説明

車載式昇降装置

【課題】車体の最低地上高さの低い被積載車両を安全、確実に運搬車両の荷台に荷上げし、該荷台から荷降ろしすることができ、被積載車両の積み下ろし作業の安全性にも優れた低コストで安全性と操作性を兼ね備えた車載式昇降装置を提供する。
【解決手段】荷台Cに設置される支持枠3と、その上方に設けられる上部ガイドレール7及び下部ガイドレール9と、第1ガイドローラ11、第2ガイドローラ13を備えた連結アーム15と、他端に支持ローラ17を備えたスライド昇降台19と、荷台C後端部側に設けられる支承ローラ27と、連結アーム15を駆動する電動モータ31と駆動伝達手段29と、を具備し、前記スライド昇降台19に水平載置部57と案内スロープ59とを備える車載プレート55を配設し、前記案内スロープ59の先端部60が所定の乗込み高さH1になるように支持ローラ17の支点位置Oを所定のオフセット量S、先方に位置するように設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬車両の荷台に被積載車両や台車等を荷上げしたり、荷降ろししたりするのに使用される車載式昇降装置に係り、特に、段差がなくて積み降ろしが容易且つ安全にできる車載式昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運搬車両の荷台に被積載車両や台車荷物等を荷上げしたり、荷降ろしする場合には、運搬車両に搭載されている油圧式のクレーンや垂直ゲートタイプあるいはスライド昇降式の昇降装置が従来から使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
これらの昇降装置は、運搬車両に当初から搭載されている専用車として、そのほとんどが流通しており、新たに上記昇降装置を運搬車両に搭載しようと考えても、運搬車両を含んだ多額の購入費のことを考えると、なかなか導入できないのが実状であった。
【0003】
そこで、本出願人は、既存の運搬車両に対して後付け設置が可能で比較的安価に導入できる車載式昇降装置を開発し、既に出願に及んでいる。
この車載式昇降装置は、運搬車両の荷台に設置される支持枠と、前記支持枠の左右の側縁部に沿うように、その上方に設けられる上部ガイドレール及び下部ガイドレールと、一端に前記下部ガイドレールと常時、係合する第1ガイドローラを備え、他端に前記上部ガイドレールと積載途中の階段及び運搬時において係合する第2ガイドローラを備えた左右一対の連結アームと、一端が前記連結アームの他端と回動自在に接続され、他端に支持ローラを備えた被積載物積載用のスライド昇降台と、運搬車両の荷台後端部側に設けられ、前記連結アームの下端面と、前記スライド昇降台における左右の側部フレームの下面とに転接して前記連結アームとスライド昇降台の移動を案内する支承ローラと、前記連結アームの一端に接続され、前記連結アームを運搬車両の荷台の長手方向に沿って往復移動させる駆動伝達手段と、前記駆動伝達手段に駆動力を付与する正逆転可能な電動モータと、を備えている。特に、スライド昇降台は、矩形枠状の支持フレームと、該支持フレームの上面に取り付けられる載置板と、支承ローラの転接面に当接する案内レールとして機能する左右の側部フレームと、前記載置板の後端部において蝶番によって上下方向に回動自在に接続されている案内フラップと、前記支持フレームの後端下面の左右に設けられる上述した支持ローラと、を備えている。
【0004】
そして、被積載物を地面上からスライド昇降台上に移載する場合や、被積載物をスライド昇降台上から降ろして地面上に移載する場合は、リモコン等を操作して走行枠を荷台の後端側に移動させ、支持ローラを地面上に接地させてスライド昇降台を傾斜した状態から地面上に水平に位置させた状態に移行させている。(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−13836号公報
【特許文献2】特開2011−1021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の構成によると次のような問題があった。すなわち、走行枠を荷台の後端側に移動させ、スライド昇降台を地面上に水平に位置させた状態まで移動させるため、地面上に接地させて転動させる支持ローラをスライド昇降台の下面に設ける必要があり、スライド昇降台と地面との間に一定の段差ができてしまうものである。このため、上記段差を解消するためスライド昇降台の後端側に設けた案内フラップを使用し案内フラップの自由端を地面上に接地させ、被積載車両の移載を行っていた。
【0007】
しかし、レーシングカーや高性能スポーツカー等の車両の場合は、地面から車体底部の高さである最低地上高さが極端に低く設定されていたり、車体前方の下部にはエアロパーツとして、フロントスポイラーと呼ばれている整流板を設けていたりするため、これらの被積載車両を上記車載式昇降装置のスライド昇降台上に移載しようとすると、該スライド昇降台と地面との間の段差に上記整流板を含む車体の一部が衝突してしまってこれらを破損させてしまうおそれがあった。
また、被積載車両が貨物台車等である場合には、被積載車両を上記車載式昇降装置のスライド昇降台上に移載しようとすると、該スライド昇降台と地面との間の段差によって貨物に衝撃を与えかねず、貨物の積み下ろし作業に支障を生じるおそれがあった。
【0008】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、車体の最低地上高さの低い被積載車両を安全、確実に運搬車両の荷台に荷上げし、該荷台から荷降ろしすることができ、被積載車両の積み下ろし作業の安全性にも優れた低コストで安全性と操作性を兼ね備えた車載式昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による車載式昇降装置は、運搬車両の荷台に設置される支持枠と、上記支持枠の左右の側縁部に沿うように、その上方に設けられる上部ガイドレール及び下部ガイドレールと、一端に上記下部ガイドレールと常時、係合する第1ガイドローラを備え、他端に上記上部ガイドレールと積載途中の階段及び運搬時において係合する第2ガイドローラを備えた左右一対の連結アームと、一端が上記連結アームの他端と回動自在に接続され、他端に支持ローラを備えた被積載車両積載用のスライド昇降台と、運搬車両の荷台後端部側に設けられ、上記連結アームの下端面と、上記スライド昇降台における左右の側部フレームの下面とに転接して上記連結アームとスライド昇降台の移動を案内する支承ローラと、上記連結アームの一端に接続され、上記連結アームを運搬車両の荷台の長手方向に沿って往復移動させる駆動伝達手段と、上記駆動伝達手段に駆動力を付与する正逆転可能な電動モータと、を具備し、前記スライド昇降台には、被積載車両の移載完了位置に設けられる水平載置部と、該水平載置部に隣接する移載案内位置に設けられる案内スロープと、を備える車載プレートが配設されており、前記スライド昇降台が移載位置にある時、前記案内スロープの先端部の位置が地面に極めて接近した乗込み高さになるように前記支持ローラの支点位置が上記案内スロープの先端部の位置よりも所定のオフセット量、更に先方に位置するように設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項2による車載式昇降装置は、請求項1記載の車載式昇降装置において、前記案内スロープの先端部の乗込み高さは、5mm〜10mmの範囲に設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3による車載式昇降装置は、請求項1または2記載の車載式昇降装置において、前記支持ローラの支点位置のオフセット量は、50mm〜150mmの範囲に設定されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4による車載式昇降装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の車載式昇降装置において、前記スライド昇降台が移載位置にある時の前記案内スロープの先端部での乗込み角度は、1〜2°に設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5による車載式昇降装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の車載式昇降装置において、前記スライド昇降台が移載位置にある時の前記水平載置部の地面からの水平支持高さは40mm〜50mmの範囲に設定されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項6による車載式昇降装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の車載式昇降装置において、前記支持ローラは、前記スライド昇降台の車載スペースにかからない幅方向の外方位置に配設されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7による車載式昇降装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の車載式昇降装置において、前記案内スロープの先端部には、当該先端部と地面との間の隙間を埋める弾性フラップが設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8による車載式昇降装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の車載式昇降装置において、前記上部ガイドレールの後端部には、中央が高くなるように山状に屈曲形成された緩やかな傾斜の傾斜案内部が設けられており、前記連結アームは、中間部が上方に変位するように湾曲した形状を有していることを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項9による車載式昇降装置は、請求項1〜8のいずれかに記載の車載式昇降装置において、前記運搬車両は、箱型の荷室を持ったバン型車であることを特徴とするものである。
【0018】
そして、上記手段によって以下のような作用が得られる。まず、駆動手段として電動モータを採用したことにより、油圧モータ等を使用した場合に必要となる油圧管路や油圧タンク等の大掛かりな油圧設備が不要となる。また、電動モータを駆動するための電源は、運搬車両に当初から搭載されているバッテリーが使用できる。したがって、昇降装置を当初から搭載している専用車としなくても既存の運搬車両に事後的に昇降装置を後付け設置することが可能になり、設備コストの大幅な削減が図られる。
【0019】
また、上記上部ガイドレール及び下部ガイドレールと、スライド昇降台とを連結アームによって回動自在に接続するという構成を採用したことによって、被積載車両の昇降動作と、荷台上での被積載車両の移動と位置合わせを1人の作業者によって連続して自動的に行うことが可能になる。
また、被積載車両のスライド昇降台上での固定は、被積載車両をスライド昇降台上に移載した時の一度の固定作業で済むため、固定作業の煩雑さが軽減される。
【0020】
また、前記案内スロープの先端部の位置が地面に極めて接近した乗込み高さになるように前記支持ローラの支点位置を上記案内スロープの先端部の位置よりも所定のオフセット量、更に先方に位置するように設定しているから、従来の車載式昇降装置において生じていた車載プレートの先端部での地面との段差が小さくなる。
従って、レーシングカーや高性能スポーツカーのように車体の最低地上高さの低い被積載車両を車体に傷を付けることなく安全にスライド昇降台上に移載することが可能になる。また、貨物台車等を車載式昇降装置のスライド昇降台上に移載しようとする場合にも、該スライド昇降台と地面との間の段差が小さくなるので、貨物の積み下ろし作業を安全且つ確実に実施できる。
【0021】
また、前記案内スロープの先端部の乗込み高さを5mm〜10mmの範囲に設定した場合には、被積載車両をスライド昇降台上に移載する際の段差が被積載車両の円滑な移載を阻害することなく、案内スロープの先端部における地面との非接触状態を保った状態で当該先端部の乗込み高さが設定される。
また、前記支持ローラの支点位置のオフセット量を50mm〜150mmの範囲に設定した場合には、車載プレートの下方に支持ローラの収容スペースを確保する必要があった従来のスライド昇降台のような制約がなくなるから可及的に案内スロープの先端部の乗込み高さを低く設定することができる。また、上記範囲のオフセット量であれば運搬車両の荷台にスライド昇降台を固定した状態で当該支持ローラが運搬車両の荷台からはみ出すこともない。
【0022】
また、前記スライド昇降台が移載位置にある時の案内スロープの先端部での乗込み角度を1〜2°に設定した場合には、被積載車両を案内スロープの先端部から車載プレート上に乗り込ませる際の被積載車両の傾斜角度を無理のないなだらかな角度にすることができる。
【0023】
また、上記車載プレートの大きさで上記水平載置部の地面からの水平支持高さを40mm〜50mmの範囲に設定した場合には、車載プレート全長の平均傾斜角度が0.2°〜0.6°となり、被積載車両を極僅か傾けるだけで車載プレート上に移載することが可能になる。
また、前記支持ローラをスライド昇降台の車載スペースにかからない幅方向の外方位置に配設した場合には、上記車載スペースの幅寸法を被積載車両の車幅に合わせて可及的に小さくでき、スライド昇降台の幅方向での小型化が図られる。
【0024】
また、前記案内スロープの先端部に、当該先端部と地面との隙間を埋める弾性フラップを設けた場合には、案内スロープの先端部と地面との隙間に異物が挟まるのを未然に防止でき、地面の凹凸等によって地面の凸部や地面上の異物に前記案内スロープの先端部が当接することによって生ずる案内スロープの先端部の変形や破損が防止される。
また、前記上部ガイドレールの後端部に中央が高くなるように山状に屈曲形成された緩やかな傾斜の傾斜案内部を設けた場合には、被積載車両を運搬車両の荷台に荷上げする時や運搬車両の荷台から荷降ろしする時の被積載車両の急激な傾斜角度の変動が防止される。
【0025】
また、前記連結アームを中間部が上方に変位するように湾曲した形状に形成した場合には、連結アームが後端位置に移動した時に連結アームを運搬車両の荷台と干渉させることなく上方に迂回させた姿勢で連結アーム他端の第2ガイドローラを下限位置に移動させることが可能になる。
また、前記運搬車両を箱型の荷室を持ったバン型車にした場合には、運搬中の投石や思わぬ異物の落下等による被積載車両の損傷を未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明による車載式昇降装置によると、既存の運搬車両を使用して車載式昇降装置を後付け設置することが可能になる。また、車体の最低地上高さの低いレーシングカーや高性能スポーツカー等の被積載車両を車体に傷を付けることなく安全にスライド昇降台上に移載して運搬することが可能になる。また、貨物台車等を車載式昇降装置のスライド昇降台上に移載しようとする場合にも、該スライド昇降台と地面との間の段差が小さくなるので、貨物の積み下ろし作業を安全且つ確実に実施できる。
更に、本発明による車載式昇降装置は、電動モータを駆動源として使用する比較的簡単な構造で構成されているから、安全で操作性の良好な車載式昇降装置を極めて低コストで導入することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が移載位置に位置している時の車載式昇降装置を示す側面図(a)と同図b部の拡大図(b)である。
【図2】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が移載位置に位置している時の車載式昇降装置を示す平面図(a)と同図b部の拡大図(b)である。
【図3】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が移載位置に位置している時の図2中のA―A断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が移載位置に位置している時の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が昇降位置に位置している時の車載式昇降装置を示す側面図(a)と同図b部の拡大図(b)である。
【図6】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が昇降位置に位置している時の車載式昇降装置を示す平面図(a)と同図b部の拡大図(b)である。
【図7】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が固定位置に位置している時の車載式昇降装置を示す側面図(a)と同図b部の拡大図(b)である。
【図8】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が固定位置に位置している時の車載式昇降装置を示す平面図(a)と同図b部の拡大図(b)である。
【図9】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台が固定位置に位置している時の車載式昇降装置を示す図7中のB―B矢視図である。
【図10】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台を示す側断面図(a)と案内スロープ周辺を拡大して示す側断面図(b)である。
【図11】本発明の実施の形態を示す図で、スライド昇降台を示す後端部上方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図1〜11を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
以下の説明では、被積載車両Aとしてレーシングカーや高性能スポーツカー等の車高の低い4輪自動車を例にとって説明する。このような被積載車両Aには、車体Eのフロントバンパーの下部に整流板の一種であるフロントスポイラーFが設けられており、地面GLから車体Eの底部までの高さである最低地上高さTが極めて低く設定されている。また、上記被積載車両Aを運搬する運搬車両Bとして最大積載量が4000kg程度の箱型の荷室Dを荷台C上に備えたバン型のトラックを例にとって説明する。
【0029】
そして、本発明の車載式昇降装置1は、上記トラックの荷台C上に後付け設置され、被積載車両Aが積載された状態で上記荷室D内に収容されて外部から被積載車両Aが視認できない状態になる。
尚、本明細書中で使用する「前後」とは、上記運搬車両Bの前進方向の前後であり、「左右」とは、運搬車両Bの車幅方向の左右である。また、本明細書中で使用する「上下」とは、運搬車両Bの車高方向の上下であり、「縦向き」とは、運搬車両Bの進行方向に沿った向き、「横向き」とは、上記進行方向と直交する運搬車両Bの車幅方向に沿った向きである。
【0030】
本実施の形態による車載式昇降装置1は、運搬車両Bの荷台Cに設置される支持枠3と、上記支持枠3の左右の側縁部5、5に沿うように、その上方に設けられる上部ガイドレール7及び下部ガイドレール9と、一端に上記下部ガイドレール9と常時、係合する第1ガイドローラ11を備え、他端に上記上部ガイドレール7と積載途中の段階及び運搬時において係合する第2ガイドローラ13を備えた左右一対の連結アーム15、15と、一端が上記連結アーム15、15の他端と回動自在に接続され、他端に支持ローラ17、17を備えた被積載車両A積載用のスライド昇降台19と、運搬車両Bの荷台C後端部側に設けられ、上記連結アーム15の下端面21と上記スライド昇降台19における左右の側部フレーム23の下面25とに転接して上記連結アーム15とスライド昇降台19の移動を案内する支承ローラ27、27と、上記連結アーム15の一端に接続され、上記連結アーム15を運搬車両Bの荷台Cの長手方向に沿って往復移動させる一例としてチェーン駆動伝達機構29Aによって構成されている駆動伝達手段29と、上記駆動伝達手段29に駆動力を付与する正逆転可能な電動モータ31と、を具備することによって構成されている。
【0031】
支持枠3は、運搬車両Bの荷台Cとほぼ同じ大きさの矩形枠状の部材でボルト、ナット等を使用して荷台C上に固定されている。
支持枠3の前端部には、上記電動モータ31と、上記チェーン駆動伝達機構29Aの構成部材である駆動スプロケット33と、を収容する駆動装置室39が設けられており、支持枠3の後端部の中央には、上記チェーン駆動伝達機構29Aの他の構成部材である従動スプロケット35が図9に示すようにブラケット41によって回転自在に支持された状態で設けられている。
【0032】
また、上記駆動装置室39の上面の後部寄りには、荷台C上にセットされた被積載車両Aの前方への移動を防止する輪止めを兼ねた傾斜カバー43が設けられており、上記駆動装置室39の上方の前端寄りには、上記電動モータ31の起動と停止及び正逆転等を切り替えるリモコン79等の操作手段が設けられている。
上部ガイドレール7と下部ガイドレール9は、内側に第1ガイドローラ11ないし第2ガイドローラ13と係合するレール溝45ないしレール溝47が形成された上記支持枠3と一体になった支持部材である。
【0033】
このうち、下部ガイドレール9は、荷台Cの上面に沿うように水平に形成されたガイドレールで、このガイドレール9のレール溝47には、上述したように連結アーム15の一端側に設けられている第1ガイドローラ11が係合している。
また、上記第1ガイドローラ11は、左右の下部ガイドレール9、9間に配設されている走行枠49によって支持された状態で前後に2組、計4個設けられている。
【0034】
一方、上部ガイドレール7は、上記下部ガイドレール9の上面に沿うように後方に向って水平に延びる水平部51と、該水平部51と連続的に接続され、上部ガイドレール7の後端部に設けられる傾斜案内部53と、を備えることによって構成されている。
このうち、傾斜案内部53は、被積載車両Aの昇降時における急激な傾斜角度の変化を防止する姿勢の安定作用と、積載後の被積載車両Aの後方への移動を防止する輪止めとしての作用を有している。
【0035】
具体的には、傾斜案内部53は、中央が高くなるように山状に屈曲形成された緩やかな傾斜の案内部になっており、このような形状の上部ガイドレール7のレール溝45には、上述したように被積載車両Aの積載途中の段階及び運搬時において連結アーム15の他端側に設けられている第2ガイドローラ13が係合するようになっている。
【0036】
連結アーム15は、上記下部ガイドレール9と後述するスライド昇降台19とを回動自在に接続する連結部材であり、中間部が上方に変位するように湾曲した側面視弓形ないし「へ」の字状のアームである。
連結アーム15の下端部は、L字状に内側に折り曲げられており、その下端面21は、後述する支承ローラ27の転接面に当接する案内面になっている。
【0037】
スライド昇降台19は、適宜の構造材(例えばフラットバー)を例えば井桁状に組み合わせることによって構成される支持フレーム22と、該支持フレーム22の左右の側縁から上方に向けて立ち上げられている左右2本の側部フレーム23、23と、上記支持フレーム22の上面に取り付けられる車載プレート55と、上記左右の側部フレーム23、23の後端部にブラケット24、24を介して取り付けられる上述した支持ローラ17、17と、を具備することによって基本的に構成されている。
【0038】
また、上記支持フレーム22の一端(前端)寄りの側面には左右外方に向って延びる回動軸61が突出状態で設けられており、上記連結アーム15の他端側の第2ガイドローラ13が設けられている先端部と回動自在に接続されている。
上記車載プレート55は、被積載車両Aの移載完了位置Mに設けられる水平載置部57と、該水平載置部57に隣接する移載案内位置Nに設けられる案内スロープ59と、を備えることによって構成されている。尚、上記車載プレート55の大きさは、幅が約2.2m、長さが約5mであり、車載プレート55の厚さは約4mmである。
【0039】
そして、本発明の特徴的構成として、前記スライド昇降台19が移載位置にある時、前記案内スロープ59の先端部60の位置が地面GLに極めて接近した乗込み高さH1になるように前記支持ローラ17の支点位置Oが上記案内スロープ59の先端部60の位置よりも所定のオフセット量S、更に先方に位置するように設定されている。
尚、上記案内スロープ59の先端部60の乗込み高さH1は、一例として5mm〜10mmの範囲に設定されており、前記支持ローラ17の支点位置Oのオフセット量Sは、一例として50mm〜150mmの範囲(本実施の形態では100mm)に設定されている。
【0040】
また、上記スライド昇降台19が移載位置にある時の上記案内スロープ59の先端部60での乗込み角度θ1は、一例として1〜2°(本実施の形態では約1.5°)に設定されており、前記スライド昇降台19が移載位置にある時の前記水平載置部57の地面GLからの水平支持高さH2は、一例として40mm〜50mmの範囲に設定されている。
尚、上記車載プレート55の大きさで上記範囲の水平支持高さH2に設定することによって、上記車載プレート55の全長の平均傾斜角度θ2は0.2°〜0.6°(本実施の形態では0.4°)となる。また、上記車載プレート55の水平載置部57の前端側の左右には、一例として側面視三角形状をした輪止め85が設けられており、被積載車両Aの移載完了位置Mを設定している。
【0041】
また、上記案内スロープ59の上面は、上記水平載置部57との接続部で最も高く、先端部60で最も低くなる、なだらかな傾斜の一例として湾曲面によって形成されており、該案内スロープ59の先端部60の一例として中央部には、スライド昇降台19の後端部を上方に持ち上げる場合等に使用できる切欠き部83が一例として形成されている。
また、上記案内スロープ59の先端部60の下面には、当該先端部60と地面GLとの間の隙間Gを埋める一例として矩形平板状の弾性フラップ63が僅かに上記先端部60から突出した状態で設けられている。
尚、上記弾性フラップ63の材質としては、弾性を有する天然繊維材料、合成繊維材料、合成ゴム材料、合成樹脂材料等、種々の材料が適用可能である。
【0042】
また、本実施の形態では上記支持ローラ17は、前記スライド昇降台19の車載スペース20にかからない幅方向Xの外方位置に配設されており、上記左右の側部フレーム23、23によって挟まれた車載プレート55の全面を幅方向Xに亘って車載スペース20として利用できるように構成されている。
【0043】
この他、上記左右の側部フレーム23、23の上面と、上記車載プレート55には、一例として角穴状をした係止穴81が複数設けられており、これらの係止穴81を利用して積載した被積載車両Aをスライド昇降台19上に固定する固定具65取付け用の係止金具67が取り付けられている。
尚、上記固定具65としてはチェーンや固定ベルトが一例として採用でき、上記係止金具67としては、上記チェーンを引掛ける係止フックや、上記固定ベルトを通す係止リング等が採用可能である。
【0044】
支承ローラ27は、図9に示すように左右両端にフランジ69を備えたローラで、ブラケット71及びボルト、ナットによって、支持枠3と共に運搬車両Bの荷台C後端部に自由回転可能な状態で取り付けられている。
また、支承ローラ27は、運搬車両Bの荷台C後端部における幅方向Xの左右両端部に2基設けられており、左右のフランジ69、69によって挟まれたローラ本体部70の長さは、上述した連結アーム15の下端面21と、上述したスライド昇降台19の側部フレーム23の下面25と、に転接できる長さに設定されている。
【0045】
駆動伝達手段29は、図2、3等に示すように電動モータ31の出力軸32に取り付けられる駆動スプロケット33と、上記運搬車両Bの荷台C後端部側に取り付けられる従動スプロケット35と、両端部73、75が上記連結アーム15の第1ガイドローラ11が設けられている一端側に接続され、中間部がS字状に折り返されて上記駆動スプロケット33と従動スプロケット35との間に巻回されているチェーン37と、を備えるチェーン駆動伝達機構29Aによって構成されている。
【0046】
また、上記チェーン駆動伝達機構29Aは、運搬車両Bの荷台Cにおける幅方向Xの中心に荷台Cの長手方向に延びるように1組設けられている。
また、チェーン37の具体的なレイアウトは、上記チェーン37の一端73が、上記走行枠49の上面から門型に立ち上げられている取付けフレーム77に固定されており、該チェーン37は、前方に繰り出されて荷台Cの前端側の駆動スプロケット33に巻回された後、後方に繰り出される。そして、上記取付けフレーム77の門型の内部空間を通って荷台Cの後端側の従動スプロケット35に巻回され、再び前方に繰り出されて上記走行枠49の後面にチェーン37の他端75が固定されるという構成になっている。
【0047】
次に、このようにして構成される本実施の形態による車載式昇降装置1の作動態様を(1)移載時と、(2)昇降時と、(3)固定・運搬時とに分けて説明する。
(1)移載時(図1〜4参照)
被積載車両Aを地面GL上からスライド昇降台19上に移載する場合や、被積載車両Aをスライド昇降台19上から降ろして地面GL上に移載する場合は、リモコン79等を操作して図示のように走行枠49を荷台Cの後端側に移動させ、支持ローラ17、17を地面GL上に接地させてスライド昇降台19を地面GL上に水平に位置させた状態にする。
【0048】
次に、被積載車両Aを前進させて車載プレート55の案内スロープ59の先端部60側から移載案内位置Nに進入させる。尚、この際、上記先端部60の乗込み高さH1と乗込み角度θ1が極めて小さな値に設定されており、案内スロープ59の上面がなだらかな傾斜の湾曲面によって構成されているから、被積載車両Aの車体Eの一部(例えばフロントスポイラーF)が車載プレート55に衝突することなく、円滑な被積載車両Aの乗込み開始が実行される。
【0049】
被積載車両Aは、そのまま前進を続け、前輪と後輪の両方が水平載置部57に到達して被積載車両Aの前輪が上記輪止め85に当接した位置が移載完了位置Mとなり、被積載車両Aのスライド昇降台19上への移載が完了する。
尚、この間の移載でも、水平載置部57の水平支持高さH2が上述したように低く、車載プレート55全長の平均傾斜角度θ2が上述したように極めて小さく設定されているから、被積載車両Aはほとんどフラットな姿勢を保って移載完了位置Mまで移動することができるようになっている。
そして、スライド昇降台19上に被積載車両Aが移載されたら、固定具45と係止金具67とを使用して被積載車両Aをスライド昇降台19上に固定する。
【0050】
(2)昇降時(図1、5、6参照)
上記移載位置から被積載車両Aを運搬車両Bの荷台C上に引き上げる場合や運搬車両Bの荷台C上の積載位置から被積載車両Aを上記移載位置まで下降させる場合には、リモコン79等を操作して図示のように走行枠49を荷台Cの前端側に向けて少し移動させる。
これに伴ない、支承ローラ27と連結アーム15の下端面21との当接位置が連結アーム15の第2ガイドローラ13が設けられている他端側に向けて徐々に移動し、連結アーム15は、第1ガイドローラ11が設けられている一端側を支点として回動し、上記図1に示す傾斜姿勢から図5に示す水平姿勢に移行する。
【0051】
この時のスライド昇降台19ないし被積載車両Aの姿勢は、上記移載時での水平姿勢から一端側が上記連結アーム15によって徐々に引き上げられて図5に示す傾斜姿勢へと移行して行く。
この状態から更に走行枠49を荷台Cの前端側に向けて移動させると、連結アーム15の他端側に設けられている第2ガイドローラ13が、上部ガイドレール7のレール溝45内に進入して係合するようになり、支承ローラ27のローラ本体部70には、スライド昇降台19における側部フレーム23が当接して案内されるようになる。
【0052】
尚、この時のスライド昇降台19の傾斜角度は、上部ガイドレール7と第1ガイドローラ11との接点と、スライド昇降台19の側部フレーム23の下面25と上記支承ローラ27との接点と、によって決定され、上記傾斜案内部53のレール溝45に倣って滑らかに傾斜角度が変化するように構成されている。
そして、第2ガイドローラ13が上部ガイドレール7の水平部51に達すると、スライド昇降台19と被積載車両Aが再び水平姿勢になる積載位置に移行する。
【0053】
(3)固定・運搬時(図7〜9参照)
上記積載位置から被積載車両Aを運搬する場合の固定位置まで移動させる場合には、リモコン79等を操作して図示のように走行枠49を荷台C前端の固定位置まで移動させる。
尚、この時のスライド昇降台19と被積載車両Aの姿勢は、上記水平姿勢のままである。
【0054】
連結アーム15及び走行枠49が固定位置に達すると、スライド昇降台19の車載プレート55の前端面が上記傾斜カバー43の後端面に当接するようになってスライド昇降台19のこれ以上の前方への移動が規制される。
尚、この時のスライド昇降台19の後端面の位置は、荷室D内に収まるよう、運搬車両Bの荷台Cにおける後端面の位置よりも内側に位置するように設定されている。
【0055】
そして、必要に応じてロープ等によって被積載車両Aを運搬車両Bの荷台Cに固定し、荷室D後面の扉を閉めて目的地に向けて運搬車両Bを走行させて前記被積載車両Aを運搬する。
また、目的地に到着したら、上記と逆の手順で運搬車両Bの荷台C上の被積載車両Aを固定位置から積載位置、昇降位置、移載位置へと移動させて地面GL上に降ろすようにする。
【0056】
尚、本発明の車載式昇降装置1は、上記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での設計変更が可能である。例えば、前記支持ローラ17は、車載スペース20の幅方向Bの外方位置に配設する他、当該外方位置に張り出させたくない場合には、車載スペース20内に収まる位置に支持ローラ17を配置することが可能である。
また、積載する被積載車両Aに合わせて支持ローラ17のオフセット量Sを調節したい場合には、支持ローラ17を支持しているブラケット24の前記側部フレーム23側の端面に前記側部フレーム23に入れ子状に内嵌する伸縮ロッド等を設けて、前記側部フレーム23側から突出するロックボルト等によって前記伸縮ロッドを適宜の位置で固定して支持ローラ17のオフセット量Sを調節するようにすることも可能である。
また、積載する被積載車両Aや運搬車両Bの種類や形式、積載重量等も本実施の形態のものに限らず任意である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の車載式昇降装置は、被積載車両を運搬車両の荷台に積載して運搬している業者や個人において利用でき、特に簡単、コンパクトな構造で安価に車載式昇降装置を既存の運搬車両に搭載して車体の最低地上高さの低い被積載車両を運搬したい場合に利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0058】
1 車載式昇降装置
3 支持枠
5 側縁部
7 上部ガイドレール
9 下部ガイドレール
11 第1ガイドローラ
13 第2ガイドローラ
15 連結アーム
17 支持ローラ
19 スライド昇降台
20 車載スペース
21 下端面
22 支持フレーム
23 側部フレーム
24 ブラケット
25 下面
27 支承ローラ
29 駆動伝達手段
29A チェーン駆動伝達機構
31 電動モータ
32 出力軸
33 駆動スプロケット
35 従動スプロケット
37 チェーン
39 駆動装置室
41 ブラケット
43 傾斜カバー
45 レール溝
47 レール溝
49 走行枠
51 水平部
53 傾斜案内部
55 車載プレート
57 水平載置部
59 案内スロープ
60 先端部
61 回動軸
63 弾性フラップ
65 固定具
67 係止金具
69 フランジ
70 ローラ本体部
71 ブラケット
73 一端
75 他端
77 取付けフレーム
79 リモコン
81 係止穴
83 切欠き部
85 輪止め
A 被積載車両
B 運搬車両
C 荷台
D 荷室
E 車体
F フロントスポイラー(整流板)
H1 乗込み高さ
O 支点位置
S オフセット量
θ1 乗込み角度
H2 水平支持高さ
X 幅方向
G 隙間
θ2 平均傾斜角度
T 最低地上高さ
GL 地面
M 移載完了位置
N 移載案内位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬車両の荷台に設置される支持枠と、
上記支持枠の左右の側縁部に沿うように、その上方に設けられる上部ガイドレール及び下部ガイドレールと、
一端に上記下部ガイドレールと常時、係合する第1ガイドローラを備え、他端に上記上部ガイドレールと積載途中の階段及び運搬時において係合する第2ガイドローラを備えた左右一対の連結アームと、
一端が上記連結アームの他端と回動自在に接続され、他端に支持ローラを備えた被積載車両積載用のスライド昇降台と、
運搬車両の荷台後端部側に設けられ、上記連結アームの下端面と、上記スライド昇降台における左右の側部フレームの下面とに転接して上記連結アームとスライド昇降台の移動を案内する支承ローラと、
上記連結アームの一端に接続され、上記連結アームを運搬車両の荷台の長手方向に沿って往復移動させる駆動伝達手段と、
上記駆動伝達手段に駆動力を付与する正逆転可能な電動モータと、を具備し、
前記スライド昇降台には、被積載車両の移載完了位置に設けられる水平載置部と、該水平載置部に隣接する移載案内位置に設けられる案内スロープと、を備える車載プレートが配設されており、前記スライド昇降台が移載位置にある時、前記案内スロープの先端部の位置が地面に極めて接近した乗込み高さになるように前記支持ローラの支点位置が上記案内スロープの先端部の位置よりも所定のオフセット量、更に先方に位置するように設定されていることを特徴とする車載式昇降装置。
【請求項2】
前記案内スロープの先端部の乗込み高さは、5mm〜10mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の車載式昇降装置。
【請求項3】
前記支持ローラの支点位置のオフセット量は、50mm〜150mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の車載式昇降装置。
【請求項4】
前記スライド昇降台が移載位置にある時の前記案内スロープの先端部での乗込み角度は、1〜2°に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車載式昇降装置。
【請求項5】
前記スライド昇降台が移載位置にある時の前記水平載置部の地面からの水平支持高さは40mm〜50mmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車載式昇降装置。
【請求項6】
前記支持ローラは、前記スライド昇降台の車載スペースにかからない幅方向の外方位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車載式昇降装置。
【請求項7】
前記案内スロープの先端部には、当該先端部と地面との間の隙間を埋める弾性フラップが設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車載式昇降装置。
【請求項8】
前記上部ガイドレールの後端部には、中央が高くなるように山状に屈曲形成された緩やかな傾斜の傾斜案内部が設けられており、前記連結アームは、中間部が上方に変位するように湾曲した形状を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車載式昇降装置。
【請求項9】
前記運搬車両は、箱型の荷室を持ったバン型車であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車載式昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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