説明

軽量容器を備える梱包アセンブリ及びその製造方法

本発明に係る梱包アセンブリは、複数の個々の軽量一次容器3を集積し保持する二次梱包2を備える梱包アセンブリ1であって、二次梱包2が、前記軽量容器3を取り囲む2層の熱可塑収縮性フィルム8を備え、層が、二次梱包の外周において少なくとも部分的に互いに結合され、軽量一次容器のそれぞれが、容器本体4と、首部開口6をそれ自体が備える容器首部5とを備える。本発明によれば、軽量容器3が、二次梱包2内に、実質的に平面である単一の層を形成する複数の列で配置され、全ての容器3が、それら容器の長手方向軸Lが梱包アセンブリ1の平面に対して0〜45°である角度αを形成するように配向され、各容器3の首部5は、隣接する列に配置された容器3の本体4間に少なくとも部分的に挿入されるように、且つ、外縁の列11の容器3の首部5が前記層の内側の方向に向くように配向される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量容器を備える梱包アセンブリ、及び、その梱包アセンブリを製造する方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、卵形を有する複数の軽量一次容器を集積するための二次フィルム梱包に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、ある種の製品、例えば、果物ジュース、芳香水、冷やした乳製品、ミネラルウォータなどの人々が消費する液体、半液体は、熱可塑性材料でできた吹込み成型による軽量容器に入れられて販売されている。
【0004】
その種の軽量容器は、梱包材料の量を減らすことができ、それにより容器の費用が減り、環境により優しくなる。そのような容器は、一次容器として使用され、通常、非常に簡単な構造であり、それにより製造用具の複雑さが低減され、その結果、製造プロセスが改善されるとともに関連費用が削減される。
【0005】
それらの構造を最大限に簡素化するために、その種の一次容器は、卵形を用いて設計され、剥がすことのできる薄膜又はねじ蓋によって閉じられた注ぎ口を有する首部を備えている。
【0006】
現在、その種の容器は、ばらばらで、即ち大きいゆったりした袋(ルーズバッグ:loose bag)に入れられて、保管され、輸送され、流通されており、消費者は、その集約されている袋を開けてその袋からそれら容器を取り出すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、そのような二次梱包システムには、多くの側面で欠点があることが分かっている。
【0008】
第1に、その種のルーズバッグの取り扱い及び積み重ねが、ルーズバッグの全体形状が定まらないことにより、極めて難しい。
【0009】
第2に、そのようなルーズバッグでは、その中に収められている一次容器が一定の態様の姿勢にはならず、その結果、ラベルを正確に読むことができず、容器の全体的な外観が見た目に良くないので、販売という点において、消費者を視覚的に魅了しない。
【0010】
第3に、一次容器が、特に首部の領域で、厚い壁を有する昔ながらの容器に比較して、衝撃又は落下に対して耐性が幾分不足している。その種の容器は、ばらばらに保管されることから、輸送中に、首部が所定の場所において支持されることはない。輸送又は取扱い中に偶発的に落下又は衝撃が生じた場合、何らかの圧力が首部に加えられ、首部を損傷し、そのルーズバッグ内の一部の容器から漏洩が生じ得る。こうした技術上の不具合は当然非常に望ましくない。
【0011】
第4に、ルーズバッグに入れられる一次容器の数が多いので、ルーズバッグは、内側の一次容器による内圧に耐える厚いプラスチックフィルムによって形成される。そのような厚いプラスチックフィルムは、費用が掛かり、環境に優しくない。
【0012】
本発明の目的は、上で定義したような軽量容器を詰める従来の二次梱包の、上に列記した短所及び不利益を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、本発明は、複数の個々の軽量一次容器を集積し保持する二次梱包を備える梱包アセンブリであって、前記二次梱包が、前記軽量容器を取り囲む2層の熱可塑収縮性フィルムを備え、前記層が、前記二次梱包の外周において少なくとも部分的に互いに結合されており、軽量一次容器のそれぞれが、容器本体と、首部開口をそれ自体が備える容器首部とを備える、梱包アセンブリに関する。
【0014】
本発明によれば、梱包アセンブリは、前記軽量容器が、前記二次梱包内に、実質的に平面である単一の層を形成する複数の列で配置され、全ての容器が、それら容器の長手方向軸が梱包アセンブリの平面に対して0〜45°である角度を形成するように配向され、各容器の首部は、前に置かれた列に配置された容器の本体間に少なくとも部分的に挿入されるように、且つ、外縁の列の容器の首部が前記層の内側の方向に向くように配向されることを特徴とする。
【0015】
長手方向軸とは、全体形状が円筒である首部の中心を通り、本体の中心部全長を貫通し、首部の反対側に位置する容器の底部を下方へ貫通する回転軸を意味する。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、列中の各容器の首部が、隣接する列の容器の本体の底部間に挿入される。
【0017】
更に、好ましくは、各容器首部の長手方向軸と梱包アセンブリの平面の間の角度は、5〜25°、好ましくは5〜15°である。
【0018】
有利には、容器の容器本体はほぼ卵形である。
【0019】
本発明の1つの可能な実施形態では、軽量一次容器は、ミネラルウォータを入れたポリエチレンテレフタラート(PET)容器であり得る。
【0020】
本発明の別の態様は、上記の梱包アセンブリを製造する方法を対象とする。
【0021】
より詳細には、本発明は、上記で説明した梱包アセンブリを製造する製造方法において、
(i)枠の上側又は下側に、一層の収縮性フィルムを、フィルムの全長が枠の全長又は全幅の少なくとも2倍になるように配置するステップと、
(ii)複数の軽量一次容器を、枠の内側の前記フィルムの上に配置するステップであって、
前記軽量容器が、前記二次梱包内に、実質的に平面である単一の層を形成する複数の列で配置され、
全ての容器が、それら容器の長手方向軸が梱包アセンブリの平面に対して0〜45°である角度を形成するように配向され、
各容器の首部が、隣接する列に配置された容器の本体間に少なくとも部分的に挿入されるように配向され、
外縁の列の容器の首部が、前記層の内側の方向に向けられ、
複数の一次容器の表面領域が、枠の内側の表面領域に正確に対応するように配置するステップと、
(iii)枠の外側に配置されたフィルム部分を、枠の内側に保持されている前記複数の一次容器を覆うように折り重ねるステップと、
(iv)フィルムの輪郭部を封止して、複数の一次容器の周囲に閉じられたフィルムの袋を形成するステップと、
(v)前記閉じられたフィルム袋を加熱手段中に配置し、前記複数の一次容器の周囲に前記フィルムを緊密に収縮させるステップと
を順番に含むことを特徴とする製造方法を提供する。
【0022】
好ましくは、ステップ(i)で前記枠の上側に配置されたフィルムの前記表面は、全ての方向で前記枠の表面を超えて広がる。
【0023】
本発明の更に別の特徴及び利点は、図面を参照して以下に言及する現時点で好ましい実施形態の記述において説明され、それにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】軽量一次容器の概略斜視図である。
【図2】本発明により1つの層に配置された複数の軽量一次容器を示す拡大概略側面図である。
【図3】本発明により梱包アセンブリの製造中に枠内に配置された軽量一次容器の1つの層を示す概略斜視図である。
【図4】枠上に配置されたフィルム上に複数の一次容器を配置するところを示す概略側面図である。
【図5】フィルムが複数の一次容器の上に折り重ねられた、図4と同様な図である。
【図6】図4及び5に示された一次容器を取り囲むフィルムの輪郭部の一部分に適用された封止噛合せ部を示す概略上面図である。
【図7】本発明による梱包アセンブリの概略斜視図である。
【図8】本発明による梱包アセンブリの概略側面図である。
【図9】パレット構成で積み上げられた、本発明による複数の梱包アセンブリを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、複数の個々の軽量一次容器3を単一層内に囲い込み確実に保持する二次フィルム2包装を備える梱包アセンブリ1を提供する。
【0026】
図1は、そのような軽量一次容器3を示す。軽量一次容器3は、容器本体4と、容器首部5と、容器首部5の先端に開口する容器出口開口6とを備える。
【0027】
図1に示されるように、容器は、面上に安定した直立姿勢で容器を立たせることができ、言い換えればそのとき首部5の長手方向軸が垂直姿勢になり、容器開口6が上方に向くようになる、安定手段7を備え得る。本発明のこの実施形態では、安定手段は、容器本体4の底から下方に突出している容器本体4の3つの丸い拡張部7を備える。
【0028】
一次容器3は、ポリエチレンテレフタラート(PET)のプリフォームから製造され、そのプリフォームを鋳型に吹き込んで全体的に卵形に成形する。
【0029】
「軽量容器」は、体積/重量比が60〜120、好ましくは80〜120である容器を意味する。通常、この種の容器は、容器本体の領域での壁の厚さが、1リットル未満の容積に対して、100μm未満である。
【0030】
容器開口6は、内容物、例えばミネラルウォータで容器3を充たした後、剥がすことができる薄膜、ねじ蓋、クリップ式蓋などの任意の適切な閉蓋手段(図示せず)によって閉じられる。
【0031】
図7及び8に示されるように、本発明による梱包アセンブリ1は、上記で説明した複数の個々の軽量一次容器3を集積し保持する二次梱包2を備える。
【0032】
前記二次梱包2は、前記軽量容器3を取り囲む2層の熱可塑収縮性フィルム8を備え、前記層8は、前記二次梱包2の外周部分9で互いに連結されている。
【0033】
本発明の代替実施形態では、前記二次梱包の外周のみではなく一次容器間の幾つかの箇所で、二次梱包を形成する2層のフィルムを封止することができるように、一次容器間に幾つかのスペースが予め設定されている(図示せず)。
【0034】
本発明によれば、図2、3、7、及び8に示されるように、軽量容器3は、前記二次梱包内において、実質的に平面である単一の層を形成する複数の列で配置され、全ての容器3は、それらの長手方向軸Lが、梱包アセンブリ1全体に対して角度αを形成するように配向され、角度αは、0〜45°、好ましくは5〜25°、より好ましくは5〜15°である。
【0035】
更に、各容器3の首部5は、隣接する列に配置された容器3の本体4の底部10間に少なくとも部分的に挿入されるように、又、1つの梱包アセンブリ層の外縁の列11の容器3の首部5が前記層の内側の方向に向くように配向されている。
【0036】
本発明の別の態様では、上記で詳細に説明した梱包アセンブリを製造する方法が提供される。
【0037】
本発明によれば、この方法は以下のステップを順番に含む。即ち、
(i)枠12の上側に、一層の収縮性フィルムを、前記フィルムの全長が前記枠の全長又は全幅の少なくとも2倍になるように配置するステップと、
(ii)図2、3、及び4に示されるように、複数の軽量一次容器を、枠の内側の前記フィルムの上に配置するステップであって、
前記軽量容器3が、前記二次梱包内に、実質的に平面である単一の層を形成する複数の列で配置され、
全ての容器が、それら容器の長手方向軸が梱包アセンブリの平面に対して0〜45°である角度を形成するように配向され、
各容器の首部5が、隣接する列に配置された容器の本体間に少なくとも部分的に挿入されるように配向され、
外縁の列の容器の首部は、前記層の内側の方向に向けられ、
機能上の遊びを考慮しつつ、複数の一次容器の表面領域が枠の内側の表面領域に正確に対応するように配置するステップと、
(iii)図5に示すように、枠の外側に配置されたフィルム部分を、枠の内側に保持されている前記複数の一次容器を覆うように折り重ねるステップと、
(iv)図6に示すように、封止噛合せ部13などの封止手段によってフィルムの輪郭部を封止して、複数の一次容器の周囲に閉じられたフィルムの袋を形成するステップと、
(v)前記閉じられたフィルム袋を加熱手段中に配置し、前記複数の一次容器の周囲に前記フィルムを緊密に収縮させて、図7及び8に示された梱包アセンブリを形成するステップと
である。
【0038】
本発明は、整然とした態様且つ場所を取らない態様で、軽量一次容器を格納、輸送、及び提供するのに特に有利である。特に、本発明による梱包アセンブリは、図9に示すように、極めて容易にパレットに搭載することができる。パレット14上に、数層の梱包アセンブリ1が積み上げられ、1つおきの積み重なりは、上下に重なる上側の層及び下側の層に対して直交する向きに配向される。
【0039】
そのようなパレット構成は、別々の層を互いに安定化させ、パレット全体を強化し、パレットがあまり高くない場合には、パレット全体を包み込んで保持する包装フィルムを使用しないで済ませることも可能である。
【0040】
本明細書に記載された現時点で好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者にとって明らかであろうことを理解されたい。そのような変更及び修正は、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、又、それに伴う利点を損なうことなく行うことができる。従って、そのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されているものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個々の軽量一次容器(3)を集積し保持する二次梱包(2)を備える梱包アセンブリ(1)であって、
前記二次梱包(2)が、前記軽量容器(3)を取り囲む2層の熱可塑収縮性フィルム(8)を備え、前記層が、前記二次梱包の外周において少なくとも部分的に互いに結合され、前記軽量一次容器のそれぞれが、容器本体(4)と、首部開口(6)をそれ自体が備える容器首部(5)とを具備する、梱包アセンブリにおいて、
前記軽量容器(3)が、前記二次梱包(2)内に、実質的に平面である単一の層を形成する複数の列で配置され、
全ての容器(3)が、それら容器の長手方向軸(L)が前記梱包アセンブリ(1)の前記平面に対して0〜45°である角度(α)を形成するように配向され、
各容器(3)の前記首部(5)が、隣接する列に配置された前記容器(3)の前記本体(4)間に少なくとも部分的に挿入されるように、且つ、外縁の列(11)の前記容器(3)の前記首部(5)が前記層の内側の方向に向くように、配向されることを特徴とする梱包アセンブリ(1)。
【請求項2】
列中の各容器(3)の前記首部(5)が、隣接する列の前記容器(3)の前記本体(4)の底部(10)間に挿入される、請求項1に記載の梱包アセンブリ(1)。
【請求項3】
各容器首部(5)の長手方向軸(L)と前記梱包アセンブリ(1)の前記平面の間の角度(α)が、5°〜25°、好ましくは5°〜15°である、請求項1又は2に記載の梱包アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記容器(3)の前記容器本体(4)がほぼ卵形である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の梱包アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記軽量一次容器(3)が、ミネラルウォータを入れたポリエチレンテレフタラート(PET)容器である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の梱包アセンブリ(1)。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の梱包アセンブリ(1)を製造する方法において、
(i)枠の上側又は下側に、一層の収縮性フィルムを、フィルムの全長が前記枠の全長又は全幅の少なくとも2倍になるように配置するステップと、
(ii)複数の軽量一次容器を、前記枠の内側の前記フィルムの上に配置するステップであって、
前記軽量容器が、前記二次梱包内に、実質的に平面である単一の層を形成する複数の列で配置され、
全ての容器が、それら容器の長手方向軸が前記梱包アセンブリの前記平面に対して0〜45°である角度を形成するように配向され、
各容器の前記首部が、隣接する列に配置された前記容器の前記本体間に少なくとも部分的に挿入されるように配向され、
外縁の列の前記容器の前記首部が、前記層の内側の方向に向けられ、
前記複数の一次容器の表面領域が、前記枠の内側の表面領域に正確に対応するように配置するステップと、
(iii)前記枠の外側に配置されたフィルム部分を、前記枠の内側に保持されている前記複数の一次容器を覆うように折り重ねるステップと、
(iv)フィルムの輪郭部を封止して、前記複数の一次容器の周囲に閉じられたフィルムの袋を形成するステップと、
(v)前記閉じられたフィルム袋を加熱手段中に配置し、前記複数の一次容器の周囲に前記フィルムを緊密に収縮させるステップと
を順番に含むことを特徴とする、梱包アセンブリ(1)を製造する方法。
【請求項7】
ステップ(i)で前記枠の上側に配置されたフィルムの前記表面が、全ての方向で前記枠の表面を超えて広がる、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−510139(P2010−510139A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537618(P2009−537618)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062560
【国際公開番号】WO2008/061977
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(504143016)ネスレ ウォーターズ マネッジメント アンド テクノロジー (5)
【Fターム(参考)】