説明

輸液バックおよび外装用フィルム

【課題】酸素および水蒸気の両方の侵入を防ぐことができる輸液バックを提供する。
【解決手段】ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムからなるバックと、該バックの少なくも1つの面に設けられたバリア層4とを有し、前記バリア層4が、第一の有機層7、無機層8および第二の有機層9が、該順に、互いに隣接している構造を有する、輸液バック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸液バックに関する。特に、皮下・血管内・腹腔内などに投与する液体等を保存するための輸液バックに関する。また、輸液バック等の外側を保護するための外装用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、輸液バックについて、種々検討されている。特許文献1には、薬剤を入れるバックの外側を酸素不透過性のカバーシートで保護することが記載されている。また、特許文献2には、薬剤を入れるバックの外側をガスバリア層の内側に酸素吸収性樹脂層を有するプラスチックフィルム積層材で保護することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−230618号公報
【特許文献2】特開平10−201818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような薬剤を入れるバックを保護するシートには、酸素吸湿性の層が設けられているため、酸素がバック内に侵入するのを防ぐことはできる。しかしながら、酸素吸収性樹脂層は、通常、水蒸気の侵入を防ぐには充分ではない。さらに、本発明者が検討を行った結果、酸素吸収性樹脂層を設けると、該酸素吸収性樹脂層の断面から、水分が侵入してしまう場合があることが分かった。すなわち、酸素および水蒸気の両方の侵入を防ぐことができる輸液バックは得られていない。特に、酸素吸収性樹脂層を設けずに、酸素および水蒸気の両方の侵入を防ぐことができる輸液バックは得られていない。
本発明は、かかる問題点を解決することを目的としたものであって、酸素および水蒸気の両方の侵入を防ぐことが可能な輸液バックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる状況のもと、本発明者が鋭意検討を行った結果、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムからなるバックの表面に、第一の有機層、無機層および第二の有機層を含み、かつ、第一の有機層、無機層および第二の有機層が、該順に、互いに隣接しているバリア層を設けることにより、酸素吸収性樹脂層を設けなくても、酸素および水蒸気の両方の侵入を防ぐことが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下の手段により、本発明の課題は解決された。
【0006】
(1)ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムからなるバックと、該バックの少なくも1つの面に設けられたバリア層とを有し、前記バリア層が、第一の有機層、無機層および第二の有機層が、該順に、互いに隣接している構造を有する、輸液バック。
(2)前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、少なくとも接着層を介して、ガスバリアフィルムが貼り合わされており、該ガスバリアフィルムが、プラスチックフィルムと、前記バリア層を有し、該バリア層が、前記プラスチックフィルムよりも、前記樹脂フィルムからなるバックに近い側に設けられている、(1)に記載の輸液バック。
(3)前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム、前記バリア層が該順に設けられている、(1)または(2)に記載の輸液バック。
(4)前記樹脂フィルムからなるバックが、2枚のポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムを接合してなるバックまたは1枚のポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムを2つ折りにして接合してなるバックである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(5)前記バリア層が、前記樹脂フィルムからなるバックの両面に設けられている、(4)に記載の輸液バック。
(6)第一の有機層と第二の有機層が同じ材料から形成される、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(7)第一の有機層と第二の有機層の少なくとも一方が、(メタ)アクリレート系化合物を含む重合性組成物を硬化してなる層である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(8)第一の有機層と第二の有機層の少なくとも一方の厚さが、0.1〜10μmである、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(9)前記樹脂バックの外側に設けられている層の合計厚みが、20〜200μmである、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(10)前記輸液バックのバリア層を設けられている面が透明である、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(11)前記樹脂フィルムからなるバックの外側とバリア層の間に、酸素吸収性樹脂層を含まない、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(12)前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム、接着層およびガスバリアフィルムが、該順に互いに隣接して設けられている、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(13)前記樹脂フィルムからなるバックの外側とバリア層の間に、酸素吸収性樹脂層を含む、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(14)前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム、接着層、酸素吸収性樹脂層、接着層、ガスバリアフィルムが、該順に互いに隣接して設けられている、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(15)接着層が、エポキシ樹脂系接着剤を含む、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(16)接着層が、ポリウレタン系接着剤を含む、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の輸液バック。
(17)(1)〜(16)のいずれか1項に記載の輸液バックであって、複式である輸液バック。
(18)ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムと、酸素吸収性樹脂層と、バリア層とを該順に有する外装フィルム。
(19)ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムと、該樹脂フィルム上に、接着層を介して設けられた酸素吸収性樹脂層と、該酸素吸収性樹脂層上に、接着層を介して設けられたバリア層とを該順に有する外装フィルム。
(20)ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムと、接着層と、バリア層とを該順に有する外装フィルム。
(21)前記樹脂フィルムからなるバックと、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムおよびガスバリアフィルムとを有する積層体の樹脂フィルム側を、熱シール法によって、接合することを含む、(3)〜(17)のいずれか1項に記載の輸液バックの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、酸素および水蒸気の両方の侵入を防ぐことが可能な輸液バックの提供が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の輸液バックの構成の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の外装フィルムの構成の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本明細書において、アルキル基等の「基」は、特に述べない限り、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。さらに、炭素数が限定されている基の場合、該炭素数は、置換基が有する炭素数を含めた数を意味している。
【0010】
本発明の輸液バックは、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム(以下、単に「樹脂フィルム」ということがある)からなるバックと、該バックの少なくも1つの面に設けられたバリア層とを有し、前記バリア層が、第一の有機層、無機層および第二の有機層が、該順に、互いに隣接している構造を有することを特徴とする。以下、本発明の輸液バックについて、図1および図2に従って詳細に説明する。尚、本発明の輸液バックは、図1または図2に示される構成に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0011】
図1は、本発明の輸液バックの構成の一例を示す概略図であって、樹脂フィルムからなるバック1の少なくとも1つの面に、該バックに近い側から順に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム2、接着層3、ガスバリアフィルム4からなる外装フィルムが設けられている。
ここで、ガスバリアフィルム4は、第一の有機層、無機層および第二の有機層が、該順に、互いに隣接している構造を有するバリア層を有し、バリア層側が接着層3に近い側に設けられる。ガスバリアフィルム4は、接着層3を介して、樹脂フィルム2と貼り合わされる。そして、樹脂フィルム2は、樹脂フィルムからなるバック1と熱シール法等によって融着される。
【0012】
本実施形態では、樹脂フィルムからなるバック1は、2つのフィルム面からなっているが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、3つ以上のフィルム面からなっていても良い。
本実施形態では、樹脂フィルムからなるバック1とは別に、樹脂フィルム2が設けられているが、本発明では必ずしも樹脂フィルム2は必須の構成要件ではなく、ガスバリアフィルム4が樹脂フィルムからなるバックと、接着層を介して貼り合わされていても良い。さらには、樹脂フィルムからなるバック1の表面に直接バリア層を設ける構成であってもよい。また、樹脂フィルム2が、樹脂フィルムからなるバック1と熱溶着して、樹脂フィルム2がフィルム層として、存在しなくなる場合もありえる。特に、樹脂フィルム2と樹脂フィルムからなるバック1に同じ樹脂フィルムを用いた場合など想定される態様である。
また、樹脂フィルム2と樹脂フィルムからなるバック1は、必ずしも融着によって接合している必要はなく、接着層を介して接合していてもよい。
【0013】
本実施形態では、外装フィルムが、樹脂フィルムからなるバックの一方の面にのみ設けられているが、両方の面に設けられていても良い。本発明では、外装フィルムを透明とすることができるから、外装フィルムを両面に設けても、中身の確認が容易に行える。
【0014】
図2は、本発明の輸液バックの第二の実施形態を示したものであって、図2は、外装フィルムを示しており、図2の下側を樹脂フィルムからなるバックに接合させて用いる。
図2に示す第二の実施形態では、樹脂フィルムからなるバック2の外側とバスバリアフィルム4の間に、酸素吸収性樹脂層5を含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、より効果的に酸素の進入を抑制することが可能になる。ここで、酸素吸収性樹脂層5は、通常、接着層3によって、樹脂フィルム2と貼り合わされるが、他の手段によって貼り合わされていてもよい。
また、ガスバリアフィルム4と酸素吸収性樹脂層5の位置を反対にしてもよい。すなわち、樹脂フィルムからなるバック2、ガスバリアフィルム4、酸素吸湿性樹脂層5の順に積層していても良い。これらは、通常、接着層を介して、互いに隣接していることが好ましい。
本実施形態では、酸素の侵入をより効果的に抑制できるが、酸素吸収性樹脂層5およびこれに隣接する接着層3の断面から、水蒸気が侵入してしまう場合がある。従って、水蒸気の侵入の抑制をより重視する場合は、上記酸素吸収性樹脂層5を設けない態様の方が好ましいであろう。特に、本発明では、酸素吸収性樹脂層5を設けなくても、バリア層4によって、酸素の侵入を抑制できる。
【0015】
ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム
本発明におけるポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムとは、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを主成分とする樹脂フィルムである。他の樹脂を含んでいても良いが、通常は、樹脂成分の99重量%がポリエチレンおよび/またはポリプロピレンである。樹脂フィルムには、各種添加剤が添加されていてもよいが、樹脂フィルムは透明であることが好ましい。ここで、透明とは、光透過率で50%以上であることを示し、好ましくは70%以上あることをいう。
本発明では、樹脂フィルムからなるバックを構成する樹脂フィルムと、樹脂フィルムからなるバックに接合する樹脂フィルムが異なっていても良いし、同じであってもよい。
【0016】
樹脂フィルムからなるバック
樹脂フィルムからなるバックは、樹脂フィルムから構成され、輸液を保存できる形状であれば、その他の詳細な要件は適宜定めることができる。樹脂フィルムからなるバックの一例として、2枚の樹脂フィルムを接合してなるバックおよび1枚の樹脂フィルムを2つ折りにして接合してなるバックが挙げられる。
通常は、液体排出口を除いて、樹脂フィルムの端部が完全に接合されている。また、接合方法としては、熱シール法、接着剤による貼り合わせ、金属等の封止部材を用いて封止する方法が例示される。
2枚の樹脂フィルムを接合してなるバックの場合、2枚の樹脂フィルムは、それぞれ異なるフィルムであってもよいが、同じフィルムであることが好ましい。同じフィルムの場合、熱シール法等で貼り付ける場合に、容易に貼り付けることが可能になる。もちろん、2枚の樹脂フィルムを接着剤等で貼り付ける場合は、この限りではなく、異なる樹脂フィルムを用いることも可能である。
【0017】
ガスバリアフィルム
本発明で用いるガスバリアフィルム4は、図2に示すとおり、プラスチックフィルム6とバリア層を有している。そして、バリア層は、少なくとも、第一の有機層7、無機層8および第二の有機層9が該順に互いに隣接している構造を含む。本発明におけるバリア層は、さらに、1層以上の無機層を有していても良い。また、有機層と無機層がさらに1層以上ずつ交互に積層していてもよい。
プラスチックフィルムとバリア層の間、バリア層の最表面、プラスチックフィルムのバリア層が設けられている側とは反対側の面には、他の構成層が設けられていても良い。他の構成層については、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に詳しく記載されている。また、マット剤層、保護層、耐溶剤層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、反射防止層、ハードコート層、応力緩和層、防曇層、防汚層、被印刷層、易接着層等も例示される。
【0018】
(プラスチックフィルム)
プラスチックフィルムの好ましい範囲としては、特開2009−172993号公報の段落番号0009〜0012に記載のものを好ましく採用できる。
プラスチックフィルムの厚さは、5〜150μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
【0019】
(有機層)
本発明におけるバリア層は、第一の有機層と第二の有機層を有する。第一の有機層は無機層の下地となるアンダーコート層としての役割を果たすもので有り、第二の有機層とはその機能が異なる。しかしながら、本発明では、第一の有機層と第二の有機層を同じ材料から形成することができ、同じ材料から形成することが好ましい。このような構成とすることにより、生産効率が向上する傾向にある。
【0020】
本発明における有機層とは有機ポリマーを主成分とする、有機層であることが好ましい。ここで主成分とは、有機層を構成する成分の第一の成分が有機ポリマーであることをいい、通常は、有機層を構成する成分の80重量%以上が有機ポリマーであることをいう。
有機ポリマーとしては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、セルロースアシレート、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、脂環式ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、フルオレン環変性ポリカーボネート、脂環変性ポリカーボネート、フルオレン環変性ポリエステルおよびアクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂、あるいはポリシロキサン等の有機珪素ポリマーなどが挙げられる。
【0021】
本発明における有機層は、好ましくは、重合性化合物を含む重合性組成物を硬化してなるものである。
(重合性化合物)
重合性化合物は、好ましくは、ラジカル重合性化合物および/またはエーテル基を官能基に有するカチオン重合性化合物であり、より好ましくは、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物、および/または、エポキシまたはオキセタンを末端または側鎖に有する化合物である。これらのうち、エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を末端または側鎖に有する化合物の例としては、(メタ)アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物、スチレン系化合物、無水マレイン酸等が挙げられ、(メタ)アクリレート系化合物および/またはスチレン系化合物が好ましく、(メタ)アクリレート系化合物がさらに好ましい。
【0022】
(メタ)アクリレート系化合物としては、(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が好ましい。
スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、4−ヒドロキシスチレン、4−カルボキシスチレン等が好ましい。
【0023】
以下に、本発明で好ましく用いられる(メタ)アクリレート系化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【化1】

【0024】
【化2】

【0025】
【化3】

【0026】
【化4】

【0027】
【化5】

【0028】
【化6】

【0029】
(重合開始剤)
本発明における有機層を、重合性化合物を含む重合性組成物を塗布硬化させて作成する場合、該重合性組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。光重合開始剤を用いる場合、その含量は、重合性化合物の合計量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜2モル%であることがより好ましい。重合開始剤の好ましい例としては、特開2010−089502号公報の段落番号0057に記載のものが好ましい。
【0030】
(有機層の形成方法)
有機層の形成方法としては、特に定めるものではないが、特開2010−089502号公報の段落番号0058および0059の記載の方法が好ましい。
【0031】
本発明における有機層は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。
有機層を構成する重合性モノマーの重合率は85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、92%以上であることが特に好ましい。ここでいう重合率とは重合性組成物中の全ての重合性基(例えば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。重合率は赤外線吸収法によって定量することができる。
【0032】
有機層の膜厚については特に限定はないが、薄すぎると膜厚の均一性を得ることが困難になるし、厚すぎると外力によりクラックを発生してバリア性が低下する。かかる観点から、有機層の厚みは50nm〜2000nmが好ましく、200nm〜1500nmがより好ましい。
また、有機層は先に記載したとおり平滑であることが好ましい。有機層の平滑性は1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満が好ましく、0.5nm未満であることがより好ましい。有機層の表面にはパーティクル等の異物、突起が無いことが要求される。このため、有機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
有機層の硬度は高いほうが好ましい。有機層の硬度が高いと、無機層が平滑に成膜されその結果としてバリア能が向上することがわかっている。有機層の硬度はナノインデンテーション法に基づく微小硬度として表すことができる。有機層の微小硬度は100N/mm以上であることが好ましく、150N/mm以上であることがより好ましい。
【0033】
(無機層)
無機層は、通常、金属化合物からなる薄膜の層である。無機層の形成方法は、目的の薄膜を形成できる方法であればいかなる方法でも用いることができる。例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。無機層に含まれる成分は、上記性能を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸化窒化物または金属酸化炭化物であり、Si、Al、In、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、またはTaから選ばれる1種以上の金属を含む酸化物、窒化物、炭化物、酸化窒化物、酸化炭化物などを好ましく用いることができる。これらの中でも、Si、Al、In、Sn、Zn、Tiから選ばれる金属の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましく、特にSiまたはAlの金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物が好ましい。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。
本発明により形成される無機層の平滑性は、1μm角の平均粗さ(Ra値)として1nm未満であることが好ましく、0.5nm以下がより好ましい。無機層の成膜はクリーンルーム内で行われることが好ましい。クリーン度はクラス10000以下が好ましく、クラス1000以下がより好ましい。
【0034】
無機層の厚みに関しては特に限定されないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは10〜200nmである。無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。また、上述したとおり、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように有機層との界面が明確で無く、組成が膜厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
【0035】
(有機層と無機層の積層)
有機層と無機層の積層は、所望の層構成に応じて有機層と無機層を順次繰り返し製膜することにより行うことができる。無機層を、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法などの真空製膜法で形成する場合、有機層も前記フラッシュ蒸着法のような真空製膜法で形成することが好ましい。バリア層を作製する間、途中で大気圧に戻すことなく、常に1000Pa以下の真空中で有機層と無機層を積層することが特に好ましい。圧力は100Pa以下であることがより好ましく、50Pa以下であることがより好ましく、20Pa以下であることがさらに好ましい。
【0036】
接着層
本発明では、樹脂フィルムとガスバリアフィルム(特に、バリア層)を貼り合わせるため、樹脂フィルムと、酸素吸収性樹脂層を貼り合わせるため、および、酸素吸収性樹脂層とガスバリアフィルムを貼り合わせるための、いずれか1つ以上を目的として、接着層を設けることができる。
接着層に含まれる接着剤としては、エポキシ樹脂系接着剤およびポリウレタン系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、アクリル樹脂系接着剤などが例示される。また、接着層には、接着剤以外の成分を含んでいても良いが、これらの成分は全体の1重量%以下であることが好ましい。
接着層の厚さは、0.1〜50μmが好ましく、1〜30μmが好ましい。
【0037】
酸素吸収性樹脂層
本発明では、樹脂フィルムとガスバリアフィルムの間等に、酸素吸収性樹脂層を設けてもよい。酸素吸収性樹脂層としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を主成分とする樹脂層が例示され、通常は、これらの樹脂が全体の95重量%以上を占める層である。
【0038】
また、酸素吸湿性物質を分散させた合成樹脂層も好ましい。酸素吸湿性物質としては、例えば、鉄、亜鉛、酸化第一鉄、塩化ナトリウム−鉄等の金属系のものや、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩、ピロガロール、アスコルビン酸等の有機系のもの等の各種公知の酸素吸収物質でよく、鉄や亜硫酸ナトリウムは、安全性や安定性が保証されており好ましい。また上記亜硫酸ナトリウムは、輸液バックの透明性を維持させることができる利点がある。
酸素吸収性物質の合成樹脂中への分散量は、使用する酸素吸収性物質の種類やその酸素吸収能に応じて最適量を適宜決定できるが、通常酸素吸収性樹脂層中に1〜90重量%程度の酸素吸収性物質が混入される量とすることでき、上記最適量はこの範囲から選ぶことができる。
酸素吸収性樹脂層を構成する合成樹脂としては、酸素透過性の樹脂を用いるのがよく、特にポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリエチレン等のポリオレフィンは、可撓性、成形性、他の層を構成する樹脂との親和性等の面で有利である。
【0039】
酸素吸収性樹脂層の厚さは、1〜50μmが好ましく、2〜20μmが好ましい。
【0040】
本発明で用いる輸液バックは、バックが1つである単式であっても、バックが2つ以上ある複式であってもよい。複式の場合、例えば、粉体収容室と、該粉体収容室と容易に剥離可能な隔壁で区切られた液体収容室からなる複式バックが例示される。この場合、使用直前に、隔壁を剥離し、粉体と液体を混合して、液体排出口から輸液を行う。この場合、粉体収容室に本発明の輸液バックを用いることが好ましい。
【0041】
本発明の輸液バックに用いられる薬剤としては、皮下・血管内・腹腔内などに点滴等によって投与するための液体が例示される。複式バックの場合、粉状の薬剤と生理食塩水等の液体が例示される。粉末の薬剤としては、ビタミンやアミノ酸などの栄養剤や抗生剤、抗菌剤などが例示される。
【0042】
本発明では、上述の樹脂フィルムバックの外側に設けた層の積層体を他の容器等の外装フィルムとしても用いることができる。また、上記複式の輸液バックの液体排出口にも、本発明の外装フィルムを設けても良い。
【0043】
本発明の輸液バックの外側に設けられている層の合計厚み、すなわち、本発明の外装フィルムの厚みは、20〜200μmとすることができ、25〜70μmとすることができる。このように厚みが薄いことから、側面からの水蒸気や酸素の侵入をより効果的に抑制することができる。尚、輸液バックの外側に設けられている層には、フィルム等を含む趣旨であることは言うまでもない。
【0044】
本発明の輸液バックおよび外装フィルムは、温度40℃、1気圧、相対湿度90%下で、酸素透過0.1cc/m2/日/atm以下とすることができ、さらには、0.01cc/m2/日/atm以下とすることができる。
また、本発明の輸液バックおよび外装フィルムは、温度4℃、1気圧、相対湿度90%下で、水蒸気透過率0.01g/m2/日以下とすることができ、さらには、0.001g/m2/日以下とすることができる。
さらに、本発明の輸液バックおよび外装フィルムは、上記酸素透過率および水蒸気透過率の両方を満たすものとすることができる。
【0045】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、特開2003−230618号公報および特開平10−201818号公報に記載の技術を参酌することができる。
【実施例】
【0046】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0047】
実施例1
ガスバリアフィルムB1の作成
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製、商品名:ルミラー、厚さ25μm)の片面側に以下の手順でバリア性積層体を形成して評価した。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、ダイセルサイテック(株)製)14.1g、リン酸エステル基を有するアクリレート(日本化薬(株)製、KAYAMERシリーズ、PM−21)を1.0g、シランカップリング剤として、KBM−5103(信越化学工業(株)製)を3.5gおよび光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を1.4gを用意し、これらをメチルエチルケトン180gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記PETフィルムの平滑面上にワイヤーバーにて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、窒素置換法により酸素濃度が0.1%となったチャンバー内にて高圧水銀ランプの紫外線を照射(積算照射量約2J/cm2)して有機層を硬化させた。有機層の厚さは、1μmであった。
次に、CVD装置を用いて、前記有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。製膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして有機層の表面に無機層を積層した。
さらに、無機層の表面に、上記有機層の形成方法と同様に行って、さらに1層の有機層を積層した。
【0048】
ガスバリアフィルムB2の作成
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製、商品名:ルミラー、厚さ25μm)の片面側に以下の手順でバリア性積層体を形成して評価した。
NKオリゴEA−1020(新中村化学工業社製)2.8g、NKエステルA−BPE−4(新中村化学工業社製)6.0g、リン酸エステル基を有するアクリレート(日本化薬(株)製、KAYAMERシリーズ、PM−21)を0.5gおよび光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を0.7gを用意し、これらをメチルエチルケトン190gに溶解させて塗布液とした。この塗布液を、ワイヤーバーを用いて上記PETフィルムの平滑面上にワイヤーバーにて塗布した。室温にて2時間乾燥した後、窒素置換法により酸素濃度が0.1%となったチャンバー内にて高圧水銀ランプの紫外線を照射(積算照射量約2J/cm2)して有機層を硬化させた。有機層の厚さは1μmであった。
次に、Al23を真空スパッタリング法(反応性スパッタリング法)で製膜した。ターゲットとしてアルミニウムを、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を用いた。製膜圧力は0.1Pa、膜厚は60nmの無機層を積層した。
さらに、無機層の表面に、上記有機層の形成方法と同様に行って、さらに1層の有機層を積層した。
【0049】
ガスバリアフィルムB3の作成
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製、商品名:ルミラー、厚さ25μm)の片面側に、SiO2を真空スパッタリング法(反応性スパッタリング法)で製膜して、膜厚100nm)の無機層を積層した。
【0050】
ガスバリアフィルムB4の作成
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製、商品名:ルミラー、厚さ25μm)の片面側に、ガスバリアフィルムB2で用いたAl23を真空スパッタリング法(反応性スパッタリング法)で製膜して、膜厚60nmの無機層を積層した。
【0051】
ガスバリアフィルムB5の作成
ガスバリアフィルムB2に対して、Al23無機層の表面に有機層を形成することを除いて、それ以外はガスバリアフィルムB2と同様にしたがってガスバリアフィルムB5を作成した。
【0052】
樹脂フィルムからなるバックとして、ポリエチレン製のバッグを用いた。
樹脂フィルムとして、低密度ポリエチレンフィルム(三井石油化学製厚み:20μm)を用いた。
【0053】
接着層
以下の接着剤を用いた。
A1:エポキシ樹脂系接着剤
A2:ポリウレタン系接着剤
【0054】
酸素吸収性樹脂層
エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(クラレ製、エバール、厚み12μm)を用いた。
【0055】
ガスバリアフィルム、樹脂フィルム等を下記に示す層構成となるように、接着剤を用いてそれぞれ貼り合せて、外装フィルムを得た。接着層の厚みは、3μmとした。得られた外装フィルムの樹脂フィルム側と、樹脂フィルムからなるバックを熱シール法によって融着し、以下の層構成からなる輸液バックを作成した。
L1:PET/有機層/無機層/有機層/接着層/酸素吸収性樹脂層/接着層/樹脂フィルム
L1’:PET/無機層/接着層/酸素吸収性樹脂層/接着層/樹脂フィルム
L1”:PET/有機層/無機層/接着層/酸素吸収性樹脂層/接着層/樹脂フィルム
L2:PET/有機層/無機層/有機層/接着層/樹脂フィルム
L2’:PET/無機層/接着層/樹脂フィルム
L2”:PET/有機層/無機層/接着層/樹脂フィルム
【表1】

【表2】

上記表中、外装フィルム厚みは、輸液バックの外側に貼り合わせるガスバリアフィルム等の合計計厚み(単位:μm)を示している。
【0056】
<カルシウム法による水蒸気透過率の測定>
得られた輸液バックのうち、外装フィルムを設けた側について、カルシウム法によって、水蒸気透過率を測定した。すなわち、G.NISATO、P.C.P.BOUTEN、P.J.SLIKKERVEERらSID Conference Record of the International Display Research Conference 1435-1438頁に記載の方法を用いて水蒸気透過率(g/m2/day)を測定した。このときの温度は40℃、相対湿度は90%とした。結果を下記表に示した。
【0057】
<酸素透過率の測定>
得られた輸液バックのうち、外装フィルムを設けた側について、酸素MOCON法によって、酸素透過率を測定した。
【0058】
<薬剤の保存性>
得られた輸液バックに、薬剤として、セファゾリンナトリウム(大塚製薬工場製)を封入し、40℃相対湿度75%の条件で6ヶ月保存して色調の変化を評価した。
下記に従って評価した。
◎:色調に変化無し
○:部分的に僅かに色調が変化
△:全体に微黄色に変化
×:全体に黄色に変化
【0059】
結果を下記表に示す。
【表3】

【0060】
実施例2
特定室が外装された複室容器の製造容器の隔壁機構がイージーピールオープン性を有するシールで構成される2室からなるポリエチレン製バッグの上室の片面を完全に覆うようにして、上記実施例1のそれぞれの外装フィルムを、樹脂フィルムを内側にして容器本体と密着するように重ね合わせ、外装フィルムの周縁部を容器本体と熱シール法により融着させた。
【0061】
<薬剤の保存性>
得られた輸液バックの上室に、薬剤として、セファゾリンナトリウム(大塚製薬工場製)を封入し、40℃相対湿度75%の条件で6ヶ月保存して色調の変化を評価した。
下記に従って評価した。
◎:色調に変化無し
○:部分的に僅かに色調が変化
△:全体に微黄色に変化
×:全体に黄色に変化
【0062】
結果を下記表に示す。
【表4】

【符号の説明】
【0063】
1 樹脂フィルムからなるバック
2 樹脂フィルム
3 接着層
4 バリア層
5 酸素吸収性樹脂層
6 プラスチックフィルム
7 第一の有機層
8 無機層
9 第二の有機層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムからなるバックと、該バックの少なくも1つの面に設けられたバリア層とを有し、前記バリア層が、第一の有機層、無機層および第二の有機層が、該順に、互いに隣接している構造を有する、輸液バック。
【請求項2】
前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、少なくとも接着層を介して、ガスバリアフィルムが貼り合わされており、該ガスバリアフィルムが、プラスチックフィルムと、前記バリア層を有し、該バリア層が、前記プラスチックフィルムよりも、前記樹脂フィルムからなるバックに近い側に設けられている、請求項1に記載の輸液バック。
【請求項3】
前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム、前記バリア層が該順に設けられている、請求項1または2に記載の輸液バック。
【請求項4】
前記樹脂フィルムからなるバックが、2枚のポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムを接合してなるバックまたは1枚のポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムを2つ折りにして接合してなるバックである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項5】
前記バリア層が、前記樹脂フィルムからなるバックの両面に設けられている、請求項4に記載の輸液バック。
【請求項6】
第一の有機層と第二の有機層が同じ材料から形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項7】
第一の有機層と第二の有機層の少なくとも一方が、(メタ)アクリレート系化合物を含む重合性組成物を硬化してなる層である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項8】
第一の有機層と第二の有機層の少なくとも一方の厚さが、0.1〜10μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項9】
前記樹脂バックの外側に設けられている層の合計厚みが、20〜200μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項10】
前記輸液バックのバリア層を設けられている面が透明である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項11】
前記樹脂フィルムからなるバックの外側とバリア層の間に、酸素吸収性樹脂層を含まない、請求項1〜10のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項12】
前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム、接着層およびガスバリアフィルムが、該順に互いに隣接して設けられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項13】
前記樹脂フィルムからなるバックの外側とバリア層の間に、酸素吸収性樹脂層を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項14】
前記樹脂フィルムからなるバックの外側に、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルム、接着層、酸素吸収性樹脂層、接着層、ガスバリアフィルムが、該順に互いに隣接して設けられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項15】
接着層が、エポキシ樹脂系接着剤を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項16】
接着層が、ポリウレタン系接着剤を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の輸液バック。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の輸液バックであって、複式である輸液バック。
【請求項18】
ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムと、酸素吸収性樹脂層と、バリア層とを該順に有する外装フィルム。
【請求項19】
ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムと、該樹脂フィルム上に、接着層を介して設けられた酸素吸収性樹脂層と、該酸素吸収性樹脂層上に、接着層を介して設けられたバリア層とを該順に有する外装フィルム。
【請求項20】
ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムと、接着層と、バリア層とを該順に有する外装フィルム。
【請求項21】
前記樹脂フィルムからなるバックと、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む樹脂フィルムおよびガスバリアフィルムとを有する積層体の樹脂フィルム側を、熱シール法によって、接合することを含む、請求項3〜17のいずれか1項に記載の輸液バックの製造方法。

【図1】
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【図2】
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