説明

車両

【課題】シャフトの中心軸線とフロントフォークの中心軸線とが平行でない場合でも、シャフトおよびフロントフォークと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するのを抑制することが可能な車両を提供する。
【解決手段】この自動二輪車(車両)1は、ヘッドパイプ2と、ヘッドパイプ2に回動可能に支持されるステアリングシャフト6と、フロントフォーク5と、ステアリングシャフト6とフロントフォーク5とが支持されるアッパーブラケット4とを備え、ステアリングシャフト6は、上部ステアリングシャフト17と、下部ステアリングシャフト18とを含み、上部ステアリングシャフト17は、アッパーブラケット4に挿入されて下部ステアリングシャフト18に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に関し、特に、シャフトおよびシャフトを支持するブラケットを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステアリングシャフトなどのシャフトを支持するブラケットを備えた車両が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、ステアリングシャフトと、フロントフォークと、ステアリングシャフトとフロントフォークとを固定する上側ブラケットとを備え、ステアリングシャフトの中心軸線とフロントフォークの中心軸線とが平行でなく交差する自動二輪車(車両)が開示されている。この自動二輪車では、上側ブラケットに、フロントフォークの外径と実質的に同等の内径を有するフロントフォーク挿入孔を設ける一方、ステアリングシャフトの外径よりも大きい内径を有するステアリングシャフト挿入孔を設けることにより、組立時に、互いに平行でないステアリングシャフトおよびフロントフォークの上方から上側ブラケットを嵌合することが可能なように構成されている。また、上記特許文献1の自動二輪車では、ステアリングシャフトおよびフロントフォークに上側ブラケットを嵌合した後、ステアリングシャフト挿入孔にステアリングシャフトの外径と同じ内径を有するカラーを挿入し、さらにその後、ステアリングシャフトに対してキャップナットを締め付けることにより、ステアリングシャフトのガタつきがなくなるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特許第3778536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された自動二輪車(車両)では、ステアリングシャフトのガタつきをなくすため、ステアリングシャフト挿入孔にステアリングシャフトを挿入した後に、カラーをステアリングシャフト挿入孔とステアリングシャフトとの両方に対して隙間なく挿入し、さらにその後、ステアリングシャフトに対してキャップナットを締め付ける作業が必要である。このため、ステアリングシャフトおよびフロントフォークと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、シャフトの中心軸線とフロントフォークの中心軸線とが平行でない場合でも、シャフトおよびフロントフォークと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するのを抑制することが可能な車両を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による車両は、ヘッドパイプと、ヘッドパイプに回動可能に支持されるシャフトと、フロントフォークと、シャフトとフロントフォークとが支持される上側ブラケットとを備え、シャフトは、上側シャフト部と、下側シャフト部とを含み、上側シャフト部は、上側ブラケットに挿入されて下側シャフト部に固定されている。
【0007】
この一の局面による車両では、上記のように、上側シャフト部を、上側ブラケットに挿入した状態で下側シャフト部に固定するように構成することによって、シャフトの中心軸線とフロントフォークの中心軸線とが平行でない場合でも、フロントフォークと下側シャフト部とを上側ブラケットに挿入した状態で、上側シャフト部を上側ブラケットに挿入して下側シャフト部に固定する作業のみにより、フロントフォークおよびシャフトを上側ブラケットに取り付けることができる。これにより、シャフトおよびフロントフォークと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するのを抑制することができる。
【0008】
上記一の局面による車両において、好ましくは、上側ブラケットは、フロントフォークが挿入されるフロントフォーク挿入孔部と、シャフトの上側シャフト部が挿入される上側シャフト部挿入孔部と、上側シャフト部挿入孔部と連通しているとともに下側シャフト部が収納される下側シャフト部収納孔部とを含み、下側シャフト部と下側シャフト部収納孔部との間には、所定の隙間が形成されている。このように構成すれば、組立時に、互いに平行でないフロントフォークおよび下側シャフト部に対して上側ブラケットを容易に嵌め込むことができるとともに、さらにその後に、上側シャフト部を上側ブラケットに挿入して、下側シャフト部に固定することができる。これにより、容易にシャフトおよびフロントフォークと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するのを抑制することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、フロントフォーク挿入孔部は、フロントフォークのフロントフォーク挿入孔部に挿入される部分の外径と同等の内径を有しており、上側シャフト部挿入孔部は、上側シャフト部の上側シャフト部挿入孔部に挿入される部分の外径と同等の内径を有している。このように構成すれば、フロントフォークおよび上側シャフト部を上側ブラケットに取り付けた際に、フロントフォークおよび上側シャフト部と上側ブラケットとのガタつきをなくすことができる。
【0010】
上記上側ブラケットが上側シャフト部挿入孔部を含む車両において、好ましくは、上側シャフト部の上側ブラケットの上側シャフト部挿入孔部に挿入される部分には、下側シャフト部側にいくにつれて細くなるテーパ形状部が形成されている。このように構成すれば、上側シャフト部のテーパ形状部により、上側シャフト部を上側シャフト部の外径と同等の内径を有する上側ブラケットの上側シャフト部挿入孔部に容易に挿入することができるとともに、上側シャフト部の中心軸線と上側シャフト挿入孔部の中心軸線とを容易に合わせることができる。これにより、シャフトと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するのをより抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による車両において、好ましくは、上側シャフト部は、下側シャフト部側の先端部分に形成された第1ネジ部を含み、下側シャフト部の上側シャフト部側の先端部分には、第1ネジ部に螺合される第2ネジ部が形成されている。このように構成すれば、組立時、上側シャフト部を上側ブラケットに挿入して、上側シャフト部の第1ネジ部を下側シャフト部の第2ネジ部に螺合するだけで、上側シャフト部を上側ブラケットに挿入した状態で下側シャフトに固定することができるので、シャフトと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するのをより抑制することができる。
【0012】
上記一の局面による車両において、好ましくは、上側シャフト部と下側シャフト部とに共通の中心軸線と、フロントフォークの中心軸線とが交差するように、シャフトおよびフロントフォークは互いに非平行に配置されている。このようにシャフトの中心軸線とフロントフォークの中心軸線とが互いに非平行に配置されている場合にも、本発明を適用すれば、シャフトおよびフロントフォークと上側ブラケットとの組立作業が複雑化するのを抑制することができる。
【0013】
上記一の局面による車両において、好ましくは、ヘッドパイプの下方に配置されるとともに、シャフトとフロントフォークとを支持する下側ブラケットをさらに備える。このように構成すれば、下側ブラケットにより、シャフトが下方に移動するのを抑制することができるとともに、フロントフォークが車幅方向に移動するのを抑制することができるので、シャフトおよびフロントフォークを安定して支持することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、下側シャフト部は、ヘッドパイプの上端部に配置された第1軸受部材と、ヘッドパイプの下端部に配置されているとともに下側ブラケットの支持部により上方に支持されている第2軸受部材とにより回動可能に支持されている。このように構成すれば、第1軸受部材および第2軸受部材により、下側シャフト部の回動を円滑にすることができるとともに、下側シャフト部を下側シャフト部の上端部と下端部との離れた2点で支持することができるので、下側シャフト部が回動した際に、下側シャフト部を安定して支持することができる。
【0015】
上記第1軸受部材が配置されている車両において、好ましくは、下側シャフト部の外周面には、第3ネジ部が形成され、下側シャフト部の第3ネジ部に螺合するとともに、第1軸受部材を固定するナット部をさらに備える。このように構成すれば、ナット部により、第1軸受部材の下側シャフト部に対する位置を保持することができる。
【0016】
上記ナット部を備える車両において、好ましくは、上側ブラケットは、下側シャフト部が収納される下側シャフト部収納孔部を含み、ナット部の上面と下側シャフト部収納孔部の上面との間に配置されるカラー部をさらに備える。このように構成すれば、容易に、上側ブラケットの高さ位置を調節することができる。
【0017】
上記上側ブラケットがフロントフォーク挿入孔部を含む車両において、好ましくは、フロントフォークは、一対設けられており、一対のフロントフォークの上部は、上側ブラケットの車幅方向の両端部近傍で上側ブラケットのフロントフォーク挿入孔部にそれぞれ挿入されることにより固定されている。このように構成すれば、フロントフォークを1つ設ける場合と比べて、車両をより安定させることができる。また、一対のフロントフォークは、上側ブラケットの回転軸に対して、両端部に固定されているので、上側ブラケットが回動した際に、より効率良く回動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による自動二輪車の全体構成を示した側面図である。図2は、本発明の一実施形態による自動二輪車の全体構成を示した正面図である。図3〜図9は、図1に示した一実施形態による自動二輪車の構造を説明するための図である。なお、本実施形態では、本発明の車両の一例として、自動二輪車について説明する。図中、矢印FWD方向は、自動二輪車の走行方向の前方を示している。以下、図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態による自動二輪車1の構造について説明する。
【0020】
本発明の一実施形態による自動二輪車1の全体構造としては、図1に示すように、ヘッドパイプ2の後部に、メインフレーム3aが接続されている。また、ヘッドパイプ2の下部には、下方、かつ、後方に延びるようにダウンチューブ3bが接続されている。これらヘッドパイプ2、メインフレーム3aおよびダウンチューブ3bによって、車体フレームが構成されている。
【0021】
また、ヘッドパイプ2の上方には、図1、図2および図5に示すように、ヘッドパイプ2に対して回動可能なアッパーブラケット4が配置されている。このアッパーブラケット4には、図2に示すように、一対のフロントフォーク5とステアリングシャフト6とハンドル7を取り付けるための一対のハンドルステー8とが固定されている。なお、アッパーブラケット4は、本発明の「上側ブラケット」の一例であり、ステアリングシャフト6は、本発明の「シャフト」の一例である。
【0022】
また、図3および図4に示すように、ハンドルステー8は、アッパーブラケット4の上面に、上方に突出するように取り付けられている。具体的には、一対のハンドルステー8の本体部8aの下部には、図4に示すように、それぞれ、下端部にネジ部8bが形成されている支持軸部8cが設けられている。また、アッパーブラケット4には、図4および図8に示すように、一対のハンドルステー取付孔4aがアッパーブラケット4の上面と下面との間を貫通するように形成されている。また、図4に示すように、一対のハンドルステー取付孔4aの内面には、それぞれ、外周面が衝撃を吸収可能なショックアブソーバー9aにより形成されたブッシュ9が嵌め込まれている。また、各ブッシュ9の上部には、それぞれ、走行中に発生する微振動を減衰可能なダンパー10およびワッシャ11が配置されており、各ワッシャ11は、それぞれ、一対のハンドルステー8の本体部8aの下面を支持している。また、ネジ部8bには、ワッシャ12を介して、ナット13が取り付けられている。
【0023】
また、図3に示すように、一対のハンドルステー8の本体部8aの上部には、車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)に延びるハンドルパイプ7aを一対のハンドルステー8の本体部8aの間に挟み込むように、ステーカバー14が固定されている。具体的には、ステーカバー14の上部には、4つのネジ挿入穴14aが形成されており、一対のハンドルステー8には、図4に示すように、それぞれ、2つのネジ穴8dが形成されている。そして、ステーカバー14は、ステーカバー14のネジ挿入穴14aにネジ部材15が挿入された状態でハンドルステー8のネジ穴8dに螺合されることにより、一対のハンドルステー8に取り付けられている。これにより、ハンドルパイプ7aを回動させた際に、一対のハンドルステー8を介してアッパーブラケット4を回動させることが可能となる。
【0024】
また、図2および図3に示すように、アッパーブラケット4の車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の両端部近傍には、それぞれ、フロントフォーク挿入孔4bが形成されている。なお、フロントフォーク挿入孔4bは、本発明の「フロントフォーク挿入孔部」の一例である。また、フロントフォーク5は、図2に示すように、一対のフロントフォーク挿入孔4bに挿入され、上端部近傍でアッパーブラケット4に固定されている。また、フロントフォーク5は、上側(ハンドル7側)に配置されているインナーチューブ5aと、下側(後述する前輪16側)に配置され、インナーチューブ5aの外周を摺動可能に構成されたアウターチューブ5bとを含んでいる。また、インナーチューブ5aは、フロントフォーク挿入孔4bの内径と同等の外径を有している。また、アウターチューブ5bの下部には、図1および図2に示すように、前輪16が回転可能に取り付けられている。
【0025】
ここで、本実施形態では、ステアリングシャフト6は、図6および図7に示すように、上部ステアリングシャフト17と下部ステアリングシャフト18とが分離可能なように構成されている。具体的には、上部ステアリングシャフト17は、スパナなどの工具により容易に組み付けができるように六角形状を有する頭部17aと、先細り形状を有するテーパ形状部17bと、ネジ部17cとを含む。下部ステアリングシャフト18は、図6に示すように、上部ステアリングシャフト17のネジ部17cにより螺合されるネジ穴部18aと、下部ステアリングシャフト18を後述するアンダーブラケット20と固定するためのネジ穴部18bとを含む。なお、上部ステアリングシャフト17は、本発明の「上側シャフト部」の一例であり、ネジ部17cは、本発明の「第1ネジ部」の一例である。また、下部ステアリングシャフト18は、本発明の「下側シャフト部」の一例であり、ネジ穴部18aは、本発明の「第2ネジ部」の一例である。
【0026】
また、本実施形態では、図5に示すように、フロントフォーク5の中心軸線L1とステアリングシャフト6の中心軸線L2とは、互いに平行ではなく、角度α(α=約6°)で交差するように構成されている。
【0027】
また、図8に示すように、アッパーブラケット4の一対のフロントフォーク挿入孔4bの内周面とアッパーブラケット4の後側面(矢印FWD方向とは反対方向側の面)との間には、それぞれ、スリット部4cが形成されている。これらスリット部4cの一方側の面には、ネジ穴部4dが形成されているとともに、他方側の面には、ネジ挿入穴4eが形成されている。また、ネジ穴部4dには、それぞれ、一対のフロントフォーク5(図2参照)のインナーチューブ5a(図2参照)の上端部が一対のフロントフォーク挿入孔4bに挿入された状態で、ネジ挿入穴4eから挿入されたネジ部材19が螺合されている。つまり、一対のフロントフォーク挿入孔4bは、それぞれ、ネジ部材19を締めることによりスリット部4cの間隔を小さくすることによって、一対のフロントフォーク挿入孔4bの内径を小さくすることが可能となるように構成されている。これにより、一対のフロントフォーク5を、アッパーブラケット4に対して、強固に固定することが可能となる。
【0028】
ここで、本実施形態では、図8に示すように、アッパーブラケット4の車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の実質的に中央の部分の上面側には、上部ステアリングシャフト17が挿入される上部ステアリングシャフト挿入孔4fが形成されている。また、図6および図7に示すように、アッパーブラケット4の車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の実質的に中央の部分の下面側には、下部ステアリングシャフト18が直接接触することなく収納される下部ステアリングシャフト収納孔4gが形成されている。具体的には、上部ステアリングシャフト挿入孔4fの内径は、上部ステアリングシャフト17が上部ステアリングシャフト挿入孔4fと当接する部分の外径と同等であり、上部ステアリングシャフト挿入孔4fは、下部ステアリングシャフト収納孔4gと連通している。また、下部ステアリングシャフト収納孔4gの内径は、下部ステアリングシャフト18が下部ステアリングシャフト収納孔4gに収納される部分における外径よりも大きくなるように形成されている。つまり、図7に示すように、下部ステアリングシャフト18の外周面と下部ステアリングシャフト収納孔4gの内周面との間には、所定の隙間Dが形成される。なお、上部ステアリングシャフト挿入孔4fは、本発明の「上側シャフト部挿入孔部」の一例であり、下部ステアリングシャフト収納孔4gは、本発明の「下側シャフト部収納孔部」の一例である。
【0029】
また、図6および図7に示すように、上部ステアリングシャフト17の頭部17aの下面とアッパーブラケット4の上面との間には、ワッシャ21が配置されている。また、上部ステアリングシャフト17は、アッパーブラケット4に挿入された状態で下部ステアリングシャフト18に固定されるように構成されている。
【0030】
また、図2および図6に示すように、ヘッドパイプ2の下方には、ヘッドパイプ2に対して回動可能なアンダーブラケット20が配置されている。なお、アンダーブラケット20は、本発明の「下側ブラケット」の一例である。このアンダーブラケット20は、アンダーブラケット20の車幅方向(図2の矢印X1方向および矢印X2方向)の実質的に中央の部分でヘッドパイプ2を上方に支持する機能を有する。
【0031】
また、図2および図9に示すように、アンダーブラケット20の車幅方向(矢印X1方向および矢印X2方向)の両端部近傍には、それぞれ、一対のフロントフォーク挿入孔20aが形成されている。これら一対のフロントフォーク挿入孔20aにより、一対のフロントフォーク5のインナーチューブ5aがそれぞれ固定されている。これにより、フロントフォーク5の上端部がアッパーブラケット4により支持されるとともに、フロントフォーク5の中間部がアンダーブラケット20により支持される。その結果、フロントフォーク5は2点で支持されるので、フロントフォーク5を安定して支持することが可能となる。また、図6および図9に示すように、アンダーブラケット20の車幅方向(図9の矢印X1方向および矢印X2方向)の実質的に中央の部分には、下部ステアリングシャフト挿入孔20bが設けられている。また、図6に示すように、下部ステアリングシャフト18は、アンダーブラケット20の下面部20cに取り付けられたガイド板22を介して、ネジ部材23を下部ステアリングシャフト18のネジ穴部18bに螺合することにより、アンダーブラケット20に固定されている。
【0032】
また、図9に示すように、一対のフロントフォーク挿入孔20aの内周面とアンダーブラケット20の後側面(矢印FWD方向とは反対方向側の面)との間には、それぞれ、スリット部20dが形成されている。これらスリット部20dの一方側の面には、ネジ穴部20eが形成されているとともに、他方側の面には、ネジ挿入穴20fが形成されている。これらネジ穴部20eには、それぞれ、一対のフロントフォーク5(図2参照)が一対のフロントフォーク挿入孔20aに挿入された状態で、ネジ挿入穴20fから挿入されたネジ部材24が螺合されている。つまり、一対のフロントフォーク挿入孔20aは、それぞれ、ネジ部材24を締めることによりスリット部20dの間隔を小さくすることによって、一対のフロントフォーク挿入孔20aの内径を小さくすることが可能となるように構成されている。これにより、一対のフロントフォーク5を、アンダーブラケット20に対して強固に固定することが可能となる。また、図2に示すように、一対のフロントフォーク挿入孔20aには、それぞれ、一対のフロントフォーク5のインナーチューブ5aが挿入されている。また、インナーチューブ5aは、アウターチューブ5bが上方に移動した際の最高点がアンダーブラケット20の下面部20cに接触しない所定の位置に固定されている。
【0033】
また、本実施形態では、図5および図6に示すように、ヘッドパイプ2の上端部には、テーパ軸受25が嵌め込まれているとともに、ヘッドパイプ2の下端部には、テーパ軸受26が嵌め込まれている。なお、テーパ軸受25は、本発明の「第1軸受部材」の一例であり、テーパ軸受26は、本発明の「第2軸受部材」の一例である。また、図9に示すように、アンダーブラケット20の上面部20gには、実質的に平坦な支持部20hが設けられており、図6に示すように、テーパ軸受26は、支持部20hにより上方向に支持されるように配置されている。また、下部ステアリングシャフト18の外周面は、テーパ軸受25およびテーパ軸受26の内周面と当接するよう挿入されているので、テーパ軸受25とテーパ軸受26とにより、下部ステアリングシャフト18は回動可能に配置されている。
【0034】
ここで、本実施形態では、図6および図7に示すように、下部ステアリングシャフト18の上側の外側面には、ネジ部18cが形成されている。このネジ部18cには、ナット27が螺合されており、ナット27は、テーパ軸受25の上面に配置されている。また、図7に示すように、ナット27の上面部27aには、ワッシャ28が配置されている。また、ワッシャ28の上面部には、ナット29が配置されており、ナット29は、下部ステアリングシャフト18のネジ部18cに螺合されている。また、ナット29の上面部29aには、複数の脚部30aを有するスペーサ30が配置されている。この複数の脚部30aは、ナット27、ワッシャ28およびナット29の側面に当接するように形成されている。これらのナット27、ワッシャ28、ナット29、およびスペーサ30により、テーパ軸受25の下部ステアリングシャフト18に対する位置を保持することが可能である。なお、ネジ部18cは、本発明における「第3ネジ部」の一例である。また、ナット29は、本発明における「ナット部」の一例であり、上面部29aは、本発明における「ナット部の上面」の一例である。
【0035】
また、本実施形態では、図6に示すように、下部ステアリングシャフト18は、ナット27により固定されるとともに下方に支持されるテーパ軸受25と、アンダーブラケット20の支持部20hにより上方に支持されるテーパ軸受26とにより、上端部と下端部との離れた2点で支持されるように配置されている。また、図7に示すように、スペーサ30の上面と、アッパーブラケット4の下部ステアリングシャフト収納孔4gの上面部4hとの間には、カラー31が配置されている。なお、カラー31は、本発明における「カラー部」の一例であり、上面部4hは、本発明の「下側ステアリングシャフト収納孔部の上面」の一例である。
【0036】
また、アッパーブラケット4には、図2に示すように、ヘッドライト32を保持するための一対のヘッドライトステー33が設けられている。このヘッドライトステー33は、図5に示すように、アッパーブラケット4の下面4iに固定されており、ヘッドライトステー33は、アッパーブラケット4が回動された方向に回動するように構成されている。
【0037】
また、図2に示すように、アンダーブラケット20の一対のフロントフォーク挿入孔20aの上方には、それぞれ、点滅ランプ34が配置されている。これら点滅ランプ34は、それぞれ、一対のフロントフォーク5のインナーチューブ5aにブラケット34aを介して取り付けられている。
【0038】
また、図1に示すように、アッパーブラケット4の前部(矢印FWD方向側部分)には、自動二輪車1の主電源部35が設けられている。この主電源部35は、前方(矢印FWD方向)に突出するように構成されている。また、主電源部35の上部には、図示しないキーを差し込む差込口35a(図5参照)が設けられている。
【0039】
また、メインフレーム3aの下部には、ピボット軸36が設けられている。このピボット軸36により、リヤアーム37の前端部が上下に揺動可能に軸支されている。また、リヤアーム37の後端部には、後輪38が回転可能に取り付けられている。また、後輪38の上方には、リヤフェンダ39が配置されているとともに、リヤフェンダ39の後部には、一対の点滅ランプ40が取り付けられている。
【0040】
また、メインフレーム3aには、エンジン41が配置されている。このエンジン41は、空冷式エンジンであり、クランクケース部41aと、シリンダブロック部41bと、シリンダヘッド部41cと、シリンダヘッドカバー部41dとによって構成されている。また、エンジン41の上方には、燃料タンク42が配置されている。また、燃料タンク42の後方には、シート43が設けられている。
【0041】
図10および図11は本発明の一実施形態による車両に、フロントフォーク、ステアリングシャフトおよびアッパーブラケットを組み付ける手順を説明するための図である。次に、図5、図10および図11を参照して、本発明の一実施形態による自動二輪車1に、フロントフォーク5、ステアリングシャフト6およびアッパーブラケット4を組み付ける手順を説明する。
【0042】
まず、図10に示すように、フロントフォーク5および下部ステアリングシャフト18をアンダーブラケット20に固定した状態で、下部ステアリングシャフト18を、メインフレーム3aに固定されたヘッドパイプ2に取り付ける。具体的には、下部ステアリングシャフト18の外周面がヘッドパイプ2に嵌め込まれたテーパ軸受25とテーパ軸受26との両方の内周面と当接するように、下部ステアリングシャフト18をヘッドパイプ2に取り付ける。次に、図11に示すように、ヘッドパイプ2に取り付けられた下部ステアリングシャフト18を固定するために、下部ステアリングシャフト18のネジ部18cにナット27が螺合される。そして、ワッシャ28がナット27の上面部27aに配置され、ワッシャ28の上面に当接するようにナット29が下部ステアリングシャフト18のネジ部18cに螺合される。さらに、ナット29の上面部29aと、ナット27、ワッシャ28およびナット29の側面とにスペーサ30を配置する。そして、スペーサ30の上面に、カラー31を配置する。
【0043】
次に、ヘッドパイプ2の上方からアッパーブラケット4を配置する。具体的には、フロントフォーク5がアッパーブラケット4のフロントフォーク挿入孔4bに挿入されるように、アッパーブラケット4を配置する。そして、フロントフォーク5にアッパーブラケット4を押し込む際に、アッパーブラケット4の下部ステアリングシャフト収納孔4gの上面部4hにカラー31の上面が当接するようにアッパーブラケット4を配置する。ここで、互いに平行でないフロントフォーク5の中心軸線L1と下部ステアリングシャフト18の中心軸線L2とが予め固定された状態でも、下部ステアリングシャフト18の外周面と下部ステアリングシャフト収納孔4gの内周面との間には、所定の隙間Dが形成される。
【0044】
そして、アッパーブラケット4の上部ステアリングシャフト挿入孔4fの上面にワッシャ21を配置する。次に、ワッシャ21の上面と上部ステアリングシャフト17の頭部17aの下面とが当接するように、上部ステアリングシャフト17をアッパーブラケット4の上部ステアリングシャフト挿入孔4fに挿入する。そして、頭部17aを所定の工具を用いて回転させることにより、上部ステアリングシャフト17のネジ部17cを下部ステアリングシャフト18のネジ穴部18aに螺合して固定する。これにより、図5のように、自動二輪車1に、フロントフォーク5、ステアリングシャフト6およびアッパーブラケット4が組み付けられる。
【0045】
本実施形態では、上記のように、上部ステアリングシャフト17を、アッパーブラケット4に挿入した状態で下部ステアリングシャフト18に固定するように構成することによって、フロントフォーク5の中心軸線L1とステアリングシャフト6の中心軸線L2とが平行でない場合でも、フロントフォーク5と下部ステアリングシャフト18とをアッパーブラケット4に挿入した状態で、上部ステアリングシャフト17をアッパーブラケット4に挿入して下部ステアリングシャフト18に固定する作業のみによりフロントフォーク5およびステアリングシャフト6をアッパーブラケット4に取り付けることができる。その結果、フロントフォーク5およびステアリングシャフト6とアッパーブラケット4との組立作業が複雑化するのを抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、下部ステアリングシャフト18の外周面と、下部ステアリングシャフト収納孔4gの内周面との間に隙間Dを形成することによって、組立時に、互いに平行でないフロントフォーク5および下部ステアリングシャフト18に対してアッパーブラケット4を容易に嵌め込むことができるとともに、さらにその後に、上部ステアリングシャフト17をアッパーブラケット4に挿入して、下部ステアリングシャフト18に固定することができる。その結果、容易にフロントフォーク5およびステアリングシャフト6とアッパーブラケット4との組立作業が複雑化するのを抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、フロントフォーク挿入孔4bを、フロントフォーク5のインナーチューブ5aの外径と同等の内径を有するように構成するとともに、上部ステアリングシャフト挿入孔4fを、上部ステアリングシャフト17の上部ステアリングシャフト挿入孔4fに挿入される部分の外径と同等の内径を有するように構成することによって、フロントフォーク5および上部ステアリングシャフト17にアッパーブラケット4を取り付けた際に、フロントフォーク5および上部ステアリングシャフト17とアッパーブラケット4とのガタつきをなくすことができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、上部ステアリングシャフト17のアッパーブラケット4の上部ステアリングシャフト挿入孔4fに挿入される部分に、下部ステアリングシャフト18側にいくにつれて細くなるテーパ形状部17bを形成することによって、上部ステアリングシャフト17を上部ステアリングシャフト挿入孔4fに容易に挿入することができるとともに、上部ステアリングシャフト17の中心軸線と上部ステアリングシャフト挿入孔4fの中心軸線とを容易に合わせることができる。その結果、ステアリングシャフト6とアッパーブラケット4との組立作業が複雑化するのをより抑制することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、下部ステアリングシャフト18に、上部ステアリングシャフト17のネジ部17cに螺合されるネジ穴部18aを設けることによって、組立時、上部ステアリングシャフト17をアッパーブラケット4の上部ステアリングシャフト挿入孔4fに挿入して、上部ステアリングシャフト17のネジ部17cを下部ステアリングシャフト18のネジ穴部18aに螺合するだけで、上部ステアリングシャフト17をアッパーブラケット4に挿入した状態で下部ステアリングシャフト18に固定することができる。その結果、ステアリングシャフト6とアッパーブラケット4との組立作業が複雑化するのをより抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、ヘッドパイプ2の下方に配置されるとともに、ステアリングシャフト6とフロントフォーク5とを支持するアンダーブラケット20を設けることによって、アンダーブラケット20により、ステアリングシャフト6が下方に移動するのを抑制することができるとともに、フロントフォーク5が車幅方向に移動するのを抑制することができるので、ステアリングシャフト6およびフロントフォーク5を安定して支持することができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、下部ステアリングシャフト18を、ヘッドパイプ2の上端部に配置されたテーパ軸受25と、ヘッドパイプ2の下端部に配置されているとともにアンダーブラケット20の支持部20hにより上方に支持されているテーパ軸受26とにより回動可能に支持することによって、下部ステアリングシャフト18の回動を円滑にすることができるとともに、下部ステアリングシャフト18を下部ステアリングシャフト18の上端部と下端部との離れた2点で支持することができるので、下部ステアリングシャフト18が回動した際に、下部ステアリングシャフト18を安定して支持することができる。
【0052】
また、本実施形態では、上記のように、下部ステアリングシャフト18の外周面に、ネジ部18cを形成し、下部ステアリングシャフト18のネジ部18cに螺合するとともに、テーパ軸受25を固定するナット27を設けることによって、ナット27により、テーパ軸受25の下部ステアリングシャフト18に対する位置を保持することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、ナット29の上面部29aとアッパーブラケット4の下部ステアリングシャフト収納孔4gの上面部4hとの間にカラー31を設けることによって、容易に、アッパーブラケット4の高さ位置を調節することができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、一対のフロントフォーク5の上部を、アッパーブラケット4の車幅方向の両端部近傍でアッパーブラケット4のフロントフォーク挿入孔4bにそれぞれ挿入することにより固定することによって、フロントフォーク5を1つ設ける場合と比べて、自動二輪車1をより安定させることができる。また、一対のフロントフォーク5は、アッパーブラケット4の回転軸に対して、両端部に固定されているので、アッパーブラケット4が回動した際に、より効率良く回動することができる。
【0055】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0056】
たとえば、上記実施形態では、本発明を自動二輪車に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、フロントフォークおよびフロントフォークを支持するブラケットを備えた車両であれば、自転車、三輪車、ATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)などの他の車両にも適用可能である。
【0057】
また、上記実施形態では、フロントフォークの中心軸線と、ステアリングシャフトの中心軸線との成す角度が約6°になるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、フロントフォークの中心軸線と、ステアリングシャフトの中心軸線との成す角度が約6°とは異なる角度を成すように構成してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、上部ステアリングシャフトにネジ部を設けるとともに、下部ステアリングシャフトにネジ穴部を設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、下部ステアリングシャフトにネジ部を設けるとともに、上部ステアリングシャフトにネジ穴部を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態による自動二輪車の全体構成を示した側面図である。
【図2】本発明の一実施形態による自動二輪車の全体構成を示した正面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による自動二輪車のハンドル周辺の構造を示した平面図である。
【図4】図1に示した一実施形態による自動二輪車のハンドル周辺の構造を示した部分断面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による自動二輪車のフロントフォークおよびステアリングシャフトを示した部分断面図である。
【図6】図1に示した一実施形態による自動二輪車のステアリングシャフトの構造を示した部分断面図である。
【図7】図6に示した一実施形態による自動二輪車のステアリングシャフトの上部の構造を拡大した部分断面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による自動二輪車のアッパーブラケットの構造を示した平面図である。
【図9】図1に示した一実施形態による自動二輪車のアンダーブラケットの構造を示した平面図である。
【図10】本発明の一実施形態による自動二輪車のフロントフォークおよびステアリングシャフトとヘッドパイプとの組立手順を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態による自動二輪車のフロントフォークおよびステアリングシャフトとアッパーブラケットとの組立手順を説明するための図である。
【符号の説明】
【0060】
1 自動二輪車(車両)
2 ヘッドパイプ
4 アッパーブラケット(上側ブラケット)
4b フロントフォーク挿入孔(フロントフォーク挿入孔部)
4f 上部ステアリングシャフト挿入孔(上側シャフト部挿入孔部)
4g 下部ステアリングシャフト収納孔(下側シャフト部収納孔部)
4h 上面部(下側シャフト部収納孔部の上面)
5 フロントフォーク
6 ステアリングシャフト(シャフト)
17 上部ステアリングシャフト(上側シャフト部)
17b テーパ形状部
17c ネジ部(第1ネジ部)
18 下部ステアリングシャフト(下側シャフト部)
18a ネジ穴部(第2ネジ部)
18c ネジ部(第3ネジ部)
20 アンダーブラケット(下側ブラケット)
20h 支持部
25 テーパ軸受(第1軸受部材)
26 テーパ軸受(第2軸受部材)
29 ナット(ナット部)
29a 上面部(ナット部の上面)
31 カラー(カラー部)
D 隙間
L1 フロントフォークの中心軸線
L2 ステアリングシャフトの中心軸線(シャフトの中心軸線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプと、
前記ヘッドパイプに回動可能に支持されるシャフトと、
フロントフォークと、
前記シャフトと前記フロントフォークとが支持される上側ブラケットとを備え、
前記シャフトは、上側シャフト部と、下側シャフト部とを含み、
前記上側シャフト部は、前記上側ブラケットに挿入されて前記下側シャフト部に固定されている、車両。
【請求項2】
前記上側ブラケットは、前記フロントフォークが挿入されるフロントフォーク挿入孔部と、前記シャフトの上側シャフト部が挿入される上側シャフト部挿入孔部と、前記上側シャフト部挿入孔部と連通しているとともに前記下側シャフト部が収納される下側シャフト部収納孔部とを含み、
前記下側シャフト部と前記下側シャフト部収納孔部との間には、所定の隙間が形成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記フロントフォーク挿入孔部は、前記フロントフォークの前記フロントフォーク挿入孔部に挿入される部分の外径と同等の内径を有しており、
前記上側シャフト部挿入孔部は、前記上側シャフト部の前記上側シャフト部挿入孔部に挿入される部分の外径と同等の内径を有している、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記上側シャフト部の前記上側ブラケットの上側シャフト部挿入孔部に挿入される部分には、前記下側シャフト部側にいくにつれて細くなるテーパ形状部が形成されている、請求項2に記載の車両。
【請求項5】
前記上側シャフト部は、前記下側シャフト部側の先端部分に形成された第1ネジ部を含み、
前記下側シャフト部の前記上側シャフト部側の先端部分には、前記第1ネジ部に螺合される第2ネジ部が形成されている、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記上側シャフト部と前記下側シャフト部とに共通の中心軸線と、前記フロントフォークの中心軸線とが交差するように、前記シャフトおよび前記フロントフォークは互いに非平行に配置されている、請求項1に記載の車両。
【請求項7】
前記ヘッドパイプの下方に配置されているとともに、前記シャフトと前記フロントフォークとを支持する下側ブラケットをさらに備える、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記下側シャフト部は、前記ヘッドパイプの上端部に配置された第1軸受部材と、前記ヘッドパイプの下端部に配置されているとともに、前記下側ブラケットの支持部により上方に支持されている第2軸受部材とにより回動可能に支持されている、請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記下側シャフト部の外周面には、第3ネジ部が形成され、
前記下側シャフト部の第3ネジ部に螺合するとともに、前記第1軸受部材を固定するナット部をさらに備える、請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記上側ブラケットは、前記下側シャフト部が収納される下側シャフト部収納孔部を含み、
前記ナット部の上面と前記下側シャフト部収納孔部の上面との間に配置されるカラー部をさらに備える、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記フロントフォークは、一対設けられており、
前記一対のフロントフォークの上部は、前記上側ブラケットの車幅方向の両端部近傍で前記上側ブラケットのフロントフォーク挿入孔部にそれぞれ挿入されることにより固定されている、請求項2に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−6994(P2009−6994A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121042(P2008−121042)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】