説明

車載用電子機器

【課題】本発明は、車載用電子機器において、車内環境(騒音)の悪化を抑制することを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、光ディスク5の駆動部7と、この駆動部7に接続された制御部8と、この制御部8に接続された光情報読取部9、および録音用メモリー10とを備え、前記制御部8に車速検出部11を接続するとともに、この制御部8は、前記車速検出部11によって検出した車速が、所定スピード以上の状態で、所定時間以上継続した場合に、前記駆動部7の駆動スピードを高速回転させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクの駆動部を有する車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種、車載用電子機器の構成は、以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、光ディスクの駆動部と、この駆動部に接続された制御部と、この制御部に接続された光情報読取部、および録音用メモリーとを備え、駆動部で駆動した光ディスクの情報は、光情報読取部で読み取り、録音用メモリーに記録するようになっていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−158056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例では、車速が遅いときには、光情報読取部による読み取りエラーが発生する可能性が低いので、駆動部を高速駆動し、また車速が速いときには、光情報読取部による読み取りエラーが発生する可能性が高いので、駆動部を低速駆動するようにしている。
【0006】
しかしながら、車速が遅いときには、車自体の運転騒音、例えば風きり音等が小さいので、前記車載用電子機器の駆動部を高速駆動したことによる、この駆動部からの駆動音が騒音として顕在化し、車内環境が損なわれるという課題が発生することとなっていた。
【0007】
特に、電気自動車のような運転音の小さな自動車においては、前記駆動部による騒音が大きく、顕在化し、新たな課題として注目されている。
【0008】
そこで本発明は、車載用電子機器駆動音による車内環境(騒音)の悪化を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、光ディスクの駆動部と、この駆動部に接続された制御部と、この制御部に接続された光情報読取部、および録音用メモリーとを備え、前記制御部に車速検出部を接続するとともに、この制御部は、前記車速検出部によって検出した車速が、所定スピード以上の状態で、所定時間以上継続した場合に、前記駆動部の駆動スピードを高速回転させる構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、光ディスクの駆動部と、この駆動部に接続された制御部と、この制御部に接続された光情報読取部、および録音用メモリーとを備え、前記制御部に車速検出部を接続するとともに、この制御部は、前記車速検出部によって検出した車速が、所定スピード以上の状態で、所定時間以上継続した場合に、前記駆動部の駆動スピードを高速回転させる構成としたものであるので、車載用電子機器駆動音による車内環境の悪化を抑制することができる。
【0011】
すなわち、本発明において、前記駆動部の駆動スピードを高速回転させる場合とは、前記車速検出部によって検出した車速が、所定スピード以上の状態で、所定時間以上継続した場合であって、このときには車自体の運転騒音、例えば風きり音等も大きく、前記車載用電子機器の駆動部を高速駆動したことによる駆動音が騒音として顕在化することはなく、その結果として、車内環境の悪化を抑制することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を搭載した自動車の車内を示す斜視図
【図2】同制御ブロック図
【図3】同動作フローチャート
【図4】同動作説明用の特性図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は自動車の車内を示し、この車内1前方にはハンドル2が配置され、またこのハンドル2の側方には車載用電子機器3が配置されている。
【0014】
この車載用電子機器3を構成する本体ケース4の前方には、図2に示す光ディスク5を挿入、または引き出す開口部6が設けられている。
【0015】
前記本体ケース4内には、図2に示すごとく、光ディスク5を回転駆動する駆動部7と、この駆動部7に接続された制御部8と、この制御部8に接続された光情報読取部9、および録音用メモリー10とを備えている。
【0016】
本実施形態においては、前記制御部8に車速検出部11、およびタイマー12を接続している。
【0017】
以上の構成において、開口部6から光ディスク5を挿入(図3のS1)すると、この光ディスク5は駆動部7によって回転駆動され、この光ディスク5内の情報は光情報読取部9によって読み取られる。
【0018】
そして、この読み取られた情報は、次に制御部8において、既に録音用メモリー10に録音済みのものか、否かの判定が行われる(図3のS2)。
【0019】
そして、この判定の結果、既に録音用メモリー10に録音済みのものであると判定されたときには、通常の再生が行われ、車内1に設けたスピーカ(図示せず)から、音声出力がされる(図3のS3)。
【0020】
また、録音用メモリー10に録音されていないものであると判定されたときには、前記通常の音声出力を出しながら、録音用メモリー10への録音が開始される(図3のS4)。
【0021】
なお、このように通常再生と、録音を同時に行うために、周知のごとく光情報読取部9の出力側にはバッファー(図示せず)が配置され、このバッファーからの出力を前記スピーカと録音用メモリー10に供給するようになっている。
【0022】
この場合、スピーカからの音声出力は駆動部7の回転速度に関われず一定となっているが、録音用メモリー10への録音は、回転速度が速ければその分早く録音が完了する。
【0023】
そこで、本実施形態の制御部8は、前記車速検出部11によって検出した車速によって駆動部7の回転速度を低速回転か、高速回転に切り替えるようにしている。
【0024】
具体的には、前記制御部8は、前記車速検出部11によって検出した車速が、所定スピードよりも遅い(例えば39キロメートル/時間以下)の場合には、駆動部7の回転速度を低速回転させる(図3のS5、S6)。
このとき、自動車の車速が遅いので、車自体の運転騒音、例えば風きり音等も小さく、それにともなって車内1の運転騒音も小さなものとなっているが、前記車載用電子機器3の駆動部7を低速駆動したことにより、その駆動音も図4のA線のごとく小さい状態となっている。
【0025】
このため、駆動部7の駆動音が車内1の騒音として顕在化することはなく、その結果として、車内1環境の悪化を抑制することができるのである。
【0026】
また、(図3のS5)において、前記車速検出部11によって検出した車速が、所定スピードよりも速い(例えば40キロメートル/時間以下)の場合で、その状態が所定時間以上(タイマー12で測定した時間が例えば1分以上)継続した場合に、前記駆動部7の駆動スピードを高速回転させる(図3のS7、S8)。
【0027】
そうすると、光情報読取部9による読み取りも速くなるので、録音用メモリー10への録音時間は短時間となる。
また、このように駆動部7の駆動スピードを高速回転させると、駆動部7の駆動音は図4のB線のごとく大きい状態となるが、この図3において特に大きな音圧レベルを示す1Kz〜5Kzは、自動車を例えば40キロメートル/時間以上で運転しているときの、運転音(風切り音)と略同じ周波数帯域であって、自動車の運転音(風切り音)の方が、遥かに音圧レベルが高いので、前記車載用電子機器3の駆動部7を高速駆動したことによる駆動音が騒音として顕在化することはなく、その結果として、車内1環境の悪化を抑制することができるのである。
【0028】
なお、(図3のS5)において、前記車速検出部11によって検出した車速が、所定スピードよりも速い(例えば40キロメートル/時間以下)の場合で、その状態が所定時間以上(例えば1分以上)継続した場合に、前記駆動部7の駆動スピードを高速回転させる構成とした理由は、自動車がスムーズに進行している状態を想定したときに、この駆動部7の駆動スピードを高速回転させるようにするためである。
【0029】
すなわち、自動車がスタートしたり、止まったりを繰り返す状態で駆動部7の駆動スピードを低速回転と高速回転を繰り返すと、制御部8の動作が煩雑になるとともに、車速低下時に駆動部7の駆動音が気になるときが発生するので、これらを避けるためである。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように本発明は、前記駆動部の駆動スピードを高速回転させる場合とは、前記車速検出部によって検出した車速が、所定スピード以上の状態で、所定時間以上継続した場合であって、このときには車自体の運転騒音、例えば風きり音等も大きく、前記車載用電子機器の駆動部を高速駆動したことによる車載用電子機器駆動音が騒音として顕在化することはなく、その結果として、車内環境の悪化を抑制することができるのである。
【0031】
したがって、車載用電子機器としての活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0032】
1 車内
2 ハンドル
3 車載用電子機器
4 本体ケース
5 光ディスク
6 開口部
7 駆動部
8 制御部
9 光情報読取部
10 録音用メモリー
11 車速検出部
12 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクの駆動部と、この駆動部に接続された制御部と、この制御部に接続された光情報読取部、および録音用メモリーとを備え、前記制御部に車速検出部を接続するとともに、この制御部は、前記車速検出部によって検出した車速が、所定スピード以上の状態で、所定時間以上継続した場合に、前記駆動部の駆動スピードを高速回転させる構成とした車載用電子機器。
【請求項2】
所定スピードは40キロメートル/時間とした請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
所定時間は1分とした請求項1または2に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−208997(P2012−208997A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75053(P2011−75053)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】