置のA−A断面図である。図6は、本発明の実施形態に係る車両移動装置のB−B断面図である。図7は、本発明の実施形態に係る車両移動装置のC−C断面図である。
説明の便宜上、車両移動機構が車両の姿勢または位置を変更している際の車両の前後方向に沿った向きを車両移動機構の前後方向、車両の左右方向に沿った向きを車両移動機構の左右方向と呼称する、
【0023】
車両移動装置は、台車装置100と制御装置(図示せず)と車両検知装置(図示せず)とで構成される。
台車装置は、車両の車輪を支持して平面Sから持ち上げ、移動する装置である。
制御装置は、後述する車両検知装置の検知結果を基に、台車装置を制御して、車両を、予め設定された位置に移動し、予め設定させた姿勢に変更する装置である。
車両検知装置は、車両の姿勢と位置を検知し、検知データを制御装置へ送る装置である。
【0024】
台車装置100は、複数の車輪支持機構200と走行機構300と左右移動機構400と前後移動機構500とで構成される。
例えば、台車装置100は、前後左右に配された4個の車輪支持機構200と走行機構300と左右移動機構400と前後移動機構500とで構成される。
車輪支持機構200は、車両の複数の車輪を各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる機構である。
走行機構300は、複数の車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる機構である。
左右移動機構400は、走行機構300を基礎として複数の車輪支持機構200を左右方向に移動させる機構である。
前後移動機構500は、前後一対の車輪支持機構200の前後方向の相対距離を接近し、または離間させることをできる機構である。
【0025】
台車装置100は、左右一対の台車装置100R、100Lに別れていても良い。
台車装置100R、100Lは、前後一対の車輪支持機構200と走行機構300と左右移動機構400と前後移動機構500とで構成される。
車輪支持機構200は、車両の左右の一方の側の前方の車輪と後方の車輪とを各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる機構である。
走行機構300は、前後一対の車輪支持機構200に連結し平面Sの上を移動できる機構である。
左右移動機構400は、走行機構300を基礎として前後一対の車輪支持機構200を左右方向に移動させる機構である。
前後移動機構500は、前後一対の車輪支持機構200の前後方向の相対距離を接近し、または離間させることをできる機構である。例えば、前後移動機構500は、走行機構300を基礎として、前後一対の車輪支持機構200のうちの一方を前後方向に移動させる。
【0026】
車輪支持機構200は、車両の左右の一方の側の前方の車輪と後方の車輪とを各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる機構である。
例えば、車両支持機構200は、前後一対の車輪外周支持機構210と車輪支持移動機構220とで構成される。
車輪外周支持機構210は、車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる機構である。
車輪外周支持機構210は、車輪支持部材211と車輪支持ローラ212と左右一対の自在車輪213とで構成される。
車輪支持部材211は、左右方向に伸びる部材である。車輪支持部材211は、車輪支持移動機構220に保持される。
車輪支持ローラ212は、車輪支持部材211に左右方向に沿って伸びる回転軸回りに回転自在に支持される円筒部材である。
左右一対の自在車輪213は、車輪支持部材211の車輪支持ローラ212を挟んで左右方向に離れた位置に各々に固定され、平面Sの上を任意の方向に転動できる機械要素である。
例えば、自在車輪は、キャスタローラやオムニホイール等である。
【0027】
車輪支持移動機構220は、前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる機構である。
車輪支持移動機構220は、ラック&ピニオン221と車輪支持移動モータ222と車輪支持移動ガイド223とで構成される。
ラック&ピニオン221は、車輪支持部材211に固定されたラックとラックに噛み合ったピニオンで構成される機械要素である。
車輪支持移動モータ222は、ピニオンを回転駆動する回転アクチエータである。 車輪支持移動モータ222がピニオンを一方へ回転駆動すると、前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離が離間する。
車輪支持移動モータ222がピニオンを他方へ回転駆動すると、前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離が接近する。
車輪支持移動ガイド223は、前後一対の車輪外周支持機構210を前後方向に移動自在に案内する案内部材である。
車輪支持移動モータ222は、車輪支持移動ガイド223の上部に連結される部材に固定される。
【0028】
説明の便宜上、台車が車両に前後左右を一致させて沿ったときに、前後一対の車輪支持ローラ212が車輪を前後方向に挟む位置に置かれた姿勢を、第一姿勢と呼称する。
図5、図6、図7が、第一姿勢の状態を示す。
第一姿勢の状態で、車輪支持移動機構220が前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラ212の外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がる。
さらに、車輪支持移動機構220が前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラ212の外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する、
【0029】
走行機構300は、前後一対の車輪支持機構200に連結し平面Sの上を移動できる機構である。
例えば、走行機構300は、梁構造体310と前後一対の走行車輪320と連結構造330と従動車輪340とで構成される。
梁構造体310は、前後方向に沿って伸びる梁形状の構造体である。
走行車輪320は、梁構造体310の前後方向に距離を離した位置に設けられる駆動車輪である。
走行車輪320は、いわゆる転向ローラと呼称され、水平方向に沿って伸びた車輪回転軸の回りに回転駆動される駆動車輪321と車輪回転軸を垂直軸の回りに回転させる揺動駆動機構322とで構成される。
【0030】
連結構造330は、梁構造体310と前後一対の車輪支持機構200とを連結し前後方向に伸びる揺動軸回りに揺動する構造である。
連結構造330は、副梁構造体331と前後一対の連結部材332と前後一対の左右移動ガイド333とで構成される。
副梁構造体331は、後述する左右移動機構400により、梁構造体310を基礎として左右方向に移動自在に案内される梁形状の構造体である。
前後一対の連結部材332は、前後方向に伸びる副梁構造体331と前後一対の車輪支持機構220とを各々に連結し、揺動軸回りに揺動する部材である。
前方の連結部材332は、後述する前後移動機構500を介して、副梁構造体331の前方の位置と前方の車輪支持機構200とを連結する。後方の連結部材332は、副梁構造体331の後方の位置と後方の車輪支持機構200と連結する。
連結部材332は、上下方向に所定の距離のガタがあってもよい。
前後一対の左右移動ガイド333は、梁構造体410を基礎として副梁構造体331を左右方向に移動自在に案内する機械要素である。前方の左右移動ガイド333が、梁構造体41の前方の位置を基礎として副梁構造体の前方の位置を左右方向に移動自在に案内する。後方の左右移動ガイド333が、梁構造体41の後方の位置を基礎として副梁構造体の後方の位置を左右方向に移動自在に案内する。
従動車輪340は、梁構造体310を支持する従動車輪である。前後一対の走行車輪320の平面への接触点と従動車輪340の平面との接触点とが、三角形の3つの頂点を各々に形成する。
【0031】
左右移動機構400は、走行機構300を基礎として複数の車輪支持機構200を左右方向に移動させる機構である。
例えば、左右移動機構400は、ラック&ピニオン401と左右移動モータ402とで構成される。
ラック&ピニオン401が、長手方向を左右方向に沿って梁構造体310に固定されたラックとラックに噛み合うピニオンとで構成される機械要素である。
左右移動モータ402は、副梁構造体331に固定され、ピニオンを回転駆動する機械要素である。
【0032】
左右移動機構400の作動を、左台車装置100Lでの場合を例に、説明する。
左右移動モータ402を一方の回転方向に回転させると、副梁構造体331が梁構造体310を基礎として右方向へ移動する。車輪支持機構200が右方向へ移動する。車輪支持ローラ212が、走行機構300の輪郭から外側へ突き出る。
左走行台車100Lが車両の左側に位置し、車両支持機構200が車両の車輪の側面に対面している場合には、前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた姿勢(第一姿勢)になる。
左右移動モータ402を他方の回転方向に回転させると、副梁構造体331が梁構造体310を基礎として左方向へ移動する。車輪支持機構200が左方向へ移動する。車輪支持ローラ212が、走行機構300の側へ引き込まれる。
例えば、車輪支持ローラ212が、走行機構300の輪郭の内側へ引き込まれる。
説明の便宜上、前後一対の車輪支持ローラが走行機構の側へ引き込まれた姿勢を第二姿勢と呼称する。
図4は、第二の姿勢を示す。
【0033】
前後移動機構500は、前後一対の車輪支持機構200の前後方向の相対距離を接近し、または離間させることをできる機構である。
例えば、前後移動機構500は、前方の車両支持機構200を前後方向に移動させるために、副梁構造体331と前方の車両支持機構200との間に組み込まれる。
前後移動機構500は、ラック&ピニオン501と前後移動モータ502と前後移動ガイド503とで構成される。
ラック&ピニオン501は、連結部材332の下部に固定する部材に連結されたラックとラックに噛みあったピニオンとで構成される。
前後移動モータ502は、車輪支持移動ガイド223の上部に固定する部材に連結され、ピニオンを回転駆動する回転アクチエータである。
前後移動ガイド503は、連結部材332の下部に固定する部材を基礎として車輪支持移動ガイド223の上部に固定する部材を前後方向に移動自在に案内する機械要素である。例えば、前後移動ガイド503は、リニアガイドである。
前後移動モータ502が一方の回転方向に回転すると、前方の車輪支持機構200が後方に移動して、前後一対の車輪支持機構の相対距離が接近する。
前後移動モータ502が他方のの回転方向に回転すると、前方の車輪支持機構200が前方に移動して、前後一対の車輪支持機構の相対距離が離間する。
【0034】
以下に、本発明の実施形態に係る車両移動装置の作用を、図を基に、説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る車両移動装置の作用説明図である。
駐車装置において、乗捨てスペースに乗り捨てた車両を入出庫スペースへ移動する場合を例に説明する。
台車装置が、前後一対の台車装置である場合を例に説明する。
【0035】
(ステップA)
車両が乗捨てスペースに進入し、停止する。
車両検知装置が、車両の姿勢と位置を検知する。
例えば、レーザセンサが車両の位置と姿勢、4つの車輪の位置を検知する。
空のパレットが入出庫スペースに位置する。
左右一対の台車装置が、入出庫スペースに待機する。
台車装置100が、車両支持機構200の姿勢を第二姿勢にする。
【0036】
(ステップB)
制御装置が、車両の位置と姿勢、4つの車輪の位置のデータを基に、左右一対の台車装置を制御する。
右台車装置100Rが、車両の右側に移動し、停止する。
左台車装置100Lが、車両の左側に移動し、停止する。
前後移動装置500を作動させ、前後一対の車両支持機構200の前後方向の相対距離を車両の前輪と後輪との前後方向の相対距離に対応させる。
【0037】
(ステップC)
左右移動機構400を作動させ、車両支持機構200の姿勢を第一姿勢にする。
前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれる。
車輪支持移動機構220を作動させ、前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を接近させる。
車輪支持ローラが車輪の前下半分と後下半分を支えて、車輪が平面Sから持ち上がる。
この状態で、左右一対の台車装置と車両とが一体となって平面の上を移動できる。
【0038】
(ステップD)
左右一対の台車装置を連動させて、車輪の姿勢を変更し、車両の前後方向を入出庫スペースのパレットの前後方向に一致させる。
左右一対の台車装置を連動させて、車両の位置を入出庫スペースのパレットの上に移動させる。
【0039】
(ステップE)
車輪支持移動機構220を作動させ、前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を離間させる。車輪がパレットに乗る。
左右移動機構を作動させて、車両支持機構200の姿勢を第一姿勢から第二姿勢に変更する。
この作業の途中に、次の車両が乗捨てスペースに進入する。
【0040】
(ステップF)
車両を載せたパレットが駐車装置に引き込まれる。
【0041】
車両を出庫させるばあいは、ステップFからステップAへ順に実施する。
【0042】
上述の実施形態の車両移動装置を用いれば、以下の効果を発揮する。
車両の左右を互いの前後左右を一致させて、左右一対の台車装置100R、100Lで挟み、離間距離を接近し離間させることをできる前後一対の車輪支持ローラ212で車両の複数の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とを支持して離間距離を接近させて車両の車輪が持ち上がる様にし、前後一対の車輪支持ローラ212を車輪支持部材211で回転自在に支持し、車輪支持部材211の車輪支持ローラ212を挟んだ位置に固定された左右一対の自在車輪213を平面の上で転動させ、平面の上で移動する走行機構300を前後一対の車輪支持ローラ212を設けられた車輪支持機構200に連結したので、第一姿勢の状態で、前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を接近させて、車輪を平面から持ち上げて、走行機構300が平面の上を走行した後、前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を離間させて、車輪を平面に接することにより、車両の車輪以外の箇所に触れることなく、平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる。
また、走行機構300を基礎として前後一対の車輪支持機構200を左右方向に移動させて、第一姿勢と第二姿勢との間で姿勢を変化させる様にしたので、第一姿勢の状態で、車輪支持移動機構220が前後一対の車輪外周支持機構210の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させて、車輪を平面から持ち上げまたは下げることをでき、第一姿勢から第二姿勢に変化させると、前後一対の車輪支持ローラ212を車両に干渉させることなく、容易に台車装置100R、100Lを車両から引き離すことをできる。
また、走行機構300に前後方向に沿って伸びる梁構造体310を設け、前後一対の走行車輪320で梁構造体310の前後方向に距離を離した位置を支持し、揺動軸回りに揺動する連結構造330で梁構造体310と前後一対の車輪支持機構200とを連結したので、前後一対の走行車輪320が平面を基礎として走行機構300の梁構造体310を支え、前後一対の車輪支持機構200が連結構造を330介して走行機構300の梁構造体310を支え、左右一対の自在車輪213が平面を基礎として車輪支持機構200を支え、台車装置100R、100Lが安定して平面の上を移動できる。
また、走行車輪320の駆動車輪321が、水平方向に沿って伸びた車輪回転軸の回りに回転駆動され、揺動駆動機構322が、車輪回転軸を垂直軸の回りに回転させる様にしたので、揺動駆動機構322と駆動車輪321が連動して作動することにより、走行台車100R、100Lの平面の上で姿勢または位置を任意の姿勢または任意の位置に変更できる。
また、左右移動機構400が梁構造体310を基礎として副梁構造体331を左右方向に移動させ、連結部材332が副梁構造体331を前後一対の車輪支持機構200に連結する様にしたので、梁構造体310を基礎として副梁構造体331が左右方向に移動させて、前後一対の車輪支持機構200を左右方向に移動させる。
また、駐車装置に本発明の車両移動装置を設ければ、前庭部に車両移動体のような設備を前置する必要がない。
また、広々とした平面の上で任意の姿勢で停止した車両の姿勢または位置を容易に変更できる。
【0043】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
車両の姿勢と位置を変更するのに分離した左右一対の台車装置をもちいておこなう例で説明したが、これに限定されず、例えば、前後左右に車両支持機構を設けられた一台の台車装置を用いてもよく、また、左右一対の台車装置と左右一対の台車装置を連結した連結台車とを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る車両移動装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両移動装置の側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車両移動装置の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車両移動装置のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車両移動装置のA−A断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る車両移動装置のB−B断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る車両移動装置のC−C断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る車両移動装置の作用説明図である。
【符号の説明】
【0045】
S 平面
100 台車装置
100R 右台車装置
100L 左台車装置
200 車両支持機構
210 車輪外周支持機構
211 車輪支持部材
212 車輪支持ローラ
213 自在車輪
220 車輪支持移動機構
221 ラック&ピニオン
222 車輪支持移動モータ
223 車輪支持移動ガイド
300 走行機構
310 梁構造体
320 走行車輪
321 駆動車輪
322 揺動駆動機構
330 連結構造
331 副梁構造体
332 連結部材
333 左右移動ガイド
340 従動車輪
400 左右移動機構
401 ラック&ピニオン
402 左右移動モータ
500 前後移動機構
501 ラック&ピニオン
502 前後移動モータ
503 前後移動ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置であって、
車両の複数の車輪を各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる複数の車輪支持機構と複数の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる走行機構とを有する台車装置を備え、
前記車輪支持機構が車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる前後一対の車輪外周支持機構と前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる車輪支持移動機構とを持ち、
前記車輪外周支持機構が左右方向に伸びる車輪支持部材と該車輪支持部材に左右方向に沿って伸びる回転軸回りに回転自在に支持される円筒部材である車輪支持ローラと該車輪支持部材の前記車輪支持ローラを挟んで左右方向に離れた位置に各々に固定され平面の上を任意の方向に転動できる左右一対の自在車輪とを含み、
前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がり、また、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する、
ことを特徴とする車両移動装置。
【請求項2】
前記台車装置が、前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させる左右移動機構を有し、
前記左右移動機構が前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた第二姿勢との間で姿勢を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両移動装置。
【請求項3】
平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置であって、
車両の左右の一方の側の前方の車輪と後方の車輪とを各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる前後一対の車輪支持機構と前後一対の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる走行機構とを有する左右一対の台車装置を備え、
前記走行機構が前後方向に沿って伸びる梁構造体と該梁構造体の前後方向に距離を離した位置に設けられた前後一対の走行車輪と前記梁構造体と前後一対の該車輪支持機構とを連結し前後方向に伸びる揺動軸回りに揺動する連結構造とを持ち、
前記車輪支持機構が車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる前後一対の車輪外周支持機構と前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる車輪支持移動機構とを持ち、
前記車輪外周支持機構が左右方向に伸びる車輪支持部材と該車輪支持部材に左右方向に沿って伸びる回転軸回りに回転自在に支持される円筒部材である車輪支持ローラと該車輪支持部材の前記車輪支持ローラを挟んで左右方向に離れた位置に各々に固定され平面の上を任意の方向に転動できる様になった左右一対の自在車輪とを含み、
前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がり、また、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接する、
ことを特徴とする車両移動装置。
【請求項4】
前記走行車輪が、水平方向に沿って伸びた車輪回転軸の回りに回転駆動される駆動車輪と該車輪回転軸を垂直軸の回りに回転させる揺動駆動機構とを持つ、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両移動装置。
【請求項5】
前記台車装置が前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させる左右移動機構を有し、
前記連結構造が前記梁構造体を基礎として左右方向に移動自在に案内される副梁構造体と該副梁構造と前後一対の車輪支持機構とを連結し前記揺動軸回りに揺動する連結部材とを含み、
前記左右移動機構が前記梁構造体を基礎として前記副梁構造体を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた第二姿勢との間で姿勢を変化させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両移動装置。
【請求項6】
平面の上で車両の姿勢または位置を変更できる車両移動装置であって、
車両の複数の車輪を各々に平面から持ち上げまたは平面に降ろすことをできる複数の車輪支持機構と複数の該車輪支持機構に連結し平面の上を移動できる走行機構と該走行機構を基礎として前後一対の該車輪支持機構を左右方向に移動させる左右移動機構とを有する台車装置を備え、
前記車輪支持機構が車両の車輪の外周の前方下半分と後方下半分とに夫々に接触できる前後一対の車輪外周支持機構と前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させまたは接近させることをできる車輪支持移動機構とを持ち、
前記車輪外周支持機構が左右方向に伸びる車輪支持部材と該車輪支持部材に左右方向に沿った中心軸回りに回転自在に支持される円筒部材である車輪支持ローラとを含み、
前後一対の車輪支持ローラが車輪を前後方向に挟む位置に置かれた第一姿勢の状態で、前記車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を接近させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周に接して、車輪が平面から持ち上がり、また、車輪支持移動機構が前後一対の車輪外周支持機構の前後方向の相対距離を離間させると、前後一対の車輪支持ローラの外周が車輪の外周から離れて、車輪が平面に接し、
前記左右移動機構が前記走行機構を基礎として前後一対の前記車輪支持機構を左右方向に移動させると、前記第一姿勢と前後一対の車輪支持ローラが前記走行機構の側へ引き込まれた第二姿勢との間で姿勢を変化させる、
ことを特徴とする車両移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−75351(P2008−75351A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256495(P2006−256495)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】