説明

車載式標識収納取出装置

【課題】高速道路上の規制作業に使用される標識類をトラックの荷台に乗ることなく、標識の収納取出が出来る。
【解決手段】旋回アーム4とスライドロール6、標識受アーム3及び移動台車11のリンク機構組み合わせにより、標識の収納取出を行う。その作業時は道路交通法の高さ制限を遵守し、トラックの荷台外に標識取出が可能。又衝突緩衝器が装着されたトラックであれば、その衝突緩衝器を越えて標識収納取出を可能とした装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
高速道路上での工事規制に於ける、作業トラック上からの標識取り出しと収納に関する機械化。
【背景技術】
【0002】
高速道路上で、同一トラック上に積載された標識及び規制機材(通称ラバーコーン)の設置回収作業に関し、既に同一トラック上でのラバーコーンの設置回収作業の全自動、半自動の機械化が進捗中。従って総体的な規制作業の作業性と安全性向上を目指した機械化を目指し、車載式標識収納取出装置が求められる。
【0003】
【非特許文献1】 特許出願公開番号 特開2003−206514 発明の名称 規制機材(通称ラバーコーン)の設置回収時における転倒防止装置
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高速道路上での規制作業は、現地出発前のトラック荷台へのラバーコーンや標識類の積込み作業がある。ラバーコーンは100〜200本、標識類は16本程度の積込みとなり荷台上は足の踏み場がないくらいの状態。又標識1本あたり約10kgで、長尺(標識全長最大3.5m)の為、荷台の積込みだけでもかなりの重労働。標識円盤は、最大900mmもあり長尺の為、強風時の積み込みは、危険を伴う。
このような状態で出発し、作業現場到着後の作業は、足の踏み場のない状態から、一本ずつ標識をトラック上から高速車両が頻繁に通行する路上で待機する作業員に、手渡ししているのが現状。特に高速道路上での標識手渡し作業は、強風等により、煽られ危険作業この上ない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
トラック上への標識積込作業や現場での標識取出を、作業員一人で収納取出を可能とする装置。作業出発時の標識積込みは、押ボタンスイッチにより積み込みをセレクトすると、アームがトラック後方の荷台外にせり出し、標識の受け入れ準備が整う。所定の標識を、順次そのアームにクランプ固定し、押ボタンスイッチによりトラック荷台上に移送固定する。また本装置は、標識を向かい合わせて2本1セットとし、収納取出を行う。この作業を繰り返し所定の本数をトラックの荷台に装着し作業準備完了となる。
【0006】
同様に、現場での標識取出作業では、路上での押ボタン操作によりクランプされた標識を、トラックの荷台に上ることなく、一人で路面近くまで標識を荷降ろし、クランプを解除して、標識を設置する。この作業を繰り返し、所定の標識を設置していく。この装置により荷降ろし中での強風での煽りや、持ち損ねによる事故も削減できる。
【発明の効果】
【0007】
この発明により、従来危険極まりない高速道路上でのトラック上からの標識の取り出しやその手渡し作業が省け、作業員一人で路上の標識受け取りが可能となる、強風での煽りや手渡しミスが防止でき、又標識設置作業の安全性が向上。又作業終了時に於いても、路上から所定のアームを呼び出し、標識を手元でクランプ装着が可能となり、荷台の上がること無く、荷揚げ移送でき作業性も向上する。この作業を繰り返し、荷台に所定の標識を装着できる。
【0008】
この装置は、トラックの後方に衝突緩衝器が装着されてる場合でも、その衝突緩衝器を超えて標識の収納取出が可能。衝突緩衝器がない場合でも共用が出来る。又衝突緩衝器がない場合の専用であれば、装置がよりコンパクトになる。
【0009】
本装置は車載式のため、倉庫等で標識類の事前準備が出来、トラックの荷台に装置ごとユニック等で積込みが可能。又装置の下部は空間が確保でき、他の規制機材の積込みが可能となり、トラック荷台の有効活用ができる。
【図面の簡単な説明】
【00010】
【図1】トラック上の車載式標識収納取出装置の収納時正面図
【図2】トラック上からの標識収納取出時の正面図
【図3】標識収納時に於ける装置の正面図
【図4】標識取出過程に於ける装置の平面図
【図5】標識取出完了時に於ける装置の状態図
【図6】標識取出過程に於けるストッパー解除の状態
【図7】標識取出過程に於けるストッパーロックの状態図
【図8】標識収納取出装置の正面図
【図9】標識収納取出装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、標識受けフレーム3の長穴部に、旋回アーム4に装着したスライドローラー6と、移動台車11に装着したアーム13をピン22で連結する。又この標識受けフレーム3に標識18をクランプネジ24固定した状態図を示す。移動台車11は、駆動スプロケット10と従動スプロケット14を連結した中間にセットし、駆動モーター2によって往復運動させる機構。
【0012】
図2は、トラックの荷台外に標識を取出した状態図。動作工程は、移動台車11が、駆動モーター2の駆動信号により駆動され、トラック後方へ移動し始める。このとき標識受けフレーム3の長穴部が、旋回アーム4に固定されたスライドローラー6を介して移動し、長穴部端部まで達したら旋回シャフト7を中心に、旋回アーム4を、90度回転させる。このとき旋回と同時にストッパースプリング19によってストッパーアーム16が、標識受けフレーム3の短部をロックし、その状態で共に90度回転する。図6と図7に状態図を示す。
【0013】
図3は、標識18を標識受けフレーム3に取り付けた状態図。実際の取り出し作業は、駆動モーター2の駆動により、駆動スプロケット10と従動スプロケット14をチェーン12で連結した中間に装着された移動台車の移動により、標識受けフレーム3の長穴部を移動させる。(図4)
【0014】
図4において、標識受けフレーム3の長穴部の移動端に来たとき、ストッパーアーム16をスプリング19により引き上げ、標識受けフレーム3と旋回アーム4をロックし、旋回時の分離を防止する。これにより標識の旋回運動がスムーズに、可動する。図6はストッパーアーム16が解除されている状態図。図7はストッパーアーム16が標識受けフレーム3の端面にロックされた状態図。
【0015】
図5は、標識18を取出し位置に繰り出した状態図。図8は標識を乗せてない状態図。図9はその平面図を示す。
【符号の説明】
【0016】
1 本体フレーム
2 駆動モーター
3 標識受フレーム
4 旋回アーム
5 ガイドフレーム
6 スライドローラー
7 旋回シャフト
8 シャフトサポート
9 ローラー
10 駆動スプロケット
11 移動台車
12 チェーン
13 アーム
14 従動スプロケット
15 支点ピン
16 ストッパーアーム
17 テンション部
18 標識
19 ストッパー用スプリング
20 トラック
21 標識クランプ
22 緩衝器
23 ローラー押えプレート
24 標識クランプネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長穴部を設けた標識受フレーム3と、旋回アーム4に装着されたスライドローラー6、及び移動台車11との組合せリンク機構による標識収納取出装置。
【請求項2】
長穴部を設けた標識受フレーム3と、旋回アーム4に装着されたスライドローラー6、及び移動台車11との組合せリンク機構により、トラックの後部に装着された衝突緩衝器を越えて、標識の受け渡しが可能な標識収納取出装
【請求項4】
トラックの荷台上に積載された標識個々収納取出及び積載された標識全体収納取出装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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