説明

転写型アンテナおよびその製造方法

【解決手段】 転写型アンテナは、保護パターン層と接着パターン層との間に、アンテナ配線を形成する導電パターン層を備え、保護パターン層側に保護フィルムまたはキャリア用支持体、接着パターン層側に剥離フィルムを備えており、剥離フィルムを剥がして接着パターン層を透明基体の表面に接着した後、保護フィルムを剥がすことにより透明基体にアンテナを付与できる構成としたことを特徴とする。
【効果】 従来のフィルムアンテナと比較して支持体がなく、且つ細幅ラインのアンテナ設計が可能なことから、運転者等の視界性が良好である。また、基材を含まないため耐光性における外観、美観の劣化を抑制する効果もある。また、製造工程中に高温での加熱処理を可能とすることから、導電パターン層の特性、保護パターン層の特性を向上させることができ、アンテナ特性、耐久性の向上、及び材料選定、パターン設計の自由度が広がる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の窓ガラス等に後付で形成するのに適したアンテナ装置に関し、特に、転写により車用ガラス上にアンテナを付与することができる転写型アンテナおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車にはAM/FMラジオ、無線、電話、TV、GPSなど、多種の電波を受信するためのアンテナ装置が取り付けられている。このような電波受信アンテナの一つに、車の窓ガラスに貼着させるタイプのフィルムアンテナがある。このフィルムアンテナは透明なフィルム基材に、線状の受信導電パターンからなる電波受信部を設けた受信エレメント面を有し、導電パターンは所望の電波に適した形状をしており、導電パターンの形成方法としては、Cu箔のパターンエッチングやAgペーストなどの導電インキを用いて印刷やディスペンサーなどにより形成されている。一方、透明基材の受信エレメント面に対して裏面には透明な接着パターン層や両面テープを設けられ、車の窓ガラス面上に透明基材と一緒に貼着して使用される。このため従来のフィルムアンテナでは運転者等の視界を妨げないために、透明性の高い材料を選択し、フィルムアンテナの透明度を高くする必要があった。また、受信導電パターン部以外の基材は抜きなどにより取り除き開口部を設けることにより、視界を妨げないような構成になっている。例えば、特許文献1、2には、このようなフィルムアンテナが記載されている。
【0003】
図6は、このような従来のフィルムアンテナ構成を与え得る転写体の構造を例示する拡大断面模型図である。図6に略示されるように、この従来の転写体は、透明基材1の上面にアンテナパターンを与える導電パターン層2および保護パターン層3を備え、透明基材1の下面に接着層4を備え、保護パターン層3側に保護フィルム5を備え、接着層4側に剥離フィルム6を設けている。このような従来の転写体は、剥離フィルム6を剥がして、車の窓ガラスに接着層4を介して透明基材1を貼り付けて、保護フィルム5を剥がすことにより、車の窓ガラスにアンテナを付与できるものである。
【0004】
また、特許文献3には転写フィルム上に順に積層された第一層目の導体パターン層、第二層目の絶縁体パターン層、第3層目の導体パターン層が車載用ガラス板の車内側に転写印刷方式により形成された車載用アンテナが記載されている。
【0005】
【特許文献1】特願2003−249807号公報
【特許文献2】特開2003−115713号公報
【特許文献3】特開2001−211020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のフィルムアンテナの場合、運転者等の視界の妨げにならないようにアンテナパターンの構成や寸法、使用材料の選定などに制限がある。また自動車窓ガラスに関する保安基準第29条において、「視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が70%以上を確保できること」とされている。そのため、配線部以外の貼着部は透明度として可視光線透過率70%以上となる。またJASO M 501-94の付属書1に前面ガラスに装着する電波受信用アンテナに関し、アンテナの取り付け部分は、ガラスの開口部外周から100mm以内としている。
【0007】
アンテナ構成の配線部は金属系の材料であり不透明なため、配線幅を0.25mm以下として運転者等の視界の妨げにならないように設定している。
【0008】
特にアンテナ構成の中で基材は製造時、及び施工後の支持体として重要な役割を担っており、ある程度の厚みを必要としているため、透明性への影響が大きい。そのため、基材の選定には高透過率、低ヘイズ値のものを選択する必要がある。
【0009】
フィルムアンテナの製造工程で導電パターンはCu箔のエッチングや導電ペーストの印刷、ディスペンサーなどによって形成する。このときパターン形成工程で熱処理や薬品浸漬を行うことがあり、これにより基材の透明性が劣化することがある。特に印刷により導電ペーストを使用した場合、高温での熱処理によって、高い導電特性が得られ、また塗膜の機械的特性の向上が図れるが、PETなどの透明な可とう性樹脂基材を使用すると、高温熱処理領域において基材中の低分子のオリゴマーが析出し、基材の透明性を低下させる現象が発生する。
【0010】
上記した例のように、フィルムアンテナの製造工程の中で透明基材の透明度を損なわないように注意を払う必要があり、また使用材料の選定や製造工程の自由度が低いといった課題がある。
【0011】
また運転者等の視界の妨げにならないように、アンテナ受信導電パターンに沿った部分を抜き加工により開口部にして、導電パターン部分のみを貼着させる場合、抜き後のアンテナ構成の幅はできるだけ狭く、例えば0.5mm以下にしたほうが視界の邪魔にならず望ましいが、刃型などを使用した抜き加工では0.5mm以下の幅で抜きを行うことは、精度の点から困難であり、且つ施工時に細いパターン部分だけを施工することは施工者の技術を要するという課題が生じる。またアンテナをガラスに貼り付け後、紙や布などで拭き取りの清掃を行うことで紙などの繊維が接着層のエッジに付着したり、若しくは経時的に埃などがアンテナパターンのエッジ部、または表面に付着し、美観や視界が低下することがある。この現象は幅の広いアンテナパターンを使用すると、付着した汚れが目立つため視界性、外観、美観の低下を引き起こしやすい。
【0012】
特許文献3には上述の課題を解決するのに役立つ転写型のアンテナ構成が開示されている。しかしながら提示されている転写型のアンテナ構成は、車の製造時に最初からアンテナを取り付ける場合に有効であるが、後付けでアンテナを必要とする場合、焼結工程を一般ユーザーなどが行うことは困難であり施工性に課題を生じる。また、高温処理によって焼結させるため、施工後の支持性は良好となるが、製造方法が簡易的であるとはいえない。且つ導電パターン層がむき出しになるため、酸化などの経時劣化による導電性や外観の変化を生じるという課題がある。
【0013】
よって、本発明の目的は、従来重要な役割を担っていた基材を必要としないフィルムアンテナの構成、酸化などの経時劣化による導電性や外観の変化を生じにくく、施工時に細いパターン部分だけを容易に施工することができる転写型アンテナおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の転写型アンテナの特徴構成は、従来重要な役割を担っていた支持体となる透明基材をアンテナの構成から取り除き、アンテナ配線を形成する導電パターン層が保護パターン層と接着パターン層に挟まれた転写型アンテナ構成を有し、この転写型アンテナ構成の保護パターン層側に保護フィルム、接着パターン層側に剥離フィルムを設け、剥離フィルムを剥がして保護フィルム越しに車用ガラス等の透明基体の面にアンテナ構成を接着した後、保護フィルムを剥がすことを特徴とする転写型アンテナである。このため基材が車用ガラスに施工した後の構成に含まれず、従来のフィルムアンテナ構成と比較して、層構成が簡易的であり界面が少なく高透明性が得やすい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、車内環境の温度変化に対してクラックなど劣化発生を抑制するために、前記保護パターン層の線膨張係数が25〜80℃において1×10-3/K以下であることを特徴とする転写型アンテナである。
【0016】
車内環境は1年を通して高温(約80℃)から低温(−40℃)程度の大きな温度変化が想定される。そのため、本発明は保護パターン層の線膨張係数を1×10-3/K以下にすることで、ヒートショックによる塗膜の変形で断線や保護パターン層の耐久性低下を抑制している。
【0017】
本発明の別の実施の形態によれば、前記導電パターン層と接着パターン層の間に支持パターン層を設けたことを特徴とする転写型アンテナである。
【0018】
支持パターン層は、導電パターン層を覆うように形成することにより接着パターン層の密着性を高め、またアンテナ構成に機械的強度を付与することができる。また保護パターン層と支持パターン層を設けたことにより、施工後の支持性だけでなく、施工時のスキージーなどによる圧力に対する支持性も向上させる効果があり、施工性も向上する。
【0019】
本発明の別の一つの実施形態によれば、前記支持パターン層の線膨張係数が25〜80℃において1×10-3/K以下であることを特徴とする転写型アンテナである。
【0020】
支持パターン層は、保護パターン層と同様に車内環境変化に耐えうる必要があると同時に、接着パターン層に粘着剤などを使用するときのヒートショックによる積層膜の形状変形を抑える効果がある。従来のアンテナ構成の場合、透明基材が接着パターン層の影響を緩和しているが、本発明の構成は透明基材を有しないため、支持パターン層により接着パターン層の影響を抑制し、安定性を向上させる。
【0021】
また本発明の一実施形態によれば、前記保護フィルム、若しくはキャリア用支持体は可とう性を有し、150℃、30分の条件下で寸法変化率が0.3%以下であることを特徴とする転写型アンテナである。
【0022】
150℃環境に30分間の暴露条件下で寸法変化率が0.3%以下であることは、本発明の転写型アンテナの製造工程で、保護フィルムが製造工程中の搬送フィルム(キャリア用支持体)の役目を果たすため、基材の熱収縮による寸法変化を抑制し、各層のパターンを積層するときの位置合わせやパターン精度に有効であり、また製品としたときの保管時の劣化、例えばカールやしわの発生を防ぐ効果がある。
【0023】
本発明は、また転写型アンテナの製造方法を提供しようとするものである。本発明によれば、保護フィルム上に保護パターン層をパターン形成し、その上に導電パターン層と接着パターン層を順次パターン形成し、もしくは導電パターン層と支持パターン層と接着パターン層とを順次パターン形成した後、剥離フィルムを貼り合わせることを特徴とする転写型アンテナの製造方法が提供される。保護フィルムに耐熱性、耐薬品性の高い材料を選定することにより、製造工程の自由度が高くなる。また導電ペーストを用いた導電パターン形成において、保護フィルムにPETなどの可とう性材料を使用して高温処理を行い、透明性が劣化しても、車用ガラス面に転写した後は、保護フィルムは取り除かれるために問題とならない。また高温で熱処理可能であることから、高導電性と良好な機械的特性を有した塗膜を形成できるため、施工後のアンテナ特性や信頼性を増すことが可能となる。
【0024】
保護フィルムは厚みの薄い材料を使用したほうが、施工性が容易になる利点がある。この要求に対しては、保護フィルムにキャリア用支持体を貼り合わせ、剛性を高めた構成とすることで、製造工程中の搬送性を改善し、製造工程終了時に貼り合わせたキャリア用支持体を剥がすことによって、厚みの薄い保護フィルムを有した転写型アンテナを形成することが可能となる。キャリア用支持体を使用する場合、積層時の位置精度を確保するため、保護フィルムとキャリア用支持体の150℃における寸法案定率差は0.3%以下に抑えることが必要である。また、この場合、キャリア用支持体を剥がすため、保護フィルムとキャリア用支持体の剥離強度は、保護フィルムと保護パターン層の剥離強度よりも弱剥離になるように設定する。
【0025】
また本発明によれば、キャリア用支持体に導電パターン層を形成した後、導電パターン層上に接着パターン層を形成し、もしくは導電パターン層上に支持パターン層、接着パターン層を形成し、接着パターン層上に剥離フィルムを貼り合わせ、次いで、前記キャリア用支持体を剥離し、導電パターン層上に保護パターン層を形成し、保護パターン層上に保護フィルムを貼り合わせたことを特徴とする転写型アンテナの別の製造方法が提供される。この場合、キャリア用支持体は透明性を必要としないため、製造工程における搬送用の支持体の選択の自由度が高い。
【0026】
本発明によれば、保護パターン層、導電パターン、及び接着パターン層のパターン部分のみを形成し、パターン部のみを転写するため、従来のフィルムアンテナ構成のように抜き工程などにより施工する部分以外を取り除く工程が不要になり、製造工程が簡易化し、歩留まりも向上する。さらにパターン部のみの形成精度は、印刷などによる形成方法によりパターン幅を狭くすることが容易にできるため、透明性が確保しやすい。
【0027】
本発明の転写型アンテナの施工は、剥離フィルムを剥がし、保護フィルム越しに加圧して車用ガラス面に貼りつけ、保護フィルムを剥離してしまうため、パターン部のみの貼り付けが容易であり、パターン以外の視界を妨げる箇所を取り除くなどの手間が省ける。また、保護シートに開口部を設ける必要がないため、パターン幅が狭くても施工上の問題とならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明についてより詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の後述する実施例1による転写型アンテナの構造を例示する拡大断面模型図である。この図1に示されるように、本発明の一実施例による転写型アンテナは、アンテナ配線を形成する導電パターン層12が保護パターン層13と接着パターン層14に挟まれたアンテナ構成であり、剥離フィルム16を剥がし転写により接着パターン層14を車用ガラス面に接着し、保護フィルムまたはキャリア用支持体15を剥がすことにより、車用ガラスにアンテナを付与することができる。しかし、このような転写型のアンテナ構成にすると従来の透明基材を支持体とするアンテナ構成と比較して基材がないために生じる課題がある。
【0030】
一つは施工後の支持性である。車用ガラス面に貼りつけた後、車内環境で導電パターン層12の抵抗値を劣化させる原因の一つに断線が考えられる。施工後に車の窓を布などで拭く場合、アンテナも同時に擦られることが想定され、その際、衝撃により配線を断裂させないように保護する必要がある。
【0031】
本発明の保護パターン層13は、このような場合の支持性も考慮にいれて保護パターン層が形成される。また配線が剥き出しとなって金属の表面酸化による外観不良および導電性の劣化を防ぐためにも保護パターン層13を形成している。
【0032】
上記保護パターン層13に使用される樹脂種は特に限定されるものでなく、例えばポリエステル、アクリル、メタクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール、エポキシなどの熱硬化樹脂やUV硬化樹脂、シリコーン樹脂などを使用することができ、上記材料の1種、もしくは2種以上を混合して使用しても構わない。
【0033】
保護パターン層13は、車内環境の温度変化に対して、クラックなどの劣化発生を抑制するため、1×10-3/K以下の線膨張係数にすることを必要とし、望ましくは5×10-4/K以下とする。線膨張係数はJIS K 7197に従い、熱機械分析装置により25℃から80℃の範囲で測定し線膨張係数を求めることができる。更に保護パターン層のTgが80℃以上であることが望ましい。膜厚は保護パターン層としての機械的強度が得られれば特に限定はないが、3μm以上が好ましく、望ましくは5μm以上であるとよい。
【0034】
また、外観や耐候性、機械的強度の向上、導電パターン層12の酸化防止、線膨張係数の調整などを目的として、フィラーや低分子量の添加剤を混合しても構わない。
【0035】
保護パターン層13の透明性は視覚の妨げとならないよう85%以上を有することが好ましく、更に90%以上であることがより好ましい。ヘイズは5%以下を有することが好ましく、更に2%以下であることがより好ましい。
【0036】
上記導電パターン層12は、パターン形成できる材料であり、導電性を有している材料であれば特に限定されるものでなく、エッチングによるパターン形成であれば、Al、Cu箔などが使用可能であり、印刷などによるパターン形成であれば、導電塗料などを使用することができる。
【0037】
導電塗料は導電粒子と分散溶媒以外に樹脂などを混合していてもよい。または導電性高分子を主体とした塗料を使用することも可能である。導電粒子としてはカーボン、Ag、Au、Cu、Ni、ITOなどを使用でき、合金系や各種導電粒子の混合系を使用しても構わない。高導電性を有するために、Agを主体にした導電塗料が特に望ましい。
【0038】
導電性は高いほど、パターン設計の自由度もあがるため好ましい。導電性を良くするために膜厚は高いほどよいが、屈曲性や塗膜強度とのバランスによって設定する。通常3〜25μmであり、好ましくは7〜18μmがよい。
【0039】
パターン形状に関しては、所望する電波を受信するために適した形状を有していれば、特に限定されるものでなく、運転手等の視界を妨げないために小さく、狭い幅の形状が望ましい。
【0040】
上記接着パターン層14は、車用ガラス面と密着する材料であれば特に限定されるものでなく、水性接着剤、溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤、ラテックス型接着剤、マスチック接着剤、複層接着剤、ペースト状接着剤、発泡型接着剤、サポーテッドフィルム接着剤などの接着剤を選択でき、硬化系は低温、中温、高温固化型接着剤、ホットメルト接着剤、熱活性接着剤、ヒートシール用接着剤、低温、中温、高温硬化型接着剤、自己硬化型接着剤、コンタクト型接着剤、感圧型接着剤、重合型接着剤、溶剤活性接着剤、嫌気性接着剤、シリケート接着剤などが使用でき、熱硬化系、熱可塑系、エラストマー系、及び混合系などを選択することができる。
【0041】
膜厚は接着力が得られる膜厚であれば特に限定されるものでなく、通常5〜30μm、望ましくは10〜25μm程度がよい。
【0042】
また、外観や耐候性、機械的強度の向上、導電パターン層の酸化防止剤などを目的として、フィラーや低分子量の添加剤を混合しても構わない。
【0043】
接着パターン層14の透明性は85%以上を有することが好ましく、90%以上であることが更に望ましい。ヘイズは5%以下を有することが好ましく、更に2%以下であることがより好ましい。
【0044】
図3は、本発明の後述する実施例3による転写型アンテナの構造を例示する拡大断面模型図であり、図4は、本発明の後述する実施例4による転写型アンテナの構造を例示する拡大断面模型図である。これら図3および図4に示されるように、前記導電パターン層12と接着パターン層14の間に支持パターン層11を設けると接着パターン層14の影響を抑制し、安定性を向上させることができる。支持パターン層11に使用される樹脂種は特に限定されるものでなく、例えばポリエステル、アクリル、メタクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール、エポキシなどの熱硬化樹脂やUV硬化樹脂、シリコーン樹脂などを使用することができ、上記材料の1種、もしくは2種以上を混合して使用しても構わない。
【0045】
車内環境の温度変化に対して、クラックなどの劣化発生を抑制するため、1×10-3/K以下の線膨張係数にすることを必要とし、5×10-4/K以下が特に望ましい。また塗膜のTgは80℃以上であることが望ましい。また支持パターン層11と保護パターン層13の線膨張係数は近似されていることが望ましい。支持パターン層11を設けたことにより接着パターン層14は粘着系から、熱可塑系、硬化系の樹脂など幅広く選択することが可能となる。
【0046】
また、外観や耐候性、機械的強度の向上、導電パターン層の酸化防止、線膨張係数の調整などを目的として、フィラーや低分子量の添加剤を混合しても構わない。
【0047】
支持パターン層11の透明性は85%以上を有することが好ましく、更に90%以上であることが更に望ましい。
【0048】
保護フィルム15は、施工性の観点から可とう性フィルムが望ましい。材料としては可とう性プラスチック基材であれば、特に限定されるものでなく、ポリエチレン、PP、PC、アクリル、PET、PEN、PEI、ポリイミドなどのフィルムが使用可能である。保護フィルムは積層した塗膜との剥離性があれば、フィルム単独でもよく、剥離性を高めるために、微粘着層やシリコーン系やアクリル系などの剥離層を設けても良い。
【0049】
製造工程中に高温処理工程を通すことを踏まえて、搬送フィルム15(保護フィルム、若しくはキャリア用支持体)の高い寸法安定性を必要とする。JISC2151の基材の寸法安定性の評価法により、150℃、30分の条件下において、支持体の寸法安定率は0.3%以下にする必要があり、好ましくは0.1%以下である。寸法案定化率を0.3%以下にする手法は、特に限定されるものではなく、恒温槽にフィルムシートを曝露する方法、IR炉などの高温炉内をロール状で通過させることにより、予め熱収縮させて寸法安定性を向上させることが可能である。
【0050】
剥離フィルム16は、接着パターン層14のタックによる汚れ付着や、アンテナ構成を保護する役目を有しており、施工性の観点から可とう性のフィルムであることが望ましい。可とう性フィルム材料は特に限定されるものでなく、ポリエチレン、PP、PC、アクリル、PET、PEN、PEI、ポリイミドなどのフィルムが使用可能である。剥離フィルム16は、積層した塗膜との剥離性があれば、フィルム単独でもよく、剥離性を高めるために、微粘着層やシリコーン系やアクリル系などの剥離層を設けても良い。
【0051】
次に、前述したような構造を有する本発明の車載用等の転写型アンテナの製造方法について説明する。本発明の製造方法によれば、保護フィルム15上に保護パターン層13をパターン形成し、図1に示すような構造の場合には、その上に導電パターン層12と接着パターン層14を順次パターン形成し、もしくは図3に示すような構造の場合には、導電パターン層12と支持パターン層11と接着パターン層14とを順次パターン形成した後、剥離フィルム16を貼り合わせることにより製造される。
【0052】
保護フィルム15は、寸法安定性を向上させるために熱処理を行うことが好ましい。保護フィルム15の熱処理方法として、保護パターン層13、導電パターン層12、支持パターン層11、接着パターン層14を形成する時の最高の熱処理温度条件と同様の手法、温度・時間条件を設定することが好ましい。
【0053】
保護フィルム15の厚みが薄い材料を使用した場合は、保護フィルム15にキャリア用支持体を貼り合わせ、剛性を高めて製造時に用いることができる。キャリア用支持体は、製造後、もしくは製造中に剥離するため透明性を必要としない。製造工程における搬送などにおいて、剛性の高いフィルムは取り扱いやすいため、厚みが50μm以上のキャリアフィルムを貼り合わせて使用することにより製造が容易となる。
【0054】
また、本発明の別の製造方法によれば、キャリア用支持体に導電パターン層13を形成した後、図1に示すような構造の場合には、導電パターン層12上に接着パターン層14を形成し、もしくは図3に示すような構造の場合には、導電パターン層12上に支持パターン層11、接着パターン層14を形成し、接着パターン層14上に剥離フィルム16を貼り合わせ、次いで、前記キャリア用支持体を剥離し、導電パターン層12上に保護パターン層13を形成し、保護パターン層13上に保護フィルム15を貼り合わせたことにより製造される。図4は、図3の構造のように支持パターン層11を有する場合において、このような別の製造方法により製造されたものの断面構造を示している。
【0055】
本発明では、保護フィルム上またはキャリア用支持体上に保護パターン層、導電パターン、及び接着パターン層のパターン部分のみを形成する。
【0056】
保護パターン層、導電パターン層、及び支持パターン層、接着パターン層の形成方法は、特に限定されるものではないが、印刷による成膜方法が、簡易的であり、安価で製造できるため有効である。印刷機はスクリーン印刷を使用することができ、フィルムの形態はシート状、ロール状のどちらでもよい。フィルムの剛性を必要とする場合は、キャリアフィルムを貼り合わせたフィルムを使用する。
【0057】
フィルムは予め熱処理を行い、寸法の安定化を図る。シートの場合は恒温槽などに曝露し、フィルム同士を積層して一括して熱処理することができる。ロール状のフィルムを使用した場合、予めロールを熱処理炉に通すことによって寸法の安定性を得ることが可能である。所望する受信電波に適したアンテナのパターン形状により、各層の印刷用の版を形成する。
【0058】
キャリアフィルムまたは保護フィルム上にスクリーン印刷により、保護パターン層をパターン印刷形成し、乾燥炉を通して塗料溶剤を揮発させ塗膜化する。UV硬化樹脂を使用した場合は、UV照射を行い硬化させる。同様に導電パターン層、支持パターン層、接着パターン層を順次印刷し、乾燥炉を通して塗料溶剤を揮発させ塗膜化する。各層に関して熱硬化を要する材料を選定した場合、各層毎に形成した後、熱硬化処理を行うか、全ての層を形成した後に一括で熱処理することにより硬化させる方法をとることができる。
【0059】
接着パターン層を成膜後、剥離フィルムを接着パターン層面にラミネートする。ラミネートの形態はシート対シート、ロール対シート、ロール対ロールなどの各形態でラミネートすることができる。最後に所望するサイズに断裁または抜き加工を行う。上記方法により転写型アンテナを形成することが可能である。
【0060】
実施例
以下に本発明の具体例を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0061】
実施例1
保護フィルムはPETフィルム「T60」(東レ(株)製)を、160℃、30minの条件で熱処理して寸法安定率を0.01〜0.1%として使用した。保護パターン層用として、UV硬化樹脂塗料「レイキュアーGA4100」(十条ケミカル(株)製)を、幅:0.5mm、サイズ:10mm×300mmの方形型のアンテナパターン、サイズ:50mm×50mmの透明性評価用パターン、サイズ:50mm×50mmの鉛筆硬度評価用パターンをパターニングした保護層用印刷版(図2)を用いて、スクリーン印刷により厚み:5μmで形成して、UV照射装置によりUV硬化を行った。硬化後の保護パターン層の線膨張係数は80℃において1.03×10-4/Kであった。導電パターンは導電塗料「DW351H30」(東洋紡績(株)製)を使用し、幅:0.25mm、サイズ:100mm×300mmのアンテナパターン、サイズ1mm×100mmの抵抗率評価用パターン、サイズ50mm×50mmの鉛筆硬度評価用パターンをパターニングした導電層用印刷版を用いて、スクリーン印刷により厚み:12μmで形成し、160℃、30minの熱風乾燥機にて熱処理を行った。接着パターン層は熱可塑性樹脂として「エピクロンEXA-192」(大日本インキ工業(株)製)を使用し、幅:0.5mm、サイズ:100mm×300mmのアンテナパターン、サイズ:50mm×50mmの透明性評価用パターンをパターニングした接着層用印刷版を用いて、スクリーン印刷により厚み:15μmで形成した。更に接着パターン層上に剥離フィルムとして、微粘着層を有するPETフィルム「LE952」(東洋インキ製造(株)製)を全面に貼り合わせて転写型アンテナを作製した。上記作製したサンプルの断面概略図を図1に示す。
【0062】
実施例2
導電パターンは低い抵抗率を有する導電塗料「XA-9053」(藤倉化成(株)製)を使用し、厚み:5μmで実施例1と同様の方法により転写型アンテナを作製した。
【0063】
実施例3
実施例1と同様の方法により、保護パターン層、導電パターン層まで形成した後、支持パターン層として、UV硬化樹脂塗料「レイキュアーGA4100」(十条ケミカル(株)製)をスクリーン印刷により幅:0.5mm、サイズ:100mm×300mmのアンテナパターン、サイズ:50mm×50mmの透明性評価用支持パターンをパターニングした支持層用印刷版(図2)を用いて、スクリーン印刷によりをそれぞれ厚み:12μmで形成し、UV照射装置によりUV硬化を行った。硬化後の支持パターン層の線膨張係数は:1.03×10-4/Kであった。接着パターン層は実施例1と同様の方法により、粘着剤「SKダイン1429F」(綜研化学(株)製)を使用し、厚み:15μmで形成した。次に実施例1と同様の方法により、剥離フィルムを形成して、転写型アンテナを作製した。上記作製したサンプルの断面概略図を図3に示す。
【0064】
実施例4
キャリア用支持体に透明PET「T60」(東レ(株)製)を、160℃、30minの熱風乾燥機により熱処理して寸法安定率を0.01〜0.1%とした。キャリア用支持体上に導電塗料「XA-9053」(藤倉化成(株)製)を使用し、実施例2と同様の方法により形成した。その上に支持パターン層として、UV硬化樹脂塗料「レイキュアーVX4700」(十条ケミカル(株)製)を実施例3と同様の方法により、厚み:12μmで形成し、UV照射装置によりUV硬化を行った。硬化後の支持パターン層の線膨張係数は:9.0×10-4/Kであった。更に実施例3と同様に接着パターン層と剥離フィルムを設けた後、上記したキャリア支持体を導電パターン層から剥離し、導電パターン層上に保護パターン層として、UV硬化樹脂塗料「レイキュアーVX4700」(十条ケミカル(株)製)をスクリーン印刷により幅:0.6mm、サイズ:100mm×300mmのアンテナパターン、サイズ:50mm×50mmの透明性評価用パターンをパターニングした保護層用印刷版を用いてスクリーン印刷により厚み:12μmで形成し、UV照射装置によりUV硬化を行った。硬化後の保護パターン層の線膨張係数は9.0×10-4/Kであった。保護パターン層面に保護フィルムとしてPETに微粘着層を設けた「LE952」(東洋インキ製造(株)製)を貼り合わせて転写型アンテナを作製した。上記作製したサンプルの断面概略図を図4に示す。
【0065】
比較例1
基材に透明PET「T60」(東レ(株)製)を使用した。透明PETの透明性を損なわずに使用できる熱処理温度が130℃以下であるため、120℃、30minの熱風乾燥機に曝露して寸法安定率を0.05〜0.15%とした。透明PET上に導電パターン層を実施例1と同様の方法により、120℃、30minの熱処理で形成した。次に保護パターン層を実施例1と同様の方法により形成した。次に保護パターン層面に保護フィルムとして、PETに微粘着層を設けた「LE952」(東洋インキ製造(株)製)を貼り合わせた。次に導電パターン層と反対側のPET面に、接着層として粘着剤「SKダイン1429F」(総研化学(株)製)を使用して、メイヤーバーによりPET全面に塗布した後、120℃-30minの条件で熱処理を行い形成した。次に接着層面に剥離層を有するPETの剥離フィルム「A31」(帝人(株)製)を全面に貼り合わせた。最後にビク刃により幅2mmのアンテナパターンに打ち抜き、フィルムアンテナを作製した。上記作製したサンプルの断面概略図を図6に示す。
【0066】
比較例2
透明PET上に導電塗料「XA-9053」(藤倉化成(株)製)を使用し、厚み:5μmで形成し、比較例1と同様の方法によりフィルムアンテナを形成した。
【0067】
比較例3
実施例4と同様の方法により、保護パターン層と支持パターン層用塗料にUV硬化樹脂塗料「レイキュアーSL6100」(十条ケミカル(株)製)を使用し、厚み:12μmで形成した。保護層、支持層の55℃における線膨張係数は8.76×10-3/Kであった。実施例4と同様の方法により転写型アンテナを形成した。
【0068】
作製した各アンテナの剥離フィルムを剥離した後、保護フィルム越しにプラスチックスキージーにより圧力を加えて、厚み:3mmのガラス板に貼り付け保護フィルムを剥離した。
【0069】
透明性評価用パターンサンプルは、ビッグケミー・ジャパン製:haze-gard dualにより、透過率とヘイズを測定し、アンテナ透明性とした。
【0070】
抵抗率評価用パターンは、Taly Hobson製:Form Talysurf PGI800により断面積を測定し、アジレントテクノロジー製:ミリオームメーター4338Bにより、パターンの両端にプローブを当てて抵抗値を測定し、抵抗率を算出した。
【0071】
鉛筆硬度評価用パターンにより、導電膜と保護膜の鉛筆引っかき試験を行った。
【0072】
アンテナ評価用パターンにより、剥離フィルムを剥がしてガラス板に貼りつけた時の施工の容易性を判断した。
【0073】
施工後のサンプルを綿布「BEMCOT」(旭化成(株)製)を使用して、アンテナ全面を5往復拭いた後、ガラス板を基点として30cm離れた場所から、目視により視界性を判断した。
【0074】
施工後のアンテナを、80℃、30分⇔−40℃、30分の熱衝撃試験を20サイクル行い、試験後のサンプル面の外観を目視により確認した。
【0075】
各実施例、比較例における評価結果を、図5の表1に示す。
【0076】
図5の表1より、比較例1〜2は基材(透明PET)をアンテナ構成に含むため、施工後に布による拭き清掃を行った後、パターンエッジ部に繊維が付着し美観、及び視界性を低下させている。比較例1、比較例2のように基材であるPETの白化を抑制するために製造温度を低くしたことにより、導電性は低下し、且つ導電パターン層や保護パターン層の硬度も低下している。
【0077】
また比較例3は保護パターン層に大きい線膨張係数の材料を使用したことにより、保護層の硬度が低く、支持層の線膨張係数も高いため、熱衝撃試験後のパターンの歪みが大きい。
【0078】
比較例3のサンプルはフィルムアンテナのパターン化に対して抜き工程を行い、抜き精度のために幅が2mmにすることしかできなかったため、実施例の転写タイプと比較して視界はよくなかった。
【0079】
実施例1〜4のサンプルは、搬送フィルムとして使用した保護フィルムやキャリア用支持体が、160℃の熱処理により白化した。しかし、施工時、若しくは製造時に剥離してしまうため、施工後のアンテナの透明性は高く、細幅のアンテナパターンであることから、視界性は良好であった。
【0080】
また実施例のサンプルは、高温で各層を熱処理することができるため、高導電性を得やすく、且つ高塗膜強度が得られるため、施工後の耐久性を有している。
【0081】
比較例1〜2のアンテナサンプルは、抜き工程を行ったため、ガラス板に施工する際、アンテナパターンが歪むために施工が難しかった。しかし実施例のサンプルは、細幅のパターンにも関わらず、保護フィルムがシート状であり、パターンのみが転写されることから、施工性は良好であった。
【0082】
上記実施例、比較例ともに搬送フィルムとして使用した、基材(透明PET)、保護フィルム、キャリア用支持体の寸法案定率を0.3%以下にしたため、積層印刷を行うにあたり、位置精度良く積層することができた。しかし寸法案定率:0.3%以上の搬送フィルムを使用した場合、第1の細幅のパターンを160℃で形成した後、第2の細幅パターンを印刷する時に位置精度が合い難く不良が多発した。また、比較例1〜2の基材を含むアンテナ構成は、抜き工程を必要としたため、接着層の粘着剤のはみ出しや刃への粘着剤転移による不良などが多発した。
【0083】
なお、前述した例では、車用窓ガラスに転写される転写型アンテナとして説明したが、本発明の転写型アンテナは、これに限らず同様の透明基体にアンテナを付与する場合にも適用して同様の効果の得られるものである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の転写型アンテナ構成は、従来のフィルムアンテナと比較して支持体がなく、且つ細幅ラインのアンテナ設計が可能なことから、運転者等の視界性が良好である。従来の基材を構成に含むアンテナは、長期耐候性において基材が黄変、白化する傾向があるが、本発明の転写型アンテナであれば、基材を含まないため耐光性における外観、美観の劣化を抑制する効果もある。また、製造工程中に高温での加熱処理を可能とすることから、導電パターン層の特性、保護パターン層の特性を向上させることができ、アンテナ特性、耐久性の向上、及び材料選定、パターン設計の自由度が広がる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施例の転写型アンテナの構成を例示する拡大断面模型図である。
【図2】特性評価用パターニングを例示する概略図である。
【図3】本発明の別の実施例の転写型アンテナの構成を例示する拡大断面模型図である。
【図4】本発明のさらに別の実施例の転写型アンテナの構成を例示する拡大断面模型図である。
【図5】各実施例、比較例における評価結果をまとめた表1を示す図である。
【図6】従来のフィルムアンテナの構成を例示する拡大断面模型図である。
【符号の説明】
【0086】
11 支持パターン層
12 導電パターン層
13 保護パターン層
14 接着パターン層
15 保護フィルムまたはキャリア用支持体
16 剥離フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護パターン層と接着パターン層との間に、アンテナ配線を形成する導電パターン層を備え、前記保護パターン層側に保護フィルムまたはキャリア用支持体、前記接着パターン層側に剥離フィルムを備えており、前記剥離フィルムを剥がして前記接着パターン層を透明基体の表面に接着した後、前記保護フィルムを剥がすことにより前記透明基体にアンテナを付与できる構成としたことを特徴とする転写型アンテナ。
【請求項2】
前記保護パターン層の線膨張係数は、25〜80℃において1×10-3/K以下である請求項1に記載の転写型アンテナ。
【請求項3】
前記導電パターン層と前記接着パターン層の間に支持パターン層を備える請求項1または2に記載の転写型アンテナ。
【請求項4】
前記支持パターン層の線膨張係数は、25〜80℃において1×10-3/K以下である請求項3に記載の転写型アンテナ。
【請求項5】
前記保護フィルムまたはキャリア用支持体は、可とう性を有し、150℃、30分の条件下で寸法変化率が0.3%以下である請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の転写型アンテナ。
【請求項6】
前記透明基体は、車用ガラスである請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の転写型アンテナ。
【請求項7】
保護フィルム上に保護パターン層を形成し、その上に導電パターン層と接着パターン層を順次形成した後、前記接着パターン層側に剥離フィルムを貼り合わせることを特徴とする転写型アンテナの製造方法。
【請求項8】
保護フィルム上に保護パターン層を形成し、その上に導電パターン層と支持パターン層と接着パターン層とを順次形成した後、前記接着パターン層側に剥離フィルムを貼り合わせることを特徴とする転写型アンテナの製造方法。
【請求項9】
キャリア用支持体に導電パターン層を形成した後、前記導電パターン層上に接着パターン層を形成し、前記接着パターン層側に剥離フィルムを貼り合わせ、次いで、前記キャリア用支持体を剥離し、前記導電パターン層上に保護パターン層を形成し、前記保護パターン層側に保護フィルムを貼り合わせることを特徴とする転写型アンテナの製造方法。
【請求項10】
キャリア用支持体に導電パターン層を形成した後、前記導電パターン層上に支持パターン層と接着パターン層とを順次形成し、前記接着パターン層側に剥離フィルムを貼り合わせ、次いで、前記キャリア用支持体を剥離し、前記導電パターン層上に保護パターン層を形成し、前記保護パターン層側に保護フィルムを貼り合わせることを特徴とする転写型アンテナの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−42240(P2006−42240A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−223062(P2004−223062)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(390027443)株式会社TMP (8)
【Fターム(参考)】