説明

農芸化学用パッケージ組成物

【課題】農芸化学用組成物を浸透する水は、(例えば、この袋を溶解させるかまたは第二パッケージに付着させることにより)、この小袋の外表面に影響を与え得、それにより、パッケージされた製品の貯蔵寿命を短くする。この課題を解決することを本発明は目的とする。
【解決手段】水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物であって、この農芸化学用組成物は、水溶性で農芸化学活性な成分、水、およびこの小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性で農芸化学活性な成分を含有する農芸化学用パッケージ組成物に関し、この組成物は、水溶性または水分散性の小袋にパッケージされる。
【背景技術】
【0002】
水溶性の小袋にパッケージするのに適当なゲル(危険生成物、界面活性剤、アクリル酸重合体または共重合体および水を含有する)は、特許文献1(WO92/01377)に開示されている。危険生成物、電解質および水を含有しかつ水溶性の袋にパッケージされる水性組成物は、特許文献2(EP-A1-0518689)に開示されている。先行技術の水性組成物を水溶性小袋(例えば、ポリビニルアルコールから製造した小袋)にパッケージするとき、この組成物からの水は、この小袋の壁を通って浸透することが分かった。浸透する水は、(例えば、この袋を溶解させるかまたは第二パッケージに付着させることにより)、この小袋の外表面に影響を与え得、それにより、パッケージされた製品の貯蔵寿命を短くする。
【0003】
バリアコーティングを含む水溶性フィルムは、特許文献3、4および5(US3186869、US3322674およびGB-954602)に開示されているのに対して、高撥水性を有する、微粒子不活性プラスチック材料層を含む水溶性フィルムは、特許文献6(EP-A2-0079248)に開示されている。
【特許文献1】国際公開92/01377
【特許文献2】欧州特許公開EP-A1-0518689
【特許文献3】米国特許3186869
【特許文献4】米国特許3322674
【特許文献5】英国特許明細書954602
【特許文献6】欧州特許公開EP-A2-0079248
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物を提供し、この農芸化学用組成物は、水溶性で農芸化学活性な成分、水、およびこの小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を含有する。
【0005】
したがって、本発明は、以下を提供する。
1.水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物であって、上記農芸化学用組成物は、水溶性で農芸化学活性な成分、水、および上記小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を含有し、ここで、上記試薬は、アルキル酸、アルケニル酸、アリール酸またはアリールアルキル酸のエステル;天然に存在するオイルのエステル;あるいは鉱油または合成油であるが、但し、上記試薬は、フタル酸ジブチルではない、組成物。
2.さらに、電解質を含有する、項目1に記載の水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物。
3.上記小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬が、アルキルまたはアルケニルカルボン酸のC1−12アルキルエステル、あるいは天然に存在する植物または種子から抽出したオイルのC1−6アルキルエステルである、項目1または2に記載の水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物。
4.上記小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬が、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、カノラ酸メチルまたはひまわり酸メチルである、項目1、2または3に記載の水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物。
5.上記小袋が、部分的にまたは完全にアルコール分解または加水分解したポリ酢酸ビニルフィルムから製造されている、前出の項目のいずれか1項に記載の水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物。
6.水溶性で農芸化学活性な成分、水、および上記小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を含有する組成物を、水溶性または水分散性の小袋にパックすることにより得られる、項目1に記載の水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物。
7.水溶性または水分散性の小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を用いる方法であって、ここで、上記試薬は、水溶性で農芸化学活性な成分および水を含有する農芸化学用組成物に含有されており、上記組成物は、上記水溶性または水分散性の小袋にパッケージされており;上記試薬は、アルキル酸、アルケニル酸、アリール酸またはアリールアルキル酸またはそれらの塩またはエステル;天然に存在するオイルのエステル;鉱油または合成油;アルコール、アルコールのエーテル、またはグリセリドであり;そして上記水溶性または水分散性の小袋は、ポリエチレンオキシド、メチルセルロースまたはポリビニルアルコールから製造される、方法。
8.上記試薬が、アルキル酸、アルケニル酸、アリール酸またはアリールアルキル酸のエステル;天然に存在するオイルのエステル;あるいは鉱油または合成油である、項目7に記載の方法。
9.上記試薬が、アルキル酸、アルケニル酸またはフェニル酸(ここで、このフェニル基は、必要に応じて、アルキルで置換されている)の塩またはエステルである、項目7または8に記載の方法。
10.上記試薬が、アルキルまたはアルケニルカルボン酸のC1−12アルキルエステル、または天然に存在する植物または種子から抽出したオイルのC1−6アルキルエステルである、項目7、8または9に記載の方法。
11.上記試薬が、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、カノラ酸メチルまたはひまわり酸メチルである、項目7、8、9または10に記載の方法。
12.上記水溶性または水分散性の小袋が、部分的にまたは完全にアルコール分解または加水分解したポリ酢酸ビニルフィルムから製造されている、項目7、8、9、10または11に記載の方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
1局面では、本発明は、水溶性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物を提供し、この農芸化学用組成物は、水溶性で農芸化学活性な成分、水、およびこの小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を含有する。
【0007】
さらなる局面では、本発明は、水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物を提供し、これは、水溶性で農芸化学活性な成分、水、およびこの小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を、水溶性または水分散性の小袋にパッケージすることにより得られる。
【0008】
この小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬には、例えば、アルキル酸、アルケニル酸、アリール酸またはアリールアルキル酸またはそれらの塩またはエステル;天然に存在するオイルのエステル;鉱油または合成油;アルコール、アルコールのエーテル、またはグリセリドがある。この試薬は、アルキル酸、アルケニル酸、アリール酸またはアリールアルキル酸のエステル;天然に存在するオイルのエステル;または鉱油または合成油であるのが好ましい。
【0009】
アリール、およびアリールアルキルのアリール部分は、好ましくは、フェニルである。アリール(特に、フェニル)は、必要に応じて、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニルアルキル、フェニルアルケニルまたはフェニルアルキニルで置換されている。
【0010】
アルキル基は、直鎖または分枝鎖であり、好ましくは、1個〜24個の炭素原子を含有する。アルキルには、例えば、オクチル、ノニル、デシルまたはドデシルがある。
【0011】
アリールアルキルまたはフェニルアルキルのアルキル基は、直鎖または分枝鎖であり、好ましくは、1個〜20個(例えば、1個〜10個)の炭素原子を含有する。
【0012】
アルケニル基、およびフェニルアルケニルのアルケニル部分は、直鎖または分枝鎖であり、好ましくは、2個〜24個の炭素原子、特に、10個〜20個の炭素原子、および1個、2個または3個の二重結合を含有する。アルケニルには、例えば、ステアリル、リノレニル、リノリル、リコセニル、エルシル、パルミトリル、オレイルまたはウンデセニルがある。
【0013】
アルキニル基、およびフェニルアルキニルのアルキニル部分は、直鎖または分枝鎖であり、好ましくは、2個〜24個の炭素原子、特に、10個〜20個の炭素原子、および1個、2個または3個の三重結合を含有する。
【0014】
適当な酸基には、カルボン酸およびスルホン酸が挙げられる。
【0015】
塩には、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)が挙げられる。
【0016】
エステルには、アルキルエステルが挙げられる。
【0017】
天然に存在するオイルには、植物、種子、ナッツ、動物および魚から抽出したオイルが挙げられ、これらには、例えば、カノラ油、ひまわり油または落花生油がある。このようなオイルは、本質的に、数種の不飽和カルボン酸エステルの混合物である。例えば、サンフラワーレートには、C18不飽和カルボン酸のエステルが含まれる。他の天然に存在するオイルには、ステアリン酸、リノレン酸、リノール酸、リコセン酸、エルカ酸、パルミチン酸、オレイン酸またはウンデセン酸の誘導体が挙げられる。
【0018】
鉱油には、パラフィン油が挙げられる。適当な鉱油には、例えば、ISOPAR(R)MまたはEXXSOL(R)-D110(共に、EXXONから入手できる)、またはSUNSPRAY(R)6NまたはSUNSPRAY(R)11N(共に、SunLubricants Limited、UKから入手できる)が挙げられる。
【0019】
合成油には、C6−24アルキル、C6−24アルケニルまたは脂肪酸誘導体(例えば、ステアリン酸、リノレン酸、リノール酸、リコセン酸、エルカ酸、パルミチン酸、オレイン酸またはウンデセン酸の誘導体(特に、エステル、例えば、C1−6アルキルエステル))を含有するオイルが挙げられる。
【0020】
アルコールには、直鎖または分枝鎖アルコール(例えば、グリセロール)が挙げられるのに対して、アルコールのエーテルには、オレイルアルコールのエーテルが挙げられる。
【0021】
この水溶性で農芸化学活性な成分には、例えば、除草剤(例えば、パラコート塩(例えば、パラコートジクロライドまたはパラコートビス(メチルスルフェート))、ジコート塩(例えば、ジコートジブロマイドまたはジコートアルギネート)またはグリホセートまたはそれらの塩またはエステル(例えば、グリホセートイソプロピルアンモニウム、グリホセートセスキソジウムまたはグリホセートトリメシウム(また、スルホセートとして知られている)))、殺虫剤または殺カビ剤がある。この水溶性で農芸化学活性な成分は、パラコートジクロライド、ジコートジブロマイド、グリホセートイソプロピルアンモニウムまたはグリホセートトリメシウム(また、スルホセートとして知られている)であるのが好ましい。
【0022】
この組成物には、そのイオン強度を高めるために、電解質が添加できる。この電解質は、この組成物中において、この小袋を製造する材料の不溶性を改良するのに役立つ。(1973年にJ Wiley & Sonsにより出版されたC.A. Finch編のPolyvinyl Alcohol -Properties and Applications、38〜43ページ、およびEP-A1-0518689を参照せよ)。適当な電解質は、例えば、アンモニウム、銅、鉄、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムから構成されるリストから選択したカチオンまたはカチオン混合物;および硫酸塩、硝酸塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、酒石酸塩、酒石酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、硫酸塩、亜硫酸塩、ホウ酸塩、ホウ酒石酸塩、臭素酸塩、酪酸塩、塩素酸塩、ショウノウ塩、亜塩素酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、ジケイ酸塩、ジチオ酸塩、エチル硫酸塩、フェリシアン化物、フェロシアン化物、フルオロケイ酸塩、ギ酸塩、グリセロリン酸塩、リン酸水素塩、ヒドロキソスズ酸塩、次亜塩素酸塩、次亜硝酸塩、次亜リン酸塩、ヨウ素酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、メタホウ酸塩、メタケイ酸塩、メチオネート、メチル硫酸塩、亜硝酸塩、オレイン酸塩、オルトリン酸塩、オルト亜リン酸塩、オルトケイ酸塩、シュウ酸塩、過ホウ酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、ポリフッ化物、ポリ塩化物、ポリヨウ化物、ポリ臭化物、ポリ硫化物、ポリ硫酸塩、ポリ亜硫酸塩、サリチル酸塩、ケイ酸塩、ソルビン酸塩、スズ酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩または吉草酸塩から構成されるリストから選択したアニオンまたはアニオン混合物を含み得る。好ましい電解質には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸銅、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムがある。
【0023】
それゆえ、他の局面では、本発明は、水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物を提供し、この農芸化学用組成物は、水溶性で農芸化学活性な成分、電解質、水、およびこの小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を含有する。
【0024】
この農芸化学用組成物は、液体(これは、公知の増粘剤を用いて濃縮してもよい)またはゲル(ゲル化は、公知方法、例えば、WO92/01377、EP-A1-0518689またはWO96/03038に記述の方法により、達成できる)の形態であり得る。
【0025】
他の局面では、本発明は、水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物を提供し、ここで、この小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬は、アルキル酸、アルケニル酸、フェニル酸またはフェニルアルキル酸(特に、カルボン酸またはスルホン酸)の塩(特に、アルカリ金属塩)またはエステル(特に、アルキルエステル);アルコールまたはアルコールのエーテルである。
【0026】
さらに他の局面では、本発明は、水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物を提供し、ここで、この小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬は、アルキル酸、アルケニル酸またはフェニル酸(ここで、このフェニル基は、必要に応じて、アルキルで置換されている)(特に、カルボン酸(例えば、オレイン酸またはアジピン酸)またはスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸))の塩(特に、ナトリウム塩)またはエステル(特に、C1−20アルキルエステル)である。
【0027】
さらに他の局面では、本発明は、水溶性または水分散性の小袋にパッケージされた農芸化学用組成物を提供し、ここで、この小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬は、アルキルまたはアルケニルカルボン酸のC1−12アルキルエステル(例えば、オレイン酸メチル、オレイン酸エチルまたはアジピン酸ジ-2-エチルヘキシル)、または天然に存在する植物または種子から抽出したオイルのC1−6アルキルエステル(例えば、カノラ酸メチル(カノラ油から誘導した)またはひまわり酸メチル(ひまわり油から誘導した))である。
【0028】
水溶性で農芸化学活性な成分の性質に依存して、1種またはそれ以上の補助剤または共調合剤(例えば、湿潤剤または凍結防止剤)もまた、この組成物に含有できる。適当な補助剤には、中性またはアニオン性界面活性剤[例えば、石鹸、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)またはアルキルグルコシド]または多糖類が挙げられる。適当な湿潤剤には、アルキルグルコシド(例えば、AL2042)、スルホン化芳香族化合物の塩(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルコールエトキシレートまたはジグルカミドが挙げられる。適当な増粘剤には、一定等級のキサンテンガム(例えば、KELTROL(R)BTおよびKELZAN(R))が挙げられる。
【0029】
さらに他の局面では、この農芸化学用組成物はまた、カルシウムイオン用のキレート化剤または封鎖剤を含有する。適当なキレート化剤または封鎖剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)がある。
【0030】
既に述べた成分に加えて、この農芸化学用組成物はまた、接着剤、消泡剤、緩衝剤、脱臭剤、染料、吐剤、防腐剤、臭気剤(odourant)、芳香剤、安全剤、追加の溶剤、安定剤、相乗剤、増粘剤または湿潤剤を含有できる。
【0031】
この水溶性または水分散性の小袋は、種々の材料から製造でき、好ましい材料には、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、または特に、ポリビニルアルコール(PVA)がある。PVAは、一般に、部分的にまたは完全にアルコール分解または加水分解された(例えば、40〜100%、特に、80〜100%で、部分的にまたは完全にアルコール分解または加水分解された)ポリ酢酸ビニルフィルムである。PVAフィルムは、2個またはそれ以上の厚さのフィルムの積層体、表面改変フィルム(例えば、ワックス層を有するフィルム)または共押出フィルム(例えば、WO94/29188に記述されている)であり得る。好ましいPVAフィルムには、M7030(単層フィルム)、L7030(積層フィルム)、M7031(単層フィルム)、L7031(積層フィルム)およびM9500(また、PXP2841とも呼ばれ、単層フィルム)が挙げられ、これらの全ては、ChrisCraft Industrial Products Inc. of South Holland, Illinois, USAから入手できる。
【0032】
この水溶性または水分散性の小袋は、標準的な技術(例えば、熱成形または垂直型充填密封(verticalform-fill-sealing))を用いて形成され、充填できる。
【0033】
使用時には、この農芸化学用パッケージ組成物は、(例えば、農芸化学用噴霧器にて)、水と混合されて、水溶性で農芸化学活性な成分の噴霧可能溶液が得られる。
【0034】
本発明の農芸化学用パッケージ組成物は、バッグ−イン−バッグ配置(bag-inbagarrangement)(例えば、WO 92/17381またはWO 92/17383に記述のもの)の一部、2個の水溶性小袋が共通シールで合体された配置の一部、ResearchDisclosure 38534(1996年5月に出版)に記述の配置の一部、または本発明の農芸化学用パッケージ組成物を本発明の農芸化学用パッケージ組成物だけを保持する第二の水溶性小袋内に封入するバッグ−イン−バッグ配置の一部(この第二の小袋は、この農芸化学用組成物を含ませるための別のバリアを提供する)であり得る。
【実施例】
【0035】
実施例1は、この小袋の壁を通る水損失を最小にする試薬を含有しない組成物の一例である。実施例2〜8は、本発明を例示する。
実施例1
成分 機能 濃度(g/l)
パラコートジクロライド 活性成分 200
吐剤 吐剤 0.5
AL2042(記1) 界面活性剤 100
「乾燥」硫酸マグネシウム 電解質 140
KELTROL(R)BT(記2) ゲル化剤 3
SILCOLAPSE(R)5020 消泡剤 1
SULFACIDE(R)ブルー5J 着色剤 5
水酸化ナトリウム pH調整剤 pH 7まで
水 補充溶媒 1リットルまで

記1:AL2042は、ICI Surfactantsから供給されるアルキルポリグルコシドおよびエトキシ化アミン界面活性剤の専売ブレンドである。
記2:KELTROL(R)BTは、Kelcoから供給される耐塩性等級のキサンテンガムである。
【0036】
パラコートジクロライドおよび吐剤を、必要な全容量の水の25 ml以外の全てに溶解することにより、組成物を調製した。次いで、撹拌しつつ、KELTROL(R)BTを添加した。一旦、完全に分散すると、この混合物を、撹拌することなく、20分間放置して、ゲル強度を増加させた。次いで、撹拌しながら、AL2042、硫酸マグネシウム、SULFACIDE(R)ブルーおよびSILCOLAPSE(R)を順次添加した。次いで、水酸化ナトリウム(40%溶液)を添加して、pHを7に調整した。最後に、混合しながら、水を添加して、その容量を1リットルまでにした。
【0037】
実施例2〜8
成分 機能 濃度(g/l)
パラコートジクロライド 活性成分 200
吐剤 吐剤 0.5
AL2042 界面活性剤 100
「乾燥」硫酸マグネシウム 電解質 140
KELTROL(R)BT ゲル化剤 3
表Iを参照 浸透防止剤 50
SILCOLAPSE(R)5020 消泡剤 1
SULFACIDE(R)ブルー5J 着色剤 5
水酸化ナトリウム pH調整剤 pH 7まで
水 補充溶媒 1リットルまで

パラコートジクロライドおよび吐剤を、必要な全容量の水の75 ml以外の全てに溶解することにより、組成物を調製した。次いで、撹拌しつつ、KELTROL(R)BTを添加した。一旦、完全に分散すると、この混合物を、撹拌することなく、20分間放置して、ゲル強度を増加させた。次いで、撹拌しながら、AL2042、硫酸マグネシウム、SULFACIDE(R)ブルーおよびSILCOLAPSE(R)を順次添加した。次いで、水酸化ナトリウム(40%溶液)を添加して、pHを7に調整した。混合しながら、浸透防止剤を添加した。最後に、混合しながら、水を添加して、その容量を1リットルまでにした。
【0038】
浸透防止剤は、表Iのものである。
【0039】
表I
実施例番号 浸透防止剤 入手先
2 CRODAMOL(R)CAP Croda Chemicals
3 オレイン酸エチル Croda Chemicals
4 NANSA(R)HS90S Albright and Wilson
5 PRIOLUBE(R)1403 UnichemaInternational
6 Emery2231 Henkel
7 Emery2230 Henkel
8 CRODAMOL(R)DOA Croda Chemicals

CRODAMOL(R)CAPは、分枝鎖エステルの専売ブレンドである。
NANSA(R)HS90Sは、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(活性90%)である。
Emery 2231は、メチル化カノラ油である。
Emery 2230は、メチル化ひまわり油である。
PRIOLUBE(R)1403は、オレイン酸メチルである。
CRODAMOL(R)DOAは、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシルである。
【0040】
実施例9
実施例1〜8の各組成物の一定量(約50g)を、M7030等級のポリビニルアルコールフィルム(厚さ76ミクロン;ChrisCraftから供給される)から製造した水溶性小袋にパックした。パックした各水溶性小袋を独自に標識し、そして化学てんびんで正確に計量した。パックし計量した各小袋を、密封した個々のポリセン(polythene)/アルミニウム/紙二次パックに入れた。各組成物の2個の密封パックを、40℃にて、一定温度のオーブンに入れ、そして4週間保存した。
【0041】
保存に続いて、各パックを室温実験室条件にした。二次パックを注意深く開け、この水溶性小袋の浸透の徴候を観察した。この小袋の外表面を拭い、この水溶性小袋を再計量し、その重量損失(%)を計算した。結果を表IIに提示する。
【0042】
(以下余白)
【0043】
【表2】

【0044】
* (水溶性小袋を形成する)フィルムの光っている側は、この小袋の内表面にある。
【0045】
** (水溶性小袋を形成する)フィルムの光っている側は、この小袋の外表面にある。
【0046】
実施例10
実施例2〜8に記載の方法を用いて、以下の成分を含有する組成物を調製した。
成分 機能 濃度(g/l)
パラコートジクロライド 活性成分 200
吐剤 吐剤 0.5
AL2042 界面活性剤 100
硫酸マグネシウム水和物(MgSO・7HO)電解質 234
KELTROL(登録商標)BT ゲル化剤 3
PRIOLUBE(登録商標)403 浸透防止剤 50
SILCOLAPSE(登録商標)5020 消泡剤 1
SULFACIDE(登録商標)ブルー5J 着色剤 5
水酸化ナトリウム pH調整剤 pH 6.5〜7まで
水 補充溶媒 1リットルまで

この組成物の一定量(約50g)を、種々のフィルムの水溶性小袋にパッケージし、そして実施例9に記述の方法に従って保存した。L7030フィルムは、76ミクロンの厚さであるのに対して、M7031フィルムおよびM9500フィルムは、共に、50ミクロンの厚さであった。結果を、表IIIに示す。
【0047】
【表3】



【0048】
実施例11
実施例2〜8に記載の方法を用いて、以下の成分を含有する組成物を調製した。
成分 濃度
ジコートジブロマイド 140
AL2042 100
硫酸マグネシウム水和物(MgSO・7HO) 234
KELTROL(登録商標)BT 3
SILCOLAPSE(登録商標)5020 1
SULFACIDE(登録商標)ブルー5J 5
オレイン酸メチル(浸透防止剤) 50
水酸化ナトリウム(40%溶液) pH 6.5〜7.0まで
水 1リットルまで

この組成物の一定量(約50g)を、M7031フィルム(50ミクロン厚)の3個の水溶性小袋にパッケージし、そして実施例9に記述の方法に従って保存した。4週間の最後に、3個の小袋のそれぞれの重量損失(%)は、0.16、0.04および0.08であることが分かった。
【0049】
この組成物からオレイン酸メチルを省いて、上記のようにして、この組成物をパックし保存したとき、3個の小袋のそれぞれの重量損失(%)は、2.67、2.45および1.7であることが分かった。
【0050】
実施例12および13
表IVは、2種の組成物の成分を提示し、これらの組成物は、この表で挙げた成分を示した量で含有する。これらの組成物は、実施例2〜8に記述の方法を用いて調製した。これらの組成物の一定量(約50g)を、M7031フィルム(50ミクロン厚)の水溶性小袋に(3重に)パッケージし、そして実施例9に記述の方法に従って保存した。4週間の最後に、各小袋の重量損失(%)を評価した。括弧に入れた重量損失データは、この組成物からオレイン酸メチルを省いた状況の重量損失(%)を表わす。
【0051】
【表4】

【0052】
実施例14〜20
表Vは、組成物の成分を提示し、これらの組成物は、この表で挙げた成分を示した量で含有する。これらの組成物は、実施例2〜8に記述の方法を用いて調製した。これらの組成物の一定量(約50g)を、M7031フィルム(50ミクロン厚)の水溶性小袋に(3重に)パッケージし、そして実施例9に記述の方法に従って保存した。4週間の最後に、各小袋の重量損失(%)を評価した。括弧に入れた重量損失データは、一定組成物から浸透防止剤を省いた状況の重量損失(%)を表わす。
【0053】
【表5】

【0054】
【表5A】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の農芸化学用パッケージ組成物。

【公開番号】特開2008−19270(P2008−19270A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242881(P2007−242881)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【分割の表示】特願平9−527386の分割
【原出願日】平成9年1月3日(1997.1.3)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】