説明

軸部挿入式の部品供給装置

【課題】円滑な動作がえられる簡単な構造を確保するとともに、軸部を完全に挿入孔の最奥部まで挿入することのできる軸部挿入式の部品供給装置の提供。
【解決手段】進退駆動手段15によって供給ヘッド19を進出させて部品1の軸部2を挿入孔34へ供給する形式のものにおいて、進退駆動手段15の出力軸16に結合されている基部材17と、この基部材17に結合され出力軸16の進退方向と同方向に延びているとともに供給ヘッド19が結合されている支持部材18と、供給ヘッド19に設けられ部品1を供給ヘッド19の先端部に保持する保持手段を含んで構成され、保持手段は部品吸引力を発揮させたり消滅させたりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、軸部を有する部品を目的箇所である挿入孔に差し込む形式の軸部挿入式の部品供給装置に関している。
【背景技術】
【0002】
特許第3047170号公報には、軸部付き部品を供給ロッドの先端部に保持して、目的箇所である挿入孔に差し込むことが記載されている。そして、供給ロッドは内外2重構造となっていて、内ロッドの先端に部品保持用の磁石が取り付けられ、中空の外ロッド内を進退するように構成されている。部品が挿入孔に到達すると、内ロッドが引き込まれて磁石が部品から遠ざかるので磁石吸引力が消滅して、部品が挿入孔に入り込むようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3047170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている技術は、供給ロッドが内外2重構造となっているので、供給ロッドの動作に関連する部材を配置する場合、長さ方向に配置することは装置が長尺化してスペース的に得策ではない。また、直径方向に構造物が突出するのも避けるべきである。さらに、長尺な内外の部材が摺動するので、両部材を高精度のもとで真っ直ぐに製作する必要がある。このような構造において真直度を高く維持することは非常に困難であり、製作工数が高くなって原価的に不利である。あるいは、わずかな曲げ外力で供給ロッドの真直度が狂ったりすることがあり、精度維持の面でも好ましくない。
【0005】
とくに、特許文献1においては、挿入孔に差し込まれた軸状部品が挿入孔から抜け出た状態になる虞がある。挿入孔への差込みは、軸状部品を完全に挿入孔の奥まで差し込んで戻らないようにすることが重要である。たとえば、軸状のリベットを挿入孔に差し込んで、次のかしめ工程に送るような場合、リベットが挿入孔に完全に入り切っていないと、かしめ工程での塑性変形が異常なものとなる虞がある。したがって、部品挿入は挿入孔の最奥部まで行う必要がある。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、円滑な動作がえられる簡単な構造を確保するとともに、軸部を完全に挿入孔の最奥部まで挿入することのできる軸部挿入式の部品供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
前記保持手段は供給ヘッド内を進退する磁石であり、この磁石は前記基部材または前記支持部材に取り付けられた磁石駆動手段によって部品を吸引状態にしたりまたは非吸引状態にしたりするように進退駆動されることを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置である。
【発明の効果】
【0008】
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成されている。
【0009】
したがって、前記進退駆動手段の進退方向で見て、細長い前記支持部材の一端側に前記基部材が配置され、他端側に前記供給ヘッドが配置され、基部材と供給ヘッドの間に空間部分が形成される。このようにして形成された空間にエアシリンダや電磁ソレノイドのような駆動手段を配置して、供給ヘッドにおける部品保持や部品保持解除の動作を行いやすくすることができる。エアシリンダや電磁ソレノイドのような独立したユニットが前記空間に配置できるので、前述の特許文献1に記載されているような長尺な2重構造の供給ロッドによる問題点を回避しながら、構造的なまとまりや動作性も良好な装置がえられる。
【0010】
さらに、進退駆動手段の出力軸の進退方向と同方向に支持部材が延びているので、装置を平面的に見て、支持部材の片側に進退駆動手段を配置し、他側に供給ヘッドを配置することができる。したがって、支持部材の片側を進退駆動手段の進退空間とし、他側を供給ヘッドの進退空間とすることができ、供給ヘッドに接近してきている部品供給管などの静止部材と干渉することなく、進退駆動手段を進退させることができ、動作的な面でのまとまりも良好である。
【0011】
前記保持手段は供給ヘッド内を進退する磁石であり、この磁石は前記基部材または前記支持部材に取り付けられた磁石駆動手段によって部品を吸引状態にしたりまたは非吸引状態にしたりするように進退駆動される。したがって、吸引状態で供給ヘッドと部品との一体性を維持したまま部品の軸部が挿入孔の最奥部まで押し込まれるので、押し込みが確実に達成される。そして、磁石を後退させて非吸引状態になってから供給ヘッドを後退させることにより、部品軸部が完全に挿入孔に入り切った状態を確保したまま供給ヘッドを復帰させることができて、部品の挿入が確実なものとなる。
【0012】
さらに、上記磁石駆動手段をエアシリンダや電磁ソレノイドで構成しても、それの配置に要するスペースは前述の空間形成によって簡単に確保することが可能となる。
【0013】
請求項2記載の発明は、静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
前記保持手段は前記供給ヘッド内に固定された磁石であり、供給ヘッドに部品が密着する部品保持面が形成され、供給ヘッドに前記部品保持面に開口する空気通路が設けられ、この空気通路からの空気噴射によって部品を前記挿入孔内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッドが後退して前記磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成したことを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置である。
【0014】
「前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成されている」点に関する作用効果は、前述の請求項1における作用効果と同じである。
【0015】
前記保持手段は前記供給ヘッド内に固定された磁石であり、供給ヘッドに部品が密着する部品保持面が形成され、供給ヘッドに前記部品保持面に開口する空気通路が設けられ、この空気通路からの空気噴射によって部品を前記挿入孔内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッドが後退して前記磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成されている。
【0016】
したがって、固定状態の磁石によって供給ヘッドに吸引保持がなされた部品は、供給ヘッドの進出で軸部が確実に挿入孔に入り切り、供給ヘッドが戻るときには空気噴射で部品は挿入孔へ押し込み状態すなわち押圧状態になっている。このため、部品は挿入孔に完全に入りきった状態となる。そして、供給ヘッドが戻るときには、空気噴射が磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されるので、戻り動作の際にいわゆる連れ戻りのような現象が確実に防止できて、良好な挿入状態がえられる。また、空気噴射であるから、摩耗などにともなう問題も発生しない。
【0017】
請求項3記載の発明は、静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
前記保持手段は前記供給ヘッド内に固定された磁石であり、供給ヘッドに部品が密着する部品保持面が形成され、供給ヘッドを貫通した状態で進退し前記部品保持面から突出する部品押圧ロッドが設けられ、この部品押圧ロッドを進退させるロッド駆動手段が前記基部材または前記支持部材に取り付けられ、前記ロッド駆動手段の進出動作によって部品を前記挿入孔内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッドが後退して前記磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成したことを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置である。
【0018】
「前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成されている」点に関する作用効果は、前述の請求項1における作用効果と同じである。
【0019】
前記保持手段は前記供給ヘッド内に固定された磁石であり、供給ヘッドに部品が密着する部品保持面が形成され、供給ヘッドを貫通した状態で進退し前記部品保持面から突出する部品押圧ロッドが設けられ、この部品押圧ロッドを進退させるロッド駆動手段が前記基部材または前記支持部材に取り付けられ、前記ロッド駆動手段の進出動作によって部品を前記挿入孔内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッドが後退して前記磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成されている。
【0020】
したがって、固定状態の磁石によって供給ヘッドに吸引保持がなされた部品は、供給ヘッドの進出で軸部が確実に挿入孔に入り切り、供給ヘッドが戻るときには前記部品押圧ロッドが前記ロッド駆動手段によって供給ヘッドの戻り動作とは逆方向に進出して、部品を前記挿入孔内へ押圧状態とする。これにより、部品は確実に挿入孔に入りきった状態となる。そして、供給ヘッドが戻るときには部品押圧ロッドによる押圧操作が磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されているので、戻り動作の際にいわゆる連れ戻りのような現象が確実に防止できて、部品は挿入孔から抜け出ることがない。
【0021】
請求項4記載の発明は、静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
部品の軸部が挿入孔に挿入された後、前記保持ヘッドを部品の軸部の軸線からずれる方向へ移動させる偏倚駆動手段が設けられていることを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置である。
【0022】
「前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成されている」点に関する作用効果は、前述の請求項1における作用効果と同じである。
【0023】
部品の軸部が挿入孔に挿入された後、前記保持ヘッドを部品の軸部の軸線からずれる方向へ移動させる偏倚駆動手段が設けられている。
【0024】
したがって、供給ヘッドが部品の軸部の軸線からずれた方向へ偏倚させられるので、供給ヘッドに設けられている部品の保持手段の保持力が、挿入孔内の部品に対して作用しなくなる。このため、挿入孔に入りきった部品が引き出されるような現象が完全に回避できて、部品の完全な入りきりが維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】装置の側面図と供給ヘッド要部の断面図である。
【図2】装置の要部を示す立体図である。
【図3】装置の要部を平面的に示す投影図である。
【図4】供給ヘッドの変形例を示す断面図である。
【図5】他の実施例を示す側面図と供給ヘッド要部の断面図である。
【図6】さらに他の実施例の供給ヘッド要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
つぎに、本発明の軸部挿入式の部品供給装置を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0027】
図1〜図4は、本発明の実施例1を示す。
【0028】
まず、本実施例で扱われる部品について説明する。
【0029】
本願発明において扱われる部品1は、図1(A)に示すように、断面円形の真っ直ぐな軸部2と、それと一体に形成されている円形のフランジ部3によって構成されており、ここではかしめ加工がなされる鉄製のリベットである。
【0030】
つぎに、装置の全体構造を説明する。
【0031】
装置全体は符号100で示されている。機枠などの静止部材4に真っ直ぐな供給管5が固定され、パーツフィーダ6からリベット1が空気搬送などで供給管5の端部へ移送されてくる。供給管5の端部にはストッパ部材7が形成され、そこに供給管5の横方向に開口した出口開口8が形成されている。
【0032】
上下方向に配置された長尺なフレーム9は、静止部材4に固定されている。このフレーム9の下端部にエアシリンダ10が固定され、そのピストンロッド11は水平方向に進退するようになっている。このピストンロッド11の先端部に封鎖部材12が固定され、それが前進しているときに出口開口8が閉じられ、停止空間13が形成される。この停止空間13にリベット1が移送されてくると、リベット1はストッパ部材7で受け止められるとともに、封鎖部材12によって停止空間13に一時係止される。
【0033】
前記フレーム9の上端に進退駆動手段であるエアシリンダ15が固定され、そのピストンロッド16が上下方向すなわち鉛直方向に進退するようになっている。このピストンロッド16は進退駆動手段の出力軸であり、このピストンロッド16の下端部に基部材17が溶接やねじ止めなどで結合してある。この基部材17は、長方形の厚板で構成されている。基部材17に、出力軸16の進退方向と同方向に延びる細長い棒状の支持部材18が、溶接やねじ止めなどで固定してある。
【0034】
前記支持部材18に、供給ヘッド19が溶接またはねじ止めなどで固定されている。前記供給ヘッド19は厚板で構成された直方体型のブロック材で作られている。その下面にリベット1のフランジ部3を受け止める凹部20が形成してある。この凹部20には、フランジ部3を凹部20内に進入させるために、片側が開いた開放部14が形成されている。
【0035】
前記停止空間13に一時係止されているリベット1を凹部20の方へ移行させるために、フレーム9の突片21に永久磁石22が固定されている。前記封鎖部材12が後退すると、リベット1は永久磁石22によって吸引され、斜め上方へ移行し、凹部20に受入れられる。したがって、図1から明らかなように、凹部20は一時係止されているリベット1の斜め上方に配置され、この凹部20の隣りに永久磁石22が配置してある。
【0036】
前記凹部20には、フランジ部3の平坦な上面が密着する部品保持面23が形成されている。この部品保持面23にフランジ部3の上面を吸着させるために、保持手段である磁石24が配置してある。この磁石24は供給ヘッド19内をピストンロッド16と同方向に進退する。
【0037】
つぎに、保持手段について説明する。
【0038】
図1(A)のB矢視方向から見た図が、同図の(B)図および(C)図である。
【0039】
この保持手段は、凹部20に移行してきたリベット1を供給ヘッド19の先端部に保持する機能を果たすものである。したがって、磁石の吸引力を利用するもの、空気吸引力を利用するものなど種々なタイプのものが採用できる。実施例1では、前者の磁石形式であり、供給ヘッド19内をピストンロッド16と同方向に進退するようになっている。
【0040】
図1(B)や(C)に示すように、細長い棒状の永久磁石24が真っ直ぐなパイプ材25の中に封入されている。このパイプ材25は2本平行に配置され、ピストンロッド16の進退方向と同方向に進退できるようになっている。図1(D)に示すように平面的に見ると、フランジ部3とパイプ材25の位置関係は、パイプ材25の間にフランジ部3が位置し、フランジ部3に対する吸引力に偏りが発生しないようになっている。
【0041】
図1(B)や(C)、図2および図3に示すように、供給ヘッド19は支持部材18の左側に片寄せて配置してある。前記パイプ材25は供給ヘッド19の上面からわずかに突出しており、そこに連結部材26が固定してある。この連結部材26は平たい板部材で構成されており、後述のようにL字型に屈曲している。
【0042】
前記連結部材26は、図1(B)や(C)、図2および図3に示すように、支持部材18の右側に延びており、この伸ばされた箇所が結合部27とされている。前記磁石24を進退させるために、磁石駆動手段29が基部材17に固定してある。この磁石駆動手段29は進退出力をするものであり、エアシリンダや進退出力式の電動モータ、あるいは電磁ソレノイドなどで構成される。ここでは、エアシリンダ29であり、そのピストンロッド30は前記ピストンロッド16と同方向に進退する。このピストンロッド30の先端に前記結合部27が固定されている。なお、この磁石駆動手段29を支持部材18に固定してもよい。
【0043】
前記エアシリンダ29の動作で磁石24が押し下げられていることによって、図1(B)に示すように、磁石24がリベット1に最も接近した状態になっており、この状態が吸引状態である。この吸引状態では、磁石24の吸引力でフランジ部3の上面が凹部20の部品保持面23に密着している。
【0044】
また、前記エアシリンダ29の動作で磁石24が引き上げられることによって、図1(C)に示すように、磁石24がリベット1から離隔した状態になっており、この状態が非吸引状態である。この非吸引状態では、リベット1に対する磁石24の吸引力が消滅しており、その結果、リベット1は自重で後述の挿入孔内へ下降する。
【0045】
つぎに、リベットが挿入される挿入孔について説明する。
【0046】
リベット1をかしめることによって、支持治具31上に固定された2枚の板材32、33が一体化される。板材32、33にリベット1の軸部2が貫通する挿入孔34があけてあり、軸部2が挿入されると板材32、33は次のかしめ工程へ移送されて、リベット1の塑性変形がなされて両板材32、33が一体化される。
【0047】
なお、軸部2の直径は5.5mm、挿入孔34の内径は5.7mmである。このような挿入間隙であるから、供給ヘッド19とリベット1の相対位置や、エアシリンダ15の動作精度を著しく高める必要がある。
【0048】
図1(B)の段階はピストンロッド16の進出で軸部2が挿入孔34に挿入されているが、フランジ部3は部品保持面23に密着したままで、板材32との間に隙間が存在している。そして、この段階はピストンロッド16が最も進出した状態であるが、供給ヘッド19の下面や支持部材18の下端部は板材32に接触しないようにしてあり、こうすることによって板材32の表面に傷がつかないようにしている。
【0049】
図1(C)の段階は、供給ヘッド19が同図(B)の位置に停止した状態で磁石24がエアシリンダ29の動作で引き上げられ、リベット1に対する吸引力が消滅している。したがって、リベット1はその自重で挿入孔34の奥まで入りきり、フランジ部3が板材32の表面に密着した状態となる。
【0050】
つぎに、各部の位置関係を説明する。
【0051】
図2は各部の位置関係を示す立体図、図3は各部の位置関係を平面的に投影させて図示した図である。図3に見られるように、支持部材18は同図の紙面に対して垂直方向に延びており、供給ヘッド19の端部に沿って配置されている。支持部材18の上端に水平方向に延びている屈曲部35が形成され、この屈曲部35は供給ヘッド19から遠ざかる側に延びている。
【0052】
また、前記連結部材26も供給ヘッド10から遠ざかる側に延びていて、この延びた箇所が前記結合部27になっている。連結部材26は結合部27付近がL型に屈曲していて、エアシリンダ29のピストンロッド30と結合部27との結合箇所が屈曲部35から遠ざかった状態になっている。したがって、ピストンロッド16は、投影的に見てピストンロッド30と結合部27との前記結合箇所と屈曲部35の間に位置している。
【0053】
図3の右側にピストンロッド16、基部材17、エアシリンダ29などが偏って配置され、支持部材18を間にしてその反対側に供給管5の端部に形成された係止空間13や永久磁石22が配置され、また、係止空間13と永久磁石22の間に供給ヘッド19が挿入されたような状態で配置してある。
【0054】
このような配置関係とされているために、封鎖部材12が後退した状態でエアシリンダ15が進退すると、基部材17、支持部材18、供給ヘッド19などは、静止している供給管5、後退している封鎖部材12、永久磁石22などと干渉することなく動作できるという効果がある。これは、支持部材18の屈曲部35や連結部材26の結合部27などを形成することによって実現している。このような部材の配置によって、基部材17の下側に空間部分Sが形成される。なお、屈曲部35の形成を止めて、支持部材18の上部を図3の右側へ拡大した広幅形状にしてもよい。
【0055】
磁石24や永久磁石22などの吸引磁力をより強くリベット1に作用させるために、供給管5、封鎖部材12、供給ヘッド19、パイプ材25、フレーム9などはステンレス鋼や合成樹脂などの非磁性材料を用いて製作することが望ましい。
【0056】
なお、上記実施例1における各種のエアシリンダに換えて、進退出力をする電動モータや電磁ソレノイドを採用することもできる。また、上記各種の永久磁石を電磁石に置き換えることも可能である。
【0057】
後述の動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行わせることが可能である。制御装置またはシーケンス回路からの信号で動作する空気切換弁や、エアシリンダの所定位置で信号を発して前記制御装置に送信するセンサー等を組み合わせることによって、所定の動作を確保することができる。
【0058】
つぎに、上記実施例1の動作を説明する。
【0059】
図1は、封鎖部材12が出口開口8を閉じていて、パーツフィーダ6から空気搬送などで移送されてきたリベットが停止空間13で待機している状態である。同時に、エアシリンダ15は最も後退した位置にあって、供給ヘッド19の凹部20がフランジ部3の斜め上で待機している。そして、エアシリンダ29のピストンロッド30は最も進出した位置に待機している。
【0060】
ここでエアシリンダ10の動作で封鎖部材12が後退して出口開口8が開口すると、リベット1は永久磁石22の吸引力によってそのフランジ部3が凹部20内へ引き込まれ、磁石24の吸引力でフランジ部3の上面が部品保持面23に密着する。これが吸引状態である。
【0061】
この状態でエアシリンダ15が進出動作をすると、図1(B)に示すように、軸部2が挿入孔34内に差し込まれる。ついでエアシリンダ29の後退動作で磁石24が後退すると、図1(C)に示すように、リベット1はその自重で挿入孔34内に入りきり、フランジ部3が板材32の表面に密着する。このように図1(B)の段階で確実に軸部2が挿入孔34内に差し込まれ、その後、自重で完全に入りきり、リベット1が確実に挿入孔34内に挿入されるのである。上記のように、磁石24が引き上げられてリベット1から離隔しリベット1に対する吸引磁力が消滅した状態が、非吸引状態である。
【0062】
このようにリベット1が挿入孔34内に入りきった後は、上述の動作とは逆の動作が行われて、図1(A)の初期状態に復帰する。
【0063】
上記実施例1においては、保持手段が進退式の磁石24であるが、これに換えて図4に示すような空気吸引式とした変形例も実施可能である。これは、供給ヘッド19に空気通路37を設けて前記部品保持面23に開口させたものであり、空気ホース38が給排ポンプ(図示していない)に接続されている。リベット1を保持して挿入孔34の方へ進出するときには、空気吸引でリベット1を吸引して保持を行い、軸部2が挿入孔34内に完全に入りきったら、今度が逆に空気を噴射しながら供給ヘッド19を後退させるのである。
【0064】
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
【0065】
前記エアシリンダ15のピストンロッド16に結合されている基部材17と、この基部材17に結合され前記ピストンロッド16の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッド19が結合されている支持部材18と、前記供給ヘッド19に設けられリベット1を供給ヘッド19の先端部に保持する保持手段すなわち磁石24を含んで構成されている。
【0066】
したがって、前記ピストンロッド16の進退方向で見て、細長い前記支持部材18の一端側に前記基部材17が配置され、他端側に前記供給へッド19が配置され、基部材17と供給ヘッド19の間に空間部分Sが形成される。このようにして形成された空間Sにエアシリンダ29や電磁ソレノイドのような駆動手段を配置して、供給ヘッド19における部品保持や部品保持解除の動作を行いやすくすることができる。エアシリンダ29や電磁ソレノイドのような独立したユニットが前記空間Sに配置できるので、前述の特許文献1に記載されているような長尺な2重構造の供給ロッドによる問題点を回避しながら、構造的なまとまりや動作性も良好な装置がえられる。
【0067】
さらに、進退駆動手段15の出力軸16の進退方向と同方向に支持部材18が延びているので、装置を平面的に見て、支持部材18の片側に進退駆動手段15を配置し、他側に供給ヘッド19を配置することができる。したがって、支持部材18の片側を進退駆動手段15の進退空間とし、他側を供給ヘッド19の進退空間とすることができ、供給ヘッド19に接近してきている部品供給管5などの静止部材と干渉することなく、エアシリンダ15のピストンロッド16を進退させることができ、動作的な面でのまとまりも良好である。
【0068】
前記保持手段は供給ヘッド19内を進退する磁石24であり、この磁石24は前記基部材17または前記支持部材18に取り付けられた磁石駆動手段であるエアシリンダ29によってリベット1を吸引状態にしたりまたは非吸引状態にしたりするように進退駆動される。したがって、吸引状態で供給ヘッド19とリベット1との一体性を維持したままリベット1の軸部2が挿入孔34の最奥部まで押し込まれるので、押し込みが確実に達成される。そして、磁石24を後退させて非吸引状態になってから供給ヘッド19を後退させることにより、軸部2が完全に挿入孔34に入り切った状態を確保したまま供給ヘッド19を復帰させることができて、リベット1の挿入が確実なものとなる。
【0069】
さらに、上記磁石駆動手段29をエアシリンダや電磁ソレノイドで構成しても、それの配置に要するスペースは前述の空間Sの形成によって簡単に確保することが可能となる。
【0070】
図1(A)から明らかなように、フレーム9の下端部近傍の形状を変形して、永久磁石22とエアシリンダ10が配置してあるので、この部分における構造的なまとまりが良好なものとなる。実際には、フレーム9は複数の部材を一体化して構成されるが、フレーム9の下端部近傍を所要の形状とすることにより、エアシリンダ15の支持とともに、永久磁石22とエアシリンダ10が配置がコンパクトになされるという効果がある。
【実施例2】
【0071】
図5は、本発明の実施例2を示す。
【0072】
この実施例2は、供給ヘッド19に設けられた保持手段が、実施例1の進退式の磁石24から固定式磁石に変更され、リベット1が挿入孔34に入りきった後、そこに残留させるために、空気噴射を行うものである。
【0073】
前記凹部20の近傍に永久磁石39が埋設してあり、その吸引磁力が凹部20に進入してきたリベット1に常時作用するようになっている。供給ヘッド19に空気通路40が設けられ、これが部品保持面23に開口している。そして、図1(A)に示したような封鎖部材12は装着されていない。そのため、リベット1がストッパ部材7に突き当たると、それに連続して凹部20へ吸引される。
【0074】
また、進退駆動手段15の進退方向は水平方向になっている。したがって、板材32、33は鉛直方向に起立した状態で支持され、挿入孔34の軸線も水平方向になっている。板材32、33の支持治具は起立した板材32、33を固定できる構造、例えばクランプ機構を備えた通常の支持治具(図示していない)を用いる。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0075】
図5(B)に示すように、軸部2が挿入孔34に挿入された状態は、前述の図1(B)に示した状態と同じである。ここで空気が噴射されると、その圧力がフランジ部3に作用しているので、供給ヘッド19が同図(C)に示すような後退動作に移行しても、空気噴射圧がフランジ部3に作用するので、フランジ部3は図1(C)と同様に、板材32の表面に密着して完全な入りきりが確保・維持される。このような状態が挿入孔34への押圧状態である。前記押圧状態は供給ヘッド19が後退して前記磁石39のリベット1に対する吸引力が消滅するまで継続される。
【0076】
なお、空気通路40に連続する空気供給管41が供給ヘッド19に溶接され、ジョイント42から空気ホース43を経て空気ポンプ(図示していない)に接続されている。
【0077】
以上に説明した実施例2の作用効果は、つぎのとおりである。
【0078】
前記保持手段は前記供給ヘッド19内に固定された磁石39であり、供給ヘッド19にリベット1が密着する部品保持面23が形成され、供給ヘッド19に前記部品保持面23に開口する空気通路40が設けられ、この空気通路40からの空気噴射によってリベット1を前記挿入孔34内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッド19が後退して前記磁石39のリベット1に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成されている。
【0079】
したがって、固定状態の磁石39によって供給ヘッド19に吸引保持がなされたリベット1は、供給ヘッド19の進出で軸部2が確実に挿入孔34に入り切り、供給ヘッド19が戻るときには空気噴射でリベットは挿入孔34へ押し込み状態すなわち押圧状態になっている。つまり、空気噴射による押圧力が磁石39の吸引力を上回っているのである。このため、リベット1は挿入孔34に完全に入りきった状態となる。そして、供給ヘッド19が戻るときには、空気噴射が磁石39のリベット1に対する吸引力が消滅するまで継続されるので、戻り動作の際にいわゆる連れ戻りのような現象が確実に防止できて、良好な挿入状態がえられる。また、空気噴射であるから、摩耗などにともなう問題も発生しない。
【0080】
さらに、空気噴射を利用するものであるから、リベット1が水平方向ややや上向きの挿入孔34に挿入する場合であっても、完全な入りきりを維持することが可能である。
【0081】
それ以外の作用効果は、先の実施例1と同じである。
【実施例3】
【0082】
図6は、本発明の実施例3を示す。
【0083】
この実施例3は、実施例2における空気噴射を部品押圧ロッドに置き換えたものである。すなわち、供給ヘッド19を貫通した状態で進退し前記部品保持面23から突出する真っ直ぐな部品押圧ロッド45が設けられ、この部品押圧ロッド45を進退させるロッド駆動手段であるエアシリンダ46が前記支持部材18に取り付けられ、前記エアシリンダ46の進出動作によってリベット1を前記挿入孔34内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッド19が後退して前記磁石39のリベット1に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成したものである。なお、エアシリンダ46を基部材17に取り付けてもよい。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例1、2と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0084】
図6(A)に示す状態は、前述の図1(B)や図5(B)に示す状態と同じであり、図6(B)に示す状態は、図1(C)や図5(C)に示す状態と同じである。図6(B)に示すように、供給ヘッド19が戻るときには、それとは逆方向に部品押圧ロッド45が進出してリベット1を挿入孔34内へ進入させる方向に押圧する。
【0085】
以上に説明した実施例3の作用効果は、つぎのとおりである。
【0086】
前記保持手段は前記供給ヘッド19内に固定された磁石39であり、供給ヘッド19にリベット1が密着する部品保持面23が形成され、供給ヘッド19を貫通した状態で進退し前記部品保持面23から突出する部品押圧ロッド45が設けられ、この部品押圧ロッド45を進退させるロッド駆動手段であるエアシリンダ46が前記支持部材18に取り付けられ、前記ロッド駆動手段46の進出動作によってリベット1を前記挿入孔34内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッド19が後退して前記磁石39のリベット1に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成されている。
【0087】
したがって、固定状態の磁石39によって供給ヘッド19に吸引保持がなされたリベット1は、供給ヘッド19の進出で軸部2が確実に挿入孔34に入り切り、供給ヘッド19が戻るときには前記部品押圧ロッド45が前記ロッド駆動手段46によって供給ヘッド19の戻り動作とは逆方向に進出して、リベット1を前記挿入孔34内へ押圧状態とする。これにより、リベット1は確実に挿入孔34に入りきった状態となる。そして、供給ヘッド19が戻るときには部品押圧ロッド45による押圧操作が磁石39のリベット1に対する吸引力が消滅するまで継続されているので、戻り動作の際にいわゆる連れ戻りのような現象が確実に防止できて、リベット1は挿入孔34から抜け出ることがない。
【0088】
それ以外の作用効果は、先の各実施例1、2と同じである。
【実施例4】
【0089】
図5の2点鎖線図示の部分が、本発明の実施例4である。
【0090】
この実施例4は、挿入孔34内へリベット1を挿入した供給ヘッド19が、リベット1の軸部2の軸線からずれる方向に移動するものである。図5自体は、先の実施例2を示すものであるが、この図を流用して実施例4を図示している。
【0091】
図5において、2点鎖線で偏倚駆動手段が図示されている。この偏倚駆動手段である偏倚エアシリンダ47が静止部材4に固定され、そのピストンロッド48が進退駆動手段15の進退方向と直交する向きに配置してある。ピストンロッド48はエアシリンダ15の横側面に結合してある。そして、フレーム9が静止部材4に固定されている構造は廃止してある。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例1、2および3と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0092】
供給ヘッド19が進出してリベット1が挿入孔34に進入すると、その状態からエアシリンダ47の進出動作で、供給ヘッド19がリベット1の軸線から直交する方向へずれ移動をする。このようなずれ移動によりリベット1に対する磁石39の吸引力が消滅するので、供給ヘッド19の戻り動作の際にいわゆる連れ戻りのような現象が確実に防止できて、リベット1は挿入孔34から抜け出ることがない。
【0093】
以上に説明した実施例4の作用効果は、つぎのとおりである。
【0094】
リベット1の軸部2が挿入孔34に挿入された後、前記保持ヘッド19をリベット1の軸部2の軸線からずれる方向へ移動させる偏倚駆動手段47が設けられている。したがって、供給ヘッド19がリベット1の軸部2の軸線からずれた方向へ偏倚させられるので、供給ヘッド19に設けられているリベット1の保持手段の保持力すなわち磁石39の吸引力が、挿入孔34内のリベット1に対して作用しなくなる。このため、挿入孔34に入りきったリベット1が引き出されるような現象が完全に回避できて、リベット1の完全な入りきりが維持できる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
上述のように、本発明の装置によれば、円滑な動作がえられる簡単な構造を確保するとともに、軸部を完全に挿入孔の最奥部まで挿入することのできる軸部挿入式の部品供給装置がえられる。したがって、自動車の車体組立工程や、家庭電化製品の板金組立工程などの広い産業分野で利用できる。
【符号の説明】
【0096】
1 部品、リベット
2 軸部
3 フランジ部
12 封鎖部材
13 停止空間
15 エアシリンダ、進退駆動手段
16 ピストンロッド、出力軸
17 基部材
18 支持部材
19 供給ヘッド
20 凹部
22 永久磁石
23 部品保持面
24 磁石
26 連結部材
27 結合部
29 エアシリンダ、磁石駆動手段
34 挿入孔
35 屈曲部
S 空間部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
前記保持手段は供給ヘッド内を進退する磁石であり、この磁石は前記基部材または前記支持部材に取り付けられた磁石駆動手段によって部品を吸引状態にしたりまたは非吸引状態にしたりするように進退駆動されることを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置。
【請求項2】
静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
前記保持手段は前記供給ヘッド内に固定された磁石であり、供給ヘッドに部品が密着する部品保持面が形成され、供給ヘッドに前記部品保持面に開口する空気通路が設けられ、この空気通路からの空気噴射によって部品を前記挿入孔内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッドが後退して前記磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成したことを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置。
【請求項3】
静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
前記保持手段は前記供給ヘッド内に固定された磁石であり、供給ヘッドに部品が密着する部品保持面が形成され、供給ヘッドを貫通した状態で進退し前記部品保持面から突出する部品押圧ロッドが設けられ、この部品押圧ロッドを進退させるロッド駆動手段が前記基部材または前記支持部材に取り付けられ、前記ロッド駆動手段の進出動作によって部品を前記挿入孔内へ押圧状態とし、この押圧状態は供給ヘッドが後退して前記磁石の部品に対する吸引力が消滅するまで継続されるように構成したことを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置。
【請求項4】
静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品の軸部を目的箇所である挿入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材と、この基部材に結合され前記出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに前記供給ヘッドが結合されている支持部材と、前記供給ヘッドに設けられ部品を供給ヘッドの先端部に保持する保持手段を含んで構成され、
部品の軸部が挿入孔に挿入された後、前記保持ヘッドを部品の軸部の軸線からずれる方向へ移動させる偏倚駆動手段が設けられていることを特徴とする軸部挿入式の部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−245611(P2011−245611A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134483(P2010−134483)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000196886)
【Fターム(参考)】