説明

軸受支持構造体、及び軸受支持構造体を有するガスタービンエンジン

本発明は、ガスタービンエンジン内で、それぞれ第1及び第2ロータ(15、17)を回転可能に支持するようになっている半径方向内側の第1及び第2軸受(28、29)と、半径方向外側のエンジンフレーム(22)との間に設置される軸受支持構造体(30)において、第1環状板形部分(31)、及びその第1端部に第1軸受を支持するための手段(32)と、第2環状板形部分(33)、及びその第1端部に第2軸受を支持するための手段(34)とを有する軸受支持構造体(30)であって、第1及び第2板形部分(31、33)は、互いに結合されて、ガスタービンエンジン内に設置される一体型ユニットを形成することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジン内で、それぞれ第1及び第2ロータを回転可能に支持するようになっている半径方向内側の第1及び第2軸受と、半径方向外側のエンジンフレームとの間に設置される軸受支持構造体であって、第1環状板形部分、及びその第1端部に第1軸受を支持するための手段と、第2環状板形部分、及びその第1端部に第2軸受を支持するための手段とを有する軸受支持構造体に関する。本発明はまた、軸受支持構造体を有するガスタービンエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
軸受支持構造体は、定置ガスタービンエンジン内に使用されることができるが、航空機ジェットエンジン用に特に有利である。ジェットエンジンは、比較的低速の空気を受け入れ、それを燃焼によって加熱し、それをはるかに高速で放出するさまざまな形式のエンジンを含むものとする。ジェットエンジンという用語には、たとえばターボジェットエンジン及びターボファンエンジンが含まれる。本発明をターボファンエンジンについて以下に説明するが、もちろん他のエンジン形式にも使用されるであろう。
【0003】
ターボファン形式の航空機ガスタービンエンジンは一般的に、前方ファン及びブースタコンプレッサ、中間コアエンジン、及び機尾低圧出力タービンを有する。コアエンジンは、高圧コンプレッサ、燃焼器、及び高圧タービンを直列関係に備える。コアエンジンの高圧コンプレッサ及び高圧タービンは、高圧シャフトによって相互連結されている。高圧コンプレッサ、タービン及びシャフトは実質的に、高圧ロータを形成している。高圧コンプレッサは、回転可能に駆動され、それにより、コアエンジンに流入する空気を圧縮してかなりの高圧にする。この高圧空気が次に、燃焼器内で燃料と混合されて点火され、それにより、高エネルギーガス流を形成する。ガス流は、機尾方向に流れ、高圧タービンを通り抜けて、それと高圧シャフトとを回転可能に駆動し、高圧シャフトが次に、高圧コンプレッサを回転可能に駆動する。
【0004】
高圧タービンを出たガス流は、第2の低圧タービンを通って膨張する。低圧タービンは、低圧シャフトを介してファン及びブースタコンプレッサを回転可能に駆動し、これら全体が、低圧ロータを形成している。低圧シャフトは、高圧ロータを貫通している。発生する推力のほとんどが、ファンによって発生する。エンジンフレームを使用して、軸受の支持及び担持が行われ、軸受はロータを回転可能に支持する。従来型ターボファンエンジンは、ファンフレーム、中間フレーム及び機尾タービンフレームを有する。
【0005】
エンジンは、ファンフレーム上の前方位置のファンフレーム前側取り付け部、及びタービンフレーム上の後方位置のタービンフレーム機尾取り付け部の位置で航空機に取り付けられる。
【0006】
本発明は特に、エンジンの機尾部分に、またより詳しくは、エンジンフレームの機尾部分が高圧タービン及び低圧タービン間に位置して、タービンフレーム機尾取り付け部の位置から半径方向内向きに延出する部分に関する。半径方向において、それぞれ第1及び第2ロータを回転可能に支持する内側の第1及び第2軸受と、エンジンフレームの半径方向外側の機尾部分との間に配置されて、それらに連結された軸受支持構造体の既知の解決策がある。そのような1つの解決策では、軸受支持構造体は、両方の軸受を支持する鋳造軸受ハウジングであって、溶接又はボルトのいずれかにより、いわゆるトーションボックスにしっかり固定された鋳造軸受ハウジングを有する。トーションボックスは、エンジンフレームにしっかり固定されている。そのような鋳造軸受ハウジングは、多くの場合に複雑な形状を有し、一体型に鋳造される。そのような軸受ハウジングを製造して、それをエンジン内に取り付ける工程には時間がかかる。
【0007】
従来型航空機エンジンのさらなる一例が、特許文献1に記載されている。エンジンフレームの機尾部分が、高圧タービン及び低圧タービン間に配置されて、タービンフレーム機尾取り付け部の位置から半径方向内向きに延出している。軸受支持構造体が、それぞれ第1及び第2ロータを回転可能に支持する第1及び第2軸受を支持している。軸受支持構造体は、2つの個別の板形部分を有し、その各々が第1及び第2軸受の一方からエンジンフレームまで延在している。2つの個別の板形部分は、エンジンの長手方向中心軸の方向においてエンジンフレームの両側からエンジンフレームにボルトで留め付けられている。軸受の位置及び軸受支持構造体の構造により、エンジン内への構造体の設置及びエンジンからのそれの取り外しが面倒になる。
【0008】
さらに、後方位置のタービンフレーム機尾取り付け部を前方に移動させ、それにより、低圧タービンの全体又は少なくとも一部分がオーバーハングを受け取るようにする傾向がある。このような展開の1つの理由は、重量の削減である。その場合、従来型航空機エンジンのタービン後フレーム(TRF)は、トレール軸受ハウス(TBH)又はタービンイグゾーストケース(TEC)とも呼ばれるが、低圧タービンの全体又は少なくとも一部分の前方の軸受支持構造体と置き換えられる、又はそれで補完されるであろう。いわゆるタービン中央フレーム(TCF)又はタービン中間フレーム(TMF)であるこの軸受支持構造体は、少なくとも2つの異なるシャフトから軸受荷重を伝達するであろう。軸受支持構造体及び関連の機尾エンジンフレームには、同一方向に回転する、又は逆回転することができるこれらのシャフト間の動的相互作用のために、高い剛性要求が課せられる。
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,708,482号明細書(US 6,708,482)
【発明の開示】
【0010】
本発明の1つの目的は、2つのロータを備えるガスタービンエンジン用の軸受支持構造体であって、設置が容易であるとともに、軸受荷重を伝達するのに十分な剛性を有し、また、半径方向において2つのロータ用の軸受及びエンジンフレーム間に配置されなければならない軸受支持構造体を達成することである。軸受支持構造体は、好ましくは軽量でなければならない。軸受支持構造体はさらに、後方位置のタービンフレーム機尾取り付け部を前方に配置し、それにより、低圧タービンの全体又は少なくとも一部分がオーバーハングを受け取るようにしたガスタービンエンジンに特に適していなければならない。
【0011】
この目的は、請求項1に記載の軸受支持構造体で達成される。
【0012】
2つの軸受を支持するために2つの板形部分を使用することにより、複雑な従来型鋳造軸受ハウジングが不必要になる。さらに、この解決策は、従来型トーションボックスをなくす状況を作り出す。したがって、一体型軸受支持構造体が、鋳造軸受ハウジング及びトーションボックスに取って替わる。さらに、本発明は、軸受支持構造体においてより強力な材料を使用する状況を作り出し、また、それを従来型鋳造品より軽量にすることができる。
【0013】
ガスタービンエンジンの1つの要件は、それが、ファン又はタービンブレード、あるいはその一部が何らかの理由で緩んだときに発生しうる回転の大きな不均衡に耐えなければならないことである。本発明の解決策は、軸受の一方に加わる不均衡の影響を2つの板形部分を介して他方の軸受に伝達することができるという点で、大きい可能性を有する。これは、結果的にエンジン取り付け部内の反力を小さくし、このことは、エンジンフレームを軽量化する状況を作り出す。
【0014】
板形部分の軸受支持手段の各々は、それぞれの板形部分に組み込まれた、又は結合された軸受ホルダ又はレースを有する。軸受は、支持部分内のそれぞれの軸受ホルダ又はレース内に取り付けられる。
【0015】
本発明の好適な実施形態によれば、軸受支持構造体は、環状中央部材を有し、第1及び第2板形部分は、環状中央部材にしっかり固定されている。これは、軸受及びエンジンフレーム間で荷重を伝達するのに十分に剛直な構造にする状況を作り出す。第1及び第2板形部分は好ましくは円錐形であって、中央環状部材からそれぞれの軸受まで発散する。
【0016】
最後に述べた実施形態のさらなる展開によれば、構造体は、エンジンフレームに連結するための手段を備えた第3環状板形部分を有する。また、第3板形部分は好ましくは、環状中央部材にしっかり固定される。そのような構造は、構造体の剛性をさらに向上させる。
【0017】
軸受支持構造体は好ましくは、エンジンフレームに連結するための手段を備えた第4環状板形部分も有する。4つの円錐板形部分の各々の第1端部を中央部材に結合し、それらの部分が異なる方向に延出して、エンジンの長手方向中心軸を横切る断面がX字形を形成するように配置することにより、軸受及びエンジンフレーム間の半径方向剛性が達成される。さらに、2つの軸受間が相対運動するための可撓性が達成される。さらに、エンジンフレームに対するねじりモーメントが最小限に抑えられ、これは、この部品をより軽量化し、且つ複雑さを減らす状況を作り出す。
【0018】
さらに、各円錐板形部分の傾き及び厚さを変化させ、それにより、軸受荷重を伝達するたわみシステムを達成することができる。
【0019】
従来の既知の解決策に伴う1つの問題は、2つの軸受の位置が、ロータ動的要件から設定されることである。そのため、軸受の一方(又は両方の軸受)が、荷重及びねじりモーメントに関して最も好ましい位置からはるかに遠い位置になり、垂直方向においてエンジン取り付け部の下方にあるであろう。本発明の解決策に伴う1つの利点は、円錐板形部分の一方を、異なる傾き及び/又は長さ及び/又は材料を有する別の部分と交換することにより、軸受支持構造体の構造を容易に補正することができることである。
【0020】
本発明のさらなる目的は、それぞれ第1及び第2ロータを回転可能に支持するようになっている半径方向内側の第1及び第2軸受と、半径方向外側のエンジンフレームとの間の軸受支持構造体であって、軸受荷重を伝達するのに十分な剛性を有し、またエンジンへの設置及びそれからの取り外しが容易である軸受支持構造体を備えるガスタービンエンジンを達成することである。軸受支持構造体は好ましくは、エンジンの長手方向中心軸の方向において高圧タービン及び低圧タービン間に配置される。
【0021】
この目的は、請求項13に記載のガスタービンエンジンで達成される。
【0022】
本発明のさらなる有利な実施形態及びさらなる利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、添付図面に示された実施形態を参照しながら、本発明を説明する。
【0024】
ターボファンガスタービン航空機エンジン1について、本発明を以下に説明し、図1ではこれが、エンジンの長手方向中心軸2の周りに描かれている。エンジン1は、外側ケーシング又はナセル3、内側ケーシング4(ロータ)、及び中間ケーシング5を有し、中間ケーシング5は、最初の2つのケーシングに対して同心状であり、また、その間のギャップを、空気の圧縮用の内側主ガスチャネル6と、エンジンバイパス空気を流す補助チャネル7とに分割する。したがって、ガスチャネル6、7の各々は、エンジンの長手方向中心軸2に対して垂直な断面において環状である。
【0025】
エンジン1は、周囲の空気9を受け取るファン8と、ブースタ又は低圧コンプレッサ(LPC)10と、主ガスチャネル6内に配置された高圧コンプレッサ(HPC)11と、燃焼器12とを有し、燃焼器12は、燃料を高圧コンプレッサ11によって加圧された空気と混合し、それにより、燃焼ガスを発生することができ、燃焼ガスは高圧タービン(HPT)13及び低圧タービン(LPT)14を通って下流へ流れて、それから燃焼ガスはエンジンから排出される。
【0026】
次に、図2を参照しながら、エンジン1をさらに説明する。第1の高圧シャフト15が、高圧タービン13を高圧コンプレッサ11に結合し、それにより、第1の高圧ロータを実質的に形成している。第2の低圧シャフト17が、低圧タービン14を低圧コンプレッサ10に結合し、それにより、第2の低圧ロータを実質的に形成している。高圧コンプレッサ11、燃焼器12及び高圧タービン13は、集合的にコアエンジン19と呼ばれる。第2の低圧シャフト17は少なくとも部分的に、第1の高圧ロータに対して同軸的、且つその半径方向内側に回転可能に配置されている。
【0027】
エンジンは、中間ケーシング5によって機尾エンジンフレーム又はタービンフレーム22に連結された前側のファンフレーム21を備えるフレーム構造体20を有する。エンジンは、航空機翼から下方に延出するパイロン(図示せず)などにより、航空機に取り付けられる。タービンフレーム22は、外側構造リング23を有し、これは、中心線2の周りに同軸的に配置されたケーシングであることができる。タービンフレーム22は、第1構造リング23に対して同軸的、且つそれから半径方向内側に離して配置された内側構造リング24を有する。タービンフレーム22はさらに、外側及び内側構造リング23、24間でエンジンの半径方向に延在してそれらにしっかり固定された複数のストラット25を円周方向に間隔をおいて有する。
【0028】
エンジンは、ファンフレーム21上の前方位置のファンフレーム前側取り付け部と、タービンフレーム22上の後方位置のタービンフレーム機尾取り付け部27との位置で航空機に取り付けられている。例示的な実施形態では、機尾取り付け部は、U字形クレビスを有する。クレビスは、1組のピンによって1組のリンクに連結されるように構成されている。もちろん、クレビス以外の任意の形式の取り付け手段を使用して、エンジン1を航空機に取り付けることもできる。タービンフレーム機尾取り付け部27は、ストラット25の半径方向外側でタービンフレーム22にしっかり固定されている。
【0029】
ガスタービンエンジン1は、第1シャフト15を回転可能に支持する第1軸受28と、エンジン1の機尾領域で第2シャフト17を回転可能に支持する第2軸受29とを有する。第2軸受29は、第1軸受28より軸方向機尾側で、且つエンジンの長手方向中心軸2からの半径方向距離が第1軸受28より遠い位置に配置されている。
【0030】
軸受支持構造体30が、半径方向において軸受28、29とエンジンフレーム22との間に配置されている。軸受支持構造体30は、ボルト16、18によってエンジンフレーム22に堅固に連結されている。軸受支持構造体30は、第1軸受28を支持するための軸受支持手段32を備えた第1環状板形部分31と、第2軸受29を支持するための軸受支持手段34を備えた第2環状板形部分33とを有する。第1及び第2板形部分31、33は互いに結合されて、ガスタービンエンジン1内に一体型ユニットを形成している。軸受28、29は、転がり軸受によって形成される。軸受支持手段32、34は、それぞれ軸受レースを有する。
【0031】
軸受支持手段32、34は、複数の相互連結部材によって形成されてもよい。それぞれ板形部分31及び33に連結された部材は、鋳造又は鍛造部品によって形成されることができる。
【0032】
軸受支持構造体30は、環状の中央部材35を有し、第1及び第2板形部分31、33は、環状中央部材35にしっかり固定されている。環状中央部材35は好ましくは、鍛造によって製造される。代替例では、それは鋳造によって製造される。環状中央部材35は、軸受支持構造体を安定させる機能を有し、容易に製造される構造であることができる。第1環状板形部分31及び第2環状板形部分33は、環状中央部材35から異なる方向へ、2つの軸受28、29に向かって延出している。第1環状板形部分31及び第2環状板形部分33は、円錐台形状を有する。
【0033】
軸受支持構造体30は、エンジンフレーム22に連結するための連結手段37を備えた第3環状板形部分36をさらに有する。第3板形部分36は、環状中央部材35にしっかり固定されている。エンジンフレームに連結するための連結手段37は、リングによって形成され、本例では、第3板形部分36の端部分から半径方向内側に向いている。
【0034】
軸受支持構造体30は、エンジンフレーム22に連結するための連結手段39を備えた第4環状板形部分38をさらに有する。第4板形部分38も、環状中央部材35にしっかり固定されている。エンジンフレームに連結するための連結手段39は、本例ではリングによって形成されており、これは、第4板形部分38の半径方向外側の端部分に連結されている。
【0035】
4つの円錐板形部分31、33、36、38の各々は好ましくは、軸受支持構造体をエンジン内に設置する前に、溶接によって中央部材にしっかり固定される。さらに、連結手段37、39は好ましくは、ボルト連結部の一部を形成している。さらに、エンジンフレームに連結するための連結手段37、39は、所望の形状及び/又は機能用に加工される鋳造又は鍛造部品によって形成されてもよい。第3環状板形部分36及び第4環状板形部分38の各々は、円錐台形状を有する。
【0036】
第1板形部分31及び第4板形部分38は、環状中央部材35の対向側から延出して、ほぼ同一の傾きを有する。第2板形部分33及び第3板形部分36は、環状中央部材35の対向側から延出して、ほぼ同一の傾きを有する。そのような構造は、ねじりモーメントの局部集中を最小限に抑える。したがって、軸受支持構造体30は、断面がX字形であり、板形部分31、33、36、38の各々が、X字の1つの脚部を形成している。
【0037】
環状中央部材35は、第1及び第2環状板形部分31、33間に面する開口部40を有し、これは、環状中央部材の、第3及び第4板形部分36、38間に面する反対側に通じる通路を形成している。開口部は、たとえば、軸受28、29に対する空気及び/又は油の導入及び排出を行うためにホース又はパイプ用の接続部を配置するための状況を作り出す。
【0038】
本発明は、実施形態に決して制限されることはなく、添付の特許請求の範囲から逸脱しない限り、多くの代替及び変更が可能である。
【0039】
軸受支持構造体30の形状は、図2及び図3に示されたX字形構造体と異なってもよい。たとえば、それは、軸受を支持するために、各々が環状中央部材から半径方向内向きに延出する2つの板形部分を有するだけでもよい。この場合、環状中央部材は、直接的にエンジンフレームに締着される。この場合の軸受支持構造体は、断面がほぼV字形である。さらなる代替として、軸受支持構造体は、2つの半径方向内向きに延出する板形部分に加えて、環状中央部材から半径方向外向きに延出する第3板形部分を有することができる。この場合、第3板形部分がエンジンフレームに締着されるであろう。この代替例による軸受支持構造体は、断面がほぼY字形である。本発明の概念を提示されれば、当業者にはこれらの形状の多くの代替例が明らかである。
【0040】
2つの軸受28、29を支持するための軸受支持手段32、34は、任意の形状をとることができ、図2及び図3に示された実施形態は、非制限的な例に過ぎないと見なされるべきである。さらに、軸受支持構造体をエンジンフレーム22に連結するための連結手段37、39は任意の形状をとることができ、図2及び図3に示された実施形態は、非制限的な例に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】航空機ターボファンガスタービンエンジンの例示的な実施形態の概略的な長手方向断面図である。
【図2】図1のエンジン内で高圧タービン及び低圧タービン間の機尾エンジンフレームに連結された軸受支持構造体の第1実施形態の拡大図である。
【図3】図2の軸受支持構造体の拡大側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン内で、それぞれ第1及び第2ロータ(15、17)を回転可能に支持するようになっている半径方向内側の第1及び第2軸受(28、29)と、半径方向外側のエンジンフレーム(22)との間に設置される軸受支持構造体(30)において、第1環状板形部分(31)、及びその第1端部に第1軸受を支持するための手段(32)と、第2環状板形部分(33)、及びその第1端部に第2軸受を支持するための手段(34)とを有する軸受支持構造体(30)であって、
第1及び第2板形部分(31、33)は、互いに結合されて、ガスタービンエンジン内に設置される一体型ユニットを形成することを特徴とする、軸受支持構造体。
【請求項2】
第1環状板形部分(31)及び第2環状板形部分(33)は、結合点から異なる方向に延出することを特徴とする、請求項1に記載の軸受支持構造体。
【請求項3】
構造体(30)は、環状中央部材(35)を有し、また、第1及び第2板形部分(31、33)は、環状中央部材に固定されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の軸受支持構造体。
【請求項4】
環状中央部材(35)は、前記第1及び第2板形部分(31、33)間に面して環状中央部材の反対側に通じる通路を形成する開口部(40)を有することを特徴とする、請求項3に記載の軸受支持構造体。
【請求項5】
構造体(30)は、エンジンフレームに連結するための手段(37)を備えた第3環状板形部分(36)を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の軸受支持構造体。
【請求項6】
第3板形部分(36)は、環状中央部材(35)に固定されていることを特徴とする、請求項3乃至4及び5のいずれかに記載の軸受支持構造体。
【請求項7】
第2板形部分(33)及び第3板形部分(36)は、軸受支持構造体の中心軸(2)に対してほぼ同一の傾きで延出することを特徴とする、請求項5又は6に記載の軸受支持構造体。
【請求項8】
構造体(30)は、エンジンフレームに連結するための手段(39)を備えた第4環状板形部分(38)を有することを特徴とする、請求項5乃至7のいずれかに記載の軸受支持構造体。
【請求項9】
第4板形部分(38)は、環状中央部材(30)に固定されていることを特徴とする、請求項3乃至4及び8のいずれかに記載の軸受支持構造体。
【請求項10】
第2板形部分(33)及び第3板形部分(36)は、軸受支持構造体の中心軸(2)に対してほぼ同一の傾きで延出することを特徴とする、請求項8又は9に記載の軸受支持構造体。
【請求項11】
第3環状板形部分(36)及び第4環状板形部分(38)は、異なる方向に延出することを特徴とする、請求項8乃至10のいずれかに記載の軸受支持構造体。
【請求項12】
軸受支持構造体(30)は、断面がほぼX字形であり、第1及び第2板形部分(31、33)は、それぞれX字の1つの脚部を形成することを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の軸受支持構造体。
【請求項13】
前記環状板形部分(31、33、36、38)の少なくとも1つが、円錐形であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の軸受支持構造体。
【請求項14】
第1及び第2ロータと、それぞれ該第1及び第2ロータ(15、17)を回転可能に支持する第1及び第2軸受(28、29)と、エンジンフレーム(22)と、半径方向において前記軸受及び前記エンジンフレーム間に配置された軸受支持構造体(30)とを備え、軸受支持構造体(30)は、第1環状板形部分(31)、及びその第1端部に前記第1軸受28を支持するための手段(32)と、第2環状板形部分(33)、及びその第1端部に前記第2軸受29を支持するための手段(34)とを有する、ガスタービンエンジン(1)であって、前記第1及び第2板形部分(31、33)は、互いに結合されて、ガスタービンエンジン内に一体型ユニットを形成することを特徴とする、ガスタービンエンジン。
【請求項15】
第1環状板形部分(31)及び第2環状板形部分(33)は、結合点から異なる方向に延出することを特徴とする、請求項14に記載のガスタービンエンジン。
【請求項16】
軸受支持構造体(30)は、環状中央部材(35)を有し、また、第1及び第2板形部分(31、33)は、環状中央部材に固定されていることを特徴とする、請求項13乃至15のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
【請求項17】
環状中央部材(35)は、前記第1及び第2環状板形部分(31、33)間に面して環状中央部材の反対側に通じる通路を形成する開口部(40)を有することを特徴とする、請求項16に記載のガスタービンエンジン。
【請求項18】
軸受支持構造体(30)は、エンジンフレームに連結するための手段(37)を備えた第3環状板形部分(36)を有することを特徴とする、請求項14乃至17のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
【請求項19】
第3板形部分(36)は、環状中央部材(35)に固定されていることを特徴とする、請求項16乃至17及び18のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
【請求項20】
構造体(30)は、エンジンフレーム22に連結するための手段(39)を備えた第4環状板形部分(38)を有することを特徴とする、請求項18又は19に記載のガスタービンエンジン。
【請求項21】
第4板形部分(38)は、環状中央部材(35)に固定されていることを特徴とする、請求項16乃至17及び20のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
【請求項22】
第3環状板形部分(36)及び第4環状板形部分(38)は、異なる方向に延出することを特徴とする、請求項20又は21に記載のガスタービンエンジン。
【請求項23】
前記環状板形部分(31、33、36、38)の少なくとも1つが、円錐形であることを特徴とする、請求項14乃至22のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
【請求項24】
軸受支持構造体(30)は、高圧タービン(13)及び低圧タービン(14)間に位置するエンジン機尾フレーム(22)に連結されていることを特徴とする、請求項14乃至23のいずれかに記載のガスタービンエンジン。
【請求項25】
後方位置のタービンフレーム機尾取り付け部(27)が、前記エンジンフレーム(22)に締着されていることを特徴とする、請求項14乃至24のいずれかに記載のガスタービンエンジン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−516143(P2008−516143A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535628(P2007−535628)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/SE2005/001331
【国際公開番号】WO2006/038842
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(500204267)ボルボ エアロ コーポレイション (26)