軌陸作業機
【課題】部品点数、工数および重量が削減され、価格の低下が図れる軌陸作業機の軌間変更装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上下動フレーム10の横フレーム10bは、互いに離間して対面する前板部17と後板部19とを有する。前板部17と後板部19には互いに相手側に突出した突出部24、25を有する。レール走行用車輪13のブラケット14は、平板状の上板部14aとその下面に設けたレール走行用車輪装着部14bとを有する。ブラケット14の上板部14aを、前板部17および後板部19間に嵌め、かつ上板部14aの前後縁を前板部17と後板部19の各突出部24、25上に載せる。また、レール走行用車輪装着部14bを前記突出部24、25間に嵌めてブラケット14を横フレーム10bに左右に移動可能に装着する。
締結ボルト41〜43により上板部14aを横フレーム10aに固定する。
【解決手段】上下動フレーム10の横フレーム10bは、互いに離間して対面する前板部17と後板部19とを有する。前板部17と後板部19には互いに相手側に突出した突出部24、25を有する。レール走行用車輪13のブラケット14は、平板状の上板部14aとその下面に設けたレール走行用車輪装着部14bとを有する。ブラケット14の上板部14aを、前板部17および後板部19間に嵌め、かつ上板部14aの前後縁を前板部17と後板部19の各突出部24、25上に載せる。また、レール走行用車輪装着部14bを前記突出部24、25間に嵌めてブラケット14を横フレーム10bに左右に移動可能に装着する。
締結ボルト41〜43により上板部14aを横フレーム10aに固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面を走行する走行体以外に、鉄道のレール上を走行する車輪を有する軌陸作業機において、鉄道の異なるレール間隔に対応してレール走行用車輪間の間隔を変更する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軌陸作業機において、鉄道のレール間隔の相違に対応するため、レール走行用車輪の間隔が変更できる構成にする(軌間変更機能を持つ)ことが、汎用性を高める意味で好ましい。このため、レール走行用車輪は走行体フレームに左右の間隔を変更できるように取付けられる。このような軌間変更装置の例として、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
この特許文献1に記載された軌陸作業機においては、地面走行用の走行体フレームの前後に上下に回動可能にフレームを設け、この上下動フレームが有する横フレームの下面に、レール走行用車輪を設けたブラケットの平板状の上板部を当てて締結ボルトにより横フレームに固定する構造を有している。また、軌間変更作業の際に、前記ブラケットが落下しないように支持しておくため、前記上板部にはガイド用の長穴が設けられ、この長穴にこの長穴の幅より広い外径のカラーを介してボルトを挿通し、このボルトを横フレームに締結してブラケットを横フレームに保持しつつ、長穴の長さ分だけブラケットを横フレームに対して移動可能にした構造を有している。
【0004】
【特許文献1】特許第3187491公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の軌陸作業機の軌間変更装置は、上下動フレームを構成する左右一対のアームに平板状の横板が架け渡されて横フレームが構成される。前記横板は、横フレームの強度確保と前記ブラケットの上板部全面を接触させて固定するために大きな幅を必要とし、重量の増加を招いている。また、軌間変更作業の際に、前記ブラケットを横フレームに支持しておくために、横板やブラケットの上板部にボルト穴や長穴を設ける必要があり、製作工数、部品点数が増加し、コストが嵩むという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、部品点数、製作工数および重量が削減され、価格の低下が図れる軌陸作業機の軌間変更装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の軌陸作業機の軌間変更装置は、
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有すると共に、これらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、平板状の上板部とその下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部を、前記前板部および後板部間に嵌め、かつ前記上板部の前後を前記前板部と前記後板部の各突出部上に載せると共に、前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部の各突出部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合するボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする。
【0008】
請求項2の軌陸作業機の軌間変更装置は、請求項1において、
前記横フレームは、前記前板部と前記後板部との間を結合する結合部を有し、この結合部と前記突出部との間に、前記上板部の前後を嵌める溝を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の軌陸作業機の軌間変更装置は、
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有し、かつこれらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有すると共に、前記前記突出部より上部に、前記前板部と前記後板部とを結合する結合部を有し、
前記前板部および後板部と前記結合部と前記各突出部との間でL字形の溝を形成し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、底板部の前後に立上部を有する略U字形の上板部と、前記底板部の下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部の前後をそれぞれ前記L字形の溝に摺動可能に嵌め、かつ前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部の立上部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合する締結ボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明においては、横フレームは前板部と後板部とを有する構造であり、従来のように横板により構成する場合に比較して軽量に構成できる。また、横フレームにそれぞれ設けた突出部にレール走行用車輪のブラケットの上板部を載せて締結ボルトにより固定する構造であるため、締結ボルトを外した状態であってもブラケットが横フレームに支持される。このため、従来のように軌間変更作業の際に横フレームにブラケットを支持しておくために横フレームのブラケット固定用とは別に横板やブラケットにボルト穴や長穴を設ける必要がなく、部品点数、製作工数および重量が削減され、価格の低下が図れる。
【0011】
請求項2の発明においては、横フレームの前板部と後板部との結合部によってレール走行用車輪のブラケットが押さえられるため、レール上を走行する際に、作業機の荷重が横フレームによって支持され、締結ボルトで軌陸作業機の荷重を支える必要がなくなり、作業機を安定的に支持できる。
【0012】
請求項3の発明によれば、前板部と後板部の突出部でブラケットの上板部が支持され、かつ上板部の上方への動きが前記結合部によって阻止されるので、請求項1、請求項2と同等の効果を上げることができる。また、前記突出部には締結ボルトを取付ける必要がないため、前板部と後板部との間隔を狭くすることができ、横フレームを小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の軌陸作業機を一実施の形態を多関節フロントを省略してレール上における走行状態で示す側面図、図2はそのレール走行用車輪をHで示す高さに地面より上げた状態を示す部分側面図、図3はその正面図である。1はレール、2は走行体であり、走行体2は走行体フレーム3の左右にゴム製のクローラ4を装着するものである。
【0014】
走行体2の走行体フレーム3上には旋回装置5を介して旋回体6が設置され、旋回体6上にはエンジン搭載の油圧パワーユニット7と運転室8とが設置される。また、前記旋回体6の前部には、バケット等の作業具を備えた不図示の多関節フロントが取付けられる。なお、前記多関節フロントは、前記旋回体6に水平揺動装置を介して取付ける場合もある。
【0015】
10は走行体フレーム3の前後に取付けられた上下動フレームである。各上下動フレーム10は、図4の平面図と図5の側面図に示す構造を有しており、左右のアーム部10aの根元部が、左右のクローラ4、4間において、ピン12を中心として、油圧シリンダ11の伸縮により上下動するように回動可能に取付けられる。前記各上下動フレーム10の左右のアーム部10aの先端には、クローラ4の端部より前後に突出した位置となるように横フレーム10bが設けられ、これらの横フレーム10bの左右の端部にレール1上を走行させるための車輪13を取付けたブラケット14が、後述の構造により、異なるレール1、1間の間隔に合わせられるように、左右の位置変更可能に取付けられる。
【0016】
図6の平面図に示すように、板状をなす前記左右のアーム部10a、10aの根元部間には補強部材としての板材15を溶接し、中間部間には補強部材としてのロッド16を溶接している。また横フレーム10bは前板部17と後板部19とを有し、これらの間は、前記アーム部10aの端部を延長して形成した結合部20を溶接することにより一体に結合される。21はアーム部10aより内側にそれぞれ対応した補強版であり、これらの補強板21は、前記ロッド16に一端を溶接し、中間部を前記後板部19を溶接し、先端を前記前板部17に溶接してなり、前板部17と後板部19との間がこれらの結合部22を構成する。後板部19の背面の中央部には、前記油圧シリンダ11を連結するブラケット23が設けられる。
【0017】
図6とその側面図である図7と図6のE-E断面図である図8に示すように、前記前板部17の下面と、後板部19の前面には、それぞれ相手側に突出する突出部24、25が溶接により、両者間に所定の間隔が形成されるように設けられる。図6に示すように、これらの突出部24、25には、左右端部からそれぞれ中央部にかけて、一定の間隔P0をもって複数の取付穴26、27、28が設けられる。なお、この実施の形態においては、これらの取付穴26〜28は後述の締結ボルト41〜43を螺合するねじ穴として構成している。
【0018】
図7に示すように、前記前板部17および後板部19の各突出部24、25と結合部20との間にそれぞれ溝30、31を形成する。また、図8に示すように、前記前板部17および後板部19の各突出部24、25と結合部22との間にそれぞれ溝32、33を形成する。
【0019】
図9(A)は前記レール走行用車輪13のブラケット14の構造を示す平面図、図9(B)はその側面図である。前記ブラケット14は、平板状をなす上板部14aと、レール走行用車輪13の装着部14bとからなる。レール走行用車輪装着部14bは、車輪13の軸受を備え、また、前後のレール上走行装置のうち、少なくとも一方のレール走行用車輪装着部14bには、レール走行用車輪13を駆動するための油圧モータを備える。
【0020】
図9(A)に示すように、前記上板部14aの左右には、横フレーム10bへの取付穴35〜39が設けられる。これらの取付穴35〜39のうち、取付穴35と37の間隔P1は、取付穴37と39の間隔P2および取付穴36と38の間隔P3に等しく、さらに前記突出部24、25に設けた取付穴26と27、27と28の間隔P0に等しい(P0=P1=P2=P3)。
【0021】
この構成において、レール走行用車輪13のブラケット14を前記横フレーム10bに取付ける場合は、図4、図5、図10に示すように、前記ブラケット14の上板部14aを、前記前板部17および後板部19間に嵌め、かつ前記上板部14aの前後縁を前記前板部17と前記後板部19の各突出部24、25上に載せると共に、前記レール走行用車輪装着部14bを前記突出部24、25間に嵌めて前記ブラケット14を前記横フレーム10bに左右に移動可能に装着する。本実施の形態においては、前記上板部14aの前後を前記溝32、33に嵌めてブラケット14を横フレーム10bに装着している。
【0022】
図4に示すブラケット14と横フレーム10bとの組合わせ例では、レール1、1間の間隔が最も短い場合に合わせるために、上板部14aの取付穴35、37、39を突出部24、25の取付穴26、27、28に合わせ、それぞれ締結ボルト41、42、43を上板部14aの取付穴35、37、39に挿通してねじ穴である取付穴26、27、28に螺合して締め付けることにより、ブラケット14を横フレーム10bに固定する。
【0023】
レール1、1間の間隔が中間の幅である場合には、ブラケット14の上板部14aの取付穴36、38を、突出部24、25の取付穴26、27に合わせて締結ボルト41、42により締め付け固定する。また、レール1、1間の間隔が最も広幅である場合には、ブラケット14の上板部14aの取付穴37、39を、突出部24、25の取付穴26、27に合わせて締結ボルト41、42により締め付け固定する。なお、上下動フレーム10から車輪13にいたる何れかの箇所に、レール1、1間が軌陸作業機によって電気的に短絡されることを防止する構造が採用されるが、詳細な説明を省略する。
【0024】
このように、横フレーム10bの前板部17と後板部19にそれぞれ設けた突出部24、25にレール走行用車輪13のブラケット14の上板部14aを載せて締結ボルト41〜43により固定する構造としたものであり、従来のように横板により横フレームを構成した場合に比較して軽量化できる。また、締結ボルト41〜43を外した状態であってもブラケット14が横フレーム10bに支持される。このため、従来のように軌間変更作業の際に横フレームにブラケットを支持しておくために横フレームのブラケット固定用とは別に横板やブラケットにボルト穴や長穴を設ける必要がなく、部品点数、工数および重量が削減され、価格の低下が図れる。
【0025】
また、本実施の形態においては、横フレーム10bの前板部17と後板部19の突出部24、25と結合部20、22によって形成された溝30、31および32、33に上板部14aの前後を嵌めた構造としたので、レール上を走行する際に、レール走行用車輪13のブラケット14が結合部20、22により押さえられるため、作業機の荷重が横フレーム10aによって支持され、締結ボルト41〜43で軌陸作業機の荷重を支える必要がなくなり、作業機を安定的に支持できる。
【0026】
図11ないし図17は本発明の他の実施の形態であり、この実施の形態においては、上下動フレーム10の横フレーム10bは、前記実施の形態と同様に、互いに離間して対面する前板部17と後板部19とを有し、かつこれらの前板部17と後板部19には互いに相手側に突出した突出部24、25を有すると共に、前記突出部24、25より上部に、図13〜図15に示すように、前記前板部17と前記後板部19とを結合する結合部20、22を有する。
【0027】
本実施の形態が前記実施の形態と異なるところは、図14、図15に示すように、前記前板部17および後板部19とを結合する前記結合部20(22)と前記各突出部24、25との間でL字形の溝50、51(52、53)を形成し、かつ前記レール走行用車輪13のブラケット14の上板部14eは、図16に示すように、底板部14cの前後に立上部14dを有する略U字形に形成したことである。そして、前記底板部14cの下面にレール走行用車輪装着部14bを有する。
【0028】
図13に示すように、前記横フレーム10bの前板部17と後板部19には、左右の端部より、等間隔に取付穴54、55、56を設ける一方、ブラケット14の上板部14eの立上部14dには、図9(A)に示した取付穴35〜39の間隔設定の要領と同様に、図16(A)に示すように、ねじ穴である取付穴60〜64を設ける。
【0029】
そして、レール走行用車輪13のブラケット14を横フレーム10bに取付ける際には、図11、図12、図17に示すように、前記ブラケット14の上板部14eの前後の立上部14dおよびその近傍をそれぞれ前記L字形の溝50、52および51、53に摺動可能に嵌め、かつ前記レール走行用車輪装着部14bを前記突出部24、25間に嵌めて前記ブラケット14を前記横フレーム14bに左右に移動可能に装着する。
【0030】
そしてレール1、1間の間隔が最も狭幅である場合には、図11に示すように、前板部17と後板部19の取付穴54、55、56に上板部14eの立上部14dの取付穴60、62、64を合わせ、締結ボルト65、66、67をそれぞれ取付穴54、55、56から挿通してねじ穴である取付穴60、62、64に螺合して締め付けることにより、ブラケット14を横フレーム10bに固定する。レール1、1間の間隔が中間の幅であるときは、前板部17と後板部19の取付穴54、55に立上部14dに設けた取付穴61、63に合わせて前記同様に締結ボルト65、66により固定する。レール1、1間の間隔が最も広幅であるときは、前板部17と後板部19の取付穴54、55に立上部14dに設けた取付穴62、64に合わせて前記同様に締結ボルト65、66により固定する。
【0031】
本実施の形態によれば、前板部17と後板部19の突出部24、25でブラケット14の上板部14eが支持され、かつ上板部14eの上方への動きが前記結合部20、22によって阻止されるので、前記実施の形態と同様の効果を上げることができる。また、前記突出部24、25には締結ボルトを取付ける必要がないため、前板部17と後板部19との間隔、すなわち横フレーム10bの幅W(図11参照)を狭くすることができ、横フレーム10bを小型化できる。
【0032】
また、上記実施の形態においては、いずれも横フレームの突出部24、25間が開放されているので、その開放部から作業員が手を差し込んでレール上走行装置の油圧モータ等のメンテナンスを行ない易い。
【0033】
上記実施の形態においては、ブラケット14と横フレーム10bに設ける取付穴の一方を締結ボルトを螺合するねじ穴としたが、双方を締結ボルトの挿通穴として締結ボルトをナットに螺合して締結する構造にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による軌陸作業機の一実施の形態をレール走行可能状態で示す側面図である。
【図2】図1の実施の形態の軌陸作業機において、上下動フレームを持ち上げて地面を走行している状態を示す部分側面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】本実施の形態の軌間変更装置を示す平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】本実施の形態のブラケットの平面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図6のE-E断面図である。
【図9】(A)は本実施の形態のレール走行用車輪を取付けたブラケットの平面図、(B)はその側面図である。
【図10】本実施の形態の横フレームとブラケットとの組合わせ構造を示す側面断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の軌間変更装置を示す平面図である。
【図12】図11の側面図である。
【図13】図10、11の実施の形態のブラケットの平面図である。
【図14】図13の側面図である。
【図15】図13のF-F断面図である。
【図16】(A)は図11、図12の実施の形態のレール走行用車輪を取付けたブラケットの平面図、(B)はその側面図である。
【図17】図11、図12の実施の形態の横フレームとブラケットとの組合わせ構造を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1:レール、2:走行体、3:走行体フレーム、4:クローラ、5:旋回装置、6:旋回体、7:油圧パワーユニット、8:運転室、10:上下動フレーム、10a:アーム部、10b:横フレーム、11:油圧シリンダ、12:ピン、13:レール走行用車輪、14:ブラケット、14a、14e:上板部、14b:レール走行用車輪装着部、14c:底板部、14d:立上部、15、16:補強部材、17:前板部、19:後板部、20、22:結合部、21:補強板、23:ブラケット、24、25:突出部、26〜28:取付穴、30〜33:溝、35〜39:取付穴、41〜43:締結ボルト、50〜53:溝、54〜56、60〜64:取付穴、65〜67:締結ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面を走行する走行体以外に、鉄道のレール上を走行する車輪を有する軌陸作業機において、鉄道の異なるレール間隔に対応してレール走行用車輪間の間隔を変更する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軌陸作業機において、鉄道のレール間隔の相違に対応するため、レール走行用車輪の間隔が変更できる構成にする(軌間変更機能を持つ)ことが、汎用性を高める意味で好ましい。このため、レール走行用車輪は走行体フレームに左右の間隔を変更できるように取付けられる。このような軌間変更装置の例として、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
この特許文献1に記載された軌陸作業機においては、地面走行用の走行体フレームの前後に上下に回動可能にフレームを設け、この上下動フレームが有する横フレームの下面に、レール走行用車輪を設けたブラケットの平板状の上板部を当てて締結ボルトにより横フレームに固定する構造を有している。また、軌間変更作業の際に、前記ブラケットが落下しないように支持しておくため、前記上板部にはガイド用の長穴が設けられ、この長穴にこの長穴の幅より広い外径のカラーを介してボルトを挿通し、このボルトを横フレームに締結してブラケットを横フレームに保持しつつ、長穴の長さ分だけブラケットを横フレームに対して移動可能にした構造を有している。
【0004】
【特許文献1】特許第3187491公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の軌陸作業機の軌間変更装置は、上下動フレームを構成する左右一対のアームに平板状の横板が架け渡されて横フレームが構成される。前記横板は、横フレームの強度確保と前記ブラケットの上板部全面を接触させて固定するために大きな幅を必要とし、重量の増加を招いている。また、軌間変更作業の際に、前記ブラケットを横フレームに支持しておくために、横板やブラケットの上板部にボルト穴や長穴を設ける必要があり、製作工数、部品点数が増加し、コストが嵩むという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、部品点数、製作工数および重量が削減され、価格の低下が図れる軌陸作業機の軌間変更装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の軌陸作業機の軌間変更装置は、
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有すると共に、これらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、平板状の上板部とその下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部を、前記前板部および後板部間に嵌め、かつ前記上板部の前後を前記前板部と前記後板部の各突出部上に載せると共に、前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部の各突出部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合するボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする。
【0008】
請求項2の軌陸作業機の軌間変更装置は、請求項1において、
前記横フレームは、前記前板部と前記後板部との間を結合する結合部を有し、この結合部と前記突出部との間に、前記上板部の前後を嵌める溝を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3の軌陸作業機の軌間変更装置は、
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有し、かつこれらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有すると共に、前記前記突出部より上部に、前記前板部と前記後板部とを結合する結合部を有し、
前記前板部および後板部と前記結合部と前記各突出部との間でL字形の溝を形成し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、底板部の前後に立上部を有する略U字形の上板部と、前記底板部の下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部の前後をそれぞれ前記L字形の溝に摺動可能に嵌め、かつ前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部の立上部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合する締結ボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明においては、横フレームは前板部と後板部とを有する構造であり、従来のように横板により構成する場合に比較して軽量に構成できる。また、横フレームにそれぞれ設けた突出部にレール走行用車輪のブラケットの上板部を載せて締結ボルトにより固定する構造であるため、締結ボルトを外した状態であってもブラケットが横フレームに支持される。このため、従来のように軌間変更作業の際に横フレームにブラケットを支持しておくために横フレームのブラケット固定用とは別に横板やブラケットにボルト穴や長穴を設ける必要がなく、部品点数、製作工数および重量が削減され、価格の低下が図れる。
【0011】
請求項2の発明においては、横フレームの前板部と後板部との結合部によってレール走行用車輪のブラケットが押さえられるため、レール上を走行する際に、作業機の荷重が横フレームによって支持され、締結ボルトで軌陸作業機の荷重を支える必要がなくなり、作業機を安定的に支持できる。
【0012】
請求項3の発明によれば、前板部と後板部の突出部でブラケットの上板部が支持され、かつ上板部の上方への動きが前記結合部によって阻止されるので、請求項1、請求項2と同等の効果を上げることができる。また、前記突出部には締結ボルトを取付ける必要がないため、前板部と後板部との間隔を狭くすることができ、横フレームを小型化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の軌陸作業機を一実施の形態を多関節フロントを省略してレール上における走行状態で示す側面図、図2はそのレール走行用車輪をHで示す高さに地面より上げた状態を示す部分側面図、図3はその正面図である。1はレール、2は走行体であり、走行体2は走行体フレーム3の左右にゴム製のクローラ4を装着するものである。
【0014】
走行体2の走行体フレーム3上には旋回装置5を介して旋回体6が設置され、旋回体6上にはエンジン搭載の油圧パワーユニット7と運転室8とが設置される。また、前記旋回体6の前部には、バケット等の作業具を備えた不図示の多関節フロントが取付けられる。なお、前記多関節フロントは、前記旋回体6に水平揺動装置を介して取付ける場合もある。
【0015】
10は走行体フレーム3の前後に取付けられた上下動フレームである。各上下動フレーム10は、図4の平面図と図5の側面図に示す構造を有しており、左右のアーム部10aの根元部が、左右のクローラ4、4間において、ピン12を中心として、油圧シリンダ11の伸縮により上下動するように回動可能に取付けられる。前記各上下動フレーム10の左右のアーム部10aの先端には、クローラ4の端部より前後に突出した位置となるように横フレーム10bが設けられ、これらの横フレーム10bの左右の端部にレール1上を走行させるための車輪13を取付けたブラケット14が、後述の構造により、異なるレール1、1間の間隔に合わせられるように、左右の位置変更可能に取付けられる。
【0016】
図6の平面図に示すように、板状をなす前記左右のアーム部10a、10aの根元部間には補強部材としての板材15を溶接し、中間部間には補強部材としてのロッド16を溶接している。また横フレーム10bは前板部17と後板部19とを有し、これらの間は、前記アーム部10aの端部を延長して形成した結合部20を溶接することにより一体に結合される。21はアーム部10aより内側にそれぞれ対応した補強版であり、これらの補強板21は、前記ロッド16に一端を溶接し、中間部を前記後板部19を溶接し、先端を前記前板部17に溶接してなり、前板部17と後板部19との間がこれらの結合部22を構成する。後板部19の背面の中央部には、前記油圧シリンダ11を連結するブラケット23が設けられる。
【0017】
図6とその側面図である図7と図6のE-E断面図である図8に示すように、前記前板部17の下面と、後板部19の前面には、それぞれ相手側に突出する突出部24、25が溶接により、両者間に所定の間隔が形成されるように設けられる。図6に示すように、これらの突出部24、25には、左右端部からそれぞれ中央部にかけて、一定の間隔P0をもって複数の取付穴26、27、28が設けられる。なお、この実施の形態においては、これらの取付穴26〜28は後述の締結ボルト41〜43を螺合するねじ穴として構成している。
【0018】
図7に示すように、前記前板部17および後板部19の各突出部24、25と結合部20との間にそれぞれ溝30、31を形成する。また、図8に示すように、前記前板部17および後板部19の各突出部24、25と結合部22との間にそれぞれ溝32、33を形成する。
【0019】
図9(A)は前記レール走行用車輪13のブラケット14の構造を示す平面図、図9(B)はその側面図である。前記ブラケット14は、平板状をなす上板部14aと、レール走行用車輪13の装着部14bとからなる。レール走行用車輪装着部14bは、車輪13の軸受を備え、また、前後のレール上走行装置のうち、少なくとも一方のレール走行用車輪装着部14bには、レール走行用車輪13を駆動するための油圧モータを備える。
【0020】
図9(A)に示すように、前記上板部14aの左右には、横フレーム10bへの取付穴35〜39が設けられる。これらの取付穴35〜39のうち、取付穴35と37の間隔P1は、取付穴37と39の間隔P2および取付穴36と38の間隔P3に等しく、さらに前記突出部24、25に設けた取付穴26と27、27と28の間隔P0に等しい(P0=P1=P2=P3)。
【0021】
この構成において、レール走行用車輪13のブラケット14を前記横フレーム10bに取付ける場合は、図4、図5、図10に示すように、前記ブラケット14の上板部14aを、前記前板部17および後板部19間に嵌め、かつ前記上板部14aの前後縁を前記前板部17と前記後板部19の各突出部24、25上に載せると共に、前記レール走行用車輪装着部14bを前記突出部24、25間に嵌めて前記ブラケット14を前記横フレーム10bに左右に移動可能に装着する。本実施の形態においては、前記上板部14aの前後を前記溝32、33に嵌めてブラケット14を横フレーム10bに装着している。
【0022】
図4に示すブラケット14と横フレーム10bとの組合わせ例では、レール1、1間の間隔が最も短い場合に合わせるために、上板部14aの取付穴35、37、39を突出部24、25の取付穴26、27、28に合わせ、それぞれ締結ボルト41、42、43を上板部14aの取付穴35、37、39に挿通してねじ穴である取付穴26、27、28に螺合して締め付けることにより、ブラケット14を横フレーム10bに固定する。
【0023】
レール1、1間の間隔が中間の幅である場合には、ブラケット14の上板部14aの取付穴36、38を、突出部24、25の取付穴26、27に合わせて締結ボルト41、42により締め付け固定する。また、レール1、1間の間隔が最も広幅である場合には、ブラケット14の上板部14aの取付穴37、39を、突出部24、25の取付穴26、27に合わせて締結ボルト41、42により締め付け固定する。なお、上下動フレーム10から車輪13にいたる何れかの箇所に、レール1、1間が軌陸作業機によって電気的に短絡されることを防止する構造が採用されるが、詳細な説明を省略する。
【0024】
このように、横フレーム10bの前板部17と後板部19にそれぞれ設けた突出部24、25にレール走行用車輪13のブラケット14の上板部14aを載せて締結ボルト41〜43により固定する構造としたものであり、従来のように横板により横フレームを構成した場合に比較して軽量化できる。また、締結ボルト41〜43を外した状態であってもブラケット14が横フレーム10bに支持される。このため、従来のように軌間変更作業の際に横フレームにブラケットを支持しておくために横フレームのブラケット固定用とは別に横板やブラケットにボルト穴や長穴を設ける必要がなく、部品点数、工数および重量が削減され、価格の低下が図れる。
【0025】
また、本実施の形態においては、横フレーム10bの前板部17と後板部19の突出部24、25と結合部20、22によって形成された溝30、31および32、33に上板部14aの前後を嵌めた構造としたので、レール上を走行する際に、レール走行用車輪13のブラケット14が結合部20、22により押さえられるため、作業機の荷重が横フレーム10aによって支持され、締結ボルト41〜43で軌陸作業機の荷重を支える必要がなくなり、作業機を安定的に支持できる。
【0026】
図11ないし図17は本発明の他の実施の形態であり、この実施の形態においては、上下動フレーム10の横フレーム10bは、前記実施の形態と同様に、互いに離間して対面する前板部17と後板部19とを有し、かつこれらの前板部17と後板部19には互いに相手側に突出した突出部24、25を有すると共に、前記突出部24、25より上部に、図13〜図15に示すように、前記前板部17と前記後板部19とを結合する結合部20、22を有する。
【0027】
本実施の形態が前記実施の形態と異なるところは、図14、図15に示すように、前記前板部17および後板部19とを結合する前記結合部20(22)と前記各突出部24、25との間でL字形の溝50、51(52、53)を形成し、かつ前記レール走行用車輪13のブラケット14の上板部14eは、図16に示すように、底板部14cの前後に立上部14dを有する略U字形に形成したことである。そして、前記底板部14cの下面にレール走行用車輪装着部14bを有する。
【0028】
図13に示すように、前記横フレーム10bの前板部17と後板部19には、左右の端部より、等間隔に取付穴54、55、56を設ける一方、ブラケット14の上板部14eの立上部14dには、図9(A)に示した取付穴35〜39の間隔設定の要領と同様に、図16(A)に示すように、ねじ穴である取付穴60〜64を設ける。
【0029】
そして、レール走行用車輪13のブラケット14を横フレーム10bに取付ける際には、図11、図12、図17に示すように、前記ブラケット14の上板部14eの前後の立上部14dおよびその近傍をそれぞれ前記L字形の溝50、52および51、53に摺動可能に嵌め、かつ前記レール走行用車輪装着部14bを前記突出部24、25間に嵌めて前記ブラケット14を前記横フレーム14bに左右に移動可能に装着する。
【0030】
そしてレール1、1間の間隔が最も狭幅である場合には、図11に示すように、前板部17と後板部19の取付穴54、55、56に上板部14eの立上部14dの取付穴60、62、64を合わせ、締結ボルト65、66、67をそれぞれ取付穴54、55、56から挿通してねじ穴である取付穴60、62、64に螺合して締め付けることにより、ブラケット14を横フレーム10bに固定する。レール1、1間の間隔が中間の幅であるときは、前板部17と後板部19の取付穴54、55に立上部14dに設けた取付穴61、63に合わせて前記同様に締結ボルト65、66により固定する。レール1、1間の間隔が最も広幅であるときは、前板部17と後板部19の取付穴54、55に立上部14dに設けた取付穴62、64に合わせて前記同様に締結ボルト65、66により固定する。
【0031】
本実施の形態によれば、前板部17と後板部19の突出部24、25でブラケット14の上板部14eが支持され、かつ上板部14eの上方への動きが前記結合部20、22によって阻止されるので、前記実施の形態と同様の効果を上げることができる。また、前記突出部24、25には締結ボルトを取付ける必要がないため、前板部17と後板部19との間隔、すなわち横フレーム10bの幅W(図11参照)を狭くすることができ、横フレーム10bを小型化できる。
【0032】
また、上記実施の形態においては、いずれも横フレームの突出部24、25間が開放されているので、その開放部から作業員が手を差し込んでレール上走行装置の油圧モータ等のメンテナンスを行ない易い。
【0033】
上記実施の形態においては、ブラケット14と横フレーム10bに設ける取付穴の一方を締結ボルトを螺合するねじ穴としたが、双方を締結ボルトの挿通穴として締結ボルトをナットに螺合して締結する構造にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による軌陸作業機の一実施の形態をレール走行可能状態で示す側面図である。
【図2】図1の実施の形態の軌陸作業機において、上下動フレームを持ち上げて地面を走行している状態を示す部分側面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】本実施の形態の軌間変更装置を示す平面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】本実施の形態のブラケットの平面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図6のE-E断面図である。
【図9】(A)は本実施の形態のレール走行用車輪を取付けたブラケットの平面図、(B)はその側面図である。
【図10】本実施の形態の横フレームとブラケットとの組合わせ構造を示す側面断面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態の軌間変更装置を示す平面図である。
【図12】図11の側面図である。
【図13】図10、11の実施の形態のブラケットの平面図である。
【図14】図13の側面図である。
【図15】図13のF-F断面図である。
【図16】(A)は図11、図12の実施の形態のレール走行用車輪を取付けたブラケットの平面図、(B)はその側面図である。
【図17】図11、図12の実施の形態の横フレームとブラケットとの組合わせ構造を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1:レール、2:走行体、3:走行体フレーム、4:クローラ、5:旋回装置、6:旋回体、7:油圧パワーユニット、8:運転室、10:上下動フレーム、10a:アーム部、10b:横フレーム、11:油圧シリンダ、12:ピン、13:レール走行用車輪、14:ブラケット、14a、14e:上板部、14b:レール走行用車輪装着部、14c:底板部、14d:立上部、15、16:補強部材、17:前板部、19:後板部、20、22:結合部、21:補強板、23:ブラケット、24、25:突出部、26〜28:取付穴、30〜33:溝、35〜39:取付穴、41〜43:締結ボルト、50〜53:溝、54〜56、60〜64:取付穴、65〜67:締結ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有すると共に、これらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、平板状の上板部とその下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部を、前記前板部および後板部間に嵌め、かつ前記上板部の前後を前記前板部と前記後板部の各突出部上に載せると共に、前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部の各突出部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合する締結ボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする軌陸作業機の軌間変更装置。
【請求項2】
請求項1に記載の軌陸作業機の軌間変更装置において、
前記横フレームは、前記前板部と前記後板部との間を結合する結合部を有し、この結合部と前記突出部との間に、前記上板部の前後を嵌める溝を形成したことを特徴とする軌陸作業機の軌間変更装置。
【請求項3】
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有し、かつこれらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有すると共に、前記前記突出部より上部に、前記前板部と前記後板部とを結合する結合部を有し、
前記前板部および後板部と前記結合部と前記各突出部との間でL字形の溝を形成し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、底板部の前後に立上部を有する略U字形の上板部と、前記底板部の下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部の前後をそれぞれ前記L字形の溝に摺動可能に嵌め、かつ前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部の立上部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合する締結ボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする軌陸作業機の軌間変更装置。
【請求項1】
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有すると共に、これらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、平板状の上板部とその下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部を、前記前板部および後板部間に嵌め、かつ前記上板部の前後を前記前板部と前記後板部の各突出部上に載せると共に、前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部の各突出部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合する締結ボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする軌陸作業機の軌間変更装置。
【請求項2】
請求項1に記載の軌陸作業機の軌間変更装置において、
前記横フレームは、前記前板部と前記後板部との間を結合する結合部を有し、この結合部と前記突出部との間に、前記上板部の前後を嵌める溝を形成したことを特徴とする軌陸作業機の軌間変更装置。
【請求項3】
地面走行体のフレームにレール走行装置を取付けてなる軌陸作業機において、
前記地面走行体のフレームの前後に、上下に回動可能に上下動フレームを取付け、
この上下動フレームは、前記地面走行体のフレームに一端が枢着されたアーム部と、このアーム部の他端に設けられたレール走行用車輪取付け用の横フレームとからなり、
前記横フレームは、互いに離間して対面する前板部と後板部とを有し、かつこれらの前板部と後板部には互いに相手側に突出した突出部を有すると共に、前記前記突出部より上部に、前記前板部と前記後板部とを結合する結合部を有し、
前記前板部および後板部と前記結合部と前記各突出部との間でL字形の溝を形成し、
前記レール走行用車輪のブラケットは、底板部の前後に立上部を有する略U字形の上板部と、前記底板部の下面に設けたレール走行用車輪装着部とを有し、
前記ブラケットの上板部の前後をそれぞれ前記L字形の溝に摺動可能に嵌め、かつ前記レール走行用車輪装着部を前記突出部間に嵌めて前記ブラケットを前記横フレームに左右に移動可能に装着し、
前記前板部と前記後板部にそれぞれ左右に間隔を有して設けた取付穴と、前記ブラケットの上板部の立上部に左右に間隔を有して設けた複数の取付穴とを合わせてこれらの取付穴に挿通または螺合する締結ボルトによって前記ブラケットを前記横フレームに固定することにより、前記レール走行用車輪が前記横フレームに対して左右の突出位置変更可能に取付けられることを特徴とする軌陸作業機の軌間変更装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−15932(P2006−15932A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−197455(P2004−197455)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
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