車載監視装置
【課題】 車両周辺の状況を撮像した撮像画像を表示するとともに、監視カメラの撮像エリアを示す撮像エリアイラストを表示して、監視カメラの撮像範囲を容易に視認できるようにする。
【解決手段】 監視カメラ11〜16は車両20に取り付けられて、車両の周辺状況を撮像して撮像画像を得る。表示制御手段17では監視カメラの取り付け位置を基準として、例えば、監視カメラの撮像方向、焦点距離、及び被写体までの距離に応じて監視カメラの撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成して、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示手段18a上に表示制御する。
【解決手段】 監視カメラ11〜16は車両20に取り付けられて、車両の周辺状況を撮像して撮像画像を得る。表示制御手段17では監視カメラの取り付け位置を基準として、例えば、監視カメラの撮像方向、焦点距離、及び被写体までの距離に応じて監視カメラの撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成して、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示手段18a上に表示制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載され車両周辺の状況を撮像して、その撮像画像を車内に表示して車両周辺の状況を監視する車載監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両周辺の状況をカメラ等で撮像画像として撮像し、この撮像画像を車内に配置されたモニター等の表示装置に表示するようにした車載監視装置があり、ドライバーはこの車載監視装置によって車両周辺の状況を監視するようにしている。そして、この種の車載監視装置においては、複数の撮像範囲を表示装置に切り替え表示するようにしたものがある。
【0003】
例えば、表示装置によって表示される複数の撮像範囲を切り替える際、表示装置によっていずれの撮像範囲が表示されているかを容易に認識するため、撮像装置によって車両周辺の複数の撮像範囲を撮像し、タッチパネル及びシフトポジション信号等の車両状態等を示す各種信号に基づいて表示装置に表示する撮像範囲を切り替えるようにしたものがあり、ここでは、ユーザの操作に応じて撮像範囲の切替を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、車載監視装置においては、カメラで撮像された画像のみでは、ドライバーが車両周辺の被写体までの距離を誤認することがあるため、撮像画像に距離表示等のイラストデータを重畳して表示し、ドライバーが距離感等を誤認することを回避するようにしているものがあり、ここでは、撮像画像を運転席から視認可能な画面に表示するととともに、距離表示を行うイラストデータを撮像画像に重畳して画面に表示する際、車高が変化して撮像画像の大きさ及びスケールが変化すると、この変化に対応してイラストデータの大きさ及びスケールも変化させて表示するようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−116125公報(第3頁〜第5頁、第1図〜第9図)
【特許文献2】特開2002−293196公報(第3頁〜第5頁、第1図〜第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の車載監視装置は以上のように構成されているので、ドライバーの操作(意思)によって複数の撮像範囲を選択的に表示状態又は非表示状態としているものの、単にドライバー操作によって複数の撮像範囲を選択的に表示/非表示としているだけであって、撮像範囲(撮像エリア)をドライバーの操作に応じて変更することはできず、この結果、ドライバーは複数の撮像範囲を表示/非表示に選択することができるだけであって、ドライバーが所望する撮像範囲が視認できないことがあるという課題があった。
【0007】
さらに、従来の車載監視装置においては、撮像カメラの撮像範囲をドライバーが確認することができず、つまり、撮像範囲毎に画像を表示/非表示としているだけであるから、ドライバーにとっては撮像カメラの撮像範囲を確認することができず、この結果、車両周辺に死角部分が存在することを確認できないという課題があった。
【0008】
また、従来の車載監視装置では、撮像画像に距離表示等のイラストデータを重畳して表示して、車高が変化して撮像画像の大きさ及びスケールが変化すると、この変化に対応してイラストデータの大きさ及びスケールも変化させるようにしているものの、イラストデータには距離表示等が行われるだけであって、撮像範囲をドライバーの操作に応じて変更することができず、しかも、ドライバーには撮像カメラの撮像範囲を確認することができないという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ドライバーの操作に応じて撮像範囲の変更ができ、しかも撮像カメラの撮像範囲を確認することのできる車載監視装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る車載情報装置は、車両に取り付けられ、車両周辺の状況を撮像して撮像画像を得る撮像手段と、撮像画像を表示する表示手段とを有し、さらに、撮像手段の取り付け位置を基準としてその撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成する生成手段と、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示手段上に表示制御する表示制御切換手段とを有すること特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、この発明によれば、撮像手段の取り付け位置を基準として、その撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成して、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示手段上に表示制御するように構成したので、撮像手段の撮像範囲を示す撮像エリアを容易に確認することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における車載監視装置を示すものである。図1において、車載監視装置10は車両20に搭載され、車載監視装置10は少なくとも一台の監視カメラ(撮像手段)を有している。図示の例では、6台の監視カメラ11〜16が備えられ、監視カメラ11〜13は車両20の前部に配設され、監視カメラ14及び15は車両20の側部に配設されている。そして、監視カメラ16は車両20の後部に配設されている。
【0013】
図1に示すように、監視カメラ11は車両の前方下側を撮像し、その撮像エリア(撮像範囲)は符号A1で示されている。監視カメラ12及び13はそれぞれ撮像エリアA2及びA3で左斜め前方及右左斜め前方を撮像する。また、監視カメラ14及び15はそれぞれ撮像エリアA4及びA5で左側方及び右側方を撮像し、監視カメラ16は撮像エリアA6で後方を撮像する。つまり、監視カメラ11〜16によって車両20の周辺状況が撮像されることになり、監視カメラ11〜16で撮像された画像(以下監視カメラ11〜16で撮像された画像をそれぞれ第1〜第6の撮像画像と呼ぶことにする)は、表示制御手段17に与えられ、表示制御手段17は後述するようにして、第1〜第6の撮像画像を入力表示手段18上に表示する。
【0014】
図2も参照して、入力表示手段18はモニター(表示手段)18a及びモニター18a上に形成されたタッチパネル(入力手段)18bを有しており、表示制御手段17は撮像エリアイラスト形状演算部(撮像エリアイラスト生成手段)17a、表示切替制御部(表示切換制御手段)17b、及び画像処理部17cを有している。撮像エリアイラスト形状演算部17aには監視カメラ毎にカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体までの距離(被写体距離)が与えられる。
【0015】
そして、撮像エリアイラスト形状演算部17aは、監視カメラ11〜16の取り付け位置を基準として、これらカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体距離に基づいて、後述するようにして、各監視カメラ11〜16の撮像エリアA1〜A6を示す撮像エリアイラストを生成する。
【0016】
撮像エリアイラストは表示切換制御部17bに渡されて、表示切換制御部17bは撮像エリアイラストを画像処理部17cに渡し、画像処理部17cでは撮像エリアイラストを画像処理してモニター18a上に撮像エリアイラストを表示する。監視カメラ11〜16からの第1〜第6の画像は画像処理部17cに与えられ、ここで画像処理された後、モニター18aに表示されることになるが、後述するようにして、タッチパネル18bを操作すると、表示切換制御部17bは第1〜第6の撮像画像を選択的にモニター18a上に表示する。例えば、各監視カメラ11〜16の出力ポート(映像ポート)の切り替えを行って、第1〜第6の撮像画像を選択的にモニター18a上に表示する。
【0017】
なお、監視カメラ11〜16はその方向が移動可能であり、後述するようにして、タッチパネル18bの操作に応じて監視カメラ11〜16の撮像方向(カメラ方向)を変化させることができる。つまり、表示切換制御部17bは監視カメラ11〜16を駆動制御してその撮像方向(カメラ方向)を変化させることになる。
【0018】
次に動作について説明する。
図1〜図3を参照して、いま、車載監視装置10がオンされると、監視カメラ11〜16からの第1〜第6の撮像画像が画像処理部17cに与えられる(撮像画像の取り込み:ステップST1)。そして、第1〜第6の撮像画像は画像処理部17cで画像処理(変換処理)され(ステップST2)、モニター18a上に表示される(ステップST3)。
【0019】
ところで、監視カメラ11〜16の現時点のカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体距離が撮影エリアイラスト形状演算部17aに与えられて(現在のカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体までの距離情報を取り込む:ステップST4)、各監視カメラ11〜16毎にその撮像エリアイラストが求められる(ステップST5)。なお、レンズ焦点距離及び被写体距離(例えば、地面、壁面、人物、他の車両、景色等)は予め監視カメラ11〜16毎に定められており、撮影エリアイラスト形状演算部17aに設定されている。
【0020】
この撮影エリアイラストは表示切換制御部17bに与えられて、ここで、後述するようにして、表示切換処理を受けた後(ステップST6)、画像処理部17cで変換処理されて(ステップST7)、撮像エリアイラストがモニター18aに表示される(ステップST8)。
【0021】
図4を参照すると、図4はモニター18aの画面を示す図であり、モニター18aは撮像エリアイラスト表示部31及び撮影画像表示部32を有しており、車載監視装置10がオンされると、撮像エリアイラスト表示部31には撮像エリアイラスト41が表示され、撮像画像表示部32には第1〜第6の撮像画像A1〜A6が表示される(ここでは、説明の便宜上、第1〜第6の撮像画像は撮像エリアと同一の符号を用いる)。
【0022】
図4に示すように、撮像エリアイラスト41には車両イラスト41aが表示され、この車両イラスト41aには監視カメラ11〜16の取り付け位置C1〜C6が示され、各取り付け位置C1〜C6から監視カメラ11〜16の撮像エリアA1〜A6を示すエリアイラスト41b〜41gが示されている。これらエリアイラスト41b〜41gはカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体距離に応じて算出されたものである。
【0023】
一方、撮像画像表示部32には第1〜第6の撮像画像A1〜A6が表示され、図4において、上側を車両20の前方とした際には、監視カメラ11〜16に応じて撮影画像表示部32が六分割されて、図示のように、第1〜第6の撮像画像A1〜A6が表示される。つまり、監視カメラ11〜16の取り付け位置に対応付けて、左前方撮像画像A2、前方下撮像画像A1、右前方撮像画像A3、左側方撮像画像A4、後方撮像画像A6、及び右側方撮像画像A5が撮像画像表示部32に表示されることになる。
【0024】
いま、図5に示すように、第1〜第6の撮像画像A1〜A6がモニター18aに表示されている状態で(なお、図5においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、所望の画像を選択すると、当該選択された撮像画像のみが撮像画像表示部32に表示される。
【0025】
ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第2〜第5の撮像画像A2〜A5を選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ12〜15の映像ポートのみを選択するように切換制御を行って、画像処理部17cに監視カメラ12〜15からの映像信号(第2〜第5の撮像画像)のみが与えられる。この際には、撮影画像表示部32は、図6に示すように、4分割されて、監視カメラ12〜15の取り付け位置に対応付けて第2〜第5の撮像画像が撮影画像表示部32に表示される。
【0026】
さらに、表示切換制御部17bでは撮像エリアイラスト形状演算部17aから与えられる撮像エリアイラストを表示切換処理して、ドライバーの選択に応じた画像を撮像する監視カメラ以外のエリアイラストを削除して、修正撮像エリアイラストとして、画像処理部17cに渡す。図6に示す例では、監視カメラ12〜15からの第2〜第5の撮像画像A2〜A5がドライバーによって選択されたから、図4に示すエリアイラスト41b及び41gが削除され、エリアイラスト41c〜41fが車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図6においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0027】
続いて、図5又は図6に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、3つの画像を選択すると、例えば、第1〜第3の撮像画像A1〜A3(又は第4〜第6の撮像画像A4〜A6)を選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ11〜13(又は監視カメラ14〜16)の映像ポートのみを選択するように切換制御を行って、画像処理部17cに監視カメラ11〜13(又は監視カメラ14〜16)からの映像信号(第1〜第3の撮像画像(又は第4〜第6の撮像画像))のみが与えられる。
【0028】
この際には、撮影画像表示部32は、図7に示すように、4分割されて、監視カメラ11〜13(又は監視カメラ14〜16)の取り付け位置に対応付けて第1〜第3の撮像画像(又は第4〜第6の撮像画像)が撮影画像表示部32に表示される。
【0029】
また、表示切換制御部17bでは撮像エリアイラストを表示切換処理して、監視カメラ14〜16(又は監視カメラ11〜13)からの第4〜第6の画像撮像A4〜A6(又は第1〜第3の撮像画像A1〜A3)に対応するエリアイラスト41e〜41g(又はエリアイラスト41b〜41d)が削除され、エリアイラスト41b〜41d(又はエリアイラスト41b〜41d)が車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図7においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0030】
同様にして、図5〜図7に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第1及び第6の画像A1及びA6を選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ11及び16の映像ポートのみを選択するように切換制御を行うことになって、撮影画像表示部32は、図8に示すように、横方向に2分割されて、監視カメラ11及び16の取り付け位置に対応付けて第1及び第6の撮像画像が撮影画像表示部32に表示されることになる。
【0031】
そして、この際には、エリアイラスト41b及び41gが車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図8においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0032】
さらに、図5〜図8に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第2及び第3の撮像画像A1及びA3(又は第4及び第5の撮像画像A4及びA5)を選択すると、表示切換制御部17bは、監視カメラ12及び13(又は監視カメラ14及び15)の映像ポートのみを選択するように切換制御を行うことになって、撮影画像表示部32では、図9に示すように、縦横方向に2分割されて、監視カメラ12及び13(又は監視カメラ14及び15)の取り付け位置に対応付けて、第2及び第3の撮像画像A1及びA3(又は第4及び第5の撮像画像A4及びA5)が撮影画像表示部32に表示されることになる。
【0033】
そして、この際には、エリアイラスト41c及び41d(又はエリアイラスト41e及び41f)が車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図9においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0034】
加えて、図5〜図9に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第1〜第6の画像A1〜A3のいずれかを選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ11〜16のいずれかの映像ポートのみを選択するように切換制御を行うことになって、撮影画像表示部32は、図10に示すように、第1〜第6の撮像画像A1〜A3のいずれかが撮影画像表示部32に表示されることになる。
【0035】
そして、この際には、エリアイラスト41b〜41gのいずれかが車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図10においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0036】
このようにして、ドライバーの選択に応じて図5〜図10のいずれかの状態で撮像画像表示部32に撮像画像を表示することができ、この際には、選択された撮像画像に対応するエリアイラストのみが表示されることになって、ドライバーは容易に監視カメラの撮像エリアを確認することができることになる。
【0037】
ところで、図10に示す状態において、ドライバーがタッチパネル18b上のカメラ方向調整ボタン(図示せず)をタッチすると、図11に示すように、モニター18a上に調整タッチパネルボタン51〜58が表示される。これらタッチパネルボタン51〜58は画面の中心を等間隔で取り囲むように配置されており、画面中心に対してタッチパネルボタン51は上方向、タッチパネルボタン52は右上方向、タッチパネルボタン53は右方向、タッチパネルボタン54は右下方向、タッチポネルボタン55は下方向、タッチパネルボタン56は左下方向、タッチパネルボタン57は左方向、タッチパネルボタン58は左上方向に配置されている(なお、画面中心はカメラ方向に対応している)。
【0038】
いま、第1の画像A1が表示されている状態で、タッチパネルボタン51〜58のいずれかをタッチすると、表示切換制御部17bは監視カメラ11を駆動制御して、タッチされたタッチパネルボタンに応じた方向に監視カメラ11のカメラ方向を変更する。例えば、タッチパネルボタン51をタッチすると、このタッチ時間に応じて、表示切換制御部17bは監視カメラ11のカメラ方向を上方向に変化させることになる。
【0039】
同様に、タッチパネルボタン52をタッチすると、このタッチ時間に応じて、表示切換制御部17bは監視カメラ11のカメラ方向を右上方向に変化させることになる(表示切換制御部17bが撮像エリア調整手段として機能する)。
【0040】
監視カメラ11のカメラ方向の変化はタッチパネルボタン51〜58の画面中心に対する配置位置に対応していることになり、ドライバーはタッチパネルボタン51〜58の配置位置と監視カメラ11のカメラ方向の変化方向を容易に認識できることになり、ドライバーは撮像画像表示部32に表示された撮像画像と撮像エリアイラスト表示部31に表示された撮像エリアイラスト41を確認しつつ、タッチパネルボタン51〜58を選択的にタッチすれば、ドライバー所望の方向に監視カメラ11のカメラ方向を変更できることになる。
【0041】
そして、監視カメラ11のカメラ方向の変化に応じて、図4に示すエリアイラスト41bが変化することになる。なお、第2〜第6の画像A2〜A6のいずれかが表示されている状態で、タッチパネルボタン51〜58のいずれかをタッチすると、同様にして監視カメラ12〜16のいずれかのカメラ方向を変更することができる。
【0042】
以上のように、この実施の形態1によれば、監視カメラによって車両周辺の状況を撮像して撮像画像を得て、監視カメラの取り付け位置を基準として、例えば、監視カメラのカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体までの距離に応じて監視カメラの撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成して、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示するように構成したので、ドライバーは容易に監視カメラの撮像エリアを確認することができるという効果がある。
【0043】
この実施の形態1によれば、撮像エリアの調整指示に応じて監視カメラのカメラ方向を変化させ、カメラ方向の変化に応じて撮像エリアイラストを変化させるように構成したので、ドライバーはカメラ方向を調整した際、極めて容易に監視カメラの撮像エリアの変化を確認することができるという効果がある。
【0044】
この実施の形態1によれば、タッチパネルに画面中心をカメラ方向として画面中心の回りにカメラ方向の変化方向と対応付けてタッチパネルボタンを配列するように構成したので、ドライバーがカメラ方向を調整する際、カメラ方向の変化とタッチパネルボタンとを容易に対応付けることができ、簡単にカメラ方向の調整を行えるという効果がある。
【0045】
この実施の形態1によれば、複数の監視カメラを備えて、画像選択指示に応じて、選択的に監視カメラで撮像された撮像画像を表示するように構成したので、ドライバーは所望の撮像画像のみを選択表示することができるという効果がある。
【0046】
この実施の形態1によれば、撮像エリアイラストに撮像手段毎の撮像エリアをエリアイラストとして示して、選択された撮像画像に対応するエリアイラストのみを備える撮像エリアイラストを表示するように構成したので、ドライバーが撮像画像を選択した際、当該撮像画像に対応する監視カメラに係る撮像エリアのみを容易に視認できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施の形態1による車載監視装置を概略的に示す図である。
【図2】図1に示す表示制御手段の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す車載監視装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2に示す表示手段に表示される撮像エリアイラスト表示部及び撮像画像表示部の一例を示す図である。
【図5】図4に示す撮像画像表示部に六つの撮像画像が分割表示された状態を示す図である。
【図6】図4に示す撮像画像表示部に四つの撮像画像が分割表示された状態を示す図である。
【図7】図4に示す撮像画像表示部に三つの撮像画像が分割表示された状態を示す図である。
【図8】図4に示す撮像画像表示部に二つの撮像画像が分割表示された状態(横方向)を示す図である。
【図9】図4に示す撮像画像表示部に二つの撮像画像が分割表示された状態(縦方向)を示す図である。
【図10】図4に示す撮像画像表示部に一つの撮像画像が表示された状態を示す図である。
【図11】図10に示す状態において、カメラ方向を調整する際にタッチパネル上に表示されるタッチパネルボタンの配列の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 車載監視装置、11〜16 監視カメラ、17 表示制御手段、17a 撮像エリアイラスト形状演算部、17b 表示切替制御部、17c 画像処理部、18 入力表示手段、18a モニター(表示手段)、18b タッチパネル(入力手段)、20 車両、31 撮像エリアイラスト表示部、32 撮影画像表示部、41 撮像エリアイラスト、41a 車両イラスト、41b〜41g エリアイラスト、51〜58 タッチパネルボタン。
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載され車両周辺の状況を撮像して、その撮像画像を車内に表示して車両周辺の状況を監視する車載監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両周辺の状況をカメラ等で撮像画像として撮像し、この撮像画像を車内に配置されたモニター等の表示装置に表示するようにした車載監視装置があり、ドライバーはこの車載監視装置によって車両周辺の状況を監視するようにしている。そして、この種の車載監視装置においては、複数の撮像範囲を表示装置に切り替え表示するようにしたものがある。
【0003】
例えば、表示装置によって表示される複数の撮像範囲を切り替える際、表示装置によっていずれの撮像範囲が表示されているかを容易に認識するため、撮像装置によって車両周辺の複数の撮像範囲を撮像し、タッチパネル及びシフトポジション信号等の車両状態等を示す各種信号に基づいて表示装置に表示する撮像範囲を切り替えるようにしたものがあり、ここでは、ユーザの操作に応じて撮像範囲の切替を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらに、車載監視装置においては、カメラで撮像された画像のみでは、ドライバーが車両周辺の被写体までの距離を誤認することがあるため、撮像画像に距離表示等のイラストデータを重畳して表示し、ドライバーが距離感等を誤認することを回避するようにしているものがあり、ここでは、撮像画像を運転席から視認可能な画面に表示するととともに、距離表示を行うイラストデータを撮像画像に重畳して画面に表示する際、車高が変化して撮像画像の大きさ及びスケールが変化すると、この変化に対応してイラストデータの大きさ及びスケールも変化させて表示するようにしている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−116125公報(第3頁〜第5頁、第1図〜第9図)
【特許文献2】特開2002−293196公報(第3頁〜第5頁、第1図〜第6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の車載監視装置は以上のように構成されているので、ドライバーの操作(意思)によって複数の撮像範囲を選択的に表示状態又は非表示状態としているものの、単にドライバー操作によって複数の撮像範囲を選択的に表示/非表示としているだけであって、撮像範囲(撮像エリア)をドライバーの操作に応じて変更することはできず、この結果、ドライバーは複数の撮像範囲を表示/非表示に選択することができるだけであって、ドライバーが所望する撮像範囲が視認できないことがあるという課題があった。
【0007】
さらに、従来の車載監視装置においては、撮像カメラの撮像範囲をドライバーが確認することができず、つまり、撮像範囲毎に画像を表示/非表示としているだけであるから、ドライバーにとっては撮像カメラの撮像範囲を確認することができず、この結果、車両周辺に死角部分が存在することを確認できないという課題があった。
【0008】
また、従来の車載監視装置では、撮像画像に距離表示等のイラストデータを重畳して表示して、車高が変化して撮像画像の大きさ及びスケールが変化すると、この変化に対応してイラストデータの大きさ及びスケールも変化させるようにしているものの、イラストデータには距離表示等が行われるだけであって、撮像範囲をドライバーの操作に応じて変更することができず、しかも、ドライバーには撮像カメラの撮像範囲を確認することができないという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ドライバーの操作に応じて撮像範囲の変更ができ、しかも撮像カメラの撮像範囲を確認することのできる車載監視装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る車載情報装置は、車両に取り付けられ、車両周辺の状況を撮像して撮像画像を得る撮像手段と、撮像画像を表示する表示手段とを有し、さらに、撮像手段の取り付け位置を基準としてその撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成する生成手段と、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示手段上に表示制御する表示制御切換手段とを有すること特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、この発明によれば、撮像手段の取り付け位置を基準として、その撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成して、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示手段上に表示制御するように構成したので、撮像手段の撮像範囲を示す撮像エリアを容易に確認することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における車載監視装置を示すものである。図1において、車載監視装置10は車両20に搭載され、車載監視装置10は少なくとも一台の監視カメラ(撮像手段)を有している。図示の例では、6台の監視カメラ11〜16が備えられ、監視カメラ11〜13は車両20の前部に配設され、監視カメラ14及び15は車両20の側部に配設されている。そして、監視カメラ16は車両20の後部に配設されている。
【0013】
図1に示すように、監視カメラ11は車両の前方下側を撮像し、その撮像エリア(撮像範囲)は符号A1で示されている。監視カメラ12及び13はそれぞれ撮像エリアA2及びA3で左斜め前方及右左斜め前方を撮像する。また、監視カメラ14及び15はそれぞれ撮像エリアA4及びA5で左側方及び右側方を撮像し、監視カメラ16は撮像エリアA6で後方を撮像する。つまり、監視カメラ11〜16によって車両20の周辺状況が撮像されることになり、監視カメラ11〜16で撮像された画像(以下監視カメラ11〜16で撮像された画像をそれぞれ第1〜第6の撮像画像と呼ぶことにする)は、表示制御手段17に与えられ、表示制御手段17は後述するようにして、第1〜第6の撮像画像を入力表示手段18上に表示する。
【0014】
図2も参照して、入力表示手段18はモニター(表示手段)18a及びモニター18a上に形成されたタッチパネル(入力手段)18bを有しており、表示制御手段17は撮像エリアイラスト形状演算部(撮像エリアイラスト生成手段)17a、表示切替制御部(表示切換制御手段)17b、及び画像処理部17cを有している。撮像エリアイラスト形状演算部17aには監視カメラ毎にカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体までの距離(被写体距離)が与えられる。
【0015】
そして、撮像エリアイラスト形状演算部17aは、監視カメラ11〜16の取り付け位置を基準として、これらカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体距離に基づいて、後述するようにして、各監視カメラ11〜16の撮像エリアA1〜A6を示す撮像エリアイラストを生成する。
【0016】
撮像エリアイラストは表示切換制御部17bに渡されて、表示切換制御部17bは撮像エリアイラストを画像処理部17cに渡し、画像処理部17cでは撮像エリアイラストを画像処理してモニター18a上に撮像エリアイラストを表示する。監視カメラ11〜16からの第1〜第6の画像は画像処理部17cに与えられ、ここで画像処理された後、モニター18aに表示されることになるが、後述するようにして、タッチパネル18bを操作すると、表示切換制御部17bは第1〜第6の撮像画像を選択的にモニター18a上に表示する。例えば、各監視カメラ11〜16の出力ポート(映像ポート)の切り替えを行って、第1〜第6の撮像画像を選択的にモニター18a上に表示する。
【0017】
なお、監視カメラ11〜16はその方向が移動可能であり、後述するようにして、タッチパネル18bの操作に応じて監視カメラ11〜16の撮像方向(カメラ方向)を変化させることができる。つまり、表示切換制御部17bは監視カメラ11〜16を駆動制御してその撮像方向(カメラ方向)を変化させることになる。
【0018】
次に動作について説明する。
図1〜図3を参照して、いま、車載監視装置10がオンされると、監視カメラ11〜16からの第1〜第6の撮像画像が画像処理部17cに与えられる(撮像画像の取り込み:ステップST1)。そして、第1〜第6の撮像画像は画像処理部17cで画像処理(変換処理)され(ステップST2)、モニター18a上に表示される(ステップST3)。
【0019】
ところで、監視カメラ11〜16の現時点のカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体距離が撮影エリアイラスト形状演算部17aに与えられて(現在のカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体までの距離情報を取り込む:ステップST4)、各監視カメラ11〜16毎にその撮像エリアイラストが求められる(ステップST5)。なお、レンズ焦点距離及び被写体距離(例えば、地面、壁面、人物、他の車両、景色等)は予め監視カメラ11〜16毎に定められており、撮影エリアイラスト形状演算部17aに設定されている。
【0020】
この撮影エリアイラストは表示切換制御部17bに与えられて、ここで、後述するようにして、表示切換処理を受けた後(ステップST6)、画像処理部17cで変換処理されて(ステップST7)、撮像エリアイラストがモニター18aに表示される(ステップST8)。
【0021】
図4を参照すると、図4はモニター18aの画面を示す図であり、モニター18aは撮像エリアイラスト表示部31及び撮影画像表示部32を有しており、車載監視装置10がオンされると、撮像エリアイラスト表示部31には撮像エリアイラスト41が表示され、撮像画像表示部32には第1〜第6の撮像画像A1〜A6が表示される(ここでは、説明の便宜上、第1〜第6の撮像画像は撮像エリアと同一の符号を用いる)。
【0022】
図4に示すように、撮像エリアイラスト41には車両イラスト41aが表示され、この車両イラスト41aには監視カメラ11〜16の取り付け位置C1〜C6が示され、各取り付け位置C1〜C6から監視カメラ11〜16の撮像エリアA1〜A6を示すエリアイラスト41b〜41gが示されている。これらエリアイラスト41b〜41gはカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体距離に応じて算出されたものである。
【0023】
一方、撮像画像表示部32には第1〜第6の撮像画像A1〜A6が表示され、図4において、上側を車両20の前方とした際には、監視カメラ11〜16に応じて撮影画像表示部32が六分割されて、図示のように、第1〜第6の撮像画像A1〜A6が表示される。つまり、監視カメラ11〜16の取り付け位置に対応付けて、左前方撮像画像A2、前方下撮像画像A1、右前方撮像画像A3、左側方撮像画像A4、後方撮像画像A6、及び右側方撮像画像A5が撮像画像表示部32に表示されることになる。
【0024】
いま、図5に示すように、第1〜第6の撮像画像A1〜A6がモニター18aに表示されている状態で(なお、図5においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、所望の画像を選択すると、当該選択された撮像画像のみが撮像画像表示部32に表示される。
【0025】
ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第2〜第5の撮像画像A2〜A5を選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ12〜15の映像ポートのみを選択するように切換制御を行って、画像処理部17cに監視カメラ12〜15からの映像信号(第2〜第5の撮像画像)のみが与えられる。この際には、撮影画像表示部32は、図6に示すように、4分割されて、監視カメラ12〜15の取り付け位置に対応付けて第2〜第5の撮像画像が撮影画像表示部32に表示される。
【0026】
さらに、表示切換制御部17bでは撮像エリアイラスト形状演算部17aから与えられる撮像エリアイラストを表示切換処理して、ドライバーの選択に応じた画像を撮像する監視カメラ以外のエリアイラストを削除して、修正撮像エリアイラストとして、画像処理部17cに渡す。図6に示す例では、監視カメラ12〜15からの第2〜第5の撮像画像A2〜A5がドライバーによって選択されたから、図4に示すエリアイラスト41b及び41gが削除され、エリアイラスト41c〜41fが車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図6においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0027】
続いて、図5又は図6に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、3つの画像を選択すると、例えば、第1〜第3の撮像画像A1〜A3(又は第4〜第6の撮像画像A4〜A6)を選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ11〜13(又は監視カメラ14〜16)の映像ポートのみを選択するように切換制御を行って、画像処理部17cに監視カメラ11〜13(又は監視カメラ14〜16)からの映像信号(第1〜第3の撮像画像(又は第4〜第6の撮像画像))のみが与えられる。
【0028】
この際には、撮影画像表示部32は、図7に示すように、4分割されて、監視カメラ11〜13(又は監視カメラ14〜16)の取り付け位置に対応付けて第1〜第3の撮像画像(又は第4〜第6の撮像画像)が撮影画像表示部32に表示される。
【0029】
また、表示切換制御部17bでは撮像エリアイラストを表示切換処理して、監視カメラ14〜16(又は監視カメラ11〜13)からの第4〜第6の画像撮像A4〜A6(又は第1〜第3の撮像画像A1〜A3)に対応するエリアイラスト41e〜41g(又はエリアイラスト41b〜41d)が削除され、エリアイラスト41b〜41d(又はエリアイラスト41b〜41d)が車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図7においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0030】
同様にして、図5〜図7に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第1及び第6の画像A1及びA6を選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ11及び16の映像ポートのみを選択するように切換制御を行うことになって、撮影画像表示部32は、図8に示すように、横方向に2分割されて、監視カメラ11及び16の取り付け位置に対応付けて第1及び第6の撮像画像が撮影画像表示部32に表示されることになる。
【0031】
そして、この際には、エリアイラスト41b及び41gが車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図8においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0032】
さらに、図5〜図8に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第2及び第3の撮像画像A1及びA3(又は第4及び第5の撮像画像A4及びA5)を選択すると、表示切換制御部17bは、監視カメラ12及び13(又は監視カメラ14及び15)の映像ポートのみを選択するように切換制御を行うことになって、撮影画像表示部32では、図9に示すように、縦横方向に2分割されて、監視カメラ12及び13(又は監視カメラ14及び15)の取り付け位置に対応付けて、第2及び第3の撮像画像A1及びA3(又は第4及び第5の撮像画像A4及びA5)が撮影画像表示部32に表示されることになる。
【0033】
そして、この際には、エリアイラスト41c及び41d(又はエリアイラスト41e及び41f)が車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図9においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0034】
加えて、図5〜図9に示す状態で、ドライバーがタッチパネル18bを操作して、第1〜第6の画像A1〜A3のいずれかを選択すると、表示切換制御部17bは監視カメラ11〜16のいずれかの映像ポートのみを選択するように切換制御を行うことになって、撮影画像表示部32は、図10に示すように、第1〜第6の撮像画像A1〜A3のいずれかが撮影画像表示部32に表示されることになる。
【0035】
そして、この際には、エリアイラスト41b〜41gのいずれかが車両イラスト41aとともに撮像エリアイラスト表示部31に表示されることになる(なお、図10においては、撮像エリアイラスト表示部31は省略されている)。
【0036】
このようにして、ドライバーの選択に応じて図5〜図10のいずれかの状態で撮像画像表示部32に撮像画像を表示することができ、この際には、選択された撮像画像に対応するエリアイラストのみが表示されることになって、ドライバーは容易に監視カメラの撮像エリアを確認することができることになる。
【0037】
ところで、図10に示す状態において、ドライバーがタッチパネル18b上のカメラ方向調整ボタン(図示せず)をタッチすると、図11に示すように、モニター18a上に調整タッチパネルボタン51〜58が表示される。これらタッチパネルボタン51〜58は画面の中心を等間隔で取り囲むように配置されており、画面中心に対してタッチパネルボタン51は上方向、タッチパネルボタン52は右上方向、タッチパネルボタン53は右方向、タッチパネルボタン54は右下方向、タッチポネルボタン55は下方向、タッチパネルボタン56は左下方向、タッチパネルボタン57は左方向、タッチパネルボタン58は左上方向に配置されている(なお、画面中心はカメラ方向に対応している)。
【0038】
いま、第1の画像A1が表示されている状態で、タッチパネルボタン51〜58のいずれかをタッチすると、表示切換制御部17bは監視カメラ11を駆動制御して、タッチされたタッチパネルボタンに応じた方向に監視カメラ11のカメラ方向を変更する。例えば、タッチパネルボタン51をタッチすると、このタッチ時間に応じて、表示切換制御部17bは監視カメラ11のカメラ方向を上方向に変化させることになる。
【0039】
同様に、タッチパネルボタン52をタッチすると、このタッチ時間に応じて、表示切換制御部17bは監視カメラ11のカメラ方向を右上方向に変化させることになる(表示切換制御部17bが撮像エリア調整手段として機能する)。
【0040】
監視カメラ11のカメラ方向の変化はタッチパネルボタン51〜58の画面中心に対する配置位置に対応していることになり、ドライバーはタッチパネルボタン51〜58の配置位置と監視カメラ11のカメラ方向の変化方向を容易に認識できることになり、ドライバーは撮像画像表示部32に表示された撮像画像と撮像エリアイラスト表示部31に表示された撮像エリアイラスト41を確認しつつ、タッチパネルボタン51〜58を選択的にタッチすれば、ドライバー所望の方向に監視カメラ11のカメラ方向を変更できることになる。
【0041】
そして、監視カメラ11のカメラ方向の変化に応じて、図4に示すエリアイラスト41bが変化することになる。なお、第2〜第6の画像A2〜A6のいずれかが表示されている状態で、タッチパネルボタン51〜58のいずれかをタッチすると、同様にして監視カメラ12〜16のいずれかのカメラ方向を変更することができる。
【0042】
以上のように、この実施の形態1によれば、監視カメラによって車両周辺の状況を撮像して撮像画像を得て、監視カメラの取り付け位置を基準として、例えば、監視カメラのカメラ方向、レンズ焦点距離、及び被写体までの距離に応じて監視カメラの撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成して、撮像エリアイラストを撮像画像とともに表示するように構成したので、ドライバーは容易に監視カメラの撮像エリアを確認することができるという効果がある。
【0043】
この実施の形態1によれば、撮像エリアの調整指示に応じて監視カメラのカメラ方向を変化させ、カメラ方向の変化に応じて撮像エリアイラストを変化させるように構成したので、ドライバーはカメラ方向を調整した際、極めて容易に監視カメラの撮像エリアの変化を確認することができるという効果がある。
【0044】
この実施の形態1によれば、タッチパネルに画面中心をカメラ方向として画面中心の回りにカメラ方向の変化方向と対応付けてタッチパネルボタンを配列するように構成したので、ドライバーがカメラ方向を調整する際、カメラ方向の変化とタッチパネルボタンとを容易に対応付けることができ、簡単にカメラ方向の調整を行えるという効果がある。
【0045】
この実施の形態1によれば、複数の監視カメラを備えて、画像選択指示に応じて、選択的に監視カメラで撮像された撮像画像を表示するように構成したので、ドライバーは所望の撮像画像のみを選択表示することができるという効果がある。
【0046】
この実施の形態1によれば、撮像エリアイラストに撮像手段毎の撮像エリアをエリアイラストとして示して、選択された撮像画像に対応するエリアイラストのみを備える撮像エリアイラストを表示するように構成したので、ドライバーが撮像画像を選択した際、当該撮像画像に対応する監視カメラに係る撮像エリアのみを容易に視認できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の実施の形態1による車載監視装置を概略的に示す図である。
【図2】図1に示す表示制御手段の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す車載監視装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2に示す表示手段に表示される撮像エリアイラスト表示部及び撮像画像表示部の一例を示す図である。
【図5】図4に示す撮像画像表示部に六つの撮像画像が分割表示された状態を示す図である。
【図6】図4に示す撮像画像表示部に四つの撮像画像が分割表示された状態を示す図である。
【図7】図4に示す撮像画像表示部に三つの撮像画像が分割表示された状態を示す図である。
【図8】図4に示す撮像画像表示部に二つの撮像画像が分割表示された状態(横方向)を示す図である。
【図9】図4に示す撮像画像表示部に二つの撮像画像が分割表示された状態(縦方向)を示す図である。
【図10】図4に示す撮像画像表示部に一つの撮像画像が表示された状態を示す図である。
【図11】図10に示す状態において、カメラ方向を調整する際にタッチパネル上に表示されるタッチパネルボタンの配列の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 車載監視装置、11〜16 監視カメラ、17 表示制御手段、17a 撮像エリアイラスト形状演算部、17b 表示切替制御部、17c 画像処理部、18 入力表示手段、18a モニター(表示手段)、18b タッチパネル(入力手段)、20 車両、31 撮像エリアイラスト表示部、32 撮影画像表示部、41 撮像エリアイラスト、41a 車両イラスト、41b〜41g エリアイラスト、51〜58 タッチパネルボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取付けられ、該車両周辺の状況を撮像して撮像画像を得る撮像手段と、該撮像画像を表示する表示手段とを有する車載監視装置において、
前記撮像手段の取付け位置を基準として前記撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成する撮像エリアイラスト生成手段と、
前記撮像エリアイラストを前記撮像画像とともに前記表示手段上に表示制御する表示切換制御手段とを有すること特徴とする車載監視装置。
【請求項2】
撮像エリアイラスト生成手段は、撮像手段の撮像方向、焦点距離、及び被写体までの距離に応じて前記撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の車載監視装置。
【請求項3】
撮像エリアの調整指示を入力する入力手段と、
前記調整指示に応じて前記撮像手段の撮像方向を変化させる撮像エリア調整手段とを有し、
表示切換制御手段は前記撮像方向の変化に応じて撮像エリアイラストを変化させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の車載監視装置。
【請求項4】
入力手段は表示手段の画面上に形成されたタッチパネルであり、
該タッチパネルには前記画面中心を撮像手段の撮像方向として該画面中心の回りに前記撮像方向の変化方向と対応付けてタッチパネルボタンが配列されていることを特徴とする請求項2記載の車載監視装置。
【請求項5】
撮像手段を複数備え、
表示切換制御手段は画像選択指示に応じて、表示手段に選択的に前記撮像手段で撮像された撮像画像を表示するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車載監視装置。
【請求項6】
撮像エリアイラストには撮像手段毎の撮像エリアがエリアイラストとして示されており、
表示切換制御手段は選択された撮像画像に対応するエリアイラストのみを備える撮像エリアイラストを表示手段に表示するようにしたことを特徴とする請求項5記載の車載監視装置。
【請求項1】
車両に取付けられ、該車両周辺の状況を撮像して撮像画像を得る撮像手段と、該撮像画像を表示する表示手段とを有する車載監視装置において、
前記撮像手段の取付け位置を基準として前記撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成する撮像エリアイラスト生成手段と、
前記撮像エリアイラストを前記撮像画像とともに前記表示手段上に表示制御する表示切換制御手段とを有すること特徴とする車載監視装置。
【請求項2】
撮像エリアイラスト生成手段は、撮像手段の撮像方向、焦点距離、及び被写体までの距離に応じて前記撮像手段の撮像エリアを示す撮像エリアイラストを生成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の車載監視装置。
【請求項3】
撮像エリアの調整指示を入力する入力手段と、
前記調整指示に応じて前記撮像手段の撮像方向を変化させる撮像エリア調整手段とを有し、
表示切換制御手段は前記撮像方向の変化に応じて撮像エリアイラストを変化させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の車載監視装置。
【請求項4】
入力手段は表示手段の画面上に形成されたタッチパネルであり、
該タッチパネルには前記画面中心を撮像手段の撮像方向として該画面中心の回りに前記撮像方向の変化方向と対応付けてタッチパネルボタンが配列されていることを特徴とする請求項2記載の車載監視装置。
【請求項5】
撮像手段を複数備え、
表示切換制御手段は画像選択指示に応じて、表示手段に選択的に前記撮像手段で撮像された撮像画像を表示するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車載監視装置。
【請求項6】
撮像エリアイラストには撮像手段毎の撮像エリアがエリアイラストとして示されており、
表示切換制御手段は選択された撮像画像に対応するエリアイラストのみを備える撮像エリアイラストを表示手段に表示するようにしたことを特徴とする請求項5記載の車載監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−5451(P2006−5451A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177031(P2004−177031)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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