車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニット
【課題】高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットを提供する。
【解決手段】サンバイザーを車両に取り付けるための車載サンバイサー用支柱であって、前記サンバイザーを軸支する横軸部を有し、前記横軸部は、光を放射する光放射部を有することを特徴とする車載サンバイザー用支柱が提供される。
【解決手段】サンバイザーを車両に取り付けるための車載サンバイサー用支柱であって、前記サンバイザーを軸支する横軸部を有し、前記横軸部は、光を放射する光放射部を有することを特徴とする車載サンバイザー用支柱が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用室内照明に関し、特に、照明機能付きの車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に取り付けられるサンバイザーは、車外からの光が車両に搭乗している人の目に直射することを防ぐ。また、乗員自身の姿を見るために、バニティミラー付きのサンバイザーがある。このようなサンバイザーは、使用しない時に例えば車両の天井などに接して片づけられるように、車両に取り付けるための支柱を軸として回動可能な構造を有する。さらに、車両の前方方向だけでなく側方方向にも配置できるように、2軸の回動を行う場合もある。
【0003】
このとき、夜間等のように周囲が暗い状態でもバニティミラーに写った姿を見ることができるようにサンバイザーに発光部を設けたものがある。この発光部をサンバイザーの中に設ける場合は、その発光部への電源供給配線等の配線(ハーネス)は、例えば、車体からサンバイザーを支える支柱を通され、そこから中継ハーネス等を用いてサンバイザー内に引き込まれ、サンバイザーに取り付けられたバニティミラーユニットに接続される。
【0004】
このような配線には、サンバイザーを回動した時に、その回動に連動して例えば屈伸動作が発生する。このため、配線には、屈伸動作による断線耐久性(芯線の断線耐久性)の高いケーブルを用いる必要があり、コスト高であった。さらに、この配線の引き回しが複雑であるため、製造が難しいという問題もあった。
また、上記のような構造の場合、バニティミラーの近傍に発光部が設けられ、乗員がバニティミラーを覗いた時に、発光部からの光が乗員の目に直接入射し、まぶしく見難かった。
【0005】
なお、特許文献1に、サンバイザー本体を支持する支持アームの縦軸線方向に設けられた縦筒体に、発光体によって構成された電装品が組み込まれている車両用サンバイザーに関する技術が開示されている。また、特許文献2に、ミラーを有する第一バイザと、前記ミラーを照らす照明部が設けられたブラケットによって車室天井面に取り付けられる第二バイザを備える車両用サンバイザー装置に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−138688号公報
【特許文献2】特開2003−34139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、サンバイザーを車両に取り付けるための車載サンバイザー用支柱であって、前記サンバイザーを軸支する横軸部を有し、前記横軸部は、光を放射する光放射部を有することを特徴とする車載サンバイザー用支柱が提供される。
【0008】
本発明の別の一態様によれば、上記の車載サンバイザー用支柱と、前記横軸部に軸支され、鏡を有するサンバイザーと、を備えたことを特徴とするサンバイザーユニットが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図面は、本発明の実施形態に係わり、図1〜図3、図4〜図8、及び図9〜図11は、それぞれ、第1、第2及び第3の実施形態の支柱及びサンバイザーの構成を例示する模式図、図12、図13は、変形例の支柱の構成を例示する模式図である。すなわち、図3は図2のA−A線断面図、図5は図4のB−B線及びC−C線断面図、図6は図4のD−D線断面図、図10は図9のE−E線断面図、図11は図9のF−F線断面図である。
なお、本願明細書及び各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1に表したように、本発明の第1の実施形態に係る支柱40は、車両用のサンバイザー20を車両に取り付けるための支柱であって、支柱40の横軸部48には、光放射部18が設けられている。
本実施形態の場合、光放射部18は、光源ユニット10である。すなわち、光放射部18は、光放射部18の内部に設けられた光源ユニット10から出射された光を放射する。また、本具体例においては、横軸部48は略連続的な棒状体であり、光放射部18は、その中央付近の一部を占めるように設けられている。
【0011】
図2に表したように、光源ユニット10は、光源60が実装された基板50を有する。基板50は、ハーネス30と接続されている。なお、図2では光源60が3つ実装されているが、本発明はこれに限らず、光源60の数は任意であり、1つでも複数でも良い。さらに光源60の配置は、一列に並んだ配置でも良く、その他の配列でも良い。これにより、装飾性を高めることできる。
【0012】
図3に表したように、光源ユニット10の支柱40の取り付けにおいては、例えば、光源60が実装された基板50が、レンズカバー70の基板取り付け溝71に組み付けられる。ここで、支柱40とレンズカバー70のそれぞれの曲面部は、略円筒状の横軸部48の外径とほぼ同一とすることができる。このようにすれば、サンバイザー20を横軸部の一端から挿入し、光放射部18を通過させて、横軸部48の所定の位置に取り付けることができる。
一方、基板50を組み付けたレンズカバー70は、支柱40に設けられた開口部42に挿入され、レンズカバー70の爪72と支柱40のレンズカバー取り付け用穴41とが嵌め合わせて組み付けられる。
【0013】
すなわち、図1に表したように、本実施形態に係る支柱40は、横軸部48と縦軸部49とを有す。
そして、本実施形態に係るサンバイザーユニット24は、上記の支柱40と、支柱40に支持され、バニティミラー(鏡)21を有するサンバイザー20と、を備える。
【0014】
サンバイザー20は、支柱40の横軸部48に軸支されている。すなわち、サンバイザー20は、横軸部48に支持された部分を軸として、例えば、車室天井面に沿った位置とフロントガラスに沿った位置との間で回動することができる。そして、例えば支柱40の横軸部48の一部は、車室天井面の所定の位置取り付けられたフック22に格納可能であり、これによって、この回動動作を円滑に行うことができる。
そして、縦軸部49は、ブラケット31に連結され、ブラケット31は、車両の例えば車室天井面に連結される。そして、支柱40の横軸部48をフック22から外し、縦軸部49を中心として支柱40の横軸部48を回動することによって、サンバイザー20は、例えば、フロントガラスに沿った位置とサイドガラスに沿った位置との間を回動することができる。
これにより、サンバイザー20は、フロントガラスを通して車室内に入射する外光とサイドガラスを通して車室内に入射する外光とを適宜遮光することができる。
【0015】
また、サンバイザー20には、バニティミラー(鏡)21が設けられる。乗員は、サンバイザー20を例えばフロントガラスに沿った位置に回動させ、バニティミラー21を覗くことができる。
【0016】
そして、光源ユニット10は、サンバイザー20にではなく、サンバイザー20を支える支柱40に設けられる。そして、ハーネス30の一端は、光放射部18に接続され、他端は、支柱40内部を通って、ブラケット31を介して、図示しない電源回路等に接続される。
これにより、回動するサンバイザー20内にハーネス30を引き込む必要がない。これにより、ハーネス30には機械的な応力がかからず、屈伸動作による断線耐久性(芯線の断線耐久性)の高いハーネスを用いる必要がなく、低コスト化が可能である。さらに、サンバイザーユニットの構造が簡単になり、製造も簡単化できる。
【0017】
すなわち、ハーネス30等の電装系の配線を支柱40内部に収納できるため、サンバイザー20まで配線を引き込まなくても良く、サンバイザー20の機構をシンプルにできる。そして、支柱40に光放射部18を設けるので、装飾性が高められる。
【0018】
そして、光源ユニット10とバニティミラー21との間に適切な距離を確保でき、バニティミラー21を覗いた時にまぶしさを感じにくい。すなわち、光放射部18をバニティミラー21の近傍から適切に離すことによって、バニティミラー21を覗いた時の視線とは適切に離れた位置に光放射部18を設けることで、光放射部18から被写体(乗員)に向けて光が照射されていても、光放射部18が視線の近傍と離れていることで、まぶしさが軽減され、見易い。一般に、鏡を覗く時には、鏡の中心に視線の中心を定めることが多く、そのため、支柱40に設けられる光放射部18とバニティミラー21との間に適切な距離を確保できることで、まぶしさを感じにくくなる。
【0019】
また、図1に表したように、光放射部18(光源ユニット10)は、バニティミラー21の水平方向(横軸部48が延在する方向)の幅の内側の上方に設けられている。このように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24では、光放射部18の少なくとも一部は、横軸部48に対して直交する方向において、バニティミラー21の少なくとも一部と重なる位置に設けることができる。これにより、車両の乗員がバニティミラー21を覗く時に、乗員の頭部を効率良く照明することができ、バニティミラー21を見易く覗くことができる。
【0020】
なお、特許文献1に開示された構造では、支柱アームの縦軸部に光放射部が設けられる。このとき、バニティミラー21の側方に光放射部18が配置されることになり、乗員の頭部を側方から照明することになってしまい、さらに、光放射部18とバニティミラー21との距離が適切な距離より長くなり、バニティミラー21に写った姿が見難くなる。
【0021】
一方、特許文献2のように2つのバイザを有する場合は、構造が複雑であり、コンパクトなサンバイザーユニットを構成することができない。また、第二バイザを支持するブラケットに設けられた照明部は、第一バイザに設けられたミラーを照らす構造であり、乗員に向けて照明光を放射する構造ではなく、乗員の頭部を効率良く照明することができず、結果としてバニティミラー21に写った姿が見難くなる。
【0022】
これに対し、既に説明したように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24においては、光放射部18は、横軸部48が延在する方向のバニティミラー21の幅と重なる位置、すなわち、バニティミラーの側方ではなく上方に設けられ、これにより、乗員の頭部を効率良く照明することができ、バニティミラー21を見易く覗くことができる。そして、乗員がバニティミラー21を覗いた時の視線とは適切に離れた位置に光放射部18を設けることで、光放射部18から被写体(乗員)に向けて光が照射されていても、まぶしさが軽減され、見易い。
【0023】
このように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24により、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0024】
(第2の実施の形態)
図4に表したように、本発明の第2の実施形態に係る支柱40においては、光源60が支柱40の支柱根元43に設けられる。そして、光源60から出射した光は、支柱40の内部に設けられた例えば光ファイバーなどの導光体80によって出射口(光放射部18)まで導かれる。そして、レンズ90が支柱40に設けられ、光の出射口となる。
【0025】
図5に表したように、光源60は、ハーネス30に接続された例えば樹脂性のソケット44に設けられる。そして、ソケット44は、支柱40の支柱根元43に挿入される。ソケット44の突起45とソケット取り付け穴46とが嵌め合わされる。これにより、従来技術のサンバイザーよりもハーネス30の長さを短くでき、ハーネス30の引き回しの煩わしさが軽減される。
また、図6に表したように、レンズ90は、一方の面にテーパ面82と反射体85を有しており、その面が支柱40に設けられたガイド溝83に嵌め合わされるようにして支柱40に組み付けられる。
【0026】
このような構成の支柱40及びサンバイザーユニットにおいては、図5に表したように、光源60から出射した光は、導光体80を通って、レンズ90まで導光される。
そして、導光体80によって導かれた光は、レンズ90の側面からレンズ90に入射する。そして、光は、レンズ90に設けたテーパ面82(支柱40の横軸部48の延在方向に対して傾斜した面)で反射され、光は前面に照射される。テーパ面82の反射率を高めるために、図5、図6に例示したように、テーパ面82に、反射シートやアルミニウム板等の反射率の高い金属板等の反射体85を設けても良い。
【0027】
このように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニットにおいては、支柱40の横軸部48に光放射部18が設けられている。そして、支柱40は、内部に導光体80を内蔵する筒状部81を有している。光放射部18は、支柱40の縦軸部49に設けられた光源60から出射され、支柱40内を導光された光を放射する。図4〜図6の例では、光源60は、縦軸部49の支柱根元43に設けられている。これにより、光源60の取り付けがより簡単となる。
【0028】
このような構造の本実施形態に係る支柱40及びそれを用いたサンバイザーユニットによっても、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0029】
なお、光源60は、支柱根元43に必ずしも設ける必要はなく、例えば縦軸部49または、横軸部48の一部に設け、そこから出射した光を適切な導光体80によって、横軸部48の光放射部18まで導光すれば良い。
【0030】
さらに、図7に表したように、支柱40は、内部が中空の筒状部81を有し、筒状部81の内面で光が反射し、伝搬して導光されるようにしても良い。この場合は、この筒状部81が、導光体80の機能を果たす。すなわち、支柱40は、内壁面に反射面を有する筒状部81を有する。支柱40の筒状部81の内壁面は、反射面として、反射率の高い、例えば金属等の鏡面反射面や、白色の拡散反射面とすることで、より高効率で光を導光できる。
【0031】
さらに、図8に表したように、光放射部18は、支柱40の外側すなわち外部に設けられた光源60から出射され、支柱40内を導光された光を放射するように構成しても良い。すなわち、支柱40の支柱根元43が、図示しない車室天井面に取り付けられている。そして、車両の車体に光源60が設けられ、光源60から出射した光は、支柱40の内部から引き出された光ファイバーなどの導光体80の一端に入射する。そして、その光は、支柱40内部を光放射部18まで導光され、光放射部18から放射される。
なお、この場合も、支柱40が、内面で光が反射して導光する中空の筒状部を有するように構成し、支柱40の外部に設けられた光源60から出射した光が、支柱40の内部を導光して、光放射部18から放射するようにしても良い。
【0032】
図7、図8に例示した支柱40及びそれを用いたサンバイザーユニットによっても、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0033】
(第3の実施の形態)
図9に表したように、本発明の第3の実施形態に係る支柱40においては、支柱40自体が導光体となる。すなわち、支柱40には、透過率の高い、例えばアクリル樹脂等や、強度が高い、例えばポリカーボネート樹脂等の透光性の樹脂材料を用いることができる。また、光放射部18以外の部分の支柱40の表面には、支柱40内面での反射効率を高めるために、例えばアルミニウムなどの金属の蒸着膜を形成し、遮光することができる。なお、これに限らず、支柱40の表面には、反射性と遮光性を有する塗料を塗布しても良く、さらには、支柱40の表面を、反射性と遮光性を有するシートやテープで被覆しても良い。
【0034】
図10に表したように、ソケット付き光源61は、支柱40の支柱根元43に挿入される。
そして、ソケット付き光源61から出射した光は、支柱根元43から支柱40に入射し、支柱40内を伝搬し、出射口92(光放射部18)から出射する。出射口92以外の支柱40の表面は、上記の蒸着膜91によって被覆されているので、支柱40の出射口92以外の部分から外部には光は漏れず、また、光は、支柱40内を高効率で導光される。
【0035】
また、図11に表したように、光を出射口92から出射させるために、出射口92の表面には光取り出し用の表面加工部93を設けることができる。この表面加工部93は、例えば、支柱40となる樹脂の表面の所定の位置に、細かいテーパ面を複数刻むこと等によって設けることができる。この他、サンドブラスト等で支柱40となる樹脂等の表面を粗く加工することで設けることができる。すなわち、表面加工部93は、拡散反射性及び鏡面反射性の少なくともいずれかを有する反射構造部とすることができる。
上記のように、支柱40は、表面の一部に光放射部18となる開口部(出射口92)を有する反射遮光層で被覆された透光体からなることができる。
【0036】
このような構造の本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニットによっても、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0037】
なお、この場合も、光源は支柱根元43に必ずしも設ける必要はなく、例えば縦軸部49の一部に設け、そこから出射した光を横軸部48の光放射部18まで導光すれば良い。
【0038】
上記の実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24は、各種の変形が可能である。
図12に表したように、支柱40に2つの光源ユニット11、12を設けることができる。この場合、図11に表したように、中継ハーネス95によって、光源ユニット11、12の基板どうしを電気的に接続することができる。すなわち、光源ユニット11に収納されている基板と中継ハーネス95の一端とを電気的に接続し、支柱40内に中継ハーネス95を通し、中継ハーネス95の他端と光源ユニット12とを電気的に接続することができる。
このように、光源ユニット(光放射部)は、1つまたは複数設けることができる。また光源ユニットの形状は、任意であり、光源ユニットを複数設ける場合に、光源ユニットのそれぞれでその形状を変えても良い。
【0039】
また、光源ユニットの一部の表面を遮光することによって、1つの光源ユニットにおいて複数の出射口(光放射部)を設けることができる。この場合の遮光には、例えば、金属等の蒸着膜や遮光性のテープ等を用いることができる。
【0040】
また、図13(a)に表したように、支柱40自身が導光体となる場合(例えば第3の実施形態)、出射口92(光放射部18)には遮光処理をしない。すなわち、遮光部94以外の部分が出射口92となる。
【0041】
また、図13(b)に表したように、出射口92(光放射部18)を円形(楕円も含む)状の形状とすることができる。この他、出射口92は任意の形状とすることができる。このように、出射口92の形状は、遮光処理時に自由に設定でき、装飾性を高めることができる。
【0042】
このように、本発明の実施形態に係る支柱及びサンバイザーユニットにおいては、光源ユニットの形状及び数は任意に設定することができ、また、光放射部の形状、大きさ及び数は、支柱に設ける出射口の形状、大きさ、数によって任意に決めることができる。
【0043】
また、上記の各実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニットにおいて、サンバイザー20の回動位置によって光源60の発光を制御する回路を設けても良い。すなわち、例えばサンバイザー20が車室天井面に沿った位置の時には光源を発光しない状態とし、サンバイザー20がフロントガラスに沿った位置の時に光源を発光状態とするスイッチなどの回路を設けることができる。これにより、照明操作に手間がかからない便利な支柱及びサンバイザーユニットが得られる。
【0044】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットを構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】支柱及びサンバイザーユニットの構造を例示する模式図。
【図2】支柱の構造を例示する模式図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】支柱の構造を例示する模式図。
【図5】図4のB−B線及びC−C線断面図。
【図6】図4のD−D線断面図。
【図7】変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【図8】別の変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【図9】支柱の構造を例示する模式図。
【図10】図9のE−E線断面図。
【図11】図9のF−F線断面図。
【図12】変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【図13】別の変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【符号の説明】
【0046】
18…光放射部、 20…サンバイザー、 21…バニティミラー(鏡)、 40…車載サンバイザー用支柱、 48…横軸部、 60…光源、 80…導光体、 81…筒状部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用室内照明に関し、特に、照明機能付きの車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に取り付けられるサンバイザーは、車外からの光が車両に搭乗している人の目に直射することを防ぐ。また、乗員自身の姿を見るために、バニティミラー付きのサンバイザーがある。このようなサンバイザーは、使用しない時に例えば車両の天井などに接して片づけられるように、車両に取り付けるための支柱を軸として回動可能な構造を有する。さらに、車両の前方方向だけでなく側方方向にも配置できるように、2軸の回動を行う場合もある。
【0003】
このとき、夜間等のように周囲が暗い状態でもバニティミラーに写った姿を見ることができるようにサンバイザーに発光部を設けたものがある。この発光部をサンバイザーの中に設ける場合は、その発光部への電源供給配線等の配線(ハーネス)は、例えば、車体からサンバイザーを支える支柱を通され、そこから中継ハーネス等を用いてサンバイザー内に引き込まれ、サンバイザーに取り付けられたバニティミラーユニットに接続される。
【0004】
このような配線には、サンバイザーを回動した時に、その回動に連動して例えば屈伸動作が発生する。このため、配線には、屈伸動作による断線耐久性(芯線の断線耐久性)の高いケーブルを用いる必要があり、コスト高であった。さらに、この配線の引き回しが複雑であるため、製造が難しいという問題もあった。
また、上記のような構造の場合、バニティミラーの近傍に発光部が設けられ、乗員がバニティミラーを覗いた時に、発光部からの光が乗員の目に直接入射し、まぶしく見難かった。
【0005】
なお、特許文献1に、サンバイザー本体を支持する支持アームの縦軸線方向に設けられた縦筒体に、発光体によって構成された電装品が組み込まれている車両用サンバイザーに関する技術が開示されている。また、特許文献2に、ミラーを有する第一バイザと、前記ミラーを照らす照明部が設けられたブラケットによって車室天井面に取り付けられる第二バイザを備える車両用サンバイザー装置に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−138688号公報
【特許文献2】特開2003−34139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、サンバイザーを車両に取り付けるための車載サンバイザー用支柱であって、前記サンバイザーを軸支する横軸部を有し、前記横軸部は、光を放射する光放射部を有することを特徴とする車載サンバイザー用支柱が提供される。
【0008】
本発明の別の一態様によれば、上記の車載サンバイザー用支柱と、前記横軸部に軸支され、鏡を有するサンバイザーと、を備えたことを特徴とするサンバイザーユニットが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図面は、本発明の実施形態に係わり、図1〜図3、図4〜図8、及び図9〜図11は、それぞれ、第1、第2及び第3の実施形態の支柱及びサンバイザーの構成を例示する模式図、図12、図13は、変形例の支柱の構成を例示する模式図である。すなわち、図3は図2のA−A線断面図、図5は図4のB−B線及びC−C線断面図、図6は図4のD−D線断面図、図10は図9のE−E線断面図、図11は図9のF−F線断面図である。
なお、本願明細書及び各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1に表したように、本発明の第1の実施形態に係る支柱40は、車両用のサンバイザー20を車両に取り付けるための支柱であって、支柱40の横軸部48には、光放射部18が設けられている。
本実施形態の場合、光放射部18は、光源ユニット10である。すなわち、光放射部18は、光放射部18の内部に設けられた光源ユニット10から出射された光を放射する。また、本具体例においては、横軸部48は略連続的な棒状体であり、光放射部18は、その中央付近の一部を占めるように設けられている。
【0011】
図2に表したように、光源ユニット10は、光源60が実装された基板50を有する。基板50は、ハーネス30と接続されている。なお、図2では光源60が3つ実装されているが、本発明はこれに限らず、光源60の数は任意であり、1つでも複数でも良い。さらに光源60の配置は、一列に並んだ配置でも良く、その他の配列でも良い。これにより、装飾性を高めることできる。
【0012】
図3に表したように、光源ユニット10の支柱40の取り付けにおいては、例えば、光源60が実装された基板50が、レンズカバー70の基板取り付け溝71に組み付けられる。ここで、支柱40とレンズカバー70のそれぞれの曲面部は、略円筒状の横軸部48の外径とほぼ同一とすることができる。このようにすれば、サンバイザー20を横軸部の一端から挿入し、光放射部18を通過させて、横軸部48の所定の位置に取り付けることができる。
一方、基板50を組み付けたレンズカバー70は、支柱40に設けられた開口部42に挿入され、レンズカバー70の爪72と支柱40のレンズカバー取り付け用穴41とが嵌め合わせて組み付けられる。
【0013】
すなわち、図1に表したように、本実施形態に係る支柱40は、横軸部48と縦軸部49とを有す。
そして、本実施形態に係るサンバイザーユニット24は、上記の支柱40と、支柱40に支持され、バニティミラー(鏡)21を有するサンバイザー20と、を備える。
【0014】
サンバイザー20は、支柱40の横軸部48に軸支されている。すなわち、サンバイザー20は、横軸部48に支持された部分を軸として、例えば、車室天井面に沿った位置とフロントガラスに沿った位置との間で回動することができる。そして、例えば支柱40の横軸部48の一部は、車室天井面の所定の位置取り付けられたフック22に格納可能であり、これによって、この回動動作を円滑に行うことができる。
そして、縦軸部49は、ブラケット31に連結され、ブラケット31は、車両の例えば車室天井面に連結される。そして、支柱40の横軸部48をフック22から外し、縦軸部49を中心として支柱40の横軸部48を回動することによって、サンバイザー20は、例えば、フロントガラスに沿った位置とサイドガラスに沿った位置との間を回動することができる。
これにより、サンバイザー20は、フロントガラスを通して車室内に入射する外光とサイドガラスを通して車室内に入射する外光とを適宜遮光することができる。
【0015】
また、サンバイザー20には、バニティミラー(鏡)21が設けられる。乗員は、サンバイザー20を例えばフロントガラスに沿った位置に回動させ、バニティミラー21を覗くことができる。
【0016】
そして、光源ユニット10は、サンバイザー20にではなく、サンバイザー20を支える支柱40に設けられる。そして、ハーネス30の一端は、光放射部18に接続され、他端は、支柱40内部を通って、ブラケット31を介して、図示しない電源回路等に接続される。
これにより、回動するサンバイザー20内にハーネス30を引き込む必要がない。これにより、ハーネス30には機械的な応力がかからず、屈伸動作による断線耐久性(芯線の断線耐久性)の高いハーネスを用いる必要がなく、低コスト化が可能である。さらに、サンバイザーユニットの構造が簡単になり、製造も簡単化できる。
【0017】
すなわち、ハーネス30等の電装系の配線を支柱40内部に収納できるため、サンバイザー20まで配線を引き込まなくても良く、サンバイザー20の機構をシンプルにできる。そして、支柱40に光放射部18を設けるので、装飾性が高められる。
【0018】
そして、光源ユニット10とバニティミラー21との間に適切な距離を確保でき、バニティミラー21を覗いた時にまぶしさを感じにくい。すなわち、光放射部18をバニティミラー21の近傍から適切に離すことによって、バニティミラー21を覗いた時の視線とは適切に離れた位置に光放射部18を設けることで、光放射部18から被写体(乗員)に向けて光が照射されていても、光放射部18が視線の近傍と離れていることで、まぶしさが軽減され、見易い。一般に、鏡を覗く時には、鏡の中心に視線の中心を定めることが多く、そのため、支柱40に設けられる光放射部18とバニティミラー21との間に適切な距離を確保できることで、まぶしさを感じにくくなる。
【0019】
また、図1に表したように、光放射部18(光源ユニット10)は、バニティミラー21の水平方向(横軸部48が延在する方向)の幅の内側の上方に設けられている。このように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24では、光放射部18の少なくとも一部は、横軸部48に対して直交する方向において、バニティミラー21の少なくとも一部と重なる位置に設けることができる。これにより、車両の乗員がバニティミラー21を覗く時に、乗員の頭部を効率良く照明することができ、バニティミラー21を見易く覗くことができる。
【0020】
なお、特許文献1に開示された構造では、支柱アームの縦軸部に光放射部が設けられる。このとき、バニティミラー21の側方に光放射部18が配置されることになり、乗員の頭部を側方から照明することになってしまい、さらに、光放射部18とバニティミラー21との距離が適切な距離より長くなり、バニティミラー21に写った姿が見難くなる。
【0021】
一方、特許文献2のように2つのバイザを有する場合は、構造が複雑であり、コンパクトなサンバイザーユニットを構成することができない。また、第二バイザを支持するブラケットに設けられた照明部は、第一バイザに設けられたミラーを照らす構造であり、乗員に向けて照明光を放射する構造ではなく、乗員の頭部を効率良く照明することができず、結果としてバニティミラー21に写った姿が見難くなる。
【0022】
これに対し、既に説明したように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24においては、光放射部18は、横軸部48が延在する方向のバニティミラー21の幅と重なる位置、すなわち、バニティミラーの側方ではなく上方に設けられ、これにより、乗員の頭部を効率良く照明することができ、バニティミラー21を見易く覗くことができる。そして、乗員がバニティミラー21を覗いた時の視線とは適切に離れた位置に光放射部18を設けることで、光放射部18から被写体(乗員)に向けて光が照射されていても、まぶしさが軽減され、見易い。
【0023】
このように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24により、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0024】
(第2の実施の形態)
図4に表したように、本発明の第2の実施形態に係る支柱40においては、光源60が支柱40の支柱根元43に設けられる。そして、光源60から出射した光は、支柱40の内部に設けられた例えば光ファイバーなどの導光体80によって出射口(光放射部18)まで導かれる。そして、レンズ90が支柱40に設けられ、光の出射口となる。
【0025】
図5に表したように、光源60は、ハーネス30に接続された例えば樹脂性のソケット44に設けられる。そして、ソケット44は、支柱40の支柱根元43に挿入される。ソケット44の突起45とソケット取り付け穴46とが嵌め合わされる。これにより、従来技術のサンバイザーよりもハーネス30の長さを短くでき、ハーネス30の引き回しの煩わしさが軽減される。
また、図6に表したように、レンズ90は、一方の面にテーパ面82と反射体85を有しており、その面が支柱40に設けられたガイド溝83に嵌め合わされるようにして支柱40に組み付けられる。
【0026】
このような構成の支柱40及びサンバイザーユニットにおいては、図5に表したように、光源60から出射した光は、導光体80を通って、レンズ90まで導光される。
そして、導光体80によって導かれた光は、レンズ90の側面からレンズ90に入射する。そして、光は、レンズ90に設けたテーパ面82(支柱40の横軸部48の延在方向に対して傾斜した面)で反射され、光は前面に照射される。テーパ面82の反射率を高めるために、図5、図6に例示したように、テーパ面82に、反射シートやアルミニウム板等の反射率の高い金属板等の反射体85を設けても良い。
【0027】
このように、本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニットにおいては、支柱40の横軸部48に光放射部18が設けられている。そして、支柱40は、内部に導光体80を内蔵する筒状部81を有している。光放射部18は、支柱40の縦軸部49に設けられた光源60から出射され、支柱40内を導光された光を放射する。図4〜図6の例では、光源60は、縦軸部49の支柱根元43に設けられている。これにより、光源60の取り付けがより簡単となる。
【0028】
このような構造の本実施形態に係る支柱40及びそれを用いたサンバイザーユニットによっても、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0029】
なお、光源60は、支柱根元43に必ずしも設ける必要はなく、例えば縦軸部49または、横軸部48の一部に設け、そこから出射した光を適切な導光体80によって、横軸部48の光放射部18まで導光すれば良い。
【0030】
さらに、図7に表したように、支柱40は、内部が中空の筒状部81を有し、筒状部81の内面で光が反射し、伝搬して導光されるようにしても良い。この場合は、この筒状部81が、導光体80の機能を果たす。すなわち、支柱40は、内壁面に反射面を有する筒状部81を有する。支柱40の筒状部81の内壁面は、反射面として、反射率の高い、例えば金属等の鏡面反射面や、白色の拡散反射面とすることで、より高効率で光を導光できる。
【0031】
さらに、図8に表したように、光放射部18は、支柱40の外側すなわち外部に設けられた光源60から出射され、支柱40内を導光された光を放射するように構成しても良い。すなわち、支柱40の支柱根元43が、図示しない車室天井面に取り付けられている。そして、車両の車体に光源60が設けられ、光源60から出射した光は、支柱40の内部から引き出された光ファイバーなどの導光体80の一端に入射する。そして、その光は、支柱40内部を光放射部18まで導光され、光放射部18から放射される。
なお、この場合も、支柱40が、内面で光が反射して導光する中空の筒状部を有するように構成し、支柱40の外部に設けられた光源60から出射した光が、支柱40の内部を導光して、光放射部18から放射するようにしても良い。
【0032】
図7、図8に例示した支柱40及びそれを用いたサンバイザーユニットによっても、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0033】
(第3の実施の形態)
図9に表したように、本発明の第3の実施形態に係る支柱40においては、支柱40自体が導光体となる。すなわち、支柱40には、透過率の高い、例えばアクリル樹脂等や、強度が高い、例えばポリカーボネート樹脂等の透光性の樹脂材料を用いることができる。また、光放射部18以外の部分の支柱40の表面には、支柱40内面での反射効率を高めるために、例えばアルミニウムなどの金属の蒸着膜を形成し、遮光することができる。なお、これに限らず、支柱40の表面には、反射性と遮光性を有する塗料を塗布しても良く、さらには、支柱40の表面を、反射性と遮光性を有するシートやテープで被覆しても良い。
【0034】
図10に表したように、ソケット付き光源61は、支柱40の支柱根元43に挿入される。
そして、ソケット付き光源61から出射した光は、支柱根元43から支柱40に入射し、支柱40内を伝搬し、出射口92(光放射部18)から出射する。出射口92以外の支柱40の表面は、上記の蒸着膜91によって被覆されているので、支柱40の出射口92以外の部分から外部には光は漏れず、また、光は、支柱40内を高効率で導光される。
【0035】
また、図11に表したように、光を出射口92から出射させるために、出射口92の表面には光取り出し用の表面加工部93を設けることができる。この表面加工部93は、例えば、支柱40となる樹脂の表面の所定の位置に、細かいテーパ面を複数刻むこと等によって設けることができる。この他、サンドブラスト等で支柱40となる樹脂等の表面を粗く加工することで設けることができる。すなわち、表面加工部93は、拡散反射性及び鏡面反射性の少なくともいずれかを有する反射構造部とすることができる。
上記のように、支柱40は、表面の一部に光放射部18となる開口部(出射口92)を有する反射遮光層で被覆された透光体からなることができる。
【0036】
このような構造の本実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニットによっても、高断線耐久性の配線を必要としない、簡単な構造で、乗員を効率良く照明し、まぶしさが軽減された、低コストで製造も簡単な車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットが提供される。
【0037】
なお、この場合も、光源は支柱根元43に必ずしも設ける必要はなく、例えば縦軸部49の一部に設け、そこから出射した光を横軸部48の光放射部18まで導光すれば良い。
【0038】
上記の実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニット24は、各種の変形が可能である。
図12に表したように、支柱40に2つの光源ユニット11、12を設けることができる。この場合、図11に表したように、中継ハーネス95によって、光源ユニット11、12の基板どうしを電気的に接続することができる。すなわち、光源ユニット11に収納されている基板と中継ハーネス95の一端とを電気的に接続し、支柱40内に中継ハーネス95を通し、中継ハーネス95の他端と光源ユニット12とを電気的に接続することができる。
このように、光源ユニット(光放射部)は、1つまたは複数設けることができる。また光源ユニットの形状は、任意であり、光源ユニットを複数設ける場合に、光源ユニットのそれぞれでその形状を変えても良い。
【0039】
また、光源ユニットの一部の表面を遮光することによって、1つの光源ユニットにおいて複数の出射口(光放射部)を設けることができる。この場合の遮光には、例えば、金属等の蒸着膜や遮光性のテープ等を用いることができる。
【0040】
また、図13(a)に表したように、支柱40自身が導光体となる場合(例えば第3の実施形態)、出射口92(光放射部18)には遮光処理をしない。すなわち、遮光部94以外の部分が出射口92となる。
【0041】
また、図13(b)に表したように、出射口92(光放射部18)を円形(楕円も含む)状の形状とすることができる。この他、出射口92は任意の形状とすることができる。このように、出射口92の形状は、遮光処理時に自由に設定でき、装飾性を高めることができる。
【0042】
このように、本発明の実施形態に係る支柱及びサンバイザーユニットにおいては、光源ユニットの形状及び数は任意に設定することができ、また、光放射部の形状、大きさ及び数は、支柱に設ける出射口の形状、大きさ、数によって任意に決めることができる。
【0043】
また、上記の各実施形態に係る支柱40及びサンバイザーユニットにおいて、サンバイザー20の回動位置によって光源60の発光を制御する回路を設けても良い。すなわち、例えばサンバイザー20が車室天井面に沿った位置の時には光源を発光しない状態とし、サンバイザー20がフロントガラスに沿った位置の時に光源を発光状態とするスイッチなどの回路を設けることができる。これにより、照明操作に手間がかからない便利な支柱及びサンバイザーユニットが得られる。
【0044】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットを構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての車載サンバイザー用支柱及びサンバイザーユニットも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】支柱及びサンバイザーユニットの構造を例示する模式図。
【図2】支柱の構造を例示する模式図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】支柱の構造を例示する模式図。
【図5】図4のB−B線及びC−C線断面図。
【図6】図4のD−D線断面図。
【図7】変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【図8】別の変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【図9】支柱の構造を例示する模式図。
【図10】図9のE−E線断面図。
【図11】図9のF−F線断面図。
【図12】変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【図13】別の変形例の支柱の構造を例示する模式図。
【符号の説明】
【0046】
18…光放射部、 20…サンバイザー、 21…バニティミラー(鏡)、 40…車載サンバイザー用支柱、 48…横軸部、 60…光源、 80…導光体、 81…筒状部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンバイザーを車両に取り付けるための車載サンバイザー用支柱であって、
前記サンバイザーを軸支する横軸部を有し、
前記横軸部は、光を放射する光放射部を有することを特徴とする車載サンバイザー用支柱。
【請求項2】
前記光放射部は、前記光放射部の内部に設けられた光源から出射された光を放射することを特徴とする請求項1記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項3】
前記光放射部は、前記車載サンバイザー用支柱の内部に設けられた光源から出射され、前記車載サンバイザー用支柱内を導光された光を放射することを特徴とする請求項1記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項4】
前記光放射部は、前記車載サンバイザー用支柱の外側に設けられた光源から出射され、前記車載サンバイザー用支柱内を導光された光を放射することを特徴とする請求項1記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項5】
導光体を内蔵した筒状部を有し、前記光源から出射された光は、前記導光体を導光されることを特徴とする請求項3または4に記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項6】
内壁面に反射面を有する筒状部を有し、前記光源から出射された光は、前記筒状部の中を導光されることを特徴とする請求項3または4に記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項7】
開口部を有する反射遮光層により表面を被覆された透光体を有し、
前記光源から出射された光は、前記透光体を導光され、
前記開口部は、前記光放射部であることを特徴とする請求項3または4に記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の車載サンバイザー用支柱と、
前記横軸部に軸支され、鏡を有するサンバイザーと、
を備えたことを特徴とするサンバイザーユニット。
【請求項9】
前記放射部の少なくとも一部は、前記横軸部に対して直交する方向において、前記鏡の少なくとも一部と重なることを特徴とする請求項8記載のサンバイザーユニット。
【請求項1】
サンバイザーを車両に取り付けるための車載サンバイザー用支柱であって、
前記サンバイザーを軸支する横軸部を有し、
前記横軸部は、光を放射する光放射部を有することを特徴とする車載サンバイザー用支柱。
【請求項2】
前記光放射部は、前記光放射部の内部に設けられた光源から出射された光を放射することを特徴とする請求項1記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項3】
前記光放射部は、前記車載サンバイザー用支柱の内部に設けられた光源から出射され、前記車載サンバイザー用支柱内を導光された光を放射することを特徴とする請求項1記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項4】
前記光放射部は、前記車載サンバイザー用支柱の外側に設けられた光源から出射され、前記車載サンバイザー用支柱内を導光された光を放射することを特徴とする請求項1記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項5】
導光体を内蔵した筒状部を有し、前記光源から出射された光は、前記導光体を導光されることを特徴とする請求項3または4に記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項6】
内壁面に反射面を有する筒状部を有し、前記光源から出射された光は、前記筒状部の中を導光されることを特徴とする請求項3または4に記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項7】
開口部を有する反射遮光層により表面を被覆された透光体を有し、
前記光源から出射された光は、前記透光体を導光され、
前記開口部は、前記光放射部であることを特徴とする請求項3または4に記載の車載サンバイザー用支柱。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の車載サンバイザー用支柱と、
前記横軸部に軸支され、鏡を有するサンバイザーと、
を備えたことを特徴とするサンバイザーユニット。
【請求項9】
前記放射部の少なくとも一部は、前記横軸部に対して直交する方向において、前記鏡の少なくとも一部と重なることを特徴とする請求項8記載のサンバイザーユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−262821(P2009−262821A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116033(P2008−116033)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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