説明

軸封装置

【課題】密封領域が真空状態のものにおいて、密封領域内への異物の侵入の抑制を図ることのできる軸封装置を提供する。
【解決手段】第1シール構造部100は、第1固定環と、第1回転環とを備え、第1固定環における大気側の端面と第1回転環における密封領域側の端面との間に微小隙間を有する非接触シール構造であり、第2シール構造部200は、第2固定環と、第2回転環とを備え、第2固定環と第2回転環とは軸方向の端面同士が摺動する接触シール構造であり、第1固定環と第2固定環の外周側には、第1シール構造部100と第2シール構造部200との間に密閉空間Rを形成するシールカバー300が固定されると共に、密閉空間R内を真空状態にすることが可能な真空引き機構700を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空乾燥機などに用いられる軸封装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、回転軸とハウジングの軸孔との間の環状隙間を封止する軸封装置としては、グランドパッキンやセグメントシールを利用したものが知られている。しかしながら、真空乾燥機などにおいては、回転軸の重量が重く、高温環境になるなど、劣悪な環境条件となっている。そのため、シール部分の負荷が大きく、短期間で密着性が低下してしまうため、頻繁に増し締めを行わなければならないなどの問題がある。また、軸封装置として、メカニカルシールを利用したものも知られている(特許文献1参照)。しかしながら、メカニカルシールの場合には、摺動により摩耗粉が出るため、密封領域内に摩耗粉が侵入してしまうことが懸念される。また、メカニカルシールの場合、一般的に、回転環や固定環を軸方向に押圧するスプリングなどが設けられるが、密封領域内に紛体が密封されている場合、漏れ出た粉体がスプリングなどに詰まってしまい、その機能が発揮されなくなってしまう問題もある。
【0003】
なお、液体を加圧循環させるシール方法や、ガスパージによるシール方法も知られているが、これらの方法は、密封領域が真空状態のものには通常適用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4283296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、密封領域が真空状態のものにおいて、密封領域内への異物の侵入の抑制を図ることのできる軸封装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0007】
すなわち、本発明の軸封装置は、
回転軸とハウジングの軸孔との間の環状隙間を封止して、真空状態にある密封領域内の紛体の漏れを抑制する軸封装置において、
密封領域側に設けられる第1シール構造部と、
第1シール構造部に対して密封領域とは反対側の大気側に設けられる第2シール構造部と、
を備える軸封装置であって、
第1シール構造部は、前記ハウジングに対して(直接的又は間接的に)固定される第1固定環と、前記回転軸に対して(直接的又は間接的に)固定される第1回転環とを備え、第1固定環における大気側の端面と第1回転環における密封領域側の端面との間に微小隙間を有する非接触シール構造であり、
第2シール構造部は、前記ハウジングに対して(直接的又は間接的に)固定される第2固定環と、前記回転軸に対して(直接的又は間接的に)固定される第2回転環とを備え、第2固定環と第2回転環とは軸方向の端面同士が摺動する接触シール構造であり、
第1固定環と第2固定環の外周側には、第1シール構造部と第2シール構造部との間に密閉空間を形成するシールカバーが固定されると共に、
前記密閉空間内を真空状態にすることが可能な真空引き機構を備えていることを特徴とする。
【0008】
なお、本発明における「固定環」及び「回転環」は、一つの部材で構成される場合の他、複数の部材で構成される場合も含む。
【0009】
本発明によれば、密封領域側に設けられる第1シール構造部は非接触シール構造のため、第1固定環と第1回転環による摺動摩耗による摩耗粉が生じることはない。従って、摩耗粉が異物となって密封領域内に侵入してしまうことはない。また、第1シール構造部と第2シール構造部との間の密閉空間は、真空引き機構によって真空状態となるように真空引きされるため、当該密閉空間内の異物は密閉空間外部へと排出される。従って、より一層、密封領域への異物の侵入を抑制できる。また、密閉空間内が真空状態となることにより、真空状態である密封領域との差圧をなくすことができる。従って、密封領域から密閉空間への紛体の漏れや、密閉空間から密封領域への異物の侵入を抑制することができる。また、密封領域内の紛体が、第1固定環における大気側端面と第1回転環における密封領域側の端面との間の微小隙間に進入した場合であっても、紛体自体がシールとして機能し、より一層シール性を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、密封領域が真空状態のものにおいて、密封領域内への異物の侵入の抑制を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例に係る軸封装置全体の模式的断面図である。
【図2】図2は本発明の実施例に係る第1シール構造部の模式的断面図である。
【図3】図3は本発明の実施例に係る第1シール構造部の構成部品の取り付け方を説明する説明図である。
【図4】図4は本発明の実施例に係る第2シール構造部の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
(実施例)
図1〜図4を参照して、本発明の実施例に係る軸封装置について説明する。本実施例に係る軸封装置は、真空乾燥機において、真空状態にある密封領域内の紛体を搬送させるためのスクリュを回転させる回転軸と、機体側のハウジングに設けられている軸孔との間の環状隙間を封止するために用いられる。
【0014】
<軸封装置全体>
特に、図1を参照して、真空乾燥機の概要、及び本発明の実施例に係る軸封装置全体の構成について説明する。
【0015】
真空乾燥機600の筐体610には開口部611が設けられており、この開口部611に環状のハウジング620が取り付けられている。そして、このハウジング620における軸孔621内に、回転軸630が挿通されている。この回転軸630には、スクリュ羽根641を有するスクリュ640が設けられている。また、回転軸630には、スクリュ640に隣接して、スリーブ650がセットスクリュ651によって位置決めされた状態
で固定されている。なお、スリーブ650の内周面と回転軸630の外周面との間はOリングOによってシールされている。筐体610の内部は密封領域となっており、この密封領域は真空状態となるように構成され、かつ紛体が密封されている。また、密封領域内は加温されるように構成されている。
【0016】
以上のような構成により、回転軸630によりスクリュ640が回転することによって、紛体が軸方向に搬送される。紛体は、搬送される過程で水分が蒸発して乾燥する。
【0017】
そして、本実施例に係る軸封装置Sは、密封領域側Vに設けられる第1シール構造部100と、第1シール構造部100に対して密封領域とは反対側の大気側Aに設けられる第2シール構造部200とを備えている。また、軸封装置Sには、これら第1シール構造部100と第2シール構造部200との間に密閉空間Rを形成するためのシールカバー300も設けられている。このシールカバー300は、第1シール構造部100に備えられた第1固定環110の外周側と、第2シール構造部200に備えられた第2固定環210の外周側に、それぞれセットスクリュ310,320によって固定されている。
【0018】
また、軸封装置Sには、真空引き機構700が設けられている。この真空引き機構700は、ポンプ710と、ポンプ710に接続される管720と、管720とシールカバー300との間に設けられるボールバルブ730とを備えている。ボールバルブ730にはハンドル740が設けられており、このハンドル740の操作によって弁を開閉できるように構成されている。以上の構成によって、ポンプ710を駆動させた状態で、ハンドル740によってボールバルブ730の弁を開くことで、密閉空間R内を真空引きすることができ、密閉空間R内を真空状態にすることができる。なお、本実施例においては、密閉空間R内を、常時又は間欠的に真空引きするように構成されている。
【0019】
<第1シール構造部>
特に、図2及び図3を参照して、本実施例に係る第1シール構造部100について、より詳細に説明する。
【0020】
第1シール構造部100は、非接触シール構造をなしている。より具体的には、第1シール構造部100は、ハウジング620に対して固定される第1固定環110と、回転軸630に対して固定される第1回転環120とを備えている。第1固定環110は、ハウジング620に直接固定されている。この第1固定環110とハウジング620との間、及び第1固定環110とシールカバー300との間は、それぞれOリングOによってシールされている。また、第1回転環120は、回転軸630に固定されているスリーブ650に固定されており、回転軸630に間接的に固定されている。
【0021】
そして、第1固定環110における大気側Aの端面と第1回転環120における密封領域側Vの端面との間に微小隙間Gが設けられるように、第1固定環110と第1回転環120は位置決めされている。ここで、この位置決め方法について、特に図3を参照して説明する。
【0022】
回転軸630に固定されたスリーブ650に対して、第1回転環120を位置決めするための位置決めスリーブ140を、セットスクリュ141によって仮固定する。この位置決めスリーブ140には、回転により軸方向に移動可能なスリーブカラー150が取り付けられている。なお、位置決めスリーブ140とスリーブカラー150とは、ねじ機構によって結合されている。これにより、スリーブカラー150の外周に設けられている穴151に工具を差し込みながらスリーブカラー150を回転させることによって、スリーブカラー150は位置決めスリーブ140に対して軸方向に移動する。
【0023】
位置決めスリーブ140を仮固定させた状態で、スリーブカラー150を正方向に回転させて、図3中左方向に移動させ、第1固定環110と第1回転環120との間にシックネスゲージG1を挟み込ませる。このシックネスゲージG1は、所望の厚みに設定された薄肉板状の部材である。このように、第1固定環110と第1回転環120との間にシックネスゲージG1を挟み込ませることによって、これらの間の間隔が所望の寸法になった状態で、第1回転環120が位置決めされる(図3(a)参照)。
【0024】
第1回転環120が位置決めされた後に、ホースバンド130によって、第1回転環120を締め付けてスリーブ650に固定させる。なお、ホースバンド130に設けられているクランプ131を回転させることによって、ホースバンド130により、第1回転環120を締め付けることができる。第1回転環120を固定させた後に、シックネスゲージG1を取り外すことで、第1固定環110と第1回転環120との間に所望の寸法の微小隙間Gが形成される。その後、スリーブカラー150を逆方向に回転させて、図3中右方向に移動させ、スリーブカラー150を位置決めスリーブ140に対してねじ締結によって固定させる(図3(b)参照)。
【0025】
その後、セットスクリュ141を緩ませて、スリーブカラー150が第1回転環120に突き当たる位置まで、位置決めスリーブ140を図中左方向に移動させて(図3(c)参照)、再度、セットスクリュ141によって位置決めスリーブ140をスリーブ650に固定させる。
【0026】
以上のようにして、第1回転環120がスリーブ650に位置決めされた状態で固定される。また、このとき、第1固定環110と第1回転環120との間には、所望の寸法に設定された微小隙間Gが形成される。
【0027】
<第2シール構造部>
特に、図4を参照して、本実施例に係る第2シール構造部200について、より詳細に説明する。
【0028】
第2シール構造部200は、接触シール構造をなしている。より具体的には、第2シール構造部200は、ハウジング620に対して固定される第2固定環210と、回転軸630に対して固定される第2回転環220とを備えている。なお、第2固定環210はシールカバー300等を介して間接的にハウシング620に固定される。また、第2回転環220はスリーブ650を介して間接的に回転軸630に固定される。
【0029】
第2固定環210は、シールカバー300の内周面にセットスクリュ320によって固定される環状のフランジ211と、フランジ211に対して軸方向に移動可能に構成された環状のリテーナ212と、リテーナ212に固定される環状のシールリング213とを備えている。なお、フランジ211の外周面とシールカバー300の内周面との間はOリングOによってシールされている。リテーナ212は、断面が略L字状の部分を備えた環状の部材であり、円板部分に設けられている貫通孔212aに、フランジ211に固定されているドライブピン211aが挿通されることで、ドライブピン211aに沿って軸方向に移動可能に構成されている。また、フランジ211の大気側の端面に装着穴211bが設けられ、この装着穴211bにはスプリング214が装着されている(図1参照)。このスプリング214によって、リテーナ212は図中右方向に押圧されている。なお、リテーナ212における円筒部分の外周面とフランジ211の内周面との間はOリングOによってシールされている。
【0030】
第2回転環220は、スリーブ650に固定される環状のカラー221と、カラー221に係合した状態で固定される環状のメイティングリング222とを備えている。メイテ
ィングリング222は断面が略L字形状となっており、円板部分の大気側Aの端面と円筒部分の内周面が、それぞれカラー221における密封領域側Vの端面と外周面に密着するように構成されている。また、メイティングリング222における円板部分には切り欠き222aが設けられており、この切り欠き222a内にカラー221に固定されたドライブピン221aが挿入される。なお、ドライブピン221aの先端には、メイティングリング222の破損を防止するキャップ221bが装着されている。また、カラー221の内周面とスリーブ650の外周面との間、及びカラー221の外周面とメイティングリング222の円筒部分の内周面との間は、それぞれOリングOによってシールされている。
【0031】
以上のような構成により、回転軸630の回転と共にカラー221が回転し、その回転トルクがドライブピン221aを介してメイティングリング222に伝達され、メイティングリング222も回転する。このとき、第2固定環210に設けられているシールリング213と、第2回転環220に設けられているメイティングリング222とが摺動する。上記の通り、スプリング214によって、リテーナ212が図中右方向に押圧されることで、リテーナ212に固定されているシールリング213はメイティングリング222に対して押圧され、摺動状態が安定的に維持される。このシールリング213とメイティングリング222との摺動部分によって、約0.1MPa(約1気圧)の差圧に耐え得るシール機能が発揮される。なお、乾燥状態においても摺動性能を維持させるために、これらシールリング213とメイティングリング222の摺動面には、それぞれ自己潤滑性に優れた公知のコーティングが施されている。
【0032】
また、本実施例においては、第2固定環210における密封領域側Vの端部に、密封装置230が設けられている。この密封装置230は、フランジ211に対して、ボルト234によって固定されるケース231及びプレート232と、これらケース231及びプレート232によって固定される密封装置本体233とを備えている。密封装置本体233はスリーブ650の外周表面に対して摺動した状態でシール性を発揮する公知のシールを採用できる。このように、第2固定環210における密封領域側Vの端部に密封装置230を設けることによって、シールリング213とメイティングリング222との摺動部分が存在する空間領域と、密閉空間Rとを隔てさせることが可能となる。これにより、密閉空間R内に紛体が漏れ出したとしても、上記摺動部分に紛体が入り込んでしまうことを抑制できる。
【0033】
また、上記の通り、第2回転環220に設けられているメイティングリング222は、第2固定環210に設けられているシールリング213に押圧された状態となる。そのため、第2回転環220をスリーブ650に固定する際には治具240が用いられる。すなわち、第2回転環220を取り付ける際には、治具本体241をフランジ211及びカラー221に対して、それぞれセットスクリュ242,243によって固定させた状態とする。つまり、第2回転環220を第2固定環210に仮固定させた状態とする。この状態で、第2回転環220におけるカラー221をセットスクリュ223によって、スリーブ650に固定する(図1参照)。その後、セットスクリュ242,243を緩めて、治具240を取り外す。なお、上記の治具本体241は、組み立てや分解の作業性を考慮して、二つ割構造となっている。
【0034】
<本実施例に係る軸封装置の優れた点>
本実施例に係る軸封装置Sによれば、密封領域側Vに設けられる第1シール構造部100は非接触シール構造のため、第1固定環110と第1回転環120による摺動摩耗による摩耗粉が生じることはない。従って、摩耗粉が異物となって密封領域内に侵入してしまうことはない。
【0035】
また、第1シール構造部100と第2シール構造部200との間の密閉空間Rは、真空
引き機構700によって真空状態となるように真空引きされるため、密閉空間R内の異物は密閉空間Rの外部へと排出される。従って、より一層、密封領域への異物の侵入を抑制できる。
【0036】
また、密閉空間R内が真空状態となることにより、真空状態である密封領域との差圧をなくすことができる。従って、密封領域から密閉空間Rへの紛体の漏れや、密閉空間Rから密封領域への異物の侵入を抑制することができる。
【0037】
また、密封領域内の紛体が、第1固定環110における大気側端面と第1回転環120における密封領域側の端面との間の微小隙間Gに進入した場合であっても、紛体自体がシールとして機能し、より一層シール性を高めることができる。なお、微小隙間Gの寸法を密封領域内の紛体の粒子径よりも小さく設定すれば、紛体が微小隙間Gから密閉空間Rに漏れ出してしまうことを理論上防止できる。また、微小隙間Gの寸法を密封領域内の紛体の粒子径と同程度に設定することで、微小隙間Gに進入した紛体によって、上記の通り、当該紛体自体をシールとして機能させることが可能となる。なお、微小隙間Gはシール機能を発揮させる部位であるので、微小隙間Gの寸法を密封領域内の紛体が容易に通過できる程度に設定することが不可であることは言うまでもない。
【0038】
また、本実施例においては、作動部品は密閉空間R内には設けられていない。すなわち、スプリング214やドライブピン211a,221aは密閉空間Rの外部に設けられている。また、第1シール構造部100において、第1回転環120はホースバンド130によって固定する構成を採用している。従って、密閉空間R内に紛体が漏れ出しても、紛体によって、各部品の動作に悪影響を及ぼすことはない。
【0039】
また、第1シール構造部100と第2シール構造部200は、いずれもいわゆる端面シールであるので、回転軸630が撓んでしまうことによって偏心してもシール性能は維持される。
【符号の説明】
【0040】
100 第1シール構造部
110 第1固定環
120 第1回転環
130 ホースバンド
131 クランプ
140 位置決めスリーブ
141 セットスクリュ
150 スリーブカラー
151 穴
200 第2シール構造部
210 第2固定環
211 フランジ
211a ドライブピン
211b 装着穴
212 リテーナ
212a 貫通孔
213 シールリング
214 スプリング
220 第2回転環
221 カラー
221a ドライブピン
221b キャップ
222 メイティングリング
223 セットスクリュ
230 密封装置
231 ケース
232 プレート
233 密封装置本体
234 ボルト
240 治具
241 治具本体
242,243 セットスクリュ
300 シールカバー
310,320 セットスクリュ
600 真空乾燥機
610 筐体
611 開口部
620 ハウジング
621 軸孔
630 回転軸
640 スクリュ
641 スクリュ羽根
650 スリーブ
651 セットスクリュ
700 真空引き機構
710 ポンプ
720 管
730 ボールバルブ
740 ハンドル
G 微小隙間
G1 シックネスゲージ
O Oリング
R 密閉空間
S 軸封装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸とハウジングの軸孔との間の環状隙間を封止して、真空状態にある密封領域内の紛体の漏れを抑制する軸封装置において、
密封領域側に設けられる第1シール構造部と、
第1シール構造部に対して密封領域とは反対側の大気側に設けられる第2シール構造部と、
を備える軸封装置であって、
第1シール構造部は、前記ハウジングに対して固定される第1固定環と、前記回転軸に対して固定される第1回転環とを備え、第1固定環における大気側の端面と第1回転環における密封領域側の端面との間に微小隙間を有する非接触シール構造であり、
第2シール構造部は、前記ハウジングに対して固定される第2固定環と、前記回転軸に対して固定される第2回転環とを備え、第2固定環と第2回転環とは軸方向の端面同士が摺動する接触シール構造であり、
第1固定環と第2固定環の外周側には、第1シール構造部と第2シール構造部との間に密閉空間を形成するシールカバーが固定されると共に、
前記密閉空間内を真空状態にすることが可能な真空引き機構を備えていることを特徴とする軸封装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−251641(P2012−251641A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126544(P2011−126544)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000101879)イーグル工業株式会社 (119)
【出願人】(503227553)イーグルブルグマンジャパン株式会社 (4)
【出願人】(000002901)株式会社ダイセル (1,236)
【Fターム(参考)】