車体の傾斜搬送装置
【課題】レールを屈曲させる必要がなく、且つ吊りメンバーに過大な曲げ力が作用する心配のない車体の傾斜搬送装置を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)に示すように、オーバーヘッドコンベア20で支持された車体29は、ほぼ水平な姿勢で、図左から右へ移動している。オーバーヘッドコンベア20の下には、前上がり傾斜面12と、この傾斜面12に続く水平面13を有するガイドレール11が配置されている。(b)に示すように、ローラ49が傾斜面12に接触すると、ローラ49は傾斜面12に沿って上昇する。すると、前部吊りメンバー26はピン61を中心にしてくの字に屈曲する。後部吊りメンバー27は屈曲しない。この結果、下部枠28及び車体受けメンバー31は前上がりに傾斜し、車体29が傾斜状態になる。
【解決手段】(a)に示すように、オーバーヘッドコンベア20で支持された車体29は、ほぼ水平な姿勢で、図左から右へ移動している。オーバーヘッドコンベア20の下には、前上がり傾斜面12と、この傾斜面12に続く水平面13を有するガイドレール11が配置されている。(b)に示すように、ローラ49が傾斜面12に接触すると、ローラ49は傾斜面12に沿って上昇する。すると、前部吊りメンバー26はピン61を中心にしてくの字に屈曲する。後部吊りメンバー27は屈曲しない。この結果、下部枠28及び車体受けメンバー31は前上がりに傾斜し、車体29が傾斜状態になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体を搬送する車体の傾斜搬送装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体の製造工程には、鉄粉、油、ゴミなどの汚れを除去するために車体を洗浄し、綺麗になった車体に電着塗装を施して、以降のカラー塗装に備える工程がある。
【0003】
洗浄は、水などの洗浄液中に車体を浸漬させ、その後の車体に洗浄液を噴射して行う。洗浄後は、車体、特に室内に溜まった洗浄液を迅速に排出する必要がある。
また、電着塗装は、電着液を溜めた槽に車体を沈めて実施する。電着塗装後は、車体、特に室内に溜まった電着液を迅速に排出する必要がある。
【0004】
従来、車体の室内に溜まった液体を迅速に排出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−170987号公報(図1)
【0005】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図16は従来の技術の基本原理を説明する図であり、洗浄液101が溜められた洗浄層102の上方に屈曲したレール103、104、105、106、107が張られ、これらのレール103〜107にオーバーヘッドコンベア108、109が吊されている。
【0006】
例えば、下がり勾配のレール104に到達したオーバーヘッドコンベア108に積載された車体111に、ノズル112から洗浄液を噴射する。車体111が前下がりに傾斜しているため、用済みの洗浄液113は車体111の前部から洗浄層102へ落下する。
【0007】
また、上がり勾配のレール106に到達したオーバーヘッドコンベア109に積載された車体114に、ノズル115から洗浄液を噴射する。車体114が後下がりに傾斜しているため、用済みの洗浄液115は車体114の後部から洗浄層102へ落下する。
そのため、洗浄液113、115の排出は、短時間で終了させることができる。
【0008】
なお、傾斜角度は大きいほど(例えば60°)、排出性が高まる。一方、レール104やレール106の傾斜角には限度がある。そこで、レール104、106の近傍にガイドレール117、118を付設し、傾斜角度を増加させるようにしている。
【0009】
ところで、オーバーヘッドコンベア108、109を構成する吊りメンバー119、119は一般に細いパイプ又は丸棒で構成される。パイプや丸棒は単純な引張り力には耐久性を有するが、曲げ力には耐久性が乏しい。
従来の技術では、吊りメンバー119、119には引張り力に加えて大きな曲げ力が作用するため、パイプや丸棒の径を増加するなどの剛性向上を図る必要があり、オーバーヘッドコンベア108、109の自重が大幅に増大し、運転のための電気代などが嵩むこととなる。
【0010】
また、ガイドレール117、118を空中に設ける必要があり、これらのガイドレール117、118が複雑になると共に、ガイドレール117、118を支える支持構造が大規模になる。
さらには、レール104、106を傾斜させる必要があるので、レール103〜107の構造が複雑にある。
【0011】
そこで、レール103〜107を屈曲させる必要がなく、吊りメンバー119、119に過大な曲げ力が作用する心配がない車体の傾斜搬送装置が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、レールを屈曲させる必要がなく、且つ吊りメンバーに過大な曲げ力が作用する心配のない車体の傾斜搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、自動車の車体に付着した液体を排出する又は前記車体に液体を噴射するために、前記車体を傾けながらオーバーヘッドコンベアで搬送する傾斜搬送装置において、前記オーバーヘッドコンベアは、前記車体を載せる車体受けメンバーと、この車体受けメンバーの前部を吊る前部吊りメンバーと、車体受けメンバーの後部を吊る後部吊りメンバーとを備え、前記前部吊りメンバーと後部吊りメンバーのうち、一方が屈曲自在又は伸縮自在に構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、オーバーヘッドコンベアの下方にガイドレールを備え、屈曲自在又は伸縮自在に構成されている吊りメンバーは、屈曲部位又は伸縮部位より下に、ガイドレールで案内されるローラを備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、ガイドレールの側方部には、高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズルが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、車体を搬送するオーバーヘッドコンベアにおいて、前部吊りメンバーと後部吊りメンバーのうち、一方が屈曲自在又は伸縮自在に構成されているため、車体を傾斜状態で運搬することができる。
吊りメンバーの一方を屈曲又は伸縮させるだけでありから、オーバーヘッドコンベアを支えるレールは水平のままでよい。また、吊りメンバーに大きな曲げ力が作用する心配がないため、吊りメンバーの軽量化が可能となる。
【0017】
請求項2に係る発明では、車体を傾斜させるときに用いるガイドレールをオーバーヘッドコンベアの下方に配置したので、ガイドレールの変更が容易であり、多機種混合ラインの搬送中の機種に応じて最適な傾斜角度を設定できる。
【0018】
請求項3に係る発明では、ガイドレールの側方部に高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズルを設けたので、他機種混合ラインにおいて、搬送される車種毎に最適な洗浄液噴射角度を設定できるので、車体の前処理工程や、電着塗装工程での各洗浄が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体の傾斜搬送装置の側面図であり、車体の傾斜搬送装置10は、地面、基礎又は基礎に固定された基台に設けられているガイドレール11と、地面又は基礎から上方に配置されているオーバーヘッドコンベア20とからなる。ガイドレール11は前上がり傾斜面12や水平面13を備えている。
【0020】
オーバーヘッドコンベア20は、空中に水平に張られているフリーレール21と、このフリーレール21に沿って走行する複数のキャリア22と、隣り合うキャリア22、22を連結する連結メンバー23、23、23と、キャリア22、22から下げた支持メンバー24、24と、これらの支持メンバー24、24で支持される上部枠25と、この上部枠25の前部(図では右側)から下げた前部吊りメンバー26と、上部枠25の後部から下げた後部吊りメンバー27と、これらの吊りメンバー26、27の下端に渡した下部枠28と、車体29を載せるために下部枠28に渡した車体受けメンバー31とからなる。
【0021】
30はパワーレールと呼ばれる牽引索であり、フリーレール21に移動自在に取り付けられているキャリア22、22は、パワーレール30の作用で走行駆動される。
【0022】
図2は図1の2−2線断面図であり、後部吊りメンバー27、27は、車体29を挟むようにして上部枠25から降ろされ、下部枠28と車体受けメンバー31と上部枠25で、口の字を呈する。
図3は図2の3部拡大図であり、後部吊りメンバー27と下部枠28とは、第1の軸受機構33を介して接続されている。第1の軸受機構33は後部吊りメンバー27に設けた鍔付き円筒状のメタル34と、下部枠28から水平に延ばし円筒状のメタル34に嵌合する軸35とからなる。
【0023】
この軸35の先端にメタル34の内径より大径の円板36をボルト37で固定する。これで、メタル34から軸35が図右へ抜けることを防止することができる。この場合は、後部吊りメンバー27に、開口38を設け、この開口38を通じて円板36の着脱を行うようにする。そして、通常は開口38をリッド39で塞いでおくことが望ましい。
第1の軸受機構33により、後部吊りメンバー27に対して下部枠28は図面上下方向に揺動可能となる。
【0024】
図4は図1の4−4線断面図であり、前部吊りメンバー26、26は、車体29を挟むようにして上部枠25から降ろされ、下部枠28と車体受けメンバー31と上部枠25で、口の字を呈する。
【0025】
図5は図4の5部拡大図であり、前部吊りメンバー26と上部枠25とは、第2の軸受機構41を介して接続されている。この第2の軸受機構41は図3で説明した第1の軸受機構33と同一構造で差し支えないため、符号を流用して、詳細な説明は省略する。
第2の軸受機構41により、上部枠25に対して、前部吊りメンバー26は図面表裏方向へ揺動可能となる。
【0026】
図6は図4の6部拡大図であり、前部吊りメンバー26と下部枠28とは、第3の軸受機構43を介して接続されている。この第3の軸受機構43は図3で説明した第1の軸受機構33と同一構造で差し支えないため、符号を流用して、詳細な説明は省略する。
第3の軸受機構43により、下部枠28に対して、前部吊りメンバー26は図面表裏方向へ揺動可能となる。
【0027】
加えて、前部吊りメンバー26だけは、下部に次に説明するフリーロール機構45を備えている。このフリーロール機構45は、開口38を塞ぐリッドを兼ねたフランジ46と、このフランジ46から水平に延ばした支軸47と、この支軸47の先端にベアリング48を介して設けたローラ49と、支軸47の先端にボルト51で固定した抜け止め板52とからなる。
支軸47は、フランジ46及びボルト53、53で前部吊りメンバー26に固定されているが、ベアリング48の作用で、ローラ49は自在に回転する。
【0028】
図7は図1の7部拡大図であり、前部吊りメンバー26は、下メンバー54と、上メンバー55と、これらのメンバー54、55を繋ぐ関節部56とから構成される。関節部56は、例えば、下メンバー54の上端に切欠き形成した弧状凹部59と、下メンバー54から上へ延ばしたいステー57と、上メンバー55の下端に形成した弧状凸部58と、この弧状凸部58に弧状凹部59を合わせた状態で両部を連結するピン61とからなり、ピン61を中心として想像線で示すように、両メンバー54、55を、くの字に屈曲させることができる。
【0029】
好ましくは、両メンバー54、55にテンションが作用していないときに、両メンバー54、55を、くの字に屈曲させるトーションばね62をピン61に取付ける。これで、いわゆる「折り癖」を付けることができる。
下メンバー54に上向き力が加わったときに、必ず、想像線のように屈曲し、屈曲が円滑に行われる。
下メンバー54に下向き力が加わると、トーションばね62に抗して、両メンバー54、55は実線のように、一直線になる。
【0030】
以上の構成からなる車体の傾斜搬送装置の作用を次に説明する。
図8は水平姿勢の車体が前上がりに傾斜し始めるまでの説明図であり、(a)に示すように、オーバーヘッドコンベア20で支持された車体29は、ほぼ水平な姿勢で、図左から右へ移動している。オーバーヘッドコンベア20の下には、前上がり傾斜面12と、この傾斜面12に続く水平面13を有するガイドレール11が配置されている。
【0031】
(b)に示すように、ローラ49が傾斜面12に接触すると、ローラ49は傾斜面12に沿って上昇する。すると、前部吊りメンバー26はピン61を中心にしてくの字に屈曲する。後部吊りメンバー27は屈曲しない。この結果、下部枠28及び車体受けメンバー31は前上がりに傾斜し、車体29が傾斜状態になる。
【0032】
図9は最大傾斜姿勢の車体が水平姿勢に戻り始めるまでの説明図であり、(a)に示すように、ローラ49は水平面13で案内され、この姿勢のまま車体29は図左から右へ移動する。車体29は大きく傾いているため、車内の残った洗浄水が速やかに排出されると共に、車体の床面に付着した鉄粉、油、綿、治具から発生するゴミは、洗浄水と共に車体のステアリングロッド等の大径の穴から洗浄槽へ排出される。洗浄水や異物の排出に要する時間は、水平面13の水平部の長さを調節することや、アクチュエータ17によりガイドレール11の高さを調節することにより、車種に応じて決定することができる。
【0033】
(b)に示すように、水平面13に続く前下がりの傾斜面14に、ローラ49が案内されれば、車体29は傾斜状態から、水平状態に徐々に戻る。
【0034】
図8、図9から明らかなように、フリーレール21は屈曲させる必要がない。
また、ガイドレール11は基礎15上に設置することができる。ガイドレール11は簡単に設置できるため、機種切替が必要な場合は、形状の異なるガイドレールに簡単に交換することができる。または、異なる形状のガイドレールを基礎15上に並べることもできる。したがって、本発明によれば、多機種対応が容易になる。
【0035】
更に、ガイドレール11を支える支柱16に油圧/空圧/電動などで駆動するアクチュエータ17を組み合わせることが望ましい。そうすれば、アクチュエータ17を作動させることで、ガイドレール11の高さ(基礎15からの高さ)を、機種別に切り換えることができる。
【0036】
また、後部吊りメンバー27には、主に下向き力が作用し、曲げ力はあまり作用しない。この結果、後部吊りメンバー27は、それほど剛性を高める必要がなく、小形、軽量化が保てる。
【0037】
次に、別実施例を説明する。
図10は図1の別実施例を説明する図であり、図1から前部吊りメンバー26の構造のみを変更した。その他は変更ないので、図1の符号を流用して、詳細な説明は省略する。
【0038】
図11は図10の11部拡大図であり、前部吊りメンバー26は、上メンバー55と、下メンバー54と、この下メンバー54の上端から上へ延ばし且つ上メンバー55に差し込み可能な形状にしたリンクプレート64と、このリンクプレート64に開けた長孔65と、この長孔65を貫通するように上メンバー55の下部に設けたピン66とからなる。長孔65の分だけ、上メンバー55に対して、下メンバー54が上下に移動可能になる。
【0039】
図12は作用説明図であり、ローラ49がガイドレール11に案内されると、下メンバー54のみが上昇し、下部枠28、車体受けメンバー31及び車体29が傾斜状態になる。
この図で説明したように、前部吊りメンバー26は、伸縮自在にするか、又は図9で説明したように屈曲可能にすればよい。
【0040】
次に洗浄液噴射ノズルの配置例を説明する。
図13は洗浄液噴射ノズルの配置例を説明する図であり、ガイドレール11からブラケット67を出し、このブラケット67に支柱68を立て、この支柱68に、上下動可能にノズルホルダー69、69、69を取付ける。第1ねじ71を締め付けることでノズルホルダー69を支柱68に固定することができる。
【0041】
図14は図13の14−14矢視図であり、ノズルホルダー69から横バー72を出し、この横バー72にリング73を取付け、このリング73に洗浄液噴射ノズル74を固定する。第2ねじ75を緩めると、横バー72を中心に洗浄噴射ノズル74の仰角又は俯角を調整することができる。また、第1ねじ71を緩めると支柱68廻りに洗浄液噴射ノズル74を旋回させることができる。
【0042】
また、図13及び図14に想像線で示すようなアーム77で洗浄噴射ノズル74を支持させるようにしてもよい。アーム77をアクチュエータやロボットなどで駆動するようにすれば、洗浄噴射ノズル74の上下角、水平角、高さを機種別に変更することができる。
なお、この場合、支柱68を省くことができるが、支柱68を残して、支柱68で洗浄噴射ノズル74をガイドさせることで、アクチュエータなどの簡便化を図ることもできる。
【0043】
このように、ガイドレール11の側方部に、高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズル74が設けられているため、大きさが異なる車体を順次洗浄することができ、いわゆる混流生産に容易に対応させることができる。
【0044】
図15は塗装プロセスのフロー図であり、溶接工程(ST01)から送られてきた車体には、汚れが付いているため、脱脂液や水を用いて洗浄することで次工程のための前処理(ST02)を施す。この前処理では洗浄が盛んに行われるため、本発明が有用となる。
次に、車体に電着塗装(ST03)を施す。この電着塗装では、車体内に残っている電着液の排出を促し、また、水洗浄を行うため、水の排出が必要となり、本発明が有用となる。
【0045】
その後、シーラー塗布(ST04)、中塗塗装(ST05)、ベース塗装(ST06)、クリア塗装(ST07)を施し、検査(ST08)で合格すれば、防錆(ST09)を施して、次の組立工程(ST10)へ回す。
【0046】
尚、実施例では、前部吊りメンバーを屈曲又は伸縮可能にしたが、後部吊りメンバーを屈曲又は伸縮可能にしてもよい。
また、実施例では、車体の後部から槽に入槽する方式としたが、車体の前部から槽に入槽する方式であって、同一の発明の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、車体の電着塗装工程やそれの前処理工程に配置する車体の傾斜搬送装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る車体の傾斜搬送装置の側面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図2の3部拡大図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】図4の5部拡大図である。
【図6】図4の6部拡大図である。
【図7】図1の7部拡大図である。
【図8】水平姿勢の車体が前上がりに傾斜し始めるまでの説明図である。
【図9】最大傾斜姿勢の車体が水平姿勢に戻り始めるまでの説明図である。
【図10】図1の別実施例を説明する図である。
【図11】図10の11部拡大図である。
【図12】作用説明図である。
【図13】洗浄液噴射ノズルの配置例を説明する図である。
【図14】図13の14−14矢視図である。
【図15】塗装プロセスのフロー図である。
【図16】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0049】
10…車体の傾斜搬送装置、11…ガイドレール、12、14…傾斜面、13…水平面、20…オーバーヘッドコンベア、26…前部吊りメンバー、27…後部吊りメンバー、28…下部枠、29…自動車の車体、31…車体受けメンバー、74…洗浄液噴射ノズル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体を搬送する車体の傾斜搬送装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体の製造工程には、鉄粉、油、ゴミなどの汚れを除去するために車体を洗浄し、綺麗になった車体に電着塗装を施して、以降のカラー塗装に備える工程がある。
【0003】
洗浄は、水などの洗浄液中に車体を浸漬させ、その後の車体に洗浄液を噴射して行う。洗浄後は、車体、特に室内に溜まった洗浄液を迅速に排出する必要がある。
また、電着塗装は、電着液を溜めた槽に車体を沈めて実施する。電着塗装後は、車体、特に室内に溜まった電着液を迅速に排出する必要がある。
【0004】
従来、車体の室内に溜まった液体を迅速に排出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−170987号公報(図1)
【0005】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図16は従来の技術の基本原理を説明する図であり、洗浄液101が溜められた洗浄層102の上方に屈曲したレール103、104、105、106、107が張られ、これらのレール103〜107にオーバーヘッドコンベア108、109が吊されている。
【0006】
例えば、下がり勾配のレール104に到達したオーバーヘッドコンベア108に積載された車体111に、ノズル112から洗浄液を噴射する。車体111が前下がりに傾斜しているため、用済みの洗浄液113は車体111の前部から洗浄層102へ落下する。
【0007】
また、上がり勾配のレール106に到達したオーバーヘッドコンベア109に積載された車体114に、ノズル115から洗浄液を噴射する。車体114が後下がりに傾斜しているため、用済みの洗浄液115は車体114の後部から洗浄層102へ落下する。
そのため、洗浄液113、115の排出は、短時間で終了させることができる。
【0008】
なお、傾斜角度は大きいほど(例えば60°)、排出性が高まる。一方、レール104やレール106の傾斜角には限度がある。そこで、レール104、106の近傍にガイドレール117、118を付設し、傾斜角度を増加させるようにしている。
【0009】
ところで、オーバーヘッドコンベア108、109を構成する吊りメンバー119、119は一般に細いパイプ又は丸棒で構成される。パイプや丸棒は単純な引張り力には耐久性を有するが、曲げ力には耐久性が乏しい。
従来の技術では、吊りメンバー119、119には引張り力に加えて大きな曲げ力が作用するため、パイプや丸棒の径を増加するなどの剛性向上を図る必要があり、オーバーヘッドコンベア108、109の自重が大幅に増大し、運転のための電気代などが嵩むこととなる。
【0010】
また、ガイドレール117、118を空中に設ける必要があり、これらのガイドレール117、118が複雑になると共に、ガイドレール117、118を支える支持構造が大規模になる。
さらには、レール104、106を傾斜させる必要があるので、レール103〜107の構造が複雑にある。
【0011】
そこで、レール103〜107を屈曲させる必要がなく、吊りメンバー119、119に過大な曲げ力が作用する心配がない車体の傾斜搬送装置が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、レールを屈曲させる必要がなく、且つ吊りメンバーに過大な曲げ力が作用する心配のない車体の傾斜搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、自動車の車体に付着した液体を排出する又は前記車体に液体を噴射するために、前記車体を傾けながらオーバーヘッドコンベアで搬送する傾斜搬送装置において、前記オーバーヘッドコンベアは、前記車体を載せる車体受けメンバーと、この車体受けメンバーの前部を吊る前部吊りメンバーと、車体受けメンバーの後部を吊る後部吊りメンバーとを備え、前記前部吊りメンバーと後部吊りメンバーのうち、一方が屈曲自在又は伸縮自在に構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、オーバーヘッドコンベアの下方にガイドレールを備え、屈曲自在又は伸縮自在に構成されている吊りメンバーは、屈曲部位又は伸縮部位より下に、ガイドレールで案内されるローラを備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に係る発明は、ガイドレールの側方部には、高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズルが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明では、車体を搬送するオーバーヘッドコンベアにおいて、前部吊りメンバーと後部吊りメンバーのうち、一方が屈曲自在又は伸縮自在に構成されているため、車体を傾斜状態で運搬することができる。
吊りメンバーの一方を屈曲又は伸縮させるだけでありから、オーバーヘッドコンベアを支えるレールは水平のままでよい。また、吊りメンバーに大きな曲げ力が作用する心配がないため、吊りメンバーの軽量化が可能となる。
【0017】
請求項2に係る発明では、車体を傾斜させるときに用いるガイドレールをオーバーヘッドコンベアの下方に配置したので、ガイドレールの変更が容易であり、多機種混合ラインの搬送中の機種に応じて最適な傾斜角度を設定できる。
【0018】
請求項3に係る発明では、ガイドレールの側方部に高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズルを設けたので、他機種混合ラインにおいて、搬送される車種毎に最適な洗浄液噴射角度を設定できるので、車体の前処理工程や、電着塗装工程での各洗浄が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体の傾斜搬送装置の側面図であり、車体の傾斜搬送装置10は、地面、基礎又は基礎に固定された基台に設けられているガイドレール11と、地面又は基礎から上方に配置されているオーバーヘッドコンベア20とからなる。ガイドレール11は前上がり傾斜面12や水平面13を備えている。
【0020】
オーバーヘッドコンベア20は、空中に水平に張られているフリーレール21と、このフリーレール21に沿って走行する複数のキャリア22と、隣り合うキャリア22、22を連結する連結メンバー23、23、23と、キャリア22、22から下げた支持メンバー24、24と、これらの支持メンバー24、24で支持される上部枠25と、この上部枠25の前部(図では右側)から下げた前部吊りメンバー26と、上部枠25の後部から下げた後部吊りメンバー27と、これらの吊りメンバー26、27の下端に渡した下部枠28と、車体29を載せるために下部枠28に渡した車体受けメンバー31とからなる。
【0021】
30はパワーレールと呼ばれる牽引索であり、フリーレール21に移動自在に取り付けられているキャリア22、22は、パワーレール30の作用で走行駆動される。
【0022】
図2は図1の2−2線断面図であり、後部吊りメンバー27、27は、車体29を挟むようにして上部枠25から降ろされ、下部枠28と車体受けメンバー31と上部枠25で、口の字を呈する。
図3は図2の3部拡大図であり、後部吊りメンバー27と下部枠28とは、第1の軸受機構33を介して接続されている。第1の軸受機構33は後部吊りメンバー27に設けた鍔付き円筒状のメタル34と、下部枠28から水平に延ばし円筒状のメタル34に嵌合する軸35とからなる。
【0023】
この軸35の先端にメタル34の内径より大径の円板36をボルト37で固定する。これで、メタル34から軸35が図右へ抜けることを防止することができる。この場合は、後部吊りメンバー27に、開口38を設け、この開口38を通じて円板36の着脱を行うようにする。そして、通常は開口38をリッド39で塞いでおくことが望ましい。
第1の軸受機構33により、後部吊りメンバー27に対して下部枠28は図面上下方向に揺動可能となる。
【0024】
図4は図1の4−4線断面図であり、前部吊りメンバー26、26は、車体29を挟むようにして上部枠25から降ろされ、下部枠28と車体受けメンバー31と上部枠25で、口の字を呈する。
【0025】
図5は図4の5部拡大図であり、前部吊りメンバー26と上部枠25とは、第2の軸受機構41を介して接続されている。この第2の軸受機構41は図3で説明した第1の軸受機構33と同一構造で差し支えないため、符号を流用して、詳細な説明は省略する。
第2の軸受機構41により、上部枠25に対して、前部吊りメンバー26は図面表裏方向へ揺動可能となる。
【0026】
図6は図4の6部拡大図であり、前部吊りメンバー26と下部枠28とは、第3の軸受機構43を介して接続されている。この第3の軸受機構43は図3で説明した第1の軸受機構33と同一構造で差し支えないため、符号を流用して、詳細な説明は省略する。
第3の軸受機構43により、下部枠28に対して、前部吊りメンバー26は図面表裏方向へ揺動可能となる。
【0027】
加えて、前部吊りメンバー26だけは、下部に次に説明するフリーロール機構45を備えている。このフリーロール機構45は、開口38を塞ぐリッドを兼ねたフランジ46と、このフランジ46から水平に延ばした支軸47と、この支軸47の先端にベアリング48を介して設けたローラ49と、支軸47の先端にボルト51で固定した抜け止め板52とからなる。
支軸47は、フランジ46及びボルト53、53で前部吊りメンバー26に固定されているが、ベアリング48の作用で、ローラ49は自在に回転する。
【0028】
図7は図1の7部拡大図であり、前部吊りメンバー26は、下メンバー54と、上メンバー55と、これらのメンバー54、55を繋ぐ関節部56とから構成される。関節部56は、例えば、下メンバー54の上端に切欠き形成した弧状凹部59と、下メンバー54から上へ延ばしたいステー57と、上メンバー55の下端に形成した弧状凸部58と、この弧状凸部58に弧状凹部59を合わせた状態で両部を連結するピン61とからなり、ピン61を中心として想像線で示すように、両メンバー54、55を、くの字に屈曲させることができる。
【0029】
好ましくは、両メンバー54、55にテンションが作用していないときに、両メンバー54、55を、くの字に屈曲させるトーションばね62をピン61に取付ける。これで、いわゆる「折り癖」を付けることができる。
下メンバー54に上向き力が加わったときに、必ず、想像線のように屈曲し、屈曲が円滑に行われる。
下メンバー54に下向き力が加わると、トーションばね62に抗して、両メンバー54、55は実線のように、一直線になる。
【0030】
以上の構成からなる車体の傾斜搬送装置の作用を次に説明する。
図8は水平姿勢の車体が前上がりに傾斜し始めるまでの説明図であり、(a)に示すように、オーバーヘッドコンベア20で支持された車体29は、ほぼ水平な姿勢で、図左から右へ移動している。オーバーヘッドコンベア20の下には、前上がり傾斜面12と、この傾斜面12に続く水平面13を有するガイドレール11が配置されている。
【0031】
(b)に示すように、ローラ49が傾斜面12に接触すると、ローラ49は傾斜面12に沿って上昇する。すると、前部吊りメンバー26はピン61を中心にしてくの字に屈曲する。後部吊りメンバー27は屈曲しない。この結果、下部枠28及び車体受けメンバー31は前上がりに傾斜し、車体29が傾斜状態になる。
【0032】
図9は最大傾斜姿勢の車体が水平姿勢に戻り始めるまでの説明図であり、(a)に示すように、ローラ49は水平面13で案内され、この姿勢のまま車体29は図左から右へ移動する。車体29は大きく傾いているため、車内の残った洗浄水が速やかに排出されると共に、車体の床面に付着した鉄粉、油、綿、治具から発生するゴミは、洗浄水と共に車体のステアリングロッド等の大径の穴から洗浄槽へ排出される。洗浄水や異物の排出に要する時間は、水平面13の水平部の長さを調節することや、アクチュエータ17によりガイドレール11の高さを調節することにより、車種に応じて決定することができる。
【0033】
(b)に示すように、水平面13に続く前下がりの傾斜面14に、ローラ49が案内されれば、車体29は傾斜状態から、水平状態に徐々に戻る。
【0034】
図8、図9から明らかなように、フリーレール21は屈曲させる必要がない。
また、ガイドレール11は基礎15上に設置することができる。ガイドレール11は簡単に設置できるため、機種切替が必要な場合は、形状の異なるガイドレールに簡単に交換することができる。または、異なる形状のガイドレールを基礎15上に並べることもできる。したがって、本発明によれば、多機種対応が容易になる。
【0035】
更に、ガイドレール11を支える支柱16に油圧/空圧/電動などで駆動するアクチュエータ17を組み合わせることが望ましい。そうすれば、アクチュエータ17を作動させることで、ガイドレール11の高さ(基礎15からの高さ)を、機種別に切り換えることができる。
【0036】
また、後部吊りメンバー27には、主に下向き力が作用し、曲げ力はあまり作用しない。この結果、後部吊りメンバー27は、それほど剛性を高める必要がなく、小形、軽量化が保てる。
【0037】
次に、別実施例を説明する。
図10は図1の別実施例を説明する図であり、図1から前部吊りメンバー26の構造のみを変更した。その他は変更ないので、図1の符号を流用して、詳細な説明は省略する。
【0038】
図11は図10の11部拡大図であり、前部吊りメンバー26は、上メンバー55と、下メンバー54と、この下メンバー54の上端から上へ延ばし且つ上メンバー55に差し込み可能な形状にしたリンクプレート64と、このリンクプレート64に開けた長孔65と、この長孔65を貫通するように上メンバー55の下部に設けたピン66とからなる。長孔65の分だけ、上メンバー55に対して、下メンバー54が上下に移動可能になる。
【0039】
図12は作用説明図であり、ローラ49がガイドレール11に案内されると、下メンバー54のみが上昇し、下部枠28、車体受けメンバー31及び車体29が傾斜状態になる。
この図で説明したように、前部吊りメンバー26は、伸縮自在にするか、又は図9で説明したように屈曲可能にすればよい。
【0040】
次に洗浄液噴射ノズルの配置例を説明する。
図13は洗浄液噴射ノズルの配置例を説明する図であり、ガイドレール11からブラケット67を出し、このブラケット67に支柱68を立て、この支柱68に、上下動可能にノズルホルダー69、69、69を取付ける。第1ねじ71を締め付けることでノズルホルダー69を支柱68に固定することができる。
【0041】
図14は図13の14−14矢視図であり、ノズルホルダー69から横バー72を出し、この横バー72にリング73を取付け、このリング73に洗浄液噴射ノズル74を固定する。第2ねじ75を緩めると、横バー72を中心に洗浄噴射ノズル74の仰角又は俯角を調整することができる。また、第1ねじ71を緩めると支柱68廻りに洗浄液噴射ノズル74を旋回させることができる。
【0042】
また、図13及び図14に想像線で示すようなアーム77で洗浄噴射ノズル74を支持させるようにしてもよい。アーム77をアクチュエータやロボットなどで駆動するようにすれば、洗浄噴射ノズル74の上下角、水平角、高さを機種別に変更することができる。
なお、この場合、支柱68を省くことができるが、支柱68を残して、支柱68で洗浄噴射ノズル74をガイドさせることで、アクチュエータなどの簡便化を図ることもできる。
【0043】
このように、ガイドレール11の側方部に、高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズル74が設けられているため、大きさが異なる車体を順次洗浄することができ、いわゆる混流生産に容易に対応させることができる。
【0044】
図15は塗装プロセスのフロー図であり、溶接工程(ST01)から送られてきた車体には、汚れが付いているため、脱脂液や水を用いて洗浄することで次工程のための前処理(ST02)を施す。この前処理では洗浄が盛んに行われるため、本発明が有用となる。
次に、車体に電着塗装(ST03)を施す。この電着塗装では、車体内に残っている電着液の排出を促し、また、水洗浄を行うため、水の排出が必要となり、本発明が有用となる。
【0045】
その後、シーラー塗布(ST04)、中塗塗装(ST05)、ベース塗装(ST06)、クリア塗装(ST07)を施し、検査(ST08)で合格すれば、防錆(ST09)を施して、次の組立工程(ST10)へ回す。
【0046】
尚、実施例では、前部吊りメンバーを屈曲又は伸縮可能にしたが、後部吊りメンバーを屈曲又は伸縮可能にしてもよい。
また、実施例では、車体の後部から槽に入槽する方式としたが、車体の前部から槽に入槽する方式であって、同一の発明の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、車体の電着塗装工程やそれの前処理工程に配置する車体の傾斜搬送装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る車体の傾斜搬送装置の側面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】図2の3部拡大図である。
【図4】図1の4−4線断面図である。
【図5】図4の5部拡大図である。
【図6】図4の6部拡大図である。
【図7】図1の7部拡大図である。
【図8】水平姿勢の車体が前上がりに傾斜し始めるまでの説明図である。
【図9】最大傾斜姿勢の車体が水平姿勢に戻り始めるまでの説明図である。
【図10】図1の別実施例を説明する図である。
【図11】図10の11部拡大図である。
【図12】作用説明図である。
【図13】洗浄液噴射ノズルの配置例を説明する図である。
【図14】図13の14−14矢視図である。
【図15】塗装プロセスのフロー図である。
【図16】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【符号の説明】
【0049】
10…車体の傾斜搬送装置、11…ガイドレール、12、14…傾斜面、13…水平面、20…オーバーヘッドコンベア、26…前部吊りメンバー、27…後部吊りメンバー、28…下部枠、29…自動車の車体、31…車体受けメンバー、74…洗浄液噴射ノズル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車体に付着した液体を排出する又は前記車体に液体を噴射するために、前記車体を傾けながらオーバーヘッドコンベアで搬送する傾斜搬送装置において、
前記オーバーヘッドコンベアは、前記車体を載せる車体受けメンバーと、この車体受けメンバーの前部を吊る前部吊りメンバーと、車体受けメンバーの後部を吊る後部吊りメンバーとを備え、
前記前部吊りメンバーと後部吊りメンバーのうち、一方が屈曲自在又は伸縮自在に構成されていることを特徴とする車体の傾斜搬送装置。
【請求項2】
前記オーバーヘッドコンベアの下方にガイドレールを備え、前記屈曲自在又は伸縮自在に構成されている吊りメンバーは、屈曲部位又は伸縮部位より下に、前記ガイドレールで案内されるローラを備えていることを特徴とする請求項1記載の車体の傾斜搬送装置。
【請求項3】
前記ガイドレールの側方部には、高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズルが設けられていることを特徴とする請求項2記載の車体の傾斜搬送装置。
【請求項1】
自動車の車体に付着した液体を排出する又は前記車体に液体を噴射するために、前記車体を傾けながらオーバーヘッドコンベアで搬送する傾斜搬送装置において、
前記オーバーヘッドコンベアは、前記車体を載せる車体受けメンバーと、この車体受けメンバーの前部を吊る前部吊りメンバーと、車体受けメンバーの後部を吊る後部吊りメンバーとを備え、
前記前部吊りメンバーと後部吊りメンバーのうち、一方が屈曲自在又は伸縮自在に構成されていることを特徴とする車体の傾斜搬送装置。
【請求項2】
前記オーバーヘッドコンベアの下方にガイドレールを備え、前記屈曲自在又は伸縮自在に構成されている吊りメンバーは、屈曲部位又は伸縮部位より下に、前記ガイドレールで案内されるローラを備えていることを特徴とする請求項1記載の車体の傾斜搬送装置。
【請求項3】
前記ガイドレールの側方部には、高さや角度が変更可能な洗浄液噴射ノズルが設けられていることを特徴とする請求項2記載の車体の傾斜搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−189416(P2008−189416A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−24109(P2007−24109)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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