車体構造及び同軸二輪車
【課題】搭乗者の積極的な荷重配分で同軸二輪車と一体となって操作を楽しむ娯楽性能を備えた車体構造を提供する。
【解決手段】車体10は、同一軸心線上に配置された2個の車輪20を備える同軸二輪車1を成す車体である。車体10は、横リンク111、112と、縦リンク113とを有しており、同軸二輪車1の左右方向へ回転可能な平行リンク機構110と、縦リンク113の上端部に設けられたステッププレート120と、を備えている。左右のステッププレート120に乗せられた搭乗者の荷重は、同軸二輪車1の旋回時に、縦リンク113に設けられた車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線Nより内方側又は外方側へずれた位置から平行リンク機構110に作用する。
【解決手段】車体10は、同一軸心線上に配置された2個の車輪20を備える同軸二輪車1を成す車体である。車体10は、横リンク111、112と、縦リンク113とを有しており、同軸二輪車1の左右方向へ回転可能な平行リンク機構110と、縦リンク113の上端部に設けられたステッププレート120と、を備えている。左右のステッププレート120に乗せられた搭乗者の荷重は、同軸二輪車1の旋回時に、縦リンク113に設けられた車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線Nより内方側又は外方側へずれた位置から平行リンク機構110に作用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体構造及び前記車体構造を備えた同軸二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
同軸二輪車は、同一軸心線上に配置された2個の車輪が駆動可能に車体に設けられている。当該同軸二輪車は、搭乗者の操作に応じて左右の車輪の回転速度を変化させ、旋回を実現している。
【0003】
例えば、特許文献1の同軸二輪車は、車体の搭乗台が左右方向へ傾動可能なシーソー状に支持されている。当該同軸二輪車は、搭乗台の傾動をセンサによって検出し、この検出信号に基づいて左右の車輪の回転速度を変化させ、旋回を実現している。
【0004】
特許文献2の同軸二輪車は、平行リンク機構から成る車体が同軸二輪車の左右方向へ回転可能に配置されている。車体の縦リンクの上端部には、搭乗者が乗るステッププレートが設けられている。当該同軸二輪車は、ステッププレートに乗った搭乗者が、車体に連結された旋回操作部を傾動させると、旋回操作部が傾動すると共に車体の対向するリンクが平行状態を維持したまま回転する。このとき、車体の上下の横リンクは水平であり、当該上下の横リンクに対する旋回操作部の傾動角度をセンサによって検出し、この検出信号に基づいて左右の車輪の回転速度を変化させ、旋回を実現している。
【特許文献1】特許第3981733号公報
【特許文献2】特開2006−315666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、同軸二輪車は単なる移動性能だけでなく、スキーやサーフィンなどのように、搭乗者の積極的な荷重配分で当該同軸二輪車と一体となって操作を楽しむ娯楽性能が求められている。
【0006】
特許文献1の同軸二輪車は、搭乗者の積極的な荷重配分で当該搭乗台が傾動するものの、車体が搭乗者と一体となって旋回方向へ回転する構成ではない。そのため、同軸二輪車と一体となって操作を楽しむまで、至っていない。
【0007】
特許文献2の同軸二輪車は、本発明の車体と略同様の構成とされているが、当該車体に連結された旋回操作部を搭乗者が操作することによって旋回を実現している。そのため、やはり同軸二輪車と一体となって操作を楽しむまで、至っていない。
【0008】
本発明は、搭乗者の積極的な荷重配分で同軸二輪車と一体となって操作を楽しむ娯楽性能を備えた車体構造及び前記車体構造を用いた同軸二輪車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車体構造は、同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車を成す車体の構造であって、前記車体は、横リンクと、縦リンクとを有しており、前記同軸二輪車の左右方向へ回転可能な平行リンク機構と、前記縦リンクの上端部に設けられたステッププレートと、を備え、左右の前記ステッププレートに乗せられた搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記縦リンクに設けられた車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側又は外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用する。このような構成により、搭乗者が旋回方向の外側又は内側の足を踏み込んで、積極的に荷重配分を変化させると、車体を成す平行リンク機構とステッププレート、及び車輪が連動して旋回方向へ傾動するため、搭乗者を含めて一体的となって、同軸二輪車の操作を楽しむことができる。
【0010】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方領域が足置き部分とされており、左右の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用すること、が好ましい。このような構成により、旋回時に外足を踏み込むことができ、旋回時の遠心力に容易に対抗し得る状態にすることもできる。
【0011】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点より外方側に突出し、当該突出部が足置き部分とされており、各々の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用すること、が好ましい。このような構成により、所謂リーンインに似た姿勢で搭乗者が操作することができ、より同軸二輪車の操作感を楽しむことができる。
【0012】
前記ステッププレートは、前記ステッププレートを前記同軸二輪車の左右方向へスライドさせる可変部を介して、前記縦リンクに設けられていること、が好ましい。
【0013】
前記可変部は、左右のステッププレートへの搭乗者の荷重配分に基づいて、アクティブ制御されること、が好ましい。このような構成により、旋回方向の内側の足で旋回動作のきっかけを作ることができるので、感覚的に分かり易く、操作のコツをつかみ易い。また、旋回中は、外側の足も踏ん張ることができるので、遠心力に容易に対抗することができる。
【0014】
前記可変部は、前記車体の回転角度に基づいて、アクティブ制御されること、が好ましい。このような構成により、左右のステッププレートに略等しく荷重を作用させることができる。
【0015】
本発明に係る同軸二輪車は、同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車であって、上述の車体構造を備える。このような構成により、搭乗者が旋回方向の外側又は内側の足を踏み込んで、積極的に荷重配分を変化させると、車体を成す平行リンク機構とステッププレート、及び車輪が連動して旋回方向へ傾動するため、搭乗者を含めて一体的となって、同軸二輪車の操作を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、搭乗者の積極的な荷重配分で同軸二輪車と一体となって操作を楽しむ娯楽性能を備えた車体構造及び前記車体構造を用いた同軸二輪車を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る車体構造及び同軸二輪車の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0018】
<実施形態1>
本実施形態1の同軸二輪車1は、図1及び図2に示すように、車体10と、車輪20と、車輪駆動ユニット30と、サポート部材40とを備えている。
【0019】
車体10は、図2に示すように、平行リンク機構110と、ステッププレート120とを備えている。平行リンク機構110は、上側に配置される2本の横リンク111と、下側に配置される2本の横リンク112と、左右両側に配置される2本の縦リンク113とを備えている。横リンク111は、長手方向の中間部に、前後方向へ貫通する軸受孔が設けられている。また、横リンク111の左右両端部にも、前後方向へ貫通する軸受孔が設けられている。この2本の横リンク111は、当該2本の横リンク111の端部でそれぞれ縦リンク113の上端部を挟み込むように配置されている。
【0020】
横リンク112も、当該横リンク111と同様の構成とされている。この2本の横リンク111は、当該2本の横リンク112の端部でそれぞれ縦リンク113の下端部を挟み込むように配置されている。
【0021】
縦リンク113は、偏平な板状の部材から成る。縦リンク113の上下端部には、それぞれ前後方向へ貫通する軸受孔が設けられている。この縦リンク113は、上下に配置された2本の横リンク111と111及び横リンク112と112の間における両端部にそれぞれ配置されている。そして、縦リンク113の軸受孔は、横リンク111、112の軸受孔と同一軸心線上に配置され、相互を貫通するように回動支持ピン114が挿入されている。その結果、横リンク111、112及び縦リンク113は、同軸二輪車1の左右方向へ回転可能な平行リンク機構として構成されている。ちなみに、横リンク111と112は、平行リンク機構110が同軸二輪車1の左右方向へ回転した状態から元の状態、即ち縦リンク113が傾斜した平行四辺形の状態から直角四辺形の状態に復元されるように、バネ等の復元部材115によって連結されている。
【0022】
縦リンク113の外面には、車輪駆動ユニット30が取り付けられている。車輪駆動ユニット30は、例えば、電動モータと、その電動モータの回転軸に動力伝達可能に連結された減速ギア列等によって構成することができる。車輪駆動ユニット30は、縦リンク113に固定される固定部と、その固定部に回転自在に支持された回転部とから成り、その回転部に車輪20が取り付けられている。このように、車輪駆動ユニット30を介して縦リンク113にそれぞれ支持された左右の車輪20は、平坦な路面上に置いたときには、互いの回転中心が同一軸心線上に配置されることになる。
【0023】
また、縦リンク113の上端部は、横リンク111の上面から上方へ突出しており、当該縦リンク113の上端面には、ステッププレート120がそれぞれ水平に設けられている。具体的にいうと、左右のステッププレート120は、図3に示すように、当該左右のステッププレート120に搭乗者の左右の足が乗せられると、搭乗者の荷重が、車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線Nより内方側へずれた位置から平行リンク機構110に作用するように、縦リンク113の上端部に設けられている。本実施形態では、左右のステッププレート120は、それぞれ当該線Nより内方領域が足置き部分120aとされている。その結果、左右のステッププレート120の足置き部分120a上に乗った搭乗者の荷重は、当該線Nより内方側へずれた位置から平行リンク機構110に作用することになる。ちなみに、左右のステッププレート120の間隔は、人が自然な状態で立っているときの両足間の距離とされる。
【0024】
このような平行リンク機構110は、図3に示すように、左右のステッププレート120の足置き部分120aに搭乗者が略等しい荷重を作用させると、平衡状態を維持する。一方、図4及び図5に示すように、搭乗者が旋回方向の外側の足を踏み込んで、当該足を踏み込んだ側のステッププレート120に大きな荷重Wを作用させると、旋回方向の回転力が平行リンク機構110に生じる。つまり、当該荷重Wは下方に作用する。当該荷重Wの作用点B1を通り、且つ縦リンク113と平行な線M1よりも外方側にある車輪20の接地点Aでは、当該荷重Wに対する反力が上方に作用する。よって、旋回方向の回転力が生じるのである。したがって、搭乗者は、旋回方向の外側の足を踏み込むと、旋回方向へ平行リンク機構110が回転する構成とされている。このとき、平行リンク機構110の回転に連動してステッププレート120及び車輪20も旋回方向へ傾動する。
【0025】
サポート部材40は、ハンドル410と、ハンドルバー420と、ハンドルバーブラケット430とを備えている。
ハンドル410は、平面視が環状の握り部411と、握り部411を後方から支持する支持部412とを備えている。搭乗者は、当該握り部411を握ることで、走行時や乗降時に体勢を安定させることができる。また、例えば車体10の縦リンク113の後側面に運搬用車輪が設けられている場合は、当該握り部411を握って同軸二輪車1を後方へ傾動させ、運搬用車輪で同軸二輪車1を支持させた状態で、当該同軸二輪車1を引っ張って運搬することができる。支持部412の下端部は、ハンドルバー420に連結されている。ハンドルバー420の下端部は、ハンドルバーブラケット430の上端部に連結されている。
【0026】
ハンドルバーブラケット430は、車体10の中央位置を前後方向へ跨いだ形状とされている。ハンドルバーブラケット430の前部には、車体10の下部まで延びる前面部が設けられている。当該前面部には、縦リンク113の前方において上下に配置された横リンク111、112の中央の軸受孔と対応する位置に、軸受孔が設けられている。横リンク111、112の中央の軸受孔と当該前面部の軸受孔とは、同一軸心線上に配置されており、相互を貫通するように回動支持軸116が挿入されている。
【0027】
バンドルバーブラケット430の後部には、図示を省略したが、車体10の下部まで延びる後面部が設けられている。当該後面部には、縦リンク113の後方において上下に配置された横リンク111、112の中央の軸受孔と対応する位置に、軸受孔が設けられている。横リンク111、112の中央の軸受孔と当該後面部の軸受孔とは、同一軸心線上に配置されており、相互を貫通するように回動支持軸が挿入されている。このとき、前後に配置された回動支持軸は、同一軸心線上に配置されている。
【0028】
このようなサポート部材40は、平行リンク機構110が旋回方向へ回転すると、当該平行リンク機構110の回転と連動するように回転する。つまり、サポート部材40は、平行リンク機構110の縦リンク113と平行な状態が維持される。
【0029】
このサポート部材40の回転角度(傾動角度)を検出するため、回動支持軸116には角度検出センサ60が取り付けられている。角度検出センサ60は、回動支持軸116に固定された軸部と、その軸部との間の相対的な回転変位量を検出する検出部とで構成されている。検出部は、固定板117の一端に固定されていて、その固定板117の他端は、ハンドルバーブラケット430の前面部に固定されている。
【0030】
角度検出センサ60としては、例えば、ポテンショメータやバリコン構造のセンサ等を適用することができる。この角度検出センサ60では、軸部と検出部との間に生じる回転変位量に応じて抵抗値が変化することを利用して、平行リンク機構110に対するハンドルバーブラケット430の傾動角度を検出することができる。
【0031】
ちなみに、図1に示す同軸二輪車1は、左右のステッププレート120と120の間における前後の横リンク111と111及び横リンク112と112の隙間部分に格納部が形成されている。この格納部には、左右の車輪駆動ユニット30や制御装置その他の電子機器、電気装置等に電力を供給する電源の一具体例を示すバッテリー61が格納されている。さらに格納部には、左右の車輪駆動ユニット30等を駆動する駆動回路と、同軸二輪車1の姿勢を検出して、それらの検出信号を出力する姿勢検出手段である姿勢センサユニット62と、左右の車輪駆動ユニット30等を駆動制御するための制御信号を出力する制御装置63が格納されている。左右のステッププレート120に乗った搭乗者の直下位置にバッテリー61等の重量物を集中して格納しているので、マスの集中を図ることができ、同軸二輪車の操作性が向上する。
【0032】
制御装置63は、姿勢センサユニット62からの検出信号や角度検出センサ60からの検出信号等に基づき所定の演算処理を実行し、必要な制御信号を左右の車輪駆動ユニット30等に出力する。制御装置63は、図6に示すように、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路63aと、プログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置63b等を備えている。制御装置63には、バッテリー61と左右の駆動回路64(64L、64R)が接続されており、それらは非常停止スイッチ65を介しても接続されている。左右の駆動回路64L、64Rは、左右の車輪20の回転速度や回転方向等を個別に制御するもので、これらに左右の車輪駆動ユニット30(30L、30R)が個別に接続されている。
【0033】
この制御装置63には、サポート部材の傾動角度を検出する角度検出センサ60からの検出信号と、姿勢センサユニット62からの検出信号とが入力される。姿勢センサユニット62は、同軸二輪車1の走行時における角速度や加速度を検出して、当該角速度や加速度を制御するために用いられるもので、例えば、ジャイロセンサと、加速度センサとから構成されている。
【0034】
このような構成の同軸二輪車1は、搭乗者が左右のステッププレート120に乗って、旋回方向の外側の足を踏み込んでステッププレート120に荷重を作用させると、平行リンク機構110の対向するリンクが平行状態を維持したまま旋回方向へ回転すると共に、サポート部材40も連動して旋回方向へ回転する。このとき、角度検出センサ60は、水平である横リンク111、112に対する当該サポート部材40の傾動角度を検出すると、その検出信号を制御装置63に出力する。検出信号が入力された制御装置63は、当該検出信号に基づいて所定の演算処理を行い、どの程度、旋回方向の内側の車輪の回転速度を減速させるか、又は旋回方向の外側の車輪の回転速度を加速させるかを算出し、その算出結果を示す信号を、車輪駆動ユニット30に出力する。算出結果を示す信号が入力された車輪駆動ユニット30は、当該算出結果を示す信号に基づいて、モータの回転速度を制御して車輪20を駆動させる。このように、搭乗者が旋回方向の外側の足を踏み込んで、積極的に荷重配分を変化させると、車体10を成す平行リンク機構110とステッププレート120、及び車輪20が連動して旋回方向へ傾動するため、搭乗者を含めて一体的となって、同軸二輪車1の操作を楽しむことができる。しかも、旋回時の遠心力に容易に対抗し得る状態にすることもできる。
【0035】
また、同軸二輪車1は、搭乗者が左右のステッププレート120に乗って、搭乗者の荷重を前方又は後方へ移動させ、当該同軸二輪車1を前後方向へ回転させると、姿勢センサユニット62が同軸二輪車1の角速度及び加速度を検出し、その検出信号を制御装置63に出力する。検出信号が入力された制御装置63は、当該検出信号に基づいて所定の演算処理を行い、同軸二輪車1が倒れないように安定化させるのに必要な駆動トルクを算出し、その算出結果を示す信号を、車輪駆動ユニットに出力する。算出結果を示す信号が入力された車輪駆動ユニットは、当該算出結果を示す信号に基づいて、モータを制御して車輪を駆動させる。このようにして、前後方向への同軸二輪車1の回転に応じて、前方又は後方への走行が実現される。
【0036】
<実施形態2>
本実施形態の同軸二輪車は、実施形態1の同軸二輪車と略同様の構成としているが、車体の構造が異なる。なお、実施形態1と重複する説明は省略する。
【0037】
すなわち、本実施形態の車体100は、図7に示すように、ステッププレート121が車輪20の接地点Aから外方側に突出しており、当該突出部が足置き部分121aとされている。この場合、図7に示すように、左右のステッププレート121の足置き部分121aに搭乗者が略等しい荷重を作用させると、平衡状態を維持する。一方、図8及び図9に示すように、搭乗者が旋回方向の内側の足を踏み込んで、当該足を踏み込んだ側のステッププレート121に大きな荷重Wを作用させると、旋回方向の回転力が平行リンク機構110に生じる。つまり、当該荷重Wは下方に作用する。当該荷重Wの作用点B2を通り、且つ縦リンク113と平行な線M2よりも内方側にある車輪20の接地点Aでは、当該荷重Wに対する反力が上方に作用する。よって、旋回方向の回転力が生じるのである。
【0038】
したがって、搭乗者は、旋回方向の内側の足を踏み込むと、旋回方向へ平行リンク機構110が回転する構成とされている。実施形態1の同軸二輪車は、所謂リーンアウトに似た姿勢で搭乗者が操作することになるが、本実施形態の車体100を備えた同軸二輪車は、所謂リーンインに似た姿勢で搭乗者が操作することができ、より同軸二輪車の操作感を楽しむことができる。
【0039】
<実施形態3>
本実施形態の同軸二輪車は、上記実施形態の同軸二輪車と略同様の構成とされているが、車体の構造が異なる。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
【0040】
すなわち、本実施形態の車体101は、図10に示すように、ステッププレート122の足置き部分122aが、車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線N上に配置されている。この場合、図10に示すように、左右のステッププレート122の足置き部分122aに搭乗者が略等しい荷重を作用させると、平衡状態を維持する。一方、例えば図11の紙面奥行き方向を進行方向として、左へ旋回する場合は、右足の親指部分を踏み込んで、当該線Nより内方側へずれた位置から荷重を作用させる。それと共に、左足の小指部分を踏み込んで、当該線Nより外方側へずれた位置から荷重を作用させる。その結果、同軸二輪車1を左に旋回させることができる。このように、同軸二輪車1の操作が若干シビアになるが、より同軸二輪車の操作感を楽しむことができる。
【0041】
<実施形態4>
本実施形態の同軸二輪車は、上記実施形態の同軸二輪車と略同様の構成とされているが、車体の構造が異なる。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
【0042】
すなわち、本実施形態の車体102は、左右のステッププレート123に荷重センサ80(80L、80R)を備えている。荷重センサ80としては、通例の圧電素子を備えた荷重センサを用いることができる。
【0043】
左右のステッププレート123は、当該ステッププレート123を同軸二輪車1の左右方向へスライドさせる可変部を介して、平行リンク機構110の縦リンク113に設けられている。この可変部は、具体的な図示を省略したが、スライド機構と、駆動装置81とを備えている。但し、可変部は、以下の構成に限らない。要するに、可変部は、ステッププレートを同軸二輪車の左右方向へスライドさせることができる構成であれば良い。
【0044】
スライド機構は、基部の底面に嵌合片が形成されており、当該嵌合片がガイド部の溝部に嵌め込まれている。このスライド機構は、基部とガイド部が同軸二輪車1の左右方向へ相対移動するように配置されており、基部の上面がステッププレート123に連結され、ガイド部の下面が平行リンク機構110の縦リンク113に連結されている。
【0045】
駆動装置81としては、例えば直動アクチュエータを用いることができ、一方の端部が縦リンク113に連結され、他方の端部がステッププレート123に連結されている。
【0046】
このような構成の車体102は、例えば図12の紙面奥行き方向を進行方向として、左へ旋回する場合は、左足を若干踏み込んで、左側のステッププレート123に荷重を作用させると、荷重の増加を左側の荷重センサ80Lが検出し、図13に示すように、当該検出信号を制御装置63に出力する。制御装置63は、一方の荷重センサ80の荷重が増加した際に、荷重が増加した側とは逆側のステッププレート123を、車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線Nより内方側へスライドし、さらに荷重が増加した側のステッププレート123を、当該線Nより外方側へスライドするように、駆動装置81(81L、81R)を制御する構成とされている。そのため、制御装置63は、入力された検出信号に基づいて、右側のステッププレート123を当該線Nより内方側へスライドし、左側のステッププレート123を当該線Nより外方側へスライドするように、駆動装置81を制御する。その結果、車体102における旋回方向の外側部分は、実施形態1の車体の旋回時と同様の形態となり、車体102における旋回方向の内側部分は、実施形態2の車体の旋回時と同様の形態となって、同軸二輪車1の旋回が実現される。このように、旋回方向の内側の足で旋回動作のきっかけを作ることができるので、感覚的に分かり易く、操作のコツをつかみ易い。また、旋回中は、外側の足も踏ん張ることができるので、遠心力に容易に対抗することができる。
【0047】
<実施形態5>
本実施形態の同軸二輪車は、上記実施形態の同軸二輪車と略同様の構成とされているが、車体の構造が異なる。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
【0048】
本実施形態の車体は、実施形態1〜3の車体と略同様の構成とされているが、左右のステッププレートが、当該左右のステッププレートを同軸二輪車の左右方向へスライドさせる可変部を介して、平行リンク機構の縦リンクに設けられている。すなわち、実施形態4と同様の可変部を備えているが、当該可変部は車体の左右方向への回転角度に基づいてアクティブ制御される構成とされている。
【0049】
具体的にいうと、実施形態1〜3の同軸二輪車と同様に、搭乗者は、車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線より内方側又は外方側へずれた位置から平行リンク機構に荷重を作用させ、車体を旋回方向に回転させる。この車体の回転角度を角度検出センサで検出し、当該検出結果を制御装置に出力する。制御装置は、車体が実施形態1の車体のように足置き部分が車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線より内方に形成されている場合、旋回方向の内側のステッププレートが同軸二輪車の外方側へスライドするように、駆動装置を制御する。制御装置は、車体が実施形態2の車体のように足置き部分が車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線より外方に形成されている場合、旋回方向の外側のステッププレートが同軸二輪車の内方側へスライドするように、駆動装置を制御する。制御装置は、車体が実施形態3の車体のように足置き部分が車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線上に形成されている場合、旋回方向の内側のステッププレートが同軸二輪車の外方側へスライドし、且つ旋回方向の外側のステッププレートが同軸二輪車の内方側へスライドするように、駆動装置を制御する。このような構成により、左右のステッププレートに略等しく荷重を作用させることができる。
【0050】
ちなみに、車体の左右方向への回転角度としては、平行リンク機構の回転角度やステッププレートの回転角度等を角度検出センサで検出することができる。
【0051】
本実施形態の車体は、アクティブ制御される構成とされているが、この限りでない。当該可変部をスライド機構と、バネ等の復帰部材とで構成し、左右のステッププレートをパッシブ制御しても良い。すなわち、駆動装置に代わって搭乗者の操作によって、ステッププレートを同軸二輪車の左右方向へスライドさせ、旋回が終了すると、ステッププレートを復帰部材によって、元位置に復帰させる。
【0052】
上記実施形態1〜5の同軸二輪車は、サポート部材を備えた構成とされているが、省略しても良い。この場合、シンプルな意匠的に優れた構成となる。
【0053】
以上、本発明に係る車体及び同軸二輪車の実施形態を説明したが、上記の構成に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る実施形態1の同軸二輪車を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係る実施形態1の車体構造を示す正面図である。
【図3】本発明に係る実施形態1の車体構造の平衡状態時の力学特性を示す模式図である。
【図4】本発明に係る実施形態1の車体構造の旋回時を概略的に示す模式図である。
【図5】本発明に係る実施形態1の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図6】本発明に係る実施形態1の同軸二輪車の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る実施形態2の車体構造の平衡状態時の力学特性を示す模式図である。
【図8】本発明に係る実施形態2の車体構造の旋回時を概略的に示す模式図である。
【図9】本発明に係る実施形態2の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図10】本発明に係る実施形態3の車体構造の平衡状態時の力学特性を示す模式図である。
【図11】本発明に係る実施形態3の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図12】本発明に係る実施形態4の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図13】本発明に係る実施形態4の同軸二輪車の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
1 同軸二輪車
10 車体
20 車輪
100、101、102 車体
110 平行リンク機構
111 上側の横リンク
112 下側の横リンク
113 縦リンク
120、121、122、123 ステッププレート
120a、121a、122a 足置き部分
N 車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線
A 車輪の接地点
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体構造及び前記車体構造を備えた同軸二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
同軸二輪車は、同一軸心線上に配置された2個の車輪が駆動可能に車体に設けられている。当該同軸二輪車は、搭乗者の操作に応じて左右の車輪の回転速度を変化させ、旋回を実現している。
【0003】
例えば、特許文献1の同軸二輪車は、車体の搭乗台が左右方向へ傾動可能なシーソー状に支持されている。当該同軸二輪車は、搭乗台の傾動をセンサによって検出し、この検出信号に基づいて左右の車輪の回転速度を変化させ、旋回を実現している。
【0004】
特許文献2の同軸二輪車は、平行リンク機構から成る車体が同軸二輪車の左右方向へ回転可能に配置されている。車体の縦リンクの上端部には、搭乗者が乗るステッププレートが設けられている。当該同軸二輪車は、ステッププレートに乗った搭乗者が、車体に連結された旋回操作部を傾動させると、旋回操作部が傾動すると共に車体の対向するリンクが平行状態を維持したまま回転する。このとき、車体の上下の横リンクは水平であり、当該上下の横リンクに対する旋回操作部の傾動角度をセンサによって検出し、この検出信号に基づいて左右の車輪の回転速度を変化させ、旋回を実現している。
【特許文献1】特許第3981733号公報
【特許文献2】特開2006−315666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、同軸二輪車は単なる移動性能だけでなく、スキーやサーフィンなどのように、搭乗者の積極的な荷重配分で当該同軸二輪車と一体となって操作を楽しむ娯楽性能が求められている。
【0006】
特許文献1の同軸二輪車は、搭乗者の積極的な荷重配分で当該搭乗台が傾動するものの、車体が搭乗者と一体となって旋回方向へ回転する構成ではない。そのため、同軸二輪車と一体となって操作を楽しむまで、至っていない。
【0007】
特許文献2の同軸二輪車は、本発明の車体と略同様の構成とされているが、当該車体に連結された旋回操作部を搭乗者が操作することによって旋回を実現している。そのため、やはり同軸二輪車と一体となって操作を楽しむまで、至っていない。
【0008】
本発明は、搭乗者の積極的な荷重配分で同軸二輪車と一体となって操作を楽しむ娯楽性能を備えた車体構造及び前記車体構造を用いた同軸二輪車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車体構造は、同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車を成す車体の構造であって、前記車体は、横リンクと、縦リンクとを有しており、前記同軸二輪車の左右方向へ回転可能な平行リンク機構と、前記縦リンクの上端部に設けられたステッププレートと、を備え、左右の前記ステッププレートに乗せられた搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記縦リンクに設けられた車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側又は外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用する。このような構成により、搭乗者が旋回方向の外側又は内側の足を踏み込んで、積極的に荷重配分を変化させると、車体を成す平行リンク機構とステッププレート、及び車輪が連動して旋回方向へ傾動するため、搭乗者を含めて一体的となって、同軸二輪車の操作を楽しむことができる。
【0010】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方領域が足置き部分とされており、左右の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用すること、が好ましい。このような構成により、旋回時に外足を踏み込むことができ、旋回時の遠心力に容易に対抗し得る状態にすることもできる。
【0011】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点より外方側に突出し、当該突出部が足置き部分とされており、各々の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用すること、が好ましい。このような構成により、所謂リーンインに似た姿勢で搭乗者が操作することができ、より同軸二輪車の操作感を楽しむことができる。
【0012】
前記ステッププレートは、前記ステッププレートを前記同軸二輪車の左右方向へスライドさせる可変部を介して、前記縦リンクに設けられていること、が好ましい。
【0013】
前記可変部は、左右のステッププレートへの搭乗者の荷重配分に基づいて、アクティブ制御されること、が好ましい。このような構成により、旋回方向の内側の足で旋回動作のきっかけを作ることができるので、感覚的に分かり易く、操作のコツをつかみ易い。また、旋回中は、外側の足も踏ん張ることができるので、遠心力に容易に対抗することができる。
【0014】
前記可変部は、前記車体の回転角度に基づいて、アクティブ制御されること、が好ましい。このような構成により、左右のステッププレートに略等しく荷重を作用させることができる。
【0015】
本発明に係る同軸二輪車は、同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車であって、上述の車体構造を備える。このような構成により、搭乗者が旋回方向の外側又は内側の足を踏み込んで、積極的に荷重配分を変化させると、車体を成す平行リンク機構とステッププレート、及び車輪が連動して旋回方向へ傾動するため、搭乗者を含めて一体的となって、同軸二輪車の操作を楽しむことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、搭乗者の積極的な荷重配分で同軸二輪車と一体となって操作を楽しむ娯楽性能を備えた車体構造及び前記車体構造を用いた同軸二輪車を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る車体構造及び同軸二輪車の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0018】
<実施形態1>
本実施形態1の同軸二輪車1は、図1及び図2に示すように、車体10と、車輪20と、車輪駆動ユニット30と、サポート部材40とを備えている。
【0019】
車体10は、図2に示すように、平行リンク機構110と、ステッププレート120とを備えている。平行リンク機構110は、上側に配置される2本の横リンク111と、下側に配置される2本の横リンク112と、左右両側に配置される2本の縦リンク113とを備えている。横リンク111は、長手方向の中間部に、前後方向へ貫通する軸受孔が設けられている。また、横リンク111の左右両端部にも、前後方向へ貫通する軸受孔が設けられている。この2本の横リンク111は、当該2本の横リンク111の端部でそれぞれ縦リンク113の上端部を挟み込むように配置されている。
【0020】
横リンク112も、当該横リンク111と同様の構成とされている。この2本の横リンク111は、当該2本の横リンク112の端部でそれぞれ縦リンク113の下端部を挟み込むように配置されている。
【0021】
縦リンク113は、偏平な板状の部材から成る。縦リンク113の上下端部には、それぞれ前後方向へ貫通する軸受孔が設けられている。この縦リンク113は、上下に配置された2本の横リンク111と111及び横リンク112と112の間における両端部にそれぞれ配置されている。そして、縦リンク113の軸受孔は、横リンク111、112の軸受孔と同一軸心線上に配置され、相互を貫通するように回動支持ピン114が挿入されている。その結果、横リンク111、112及び縦リンク113は、同軸二輪車1の左右方向へ回転可能な平行リンク機構として構成されている。ちなみに、横リンク111と112は、平行リンク機構110が同軸二輪車1の左右方向へ回転した状態から元の状態、即ち縦リンク113が傾斜した平行四辺形の状態から直角四辺形の状態に復元されるように、バネ等の復元部材115によって連結されている。
【0022】
縦リンク113の外面には、車輪駆動ユニット30が取り付けられている。車輪駆動ユニット30は、例えば、電動モータと、その電動モータの回転軸に動力伝達可能に連結された減速ギア列等によって構成することができる。車輪駆動ユニット30は、縦リンク113に固定される固定部と、その固定部に回転自在に支持された回転部とから成り、その回転部に車輪20が取り付けられている。このように、車輪駆動ユニット30を介して縦リンク113にそれぞれ支持された左右の車輪20は、平坦な路面上に置いたときには、互いの回転中心が同一軸心線上に配置されることになる。
【0023】
また、縦リンク113の上端部は、横リンク111の上面から上方へ突出しており、当該縦リンク113の上端面には、ステッププレート120がそれぞれ水平に設けられている。具体的にいうと、左右のステッププレート120は、図3に示すように、当該左右のステッププレート120に搭乗者の左右の足が乗せられると、搭乗者の荷重が、車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線Nより内方側へずれた位置から平行リンク機構110に作用するように、縦リンク113の上端部に設けられている。本実施形態では、左右のステッププレート120は、それぞれ当該線Nより内方領域が足置き部分120aとされている。その結果、左右のステッププレート120の足置き部分120a上に乗った搭乗者の荷重は、当該線Nより内方側へずれた位置から平行リンク機構110に作用することになる。ちなみに、左右のステッププレート120の間隔は、人が自然な状態で立っているときの両足間の距離とされる。
【0024】
このような平行リンク機構110は、図3に示すように、左右のステッププレート120の足置き部分120aに搭乗者が略等しい荷重を作用させると、平衡状態を維持する。一方、図4及び図5に示すように、搭乗者が旋回方向の外側の足を踏み込んで、当該足を踏み込んだ側のステッププレート120に大きな荷重Wを作用させると、旋回方向の回転力が平行リンク機構110に生じる。つまり、当該荷重Wは下方に作用する。当該荷重Wの作用点B1を通り、且つ縦リンク113と平行な線M1よりも外方側にある車輪20の接地点Aでは、当該荷重Wに対する反力が上方に作用する。よって、旋回方向の回転力が生じるのである。したがって、搭乗者は、旋回方向の外側の足を踏み込むと、旋回方向へ平行リンク機構110が回転する構成とされている。このとき、平行リンク機構110の回転に連動してステッププレート120及び車輪20も旋回方向へ傾動する。
【0025】
サポート部材40は、ハンドル410と、ハンドルバー420と、ハンドルバーブラケット430とを備えている。
ハンドル410は、平面視が環状の握り部411と、握り部411を後方から支持する支持部412とを備えている。搭乗者は、当該握り部411を握ることで、走行時や乗降時に体勢を安定させることができる。また、例えば車体10の縦リンク113の後側面に運搬用車輪が設けられている場合は、当該握り部411を握って同軸二輪車1を後方へ傾動させ、運搬用車輪で同軸二輪車1を支持させた状態で、当該同軸二輪車1を引っ張って運搬することができる。支持部412の下端部は、ハンドルバー420に連結されている。ハンドルバー420の下端部は、ハンドルバーブラケット430の上端部に連結されている。
【0026】
ハンドルバーブラケット430は、車体10の中央位置を前後方向へ跨いだ形状とされている。ハンドルバーブラケット430の前部には、車体10の下部まで延びる前面部が設けられている。当該前面部には、縦リンク113の前方において上下に配置された横リンク111、112の中央の軸受孔と対応する位置に、軸受孔が設けられている。横リンク111、112の中央の軸受孔と当該前面部の軸受孔とは、同一軸心線上に配置されており、相互を貫通するように回動支持軸116が挿入されている。
【0027】
バンドルバーブラケット430の後部には、図示を省略したが、車体10の下部まで延びる後面部が設けられている。当該後面部には、縦リンク113の後方において上下に配置された横リンク111、112の中央の軸受孔と対応する位置に、軸受孔が設けられている。横リンク111、112の中央の軸受孔と当該後面部の軸受孔とは、同一軸心線上に配置されており、相互を貫通するように回動支持軸が挿入されている。このとき、前後に配置された回動支持軸は、同一軸心線上に配置されている。
【0028】
このようなサポート部材40は、平行リンク機構110が旋回方向へ回転すると、当該平行リンク機構110の回転と連動するように回転する。つまり、サポート部材40は、平行リンク機構110の縦リンク113と平行な状態が維持される。
【0029】
このサポート部材40の回転角度(傾動角度)を検出するため、回動支持軸116には角度検出センサ60が取り付けられている。角度検出センサ60は、回動支持軸116に固定された軸部と、その軸部との間の相対的な回転変位量を検出する検出部とで構成されている。検出部は、固定板117の一端に固定されていて、その固定板117の他端は、ハンドルバーブラケット430の前面部に固定されている。
【0030】
角度検出センサ60としては、例えば、ポテンショメータやバリコン構造のセンサ等を適用することができる。この角度検出センサ60では、軸部と検出部との間に生じる回転変位量に応じて抵抗値が変化することを利用して、平行リンク機構110に対するハンドルバーブラケット430の傾動角度を検出することができる。
【0031】
ちなみに、図1に示す同軸二輪車1は、左右のステッププレート120と120の間における前後の横リンク111と111及び横リンク112と112の隙間部分に格納部が形成されている。この格納部には、左右の車輪駆動ユニット30や制御装置その他の電子機器、電気装置等に電力を供給する電源の一具体例を示すバッテリー61が格納されている。さらに格納部には、左右の車輪駆動ユニット30等を駆動する駆動回路と、同軸二輪車1の姿勢を検出して、それらの検出信号を出力する姿勢検出手段である姿勢センサユニット62と、左右の車輪駆動ユニット30等を駆動制御するための制御信号を出力する制御装置63が格納されている。左右のステッププレート120に乗った搭乗者の直下位置にバッテリー61等の重量物を集中して格納しているので、マスの集中を図ることができ、同軸二輪車の操作性が向上する。
【0032】
制御装置63は、姿勢センサユニット62からの検出信号や角度検出センサ60からの検出信号等に基づき所定の演算処理を実行し、必要な制御信号を左右の車輪駆動ユニット30等に出力する。制御装置63は、図6に示すように、例えば、マイクロコンピュータ(CPU)を有する演算回路63aと、プログラムメモリやデータメモリその他のRAMやROM等を有する記憶装置63b等を備えている。制御装置63には、バッテリー61と左右の駆動回路64(64L、64R)が接続されており、それらは非常停止スイッチ65を介しても接続されている。左右の駆動回路64L、64Rは、左右の車輪20の回転速度や回転方向等を個別に制御するもので、これらに左右の車輪駆動ユニット30(30L、30R)が個別に接続されている。
【0033】
この制御装置63には、サポート部材の傾動角度を検出する角度検出センサ60からの検出信号と、姿勢センサユニット62からの検出信号とが入力される。姿勢センサユニット62は、同軸二輪車1の走行時における角速度や加速度を検出して、当該角速度や加速度を制御するために用いられるもので、例えば、ジャイロセンサと、加速度センサとから構成されている。
【0034】
このような構成の同軸二輪車1は、搭乗者が左右のステッププレート120に乗って、旋回方向の外側の足を踏み込んでステッププレート120に荷重を作用させると、平行リンク機構110の対向するリンクが平行状態を維持したまま旋回方向へ回転すると共に、サポート部材40も連動して旋回方向へ回転する。このとき、角度検出センサ60は、水平である横リンク111、112に対する当該サポート部材40の傾動角度を検出すると、その検出信号を制御装置63に出力する。検出信号が入力された制御装置63は、当該検出信号に基づいて所定の演算処理を行い、どの程度、旋回方向の内側の車輪の回転速度を減速させるか、又は旋回方向の外側の車輪の回転速度を加速させるかを算出し、その算出結果を示す信号を、車輪駆動ユニット30に出力する。算出結果を示す信号が入力された車輪駆動ユニット30は、当該算出結果を示す信号に基づいて、モータの回転速度を制御して車輪20を駆動させる。このように、搭乗者が旋回方向の外側の足を踏み込んで、積極的に荷重配分を変化させると、車体10を成す平行リンク機構110とステッププレート120、及び車輪20が連動して旋回方向へ傾動するため、搭乗者を含めて一体的となって、同軸二輪車1の操作を楽しむことができる。しかも、旋回時の遠心力に容易に対抗し得る状態にすることもできる。
【0035】
また、同軸二輪車1は、搭乗者が左右のステッププレート120に乗って、搭乗者の荷重を前方又は後方へ移動させ、当該同軸二輪車1を前後方向へ回転させると、姿勢センサユニット62が同軸二輪車1の角速度及び加速度を検出し、その検出信号を制御装置63に出力する。検出信号が入力された制御装置63は、当該検出信号に基づいて所定の演算処理を行い、同軸二輪車1が倒れないように安定化させるのに必要な駆動トルクを算出し、その算出結果を示す信号を、車輪駆動ユニットに出力する。算出結果を示す信号が入力された車輪駆動ユニットは、当該算出結果を示す信号に基づいて、モータを制御して車輪を駆動させる。このようにして、前後方向への同軸二輪車1の回転に応じて、前方又は後方への走行が実現される。
【0036】
<実施形態2>
本実施形態の同軸二輪車は、実施形態1の同軸二輪車と略同様の構成としているが、車体の構造が異なる。なお、実施形態1と重複する説明は省略する。
【0037】
すなわち、本実施形態の車体100は、図7に示すように、ステッププレート121が車輪20の接地点Aから外方側に突出しており、当該突出部が足置き部分121aとされている。この場合、図7に示すように、左右のステッププレート121の足置き部分121aに搭乗者が略等しい荷重を作用させると、平衡状態を維持する。一方、図8及び図9に示すように、搭乗者が旋回方向の内側の足を踏み込んで、当該足を踏み込んだ側のステッププレート121に大きな荷重Wを作用させると、旋回方向の回転力が平行リンク機構110に生じる。つまり、当該荷重Wは下方に作用する。当該荷重Wの作用点B2を通り、且つ縦リンク113と平行な線M2よりも内方側にある車輪20の接地点Aでは、当該荷重Wに対する反力が上方に作用する。よって、旋回方向の回転力が生じるのである。
【0038】
したがって、搭乗者は、旋回方向の内側の足を踏み込むと、旋回方向へ平行リンク機構110が回転する構成とされている。実施形態1の同軸二輪車は、所謂リーンアウトに似た姿勢で搭乗者が操作することになるが、本実施形態の車体100を備えた同軸二輪車は、所謂リーンインに似た姿勢で搭乗者が操作することができ、より同軸二輪車の操作感を楽しむことができる。
【0039】
<実施形態3>
本実施形態の同軸二輪車は、上記実施形態の同軸二輪車と略同様の構成とされているが、車体の構造が異なる。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
【0040】
すなわち、本実施形態の車体101は、図10に示すように、ステッププレート122の足置き部分122aが、車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線N上に配置されている。この場合、図10に示すように、左右のステッププレート122の足置き部分122aに搭乗者が略等しい荷重を作用させると、平衡状態を維持する。一方、例えば図11の紙面奥行き方向を進行方向として、左へ旋回する場合は、右足の親指部分を踏み込んで、当該線Nより内方側へずれた位置から荷重を作用させる。それと共に、左足の小指部分を踏み込んで、当該線Nより外方側へずれた位置から荷重を作用させる。その結果、同軸二輪車1を左に旋回させることができる。このように、同軸二輪車1の操作が若干シビアになるが、より同軸二輪車の操作感を楽しむことができる。
【0041】
<実施形態4>
本実施形態の同軸二輪車は、上記実施形態の同軸二輪車と略同様の構成とされているが、車体の構造が異なる。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
【0042】
すなわち、本実施形態の車体102は、左右のステッププレート123に荷重センサ80(80L、80R)を備えている。荷重センサ80としては、通例の圧電素子を備えた荷重センサを用いることができる。
【0043】
左右のステッププレート123は、当該ステッププレート123を同軸二輪車1の左右方向へスライドさせる可変部を介して、平行リンク機構110の縦リンク113に設けられている。この可変部は、具体的な図示を省略したが、スライド機構と、駆動装置81とを備えている。但し、可変部は、以下の構成に限らない。要するに、可変部は、ステッププレートを同軸二輪車の左右方向へスライドさせることができる構成であれば良い。
【0044】
スライド機構は、基部の底面に嵌合片が形成されており、当該嵌合片がガイド部の溝部に嵌め込まれている。このスライド機構は、基部とガイド部が同軸二輪車1の左右方向へ相対移動するように配置されており、基部の上面がステッププレート123に連結され、ガイド部の下面が平行リンク機構110の縦リンク113に連結されている。
【0045】
駆動装置81としては、例えば直動アクチュエータを用いることができ、一方の端部が縦リンク113に連結され、他方の端部がステッププレート123に連結されている。
【0046】
このような構成の車体102は、例えば図12の紙面奥行き方向を進行方向として、左へ旋回する場合は、左足を若干踏み込んで、左側のステッププレート123に荷重を作用させると、荷重の増加を左側の荷重センサ80Lが検出し、図13に示すように、当該検出信号を制御装置63に出力する。制御装置63は、一方の荷重センサ80の荷重が増加した際に、荷重が増加した側とは逆側のステッププレート123を、車輪20の接地点Aを通り、且つ縦リンク113と平行な線Nより内方側へスライドし、さらに荷重が増加した側のステッププレート123を、当該線Nより外方側へスライドするように、駆動装置81(81L、81R)を制御する構成とされている。そのため、制御装置63は、入力された検出信号に基づいて、右側のステッププレート123を当該線Nより内方側へスライドし、左側のステッププレート123を当該線Nより外方側へスライドするように、駆動装置81を制御する。その結果、車体102における旋回方向の外側部分は、実施形態1の車体の旋回時と同様の形態となり、車体102における旋回方向の内側部分は、実施形態2の車体の旋回時と同様の形態となって、同軸二輪車1の旋回が実現される。このように、旋回方向の内側の足で旋回動作のきっかけを作ることができるので、感覚的に分かり易く、操作のコツをつかみ易い。また、旋回中は、外側の足も踏ん張ることができるので、遠心力に容易に対抗することができる。
【0047】
<実施形態5>
本実施形態の同軸二輪車は、上記実施形態の同軸二輪車と略同様の構成とされているが、車体の構造が異なる。なお、上記実施形態と重複する説明は省略する。
【0048】
本実施形態の車体は、実施形態1〜3の車体と略同様の構成とされているが、左右のステッププレートが、当該左右のステッププレートを同軸二輪車の左右方向へスライドさせる可変部を介して、平行リンク機構の縦リンクに設けられている。すなわち、実施形態4と同様の可変部を備えているが、当該可変部は車体の左右方向への回転角度に基づいてアクティブ制御される構成とされている。
【0049】
具体的にいうと、実施形態1〜3の同軸二輪車と同様に、搭乗者は、車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線より内方側又は外方側へずれた位置から平行リンク機構に荷重を作用させ、車体を旋回方向に回転させる。この車体の回転角度を角度検出センサで検出し、当該検出結果を制御装置に出力する。制御装置は、車体が実施形態1の車体のように足置き部分が車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線より内方に形成されている場合、旋回方向の内側のステッププレートが同軸二輪車の外方側へスライドするように、駆動装置を制御する。制御装置は、車体が実施形態2の車体のように足置き部分が車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線より外方に形成されている場合、旋回方向の外側のステッププレートが同軸二輪車の内方側へスライドするように、駆動装置を制御する。制御装置は、車体が実施形態3の車体のように足置き部分が車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線上に形成されている場合、旋回方向の内側のステッププレートが同軸二輪車の外方側へスライドし、且つ旋回方向の外側のステッププレートが同軸二輪車の内方側へスライドするように、駆動装置を制御する。このような構成により、左右のステッププレートに略等しく荷重を作用させることができる。
【0050】
ちなみに、車体の左右方向への回転角度としては、平行リンク機構の回転角度やステッププレートの回転角度等を角度検出センサで検出することができる。
【0051】
本実施形態の車体は、アクティブ制御される構成とされているが、この限りでない。当該可変部をスライド機構と、バネ等の復帰部材とで構成し、左右のステッププレートをパッシブ制御しても良い。すなわち、駆動装置に代わって搭乗者の操作によって、ステッププレートを同軸二輪車の左右方向へスライドさせ、旋回が終了すると、ステッププレートを復帰部材によって、元位置に復帰させる。
【0052】
上記実施形態1〜5の同軸二輪車は、サポート部材を備えた構成とされているが、省略しても良い。この場合、シンプルな意匠的に優れた構成となる。
【0053】
以上、本発明に係る車体及び同軸二輪車の実施形態を説明したが、上記の構成に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る実施形態1の同軸二輪車を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明に係る実施形態1の車体構造を示す正面図である。
【図3】本発明に係る実施形態1の車体構造の平衡状態時の力学特性を示す模式図である。
【図4】本発明に係る実施形態1の車体構造の旋回時を概略的に示す模式図である。
【図5】本発明に係る実施形態1の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図6】本発明に係る実施形態1の同軸二輪車の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る実施形態2の車体構造の平衡状態時の力学特性を示す模式図である。
【図8】本発明に係る実施形態2の車体構造の旋回時を概略的に示す模式図である。
【図9】本発明に係る実施形態2の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図10】本発明に係る実施形態3の車体構造の平衡状態時の力学特性を示す模式図である。
【図11】本発明に係る実施形態3の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図12】本発明に係る実施形態4の車体構造の旋回時の力学特性を示す模式図である。
【図13】本発明に係る実施形態4の同軸二輪車の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
1 同軸二輪車
10 車体
20 車輪
100、101、102 車体
110 平行リンク機構
111 上側の横リンク
112 下側の横リンク
113 縦リンク
120、121、122、123 ステッププレート
120a、121a、122a 足置き部分
N 車輪の接地点を通り、且つ縦リンクと平行な線
A 車輪の接地点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車を成す車体の構造であって、
前記車体は、
横リンクと、縦リンクとを有しており、前記同軸二輪車の左右方向へ回転可能な平行リンク機構と、
前記縦リンクの上端部に設けられたステッププレートと、を備え、
左右の前記ステッププレートに乗せられた搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記縦リンクに設けられた車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側又は外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用する車体構造。
【請求項2】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方領域が足置き部分とされており、
左右の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用することを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点より外方側に突出し、当該突出部が足置き部分とされており、
各々の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用することを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
【請求項4】
前記ステッププレートは、前記ステッププレートを前記同軸二輪車の左右方向へスライドさせる可変部を介して、前記縦リンクに設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車体構造。
【請求項5】
前記可変部は、左右のステッププレートへの搭乗者の荷重配分に基づいて、アクティブ制御されることを特徴とする請求項4に記載の車体構造。
【請求項6】
前記可変部は、前記車体の回転角度に基づいて、アクティブ制御されることを特徴とする請求項4に記載の車体構造。
【請求項7】
同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車であって、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車体構造を備える同軸二輪車。
【請求項1】
同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車を成す車体の構造であって、
前記車体は、
横リンクと、縦リンクとを有しており、前記同軸二輪車の左右方向へ回転可能な平行リンク機構と、
前記縦リンクの上端部に設けられたステッププレートと、を備え、
左右の前記ステッププレートに乗せられた搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記縦リンクに設けられた車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側又は外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用する車体構造。
【請求項2】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方領域が足置き部分とされており、
左右の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より内方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用することを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
【請求項3】
前記ステッププレートは、前記車輪の接地点より外方側に突出し、当該突出部が足置き部分とされており、
各々の前記ステッププレートの足置き部分に乗った前記搭乗者の荷重は、前記同軸二輪車の旋回時に、前記車輪の接地点を通り、且つ前記縦リンクと平行な線より外方側へずれた位置から前記平行リンク機構に作用することを特徴とする請求項1に記載の車体構造。
【請求項4】
前記ステッププレートは、前記ステッププレートを前記同軸二輪車の左右方向へスライドさせる可変部を介して、前記縦リンクに設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車体構造。
【請求項5】
前記可変部は、左右のステッププレートへの搭乗者の荷重配分に基づいて、アクティブ制御されることを特徴とする請求項4に記載の車体構造。
【請求項6】
前記可変部は、前記車体の回転角度に基づいて、アクティブ制御されることを特徴とする請求項4に記載の車体構造。
【請求項7】
同一軸心線上に配置された2個の車輪を備える同軸二輪車であって、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車体構造を備える同軸二輪車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−30568(P2010−30568A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197816(P2008−197816)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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