説明

軟X線顕微鏡

【課題】ナノメートルオーダーの超微細な構造の顕微鏡観察を行うことができるようにする。
【解決手段】光源としてコヒーレントな軟X線を用い、軟X線の進路上に光学レンズは一切用いず、反射ミラー11〜13やハーフミラー15等の反射光学系を用いて軟X線の進路を形成するとともに、軟X線の波面収差を除去する波面補償手段としてデフォーマブルミラー14を備えることにより、反射光学系によって形成された進路上を超短波の軟X線が途中で吸収されることなく伝播し、CCD検出器17に対して試料200の像を結像させることができるようにするとともに、デフォーマブルミラー14により軟X線の波面収差を除去して、短波長の限界にせまる集光性を実現して空間分解能を上げることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軟X線顕微鏡に関し、特に、光源として超短波長の軟X線を用いた顕微鏡に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
光学顕微鏡の技術は古く、種々のタイプの顕微鏡が開発されてきた。また、近年では、レーザ技術および電子画像技術をはじめとする周辺技術の進歩により、更に高機能の顕微鏡システムが開発されている。特に、分子生物学においては、生体試料における分子挙動の観察をウェットな状態で行うこと、かつ、可能な限りの高い空間分解能を達成することが望まれている。例えば、DNAやアミノ酸、タンパク質、細胞小器官等の活動を、生きた細胞で観察したいという需要が多く、そのために必要な顕微鏡の開発が進められている。
【0003】
生体試料の顕微鏡観察においては、生体試料そのものが屈折率不整合層として働く。このような条件下での顕微鏡観察においては、その屈折率不整合層によって発生する球面および非球面収差を補正することが重要な課題である。この課題に対して、アダプティブミラー(可変鏡、変形鏡、補償鏡、補正鏡ともいう)を用いた波面補正法が広く用いられている(例えば、特許文献1〜3を参照)。なお、波面補正法においては、所定の最適化アルゴリズムを用いて、アダプティブミラーの表面形状が決定される。
【0004】
特許文献1,2に記載の顕微鏡は、複数波長の光で試料を照明することにより発する二重共鳴吸収を用いて特定の分子を選択し、特定の光学遷移に起因する吸収および蛍光を観測するものである。具体的には、複数波長の光の光路中に波面補償手段を設け、光の波面収差を波面補償手段により除去する。波面補償手段として、ミラー自身の形状を波長オーダーで制御可能なデフォーマブルミラーを用いる。これにより、特にイレース光に対して波面の乱れを除去して完全な中空形状をもつビームに整形できるようにし、空間分解能を向上させている。
【0005】
特許文献3には、コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)を用いた顕微鏡(CARS顕微鏡)が開示されている。これは、目標とする分子を蛍光色素で染色することなく観察できるようにするもので、CARS顕微鏡法を用いれば、無染色で、分子の固有振動を直接検出することができる。この特許文献3に記載の顕微鏡では、試料を透過した散乱光の波面(集光前の波面)を波面検出手段によりを検出して、集光位置および集光における収差を求め、それをもとに散乱光の透過波面を波面補正手段により補正している。そして、集光位置調節手段としてデフォーマブルミラーを用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−239660号公報
【特許文献2】特開2005−266705号公報
【特許文献3】特開2005−62155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、ホルモンのシグナル伝達や免疫応答、ウイルス感染、神経変性疾患、炎症反応などでの細胞微細構造の観察がますます重要になってきている。このように超微細な構造の顕微鏡観察を可能とするためには、光源としてナノメートルオーダーに達する超短波長のコヒーレント光源を用いることにより、空間分解能(解像度)を更に上げる必要がある。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1〜3に代表される従来の技術では、可視域から紫外域の光源を用い、集光手段として光学レンズを用いている。ところが、光学レンズを用いた透過光学系では、レンズ材質の透過特性により紫外域の光源までしか適用ができない。すなわち、紫外域より波長が短いナノメートルオーダーの超短波長域の光は光学レンズを透過することができず(吸収されてしまう)、生体試料における超微細な分子挙動の顕微鏡観察を行うことができないという問題があった。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ナノメートルオーダーの超微細な構造の顕微鏡観察を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明では、光源として、紫外線と硬X線との間の波長域にある軟X線を用いる。そして、軟X線の進路上に光学レンズは用いず、反射ミラーを用いて軟X線の進路を形成する。さらに、軟X線の進路上に、当該軟X線の波面収差を除去する波面補償手段を備えるようにしている。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成した本発明によれば、光学レンズを用いた透過光学系ではなく、反射ミラーを用いた反射光学系によって軟X線の進路が形成される。反射光学系では、適用可能な波長に制限がないため、数ナノメートルという短波長域の軟X線でも問題なく伝播する。また、波面補償手段により軟X線の波面収差が除去されることにより、短波長の限界にせまる集光性が実現される。これにより、ナノメートルオーダーという超高分解能な顕微鏡を実現することができ、超微細な構造の顕微鏡観察を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態による軟X線顕微鏡の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態による軟X線顕微鏡の他の構成例を示す図である。
【図3】本実施形態による軟X線顕微鏡の更に別の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による軟X線顕微鏡の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の軟X線顕微鏡は、複数の反射ミラー11〜13、デフォーマブルミラー14、ハーフミラー15、ピンホール16、CCD検出器17および真空容器18を備えて構成されている。
【0014】
本実施形態の軟X線顕微鏡は、軟X線発生装置100と共に使用する。軟X線発生装置100は、水の窓波長域の軟X線を発生する。一般に、X線は波長が1[pm]〜数10[nm]程度の電磁波であり、これには硬X線と軟X線とがある。硬X線は、エネルギーが高くて物質に対する透過性が強いX線のことであり、体は透過するが、骨は透過しないため、例えばレントゲン写真を撮影するのに用いられる。一方、軟X線は、硬X線よりエネルギーが低くて物質に対する吸収が強く透過性が弱いX線のことである。
【0015】
通常、生体分子である細胞は水分が多く、透過度が高いため、硬X線では細胞の様子を観察することができない。ところが、硬X線と紫外線との間の波長域にある軟X線は、硬X線に比べて透過度が弱く、物質との相互作用が高くなるので、細胞の観察が可能となる。特に、2〜5[nm]の波長の軟X線は、水の層は透過するが、タンパク質などは透過しない。そのため、この波長領域では水の影響が無視でき、水分を含んだままのウェットな状態で生体細胞を観察できることから、当該波長領域は「水の窓」と呼ばれている。
【0016】
軟X線発生装置100から発生された軟X線のビームは、反射ミラーの一種である凸面鏡11およびデフォーマブルミラー14にて順次反射し、ハーフミラー15を透過した後、反射ミラーの一種である凹面鏡12で更に反射して、試料200に至る。
【0017】
凸面鏡11、デフォーマブルミラー14および凹面鏡12は、軟X線発生装置100から試料200までの軟X線の進路上に設けられ、軟X線発生装置100から発生された軟X線を試料200まで伝播させる第1の反射ミラーに相当する。このうち、凸面鏡11は、軟X線発生装置100により発生された軟X線のビーム径を広げる役割を有する。デフォーマブルミラー14の前段において凸面鏡11が軟X線のビーム径を広げることにより、デフォーマブルミラー14の制御面を広く有効に活用できるようにしている。
【0018】
また、凹面鏡12は本発明における第1の凹面鏡に相当し、当該凹面鏡12によって軟X線を試料200に集光させる。なお、上述の凸面鏡11において軟X線のビーム径を広げるのは、デフォーマブルミラー14の後段において凹面鏡12が軟X線を集光しやすいようにするためでもある。
【0019】
また、デフォーマブルミラー14は、本発明における波面補償手段に相当し、軟X線の進路上(本実施形態では、凸面鏡11とハーフミラー15との間)に設けられ、当該軟X線の波面収差を除去する。デフォーマブルミラー14は、波面センサで軟X線の波面を検出しながら、コンピュータ制御でミラー自身の波面補償素子にフィードバックをかける。そして、ミラーの裏面からアクチュエータを動かしてミラーの形状(微小領域の凹凸あるいは傾きなど)を変形させることにより、波長オーダーで最適波面を得るものである。
【0020】
本実施形態では、可視域から紫外域(以下、可視域等という)の光ではなく、それよりも波長が短い水の窓波長域の軟X線を光源として用いている。この場合、デフォーマブルミラー14の形状(膜厚)をナノメートルオーダーで制御することが必要となる。そのために、ミラーの材質は、可視域等の場合とは全く異なるものを使用する必要がある。例えば、デフォーマブルミラー14に多層膜を使うとすれば、その材質をSi−Mo系とするのが好ましい。金属膜を使う場合は、Au,Ptなどの薄膜が好ましい。波長に対しフラットな特性を持つからである。他の反射ミラー11〜13も同様の材質で形成するのが好ましい。
【0021】
なお、デフォーマブルミラー14の代わりに、フレネルゾーンプレートを用いることも可能である。ただし、フレネルゾーンプレートは極微加工において高いコストがかかるというデメリットがある。また、素子は能動的でなく固定であり、熱歪みにも極めて弱い。この点で、デフォーマブルミラー14を用いる方が好ましい。しかし、デフォーマブルミラー14を用いた場合も、使う光源が超短時間パルスでなければ、やはり熱歪み等が生じる。
【0022】
そこで、軟X線発生装置100として、超短時間パルスの軟X線を発生するものを使用するのが好ましい。例えば、本発明者はフェムト−アト秒という極短時間内のパルス状態で軟X線のレーザや高次高調波を発生可能にした光学素子を開発済みであり、これを軟X線発生装置100に使用することが可能である(例えば、「PHYSICAL RWVIEW LETTERS, VOLUME 89, NUMBER 25,“Highly Directive 18.9 nm Nickel-like Molybdenum X-Ray Laser Operating at 150 mJ Pump Energy”」、「Journal of Modern Optics, Vol.53, No.10, 10 July 2006,1451-1458,“33rd harmonic generation form aluminium plasma”」を参照)。
【0023】
試料200に軟X線を照射することによって、試料200から発生(反射)する軟X線は、再び凹面鏡12で反射した後、ハーフミラー15および凹面鏡13にて順次反射し、ピンホール16を通ってCCD検出器17に至る。CCD検出器17は、本発明における軟X線検出手段に相当し、試料200に軟X線を照射することによって試料200から発生(反射)する軟X線の強度を検出する。
【0024】
凹面鏡12,13およびハーフミラー15は、試料200からCCD検出器17までの軟X線の進路上に設けられ、軟X線を試料200からCCD検出器17まで伝播させる第2の反射ミラーに相当する。このうち、凹面鏡13は本発明における第2の凹面鏡に相当し、当該凹面鏡13によって軟X線をCCD検出器17に集光させる。凹面鏡13とCCD検出器17との間には、軟X線のCCD検出器17への集光性を高めるためにピンホール16を設けている。
【0025】
以上に説明した各構成要素11〜17、軟X線発生装置100および試料200は、軟X線発生装置100からCCD検出器17までの軟X線の進路を覆う中空の真空容器18の内部に収納されている。図示はしていないが、真空容器18には、試料200を出し入れ可能な窓が設けられている。軟X線は空気中を伝播しないので、軟X線を照射して試料200の観察を行うときは、真空ポンプ(図示せず)などを用いて真空容器18内を真空状態にする。
【0026】
本実施形態では、超短波長の軟X線を試料200の極微細部分に照射し、当該試料200で反射した軟X線を集光してCCD検出器17に結像させるようにしている。このため、試料200の所望領域を観察したい場合は、試料200を移動させて軟X線の照射位置を変更する。試料200を移動させるために、例えば、試料200を載せたステージ(図示せず)を操作子の操作により任意に移動させることが可能な移動機構(図示せず)を設けてもよい。あるいは、試料200を移動させるのではなく、軟X線の進路を変えるための機構(例えば、コイルに流す電流でミラーの角度を変えることによってビームの進路を制御可能に成されたガルバノミラー)を軟X線の進路上に設けてもよい。
【0027】
図2は、本実施形態による軟X線顕微鏡の他の構成例を示す図である。なお、この図2において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の構成要素であるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0028】
図2において、軟X線発生装置100から発生された軟X線は、凸面鏡11およびデフォーマブルミラー14にて順次反射し、凹面鏡12で更に反射して、試料200’に至る。この図2の例において、試料200’は極めて薄く加工されており(例えば、50[nm]以下の厚さ)、軟X線が透過する。このようにして試料200’に軟X線を照射することによって、試料200’から発生(透過)した軟X線は、凹面鏡13にて反射し、ピンホール16を通ってCCD検出器17に結像する。
【0029】
図3は、本実施形態による軟X線顕微鏡の更に別の構成例を示す図である。なお、この図3において、図1示した符号と同一の符号を付したものは同一の構成要素であるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0030】
図3において、軟X線発生装置100から発生された軟X線は、凸面鏡11およびデフォーマブルミラー14にて順次反射し、凹面鏡12で更に反射して、試料200に至る。そして、このようにして試料200に軟X線を照射することによって、試料200から発生(反射)する軟X線を、ダイレクトにCCD検出器17に結像させる。
【0031】
図3に示す例の場合、試料200で反射した軟X線は集光が行われておらず、ダイレクトにCCD検出器17に結像するので、試料200に対する軟X線の照射部分(ナノメートルオーダーの超微細構造)がCCD検出器17に拡大して結像する。この場合、試料200とCCD検出器17との距離に応じて、像の拡大率が決まる。このため、試料200の超微細な構造を、上記距離に応じた拡大率により拡大して観察することができる。
【0032】
ただし、図3の例の場合は、試料200に照射された軟X線が分子において反射、吸収、散乱、回折を起こした状態の合成像がそのままCCD検出器17に結像する。この結像は、軟X線の強度情報に加えて位相情報を含んだものであり、試料200の実像をフーリエ変換した像に相当する。したがって、CCD検出器17に結像した画像をコンピュータ(図示せず)等により逆フーリエ変換することにより、実像に変換する必要がある。つまり、軟X線のようなコヒーレント光を用いる場合、試料200で反射してCCD検出器17にダイレクトに結像する軟X線は、強度情報に加えて位相情報を持つので、逆フーリエ変換をすることによって強度情報による実像を得ることができる。
【0033】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、光源として水の窓波長域のコヒーレントな軟X線を用いる。そして、当該軟X線の進路上に、軟X線を吸収してしまう光学レンズは一切用いず、反射ミラー11〜13やハーフミラー15等の反射光学系を用いて軟X線の進路を形成する。さらに、軟X線の波面収差を除去する波面補償手段としてデフォーマブルミラー14を備えるようにしている。
【0034】
このように構成した本実施形態によれば、反射光学系によって形成された進路上を超短波の軟X線が途中で吸収されることなく伝播し、CCD検出器17に対して試料200の像を結像させることができる。また、デフォーマブルミラー14により軟X線の波面収差が除去されることにより、短波長の限界にせまる集光性を実現することができる。これにより、ナノメートルオーダーという超高分解能な顕微鏡を実現することができ、超微細な生体試料における分子挙動の顕微鏡観察も行うことができるようになる。
【0035】
なお、上記実施形態では、軟X線発生装置100も真空容器18の内部に収納する例について説明したが、軟X線発生装置100の本体は真空容器18の外部に設置するようにしてもよい。また、上記実施形態では、凹面鏡13とCCD検出器17との間にピンホール16を設ける例について説明したが、これは必須ではない。また、このピンホール16に代えてまたは加えて、凹面鏡12と試料200との間にピンホールを設けてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、反射ミラー11〜13やデフォーマブルミラー14の配置例をいくつか示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、凸面鏡11は設けず、軟X線発生装置100から発生した軟X線をダイレクトにデフォーマブルミラー14に照射するようにしてもよい。また、デフォーマブルミラー14の位置は、凹面鏡12の位置であってもよい(すなわち、デフォーマブルミラー14の位置と凹面鏡12の位置とを交換してもよい)。同様に、デフォーマブルミラー14の位置は、凹面鏡13の位置であってもよい(すなわち、デフォーマブルミラー14の位置と凹面鏡13の位置とを交換してもよい)。さらに、デフォーマブルミラー14を複数備えるようにしてもよい。例えば、凹面鏡12の代わりにもう1つのデフォーマブルミラーを設けてもよいし、凹面鏡13の代わりにもう1つのデフォーマブルミラーを設けてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、水の窓波長域の軟X線を用いる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ウェットな状態で細胞を観察するためには、この水の窓波長域を用いるのが好適であるが、ウェットな状態での観察でなくてもよい場合には、必ずしも水の窓波長域の軟X線を使う必要はない。少なくとも紫外線と硬X線との間の波長域にある軟X線であれば適用可能である。例えば、ライフサイエンス、レーザ医療、情報化社会を切り開く新材料開発、機能性材料の評価など、広範囲の分野において本発明を適用することが可能である。
【0038】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
11 凸面鏡
12,13 凹面鏡
14 デフォーマブルミラー
15 ハーフミラー
16 ピンホール
17 CCD検出器
18 真空容器
100 軟X線発生装置
200 試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線と硬X線との間の波長域にある軟X線を発生する軟X線発生装置から試料までの上記軟X線の進路上に設けられ、上記軟X線発生装置から発生された上記軟X線を上記試料まで伝播させる第1の反射ミラーと、
上記試料に上記軟X線を照射することによって上記試料から発生する軟X線を検出する軟X線検出手段と、
上記軟X線の進路上に設けられ、上記軟X線の波面収差を除去する波面補償手段とを備えたことを特徴とする軟X線顕微鏡。
【請求項2】
上記第1の反射ミラーは第1の凹面鏡を含み、当該第1の凹面鏡によって上記軟X線を上記試料に集光させることを特徴とする請求項1に記載の軟X線顕微鏡。
【請求項3】
上記第1の凹面鏡と上記試料との間にピンホールを更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の軟X線顕微鏡。
【請求項4】
上記試料から上記軟X線検出手段までの上記軟X線の進路上に、上記軟X線を上記試料から上記軟X線検出手段まで伝播させる第2の反射ミラーを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の軟X線顕微鏡。
【請求項5】
上記第2の反射ミラーは第2の凹面鏡を含み、当該第2の凹面鏡によって上記軟X線を上記軟X線検出手段に集光させることを特徴とする請求項4に記載の軟X線顕微鏡。
【請求項6】
上記第2の凹面鏡と上記軟X線検出手段との間にピンホールを更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の軟X線顕微鏡。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−21951(P2012−21951A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162031(P2010−162031)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(504013775)学校法人 埼玉医科大学 (39)
【Fターム(参考)】