説明

農作業機

【課題】モータにより作動する作動部の安全性を考慮したトラクタに装着して農作業を行う農作業機を提供することを目的とする。
【解決手段】トラクタに装着して農作業を行う農作業機において、モータ16の回転により一方の定位置と他方の定位置を移動する作動部と、モータ16を制御する制御部10と、負荷検出手段20とを有し、制御部10は、モータ16が回転中に負荷検出手段20から得られる負荷関連情報からモータ16に一定以上の負荷がかかったと判断した場合にモータ16を逆転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機に関し、特に、モータにより作動する作動部の安全性を考慮したトラクタに装着して農作業を行う農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタに装着して農作業を行う農作業機には様々な作業や機能を実現するため作動部を有している場合が多い。そして、その作動部は、モータにより作動する機構も多く存在する。その一つの例として、代掻き作業機がある。
【0003】
図5は、代掻き作業機の例を示す平面図である。代掻き作業機50は折りたたみ機構を備えており、入力軸51側をトラクタに装着する。トラクタからのPTO動力は入力軸51へ伝えられ、入力軸51からミッションケース58やフレームパイプ59内に有する歯車や軸などの伝動機構に伝達され、さらに、その動力は、カバー52や第1の整地体53の内側に有する代掻き爪を具備した代掻き軸に伝達される。そして、カバー52や第1の整地体53内で代掻き爪(代掻き軸)を回転させながらトラクタを前進させて代掻き作業を行う。代掻き作業機50の後方には、田面を均平にするための第2の整地体60及び延長整地体61を有している。
【0004】
電動油圧シリンダ56は、シリンダを伸ばすことにより、回動機構57を作用させサイド作業部55を上側に折りたたみ、代掻き機50の全幅を短くすることができる。折りたたんだ状態は図8で説明する。
【0005】
カバー52は代掻き爪の上部を覆い、第1の整地体53は代掻き爪の後方側面を覆っており、第1の整地体53の下部には第2の整地体60が第1の整地体53に対して上下に回動可能に連結されている。そして、第1の整地体53で代掻き爪の回転により起こした土をため、第2の整地体60が田面に接しながら前進することで田面を均平にする。一方、第2の整地体60の両側面には、延長整地体61がそれぞれ備えられ、第2の整地体60の両端に設けられた回動支点60aを中心に延長方向に回動可能となっている。延長整地体61を延長させた状態(図5)では、田面の均平作業幅を広くすることができる。また、圃場の端を作業するときは破損しやすい延長整地体61は折りたたんで作業することができる。さらに、非作業時は、延長整地体61を内側に回動させて折りたたんで、移動などで邪魔にならないようにすることができる。
【0006】
図6は、従来の延長整地体移動装置70の例を示す内部正面図(カバーを外した状態)であり、図7は、同じく側面図である。延長整地体移動装置70は、ベース71上に、モータ72と、モータギア73と、ギヤホルダ76と、軸75と、ギア74とを有している。ギア74は、ギヤホルダ76に取り付けられる軸75とともに回転自在に設けられている。内部のモータ72を一方向に回転させることにより、モータギア73を介して、ギア74が回転し、軸75と連動するアーム77を回動させる。これにより、アーム77の先端77aが左右の一方に動き、ワイヤ80を介して延長整地体61を回動支点60aを中心に回動させる。また、モータ72を逆方向に回転させると、アーム77の先端77aが逆に動き延長整地体61は反対方向に回動する。これにより、延長整地体61を延長して使用するか、内側に折りたたみ格納するかを選択することができる。
【0007】
このとき、ギア74は、アーム77の回動が必要な可動角度(図5のθ、例えば160°)のみ歯車の歯74aが切ってある。そのため、ギア74が歯74aの末端まで回転すると、モータギア73がそれ以上回転できなくなる。このとき、モータ72と接続された検知部が過電流等で負荷を感知し、モータ72への電力供給を止める。これにより、アーム77が図6の定位置であるAとBの間を移動して、延長整地体61を左右に回動させて開閉させる。
【0008】
特許文献1には、モータの回転により延長整地体を回動させる農作業機の整地装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−335303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図8は、従来の代掻き作業機の課題の例を説明する正面図である。図8で、代掻き作業機50は、両サイド作業部55を折りたたんだ状態である。このとき、例えば、延長整地体移動装置70を作動させ、延長整地体61を延長させた状態から、格納させた状態に移動させようとすると、アーム77が本体側(例えば、カバー52やフレームパイプ59)に接触する。これは、図8の右側の二点鎖線で示したアーム77で示される。一方、延長整地体61を格納させた状態から、延長させた状態に移動させても、アーム77が本体側(例えば、回動機構57近傍やカバー52)に接触する。これは、図8の左側の二点鎖線で示したアーム77に示される。そして、これらの場合、検知部では負荷を検知してしまうためアーム77はその場で止まることになる。
【0011】
このとき、人の手等が、アーム77と代掻き作業機50の本体の間に挟まると、負荷がかかったままアーム77が停止することになり危険である。また、アーム77を代掻き作業機50に接したまま、他の作動機構である電動油圧シリンダ56を作動させてサイド作業部55を延長させると、アーム77が本体に干渉し大きな破損につながる可能性もある。
【0012】
この他、折りたたみ機構を備えていない代掻き作業機においても、アーム77等が人や障害物に引っかかりその場で停止してしまえば、大怪我や機械の破損につながる可能性が大きい。
【0013】
また、トラクタに装着する他の種類の農作業機においても、モータにより作動する作動部を有する場合、同様の問題が発生する。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みて、モータにより作動する作動部の安全性を考慮したトラクタに装着して農作業を行う農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の農作業機は、トラクタに装着して農作業を行う農作業機において、モータの回転により一方の定位置と他方の定位置を移動する作動部と、モータを制御する制御部と、負荷検出手段とを有し、前記制御部は、前記モータが回転中に前記負荷検出手段から得られる負荷関連情報から前記モータに一定以上の負荷がかかったと判断した場合に前記モータを逆転させることを特徴とする。
【0016】
さらに本発明の農作業機は、位置検出手段を有し、前記制御部は、前記位置検出手段から得られる位置関連情報から前記作動部が移動先の定位置に移動したと判断した場合に前記モータを停止させることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機は、前記モータの逆転量は、あらかじめ定めた一定量であることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機は、前記モータの逆転量は、前記作動部の移動始めの定位置まで戻る量であることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機は、当該農作業機は代掻き作業機であって、田面に接し田面を均平にする整地体と、前記整地体を延長する位置と格納する位置に移動可能に設けられた延長整地体と、前記延長整地体の位置を移動させる延長整地体移動装置を有し、前記モータは、前記延長整地体移動装置を作動させるモータであり、前記作動部は、前記延長整地体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、トラクタに装着して農作業を行う農作業機において、モータにより作動する作動部の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の農作業機が有するモータによる作動部の制御システムのブロック図である。
【図2】本発明の農作業機が有するモータによる作動部の制御システムのフローチャートである。
【図3】代掻き作業機の延長整地体移動装置の第1の例を示す内部正面図である。
【図4】代掻き作業機の延長整地体移動装置の第2の例を示す内部正面図である。
【図5】代掻き作業機の例を示す平面図である。
【図6】従来の延長整地体移動装置の例を示す内部正面図である。
【図7】従来の延長整地体移動装置の例を示す内部側面図である。
【図8】従来の代掻き作業機の課題の例を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態を説明する。例として、従来例で説明した代掻き作業機50に適用する場合も述べている。この場合、従来例で説明した代掻き作業機50と異なる点について説明し、同一の箇所は同一の符号により説明する。
【0020】
図1は、本発明の農作業機が有するモータによる作動部の制御システムのブロック図である。制御システム1は、操作部5と、記憶手段11と演算ユニット12を有する制御ユニット10と、モータ正逆転切換器15と、モータ16(代掻き作業機50ではモータ72に相当)と、負荷検出手段20と、位置検出手段30とを備えている。なお、作動部は、例えば、代掻き作業機50では、アーム77や延長整地体61がそれに相当する。
【0021】
操作部5は、例えば、トラクタ側に配置可能とし、作業者が操作部5のスイッチをONにすることでモータ16による作動部を作動させる。操作部からの操作信号は、有線又は無線のどちらで送信してもよい。例えば、代掻き作業機50であれば、操作部5のスイッチを押して延長整地体移動装置70のモータ72を作動させることにより、遠隔で延長整地体61の開閉を可能とする。
【0022】
記憶手段11は、定位置(図6ではAとBの位置)に関するデータや負荷条件に関する情報を記憶しておく手段であり、例えば、フラッシュメモリやHDD等の記憶デバイスで構成され、農作業機の適した位置に設置可能である。
【0023】
演算ユニット12(演算部)は、操作部5からの操作信号、各検出手段20、30からの情報と、及び、記憶手段11に記憶させた定位置等の情報から、モータ16に対して回転や逆転、停止の指令を出す手段であり、CPU等のデバイスで構成され、農作業機の適した位置に設置可能である。
【0024】
記憶手段11と演算ユニット12は、制御ユニット10(制御部)としてコンパクトな構成とすることができる。
【0025】
モータ正逆転切換器15は、演算ユニット12からの指令をもとにモータ16を正転または逆転、停止させるためのスイッチであり、例えば、リレーやFETで構成され、モータ16の近傍等に設置される。
【0026】
負荷検出手段20は、負荷関連情報を検出し、演算ユニット12へ送る。そして、演算ユニット12では、一定以上の負荷であるか否かを判定する。具体例は後述する。
【0027】
位置検出手段30は、位置関連情報を検出し、演算ユニット12へ送る。そして、演算ユニット12では、定位置であるか否かを判定する。具体例は後述する。
【0028】
図2は、本発明の農作業機が有するモータによる作動部の制御システム1のフローチャートである。
【0029】
作業者は、モータ16を有する作動部を作動させるため、操作部5の所定のスイッチを押す。すると、操作部5からの操作情報を受け取った演算ユニット12はモータ16に対して回転指令をだし、モータ16が回転する(S101)。このとき、負荷検出手段20は、演算ユニット12に負荷関連情報を送って、この負荷関連情報に基づき演算ユニット12が作動部に一定以上の負荷(異常負荷)がかかっているか否かを判定する(S102)。
【0030】
S102で異常負荷と判定した場合は、演算ユニット12はモータの逆転指令を出し、モータ16を逆転させる(S103)。そして、演算ユニット12は指定の逆転量か否かを判定し(S105)、指定逆転量に達しない場合は引き続きモータ16を逆転させ、指定逆転量に達した場合はモータの逆転を停止させる(S107)。
【0031】
指定逆転量は、例えば、作動部を一定量戻す逆転量とすることができる。この場合は、例えば、人の手や障害物により負荷を検出した場合は、一定量戻すことで、引っかかりをなくし手や障害物を取り除くことができる。さらに、操作部5のスイッチを押すなどして再作動させる場合は、逆転量が少ないため無駄な時間を短縮できる。この一定量は、記憶手段11に記憶させておけばよい。
【0032】
また、指定逆転量は、例えば、作動部が移動し始めた定位置まで戻す逆転量としてもよい。この場合は、従来例で説明した、他の作動機構(代掻き作業機50であるならば、電動油圧シリンダ56によるサイド作業部55を作動させる機構)を作動させるときの干渉の問題も解決する。この場合の制御としては、位置検出手段30により、はじめの定位置を検知するまで戻すようにすることができる。
【0033】
S102で異常負荷でないと判定した場合は、次に、演算ユニット12は位置検出手段30から送られる位置関連情報をもとに、モータ16による作動部が移動先の定位置か否かを判定する(S104)。定位置と判定した場合は、演算ユニット12からモータ16へモータの停止命令を出し、モータ16を停止させる(S106)。一方、定位置でない場合は、モータの回転指令により引き続きモータ16を回転させる。定位置の情報は、記憶手段11に記憶させておけばよい。
【0034】
このようにすることで、途中で負荷を感じた場合は、モータ16を逆転させ、作動部が定位置まで移動した場合は、モータ16を停止させることができ、定位置でモータ16が逆転してしまうことはない。
【0035】
なお、演算ユニット12では、作動部が定位置と判定している場合のみ、他の作動機構を作動させるようにしてもよい。これにより、作動部が途中で止まったまま、他の作動機構が動き、機器が破損することを防止できる。
【0036】
以下に、負荷検出手段20と位置検出手段30の具体例を述べる。
【0037】
〈負荷検出手段20の第1の具体例〉
負荷検出手段20の第1の具体例は、負荷検出手段20が、ポテンショメータの場合である。ポテンショメータは、移動により変化する可変抵抗の電圧を測定する等して現在の位置や角度が分かるようになっている。このポテンショメータを作動部などに設置し、このポテンショメータからの情報を負荷関連情報として得る。そして、演算ユニット12では、この情報から、時間当たりの位置の変化を算出し、演算ユニット12が指令しているモータ16の通常の回転から得られる値を比較する。そして、これらの差が一定以上の場合は、モータ16に負荷がかかっているとして異常負荷と判定する。
【0038】
図3は、代掻き作業機50における延長整地体移動装置70’の第1の具体例を示す内部正面図である。ポテンショメータ86は、アーム77と連動するギア74の部分に設け、回転位置を検出することを可能としている。
【0039】
〈負荷検出手段20の第2の具体例〉
負荷検出手段20の第2の具体例は、負荷検出手段20が、回転センサの場合である。回転センサは、例えば、回転によるパルスを測定して回転数などを測定する。この回転センサをモータ16の出力側に設置し、この回転センサからの情報を負荷関連情報として得る。そして、演算ユニット12では、この情報から、パルス(回転)の状態を検知し、演算ユニット12が指令しているモータ16の通常の回転から得られる値と比較する。そして、パルスの間隔が延び、回転の差が一定以上と判断した場合(すなわち、モータ16の回転数が指令の回転より一定以上落ちている場合)は、モータ16に負荷がかかっているとして異常負荷と判定する(S102)。
【0040】
図4は、代掻き作業機50における延長整地体移動装置70’’の第2の具体例を示す内部正面図である。回転センサ87(パルスセンサ)は、モータ72の出力部分に設け、回転を検出することを可能としている。
【0041】
〈負荷検出手段20の第3の具体例〉
負荷検出手段20の第3の具体例は、負荷検出手段20が、ストロークセンサの場合である。ストロークセンサは、ストローク量を測定できるセンサであり、このストロークセンサをモータ16による作動部などの移動する部分に設置し、このストロークセンサからの情報を負荷関連情報として得る。そして、演算ユニット12では、この情報から、時間当たりの位置の変化を算出し、演算ユニット12が指令しているモータ16の通常の回転から得られる値と比較する。そして、これらの差が一定以上の場合は、モータ16に負荷がかかり回転していないとして異常負荷と判定する(S102)。
【0042】
〈負荷検出手段20の第4の具体例〉
負荷検出手段20の第4の具体例は、負荷検出手段20が、電流検出手段の場合である。電流検出手段は、モータ16に流れる電流値を測定する。そして、この電流検出手段からの情報を負荷関連情報として得る。モータ16に負荷がかかり回転が遅くなる又は停止すると過電流が流れる。そのため、演算ユニット12では、電流検出手段からの電流値が一定以上の場合、モータ16に負荷がかかっているとして異常負荷と判定する(S102)。この電流検出手段の場合、時間ごとの変化により判断する、上記〈負荷検出手段20の第1〜第3の具体例〉と異なり、瞬時に過負荷であることを検知できる利点がある。そのため、上記〈負荷検出手段20の第1〜第3の具体例〉と併用して、検出精度を上げることも可能である。
【0043】
〈位置検出手段30の第1の具体例〉
位置検出手段30の第1の具体例は、位置検出手段30が、ポテンショメータの場合である。このポテンショメータを作動部などに設置し、このポテンショメータからの情報を位置関連情報として得る。そして、演算ユニット12では、この情報と、記憶手段11に記憶してある定位置の情報を比較し、作動部が定位置(の範囲内)であるか否かを判断する(S104)。なお、このポテンショメータは、〈負荷検出手段20の第1の具体例〉のポテンショメータと供用することができ、コストを抑えることができる。
【0044】
〈位置検出手段30の第2の具体例〉
位置検出手段30の第2の具体例は、位置検出手段30が、回転センサの場合である。この回転センサをモータ16の出力側に設置し、この回転センサからの情報を位置関連情報として得る。そして、演算ユニット12では、この情報から、出力パルスの数(合計回転数)をカウントし、その値から、現在の位置を算出する。そして、演算ユニット12では、この情報と、記憶手段11に記憶してある定位置の情報を比較し、作動部が定位置(の範囲内)であるか否かを判断する(S104)。なお、この回転センサは、〈負荷検出手段20の第2の具体例〉の回転センサと供用することができ、コストを抑えることができる。
【0045】
〈位置検出手段30の第3の具体例〉
位置検出手段30の第3の具体例は、位置検出手段30が、リミットスイッチの場合である。リミットスイッチは、スイッチがONになるとその情報が演算ユニット12に伝達される。このリミットスイッチを作動部の各定位置でONとなるように設置し、リミットスイッチからの情報を位置関連情報として得る。そして、演算ユニット12では、リミットスイッチがONとなった場合、作動部が定位置(の範囲内)であると判断する(S104)。例えば、図6であれば、リミットスイッチは、アーム77がAとBの位置にあるときONとなるように設置する。
【0046】
〈位置検出手段30の第4の具体例〉
位置検出手段30の第4の具体例は、位置検出手段30が、ストロークセンサの場合である。このストロークセンサを作動部などに設置し、このストロークセンサからの情報を位置関連情報として得る。そして、演算ユニット12では、この情報と、記憶手段11に記憶してある定位置の情報を比較し、作動部が定位置(の範囲内)であるか否かを判断する(S104)。なお、このストロークセンサは、〈負荷検出手段20の第3の具体例〉のストロークセンサと供用することができ、コストを抑えることができる。
【0047】
以上の実施形態では、モータ16の例として延長整地体移動装置のモータ72を示したが、これ以外の例として、代掻き作業機50における電動油圧シリンダ56に替えて伝動機構によりサイド作業部55を上下動させるためのモータにも適用できる。さらに、モータ16はボールねじ等を介して作動する(油圧を使用しない)電動シリンダ内のモータであっても適用できる。シリンダ等を使用する場合は、ストロークセンサを用いてシリンダのストロークを検出してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 制御システム
5 操作部
10 制御ユニット
11 記憶手段
12 演算ユニット
15 モータ正逆転切換器
16 モータ
20 負荷検出手段
30 位置検出手段
50 代掻き作業機
53 第1の整地体
55 サイド作業部
56 電動油圧シリンダ
57 回動機構
60 第2の整地体
61 延長整地体
70、70’、70’’ 延長整地体移動装置
72 モータ
74 ギア
74a 歯
77 アーム
80 ワイヤ
86 ポテンショメータ
87 回転センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに装着して農作業を行う農作業機において、
モータの回転により一方の定位置と他方の定位置を移動する作動部と、モータを制御する制御部と、負荷検出手段とを有し、
前記制御部は、前記モータが回転中に前記負荷検出手段から得られる負荷関連情報から前記モータに一定以上の負荷がかかったと判断した場合に前記モータを逆転させることを特徴とする農作業機。
【請求項2】
請求項1に記載の農作業機において、
位置検出手段を有し、前記制御部は、前記位置検出手段から得られる位置関連情報から前記作動部が移動先の定位置に移動したと判断した場合に前記モータを停止させることを特徴とする農作業機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の農作業機において、
前記モータの逆転量は、あらかじめ定めた一定量であることを特徴とする農作業機。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の農作業機において、
前記モータの逆転量は、前記作動部の移動始めの定位置まで戻る量であることを特徴とする農作業機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の農作業機において、
当該農作業機は代掻き作業機であって、田面に接し田面を均平にする整地体と、前記整地体を延長する位置と格納する位置に移動可能に設けられた延長整地体と、前記延長整地体の位置を移動させる延長整地体移動装置を有し、
前記モータは、前記延長整地体移動装置を作動させるモータであり、前記作動部は、前記延長整地体であることを特徴とする農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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