説明

車両

【課題】充電作業時の負荷が軽減する車両、を提供する。
【解決手段】ハイブリッド自動車は、外部電源に対して着脱自在なコネクタ22と、車両本体に対して着脱自在なコネクタ23とを有し、外部電源から車両本体に電力を供給するための充電ケーブル21と、ドライバーが腰を下ろす座面52aを有し、車両室内に設置されるドライバーシート51と、座面52aの下に設けられ、充電ケーブル21を収容するケーブル収容部31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、車両に関し、より特定的には、外部電源から車両本体に電力を供給するための充電ケーブルを搭載する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両に関して、たとえば、特開2000−255248号公報には、寒いが故に起こすであろう事故などの社会損失を未然に防止するとともに、暖機運転を少なくして公害を防止することを目的とした車両用暖機装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された車両用暖機装置においては、自動車の後部のバンパー内部に、ケーブルを巻き取るリールが設けられている。リールから引き出されたケーブルが外部電源に接続されることによって、電気エネルギが、車両の暖機運転制御回路に導かれる。
【0003】
また、特開2003−244832号公報には、充電コードの収納スペースを小さくしながら、充電時のコードの発熱を抑制することを目的とした電気自動車が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された電気自動車には、バッテリ充電用のコードとして用いられる巻取り式コードが搭載されている。
【0004】
また、特開平8−33121号公報には、各家庭に供給されている商用電源を充電電源として、電気自動車のバッテリの充電に利用でき、さらに小型で設置スペースをとらない電気自動車用充電装置が開示されている(特許文献3)。特許文献3に開示された充電装置においては、充電ケーブル収納装置がガレージ内に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−255248号公報
【特許文献2】特開2003−244832号公報
【特許文献3】特開平8−33121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、環境に配慮した自動車として、車輪の駆動にモータとエンジンとを併用するハイブリッド自動車や、電気自動車が注目を集めている。このようなハイブリッド自動車や電気自動車において、外部から充電可能な構成にすることが検討されている。この場合、家庭用電源などを用いて充電を行なうことにより、燃料補給にガソリンスタンドに出向く回数が減り、ドライバーにとって便利になるとともに、安価な深夜電力等の利用によりコスト面でも見合うことも考えられる。
【0007】
一方、上述の特許文献1に記載の自動車においては、充電用のケーブルを車両に搭載し、このケーブルを用いて外部電源から車両本体側に電力を供給している。しかしながら、ケーブルを巻き取るためのリールが自動車の後部のバンパー内部に設けられているため、充電を行なおうとする者(たとえば、ドライバー)にとってリールまでのアクセスが容易とはいえない。このため、充電作業時の負荷が増大するおそれがある。
【0008】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、充電作業時の負荷が軽減する車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従った車両は、外部電源に対して着脱自在な第1コネクタと、車両本体に対して着脱自在な第2コネクタとを有し、外部電源から車両本体に電力を供給するための充電ケーブルと、乗員が腰を下ろす座面を有し、車両室内に設置されるシートと、座面の下に設けられ、充電ケーブルを収容するケーブル収容部とを備える。
【0010】
このように構成された車両によれば、ケーブル収容部がシートの座面の下に設けられるため、車両室内から充電ケーブルへのアクセスが容易となる。これにより、充電作業時の負荷を軽減することができる。
【0011】
また好ましくは、シートは、ドライバーシートである。このように構成された車両において、充電ケーブルを用いて充電作業を最も高い頻度で行なう者はドライバーであると想定される。このため、ドライバーシートから充電ケーブルのアクセスを容易とすることで、充電作業時のドライバーの負荷を軽減することができる。
【0012】
また好ましくは、シートは、座面とケーブル収容部との間に配置されるヒータをさらに有する。このように構成された車両によれば、充電作業時などにおいて濡れてしまった充電ケーブルをケーブル収容部に収容した場合であっても、充電ケーブルをヒータの熱によって乾燥させることができる。
【0013】
また好ましくは、ケーブル収容部は、充電ケーブルを収容する内部空間を形成するケース体を有する。ケース体には、車両室内と内部空間との間を連通させる通気孔が形成される。このように構成された車両によれば、充電作業時などにおいて濡れてしまった充電ケーブルをケーブル収容部に収容した場合であっても、車両室内の空気を通気孔を通じて内部空間に導入することによって、充電ケーブルを乾燥させることができる。
【0014】
また好ましくは、車両は、ケーブル収容部に設けられ、充電ケーブルの有無を検知するためのセンサをさらに備える。このように構成された車両によれば、充電ケーブルの搭載し忘れをより確実に防止できる。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、この発明に従えば、充電作業時の負荷が軽減する車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態1におけるハイブリッド自動車の外観を示す斜視図である。
【図2】図1中のハイブリッド自動車の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1中のハイブリッド自動車の車両室内を示す斜視図である。
【図4】図1中のハイブリッド自動車の車両室内を示す側面図である。
【図5】図3および図4中のケーブル収容部の変形例を示す斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態2におけるハイブリッド自動車の車両室内を示す斜視図である。
【図7】図6中のハイブリッド自動車の車両室内を示す側面図である。
【図8】この発明の実施の形態3におけるハイブリッド自動車の車両室内を示す側面図である。
【図9】図8中のハイブリッド自動車のインストルメントパネルを示す正面図である。
【図10】図8中のハイブリッド自動車において、充電ケーブルの搭載の有無を確認するステップのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるハイブリッド自動車の外観を示す斜視図である。図2は、図1中のハイブリッド自動車の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図1および図2を参照して、ハイブリッド自動車100は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能なバッテリ(2次電池)から電力供給されるモータとを動力源とする。
【0020】
まず、ハイブリッド自動車100の全体構成について説明すると、ハイブリッド自動車100は、エンジン104と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構103と、バッテリBと、コンデンサCと、リアクトルLと、コンバータ110およびインバータ120,130と、車両ECU(electronic control unit)160とを有する。
【0021】
動力分割機構103は、エンジン104およびモータジェネレータMG1,MG2に結合されており、これらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割機構103としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構が用いられる。この3つの回転軸は、エンジン104、モータジェネレータMG1,MG2の各回転軸に接続されている。たとえば、モータジェネレータMG1のロータを中空とし、その中心にエンジン104のクランク軸を通すことによって、動力分割機構103にエンジン104およびモータジェネレータMG1,MG2を機械的に接続することができる。
【0022】
なお、モータジェネレータMG2の回転軸は、図示しない減速ギヤや差動ギヤによって車輪102に結合されている。動力分割機構103の内部には、モータジェネレータMG2の回転軸に対する減速機がさらに組み込まれてもよい。
【0023】
モータジェネレータMG1は、エンジン104によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン104の始動を行ない得る電動機として動作するものとしてハイブリッド自動車100に組み込まれている。モータジェネレータMG2は、ハイブリッド自動車100の駆動輪である車輪102を駆動する電動機としてハイブリッド自動車100に組み込まれている。
【0024】
モータジェネレータMG1,MG2は、たとえば、三相交流同期電動機である。モータジェネレータMG1,MG2は、U相コイル、V相コイル、W相コイルからなる三相コイルをステータコイルとして含む。
【0025】
モータジェネレータMG1は、エンジン出力を用いて三相交流電圧を発生し、その発生した三相交流電圧をインバータ120へ出力する。モータジェネレータMG1は、インバータ120から受ける三相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン104の始動を行なう。
【0026】
モータジェネレータMG2は、インバータ130から受ける三相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、三相交流電圧を発生してインバータ130へ出力する。
【0027】
バッテリBとしては、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、鉛蓄電池などの2次電池を用いることができる。また、バッテリBに替えて、大容量の電気2重層コンデンサを用いることもできる。
【0028】
本実施の形態におけるハイブリッド自動車100は、家庭用電源などの外部電源からの電力供給を受けることによってバッテリBに充電可能なように構成されている。
【0029】
より具体的には、ハイブリッド自動車100は、充電部191をさらに有する。充電部191とバッテリBとの間には、AC/DCコンバータ140および切り替え機構150が設けられている。AC/DCコンバータ140は、充電部191を通じて外部電源から供給された交流電流を直流電流に変換するとともに、所定の電圧とする。切り替え機構150は、AC/DCコンバータ140とバッテリBとの間に設けられている。切り替え機構150は、車両ECU160から信号に基づいて、AC/DCコンバータ140およびバッテリB間の通電状態のON/OFFを切り替える。
【0030】
本実施の形態におけるハイブリッド自動車100においては、充電部191が、ドライバーシート側のフロントフェンダに設けられている。充電部191の設置場所は、ドライバーシート側のフロントフェンダに限られず、たとえば、パッセンジャーシート側のフロントフェンダやリヤフェンダなどであってもよい。
【0031】
ハイブリッド自動車100は、充電ケーブル21をさらに有する。充電ケーブル21は、長尺の電気ケーブルから形成されており、その両端にそれぞれコネクタ22およびコネクタ23を有する。
【0032】
第1コネクタとしてのコネクタ22は、家庭用電源のコンセント等、外部電源に対して接続可能に設けられている。第2コネクタとしてのコネクタ23は、車両本体側に設けられた充電部191に対して接続可能に設けられている。バッテリBの充電作業時、コネクタ22およびコネクタ23がそれぞれ外部電源および充電部191に差し込まれ、充電ケーブル21を通じて、外部電源から車両本体側に電力が供給される。
【0033】
充電ケーブル21は、常時ハイブリッド自動車100に搭載されており、バッテリBの充電作業時にその搭載場所から降ろされて使用される。続いて、ハイブリッド自動車100に設けられた充電ケーブル21の搭載構造について説明する。
【0034】
図3は、図1中のハイブリッド自動車の車両室内を示す斜視図である。図3を参照して、ハイブリッド自動車100の車両室内(乗員の居住空間)の床面には、フロアカーペット58が配置されている。車両室内には、フロントシートとしての、ドライバーシート51およびパッセンジャーシート56とが車両幅方向に並んで設けられている。
【0035】
ドライバーシート51は、フロアカーペット58上に設置される座部52と、乗員の背中を支持する背もたれ部53とから構成されている。座部52には、ドライバーが腰を下ろす座面52aが形成されている。座部52は、ドライバーシート51を車両前後方向にスライド可能に支持する図示しないシートレールを介して、フロアカーペット58から距離を隔てた位置に設けられている。車両室内には、ドライバーシート51およびパッセンジャーシート56の車両後方側に位置して、リヤシート57がさらに設けられている。
【0036】
図4は、図1中のハイブリッド自動車の車両室内を示す側面図である。図3および図4を参照して、本実施の形態におけるハイブリッド自動車100は、充電ケーブル21を収容するためのケーブル収容部31をさらに有する。ケーブル収容部31は、車両室内に設置されている。ケーブル収容部31は、ドライバーシート51の座面52aの下に設置されている。
【0037】
ケーブル収容部31の構造についてより具体的に説明すると、ケーブル収容部31は、ケーブル収容ボックス32を有して構成されている。ケーブル収容ボックス32は、箱形状を有し、その内側に充電ケーブル21を収容するための内部空間33を規定している。ケーブル収容ボックス32には、充電ケーブル21を出し入れするための開口部が形成されており、その開口部は、フタ35によって閉じられている。本実施の形態では、充電ケーブル21が束ねられた状態で、ケーブル収容ボックス32に収容されている。
【0038】
ケーブル収容ボックス32は、フロアカーペット58上であって、フロアカーペット58および座部52間の空間に配置されている。ケーブル収容ボックス32は、座部52の下から車両前方(図3中の矢印101Bに示す方向)もしくは車両側方(図3中の矢印101Aに示す方向)に引き出し可能に設けられている。
【0039】
このような構成により、バッテリBの充電作業を行なおうとする者は、ケーブル収容ボックス32を座部52の下から引き出し、フタ35を開けることによって、ケーブル収容ボックス32から充電ケーブル21を取り出す。この際、ケーブル収容部31は、ドライバーシート51の下に配置されているため、高頻度で充電作業を行なうと考えられるドライバーが、ケーブル収容部31に容易にアクセスすることができる。
【0040】
また、充電ケーブル21を搭載する場所としてケーブル収容部31を設定することにより、ドライバーが、充電作業を終了した後に充電ケーブル21をハイブリッド自動車100に搭載し忘れることを防止できる。すなわち、充電ケーブル21が車両本体側および外部電源側のそれぞれにコネクタを有するタイプである場合、充電ケーブル21は、車両本体側から分離可能に設けられる。このような場合であっても、充電ケーブル21を収容する場所をシートの座面の下に固定することによって、充電ケーブル21の搭載し忘れを抑制することができる。
【0041】
図3を参照して、ケーブル収容ボックス32は、側面32bを有する。側面32bは、ドライバーシート51に着座したドライバーの足元の空間に面している。ケーブル収容ボックス32には、通気孔34が形成されている。通気孔34は、側面32bに形成されている。通気孔34は、車両室内と内部空間33との間を連通させるように形成されている。
【0042】
ハイブリッド自動車100の車両室内には、エアコンディショナの空気を送風する吹き出し口41が設けられている。吹き出し口41は、ダッシュボード下のドライバーの足元の空間に開口している。通気孔34は、吹き出し口41に対向する位置に形成されている。
【0043】
このような構成によれば、充電作業時に濡れてしまった充電ケーブル21をそのままケーブス収容ボックス32に収容した場合であっても、エアコンディショナによって調温、調湿された車両室内の空気を、通気孔34を通じて内部空間33に導入することにより、充電ケーブル21を乾燥させることができる。特に本実施の形態では、通気孔34が、吹き出し口41に対向する位置に形成されているため、吹き出し口41からの送風を内部空間33により効率的に取り込むことができる。
【0044】
図5は、図3および図4中のケーブル収容部の変形例を示す斜視図である。図5を参照して、本変形例では、充電ケーブル21がコードリール48に巻回された状態でケーブル収容ボックス32に収容されている。このような構成によれば、ドライバーは、充電作業時に充電ケーブル21を引き出し易くなるため、充電時の作業性を向上させることができる。また、充電ケーブル21をケーブル収容ボックス32に収容したか否か確認し易くなる。
【0045】
以上に説明した、この発明の実施の形態1におけるハイブリッド自動車100の構成についてまとめて説明すると、車両としてのハイブリッド自動車100は、外部電源に対して着脱自在な第1コネクタとしてのコネクタ22と、車両本体に対して着脱自在な第2コネクタとしてのコネクタ23とを有し、外部電源から車両本体に電力を供給するための充電ケーブル21と、乗員としてのドライバーが腰を下ろす座面52aを有し、車両室内に設置されるシートとしてのドライバーシート51と、座面52aの下に設けられ、充電ケーブル21を収容するケーブル収容部31とを備える。
【0046】
このように構成された、この発明の実施の形態1におけるハイブリッド自動車100によれば、ケーブル収容部31をドライバーシート51の下に設けることにより、ドライバーがケーブル収容部31に収容された充電ケーブル21に容易にアクセスすることができる。これにより、バッテリBの充電作業時の負荷を軽減することができる。
【0047】
なお、車両本体側および外部電源側のそれぞれにコネクタを有する充電ケーブル21の場合、車両本体側に設けられる充電用の制御機器と、充電ケーブルとを離して配置することが可能となり、車載上のレイアウトの制約が小さくなる。
【0048】
また、本実施の形態では、ケーブル収容部31をドライバーシート51の下に配置した場合を説明したが、本発明は、これに限られるものではない。ケーブル収容部31は、図3中に示すパッセンジャーシート56の下やリヤシート57の下に配置されてもよい。
【0049】
また、本発明を、燃料電池とバッテリ(2次電池)とを駆動源とする燃料電池ハイブリッド車両(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)または電気自動車(EV:Electric Vehicle)に適用することもできる。本実施の形態におけるハイブリッド自動車では、燃費最適動作点で内燃機関を駆動するのに対して、燃料電池ハイブリッド自動車では、発電効率最適動作点で燃料電池を駆動する。また、バッテリの使用に関しては、両方のハイブリッド自動車で基本的に変わらない。
【0050】
(実施の形態2)
図6は、この発明の実施の形態2におけるハイブリッド自動車の車両室内を示す斜視図である。図7は、図6中のハイブリッド自動車の車両室内を示す側面図である。本実施の形態におけるハイブリッド自動車は、実施の形態1におけるハイブリッド自動車100と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0051】
図6および図7を参照して、本実施の形態では、ケーブル収容部31が、座面52aの下であって、座部52の内部(座部52を形成するシート生地の内側)に配置されている。
【0052】
ケーブル収容部31の構造についてより具体的に説明すると、ケーブル収容部31は、ケーブル収容ボックス32を有して構成されている。座部52は、ベース部62および開閉用フタ61からなる。ベース部62は、上方に開口し、内部空間33を形成する筐体形状を有する。ケーブル収容ボックス32は、ベース部62の内側に設置されている。
【0053】
開閉用フタ61は、座面52aを含んで形成されており、ベース部62の開口部分に対して開閉自在に設けられている。開閉用フタ61には、ドライバーシート51に着座したドライバーのお尻を暖めるためのヒータ46が内蔵されている。開閉用フタ61を閉じた状態で、ヒータ46は、ケーブル収容ボックス32に隣接して位置決めされる。
【0054】
このような構成により、バッテリBの充電作業を行なおうとする者は、開閉用フタ61開けることによって、ケーブル収容ボックス32から充電ケーブル21を取り出す。また、充電作業時に濡れてしまった充電ケーブル21をそのままケーブス収容ボックス32に収容した場合であっても、ヒータ46で発生する熱により充電ケーブル21を乾燥させることができる。
【0055】
このように構成された、この発明の実施の形態2におけるハイブリッド自動車によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0056】
(実施の形態3)
図8は、この発明の実施の形態3におけるハイブリッド自動車の車両室内を示す側面図である。本実施の形態におけるハイブリッド自動車は、実施の形態1におけるハイブリッド自動車100と比較して、基本的には同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
【0057】
図8を参照して、本実施の形態におけるハイブリッド自動車は、センサとしての重量センサ76と、開閉検出用センサ77とをさらに有する。重量センサ76は、ケーブル収容ボックス32の底面に設けられており、ケーブル収容ボックス32に収容された充電ケーブル21の重量を検知する。開閉検出用センサ77は、フタ35の開閉を検知可能なようにケーブル収容ボックス32に設けられている。
【0058】
図9は、図8中のハイブリッド自動車のインストルメントパネルを示す正面図である。図10は、図8中のハイブリッド自動車において、充電ケーブルの搭載の有無を確認するステップのフローチャート図である。
【0059】
図8から図10を参照して、ドライバーの前方に設置されるインストルメントパネル71には、速度メータ等の計器に加えて、音声装置72と、フタ35の開閉状態を知らせるためのインジケータ74と、充電ケーブル21の搭載の有無を知らせるためのインジケータ73とが設けられている。
【0060】
ハイブリッド自動車に設置されたECUは、開閉検出用センサ77から送られてきた信号に基づいて、フタ35の開閉状態を判断する。ECUは、フタ35が開いていると判断した場合、その事実をドライバーに知らせるためインジケータ74を点灯させる。この際、音声装置72を用いて、音声によりフタ35が開いていることをドライバーに知らせてもよい。ECUがフタ35が閉じていると判断した場合、次のステップに進む。
【0061】
次に、ECUは、重量センサ76から送られてきた信号に基づいて、ケーブル収容ボックス32内の収容物の重量が予め定められた範囲内にあるか否かを判断する。これにより、擬制的にケーブル収容ボックス32内に充電ケーブル21が収容されたか否かを判断する。ECUは、ケーブル収容ボックス32内に充電ケーブル21が収容されていないと判断した場合、その事実を知らせるためにインジケータ73を点灯させる。この際、音声装置72を用いて、音声により充電ケーブル21が収容されていないことをドライバーに知らせてもよい。
【0062】
このような構成によれば、ドライバーが、充電作業を終了した後に充電ケーブル21をハイブリッド自動車に搭載し忘れることをより確実に防止できる。
【0063】
このように構成された、この発明の実施の形態3におけるハイブリッド自動車によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、重量センサ76および開閉検出用センサ77を併用した構成について説明したが、重量センサ76のみを用いて充電ケーブル21の搭載の有無を検知する構成としてもよい。
【0065】
以上に説明した実施の形態1〜3に記載のハイブリッド自動車の構造を適宜組み合わせて、新たな車両を構成してもよい。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
この発明は、主に、バッテリから電力供給されるモータを動力源として備える車両に利用される。
【符号の説明】
【0068】
21 充電ケーブル、22,23 コネクタ、31 ケーブル収容部、32 ケーブス収容ボックス、32b 側面、33 内部空間、34 通気孔、35 フタ、41 吹き出し口、46 ヒータ、48 コードリール、51 ドライバーシート、52 座部、52a 座面、53 背もたれ部、56 パッセンジャーシート、57 リヤシート、58 フロアカーペット、61 開閉用フタ、62 ベース部、71 インストルメントパネル、72 音声装置、73,74 インジケータ、76 重量センサ、77 開閉検出用センサ、100 ハイブリッド自動車、102 車輪、103 動力分割機構、104 エンジン、110 コンバータ、120,130 インバータ、140 コンバータ、150 切り替え機構、160 ECU、191 充電部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源に対して着脱自在な第1コネクタと、車両本体に対して着脱自在な第2コネクタとを有し、外部電源から車両本体に電力を供給するための充電ケーブルと、
乗員が腰を下ろす座面を有し、車両室内に設置されるシートと、
前記座面の下に設けられ、前記充電ケーブルを収容するケーブル収容部とを備える、車両。
【請求項2】
前記シートは、ドライバーシートである、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記シートは、前記座面と前記ケーブル収容部との間に配置されるヒータをさらに有する、請求項1または2に記載の車両。
【請求項4】
前記ケーブル収容部は、前記充電ケーブルを収容する内部空間を形成するケース体を有し、
前記ケース体には、車両室内と前記内部空間との間を連通させる通気孔が形成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の車両。
【請求項5】
前記ケーブル収容部に設けられ、前記充電ケーブルの有無を検知するためのセンサをさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−264871(P2010−264871A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117633(P2009−117633)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】