説明

転写印刷シート

【課題】転写操作に熟練を要さず、スムーズに転写作業をおこなうことのできる転写印刷シートを提供する。
【解決手段】 転写印刷シート1は、離型性を有する剥離シート3の離型性保有面3aと、粘着性を有する保護シート5の粘着性保有面5aとの間に、印刷層17を挟持した構成を備えている。印刷層17は印刷により形成された層であり、転写パターン印刷領域21と、非転写パターン印刷領域23とを備えている。転写パターン印刷領域21は、剥離シート3の離型性保有面3a上にこの順に積み上げるように形成された接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11を備えている。非転写パターン印刷領域23は、第2のインク印刷層15を備えている。第2のインク印刷層15は、転写パターン印刷領域21を囲むように剥離シート3の離型性保有面3a上にインクを印刷することにより形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は転写印刷シートに関し、とくに感圧転写式の転写印刷シートに関する。
【背景技術】
【0002】
転写印刷シートとして、図9Aおよび図9Bに示す構成の感圧転写式の転写印刷シート91が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この転写印刷シート91は、離型性を有する剥離シートA上に粘着材による所定パターンの印刷層(接着剤印刷層)Bを設け、ついで接着剤印刷層B上に接着剤印刷層Bと実質的に同一パターンのインクによる印刷層(インク印刷層)Cを設け、さらに、インク印刷層Cの上から該パターンよりも広い面積を覆う剥離可能な保護シートDを設けたものである。
【0003】
このような構成の転写印刷シートの転写操作は、(1)まず剥離シートAを静かに剥ぎ取ってから(2)接着剤印刷層Bを被写体(図示せず)に貼着して圧着し、(3)ついで保護シートDをはぎとるだけでよい。したがって、被写体に直刷りしたのと同様のパターンをワンタッチで転写印刷することができる。
【0004】
しかしながら、従来の転写印刷シート91には、次のような問題点があった。すなわち、転写印刷シート91に用いる保護シートDは、その大きさ(平面寸法)が剥離シートAと略同一であり、その裏面(インク印刷層Cに対向している面)は全面に接着剤がコーティングされているのが通常である。
【0005】
このような転写印刷シート91は、図9Bに示すように、保護シートDと剥離シートAとが粘着された状態で出荷される。このため、ユーザーがこの転写印刷シート91の転写操作を行う際、まず(1)剥離シートAを剥ぎ取るが、この剥離シートAと保護シートDとの剥離が困難であり、作業に時間がかかる。
【0006】
つぎに(2)接着剤印刷層Bを被写体に貼着して圧着するが、このときには保護シートDの裏面の接着剤が露出しているため、被写体に対する接着剤印刷層Bの位置決め作業の途中で、保護シートDの裏面が被写体にくっついてしまい、スムーズな位置決め作業を行うことが困難になる。
【0007】
ついで(3)保護シートDをはぎとるが、上記(2)の作業において誤って接着剤印刷層B以外の部分も圧着してしまった場合には、被写体から保護シートDをはぎとる作業に時間がかかる。
【0008】
すなわち、従来の転写印刷シート91には、転写操作に熟練を要し、転写作業に時間がかかるという問題があった。
【特許文献1】特開昭61−132399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、このような従来の転写印刷シートの問題点を解決し、被写体に直刷りしたのと同様のパターンをワンタッチで転写印刷することができ、かつ、転写操作に熟練を要さず、スムーズに転写作業をおこなうことのできる転写印刷シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明による転写印刷シートは、離型性を有する剥離シートの離型性保有面と、粘着性を有する保護シートの粘着性保有面との間に、印刷により形成された印刷層を挟持した転写印刷シートであって、印刷層は、剥離シートの離型性保有面上に形成された接着材による所定パターンの接着剤印刷層と、接着剤印刷層上に前記所定パターンと実質的に同一のパターンにてインクにより形成された第1のインク印刷層と、を備えた転写パターン印刷領域と、転写パターン印刷領域を囲むように剥離シートの離型性保有面上にインクにより形成された第2のインク印刷層、を備えた非転写パターン印刷領域と、を備えている。
【0011】
本発明の特徴は、上記のように広く示すことができるが、その構成や内容は、目的および特徴とともに、図面を考慮に入れた上で、以下の開示によりさらに明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0012】
本願第1発明による転写印刷シートは、離型性を有する剥離シートの離型性保有面と、粘着性を有する保護シートの粘着性保有面との間に、印刷により形成された印刷層を挟持した転写印刷シートである。印刷層は、転写パターン印刷領域と、非転写パターン印刷領域とを備えている。転写パターン印刷領域は、剥離シートの離型性保有面上に形成された接着材による所定パターンの接着剤印刷層と、接着剤印刷層上に前記所定パターンと実質的に同一のパターン(転写パターン)にてインクにより形成された第1のインク印刷層と、を備えている。非転写パターン印刷領域は、転写パターン印刷領域を囲むように剥離シートの離型性保有面上にインクにより形成された第2のインク印刷層、を備えている。
【0013】
したがって、非転写パターン印刷領域においては、第2のインク印刷層が保護シートの粘着性保有面側に付着して、保護シートの粘着力はほとんど失われた状態となっている。このため、保護シートの粘着性保有面と剥離シートの離型性保有面とが直接粘着状態にある従来の転写印刷シートに比し、ユーザーによる剥離シートの剥ぎ取りが容易である。
【0014】
また、上述のように非転写パターン印刷領域における保護シートの粘着力はほとんど失われた状態となっているから、被写体に対する転写パターンの位置決めをする際、保護シートが被写体にくっついてスムーズな位置決め作業を行うことが困難になるといった不具合もない。
【0015】
さらに、非転写パターン印刷領域における保護シートの粘着力はほとんど失われた状態となっているから、被写体に転写パターン印刷領域(転写パターン部分)を貼着して圧着する際に誤って転写パターン部分以外の部分(非転写パターン部分)も押圧してしまった場合であっても、被写体と保護シートとが粘着してしまうことはない。
【0016】
すなわち、被写体に直刷りしたのと同様のパターンをワンタッチで転写印刷することができ、かつ、転写操作に熟練を要さず、スムーズに転写作業をおこなうことのできる転写印刷シートを実現することができる。
【0017】
本願第2発明による転写印刷シートは、さらに、剥離シートの離型性保有面と保護シートの粘着性保有面との間であって、転写パターン印刷領域と非転写パターン印刷領域との間に、何も印刷を行わない印刷分離用領域を設けたこと、を特徴とする。
【0018】
したがって、転写パターン印刷領域を構成する接着剤印刷層または第1のインク印刷層と、非転写パターン印刷領域を構成する第2のインク印刷層とが接触して結合状態となるのを回避することができる。このため、被写体に転写パターン部分を転写する際に、転写パターン部分とともに非転写パターン部分の一部が転写したり、逆に転写パターン部分の一部が欠けた状態で転写したりするのを防止することができる。
【0019】
本願第3発明による転写印刷シートは、さらに、剥離シートの離型性保有面と保護シートの粘着性保有面との間であって、当該転写印刷シートの外周近傍に、何も印刷を行わないシート剥離防止用粘着領域を設けたこと、を特徴とする。
【0020】
したがって、シート剥離防止用粘着領域においては、剥離シートの離型性保有面と保護シートの粘着性保有面とが直接接触して粘着状態にある。このため、より大きな転写印刷シートを裁断して当該転写印刷シートを得るような場合、裁断部に対応する当該転写印刷シートの外周近傍において剥離シートと保護シートとを粘着状態にしておくことで、剥離シートと保護シートとを一体的に裁断することができる。これにより、裁断による剥離シートと保護シートとのずれ等が防止でき、きれいな裁断部が得られる。
【0021】
また、当該転写印刷シートの外周近傍において剥離シートと保護シートとを粘着状態にしておくことで、当該転写印刷シートの搬送中など転写操作前に不用意に剥離シートが剥がれてしまうのを防止することができる。
【0022】
本願第4発明による転写印刷シートは、さらに、非転写パターン印刷領域内に、被写体に対する所定パターンの位置決めの目安となる位置決めマークを設けたこと、を特徴とする。
【0023】
したがって、被写体に対する所定パターン(転写パターン)の位置決めをする際、位置決めマークを目安とすることができる。このため、保護シートが被写体にくっつかないことと相まって、たとえば、被写体と保護シートとを接触させながら位置決めマークを目安とすることで、容易に位置決めすることができる。
【0024】
本願第5発明による転写印刷シートにおいては、さらに、位置決めマークは、非転写パターン印刷領域内において、さらにインクによる印刷を行うことにより形成したものであり、位置決めマークの近傍に、何も印刷を行わない仮止め用粘着領域をさらに設けたこと、を特徴とする。
【0025】
したがって、仮止め用粘着領域においては、保護シートの粘着性保有面の粘着力は失われていない。このため、たとえば、位置決めマークを目安として被写体に対する転写パターンの位置決めを行い、位置が決まったら仮止め用粘着領域において保護シートを被写体に向けて押圧することで、被写体に対して保護シートを仮止めすることができる。このように仮止めすることで、より正確に転写パターンの位置決めを行うことができる。
【0026】
本願第6発明による転写印刷シートにおいては、さらに、位置決めマークは、非転写パターン印刷領域内において、何も印刷を行わないことにより形成したこと、を特徴とする。
【0027】
したがって、位置決めマークのある部分においては、保護シートの粘着性保有面の粘着力は失われていない。このため、たとえば、位置決めマークを目安として被写体に対する転写パターンの位置決めを行い、位置が決まったら位置決めマークのある部分において保護シートを被写体に向けて押圧することで、被写体に対して保護シートを仮止めすることができる。このように仮止めすることで、より正確に転写パターンの位置決めを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1Aは、この発明の一実施形態による転写印刷シート1の平面構成を模式的に示す図面である。図1Bは、転写印刷シート1の断面IB−IBを模式的に示す図面である。
【0029】
図1Bに示すように、転写印刷シート1は、離型性を有する剥離シート3の離型性保有面3aと、粘着性を有する保護シート5の粘着性保有面5aとの間に、印刷層17を挟持した構成を備えている。
【0030】
剥離シート(「基材」とも呼ばれる)3の寸法、材質はとくに限定されるものではないが、たとえば、厚さ125μm程度のポリエステル樹脂フィルムやポリプロピレン樹脂フィルムなどを用いることができる。剥離シート3の表面に離型性を持たせる手段はとくに限定されるものではないが、たとえば、剥離シート3の表面にシリコン薄膜(たとえば厚さ1μm程度)を塗布することにより形成することができる。
【0031】
保護シート(「アプリケーションフィルム」とも呼ばれる)5の寸法、材質はとくに限定されるものではないが、たとえば、厚さ50〜180μm程度の塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0032】
保護シート5の色はとくに限定されるものではないが、転写操作の際、後述の転写パターン印刷領域21と被写体31(図2B参照)との位置関係が保護シート5を透過して視認できるように、好ましくは無色透明または半透明、有色透明または半透明であり、より好ましくは無色透明または有色透明である。
【0033】
保護シート5の表面に粘着性を持たせる手段はとくに限定されるものではないが、たとえば、保護シート5の表面にアクリル系の粘着剤(たとえば厚さ10μm程度)を塗布することにより形成することができる。
【0034】
印刷層17は印刷により形成された層であり、転写パターン印刷領域21と、非転写パターン印刷領域23とを備えている。
【0035】
転写パターン印刷領域21は、剥離シート3の離型性保有面3a上にこの順に積み上げるように形成された接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11を備えている。
【0036】
接着剤印刷層7は、剥離シート3の離型性保有面3a上に接着材を所定パターンに印刷することにより得られる。接着剤印刷層7の寸法、材質はとくに限定されるものではないが、たとえば、厚さ10〜20μm程度のアクリル系粘着剤により構成することができる。
【0037】
第1のインク印刷層11は、接着剤印刷層7上に、接着剤印刷層7の印刷パターンと実質的に同一のパターンにインクを印刷することにより形成される。第1のインク印刷層11の寸法、材質はとくに限定されるものではないが、たとえば、厚さ10μm程度のアクリル系インクを1層(単色刷)または多層(多色刷り)にわたり印刷することにより得られる。
【0038】
非転写パターン印刷領域23は、第2のインク印刷層15を備えている。第2のインク印刷層15は、転写パターン印刷領域21を囲むように剥離シート3の離型性保有面3a上にインクを印刷することにより形成される。つまり、第2のインク印刷層15は、剥離シート3の離型性保有面3aのうち、転写パターン印刷領域21を除く略全域(この実施形態においては、厳密には転写パターン印刷領域21および後述の印刷分離用領域25を除く領域)に形成されている。第2のインク印刷層15の形成工程の順序はとくに限定されるものではないが、第1のインク印刷層11の形成工程と同時に行うと、工数の増加を抑えることができるので、好ましい。
【0039】
第2のインク印刷層15の材質はとくに限定されるものではないが、たとえば、アクリル系インクを1層(単色刷)または多層(多色刷り)にわたり印刷することにより得られる。第2のインク印刷層15の一色あたりのインクの厚さはとくに限定されるものではないが、好ましくは3〜20μm程度、より好ましくは5〜15μm程度である。
【0040】
第2のインク印刷層15のインクの色はとくに限定されるものではなく、たとえば、無色透明または半透明のもの、有色透明または半透明のもの、不透明のもの、等を用いることができる。ただし、転写操作の際、転写パターン印刷領域21と被写体31(図2B参照)との位置関係が保護シート5に付着した第2のインク印刷層15を透過して視認できるよう、第2のインク印刷層15のインクの色は、好ましくは無色透明または半透明、有色透明または半透明であり、より好ましくは無色透明または有色透明である。
【0041】
転写印刷シート1は、さらに、印刷分離用領域25を備えている(もちろん、転写印刷シート1において、印刷分離用領域25を設けないよう構成することも可能である)。印刷分離用領域25は、剥離シート3の離型性保有面3aと保護シート5の粘着性保有面5aとの間であって、転写パターン印刷領域21と非転写パターン印刷領域23との間に設けられ、この領域には何も印刷されない。
【0042】
すなわち、印刷分離用領域25においては、転写パターン印刷領域21を構成する接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11、および、非転写パターン印刷領域23を構成する第2のインク印刷層15、その他の印刷による層がいずれも形成されておらず、剥離シート3の離型性保有面3aと保護シート5の粘着性保有面5aとが直接または空間を介して接している。
【0043】
印刷分離用領域25を設けることにより、転写パターン印刷領域21を構成する接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11のいずれかと、非転写パターン印刷領域23を構成する第2のインク印刷層15とが接触・結合するのを防止することができる。
【0044】
この結果、被写体31(図2B参照)に転写パターン印刷領域21(転写パターン部分)を転写する際に、転写パターン部分とともに非転写パターン印刷領域23(非転写パターン部分)の一部が被写体31に転写したり、逆に転写パターン部分の一部が欠けた状態で被写体31に転写したりするのを防止することができる。
【0045】
印刷分離用領域25の幅はとくに限定されるものではないが、好ましくは0.2mm〜10mm、より好ましくは0.3mm〜5mm、さらに好ましくは0.5mm〜3mmである。印刷分離用領域25の幅が狭すぎると、高い印刷精度が必要となり歩留まりの低下やコスト上昇を招く一方、印刷分離用領域25の幅が広すぎると、被写体31に対する転写パターン部分の位置決めをする際、保護シート5が被写体31にくっついてスムーズな位置決め作業を行うことが困難になるからである。
【0046】
なお、印刷分離用領域25の幅の上限は、転写印刷シート1における非転写部最大距離S(転写印刷シート1の各辺から転写パターン印刷領域21の外周までの距離の最大値:図1A参照)を用いて、以下のように表すこともできる。すなわち、印刷分離用領域25の幅はとくに限定されるものではないが、好ましくは0.2mm〜非転写部最大距離Sの50パーセント、より好ましくは0.3mm〜非転写部最大距離Sの25パーセント、さらに好ましくは0.5mm〜非転写部最大距離Sの10パーセントである。
【0047】
このようにして、形成された転写印刷シート1においては、転写操作を容易にするため、各部材間の密着強度は次のように設定するのが好ましい。
【0048】
すなわち、接着剤印刷層7と剥離シート3の離型性保有面3aとの密着強度をF(7−3)、保護シート5の粘着性保有面5aと第1のインク印刷層11との密着強度をF(5−11)、接着剤印刷層7と被写体31表面との密着強度をF(7−31)、転写パターン印刷領域21を構成する接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11の相互密着強度をF(21)、第2のインク印刷層15と剥離シート3の離型性保有面3aとの密着強度をF(15−3)、保護シート5の粘着性保有面5aと第2のインク印刷層15との密着強度をF(5−15)、第2のインク印刷層15と被写体31表面との密着強度をF(15−31)としたとき、以下の不等式がすべて成立するように設定するのが好ましい。
F(7−31)>F(5−11)>F(7−3)
F(21)>F(5−11)
F(5−15)>F(15−3)
F(5−15)>F(15−31)
【0049】
つぎに、図1A〜図3Bを用いて、転写印刷シート1の転写操作について説明する。図2A、図2B,図3Bは、転写印刷シート1の転写操作を説明するための模式的な断面図、図3Aは、図3Bに対応する模式的な平面図である。
【0050】
(1)まず、図1Bに示す状態から剥離シート3を剥ぎ取る。このとき、上述のように、密着強度の関係がF(5−11)>F(7−3)、F(21)>F(5−11)であるから、転写パターン印刷領域21を構成する接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11は、まとめて保護シート5の粘着性保有面5aに付着したままである。また、F(5−15)>F(15−3)であるから、第2のインク印刷層15は、保護シート5の粘着性保有面5aに付着したままである。
【0051】
また、密着強度F(7−3)と同様に密着強度F(15−3)も、剥離シート3が自然に剥がれない最小限の密着強度に設定すればよいから、剥離シート3の剥ぎ取りが容易である。
【0052】
剥離シート3を剥ぎ取ったあと、転写印刷シート1は図2Aに示す状態となる。この状態において、非転写パターン印刷領域23に存する保護シート5の粘着性保有面5aには第2のインク印刷層15が付着しており、保護シート5の粘着性は失われている。
【0053】
(2)つぎに、被写体31に対する転写パターン印刷領域21の位置決めを行い、位置が決定したら、保護シート5の上から転写パターン印刷領域21を被写体31に向かって押圧することで、転写パターン印刷領域21の接着剤印刷層7を被写体31に圧着する。この状態を図2Bに示す。
【0054】
被写体31に対する転写パターン印刷領域21の位置決めを行う際、第2のインク印刷層15のインクおよび保護シート5を透明(もしくは半透明)にしておくと、第2のインク印刷層15および保護シート5を透過して被写体31が視認できるので好都合である。また、このとき、上述のように、非転写パターン印刷領域23に存する保護シート5の粘着性は失われているから、保護シート5が被写体31にくっついてスムーズな位置決め作業を行うことが困難になるといった不具合もない。
【0055】
(3)つぎに、図2Bの状態から保護シート5をはぎとる。このとき、上述のように、密着強度の関係がF(7−31)>F(5−11)、F(21)>F(5−11)であるから、転写パターン印刷領域21を構成する接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11は、まとめて被写体31の表面に付着したままである。また、F(5−15)>F(15−31)であるから、第2のインク印刷層15は、被写体31の表面に付着せず、保護シート5の粘着性保有面5aに付着したまま保護シート5とともに除去される。
【0056】
上述のように、非転写パターン印刷領域23に存する保護シート5の粘着性が失われた状態となっているから、転写パターン印刷領域21を被写体31に向かって押圧する際に誤って非転写パターン印刷領域23も押圧してしまった場合であっても、被写体31と保護シート5とが粘着してしまうことはない。このため、保護シート5の剥ぎ取り作業が容易である。
【0057】
保護シート5を除去した状態を図3Aおよび図3Bに示す。このようにして、転写パターン印刷領域21を構成する接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11のみを、まとめて被写体31の表面に転写することができる。
【0058】
なお、転写印刷シート1においては、転写パターン印刷領域として、接着剤印刷層7,第1のインク印刷層11のみを備えた転写パターン印刷領域21を例示したが、転写パターン印刷領域の構成は、これに限定されるものではない。たとえば、第1のインク印刷層11の上および/または下に、接着剤印刷層,第1のインク印刷層以外の他の層をさらに設けるよう構成することもできる。
【0059】
つぎに、図4Aに、この発明の他の実施形態による転写印刷シート41の平面構成を模式的に示す。図4Bは、転写印刷シート41の断面IVB−IVBを模式的に示す図面である。
【0060】
転写印刷シート41の基本的な構成およびバリエーションの可能性は、上述の転写印刷シート1と同様である。ただし、転写印刷シート41は、さらに、シート剥離防止用粘着領域43を備えている点で、転写印刷シート1と異なる。
【0061】
シート剥離防止用粘着領域43は、剥離シート3の離型性保有面3aと保護シート5の粘着性保有面5aとの間であって、転写印刷シート41の外周近傍(この実施形態においては、図面上の左右1対の外周辺45の近傍)に設けられ、この領域43には何も印刷されない。
【0062】
すなわち、シート剥離防止用粘着領域43においては、転写パターン印刷領域21を構成する各層7、11、および、非転写パターン印刷領域23を構成する第2のインク印刷層15、その他の印刷による層がいずれも形成されておらず、剥離シート3の離型性保有面3aと保護シート5の粘着性保有面5aとが直接、接しており両者は粘着状態にある。
【0063】
このため、たとえば、より大きな転写印刷シートを裁断して転写印刷シート41を得るような場合、裁断部に対応する転写印刷シート41の外周辺45近傍において剥離シート3と保護シート5とを粘着状態にしておくことで、剥離シート3と保護シート5とを一体的に裁断することができる。これにより、裁断による剥離シート3と保護シート5とのずれ等が防止でき、きれいな裁断部が得られる。
【0064】
また、転写印刷シート41の外周近傍において剥離シート3と保護シート5とを粘着状態にしておくことで、転写印刷シート41の搬送中など転写操作前に不用意に剥離シート3が剥がれてしまうのを防止することができる。
【0065】
シート剥離防止用粘着領域43の幅はとくに限定されるものではないが、好ましくは0.2mm〜20mm、より好ましくは1mm〜15mm、さらに好ましくは2mm〜10mmである。シート剥離防止用粘着領域43の幅が狭すぎると、剥離シート3の剥離防止機能が損なわれる一方、幅が広すぎると、被写体31に対する転写パターン部分の位置決めをする際、保護シート5が被写体31にくっついてスムーズな位置決め作業を行うことが困難になるからである。
【0066】
なお、シート剥離防止用粘着領域43の幅の上限は、転写印刷シート1における非転写部最大距離S(図1A参照)を用いて、以下のように表すこともできる。すなわち、シート剥離防止用粘着領域43の幅はとくに限定されるものではないが、好ましくは0.2mm〜非転写部最大距離Sの50パーセント、より好ましくは1mm〜非転写部最大距離Sの35パーセント、さらに好ましくは2mm〜非転写部最大距離Sの25パーセントである。
【0067】
転写印刷シート41においては、転写印刷シート41の外周(外周辺45)とシート剥離防止用粘着領域43との間に、非転写パターン印刷領域23の第2のインク印刷層15を有する部分が存置されている。非転写パターン印刷領域23のうち、この部分を剥離用印刷領域47という。剥離用印刷領域47においては、剥離シート3と保護シート5とは粘着状態になっていない。したがって、剥離用印刷領域47を設けることで、剥離シート3の剥離が容易になる。
【0068】
剥離用印刷領域47の寸法はとくに限定されるものではないが、好ましくは0.2mm〜10mm程度、より好ましくは0.5mm〜5mm程度である。剥離用印刷領域47の寸法が小さすぎると剥離シート3の剥離の際に指等が掛からず、逆に大きすぎると裁断による剥離シート3と保護シート5とのずれ等が防止できないからである。
【0069】
なお、転写印刷シート41においては、剥離用印刷領域47を、転写印刷シート41の外周辺45全体(全長)に渡って設けているが、必ずしもその必要はない。たとえば、転写印刷シート41の外周のうち、いくつかの角部にのみ設けるようにしてもよいし、いくつかの辺の中央近傍にのみ設けるようにしてもよい。
【0070】
もちろん、剥離用印刷領域47をまったく設けないことも可能である。この場合には、転写印刷シート41の外周(外周辺45)に連続してシート剥離防止用粘着領域43が設けられることになる。このように構成すれば、裁断による剥離シート3と保護シート5とのずれ等をより確実に防止することができる。
【0071】
さて、転写印刷シート41においては、シート剥離防止用粘着領域43を、図面上の左右1対の外周辺45の近傍に帯状に設けたが、シート剥離防止用粘着領域43の位置は、これに限定されるものではない。たとえば、シート剥離防止用粘着領域43を、図面上の左右1対の外周辺45の一方の近傍にのみ設けてもよい。さらに、図面上の左右1対の外周辺45および上下1対の外周辺49のいずれか1以上の外周辺の近傍、または、全ての外周辺の近傍に設けてもよい。
【0072】
また、シート剥離防止用粘着領域の形状、配置パターンも、とくに限定されるものではない。図5Aは、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート51の平面構成を模式的に示す図面である。図5Bは、転写印刷シート51の断面VB−VBを模式的に示す図面である。
【0073】
すなわち、転写印刷シート51においては、シート剥離防止用粘着領域として、転写印刷シート41における連続した帯状のシート剥離防止用粘着領域43ではなく、不連続の点状(図5Aの例では正方形)のシート剥離防止用粘着領域53を設けている。その余の構成およびバリエーションの可能性は転写印刷シート41と同様である。もちろん、シート剥離防止用粘着領域53の形状は正方形以外にも可能であり、たとえば円形であってもよい。
【0074】
転写印刷シート51においては、点状のシート剥離防止用粘着領域53を図面上の同一方向(縦方向または横方向)にそれぞれ等ピッチで配置しているが、これに限定されるものではない。たとえば、転写印刷シート51の外周近傍の全域にわたって等ピッチでシート剥離防止用粘着領域53を設けてもよいし、不等ピッチであってもよい。
【0075】
転写印刷シート51においては、複数のシート剥離防止用粘着領域53を、転写印刷シート51の外周近傍の全域にわたって設けているが、もちろん、転写印刷シート51の外周近傍の一部にのみ設けるようにしてもよい。
【0076】
また、転写印刷シート51においては、転写印刷シート41の場合と同様に、剥離用印刷領域57を設けているが、剥離用印刷領域57を設けないよう構成することもできる。
【0077】
つぎに、図6Aに、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート61の平面構成を模式的に示す。図6Bは、転写印刷シート61の断面VIB−VIBを模式的に示す図面である。
【0078】
転写印刷シート61の基本的な構成およびバリエーションの可能性は、上述の転写印刷シート1と同様である。ただし、転写印刷シート61は、さらに、位置決めマーク63および仮止め用粘着領域65を備えている点で、転写印刷シート1と異なる。
【0079】
位置決めマーク63は、転写操作の際に被写体31に対する転写パターン印刷領域21の位置決めの目安とするために、非転写パターン印刷領域23内に設けられたものである。
【0080】
したがって、上記位置決めの際、保護シート5が被写体31にくっつかないことと相まって、たとえば、被写体31と保護シート5とを接触させながら位置決めマーク63を目安とすることで、容易に位置決めすることができる。
【0081】
転写印刷シート61においては、位置決めマーク63は、非転写パターン印刷領域23内において、さらにインクによる印刷により形成したものである。
【0082】
そして、仮止め用粘着領域65は、非転写パターン印刷領域23内の上記位置決めマーク63の近傍に、何も印刷を行わない領域として存置されたものである。
【0083】
したがって、仮止め用粘着領域65においては、保護シート5の粘着性保有面5aの粘着力は失われていない。このため、たとえば、位置決めマーク63を目安として被写体31に対する転写パターン印刷領域21の位置決めを行い、位置が決まったら仮止め用粘着領域65において保護シート5を被写体31に向けて押圧することで、被写体31に対して保護シート5を仮止めすることができる。このように仮止めすることで、より正確に転写パターン印刷領域21の位置決めを行うことができる。
【0084】
このような機能を十分に発揮するために、好ましくは、保護シート5は透明(もしくは半透明)であり、第2のインク印刷層15のインクは透明(もしくは半透明)であり、位置決めマーク63のインクは有色透明(もしくは半透明)または不透明である。より好ましくは、保護シート5は無色透明(もしくは無色半透明)であり、第2のインク印刷層15のインクは有色透明(もしくは有色半透明)であり、位置決めマーク63のインクは不透明である。
【0085】
転写印刷シート61においては、位置決めマーク63および仮止め用粘着領域65を、図面上で転写パターン印刷領域21を挟んで左右対称位置に2組設けているが、位置決めマーク63および仮止め用粘着領域65の組数、位置、配置パターンはこれに限定されるものではない。
【0086】
たとえば、位置決めマーク63および仮止め用粘着領域65を、1組のみ設けるようにしてもよい。また、位置決めマーク63および仮止め用粘着領域65を、図面上で転写パターン印刷領域21を挟んで上下対称位置に2組設けたり、上下左右に合計4組設けるようにしてもよい。
【0087】
また、転写印刷シート61においては、位置決めマーク63を一直線状(長方形)とし、と仮止め用粘着領域65を楕円形とした場合を例示しているが、位置決めマーク63および仮止め用粘着領域65の形状はこれに限定されるものではない。たとえば、位置決めマーク63を十字状や三角形にしたり、仮止め用粘着領域65を円形や正方形にしたりすることもできる。
【0088】
また、位置決めマーク63と仮止め用粘着領域65とは、必ずしも図6Aに示すように近接配置されたペアで用いる必要はなく、位置決めマーク63と仮止め用粘着領域65とを離して配置したり、位置決めマーク63の数と仮止め用粘着領域65の数とが異なるよう構成してもよい。さらに、位置決めマーク63と仮止め用粘着領域65とのうち、いずれか一方のみを用いるようにしてもよい。
【0089】
また、図6Aの転写印刷シート61においては、シート剥離防止用粘着領域を設けない場合を例示しているが、もちろんこれに限定されるものではない。たとえば、図6Aの転写印刷シート61に、さらに、上述の転写印刷シート41におけるシート剥離防止用粘着領域43または転写印刷シート51におけるシート剥離防止用粘着領域53を組み合わせて用いることもできる。
【0090】
また、位置決めマークと仮止め用粘着領域とをペアで用いる場合、その位置関係はとくに限定されるものではない。図7Aは、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート71の平面構成を模式的に示す図面である。図7Bは、転写印刷シート71の断面VIIB−VIIBを模式的に示す図面である。
【0091】
すなわち、転写印刷シート71においては、位置決めマーク73と仮止め用粘着領域75とを、転写印刷シート61におけるように異なる位置に配置するのではなく、重ねて配置するよう構成している。つまり、仮止め用粘着領域75内の一部に位置決めマーク73を形成している。
【0092】
このように位置決めマーク73と仮止め用粘着領域75とを極限まで近づける(すなわち同一位置に重ねて配置する)ことで、位置決めマーク73を押圧することにより同時に周りの仮止め用粘着領域75を押圧することができ、さらに正確に位置決め・仮止めをおこなうことができる。転写印刷シート71のその余の構成およびバリエーションの可能性は転写印刷シート61と同様である。
【0093】
つぎに、図8Aに、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート81の平面構成を模式的に示す。図8Bは、転写印刷シート81の断面VIIIB−VIIIBを模式的に示す図面である。
【0094】
転写印刷シート81の基本的な構成およびバリエーションの可能性は、上述の転写印刷シート71と同様である。ただし、転写印刷シート81における位置決めマーク83は、非転写パターン印刷領域23内において何も印刷を行わない領域として構成されている点で、転写印刷シート71における位置決めマーク73と異なる。
【0095】
そして、仮止め用粘着領域はとくに設けられていない。これは、転写印刷シート81においては、位置決めマーク83が、転写印刷シート71における位置決めマーク73および仮止め用粘着領域75双方の機能を果たすからである。
【0096】
すなわち、転写印刷シート81においては、位置決めマーク83のある部分においては、保護シート5の粘着性保有面5aの粘着力は失われていない。このため、たとえば、位置決めマーク83を目安として被写体31に対する転写パターン印刷領域21の位置決めを行い、位置が決まったら位置決めマーク83の部分において保護シート5を被写体31に向けて押圧することで、被写体31に対して保護シート5を仮止めすることができる。このように仮止めすることで、より正確に転写パターン印刷領域21の位置決めを行うことができる。
【0097】
このような機能を十分に発揮するために、好ましくは、保護シート5は透明(もしくは半透明)であり、第2のインク印刷層15のインクは有色透明(もしくは有色半透明)または不透明である。より好ましくは、保護シート5は無色透明(もしくは無色半透明)であり、第2のインク印刷層15のインクは有色透明(もしくは有色半透明)である。
【0098】
位置決めマーク83の寸法はとくに限定されるものではないが、好ましくは1mm〜20mm、より好ましくは2mm〜10mmの円内に収まるよう構成する。位置決めマーク83は位置決めマークと仮止め用粘着領域との機能を兼ね備えなければならないため、大きすぎると位置決めマークとしての機能が犠牲となり、小さすぎると仮止め用粘着領域としての機能が損なわれるからである。
【0099】
なお、上記各実施形態における各種印刷工程に用いられる印刷の種類はとくに限定されるものではないが、たとえば、シルク印刷、オフセット印刷、シール印刷、パット印刷、グラビア印刷、レーザー印刷、インクジェット印刷のうちいずれか、またはこれらのうち複数の印刷を組み合わせて用いることができる。
【0100】
上記においては、本発明を好ましい実施形態として説明したが、各用語は、限定のために用いたのではなく、説明のために用いたものであって、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、添付のクレームの範囲において、変更することができるものである。また、上記においては、本発明のいくつかの典型的な実施形態についてのみ詳細に記述したが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点を逸脱することなしに上記典型的な実施形態において多くの変更が可能であることを、容易に認識するであろう。したがって、そのような変更はすべて、本発明の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】図1Aは、この発明の一実施形態による転写印刷シート1の平面構成を模式的に示す図面である。図1Bは、転写印刷シート1の断面IB−IBを模式的に示す図面である。
【図2】図2A、図2Bは、転写印刷シート1の転写操作を説明するための模式的な断面図である。
【図3】図3Aは、図3Bに対応する模式的な平面図である。図3Bは、転写印刷シート1の転写操作を説明するための模式的な断面図である。
【図4】図4Aは、この発明の他の実施形態による転写印刷シート41の平面構成を模式的に示す図面である。図4Bは、転写印刷シート41の断面IVB−IVBを模式的に示す図面である。
【図5】図5Aは、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート51の平面構成を模式的に示す図面である。図5Bは、転写印刷シート51の断面VB−VBを模式的に示す図面である。
【図6】図6Aは、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート61の平面構成を模式的に示す図面である。図6Bは、転写印刷シート61の断面VIB−VIBを模式的に示す図面である。
【図7】図7Aは、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート71の平面構成を模式的に示す図面である。図7Bは、転写印刷シート71の断面VIIB−VIIBを模式的に示す図面である。
【図8】図8Aは、この発明のさらに他の実施形態による転写印刷シート81の平面構成を模式的に示す図面である。図8Bは、転写印刷シート81の断面VIIIB−VIIIBを模式的に示す図面である。
【図9】図9Aは、従来の感圧転写式の転写印刷シート91の一部切欠き斜視図である。図9Bは、該転写印刷シート91の模式断面図である。
【符号の説明】
【0102】
1:転写印刷シート
3:剥離シート
3a:離型性保有面
5:保護シート
5a:粘着性保有面
7:接着剤印刷層
11:第1のインク印刷層
15:第2のインク印刷層
17:印刷層
21:転写パターン印刷領域
23:非転写パターン印刷領域

特許出願人 濱田 秀雄
出願人代理人 弁理士 田川 幸一

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離型性を有する剥離シートの離型性保有面と、粘着性を有する保護シートの粘着性保有面との間に、印刷により形成された印刷層を挟持した転写印刷シートであって、
前記印刷層は、
前記剥離シートの離型性保有面上に形成された接着材による所定パターンの接着剤印刷層と、前記接着剤印刷層上に前記所定パターンと実質的に同一のパターンにてインクにより形成された第1のインク印刷層と、を備えた転写パターン印刷領域と、
前記転写パターン印刷領域を囲むように前記剥離シートの離型性保有面上にインクにより形成された第2のインク印刷層、を備えた非転写パターン印刷領域と、
を備えた転写印刷シート。
【請求項2】
請求項1の転写印刷シートにおいて、
前記剥離シートの離型性保有面と前記保護シートの粘着性保有面との間であって、前記転写パターン印刷領域と前記非転写パターン印刷領域との間に、何も印刷を行わない印刷分離用領域を設けたこと、
を特徴とするもの。
【請求項3】
請求項1ないし2のいずれかの転写印刷シートにおいて、
前記剥離シートの離型性保有面と前記保護シートの粘着性保有面との間であって、当該転写印刷シートの外周近傍に、何も印刷を行わないシート剥離防止用粘着領域を設けたこと、
を特徴とするもの。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかの転写印刷シートにおいて、
前記非転写パターン印刷領域内に、被写体に対する前記所定パターンの位置決めの目安となる位置決めマークを設けたこと、
を特徴とするもの。
【請求項5】
請求項4の転写印刷シートにおいて、
前記位置決めマークは、前記非転写パターン印刷領域内において、さらにインクによる印刷を行うことにより形成したものであり、
前記位置決めマークの近傍に、何も印刷を行わない仮止め用粘着領域をさらに設けたこと、
を特徴とするもの。
【請求項6】
請求項4の転写印刷シートにおいて、
前記位置決めマークは、前記非転写パターン印刷領域内において、何も印刷を行わないことにより形成したこと、
を特徴とするもの。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−28943(P2009−28943A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193098(P2007−193098)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(595104208)
【Fターム(参考)】