説明

軌道のバラストを受容するための機械及び方法

本発明による機械は、軌道のバラストを受容するための掘削装置(7)を備えている。コンベヤチェーン(9)が、2つの長手方向通路(10)及び1つの横方向チェーン区間(11)にガイドされている。各長手方向通路(10)は、下端部で通路開口(16)を有している。この通路開口(16)は、選択的に第1の通路カバー(17)又は第2の通路カバー(18)によって閉鎖可能である。これによって、小型の補助チェーン(22)と相俟って、軌道の狭くなった箇所、例えばプラットフォームの領域においても、バラストを受容することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道のバラストを受容するための機械であって、レール走行装置上に設けられた走行可能な機械フレームと、循環回転可能なエンドレスなコンベヤチェーンを有する掘削装置とを有しており、該掘削装置がチェーン駆動装置の領域内に一緒にガイドされた2つの長手方向通路と1つの横方向チェーン区間とから形成されており、該横方向チェーン区間が2つの長手方向通路のそれぞれ1つの下端部に結合されており、前記長手方向通路がそれぞれ、機械横方向で見て、通路内側と通路外側とを有している形式のものに関する。本発明はまた、軌道のバラストを受容するための方法に関する。
【0002】
米国特許第4611541号明細書によれば、このような形式の、軌道のバラストを清掃するための機械が公知である。高い作業能力を有するコンベヤチェーンによって、高い清掃効率が得られる。勿論このためには、大型のコンベヤチェーンが必要となるが、このような大型のコンベヤチェーンは、軌道の狭くなった箇所の範囲(例えばプラットフォームのコーナー部等)においては、スペースの理由により設置することができない。従ってこの公知の構成においては、長手方向通路が、横方向チェーン区間への移行領域内で十分なスペースを得られるように、プラットフォームのコーナー部の範囲内に配置された枕木を軌道横方向にずらすようになっている。しかしながらこのような方法によれば、隣接する軌道が平行に延在している場合に、この隣接する軌道の建築限界が損なわれる、という欠点がある。これによって、隣接する軌道は必然的に封鎖されることになる。
【0003】
そこで本発明の課題は、冒頭に述べた形式の機械及び方法を改良して、作業軌道の建築限界内における軌道の狭くなった箇所の範囲内でもバラストを受容することができるようにすることである。
【0004】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴部に記載した構成を有する機械によって、若しくは請求項3の特徴部に記載した手段を有する方法によって解決された。
【0005】
本発明によれば、狭くなった箇所の前で、長手方向通路の下部の問題のある箇所の横断面を減少させることができるので、縮小されたコンベヤベルトを有する掘削装置を、建築限界内にも設置することができる。これによって、隣接する軌道上を、妨害を受けることなく走行させることができる。
【0006】
本発明のその他の利点は、従属請求項並びに図面に記載されている。
【0007】
以下に図示の実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】バラストを清掃するための機械の側面図である。
【図2】掘削装置の拡大した平面図である。
【図3】掘削装置の長手方向通路の下端部を示す部分図である。
【図4】掘削装置の長手方向通路の下端部を示す部分図である。
【図5】長手方向通路10の概略的な横断面図である。
【図6】長手方向通路10の概略的な横断面図である。
【0009】
図1に示した軌道3のバラスト2を受容するための機械1は、複数のレール走行装置4上に設けられた走行可能な機械枠5を有していて、作業方向6で走行可能である。レール走行装置4間にバラスト2を受容するための掘削装置7が設けられている。この掘削装置7は、駆動装置8によって回転可能、かつ軌道3を巡ってガイドされたエンドレスなコンベヤチェーン9より成っている。受容されたバラスト2は、フィルタ装置24によって清掃され、次いで軌道3上に散布される。
【0010】
特に図2に示されているように、掘削装置7は、チェーン駆動装置8の領域内において集合された2つの長手方向通路10と1つの横方向チェーン区間11とから成っている。この横方向チェーン区間11は、軌道3の下に位置決めされていて、機械長手方向に対して横方向に延在している。
【0011】
横方向チェーン区間11は、それぞれ2つの長手方向通路10の下端部に接続されている。各長手方向通路10は、機械横方向13に関連して、それぞれ1つの通路内側14と1つの通路外側15と、該通路外側15の下端部12に1つの通路開口16(図4参照)とを有している。この通路開口16は、図5若しくは図6によれば、選択的に第1及び第2の通路カバー16,17によって、ねじ結合19を用いて閉鎖可能である。
【0012】
図3及び図4は、通路開口16を備えた長手方向通路10のそれぞれ下端部12を示している。図4には、大きい通路横断面20を提供する第1の通路カバー17が、一点鎖線で示されている。
【0013】
特に図5(長手方向通路10の概略的な横断面図)に示されているように、長手方向通路10との固定部並びに通路開口16のカバーを備えた第1の通路カバー17によって、通常の作業を実施するために設けられたコンベヤチェーン9を貫通ガイドさせるのに適した、増大された通路横断面20が提供される。
【0014】
図6に示されているように(長手方向通路10の概略的な横断面図)、長手方向通路10との固定部並びに通路開口16のカバーを備えた第2の通路カバー18によって、軌道の狭くなった箇所21内での作業を実施するために設けられた小さい補助チェーン22を貫通ガイドさせるのに適した、縮小された通路横断面23が提供される。前記軌道の狭くなった箇所21が存在する原因は例えばプラットフォーム25である。
【0015】
通路開口16と通路カバー17,18との間の仕切り面26は、機械長手方向に対して垂直、かつ平行に延在している。
【0016】
通常の作業状態において、機械は、長手方向通路10のために最適なコンベヤチェーン9によって駆動され、それによって最大の掘削能力及び清掃能力がえられる。プラットフォーム25側に配置された第1の通路カバー17は、ねじ結合19を解除することによって取り外すことができる。こうして開放された通路開口16ことによって、コンベヤチェーン9の取り外し作業が軽減される(図4参照)。
【0017】
開放された通路開口16を通って、縮小された補助チェーン22が導入され、この補助チェーン22の両端部を接続することによってエンドレスなチェーンが形成される。次いで、通路開口16をカバーするための、一平面を形成する第2の通路カバー18が、長手方向通路10にねじ結合される。図6に示されているように、第2の通路カバー18は仕切り面26に沿って延在しているので、長手方向通路10の幅Bは著しく減少される。従って、プラットフォーム25の領域はバラスト2を収容しながら問題なく通過させることができ、このために掘削装置7を横方向に旋回させる必要はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道のバラストを受容するための機械であって、レール走行装置(4)上に設けられた走行可能な機械フレーム(5)と、循環回転可能なエンドレスなコンベヤチェーン(9)を有する掘削装置(7)とを有しており、該掘削装置(7)がチェーン駆動装置(8)の領域内に一緒にガイドされた2つの長手方向通路(10)と1つの横方向チェーン区間(11)とから形成されており、該横方向チェーン区間(11)が2つの長手方向通路(10)のそれぞれ1つの下端部(12)に結合されており、前記長手方向通路(10)がそれぞれ、機械横方向で見て、通路内側(14)と通路外側(15)とを有している形式のものにおいて、
a)前記長手方向通路(10)がそれぞれ、該長手方向通路(10)の下端部(12)の通路外側(15)に1つの通路開口(16)を有しており、
b)前記通路開口(16)が選択的に第1の通路カバー(17)又は第2の通路カバー(18)によって閉鎖可能であって、
c)前記第1の通路カバー(17)が、前記長手方向通路(10)との固定部において前記コンベヤチェーン(9)を貫通ガイドさせるために適した通路横断面(20)を有しており、
d)前記第2の通路カバー(18)が、前記長手方向通路(10)との固定部において、縮小された補助チェーン(22)だけを貫通ガイドさせる減少された通路横断面(23)を有している、
ことを特徴とする、軌道のバラストを受容するための機械。
【請求項2】
前記通路開口(16)と前記通路カバー(17,18)との間の仕切り面(26)が、掘削装置(7)の作業位置に関連して垂直に、かつ機械長手方向に対して平行に延在するように構成されている、請求項1記載の機械。
【請求項3】
軌道(3)のバラスト道床からバラスト(2)を受容するための方法であって、軌道(3)を包囲する循環回転するコンベヤチェーン(9)によってバラスト(2)を受容し、長手方向通路(10)内で散布位置まで上方に搬送する方法において、
軌道の狭くなった箇所(21)に達する前に、前記コンベヤチェーン(9)を、該コンベヤチェーン(9)よりも小型の補助チェーン(22)と交換し、前記長手方向通路(10)の下部区分の横断面を減少させることを特徴とする、軌道のバラストを受容するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−508838(P2011−508838A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541023(P2010−541023)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010735
【国際公開番号】WO2009/083144
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien,Austria
【Fターム(参考)】