説明

車輌用灯具及び車輌用灯具の組立方法

【課題】 リフレクターに対する光源とシェードの組付作業における作業性の向上を図る。
【解決手段】 光源11から出射された光の一部を遮蔽する遮蔽部26と該遮蔽部に連結され嵌合孔24b、24bが形成された被保持部24とを有し光源の取付孔15aに着脱可能な状態で取り付けられる被取付部30が設けられたシェード23と、係合突部19、19を有し光源の口金部13が接続されたコネクター16と、コネクターに接続された光源の取付孔にシェードの被取付部が着脱可能に取り付けられた状態で光源とシェードの各一部が挿入される挿入孔7aを有するリフレクター7とを設け、リフレクターに、光源の外管とシェードの遮蔽部が挿入孔に挿入されるときに、嵌合孔に結合されてシェードを固定する固定用突部9、9とコネクターの係合突部が着脱可能な状態で結合される被係合孔10a、10aとを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車輌用灯具及び車輌用灯具の組立方法に関する。詳しくは、光源とシェードの各一部がリフレクターの挿入孔に挿入されるときにリフレクターにシェードが固定されると同時に、光源が接続されたコネクターがリフレクターに結合されるようにして、リフレクターに対する光源とシェードの組付作業における作業性の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用灯具には、例えば、カバーとランプボデイによって構成された灯具外筐の内部に、光源を有するランプユニットが配置されたものがある。
【0003】
このようなランプユニットには、例えば、光源と該光源から出射された光を所定の方向へ反射するリフレクターとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された車輌用灯具にあっては、リフレクターの一端部に挿入孔が形成され、該挿入孔に光源の口金部を除いた部分が挿入され、光源の口金部が挿入孔の一端部にセットスプリングと称される保持部材によって押さえられて取り付けられるようにされている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−222009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された車輌用灯具にあっては、リフレクターへの光源の組付が、セットスプリングを所定の方向へ回動し、次に、セットスプリングの両端部を所定の方向へ屈曲させてリフレクターに設けられた取付部に係合し、セットスプリングの他の部分を取付ネジによってリフレクターに押し付けることにより行う必要がある。
【0007】
従って、リフレクターへの光源の組付作業が面倒であり、全て手作業により行う必要があり、作業性が悪いと言う問題がある。
【0008】
また、車輌用灯具には、光源から出射された光の一部を遮蔽するシェードがリフレクターに取り付けられて配置されるタイプもあるが、このようなタイプの車輌用灯具にあっては、上記したリフレクターへの光源の組付に加えてシェードもリフレクターに組み付ける必要がある。
【0009】
従って、リフレクターに対する光源の組付作業とリフレクターに対するシェードの組付作業における作業性の向上を図る必要がある。
【0010】
そこで、本発明車輌用灯具は、リフレクターに対する光源とシェードの組付作業における作業性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
車輌用灯具は、上記した課題を解決するために、内部に光を出射する発光部が配置された外管と該外管を保持し取付部が形成された口金部とを有する光源と、前記発光部から出射された光の一部を遮蔽する遮蔽部と該遮蔽部に連結され被固定部が形成された被保持部とを有すると共に前記口金部の取付部に着脱可能な状態で取り付けられる被取付部が設けられたシェードと、係合部を有し前記光源の口金部が接続されたコネクターと、内面が前記発光部から出射された光を反射する反射面として形成されると共に前記コネクターに接続された前記光源の取付部に前記シェードの被取付部が着脱可能に取り付けられた状態で前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が外面側から内面側へ挿入される挿入孔を有するリフレクターとを備え、前記リフレクターに、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに前記被固定部に結合されて前記シェードを固定する固定部と、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに前記コネクターの係合部が着脱可能な状態で結合される被係合部とを形成したものである。
【0012】
車輌用灯具の組立方法は、上記した課題を解決するために、内部に光を出射する発光部が配置された外管と該外管を保持し取付部が形成された口金部とを有する光源と、前記発光部から出射された光の一部を遮蔽する遮蔽部と該遮蔽部に連結され被固定部が形成された被保持部とを有すると共に被取付部が設けられたシェードと、係合部を有し前記光源の口金部が接続されたコネクターと、内面が前記発光部から出射された光を反射する反射面として形成されると共に前記光源と前記シェードの各一部が挿入される挿入孔を有するリフレクターとを備えた車輌用灯具において、前記口金部の取付部に着脱可能な状態で前記シェードの被取付部が取り付けられ、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記リフレクターの挿入孔に外面側から内面側へ挿入されると共に前記被保持部の被固定部に前記リフレクターの固定部が結合されて前記シェードが前記リフレクターに固定され前記リフレクターの被係合部に前記コネクターの係合部が係合されて前記コネクターが前記リフレクターに着脱可能な状態で結合されるようにしたものである。 従って、車輌用灯具及び車輌用灯具の組立方法にあっては、光源の外管とシェードの遮蔽部の挿入孔への挿入時に、シェードがリフレクターに固定されると共に光源が接続されたコネクターがリフレクターに着脱可能な状態で結合される。
【発明の効果】
【0013】
本発明車輌用灯具は、内部に光を出射する発光部が配置された外管と該外管を保持し取付部が形成された口金部とを有する光源と、前記発光部から出射された光の一部を遮蔽する遮蔽部と該遮蔽部に連結され被固定部が形成された被保持部とを有すると共に前記口金部の取付部に着脱可能な状態で取り付けられる被取付部が設けられたシェードと、係合部を有し前記光源の口金部が接続されたコネクターと、内面が前記発光部から出射された光を反射する反射面として形成されると共に前記コネクターに接続された前記光源の取付部に前記シェードの被取付部が着脱可能に取り付けられた状態で前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が外面側から内面側へ挿入される挿入孔を有するリフレクターとを備え、前記リフレクターに、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに前記被固定部に結合されて前記シェードを固定する固定部と、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに前記コネクターの係合部が着脱可能な状態で結合される被係合部とを形成したことを特徴とする。
【0014】
従って、シェードと光源の各一部をリフレクターの挿入孔から挿入したときに、同時に、シェードがリフレクターに固定されると共に光源が接続されたコネクターがリフレクターに結合されるため、リフレクターに対する光源の組付作業及びリフレクターに対するシェードの組付作業における作業性の向上を図ることもできる。
【0015】
請求項2に記載した発明にあっては、前記シェードの被固定部として嵌合孔を形成し、前記リフレクターの固定部として固定用突部を設け、前記シェードの被保持部を環状に形成すると共に前記嵌合孔を前記被保持部の周方向に離隔して複数形成し、前記リフレクターの固定用突部を前記挿入孔の外側において周方向に離隔して前記嵌合孔と同数設け、前記シェードの被保持部が前記リフレクターの挿入孔の外側に配置されるようにしたことを特徴とする。
【0016】
従って、リフレクターに対するシェードの固定状態の安定性を確保することができる。
【0017】
請求項3に記載した発明にあっては、前記コネクターの係合部として係合突部を設け、前記リフレクターの被係合部として被係合孔を形成し、前記コネクターの係合突部を弾性変形可能に形成し、前記係合突部の先端部に前記リフレクターの被係合孔の開口縁に係合される係合爪を設け、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに、前記係合突部が弾性変形され前記係合爪が前記被係合孔に挿入されたときに前記係合突部が弾性復帰して前記係合爪が前記被係合孔の開口縁に係合されるようにしたことを特徴とする。
【0018】
従って、リフレクターに対するコネクターの取付及び取り外しを容易に行うことができる。
【0019】
請求項4に記載した発明にあっては、前記シェードの被固定部として嵌合孔を形成し、前記リフレクターの固定部として固定用突部を設け、前記シェードの被保持部に、前記リフレクターの固定用突部の突出方向に対して略直交する面内に位置される板状のベース面部と、前記シェードの嵌合孔の開口縁に設けられ前記ベース面部に対して固定用突部が挿入される方向へ屈曲する嵌合用突片とを設けたことを特徴とする。
【0020】
従って、接着や溶着等の手段を用いることなくシェードをリフレクターに強固に確実かつ容易に固定することができる。
【0021】
本発明車輌用灯具の組立方法は、内部に光を出射する発光部が配置された外管と該外管を保持し取付部が形成された口金部とを有する光源と、前記発光部から出射された光の一部を遮蔽する遮蔽部と該遮蔽部に連結され被固定部が形成された被保持部とを有すると共に被取付部が設けられたシェードと、係合部を有し前記光源の口金部が接続されたコネクターと、内面が前記発光部から出射された光を反射する反射面として形成されると共に前記光源と前記シェードの各一部が挿入される挿入孔を有するリフレクターとを備えた車輌用灯具の組立方法であって、前記口金部の取付部に着脱可能な状態で前記シェードの被取付部が取り付けられ、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記リフレクターの挿入孔に外面側から内面側へ挿入されると共に前記被保持部の被固定部に前記リフレクターの固定部が結合されて前記シェードが前記リフレクターに固定され前記リフレクターの被係合部に前記コネクターの係合部が係合されて前記コネクターが前記リフレクターに着脱可能な状態で結合されるようにしたことを特徴とする。
【0022】
従って、シェードと光源の各一部をリフレクターの挿入孔から挿入したときに、同時に、シェードがリフレクターに固定されると共に光源が接続されたコネクターがリフレクターに結合されるため、リフレクターに対する光源の組付作業及びリフレクターに対するシェードの組付作業における作業性の向上を図ることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
【0024】
車輌用灯具1は、車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0025】
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプハウジング2と該ランプハウジング2の開口面を閉塞するカバー3とを備え、ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成されている。灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。
【0026】
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通された挿通孔2aが形成され、該挿通孔2aはバックカバー6によって閉塞されている。
【0027】
灯室5には、図示しない光軸調整機構によってリフレクター7が傾動可能に支持されている。リフレクター7の後端部には前後に貫通された挿入孔7aが形成されている(図1及び図2参照)。リフレクター7は内面が反射面7bとして形成されている。
【0028】
リフレクター7には外面7cに後方へ突出された取付突部8、8が設けられている(図2参照)。取付突部8、8は、例えば、灯室5に配置された図示しないブラケットに、例えば、ネジ止めによって取り付けられ、後面にそれぞれ後方に開口されたネジ止め用の螺穴8a、8aを有している。
【0029】
リフレクター7の外面7cには挿入孔7aの周囲の位置に後方へ突出された固定用突部9、9が設けられている。固定用突部9、9は、例えば、丸軸状に形成されている。
【0030】
リフレクターの外面7cには、挿入孔7aの開口縁に後方へ突出された取付壁10、10、10が設けられている。取付壁10、10、10は円弧状に形成され、二つの取付壁10、10にはそれぞれ厚み方向に貫通された被係合孔10a、10aが形成されている。被係合孔10a、10aは挿入孔7aの中心を基準として180°反対側に位置され、後述するコネクターの係合部が係合される被係合部として形成されている。
【0031】
リフレクター7の挿入孔7aには光源11が取り付けられる(図1参照)。光源11としては、例えば、ハロゲンランプが用いられている。
【0032】
光源11は内部に図示しない発光部を有する外管12と該外管12が取り付けられた口金部13とを有している(図2参照)。
【0033】
口金部13は接続部14と該接続部14の前端部から外方へ張り出されたフランジ部15とから成り、接続部14には後方へ突出された接続端子14a、14a、14aが設けられている。口金部13のフランジ部15には前後に貫通された取付孔15aが形成されている。取付孔15aは後述するシェードの被取付部が着脱可能な状態で取り付けられる取付部として形成されている。
【0034】
光源11の接続部14はコネクター16に接続される。コネクター16は外形が円形状に形成された本体部17と該本体部17から後方へ突出された接続用突部18と本体部17の外周面に設けられた係合突部19、19とが樹脂材料によって一体に形成されて成る。
【0035】
本体部17には前方に開口された挿入凹部17aが形成されている。
【0036】
接続用突部18には接続孔18a、18a、18aが形成され、該接続孔18a、18a、18aはそれぞれ本体部17の挿入凹部17aに連通されている。 係合突部19、19はそれぞれリフレクター7の被係合孔10a、10aに係合される係合部として設けられ、本体部17の中心を基準とした180°反対側の位置に設けられている。
【0037】
係合突部19、19はそれぞれ本体部17の外周面から側方(外方)へ突出された基部20、20と該基部20、20の外側の端部から前方へ突出された弾性変形部21、21と基部20、20の外側の端部から後方へ突出された作業用突部22、22とから成る。弾性変形部21、21の前端部には互いに近付く方向へ突出された係合爪21a、21aが設けられている。
【0038】
リフレクター7にはシェード23が固定される。シェード23は前後方向を向く板状の被保持部24と該被保持部24に連続され前後方向に延びる連結部25と該連結部25の前端に連続して設けられた遮蔽部26とが金属材料によって一体に形成されて成る。
【0039】
被保持部24は、例えば、外形が矩形状に形成され、中央部に大きな配置孔24aを有している。配置孔24aはリフレクター7に設けられた取付壁10、10、10の外径より大きくされている。
【0040】
被保持部24には配置孔24aの周囲に嵌合孔24b、24bが形成され、該嵌合孔24b、24bは配置孔24aの中心を基準として180°反対側に位置されている。嵌合孔24b、24bはそれぞれリフレクター7の固定用突部9、9の外径より小さくされている。嵌合孔24b、24bはシェード23をリフレクター7に固定するときの被固定部として形成され、嵌合孔24b、24bにはそれぞれリフレクター7の固定用突部9、9が挿入される。
【0041】
被保持部24には嵌合孔24b、24bの開口縁にそれぞれ複数の嵌合用突片27、27、・・・が設けられ、被保持部24のうち嵌合用突片27、27、・・・以外の部分はベース面部28とされている。嵌合用突片27、27、・・・は嵌合孔24b、24bの開口縁部が周方向において分割されることにより設けられ、ベース面部28から先端へ向かうに従って後方へ変位するように屈曲されている(図3参照)。
【0042】
連結部25は前後に延びるように形成され、連結部25の後端部には被規制部29と被取付部30が設けられている(図2参照)。被規制部29と被取付部30は被保持部24の直ぐ後側に位置されている。
【0043】
被規制部29は前方に開口されたコ字状に形成されている。
【0044】
被取付部30は前後に延びる基端部30aと該基端部30aに対して折り曲げられ先端に行くに従って前方へ変位するように傾斜された係止部30bとから成る。被取付部30は係止部30bが基端部30aに対して離接する方向へ弾性変形可能とされている。
【0045】
遮蔽部26は半球面状に形成され、外径がリフレクター7の挿入孔7aの径より小さくされている。
【0046】
以下に、上記した各部の組付作業について説明する(図4乃至図13参照)。
【0047】
先ず、光源11をコネクター16に接続する(図4参照)。光源11のコネクター16への接続は、光源11の接続部14をコネクター16の挿入凹部17aに前方から挿入し、接続端子14a、14a、14aをそれぞれ接続孔18a、18a、18aに挿入することにより行われる。このとき光源11は接続部14の接続端子14a、14a、14aがそれぞれ接続孔18a、18a、18aの一部に嵌合されることによりコネクター16に保持される。
【0048】
次に、シェード23を光源11に着脱可能な状態で取り付ける(図5参照)。シェード23の光源11への取付は、シェード23の被取付部30を光源11の取付孔15aに前方から挿入することにより行われる。
【0049】
被取付部30を取付孔15aに前方から挿入していくと、係止部30bが取付孔15aの開口縁に摺接されて弾性変形され(図6参照)、係止部30bの取付孔15aの開口縁との摺接が解除されたところで弾性復帰してフランジ部15に係合されてシェード23が光源11に取り付けられる(図7参照)。
【0050】
シェード23が光源11に取り付けられた状態において、係止部30bを基端部30aに近付ける方向へ弾性変形させて光源11を後方へ移動させることにより、シェード23から光源11を取り外すことができる。従って、係止部30bがフランジ部15に係合された状態においては、シェード23が光源11に着脱可能な状態で取り付けられている。
【0051】
次いで、シェード23をリフレクター7に固定すると同時にコネクター16をリフレクター7に着脱可能な状態で結合する(図8参照)。シェード23のリフレクター7への固定とコネクター16のリフレクター7への結合は、以下のように、シェード23と光源11の各一部をリフレクター7の挿入孔7aに後方から挿入することにより行われる。
【0052】
シェード23と光源11を挿入孔7aに後方から挿入していくと、被保持部24に形成された嵌合孔24b、24bにそれぞれリフレクター7の固定用突部9、9が挿入されると共に配置孔24aにリフレクター7の取付壁10、10、10が挿入される。
【0053】
嵌合孔24bに固定用突部9が挿入されるときには、図9に示すように、嵌合用突片27、27、・・・が固定用突部9の外周面に摺接され嵌合用突片27、27、・・・が押し広げられてベース面部28に対する屈曲率が大きくされる。
【0054】
このように嵌合用突片27、27、・・・が押し広げられるため、嵌合用突片27、27、・・・には固定用突部9の外周面に接する方向への付勢力が付与され、シェード23に後方への移動力が付与されシェード23にリフレクター7から取り外す方向への力が付与されても、嵌合用突片27、27、・・・の先端縁が固定用突部9の外周面に食い込む方向への力が生じる。従って、シェード23をリフレクター7から取り外すことができず、上記のように、嵌合孔24b、24bにそれぞれ固定用突部9、9が挿入されることによりシェード23がリフレクター7に固定される。
【0055】
一方、被保持部24に形成された配置孔24aに取付壁10、10、10が挿入されるときには、取付壁10、10の外面にそれぞれコネクター16における弾性変形部21、21の係合爪21a、21aが摺接されて弾性変形部21、21が弾性変形される(図10参照)。弾性変形部21、21は、係合爪21a、21aの先端縁がそれぞれ被係合孔10a、10aに対応して位置されたところで弾性復帰し、係合爪21a、21aが被係合孔10a、10aに係合される(図11及び図12参照)。
【0056】
上記のように、係合爪21a、21aがそれぞれ被係合孔10a、10aに係合された状態において、係合突部19、19の作業用突部22、22を互いに近付く方向へ押圧し弾性変形部21、21をそれぞれ外側へ変位するように弾性変形させてコネクター16を後方へ移動させることにより光源11とコネクター16をリフレクター7から取り外すことができる。従って、弾性変形部21、21の係合爪21a、21aがそれぞれ被係合孔10a、10aに係合されることにより、コネクター16はリフレクター7に着脱可能な状態で結合される。
【0057】
上記したように、シェード23がリフレクター7に固定されると共に光源11を保持するコネクター16がリフレクター7に結合された状態においては、シェード23の被保持部24がリフレクター7の取付壁10、10、10の周囲に位置される(図8参照)。
【0058】
従って、環状に形成された被保持部24が取付壁10、10、10の周囲に位置された状態でシェード23がリフレクター7に固定されると共に被保持部24の周方向に離隔して形成された複数の嵌合孔24b、24bにそれぞれ固定用突部9、9が嵌合されてシェード23がリフレクター7に固定されるため、リフレクター7に対するシェード23の固定状態の安定性を確保することができる。
【0059】
シェード23と光源11の各一部がリフレクター7の挿入孔7aに後方から挿入されたときには、図13に示すように、シェード23の被規制部29にリフレクター7の取付壁10が前方から挿入され、シェード23と光源11のそれ以上のリフレクター7に対する前方への移動が規制され、シェード23及び光源11がリフレクター7に対して位置決めされる。このとき光源11はフランジ部15がリフレクター7の後面に接した状態で保持される。
【0060】
上記のように、リフレクター7にシェード23が固定されると共にリフレクター7に光源11を保持するコネクター16が結合された状態において、図示しない電源回路に接続された図示しない接続プラグがコネクター16の接続用突部18に接続される。電源回路から接続端子14a、14a、14aを介して光源11に電源が供給されると、光源11の外管12に設けられた発光部から光が出射され、出射された光がリフレクター7の反射面7bで反射されカバー3を透過されて前方へ照射される。
【0061】
上記した車輌用前照灯1においては、シェード23の係止部30bと光源11のフランジ部15との係合を解除すると共にコネクター16の弾性変形部21、21とリフレクター7の取付壁10、10との係合を解除することにより、光源11とコネクター16をシェード23及びリフレクター7から容易に取り外すことができる(図14参照)。
【0062】
これは、上記した嵌合用突片27、27、・・・の先端縁が、固定用突部9の外周面に食い込む方向への力が生じているため、シェード23をリフレクター7に固定したままの状態で光源11のみを取り外すことができるからである。
【0063】
尚、上記には、リフレクター7に固定用突部9、9を設けシェード23に嵌合孔24bを形成してシェード23をリフレクター7に固定する例を示したが、逆に、リフレクターに嵌合孔を形成しシェードに固定用突部を設けてシェードをリフレクターに固定することも可能である。
【0064】
また、上記には、リフレクター7に被係合孔10a、10aを形成しコネクター16に係合突部19、19を設けてコネクター16をリフレクター7に結合する例を示したが、逆に、リフレクターに係合突部を設けコネクターに被係合孔を形成してコネクターをリフレクターに結合することも可能である。
【0065】
さらに、上記には、光源11に取付孔15aを形成しシェード23に被取付部30を設けてシェード23を光源11に取り付ける例を示したが、逆に、光源に被取付部を設けシェードに取付孔を形成してシェードを光源に取り付けることも可能である。
【0066】
以上に記載した通り、車輌用前照灯1にあっては、シェード23と光源11の各一部をリフレクター7の挿入孔7aから挿入したときに、同時に、シェード23がリフレクター7に固定されると共に光源11を保持するコネクター16がリフレクター7に結合されて光源11がリフレクター7に組み付けられるため、リフレクター7に対する光源11の組付作業における作業性の向上を図ることができる。
【0067】
また、光源11の組付と同時にシェード23がリフレクター7に固定されるため、リフレクター7に対する光源11の組付作業に加えリフレクター7に対するシェード23の組付作業における作業性の向上をも図ることもできる。
【0068】
特に、リフレクター7に対する上記した各部の組付はシェード23と光源11の各一部をリフレクター7の挿入孔7aから挿入することにより行うことができるため、手作業によらず、ロボット等による機械的な作業として行うことができ、作業効率の向上を図ることが可能である。
【0069】
また、光源11の取り外しをリフレクター7からシェード23を取り外すことなく行うことができるため、光源11の交換作業を容易に行うことができる。
【0070】
さらに、コネクター16のリフレクター7への取付及び取り外しが、弾性変形部21、21が弾性変形されることにより行われるため、リフレクター7に対するコネクター16の取付及び取り外しを容易に行うことができる。
【0071】
加えて、シェード23のリフレクター7への固定が、固定用突部9、9がそれぞれ嵌合孔24b、24bに挿入されることにより行われるため、接着や溶着等の手段を用いることなくシェード23をリフレクター7に強固に確実かつ容易に固定することができる。
【0072】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図2乃至図14と共に本発明車輌用灯具の最良の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略縦断面図である。
【図2】リフレクター、シェード、光源及びコネクターの分解斜視図である。
【図3】シェードの嵌合用突片とリフレクターの固定用突部とを示す拡大断面図である。
【図4】光源をコネクターに接続した状態でリフレクター及びシェードと共に示す分解斜視図である。
【図5】光源にシェードを結合した状態でリフレクター及びコネクターと共に示す分解斜視図である。
【図6】シェードの被取付部が光源のフランジ部に取り付けられる途中の状態を示す拡大断面図である。
【図7】シェードの被取付部が光源のフランジ部に取り付けられた状態を示す拡大断面図である。
【図8】光源を保持するコネクターがリフレクターに結合されると共にシェードがリフレクターに固定された状態を示す斜視図である。
【図9】シェードの嵌合孔にリフレクターの固定用突部が挿入された状態を示す拡大断面図である。
【図10】コネクターの係合突部がリフレクターの取付壁に取り付けられる途中の状態を示す拡大断面図である。
【図11】コネクターの係合突部がリフレクターの取付壁に取り付けられた状態を示す拡大断面図である。
【図12】光源を保持するコネクターがリフレクターに結合されると共にシェードがリフレクターに固定された状態を示す断面図である。
【図13】光源を保持するコネクターがリフレクターに結合されると共にシェードがリフレクターに固定された状態を図12とは異なる位置で切断した状態で示す断面図である。
【図14】リフレクター及びシェードから光源とコネクターを取り外した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1…車輌用前照灯、7…リフレクター、7a…挿入孔、7b…反射面、9…固定用突部(固定部)、10a…被係合孔(被係合部)、11…光源、12…外管、13…口金部、15a…取付孔(取付部)、16…コネクター、19…係合突部(係合部)、21a…係合爪、23…シェード、24…被保持部、24b…嵌合孔(被固定部)、26…遮蔽部、27…嵌合用突片、28…ベース面部、30…被取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光を出射する発光部が配置された外管と該外管を保持し取付部が形成された口金部とを有する光源と、
前記発光部から出射された光の一部を遮蔽する遮蔽部と該遮蔽部に連結され被固定部が形成された被保持部とを有すると共に前記口金部の取付部に着脱可能な状態で取り付けられる被取付部が設けられたシェードと、
係合部を有し前記光源の口金部が接続されたコネクターと、
内面が前記発光部から出射された光を反射する反射面として形成されると共に前記コネクターに接続された前記光源の取付部に前記シェードの被取付部が着脱可能に取り付けられた状態で前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が外面側から内面側へ挿入される挿入孔を有するリフレクターとを備え、
前記リフレクターに、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに前記被固定部に結合されて前記シェードを固定する固定部と、前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに前記コネクターの係合部が着脱可能な状態で結合される被係合部とを形成した
ことを特徴とする車輌用灯具。
【請求項2】
前記シェードの被固定部として嵌合孔を形成し、
前記リフレクターの固定部として固定用突部を設け、
前記シェードの被保持部を環状に形成すると共に前記嵌合孔を前記被保持部の周方向に離隔して複数形成し、
前記リフレクターの固定用突部を前記挿入孔の外側において周方向に離隔して前記嵌合孔と同数設け、
前記シェードの被保持部が前記リフレクターの挿入孔の外側に配置されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記コネクターの係合部として係合突部を設け、
前記リフレクターの被係合部として被係合孔を形成し、
前記コネクターの係合突部を弾性変形可能に形成し、
前記係合突部の先端部に前記リフレクターの被係合孔の開口縁に係合される係合爪を設け、
前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記挿入孔に挿入されるときに、前記係合突部が弾性変形され前記係合爪が前記被係合孔に挿入されたときに前記係合突部が弾性復帰して前記係合爪が前記被係合孔の開口縁に係合されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
前記シェードの被固定部として嵌合孔を形成し、
前記リフレクターの固定部として固定用突部を設け、
前記シェードの被保持部に、前記リフレクターの固定用突部の突出方向に対して略直交する面内に位置される板状のベース面部と、前記シェードの嵌合孔の開口縁に設けられ前記ベース面部に対して固定用突部が挿入される方向へ屈曲する嵌合用突片とを設けた
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項5】
内部に光を出射する発光部が配置された外管と該外管を保持し取付部が形成された口金部とを有する光源と、前記発光部から出射された光の一部を遮蔽する遮蔽部と該遮蔽部に連結され被固定部が形成された被保持部とを有すると共に被取付部が設けられたシェードと、係合部を有し前記光源の口金部が接続されたコネクターと、内面が前記発光部から出射された光を反射する反射面として形成されると共に前記光源と前記シェードの各一部が挿入される挿入孔を有するリフレクターとを備えた車輌用灯具の組立方法であって、
前記口金部の取付部に着脱可能な状態で前記シェードの被取付部が取り付けられ、
前記光源の外管と前記シェードの遮蔽部が前記リフレクターの挿入孔に外面側から内面側へ挿入されると共に前記被保持部の被固定部に前記リフレクターの固定部が結合されて前記シェードが前記リフレクターに固定され前記リフレクターの被係合部に前記コネクターの係合部が係合されて前記コネクターが前記リフレクターに着脱可能な状態で結合されるようにした
ことを特徴とする車輌用灯具の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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