説明

輸送トレイ、および、発送方法

【課題】モジュールやサブモジュールの発送時に同一の輸送トレイを用い、モジュールやサブモジュールの梱包体における内部空間の利用効率を高める。
【解決手段】サブモジュールの梱包体はフィルムトレイ5A,5Bとサブモジュール20A,20Bとを備える。モジュールの梱包体はフィルムトレイ5A,5Bとモジュール30A,30Bとを備える。フィルムトレイ5A,5Bは空間部12A,12B,12Dを備える。フィルムトレイ5Bの空間部12Bの内側は、サブモジュール20Bの底面部材24が接触する形状である。フィルムトレイ5Bの空間部12Aの内側は、モジュール30Bの筐体31が接触する形状である。フィルムトレイ5Bの下方には、サブモジュール20Aやモジュール30Aの天面部材22が接触する。フィルムトレイ5Bの空間部12Dの内側には、サブモジュール20Aやモジュール30Aの突出部材23を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品の発送に用いる輸送トレイと、輸送トレイを共用してサブモジュールの梱包体およびモジュールの梱包体を発送する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
最終製品を組み立てる第1の工場に、最終製品の構成部品であるモジュールが第2の工場から納品される場合、第2の工場から複数のモジュールを収めた梱包体が発送される。この梱包体は、モジュールを搭載した輸送トレイを積み重ねて梱包されたものである。また、モジュールを組み立てる第2の工場に、モジュールの構成部品であるサブモジュールが第3の工場から納品される場合、第3の工場から複数のサブモジュールを収めた梱包体が発送される。このように、梱包体の発送を複数回行う場合に、輸送トレイを共用することで省資源化を図ることがあった(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
上記文献では、段部を備える保持溝を輸送トレイに設ける構成が開示されている。レゾルバ(モジュール)の発送時には、レゾルバの一部を構成する輪状鉄心が輸送トレイの溝部に搭載される。また、レゾルバの他の一部を構成するコイル保護カバーが輸送トレイの段部に搭載される。また、輪状鉄心(サブモジュール)の発送時には、輪状鉄心が輸送トレイの溝部に搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−155944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モジュールやサブモジュールを発送する際に、梱包体に収める物品数が多いほど物流コストを低減できる。そのため、各輸送トレイに搭載する物品の専有面積を増やすとともに、梱包体における内部空間の利用効率を改善することが望ましい。
【0006】
そこで本発明は、モジュールの発送時とサブモジュールの発送時とで同一の輸送トレイを用いることができ、それらの梱包体における内部空間の利用効率を高められる、輸送トレイ、および発送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の輸送トレイは、モジュールの発送時およびサブモジュールの発送時に共用される。モジュールはサブモジュールを組み込んで構成される。輸送トレイは、第1の凹部と第2の凹部と第1の凸部とを備える。第1の凹部は輸送トレイの第1の領域に設けられる。第2の凹部は第2の領域に設けられる。第2の領域は第1の領域に含まれる。第1の凸部は、輸送トレイの第3の領域に設けられる。第3の領域は第2の領域に含まれる。第1の凹部は、上側にサブモジュールが積み重ねられる際にサブモジュールが内側に接触する形状である。第2の凹部は、上側にモジュールが積み重ねられる際にモジュールが内側に接触する形状である。第1の凸部は、モジュールまたはサブモジュールの上側に積み重ねられる際にモジュールまたはサブモジュールの一部が内側に配置される形状である。
【0008】
また、この発明の発送方法は、サブモジュール納品ステップとモジュール組み立てステップとモジュール梱包ステップとモジュール発送ステップとを有し、サブモジュールおよびモジュールの発送時に、輸送トレイを共用する。サブモジュールおよびモジュールは、底面部、天面部、および、突出部を備える。天面部は底面部の上側に配置される。突出部は天面部よりも上側に突出する。輸送トレイは、第1の凹部と第2の凹部と第1の凸部とを備える。第1の凹部は輸送トレイの第1の領域に設けられる。第2の凹部は第2の領域に設けられる。第2の領域は第1の領域に含まれる。第1の凸部は、輸送トレイの第3の領域に設けられる。第3の領域は第2の領域に含まれる。
【0009】
サブモジュール納品ステップはサブモジュールの梱包体が納品される。このサブモジュールの梱包体は、第1のサブモジュールの底面部を第1の輸送トレイの第2の凹部の内側に接触させて、第1の輸送トレイに第1のサブモジュールを積み重ねた状態である。また、第2の輸送トレイの第1の凸部の内側に第1のサブモジュールの突出部を配置しながら、第2の輸送トレイを第1のサブモジュールの天面部に接触させて、第1のサブモジュールに第2の輸送トレイを積み重ねた状態である。また、第2のサブモジュールの底面部を、第2の輸送トレイの第2の凹部の内側に接触させて、第2の輸送トレイに第2のサブモジュールを積み重ねた状態である。モジュール組み立てステップは、サブモジュールの梱包体から取り出したサブモジュールを組み込んでモジュールを構成する。モジュール梱包ステップはモジュールの梱包体を構成する。このモジュールの梱包体は、第1のモジュールの底面部を第1の輸送トレイの第1の凹部の内側に接触させて、第1の輸送トレイに第1のモジュールを積み重ねた状態である。また、第2の輸送トレイの第1の凸部の内側に第1のモジュールの突出部を配置しながら、第2の輸送トレイを第1のモジュールの天面部に接触させて、第1のモジュールに第2の輸送トレイを積み重ねた状態である。また、第2のモジュールの底面部を第2の輸送トレイの第1の凹部の内側に接触させて、第2の輸送トレイに第2のモジュールを積み重ねた状態である。発送ステップはモジュールの梱包体を発送する。
【0010】
したがって、輸送トレイに設けた第2の凹部にサブモジュールを搭載し、第1の凹部にモジュールを搭載することで、モジュールの発送時とサブモジュールの発送時とで同一の輸送トレイを用いることができる。また、輸送トレイの下方に配置されるモジュールやサブモジュールの突出部を、第1の凸部の内側に配置するように構成しているので、輸送トレイを積み重ねる方向での梱包体における内部空間の利用効率を高められる。
【0011】
この発明の、輸送トレイは第3の凹部を備えると好適である。第3の凹部は輸送トレイの第4の領域に設けられる。第4の領域は第3の領域とともに第2の領域に含まれる。
【0012】
一般に、輸送トレイは厚みがほぼ一定の薄肉に構成される。このような輸送トレイにモジュールやサブモジュールを搭載して積み重ねる場合、搭載物品同士がトレイを介して接触すると、小さな衝撃でも破損を招来する危険性があり問題となる。そこでこの構成では、第3の凹部を設けることでモジュール同士やサブモジュール同士の間に緩衝空間を確保する。この場合、緩衝空間分だけ、梱包体における輸送トレイを積み重ねる方向での内部空間の利用効率が低減することになるが、物品の突出部を第1の凸部の内側に配置することで、梱包体における輸送トレイを積み重ねる方向での内部空間の利用効率の低減を抑制できる。
【0013】
この発明は、各輸送トレイにおける物品の搭載面積の利用効率を高めるために、輸送トレイにおいて、第1の凹部と第2の凹部と第1の凸部との一組を他の一組と点対称に配置してもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、輸送トレイに設けた第2の凹部にサブモジュールを搭載し、第3の凹部にモジュールを搭載することで、モジュールの発送時とサブモジュールの発送時とで同一の輸送トレイを用いることができる。また、輸送トレイの下方に配置されるモジュールやサブモジュールの突出部を、第1の凸部の内側に配置するように構成しているので、梱包体における内部空間の利用効率を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る発送方法の概略を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る梱包体の概略構成を説明する斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る輸送トレイの概略構成を説明する展開図である。
【図4】本発明の実施形態に係るサブモジュールの概略構成を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態に係る輸送トレイにサブモジュールを搭載した状態の平面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るモジュールの概略構成を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る輸送トレイにモジュールを搭載した状態の平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る梱包体の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図1〜8を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る発送方法の概略を説明する図である。図1(A)は本発送方法の概念図であり、図1(B)は本発送方法における概略のフローを示す図である。
【0018】
本実施形態ではサブモジュール製造工場1Aからモジュール製造工場1Bに、サブモジュール(不図示)を梱包した梱包体2Aを発送する。また、モジュール製造工場1Bから最終製品製造工場1Cに、モジュール(不図示)を梱包した梱包体2Bを発送する。
【0019】
サブモジュール製造工場1Aでは、まずサブモジュールを製造する(S11)。次に、サブモジュールを梱包して梱包体2Aを構成する(S12)。そして、梱包体2Aを発送する(S13)。
【0020】
モジュール製造工場1Bでは、まず納品された梱包体2Aを開封する(S21)。次に、梱包体2Aからサブモジュールを取り出して、そのサブモジュールを組み込んだモジュールを製造する(S22)。次に、モジュールを梱包して梱包体2Bを構成する(S23)。そして、梱包体2Bを発送する(S24)。
【0021】
最終製品製造工場1Cでは、まず納品された梱包体2Bを開封する(S31)。次に、梱包体2Bからモジュールを取り出して、そのモジュールを組み込んだ最終製品(不図示)を製造する(S32)。以上のフローで製造された最終製品は、個別に包装されて出荷される。
【0022】
図2は、梱包体2A,2Bの概略構成を説明する分解斜視図である。
【0023】
梱包体2A,2Bは、外層箱3とビニール袋4と複数のフィルムトレイ5とを備える。フィルムトレイ5は本発明の輸送トレイであり、上面にモジュール(不図示)またはサブモジュール(不図示)が搭載される。複数のフィルムトレイ5は積み重ねられ、その状態でビニール袋4に収められる。ビニール袋4は口を閉じて外層箱3に収められる。外層箱3は封をされる。このように、複数のモジュール、または複数のサブモジュールを一つに梱包して梱包体2A,2Bは構成される。
【0024】
図3は、フィルムトレイ5の展開図であり、図3(B)はフィルムトレイの平面図、図3(A)は図3(B)におけるA−A断面図、図3(C)は図3(B)におけるC−C断面図である。
【0025】
フィルムトレイ5は、厚みがほぼ一定なプラスチックフィルムを成型してなり、最上面10Aから凹に、4列2行の配列で合計8つの物品対搭載室Hが形成されている。これらの物品対搭載室Hは互いに同形状である。各物品対搭載室Hはそれぞれ上面視して点対称な形状であって、配列の列に沿うY方向を長手とし配列の行に沿うX方向を短手とする。物品対搭載室Hはそれぞれ2個のモジュールまたはサブモジュールをY方向に並べて搭載可能である。
【0026】
フィルムトレイ5は、最上面10Aから浅い順に上面11A,11B,11C,11D,11E,11Fを形成し、上面11Fと同じ深さで上面11Gを形成した構成である。上面11Fと上面11Gとの裏面は、フィルムトレイ5の最下面10Bを構成する。最上面10Aおよび上面11A〜11Gの間の壁面は、鉛直上方向Zから約5°の傾斜をつけて形成されている。この傾斜により、モジュールやサブモジュールの挿脱が容易に行える。
【0027】
上面11Aは、フィルムトレイ5におけるY方向に並んだ2つの物品対搭載室Hの間に位置する。上面11Bは、フィルムトレイ5におけるX方向に並ぶ4つの物品対搭載室Hそれぞれの間に位置する。上面11Cは、各物品対搭載室Hにおける、搭載する2つのモジュールまたはサブモジュールの間を区画する位置、すなわち各物品対搭載室Hの中央に位置する。上面11Gは、各物品対搭載室HにおけるY方向の両端それぞれに位置する。上面11Dは、各物品対搭載室HにおけるY方向での上面11Gの間に位置する。この上面11Dは、物品対搭載室Hの中央を中心として点対称な形状、ここではY方向を上向きとするS字形状で各物品対搭載室Hに形成する。上面11Eおよび上面11Fは、S字形状の上面11DにY方向両側が挟まれる2つの矩形領域に位置する。これらの上面11Eおよび上面11Fは、物品対搭載室Hの中央を中心として点対称な配置で各物品対搭載室Hに形成する。また上面11Fは、ここではX方向を上向きとするH字型で各物品対搭載室Hに形成する。
【0028】
ここで、各物品対搭載室Hは、空間部12A、空間部12B、空間部12C、および、空間部12Dをそれぞれ2つ、Y方向両側に配置した構成である。
【0029】
空間部12Aは本発明の第1の凹部であり、本発明の第1の領域に設けられている。第1の領域は、フィルムトレイ5を上面視して各物品対搭載室Hの一端側の、上面11G、上面11D、上面11F、および上面11Eに重なる領域である。そして空間部12Aは、上面11Dよりも最上面10A側で上面11Cよりも最下面10B側の空間と、上面11Gよりも最上面10A側で上面11Cよりも最下面10B側の空間と、で構成されている。
【0030】
空間部12Bは本発明の第2の凹部であり、本発明の第2の領域に設けられている。第2の領域は、フィルムトレイ5を上面視して各物品対搭載室Hの一端側の、上面11Fおよび上面11Eに重なる領域である。この第2の領域は、第1の領域の内側に含まれる。そして空間部12Bは、上面11Eよりも最上面10A側で上面11Dよりも最下面10B側の空間で構成されている。
【0031】
空間部12Cは本発明の第3の凹部であり、本発明の第4の領域に設けられている。第4の領域は、上面11Fに重なる領域である。この第4の領域は、第2の領域の内側に含まれる。そして空間部12Cは、上面11Fよりも最上面10A側で上面11Eよりも最下面10B側の空間で構成されている。
【0032】
空間部12Dは本発明の第1の凸部であり、本発明の第3の領域に設けられている。第3の領域は、上面11Eにおける上面11FにY方向両側が挟まれる2つの矩形領域に点対称に設けられる。この第3の領域は、第2の領域の内側に含まれる。そして空間部12Dは、最下面10Bよりも最上面10A側で上面11Eの裏面よりも最下面10B側の空間で構成される。
【0033】
図4(A)は、サブモジュールの概略構成を説明する平面図であり、図4(B)は、サブモジュールの概略構成を説明する側面図である。図5は、フィルムトレイ5にサブモジュールを搭載した状態の平面図である。
【0034】
サブモジュール20はサブ基板21と天面部材22と突出部材23と底面部材24とリード線25A,25Bとを備える。サブ基板21は底面に底面部材24が設けられ、上面に天面部材22と突出部材23とが設けられる。底面部材24は本発明の底面部に相当し、その底面はサブ基板21から略一定の高さである。天面部材22は本発明の天面部に相当し、その天面はサブ基板21から一定の高さである。突出部材23は本発明の突出部に相当し、天面部材22よりも上方に突出する。リード線25Aはサブ基板21から引き出し、リード線25Bは天面部材22から引き出し、それぞれサブ基板21の特定端(入出力端)から突出するように引き回している。
【0035】
サブモジュール20の梱包体を構成する場合、図5に示すようにフィルムトレイ5の空間部12Bを、サブモジュール20を収容する空間とする。
【0036】
本実施形態では、サブモジュール20においてリード線25A,25Bがサブ基板21から突出するので、フィルムトレイ5におけるサブモジュール20の専有面積の割合を高めるために、サブモジュール20の入出力端を物品対搭載室Hの中心に向けて、リード線25A,25Bを対となるサブモジュール20の側方に配置している。
【0037】
図6(A)は、モジュールの概略構成を説明する平面図であり、図6(B)は、モジュールの概略構成を説明する側面図である。図7は、フィルムトレイ5にモジュールを搭載した状態の平面図である。
【0038】
モジュール30は筐体31と入出力部32とサブモジュール20とを備える。筐体31は本発明の底面部に相当する。筐体31にはサブモジュール20を搭載する。サブモジュール20の天面部材22と突出部材23とは、筐体31から突出して、本発明のモジュール30の天面部と突出部とを構成する。リード線25A,25Bは筐体31の一端(入出力端)に設けた入出力部32まで引き回している。
【0039】
モジュール30の梱包体を構成する場合、図7に示すようにフィルムトレイ5の空間部12Aを、モジュール30を収容する空間とする。
【0040】
本実施形態では、モジュール30における入出力部32の形成面積の分だけ、モジュール30の入出力端側のサイズがサブモジュール20よりも大きい。そこで、突出部材23や天面部材22のフィルムトレイ上での配置位置をサブモジュール20の場合からあまりずらさずに、フィルムトレイにモジュール30を搭載するため、梱包体におけるモジュール30の入出力端の向きを、梱包体におけるサブモジュール20の入出力端の向きとは逆にする。即ち、突出部材23と天面部材22との配列の向きを、モジュールの梱包体とサブモジュールの梱包体とで逆にする。そのために、前述のフィルムトレイ5において、上面11Fの上面視形状を点対称形にしている。
【0041】
図8(A)はサブモジュールの梱包体の部分断面図である。
【0042】
サブモジュールの梱包体では、第1のフィルムトレイ5Aの上方に第1のサブモジュール20Aを配置する。第1のサブモジュール20Aの上方に第2のフィルムトレイ5Bを配置する。第2のフィルムトレイ5Bの上方に第2のサブモジュール20Bを配置する。フィルムトレイ5A,5Bは前述のフィルムトレイ5と同じ構成であり、サブモジュール20A,20Bは前述のサブモジュール20と同じ構成である。
【0043】
フィルムトレイ5Aにサブモジュール20Aが搭載された状態では、サブモジュール20Aの底面部材24がフィルムトレイ5Aの空間部12B内側に接触し、サブモジュール20Aのサブ基板21がフィルムトレイ5Aの空間部12A内側に接触する。
【0044】
サブモジュール20Aにフィルムトレイ5Bが搭載された状態では、サブモジュール20Aの天面部材22の上面がフィルムトレイ5Bの空間部12C下面に接触し、サブモジュール20Aの突出部材23がフィルムトレイ5Bの空間部12D内側に配置される。
【0045】
フィルムトレイ5Bにサブモジュール20Bが搭載された状態では、サブモジュール20Bの底面部材24がフィルムトレイ5Bの空間部12B内側に接触し、サブモジュール20Bのサブ基板21がフィルムトレイ5Bの空間部12A内側に接触する。
【0046】
このように、フィルムトレイ5A,5Bの空間部12Bにサブモジュール20A,20Bの底面部材24を搭載して、フィルムトレイ5A,5Bをサブモジュール20A,20Bの梱包に用いることができる。その際、フィルムトレイ5Bの空間部12Cは、上下に積み重ねられるサブモジュール20A,20Bの緩衝を取る空間として機能する。したがって、この梱包体では、サブモジュール20A,20Bがフィルムトレイ5Bを介して接触することを防ぐことができ、両者の破損などを防ぐことができる。また、フィルムトレイ5Bの空間部12Dの内部に、サブモジュール20Aの突出部材23を配置しているので、フィルムトレイ5Bとサブモジュール20Aとの積層方向での空間利用効率を高められる。
【0047】
図8(B)はモジュールの梱包体の部分断面図である。
【0048】
モジュールの梱包体では、第1のフィルムトレイ5Aの上方に第1のモジュール30Aを配置する。第1のモジュール30Aの上方に第2のフィルムトレイ5Bを配置する。第2のフィルムトレイ5Bの上方に第2のモジュール30Bを配置する。モジュール30A,30Bは前述のモジュール30と同じ構成である。
【0049】
フィルムトレイ5Aにモジュール30Aが搭載された状態では、モジュール30Aの筐体31がフィルムトレイ5Aの空間部12A内側に接触する。
【0050】
モジュール30Aにフィルムトレイ5Bが搭載された状態では、モジュール30Aの天面部材22の上面がフィルムトレイ5Bの空間部12C下面に接触し、モジュール30Aの突出部材23がフィルムトレイ5Bの空間部12D内側に配置される。
【0051】
フィルムトレイ5Bにモジュール30Bが搭載された状態では、モジュール30Bの筐体31がフィルムトレイ5Bの空間部12A内側に接触する。
【0052】
このように、フィルムトレイ5A,5Bの空間部12Aにモジュール30A,30Bの筐体31を搭載して、フィルムトレイ5A,5Bをモジュール30A,30Bの梱包に用いることができる。その際、フィルムトレイ5Bの空間部12Cは、上下に積み重ねられるモジュール30A,30Bの緩衝を取る空間として機能する。したがって、この梱包体では、モジュール30A,30Bがフィルムトレイ5Bを介して接触することを防ぐことができ、両者の破損などを防ぐことができる。また、フィルムトレイ5Bの空間部12Dの内部に、モジュール30Aの突出部材23を配置しているので、フィルムトレイ5Bとモジュール30Aとの積層方向での空間利用効率を高められる。
【符号の説明】
【0053】
1A…サブモジュール製造工場
1B…モジュール製造工場
1C…最終製品製造工場 2A,2B…梱包体
3…外層箱
4…ビニール袋
5,5A,5B…フィルムトレイ
10A…最上面
10B…最下面
11A,11B,11C,11D,11E,11F,11G…上面
12A,12B,12C,12D…空間部
20,20A,20B…サブモジュール
21…サブ基板
22…天面部材
23…突出部材
24…底面部材
25A,25B…リード線
30,30A,30B…モジュール
31…筐体
32…入出力部
H…物品対搭載室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブモジュールの発送時および前記サブモジュールを組み込んだ構成のモジュールの発送時に共用される輸送トレイであって、
前記輸送トレイは、第1の領域に設けられる第1の凹部、前記第1の領域に含まれる第2の領域に設けられる第2の凹部、および、前記第2の領域に含まれる第3の領域に設けられる第1の凸部、を備え、
前記第1の凹部は、上側に前記サブモジュールが積み重ねられる際に前記サブモジュールが内側に接触する形状であり、
前記第2の凹部は、上側に前記モジュールが積み重ねられる際に前記モジュールが内側に接触する形状であり、
前記第1の凸部は、前記モジュールまたは前記サブモジュールの上側に積み重ねられる際に前記モジュールまたは前記サブモジュールの一部が内側に配置される形状である、
輸送トレイ。
【請求項2】
前記輸送トレイは、前記第3の領域とともに前記第2の領域に含まれる第4の領域に、第3の凹部を備える、請求項1に記載の輸送トレイ。
【請求項3】
前記輸送トレイは、前記第1の凹部と前記第2の凹部と前記第1の凸部との一組を、他の一組と点対称に配置した構成である、請求項1または2に記載の輸送トレイ。
【請求項4】
底面部、前記底面部の上側に配置される天面部、および、前記天面部よりも上側に突出する突出部を備える、サブモジュールおよびモジュールの発送時に、
第1の領域に設けられる第1の凹部、前記第1の領域に含まれる第2の領域に設けられる第2の凹部、および、前記第2の領域に含まれる第3の領域に設けられる第1の凸部、を備える輸送トレイを共用する、発送方法であって、
複数のサブモジュールと複数の輸送トレイとを上下に積み重ねた状態で梱包して構成されたサブモジュールの梱包体が納品されるサブモジュール納品ステップと、
前記サブモジュールの梱包体から取り出した前記サブモジュールを組み込んでモジュールを構成するモジュール組み立てステップと、
複数の前記モジュールと複数の前記輸送トレイとを上下に積み重ねた状態で梱包してモジュールの梱包体を構成するモジュール梱包ステップと、
前記モジュールの梱包体を発送するモジュール発送ステップと、
を有し、
前記サブモジュール納品ステップは、
第1のサブモジュールの前記底面部を第1の輸送トレイの前記第2の凹部の内側に接触させて、第1の輸送トレイに第1のサブモジュールを積み重ね、
第2の輸送トレイの前記第1の凸部の内側に第1のサブモジュールの前記突出部を配置しながら、第2の輸送トレイを第1のサブモジュールの前記天面部に接触させて、第1のサブモジュールに第2の輸送トレイを積み重ね、
第2のサブモジュールの前記底面部を第2の輸送トレイの前記第2の凹部の内側に接触させて、第2の輸送トレイに第2のサブモジュールを積み重ねた状態で、
前記サブモジュールの梱包体が納品され、
前記モジュール梱包ステップは、
第1のモジュールの前記底面部を第1の輸送トレイの前記第1の凹部の内側に接触させて、第1の輸送トレイに第1のモジュールを積み重ね、
第2の輸送トレイの前記第1の凸部の内側に第1のモジュールの前記突出部を配置しながら、第2の輸送トレイを第1のモジュールの前記天面部に接触させて、第1のモジュールに第2の輸送トレイを積み重ね、
第2のモジュールの前記底面部を第2の輸送トレイの前記第1の凹部の内側に接触させて、第2の輸送トレイに第2のモジュールを積み重ねた状態に、
前記モジュールの梱包体を構成する、
発送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−235142(P2010−235142A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84886(P2009−84886)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】