説明

軌道のバラストを締め固めるための方法及び機械

軌道(3)のバラスト(2)の締め固めは、清掃装置(4)による清掃顎に2段階で行われる。このために、清掃されたバラストが投下され、それによって第1のバラスト層(29)が形成される。この第1のバラスト層上に敷設された軌道(3)は、前方のスタビライザ装置(24)によって横方向振動にさらされ、それによって第1のバラスト層(29)が締め固められる。第2のシュート(25)を用いて、第2のバラスト層(30)が形成され、次いでこの第2のバラスト層(30)は後方のスタビライザ装置(18)によって締め固められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道を垂直方向に負荷しつつ水平横方向に振動させることによって、軌道を持ち上げながらバラストを投下して締め固めるようにする、軌道のバラスト道床のバラストを締め固める方法、並びにこの方法を実施するための機械に関する。
【0002】
米国特許第4770104号明細書によれば、バラスト清掃後に、バラスト道床を完全に新たに形成する作業を行われるので、バラストはまったく締め固められていない。このような理由により、突き固め工具によって実施される路盤修正後に、バラスト道床の締め固めを必ず行う必要がある。このために、軌道は、垂直方向の静的負荷によって負荷され、それと平行に水平横方向に振動せしめられる。このような、軌道のいわゆる安定化は、多くの公知の軌道スタビライザ(例えば米国特許第5257579号明細書参照)によって行われる。
【0003】
英国特許第2267305号明細書によれば、清掃装置の軌道持ち上げ装置を横方向に振動させることが公知である。これによって、バラストを不規則にばらまくことによって生ぜしめられるバラストの堆積を低下させ、軌道を均一な高さに敷設することができる。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の機械若しくは方法を改良して、バラスト道床をより良好に締め固めることができるようにすることである。
【0005】
この課題は、本発明の請求項1に記載した方法の手段若しくは請求項2に記載した装置の手段によって、解決された。
【0006】
本発明によれば、より改善された軌道安定化の効果を得ることができる。バラストを段階的にばらまくことによって、軌道の横方向振動に基づいて、バラスト道床の深い層においてもバラストの締め固めが得られる。それによって、バラスト道床を、全体的に均一に締め固めることができ、ひいては長持ちする軌道層を得ることができる。
【0007】
本発明のその他の利点は、従属請求項及び図示の実施例に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】バラストを締め固めるための機械並びに清掃装置の概略的な側面図である。
【図2】バラストを締め固めるための機械の後方部分の、図1に対して拡大した側面図である。
【図3】バラストを締め固めるための機械の前方部分の、図1に対して拡大した側面図である。
【図4】バラストを清掃し、かつ締め固めるための機械の組み合わせの変化実施例を示す概略的な側面図である。
【0009】
図1には、軌道3のバラスト2を締め固めるための機械1並びに清掃装置4が示されている。この清掃装置4は、バラスト収容チェーン5とふるい6と投下ベルト7とを備えている。追加的な若しくは新たなバラストを供給するためにシュート8が設けられている。
【0010】
バラスト2を締め固めるための機械1(図2、図3参照)は、作業方向9に関連して、清掃装置4の直ぐ後ろに位置していて、軌道持ち上げ装置10及び突き固め装置11を備えている。軌道持ち上げ装置10及び突き固め装置10,11は、機械フレーム13に対して相対的に摺動可能なサテライト12に配置されている。路盤修正のための関連システム14が設けられている。
【0011】
機械フレーム13の後端部15に、後方のフレーム部分16がヒンジ結合(枢着)されており、このフレーム部分16は、2つの走行機構17間に第1若しくは後方のスタビライザ装置18を有している。この第1若しくは後方のスタビライザ装置18は、水平な横方向振動を発生させるために偏心駆動装置19に接続されていて、ローリングニッパ(Rollenzange)によって軌道3のレール20に形状接続(形状による束縛)させることができる。フレーム部分16とスタビライザ装置18との間に配置された駆動装置21は、軌道3に垂直方向の静的負荷を加えるために用いられる。
【0012】
機械フレーム13の前端部22には、前方のフレーム部分23がヒンジ結合されており、この前方のフレーム部分23は、第2の若しくは前方のスタビライザ装置24に接続されている。この第2若しくは前方のスタビライザ装置24は、(作業方向9に関連して)突き固め装置11の前方に配置されていて、前記スタビライザ装置18と同様に構成されている。
【0013】
第2若しくは前方のスタビライザ装置24と軌道持ち上げ装置10との間に、バラスト2を投下するためのバラストシュート25が配置されている。突き固め装置11、スタビライザ装置18,24の上に、機械1の作業方向9でバラストを搬送するための、機械長手方向に延在するコンベヤベルト26が設けられている。バラストシュート25の上に、バラスト2をコンベヤベルト26からバラストシュート25に選択的に変向させるための変向装置27が配置されている。コンベヤベルト26の前方の投下端部28は、選択的に新たなバラスト2(図1参照)をコンベヤベルト上に、及び清掃装置4のシュート8内に搬送できるように、前方のフレーム部分23から突き出している。
【0014】
以下に本発明の方法を詳しく説明する。
【0015】
ふるい6によってふるい分けられたバラスト2を軌道3上に投下することによって、第1のバラスト層29が形成される。清掃装置4の、詳しく説明されていない昇降装置によって第1のバラスト層29上に敷設された軌道3は、前方のスタビライザ装置24によって、垂直方向に負荷を受けながら水平横方向に振動させられる。それによって、第1のバラスト層29の締め固めが行われる。
【0016】
それと平行して、詳しく図示してないタンク車両によって、機械1の全体をカバーするコンベヤベルト26上に新たなバラスト2が連続的に供給される。バラスト2は、機械1の作業方向で搬送され、変向装置27に基づいてバラストシュート25内へ、及び場合によって清掃装置4のシュート8内へも投下される。
【0017】
バラストシュート25上に投下されたバラスト2は、後続の軌道持ち上げ装置10によって軌道3を持ち上げながら、第2のバラスト層30を形成する。軌道3は、突き固め装置11によって突き固められた後、後方のスタビライザ装置18によって垂直方向に負荷されると同時に、再び水平横方向に振動せしめられる。それによって、第2若しくは上方のバラスト層30が締め固められる。
【0018】
2段階でバラストを締め固めるための機械1と清掃装置4とによって形成された車両群は、全作業中、連続的に作業方向9に走行する。突き固め装置11及び軌道持ち上げ装置10の相対的なずれに基づいて、連続的な前進走行に対して平行に、軌道3を周期的に突き固めることができる。
【0019】
図4に概略的に示された、本発明の変化実施例は、前方のフレーム部分23が清掃装置4に接続されている点で異なっている。また図4の実施例では、バラスト2は、第1のバラスト層29のためにも、また第2のバラスト層30のためにも、ふるい6によって供給されるようになっている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道(3)を垂直方向に負荷しつつ水平横方向に振動させることによって、軌道(3)を持ち上げながらバラストを投下して締め固めるようにする、軌道(3)のバラスト道床のバラストを締め固める方法において、
a)前記軌道(3)を、第1のバラスト層(29)を形成してからこの第1のバラスト層(29)上に敷設し、垂直方向に負荷しつつ水平横方向に振動させ、
b)第2のバラスト層(30)を形成するために、バラスト(2)を追加的に投下し、前記軌道(3)を持ち上げ、
c)前記軌道(3)を突き固め、
d)前記軌道(3)を垂直方向に負荷しつつ水平横方向に振動させる、
方法段階を有していることを特徴とする、軌道のバラストを締め固めるための方法。
【請求項2】
軌道(3)のバラスト道床のバラストを締め固めるための機械(1)であって、軌道持ち上げ装置(10)及び突き固め装置(11)と、軌道(3)を横方向に振動させながら垂直方向に負荷するためのスタビライザ装置(18)とを有している形式のものにおいて、
前記機械(1)の作業方向(9)に関連して、前記突き固め装置(11)の前方に、第2のスタビライザ装置(24)が接続されていることを特徴とする、軌道のバラストを締め固めるための機械。
【請求項3】
前方の第2のスタビライザ装置(24)と軌道持ち上げ装置(10)との間に、バラスト(2)を投下するためのバラストシュート(25)が配置されている、請求項2記載の機械。
【請求項4】
前記突き固め装置(11)及びスタビライザ装置(18,24)の上に、バラストを機械(1)の作業方向(9)に搬送するための、機械(1)の長手方向に延在するコンベヤベルト(26)が設けられており、前記バラストシュート(25)の上に、バラスト(2)を前記コンベヤベルト(26)から選択的に前記バラストシュート(25)内に変向させるための変向装置(27)が配置されている、請求項3記載の機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504973(P2011−504973A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535254(P2010−535254)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008797
【国際公開番号】WO2009/068139
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien,Austria
【Fターム(参考)】