説明

輸送装置の連結装置

本発明は輸送装置の連結を行うための装置、特に、延在された中央部片(10、11)と、輸送装置の隅部ストッパーに係合させるための2つのロック(14、15)と、を具備するツイストロックに関する。両方のロックは、2つのロックが中央部片の長手方向軸線に沿って移動されることを実現するように、中央部片の端部と協働する。本発明によれば、従来の技術水準に対するのと実質的に同じ機械的要求に伴って、前記装置の用途は実質的に中央部片の長さに依存する。中央部分の長さは装置の調節範囲を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送装置の連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
こうした装置はツイストロックと呼称される形態で周知であり、かつ、例えば、コンテナ、開放輸送コンテナ、輸送支持及びクレードル構造等のような輸送装置を共に連結するために使用される。この目的のために、これらのツイストロックはコンテナの対向して配置される隅部取付け具(corner fitments)内に嵌合される。ロック部材は、ロータリーハンドルを中央部分に対して作動させることによって回転される。ロック部材の回転運動によって、これらは対応する隅部取付け具内に係合し、そこからの解放が阻止される。
【0003】
こうした連結は、個々のコンテナが固定的に連結されるが複数のコンテナを備えるブロックを解放可能に与える余裕があるように、水平及び/又は鉛直に隣接するコンテナ間に力による錠止(force-locking)を与える。互いに隣接して並置される関係で常置する連結コンテナは地面に接触するベース領域を増大させ、かつ、かくして、当然ながら、常置の点からコンテナの安定性をも増大させる。しかしながら、輸送装置間での予め定められた間隔に関してのみ、あるいは最高位置に組み立てられたコンテナに関してのみで周知のツイストロックを使用し得ることが理解される。
【0004】
輸送装置間で間隔が異なる場合には、例えば、荷重で固定するために、補強ケーブルで補強固定効果を与えることができる。しかしながら、例えば、まさに、これら自体で、長手方向に複数のコンテナの配置ロケーションを占有する輸送パケット組立体のように、必ずしも常に有用ではないか、あるいは、他の理由のために使用し得ない、対応する当接オプションを前提とすることが特に留意される。
【0005】
従来技術文献は、自身の隅部に中空の隅部取付け具を設けた2つのコンテナから成る堅固な連結用キットを開示する(例えば、特許文献1参照)。別の従来技術文献は輸送装置用連結部材を開示する(例えば、特許文献2参照)。また、別の従来技術文献は、互いに隣接して並置された関係にある輸送コンテナに積み込むための一部を開示する(例えば、特許文献3参照)。さらにまた、別の従来技術文献はコンテナ用連結要素を開示する。なおさらにまた、別の従来技術文献はコンテナ用連結要素を開示する(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】独国特許196 52 817号明細書
【特許文献2】独国特許1 581 134号明細書
【特許文献3】独国特許第196 21 456号公報
【特許文献4】米国特許第4,993,125号明細書
【特許文献5】米国特許3,683,463号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は輸送装置の改善された連結を可能にする装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は請求項1に記載された輸送装置の連結装置によって達成される。
【0008】
従って、輸送装置、特に、輸送装置の隅部取付け具内に係合させるための細長い中央部分及び2つのロック部材を具備する、ツイストロックにおける、連結装置、が提供される。2つのロック部材のそれぞれは、2つのロック部材が中央部分の長手方向軸線に沿って移動可能に構成されるように、中央部分の端部と協働する。
【0009】
この点では、本発明は、従来技術と基本的に等価な機械的要求により、本発明による装置の使用範囲は中央部分の長さに実質的に依存するという認識に基づいている。中央部分の長さは装置の調節範囲を決定する。
【0010】
本発明の実施形態によれば、中央部分は自身の端部の少なくとも1つに雄ネジを具備し、2つのロック部材の少なくとも1つには対応する雌ネジを具備する穴が形成されるので、これにより、中央部分を回転させることによって、中央部分の雄ネジはロック部材の雌ネジと協働し、ロック部材は中央部分の長手方向軸線に沿って移動する。
【0011】
中央部分を回転させることによって、中央部分と協働するロック部材は、回転の方向に依存して、互いに対して離間するか、あるいは互いに接近するように移動する。ロック部材の位置は、かくして、輸送装置の間隔に容易に適合させ得る。
【0012】
本発明の好ましい形状構成では、各ロック部材にレバーが形成される。このように、互いに対するロック部材の間隔は、輸送装置の隅部取付け具の間隔に対応する間隔を有する、中央部分のロータリーハンドルによってこうして調整し得る。ロック部材が自身の予め定められた位置にある場合、従来技術から周知ではあるが、互いに対する輸送装置に対して異なる間隔で、輸送装置と本発明による装置との間で連結がなされるように、各ロック部材が該各ロック部材に取り付けたレバーで回転し得る。
【0013】
更なる形状構成では、この場合における各レバーは、所望ロック位置又は解錠位置内への各ロック部材の特に単純な回転を可能にするために、中央部分の長手方向軸線に対して実質的に直角又は半径方向に取り付けられる。
【0014】
本発明の好ましい形状構成では、少なくとも1つのロック部材に穴が形成される。本発明による装置の中央部分はこの穴を通じて認識し得る。この穴に関する適切な位置決めは、中央部分が依然として穴内に見られる限りにおいては、該中央部分とロック部材との間の連結がとにかく十分であることを保証可能にする。これは、中央部分をロック部材から極端に離して回転させることによって意図しない誤った取付けを防ぐことを可能にする。
【0015】
更なる形状構成は特許請求の範囲の主題である。
【0016】
本発明を図面を参照してより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態によるツイストロックの斜視図を示す。ツイストロックは中央部分10と、中央部分10の2つの端部にそれぞれ配置した2つのロック部材14と、を備える。中央部分10の長手方向軸線に対して半径方向に延在する、それぞれのレバー16が2つのロック部材14に固定される。ロータリーハンドル12は中央部分10に固定される。
【0018】
雄ネジは中央部分10の2つの端部の各々に設けられる。この雄ネジは、2つのロック部材が中央部分10の2つの端部上にねじ込み得る、すなわち、左ネジ及び右ネジが協働するように、ロック部材の各々の穴に形成した雌ネジと協働する。
【0019】
ロータリーハンドルの回転によって、中央部分10は回転し、中央部分10と協働するロック部材14は、回転の方向に依存して、互いに対して離間又は接近するように移動する。ロック部材の位置は、このように、輸送装置の間隔に簡単な態様で適合させ得る。
【0020】
2つのロック部材14上の2つのレバー16は、ロック部材14が輸送装置上の隅部取付け具に対して予め定められた長手方向の位置に位置づける場合に、輸送装置とツイストロックとの間で連結がなされる態様でロック部材を回転させるように働く。中央部分10の長手方向軸線に対するレバー16の直角(垂直)又は半径方向の配置構成はロック部材14の錠止又は解錠目的のための単純な回転運動を可能にする。
【0021】
現在の技術水準でも知られているように、ツイストロックは切り下げた形状構成によって隅部取付け具内に保持される。この目的のために、隅部取付け具は内部が中空であり、かつ少なくとも1つの穴が形成される。この穴の長さはこの穴の幅より大きい。隅部取付け具内に取り付けられるべきロック部材14はこれに匹敵する割合を有している。ロック部材14は、従って、隅部取付け具内に嵌合し得る。
【0022】
ここで、ロック部材14をレバー16によって約90°に亘って回転させる場合、自身の長手方向の範囲は隅部取付け具に形成した開口の幅の方向に延在する。ロック部材14の長手方向の範囲が開口の幅よりも大きい場合、ロック部材14は切下げ形状構成内の隅部取付け具に係合し、かつ、90°に亘る反対の回転運動を第1に実施せずに、もはや、そこから移動し得ない。
【0023】
ロータリーハンドル12は、好ましくは、円筒形状構成をしており、かつ少なくとも1つの端部には雄ネジが形成され、この雄ネジにナットをねじ込み得る。これに応じてロータリーハンドル12を嵌合させるために、ロータリーハンドルが中央部分10に形成された穴を通過し得るように、そして、対応するナットを再びねじ戻し得るように、2つのナットの1つはねじ込まれていない。これは、ロータリーハンドル12を容易に嵌合又は取り外し得ることを与える。
【0024】
図2は、本発明の第2実施形態による、ツイストロックの斜視図を示す。このツイストロックは図1を参照して説明したものと実質的に同じ構成を有する形状構成をしており、かつ自身の2つの端部に2つのロック部材15を具備する中央部分11と、ロータリーハンドル13と、を具備する。第1及び第2実施形態に示すツイストロック間の実質的な差異はそれぞれの中央部分10、11の端部の2つのロック部材の形状構成と、該ロック部材の長さと、にある。
【0025】
ロック部材は、隅部取付け具8に形成した開口の大部分の割合を占める端部プレート15cを具備する。この端部プレートはロック部材15のネジ山部分に幅狭な(narrower limb)リム15bによって連結される。端部プレート15cはロータリーハンドル13に向かう方向、すなわち、リムを越えて、中央部分に向かって、突出する。
【0026】
ロータリーハンドル13の回転によって、ロック部材15は所望位置内に移動し得るものであり、かつ2つの隣接する輸送装置又は容器の隅部取付け具内に嵌合させ得る。それから、2つのロック部材が互いに接近するように、ロータリーハンドル13は移動される。これは。自身の切下げ形状構成における、隅部取付け具内での端部プレートの係合に帰着し、かつ装置と、隅部取付け具と、関連する輸送装置と、の間の力による錠止連結がなされる。
【0027】
しかしながら、ロック部材の外側には、隅部取付け具の端部プレートの切下げ係合部の寸法に実質的に対応する間隙が存在する。ここで、装置の意図しない解放を防ぐために、リム15の方向に、中央部分11に対して直角又は半径方向に移動可能な少なくとも1つの固定プレート17が設けられる。隅部取付け具に形成した開口を、ロック部材の端部プレートの切り下げた関係での係合を少なくともこうした範囲まで塞ぐ固定プレート17は、固定プレート17を引き抜くことなく、すなわち、従って、偶発的に、少なくとも完全に無効にし得ない。
【0028】
図3は、図2のツイストロックの側面図を示す。このロック部材15aには穴19が形成される。本発明による装置の中央部分11はこの穴19を貫通することを認識し得る。
この穴19の適切な位置決めは、中央部分11が依然として見えるか又は穴19内にあると感じられる限りは、中央部分11と、ロック部材15aと、の間の連結が何時如何なる時にも適切であることを保証可能にする。これは、中央部分11がロック部材15aから過度に離れるように回転されることによって、意図的でない誤った取付けを防ぐことを可能にする。
【0029】
ツイストロックの別の実施形態によれば、それぞれの中央部分の2つの端部は雄ネジを具備しないが、それぞれの端部の中央部分には貫通穴が形成される。2つのロック部材の各々は中央部分に貫通穴に実質的に相当するそれぞれの貫通穴が形成される。中央部分の2つの端部における2つの錠止部材間の間隔を変えるために、スパナ(tommy bar)又はロッドはロック部材に形成した開口及び中央部分に形成した貫通穴を貫通し得る。
【0030】
このような実施形態では、2つのロック部材間の間隔の調節が中央部分を回転させることによって達成されない場合に、ロータリーハンドルは必要でない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態によるツイストロックの斜視図を示す。
【図2】本発明の第2実施形態によるツイストロックの斜視図を示す。
【図3】本発明の図2に示すツイストロックの一部の斜視図を示す。
【符号の説明】
【0032】
10 中央部分
11 中央部分
12、13 ロータリーハンドル
14、15 ロック部材
15a ロック部材
15b リム
15c 端部プレート
16 レバー
17 固定プレート
19 穴
20 コンベヤー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送装置、特にツイストロックの連結装置であって、
前記輸送装置の隅部取付け具内に係合させるための細長い中央部分(10、11)及び2つのロック部材(14、15)を備え、
2つの前記ロック部材(14、15)のそれぞれは前記中央部分(10、11)の端部と協働し、これにより、2つの前記ロック部材(14、15)が前記中央部分(10、11)の長手方向軸線に沿って移動可能に構成される装置。
【請求項2】
前記中央部分(10、11)は自身の端部の少なくとも1つに雄ネジを具備し、
2つの前記ロック部材(14、15)の少なくとも1つに対応する雌ネジを具備する穴が形成され、これにより、前記中央部分(10、11)を回転させることによって、該中央部分(10、11)の前記雄ネジは前記ロック部材(14、15)の雌ネジと協働し、かつ、前記ロック部材(15)は前記中央部分(10、11)の長手方向軸線に沿って移動される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記中央部分(10、11)を回転させるためのロータリーハンドル(12、13)を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
各ロック部材(14)にレバー(16)を備える、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記レバー(16)は、前記中央部分(10)の長手方向軸線に対して実質的に半径方向に取り付けられる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
2つのロック部材(14、15)の少なくとも1つに固定プレート(17)を更に備え、
前記固定プレートは前記中央部分(11)の長手方向軸線に関して実質的に半径方向に移動可能である、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項7】
2つの前記ロック部材(14、15)の少なくとも1つに穴(19)が形成される、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−528827(P2007−528827A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502308(P2007−502308)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002675
【国際公開番号】WO2005/087623
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】