説明

農業用ハウスの温度調整システム

【課題】 二重張り農業用ハウスについて、夏季高温時等でもハウス内温度を常時植物育成温湿度に維持する農業用ハウスの温度調整システムを提供する。
【解決手段】
間隔を開けて内被体と外被体とをアーチ状に二重に張設した二重張り農業用ハウスの温度調整システムであり、内被体の一部を開閉する内被開閉装置と、外被体の一部を開閉する外被開閉装置と、を有する。さらに、内外被体のそれぞれの一部の開閉を行ないつつ必要に応じて内被体内の空気であって内外被体を法線方向貫通状に直通排気させる直通排気手段を有する。二重張りハウス内の天井部分の温熱溜まりを短時間で解消し、ハウス内空調効率の向上と異常高温時の育成植物の保護を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用ハウスの温度調整システムに係り、特に、被覆フィルムを内外アーチ状に二重張りした農業用ハウスの温度調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるビニールハウスあるいは農業用ハウスと呼ばれる植物栽培用建物が知られており、温湿度を含む空調管理の下で例えば、野菜、果物、花等が育成される。農業用ハウスは、一般的には木材又は鋼材を躯体とし、合成樹脂のフィルムで外壁を被覆した農業用の小屋であり、被覆材料には、農業用ポリ塩化ビニルフィルム(農ビ)が使われることが多い。さらに、農業用ハウスの躯体として、あらかじめ湾曲させたパイプや鋼材を組み付けてアーチを構成し、このアーチを奥行き方向に延長したものが基本的な骨組みとなり、必要に応じて筋交いなどで補強されたものが知られている。近時、アーチ状の被覆フィルムの内側に間隔をあけて小型の被覆フィルムを設置した二重張り構造の農業用ハウスが公知であり、内外被覆フィルムの間隙の空気層を断熱層として外部の気候変動を緩衝しつつ内側の被覆フィルム内のかまぼこ状空間をハウス内空間として植物育成を行なわせるものが普及しつつある。二重張り構造の農業用ハウスは断熱層空間と保温空間とで冬季や寒冷時等での高い保温機能を有する点で優れる一方、夏季、高温時等では図10に示すように内側フィルム91の頂部付近やその周辺、断熱層空間96での外側フィルム92の頂部内側付近からその周辺部分では、加温あるいは加熱された空気の熱溜まり93が生じ、排気されることなく滞留するために夏季高温時等ではハウス内が異常高温となり、育成植物に深刻なダメージを与えるおそれがあった。特に、二重張り構造の農業用ハウスでは、内側フィルムについてはフィルム開閉装置によるある程度大きな開口となる開閉範囲J−Jを確保できるものの、外側フィルムについては強風、突風、台風等の被害に耐える強度保持や降雨時の短時閉鎖復帰のために開閉範囲K−Kを狭くせざるを得ず、このため、断熱層に広範囲の熱だまりが生じ、さらにこのために内側フィルム内空間においても広がりのある熱溜まり域が生じ、冷房効率を著しく低下させたり、あるいは育成植物そのものに被害を生じさせる問題があった。さらには、近時の地球温暖化傾向が強まるなか、ハウス内の熱溜まり解消は早期の対応が望まれる問題であった。従来、二重張り構造の農業用ハウスについて特許文献1の提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−74355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は内外二重壁のビニールハウスの断熱構造について、二重壁間に温風を流通させて断熱気膜を構成するものが開示されているが、この構造においても内壁の内側の熱だまりは解消できないばかりか、ビニールフィルムの一部を開閉させる開閉装置の設置もないために、植物育成空間の内壁の内側空間内が異常高温となり良好な植物育成環境を提供することは困難であった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、二重張り農業用ハウスについて、ハウス内空気を直接に外被体の外部に排気させることによりハウス内の天井部分の温熱溜まりを短時間で解消し、ハウス内空調効率の向上と異常高温時の保護を行なえる農業用ハウスの温度調整システムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、熱溜まりの直接排気機能に加えて内被体の内側の天井部分に滞留しやすい加温空気を地面側に供給して冬季や寒冷時の加温効率を向上させ得る農業用ハウスの温度調整システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、間隔Hを開けて内被体10と外被体12とをアーチ状に二重に張設した二重張り農業用ハウスの温度調整システムであり、内被体10の一部を開閉する内被開閉装置14と、外被体12の一部を開閉する外被開閉装置16と、を有し、内外被体10,12のそれぞれの一部の開閉を行ないつつ必要に応じて内被体10内の空気であって内外被体10,12を法線N方向貫通状に直通排気させる直通排気手段(8)を有することを特徴とする農業用ハウスの温度調整システムから構成される。二重張り農業用ハウスの本体構造は種々の形態があり得る。外形形状は完全な円弧形状でなく、山形形状のものも含む。また、内外の被覆体の形状は一方が山形で他方がアーチ形状などの組み合わせとしてもよい。本発明の農業用ハウスの温度調整システムは、それを構成する要素の性質から農業用ハウスの温度調整装置としても構成し得る。
【0007】
その際、直通排気手段(8)は、内被体10の内側に設けられ内被体アーチ面の法線N方向に向けて空気を吹き出す送風機42と、外被体12の固定被い部122に取り付けられ送風機42からの風を通過させる天窓開口62を開閉する天窓開口開閉装置60と、を含むとよい。天窓開口開閉装置60は断熱空間により離隔配置された送風機の風を効率よく受け得る位置に位置合わせされて設置されるとよく、例えば円形の送風機からの流路を設定するとその中心線上に天窓開口開閉装置60側の例えば円形流路の中心が位置するように設置されるのが理想的である。しかし、ある程度それらの中心からそれた位置であっても直接に送風機からの風を受けて通過させ外部に直通排気させうる位置であればよい。天窓開口開閉装置は外被体に形成した天窓開口を開閉する機能を有すればよいが、降雨時の断熱空間側への降り込みを防止するためには開口より広い蓋部材を有し、開口に対して法線方向(上下方向)に移動しつつ開閉する構造であるのが好ましい。送風機はその設置場所周辺の空気を吸い込んで一方向に吹き出させる指向性のある構造の送風機であるとよい。送風機による風速、風量は大きいほうが内被体内の温熱空気の直通排気機能に資するが、すくなくとも送風機からの風が断熱空間を経由して直接に天窓開口開閉装置60から排気される機能を有すればよい。
【0008】
また、送風機42と天窓開口開閉装置60はそれぞれ内外被体10,12のアーチ頂部又はアーチ頂部近傍に設置されているとよく、それぞれの被覆部材の内側天井部分において滞留して高温化した空気を直接に外部に排気させることができ、ハウス内の天井部分の温熱溜まりを短時間で解消し、異常高温時の保護を確実に行なえる。
【0009】
また、送風機42は、円筒ケース46と円筒ケース内に回転羽根48を設け天窓開口開閉装置60の流路61開口に向けて直接に風を送風させる指向形軸流ファンからなるとよい。遠心ファンを用いることもできるが、指向形軸流ファンとすることで、簡単な構造でしかも軽負荷であり同時に指向性のある風を吹き出させる機能を行える。
【0010】
また、内外被体10,12の法線N方向に見て送風機42のケース46円形と天窓開口62とが少なくとも一部で重複するように送風機42と天窓開口開閉装置60とが位置を決められて取り付けられているとよい。
【0011】
また、天窓開口開閉装置60は、法線N方向に沿って上下動方向に移動し上から覆蓋状に流路61開口を開閉する蓋部材68を有するとよく、雨よけと共に内被体側からの直通排気機能を同時に行える。
【0012】
また、送風機42は、正逆回転式送風機からなり、外向き法線方向に風を吹き出して天窓開口開閉装置60の天窓開口62から直接に内被体10内側の高ハウス内温度空気を外部に排気する状態と、内向き法線方向に風を吹き出して地面側に向けて流す状態と、に選択駆動させるとなおよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の農業用ハウスの温度調整システムによれば、間隔を開けて内被体と外被体とをアーチ状に二重に張設した二重張り農業用ハウスの温度調整システムであり、内被体の一部を開閉する内被開閉装置と、外被体の一部を開閉する外被開閉装置と、を有し、内外被体のそれぞれの一部の開閉を行ないつつ必要に応じて内被体内の空気であって内外被体を法線方向貫通状に直通排気させる直通排気手段を有する構成であるから、内外二重張り農業用ハウスの内側のハウス内空気を直接に外被体の外部に排気させる結果、ハウス内の天井部分の温熱溜まりを短時間で解消し、ハウス内空調効率を向上させることができる。また、ハウス内の高温域の空気を直接に外部排気できるから、急激なハウス内温度上昇による異常高温化を防止し、育成植物の保護を図ることができる。
【0014】
また、直通排気手段は、内被体の内側に設けられ内被体アーチ面の法線方向に向けて空気を吹き出す送風機と、外被体の固定被い部に取り付けられ送風機からの風を通過させる天窓開口を開閉する天窓開口開閉装置と、を含む構成とすることにより、内外二重張り被覆フィルムタイプの農業用ハウスについて内被体内側の温熱空気の直接排気をそれぞれの内外被開閉装置による内外被体の開閉を行いつつ具体的に実現することができる。また、ハウス内温熱空気の吸入吹き出し側と外部空間への排気側とでそれぞれに機能を行う装置を2個設置し、断熱空間を介して空間連結させることで、装置の小型、軽量化、低コスト化を図れ農業用ハウスの屋根部分に具体的に搭載設置することができる。さらに、天窓開口開閉装置による外部への排気時に断熱空間内の滞留温熱空気も巻き込んで同時に排気するから、ハウス内温度全体の換気を短時間で高効率に行える。
【0015】
また、送風機と天窓開口開閉装置はそれぞれ内外被体のアーチ頂部又はアーチ頂部近傍に設置された構成とすることにより、内被体の内側並びに断熱空間においてそれぞれの天井部分に近い部分で滞留しやすい高温空気やそれらの周辺空気を効率よく直通排気させ得る。
【0016】
また、送風機は、円筒ケースと円筒ケース内に回転羽根を設け天窓開口開閉装置の流路開口に向けて直接に風を送風させる指向形軸流ファンからなる構成であるから、簡単な構造でしかも軽負荷であり同時に天窓開口開閉装置に向けて直接に送風させ指向性のある風を吹き出させることが可能である。
【0017】
また、内外被体の法線方向に見て送風機のケース円形と天窓開口とが少なくとも一部で重複するように送風機と天窓開口開閉装置とが位置を決められて取り付けられた構成とすることにより、内被体の内側の送風機から離隔して配置された天窓開口開閉装置に向けて内被体内あるいは断熱空気層の温熱空気を確実に送風させることができる。
【0018】
また、天窓開口開閉装置は、法線方向に沿って上下動方向に移動し上から覆蓋状に流路開口を開閉する蓋部材を有する構成であるから、通常は上下方向に落下する雨の雨よけと共に内被体側からの指向性を有する温熱空気直通排気機能を同時に行える。
【0019】
また、送風機42は、正逆回転式送風機からなり、外向き法線方向に風を吹き出して天窓開口開閉装置60の天窓開口62から直接に内被体10内側の高ハウス内温度空気を外部に排気する状態と、内向き法線方向に風を吹き出して地面側に向けて流す状態と、に選択駆動させる構成であるから、内外二重張り農業用ハウスの内側のハウス内空気を直接に外被体の外部に排気させる機能とともに、夜間や冬季において大気気温の低下時に積極的にハウス内空間の暖房を行う必要がある場合や、保温機能の強化を行う場合に微風暖気運転と対流によるハウス内全体の保温機能強化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる農業用ハウスの温度調整システムの要部縦断面説明図である。
【図2】図1の装置の内外被開閉装置を省略して示した要部斜視説明図である。
【図3】内被体の内側から斜めに見上げた図1の装置の要部斜視見上げ図である。
【図4】送風機の下方から内外被体の法線方向に見上げた拡大説明図である。
【図5】図1の装置の昼間時作用説明図である。
【図6】図1の装置の夜間時作用説明図である。
【図7】第1実施形態にかかる農業用ハウスの温度調整システムの昼間時の動作を示すフロー図である。
【図8】第1実施形態にかかる農業用ハウスの温度調整システムの夜間時の動作を示すフロー図である。
【図9】第1実施形態にかかる農業用ハウスの温度調整システムの動作の流れを表にして示す流れ表図である。
【図10】従来の二重張り農業用ハウスによる熱溜まり状態を示す縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下添付図面を参照しつつ本発明の農業用ハウスの温度調整システムの実施形態について説明する。本発明の農業用ハウスの温度調整システムは、いわゆる合成樹脂製被覆フィルムやガラスその他の透明薄板部材などの被い体を二重のアーチ状に構成し、その内外被い体のうちの内被体の内側を植物栽培空間とする二重張り構造の農業用ハウスについての温度調整システムである。
【0022】
図1ないし図4は、本発明の実施形態に係る農業用ハウスの温度調整システムを示しており、この農業用ハウスの温度調整システムは、例えば図2に示すように、1棟の大きさが例えば短辺サイズを6メートル、長辺サイズを50メートル程度とする蒲鉾状の一方向に長い躯体を短辺方向に5連棟に連結して構成するような農業用ハウスに設置される。図2ではそのうちの主に1棟の端部側の一部を上方から斜めに見下ろした状態の斜視図として示されている。
【0023】
本実施形態の農業用ハウスの温度調整システムは、図1、図2において、アーチ状に二重に張設した内被体10と、外被体12と、内被開閉装置14と、外被開閉装置16と、直通排気装置8と、を備えている。図において、数メートル間隔で複数のコンクリート製土台20が農業用ハウスの設置区画地面に固定設置され、これらに支持されて角材やパイプ材鋼管等からなる支柱22が立設され、それらの支柱22の上部に例えば鋼製材などを組み付けた複数のアーチ部材24が奥行き方向に配置されて骨格枠26が構築されている。複数のアーチ部材24が奥行き方向に並列配置され、組み合わされて外側のアーチ状立体枠30とその内側に二重アーチとなるように内側のアーチ状立体枠28とを形成する。なお、図示しない補強筋や梁部材などがこれらのアーチ部材に連結されて補強機能を行なっている。
【0024】
外側のアーチ状立体枠30には外被体12が被着されるとともに、内側のアーチ状立体枠28には内被体10が被着されている。また、骨格枠26の長手方向両端部側並びに最外側の棟のハウスの側面側にもそれぞれ端部被覆部32、32、側部被覆部34、34が設置されてハウス内部空間を閉鎖している。内被体10と被覆部32、34とで閉鎖される空間がハウス内空間300であり、地面側に畝や栽培区画を直接に設備したり、育成箱や栽培施設が設置された植物育成空間とされる。また、内被体と外被体とは例えば1メートル程度の間隔Hを開けて張架されており、これら内外被体10、12に挟まれた空間が断熱空間200とされてハウス外部の天候の直接の影響を緩衝する。
【0025】
内被体10は、便宜的・一般的にビニールハウスと総称されるものにおける被覆手段であり、透光性素材から構成されて太陽光を透過させ植物の生命作用維持とともに温熱を受容し、さらに自然の天候変動などから育成植物を保護する。実施形態において、内被体10は、例えばポリ塩化ビニルフィルムや、農業用ポリオレフィン系フィルムさらには、フッ素樹脂製硬質フィルムなどの合成樹脂フィルムからなる被覆部材を含む。内被体10は例えばアクリル樹脂などの硬質合成樹脂やガラス素材等の硬質透光部材と、可撓性の軟質合成樹脂フィルムと、を組み合わせた複合被覆体で構成される場合もある。本実施形態において、内被体10は、育成空間300を固定的に被う固定被い部102と、可動被い部103と、を含み、固定被い部102並びに可動被い部103が軟質合成樹脂フィルムから形成されている。可動被い部103は、後述する内被開閉装置14の一部を構成する。図1に示すように、内被体10の固定被い部102(太線で示す円弧形状部分)は、円弧形状の頂部及びその近傍に短い円弧範囲Siについて取り付けられており、そのぶん可動被い部103の可動開閉範囲Miが大きくあるいは広く形成されている。すなわち、可動被い部103の全開状態で十分な量の空気の交換が可能なようになっている。内被体10は内側アーチ状立体枠28に支持されて円弧状に架設され、植物の育成空間(ハウス内空間)300を直接に閉鎖する。断熱空間200が外部の天候の緩衝機能を行なうのに対し、ハウス内空間300が育成植物の主に保温機能を行なう。
【0026】
外被体12は、内被体10と同様の軟質あるいは硬質の合成樹脂素材、その他の透光性素材で形成され内被体と二重となるようにアーチ状あるいは円弧状に張架されて特有の機能を行なう被覆手段であり、上述したように内被体と二重張りとして一体にハウスに設けられて植物の育成、保護機能を行なう。外被体12は内被体10の外側に間隔を開けて内被体と略同様の曲率の円弧形状で架設されており、その外面側は外部空間に直接に面しているとともに、内面側は内被体10の外面に対面してその中間部分に断熱空間200を形成している。本実施形態において、外被体12も、内被体10の離隔外側空間を固定的に被う固定被い部122と、可動被い部123と、を含み、両者は軟質合成樹脂フィルムから形成されている。可動被い部123は、後述する外被開閉装置16の一部を構成する。外被体12の固定被い部122は、円弧形状の頂部から左右に大きく範囲を確保して円弧部分の例えば70%〜80%程度の大きなあるいは広範な円弧範囲Stについて取り付けられており、そのぶん可動被い部123の可動開閉範囲Mtが小さくあるいは狭く形成されている。外被体12は防雨や強風、突風、台風などにより簡単に破損したり、離脱しないように強度や可動被い部の短時間復帰を確保する必要があり、そのため、固定被い部122の被覆範囲を大きく、可動被い部123の可動開閉範囲を小さくしている。
【0027】
内被開閉装置14は、内被体10の両側部側、あるいは隣接する農業用ハウスの谷部寄り側の内被体部分をハウスの長手方向に沿って長い開口を形成するように開放し、かつ閉鎖する内被体である円弧状被覆部の一部開閉装置であり、立体円弧状の円弧両端部分から被覆フィルムの可動被い部103の一端を巻き付けた可撓伸縮性芯材を回転駆動させて可動被い部103を巻き上げ、巻き戻し自在に移動させて内被体10の大きめの可動範囲を開閉する。すなわち、実施形態において、内被開閉装置14は、駆動モータ36、36と、駆動モータに連結された軸杆に一端を連結され可動被い部103を巻き上げ、巻き戻し自在に支持する可撓伸縮性の巻き取り杆38、38と、巻き取り杆38に巻き取り、巻き戻し自在に巻き取られる可動被い部103,103と、を含む公知の開閉装置から構成される。内被開閉装置14は、内被体の一部を開閉させて開口を形成した状態で内外換気を行い、育成する植物に対して外被開閉装置16と協働して温度、湿度等の条件を最適の状態に保持させる。
【0028】
外被開閉装置16は、外被体12の両側部側、あるいは隣接する農業用ハウスの谷部寄り側の外被体部分をハウスの長手方向に沿って長い開口を形成するように開放し、かつ閉鎖する外被体である円弧状被覆部の一部開閉装置であり、立体円弧状の円弧両端部分から軟質合成樹脂製の可動被い部123を巻き上げ、巻き戻し自在に駆動させて外被体12の小さい可動範囲を開閉する。すなわち、実施形態において、外被開閉装置16は、内被開閉と兼用の駆動モータ36、36と、駆動モータに連結された軸杆に一端を連結され可動被い部123を巻き上げ、巻き戻し自在に支持する可撓伸縮性の巻き取り杆40、40と、可撓巻き取り杆40に巻き取り、巻き戻し自在に巻き取られる可動被い部123と、を含む公知の開閉装置から構成される。外被開閉装置16は、外被体12の一部を開閉させて開口を形成した状態で内外換気を行い、育成する植物に対して内被開閉装置14と協働して温度、湿度等の条件を最適の状態に保持させる。
【0029】
本実施形態において、一つの特徴的なことは、内外二重張り農業用ハウスにおいて、必要に応じて内被体の内部、つまり、ハウス内空間300の頂部近傍の内被体壁面近傍に分布する熱溜り空気を直接に外部に直通排気させる直通排気手段を設けたことである。すなわち、図1ないし図3において、内被体10の内側と外被体12とには中間の断熱層空間により連結された直通排気装置8が設けられている。直通排気装置8は、内外被体10,12のそれぞれの一部の開閉を行ないつつ必要に応じて内被体10内の空気であって内外被体10,12を法線方向貫通状に直通排気させる直通排気手段であり、内被体10の内側に設置されて排風機能を行う第1装置と、外被体に貫通状に設置されて外被体の天窓開口を開閉する機能を行う第2装置と、を有し、これらは中間の断熱空間を介して空気的に連結されている。すなわち、第1装置の排風駆動による空気流が直接に第2装置の天窓開口に到達し通過して外部に排出される位置にこれら第1、第2装置が設置される。
【0030】
本実施形態において、直通排気装置8の第1装置は、送風機42で構成されるとともに、第2装置は、天窓開口開閉装置60から構成されている。送風機42は、内被体10の内側に設けられ内被体のアーチ面ないしは円弧面の法線方向に向けてハウス内空間300の空気を吹き出すハウス内空気の排気駆動手段であり、実施形態において、内被体10のアーチ頂部又はその近傍に設置されてハウス内空間で最も高温域となる部分近くの空気を直接に排気させる。図1において、送風機42は、複数のアーチ部材24のいくつかに例えばワイヤなどの吊支部材44に吊支されて本体が内被体10の内側空間内に設置されている。本実施形態において、送風機42は、内外被体の法線方向に向けて空気を吹き出すものであり、したがって、内被開閉装置14の可動被い部103が巻き取られて最大開放位置に巻き取り杆38が位置するときに送風機の吹き出し空気流が可動被い部103により遮られない位置に設置されている。送風機の内被体内部での取り付け位置については可動被い部の最大巻き取り位置の隣接位置でなく巻き取り移動範囲の途中位置であってもよく、要は送風機の設置位置を越えて内被体の可動巻上げ開放位置が設定された構成とすればよい。さらに、実施形態において、送風機42は、図1、図3に示すように、円筒ケース46と円筒ケース内に回転羽根48を設け天窓開口開閉装置60の天窓開口62、すなわち詳細には天窓開口に取り付けた天窓開口開閉装置60の流路61の開口に向けて直接に風を送風させる指向形軸流ファンから構成されている。送風機42には図示しない正逆駆動モータが設置されて、回転羽根48を正逆回転させる。図に示すように、送風機42の円筒ケース46は、その円筒軸心が内被体の円弧面への円筒ケースの投影部分の法線と略一致するように位置合わせされて送風機42が吊支固定されている。円筒ケースは両端を開放したある程度の長さを有する中空の直円筒部材からなり、プロペラ羽根により生成した軸流空気を直線状に送風案内する機能を有している。この送風機42により駆動されて送風される空気は直線状に流れる指向性を付与されており、したがって、該送風機42を昼間時等に正転駆動することにより、内被体10内の天井側の温熱空気は吸引されて断熱空間200を通り直接に天窓開口開閉装置60の流路開口を通流し外部へ排気される。
【0031】
直通排気装置8の第1装置としての送風機42は、夜間時等に逆回転駆動することにより内被体10内の天井付近の温熱空気を地面側に送風しハウス内空間300内で上下方向に循環する対流を生じさせる。このとき、植物側に風を吹きつけることになるので、微風による送風を行なわせるのが好ましい。
【0032】
図1ないし図3において、直通排気装置8の第2装置としての天窓開口開閉装置60は、内被体内側に設置された第1装置としての送風機42と協働して内被体10内の温熱空気を内外被体法線方向貫通状に直通排気させる直通排気手段の一構成要素であり、具体的には、外被体12の固定被い部122の頂部寄り位置であって、送風機42の円筒ケースの取り付け位置での(円筒)軸線Fと同軸ないしは略同軸である軸線対応位置に中心ないしは中央位置を有して形成された天窓開口62を貫通して設置されている。詳しくは、図4に示すように、内外被体10、12あるいはそれらの一部範囲の法線N方向に見て送風機42のケース円形と天窓開口62とが少なくとも一部で重複するように送風機42と天窓開口開閉装置60とが位置を決められて取り付けられている。したがって、送風機42から吹き出される空気は直接に天窓開口開閉装置60の流路開口を通過し外部に排気される。そして、天窓開口開閉装置60は外被体12から一部を貫通突出する状態で複数のアーチ部材24を介して安定的に外被体12の頂部付近に設置固定されている。天窓開口開閉装置60は、図3に示すように、内部に空気流路61を有しモータ64、ウォームギヤ機構66、図示しない軸方向移動機構、軸方向移動機構に支持されて天窓開口62を上下方向移動により開閉する蓋部材68と、を含む。蓋部材68は、傘状の外形形状をしており、上下移動開閉構造とともに全方向からの降雨の侵入防止と、天窓開口の開放による温熱空気の排気の機能を同時に行なう。天窓開口開閉装置60は、アーチ部材24により支持された状態で固定被い部122の合成樹脂フィルムの天窓開口62に接続部分を水密施工されて貫通状に設置される。天窓開口開閉装置60の内部の空気流路61は、外部空間150にも断熱空間200にも連通し得る。なお、図1中70は、石油暖房機等の暖房装置、72はハウス内空間300の温度センサである。なお、70は石油暖房機の代わりに冷暖房機能を有する空調装置としてもよい。
【0033】
図1において、内外被体10、12の内被開閉装置14、外被開閉装置16、直通排気装置8の送風機42、天窓開口開閉装置60、暖房装置70、温度センサ72はそれぞれ制御装置74に電気的に接続されている。制御装置74はハウス内空間300の温湿度等の空調データを受けてハウス内空間を最適の空調条件に維持させるべく、内外被開閉装置14、16、直通排気装置8、暖房装置70を電気的に指示して入出力駆動させる制御手段である。制御装置74は、ハウス内空間300の温湿度等の空調データを受けてハウス内空間を最適の空調条件に維持させる制御手順を記憶する記憶装置を有しており、受けた空調データにより外部入出力機器を駆動させて目標値に維持する制御を行う。
【0034】
次に、本実施形態の農業用ハウスの温度調整システムの作用について図5ないし図9を参照して説明する。図5は、主に昼間における本実施形態の農業用ハウスの温度調整システムの作用を示し、図6は、主に夜間における本実施形態の農業用ハウスの温度調整システムの作用を示す。図5の昼間時において大気温度は上昇し内被体内部空間すなわちハウス内空間300の天井付近並びに、断熱空間200は高温域となるため内外被開閉装置14、16ともに全開しそれぞれの巻き取り杆38、40は、巻き上げ最上位置まで駆動されてそれぞれの装置の最大開口を形成した状態となっている。この状態で、直通排気装置8の天窓開口開閉装置60の蓋部材68を開口して内部空気流路61を開通状態とし、さらに送風機42を駆動させると、内被体内の天井部分の高温空気を吸引しながら円筒ケース46の一端開口から空気を法線方向に向けて吹き出し、断熱空間200内部で法線方向の空気流れを生成させながら天窓開口開閉装置60の流路開口に至り、その流路61内を一気に通過して蓋部材68と流路の出口開口側から外部空間150側に排気される。この際、断熱空間200内に滞留している温熱空気も巻き込んで排気させる。したがって、内外被体の内側天井部分やその周辺に滞留している温熱空気は一気に外部に排出されるから、夏季高温季や異常高温時等において本装置を昼間時運転で駆動させることでハウス内での異常な温度上昇を抑制できる。また、断熱層空間部分も同時に換気されハウス内全体の異常高温化を防止する。これによって、適切な植物育成環境を保持させることができる。
【0035】
図6の夜間時において、大気温度は一般に下降し、冷気や夜露からの植物の保護を考慮する必要が生じる。夜間時は、内外被開閉装置14、16ともに全閉し、それぞれの巻き取り杆38、40は、巻き戻し最下位置まで駆動されてそれぞれ内外被体10、12を全閉した状態となっている。そして、直通排気装置8の天窓開口開閉装置60の蓋部材68を閉鎖移動して内部空気流路61を閉鎖させる。これによって、断熱空間200は外部空間150及びハウス内空間300とも遮断された独立の断熱空間を形成し外部天候条件の影響を緩衝する。この状態で、送風機42を逆回転でしかも低速回転駆動させると、内被体内の天井部分の温められた空気が微風で地面側に吹き付けられる。地面側に向けた空気は上下方向に還流し図6のように対流Fを生じさせてハウス内空間全体を均一にしかも燃料や電力コストを節約した効率のよい保温機能を行なうことができる。
【0036】
なお、夜間においても、昼間時や夏季ハイシーズン時のように外気温が高いときには昼間と同様に内外開閉装置14、16と連動して天窓開口開閉装置60ならびに送風機42を駆動させることにより異常高温状態を回避させることができる。
【0037】
次に、図7、図8の動作フロー図により本実施形態のシステムの稼動の一例を説明する。図9は、その際の農業用ハウスの温度調整システムの動作の流れを表にして示す流れ表図であり、図9において、内被開閉装置14は昼夜、降雨の有無に関わらず例えば朝7:00に開放駆動して開放維持し、夕方4:00に閉鎖駆動して閉鎖維持するタイマ制御による定時運転を行なっている。雨からの植物保護は最外部の外被体12により行なわせるようにしている。温度センサ72によるハウス内空間温度の温度データを受けて例えば目標温度25℃に向けた制御指示により暖房あるいは冷房装置が駆動される。外被開閉装置16は、降雨時は必ず全閉し、植物育成空間側への雨の影響を遮断するとともに、降雨がないときには昼間時は通常開放し夜間時は通常閉鎖する。そして、その際のハウス内温度に対応して直通排気装置8の一部又は全部を駆動させる。
【0038】
図9の流れ表図に基づく図7の本システムの一動作例のフロー図において、昼間時の動作例が示されている。制御装置74は、内被開閉装置14が昼夜、降雨の有無に関わらず朝7:00開放駆動、維持、夕方4:00閉鎖駆動、維持状態を認識する(S1)。午前中でハウス内空間温度が上昇し(S2)、ハウス内温度が25℃以下、25℃を越えて30℃以内、30℃を越えて35℃以内、35℃を超える温度かどうかを温度センサ72のデータから判定(S3)し、さらにその際、降雨の有無が判定される(S4)。降雨時には天窓開口62閉鎖(S5)が確認され、さらに、外被開閉装置16が閉鎖駆動(S6)して外被体12を閉鎖させる。S4の段階で降雨無しの場合には、外被開閉装置16が開放駆動(S7)し、その際にハウス内温度が25℃以下又は25℃を越えて30℃以内の場合には、天窓開口開閉装置60の蓋部材68が閉鎖駆動し(S8)、さらに外被開閉装置16は閉鎖駆動する(S9)。一方、ハウス内温度が30℃を越えて35℃以内又は35℃を超える温度の場合には、天窓開口開閉装置60の蓋部材68が開放駆動し(S10)、さらにハウス内空間温度が35℃を超えるかどうかが判定される(S11)。35℃を超えない場合には、天窓開口開閉装置60の蓋部材68が閉鎖駆動し(S12)、さらに外被開閉装置16は閉鎖駆動する(S13)。35℃を超える場合には、内被体10の開放状態を確認し(S14)、送風機42を正転駆動させる(S15)。
【0039】
次に、図8の本システムの一動作例のフロー図において、夜間時の動作例が示されている。制御装置74は、内被開閉装置14の定時運転により夕方4:00閉鎖駆動、閉鎖維持状態を認識する(S21)。夜間時は、大気温度は下降し、冷気や夜露からの植物の保護の必要から、内外被開閉装置14、16ともに全閉し、それぞれの巻き取り杆38、40は、巻き戻し最下位置まで駆動されてそれぞれ内外被体10、12を全閉した状態となっている(S22),(S23)。そして、直通排気装置8の天窓開口開閉装置60の蓋部材68を閉鎖移動して内部空気流路61を閉鎖させる(S24)。これによって、断熱空間200は外部空間150及びハウス内空間300とも遮断された独立の断熱空間を形成し外部天候条件の影響を緩衝する。この状態で、ボイラ等の暖房装置70をオンする(S25)と、ハウス内温度は上昇する。そして、ハウス内温度を例えば25℃を制御目標温度とし、ハウス内センサ温度Tuと25℃を比較して(S26)センサ温度が25℃を越えていれば送風機42が逆回転により地面側あるいは内側に向けて微風を送風する(S27)(ハウス内上部の空気をした方向へ送風する)。S26で、ハウス内温度が25℃を超えていなければ送風機42の動作停止を確認し(S28)暖房装置70を介してハウス内を暖房させる。
【0040】
すなわち、夜間時には、内被開閉装置14並びに外被開閉装置16を閉鎖状態とし、外気の低下に対して暖房装置によりハウス内を加温しながら一方で内被体の天井側の暖かい空気を微風により地面側へと送風する。このように、送風機42は、正逆回転式送風機から構成し、外向き法線方向に風を吹き出して外被開口開閉装置の開口から直接に内被体内側の高ハウス内温度空気を外部に排気する状態と、内向き法線方向に風を吹き出して地面側に向けて流す状態と、に選択駆動される。これによって、例えば昼間時には常時内被体内側の天井部分や断熱空間内に対流する温熱空気を短時間で排気して換気させ、育成させる植物にとって最適の温湿度環境を維持させることができる上に、夜間時において第1装置の送風機は排気とともに温熱空気の対流駆動をも兼用運転できるから、保温効率を良好にして暖房やハウス内での循環扇数の削減、循環運転の節約等の効果を奏し得る。なお、上記したフローチャート図に示した温度調整システムの昼間、夜間時の動作例は一つの例にすぎず、本発明の農業用ハウスの温度調整システムは、上記の実施形態の動作例に限定されるものではない。例えば、夜間時においても異常高温が想定される現場での使用時には昼間時と同様に、高温時での内外被開閉装置14、16、天窓開口開閉装置60、送風機42の駆動を併せて、直通排気装置8を適宜駆動させるようにするとよい。
【0041】
以上説明した本発明の農業用ハウスの温度調整システムは、上記した実施形態の構成のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲においてなされる改変も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の農業用ハウスの温度調整システムは、いわゆるビニールハウスと称されるものを含むすべての二重張り形式の農業用ハウスについて適用される。
【符号の説明】
【0043】
F 対流
N 法線
8 直通排気装置
10 内被体
12 外被体
14 内被開閉装置
16 外被開閉装置
24 アーチ部材
38 可撓巻き取り杆
40 可撓巻き取り杆
42 送風機
46 円筒ケース
60 天窓開口開閉装置
61 内部流路
62 天窓開口
68 蓋部材
72 温度センサ
74 制御装置
102 固定被い部(内被体)
103 可動被い部(内被体)
122 固定被い部(外被体)
123 可動被い部(外被体)
150 外部空間
200 断熱空間
300 ハウス内空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔を開けて内被体と外被体とをアーチ状に二重に張設した二重張り農業用ハウスの温度調整システムであり、
内被体の一部を開閉する内被開閉装置と、
外被体の一部を開閉する外被開閉装置と、を有し、
内外被体のそれぞれの一部の開閉を行ないつつ必要に応じて内被体内の空気であって内外被体を法線方向貫通状に直通排気させる直通排気手段を有することを特徴とする農業用ハウスの温度調整システム。
【請求項2】
直通排気手段は、内被体の内側に設けられ内被体アーチ面の法線方向に向けて空気を吹き出す送風機と、
外被体の固定被い部に取り付けられ送風機からの風を通過させる天窓開口を開閉する天窓開口開閉装置と、を含むことを特徴とする請求項1記載の農業用ハウスの温度調整システム。
【請求項3】
送風機と天窓開口開閉装置はそれぞれ内外被体のアーチ頂部又はアーチ頂部近傍に設置されていることを特徴とする請求項2記載の農業用ハウスの温度調整システム。
【請求項4】
送風機は、円筒ケースと円筒ケース内に回転羽根を設け天窓開口開閉装置の流路開口に向けて直接に風を送風させる指向形軸流ファンからなる請求項2又は3記載の農業用ハウスの温度調整システム。
【請求項5】
内外被体の法線方向に見て送風機のケース円形と天窓開口とが少なくとも一部で重複するように送風機と天窓開口開閉装置とが位置を決められて取り付けられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の農業用ハウスの温度調整システム。
【請求項6】
天窓開口開閉装置は、法線方向に沿って上下動方向に移動し上から覆蓋状に流路開口を開閉する蓋部材を有することを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の農業用ハウスの温度調整システム。
【請求項7】
送風機は、正逆回転式送風機からなり、外向き法線方向に風を吹き出して天窓開口開閉装置の天窓開口から直接に内被体内側の高ハウス内温度空気を外部に排気する状態と、内向き法線方向に風を吹き出して地面側に向けて流す状態と、に選択駆動されることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の農業用ハウスの温度調整システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−233506(P2010−233506A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85400(P2009−85400)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、九州経済産業局、地域イノベーション創出研究開発事業「予測制御と空調システムを用いる農業用環境制御システムの開発」に係る委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(597008773)テイラーズ熊本株式会社 (6)
【Fターム(参考)】