説明

農薬活性成分の放出が制御される固型農薬製剤

【課題】 新規な固型農薬製剤を提供する。
【解決手段】 以下の(a)、(b)および(c)を含む固型農薬製剤。
(a)農薬活性成分および25℃において固体の疎水性物質を含む粒状物
(b)酸性物質
(c)固体担体
酸性物質としては、0.1重量%水溶液のpHが4.0以下であるものが好ましく、特にクエン酸、アスコルビン酸、安息香酸または燐酸が好ましい。25℃において固体の疎水性物質としては、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは樹脂が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬活性成分の放出が制御される固型農薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農薬製剤としては、粒剤、顆粒水和剤、ジャンボ剤、粉剤、水和剤、フロアブル剤、水溶剤、液剤、乳剤等、種々の形態があるが、その使用の容易性等より粒剤の形態のものが一般的に多く使用されている。粒剤を水田等の水中に散布する場合、農薬活性成分によってはその水中放出量が多くなると作物への薬害が生じる、或いは目的とする雑草や病害虫に対する残効が短くなる等の問題が生じることがあり、農薬活性成分の水中への放出制御が望まれている。
【0003】
また、農薬活性成分の水中放出を制御する方法として、パラフィンワックスを配合することにより放出制御された農薬製剤を用いることがすでに知られている(例えば、特許文献1、2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−288803号公報
【特許文献2】特開2007−145792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の農薬活性成分の放出が制御された従来の固型農薬製剤は、湿式造粒法のように製造時に水を添加混合する工程があると、農薬活性成分の放出制御が損なわれる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意研究した結果、農薬活性成分および25℃において固体の疎水性物質を含む粒状物、固体担体並びに酸性物質を含む固型農薬製剤が、製造時に水を添加混合する工程がある場合でも、農薬活性成分の水中への放出制御が損なわれないことを見出した。すなわち、本発明は、下記〔1〕から〔14〕に関するものである。
【0007】
〔1〕 以下の(a)、(b)および(c)を含む固型農薬製剤。
【0008】
(a)農薬活性成分および25℃において固体の疎水性物質を含む粒状物
(b)酸性物質
(c)固体担体
〔2〕 0.1重量%水溶液のpHが4.0以下である酸性物質を用いる上記〔1〕記載の固型農薬製剤。
【0009】
〔3〕 酸性物質が、有機酸または無機酸である上記〔1〕または〔2〕記載の固型農薬製剤。
【0010】
〔4〕 酸性物質が、クエン酸、アスコルビン酸、安息香酸および燐酸から選ばれる1種以上である上記〔1〕または〔2〕記載の固型農薬製剤。
【0011】
〔5〕 25℃において固体の疎水性物質が、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび樹脂から選ばれる1種以上である上記〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0012】
〔6〕 25℃において固体の疎水性物質が、パラフィンワックスである上記〔1〕ないし〔5〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0013】
〔7〕 25℃において固体の疎水性物質中に、農薬活性成分が分散している上記〔1〕ないし〔6〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0014】
〔8〕 農薬活性成分が、式(1):
【0015】
【化1】

【0016】
〔式中、
GはG1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、G9、G10またはCH3(CH3SO2)Nを表し、
LはL1またはL2を表し、
XおよびYは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜3アルキル基またはC1〜3アルコキシ基を表し
ZはCHまたは窒素原子を表し
L1はSO2NH(C=O)N(R1)、CH2SO2NH(C=O)N(R1)またはNHSO2NH(C=O)N(R1)を表し
L2は酸素原子、硫黄原子、CH2、CH(OH)またはC=Oを表し、
R1は水素原子またはC1〜3アルキル基を表し、
G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、G9およびG10は
【0017】
【化2】

【0018】
を表し、
R2はC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシC1〜3アルキル基、Aによって置換されていてもよいフェニル基またはAによって置換されていてもよいピリジル基を表し、
Aはハロゲン原子、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基およびC1〜3ハロアルキル基から選ばれる1以上の置換基を表し、
R3は水素原子、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、C1〜6ハロアルコキシ基、C1〜3アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜3ハロアルコキシC1〜3アルキル基、NO、CO2R8、COR9、CON(R10)2、CONHR10、NHCOR9、SO2R11、SO2N(R10)2、SO2NH(R10)、NHSO2(R11)、CH(CHFCH3)(OCOCH2OCH3)、2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル基またはQを表し、
Qは
【0019】
【化3】

【0020】
を表し
R4、R5、R6およびR7は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、C1〜3アルコキシC1〜3アルキル基、NHCOR9、CH2NHSO2R11、C(R12)=NOR13または4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル基を表し
R3とR4が隣接する場合、R3とR4は結合している炭素原子と共に5ないし6員環を形成してもよく、形成される環内に酸素原子あるいはカルボニル基を含んでいてもよく、
R8は水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基、C3〜6シクロアルキル基、3-オキセタニル基、2-オキセタニル基、またはN=C(Ph)2を表し、
R9は水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基またはC3〜6シクロアルキル基を表し、
R10はC1〜6アルキル基を表し、
R11はC1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基またはC1〜6ハロアルキル基を表し、
R12は水素原子またはC1〜6アルキル基を表し、
R13はC1〜6アルキル基を表し、
を表し、
R14、R15、R16およびR17は各々独立して水素原子またはC1〜6アルキル基を表す。〕で表される化合物およびそれらの塩から選ばれる1種以上の除草活性成分である上記〔1〕ないし〔7〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0021】
〔9〕 さらに農薬活性成分を含有する上記〔1〕ないし〔8〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0022】
〔10〕 さらに補助成分を含有する上記〔1〕ないし〔9〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0023】
〔11〕 固型農薬製剤が粒剤である上記〔1〕ないし〔10〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0024】
〔12〕 固型農薬製剤が、湿式造粒法で製造された粒剤である上記〔1〕ないし〔10〕のいずれかに記載の固型農薬製剤。
【0025】
〔13〕 酸性物質を適量の水に溶解させて調製した水溶液、粒状物および固体担体を混合してペースト状に混練したものを湿式造粒した後、乾燥して製造された上記〔12〕記載の固型農薬製剤。
【0026】
〔14〕 酸性物質を適量の水に溶解させて調製した水溶液、粒状物および固体担体を混合してペースト状に混練したものを湿式造粒した後、乾燥する固型農薬製剤の製造方法。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、湿式造粒法のように製造時に水を添加混合する工程がある場合においても、固型農薬製剤における農薬活性成分の放出制御が損なわれず、所望の制御が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の固型農薬製剤に含有される粒状物について詳細に説明する。
【0029】
粒状物は、例えば次の方法で製造できる。まず、融点以上の温度、好ましくは融点より10〜30℃高い温度で溶融させた25℃において固体の疎水性物質の中に、粉末状または液状の農薬活性成分、さらに必要に応じて補助剤を添加し、攪拌機(例えば、ホモミキサー、スリーワンモーター、ニーダー、万能混合機、ナウターなど)で混合攪拌し、農薬活性成分および補助剤等を固体の疎水性物質中に均一に分散させる。
【0030】
または、粉末状または液状の農薬活性成分と25℃において固体の疎水性物質、さらに必要に応じて補助剤を加え、これらを予め混合機(例えば、ナウターミキサー、万能混合機)などで均一に混合させる。次いで、25℃において固体の疎水性物質の融点以上の温度、好ましくは融点より10〜30℃高い温度に加熱溶融させながら、上記の攪拌機などで混合攪拌し、農薬活性成分および補助剤等を固体の疎水性物質中に均一に分散させてもよい。
【0031】
これらの農薬活性成分および補助剤等が均一に分散した溶融状態の混合物を、可塑性を示す温度まで冷却し、これを例えば直径0.5〜1.5mmの穴を有するスクリーンを装着した押出造粒機にて造粒して粒状物を得る。押出造粒機としては、例えば、「農薬製剤ガイド」p.131(日本植物防疫協会発行、日本農薬学会農薬製剤・施用法研究会編)に記載されている、横押出型、前押出型、竪型又はローラー押出型等の押出造粒機が使用できる。もしくは、これらの造粒機を使用せず、溶融状態の混合物をそのまま冷却して、塊状またはフレーク状とした後、粉砕して粒状物としてもよい。
【0032】
得られた粒状物を必要であれば冷風機等を用いてさらに室温付近まで冷却し、粉砕機(例えば、ピンミル、ハンマーミル、ロータースピードミル、サンプルミル)など用いて粉砕し、篩により篩分することにより、所望の中位径を有する粒状物を得ることができる。
【0033】
粒状物の体積中位径は、100〜700μmの範囲が好ましく、より好ましくは、200〜650μmである。粒状物の体積中位径がこの範囲よりも小さくなると、農薬活性成分が比較的短期間で放出してしまい、作物に対する薬害が助長されてしまう。一方、粒状物の体積中位径がこの範囲よりも大きくなると、農薬活性成分の放出が抑制され充分な有害生物防除効果が得られにくくなる。
【0034】
粒状物に含有される25℃において固体の疎水性物質としては、例えば、キャンデリラワックス、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、蜜ロウ、ラノリン、鯨ロウ、牛脂等の動物系ワックス、マイクロクリスタルワックス(イソパラフィン、シクロパラフィン)、パラフィンワックス(ノルマルパラフィン)、ペトロラクタム、カルナウバワックス、酸化ワックス、エステルワックス、ウレタンワックス、ポリオレフィン、酸化ポリエチレン等の石油系ワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、ラノリン脂肪酸等の脂肪酸、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル等の脂肪酸エステル、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニルとエチレンの共重合物、酢酸ビニルとバーサチック酸ビニルの共重合物、酢酸ビニルとエチレンと塩化ビニルの共重合物、ポリアクリル酸エステル、アクリル酸エステルとスチレンの共重合物、アクリル酸エステルとシリコーンの共重合物、アクリル酸エステルとエチレンの共重合物、ポリウレタン、スチレンとブタジエンの共重合物、アクリロニトリルとブタジエンの共重合物等の水不溶性熱可塑性樹脂、およびアミノ樹脂(尿素樹脂およびメラミン樹脂等)、フェノール樹脂(レゾール樹脂およびノボラック樹脂等)、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、これら2種以上を併用してもよい。25℃において固体の疎水性物質として好ましいものは、マイクロクリスタルワックス、パラフィンワックスまたはその混合物である。パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスの融点は、50〜95℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
【0035】
粒状物に含有される固体の疎水性物質は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。該固体の疎水性物質の総含有量は、粒状物に対して通常20〜40重量%であり、好ましくは25〜35重量%である。
【0036】
粒状物に含有される農薬活性成分としては、好ましくは除草活性成分であり、より好ましくは上記式(1)で表される化合物およびその塩から選ばれる除草活性成分である。式(1)で表される化合物またはその塩から選ばれる除草活性成分としては、スルホニルウレア系除草活性成分およびピリミジルオキシ安息香酸系除草活性成分等のアセトラクテート合成酵素(ALS)阻害剤が挙げられる。具体的にその一般名を例示すれば次の通りであるが、必ずしもこれらのみに限定されるものではない。
【0037】
ALS阻害剤の除草活性成分としては、アジムスルフロン(azimsulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、イオドスルフロン-メチル(iodosulfuron-methyl)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、エタメトスルフロン-メチル(ethametsulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、オルトスルファムロン(orthosulfamuron)、クロリムロン-エチル(chlorimuron-ethyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、スルホメツロン-メチル(sulfometuron-methyl)、チフェンスルフロン-メチル(thifensulfuron-methyl)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、トリフルスルフロン-メチル(triflusulfuron-methyl)、トリフロキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、ハロスルフロン-メチル(halosulfuron-methyl)、ピラゾスルフロン-エチル(pyrazosulfuron-ethyl)、メタゾスルフロン(metazosulfuron)、フォラムスルフロン(foramsulfron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、プリミスルフロン-メチル(primisulfuron-methyl)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、フルピルスルフロン-メチル(flupyrsulfuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、ベンスルフロン-メチル(bensulfuron-methyl)、メソスルフロン-メチル(mesosulfron-methyl)、メトスルフロン-メチル(metsulfuron-methyl)、リムスルフロン(rimsulfuron)、2-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-7-プロピルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-スルホンアミド、3-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(5-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、3-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(6-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、3-クロロ-4-(5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(5-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(6-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、4-(5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1,3-ジメチル-4-(5-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、4-(5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-スルホンアミド、ビスピリバック(bispyribac)、ピリチオバック(pyrithiobac)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリミスルファン(pyrimisulfan)、ピリミノバック-メチル(pyriminobac-methyl)、モノスルフロン(monosulfuron)、モノスルフロンメチル(monosulfuron-methyl)、ペノキススラム(penoxsulam)、プロピリスルフロン(propyrisulfuron)、およびオルソスルファムロン(orthosulfamrun)が挙げられる。
【0038】
ALS阻害剤以外の除草活性成分としては、エスプロカルブ(esprocarb)、ベンチオカーブ(benthiocarb)、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、メフェナセット(mefenacet)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ブロモブチド(bromobutide)エトベンザニド(etobenzanid)、ダイムロン(dymron)、クミルロン(cumyluron)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾンの塩、2,4−D、2,4−Dの塩、2,4−Dのエステル、MCP、MCPの塩、MCPのエステル、MCPB、MCPBの塩、MCPBのエステル、フェノチオール(MCPA-thioethyl)、クロメプロップ(clomeprop)、ナプロアニリド(naproanilide)、オキサジアゾン(oxadiazon)、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、オキサジアルギル(oxadiargyl)、ジメタメトリン(dimethametryn)、シメトリン(simetryn)、ピペロホス(piperophos)、アニロホス(anilofos)、ブタミホス(butamifos)、ベンスリド(bensulide)、ジチオピル(dithiopyr)、ピリミノバックメチル(pyriminobac methyl)、CNP、クロメトキシニル(chlormethoxynil)、シハロホップブチル(cyhalofop butyl)、ビフェノックス(bifenox)、カフェンストロール(cafenstrole)、ペントキサゾン(pentoxazone)、インダノファン(indanofan)、オキサジクロメホン(oxaziclomefone)、フェントラザミド(fentrazamide)、ブテナクロール(butenachlor)、ACN、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ベンフレセート(benfuresate)、シンメチリン(cimmethylin)、シマジン(simazine)、ジクロベンジル(dichlobenil)、ジウロン(diuron)、クロロIPC(chlorpropham)、アトラジン(atrazine)、アラクロール(alachlor)、イソウロン(isouron)、クロルフタリム(chlorphtalim)、シアナジン(cyanazin)、トリフルラリン(trifluralin)、ブタミホス(butamifos)、プロピザミド(propyzamide)、プロメトリン(prometryn)、ペンディメタリン(pendimethalin)、メトラクロール(metolachlor)、メトリブジン(metribuzin)、リニュロン(linuron)、レナシル(lenacil)、プロパニル(propanil)、MCPA、アイオキシニル(ioxynil octanoate)、アシュラム(asulam)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、プロパキザホップ(propaquizafop)、キザロホップテフリル(quizalofop-tefuryl)、セトキシジム(sethoxydim)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェンメディファム(phenmedipham)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ベンタゾン(bentazone)、SAP(bensulide)、TCTP(chlorthal-dimethyl,tetorachlorothiophene)、アミプロホスメチル(amiprophosmethyl)、アメトリン(ametryn)、イソキサベン(isoxaben)、オルソベンカーブ(orbencarb)、カルブチレート(karbutilate)、ジチオピル(dithiopyr)、シデュロン(siduron)、チアザフルロン(thiazafluron)、ナプロパミド(napropamide)、プロジアミン(prodiamine)、ベスロジン(benefin)、メチルダイムロン(methyl dymron)、2,4−PA、MCPPA、フラザスルフロン(flazasulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、イマザキン(imazaquin)、イマザピル(imazapyr)、テトラピオン(flupropanate)、テブティウロン(tebuthiuron)、ブロマシル(bromacil)、ヘキサジノン(hexazinone)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-iso-propylammonium)、グリホサートトリメシウム塩(glyphosate-trimesium)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、ビアラホス(bialaphos)、グルホシネート(glufosinate-ammonium)、MCC、ピラクロニル(pyraclonil)、テフリルトリオン(tefuryltirone)、メソトリオン(mesotrione)、アミノピラリド(aminopyralid)、ベンカルバゾン(bencarbazone)、ピノキサデン(pinoxaden)、プロポキシカルバゾンナトリウム塩(propoxycarbazone-sodium)、ピラスルホトール(pyrasulfotole)、ピロキサスルホン(pyroxasulfone)、ピロキシスラム(pyroxsulam)、テンボトリオン(tembotrione)、チエンカルバゾンメチル(thiencarbazone-methyl)、トプラメゾン(topramezon)、キノクラミン(quinoclamin)、アミノシクロピラクロール(Aminocyclopyrachlor)、メタミトロン(metamitron)、キンクロラック(quinclorac)、OK-701(試験名)、およびイプフェンカルバゾン(ipfencarbazone)等が挙げられる。
【0039】
粒状物に含有される農薬活性成分は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。該農薬活性成分の総含有量は、粒状物に対して通常1〜30重量%であり、好ましくは2〜25重量%である。
【0040】
粒状物において、農薬活性成分の総重量と25℃において固体の疎水性物質の重量との比は、1:30〜1:0.5の範囲が好ましく、より好ましくは1:20〜1:1の範囲である。農薬活性成分1重量部に対して25℃において固体の疎水性物質が0.5重量部未満になると、農薬活性成分が比較的短期間で放出してしまい、薬害が助長されてしまう可能性が高くなる。一方、農薬活性成分1重量部に対して25℃において固体の疎水性物質が30重量部を超えると、活性成分の放出が抑制され充分な有害生物防除効果が得られにくくなる可能性が高くなる。
【0041】
粒状物は、さらに補助剤を含有することができる。当該補助剤としては、固体粉末、界面活性剤、溶剤等が挙げられるが、好ましくは固体粉末である。
【0042】
粒状物に含有できる固体粉末とは、例えばケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび塩化カリウム等の無機塩類、例えば石英、珪石、方解石、海泡石、ドロマイト、チョーク、カオリナイト、パイロフィライト、セリサイト、ハロサイト、メタハロサイト、木節粘土、蛙目粘土、陶石、ジークライト、アロフェン、シラス、きら、タルク、ベントナイト、活性白土、酸性白土、軽石、アタパルジャイト、ゼオライトおよび珪藻土等の鉱物、例えば焼成クレー、パーライト、シラスバルーン、バーミキュライト、アタパルガスクレーおよび焼成珪藻土等の鉱物の焼成品、例えばブドウ糖、果糖、しょ糖および乳糖などの糖類、例えば澱粉、粉末セルロースおよびデキストリン等の多糖類、例えば尿素、尿素誘導体、安息香酸および安息香酸の塩等の有機物、例えば木粉、トウモロコシ穂軸、クルミ殻およびタバコ茎等の植物類、フライアッシュならびに肥料等が挙げられる。
【0043】
上記ケイ酸カルシウムの具体例としては、 フローライトR(商品名/(株)トクヤマ)、フローライトRN(商品名/(株)トクヤマ)、トヨヒーローTH(商品名/東洋電化工業(株))、ゾノライト(商品名/小野田化学)、マイクロセルC(商品名/セライト・コーポレーション)およびマイクロセルE(商品名/セライト・コーポレーション)、ケイ酸カルシウム試薬(純正化学)、ケイ酸カルシウム試薬(関東化学)等が挙げられる。
【0044】
上記ベントナイトの具体例としては、例えばクニゲルVA(商品名/クニミネ工業(株)製)、クニゲルV2(商品名/クニミネ工業(株)製)、穂高ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)、妙義ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)、榛名ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)、ベントナイトスーパークレイ(商品名/豊順洋行(株)製)および粒状ベントナイト(商品名/豊順洋行(株)製)等のナトリウムベントナイトならびにクニボンド(商品名/クニミネ工業(株)製)等のカルシウムベントナイトが挙げられる。
【0045】
上記ベントナイト以外の天然鉱物質の具体例としては、シリカTM−4(商品名/啓和炉材(株)製)、H微粉(商品名/啓和炉材(株)製)、ネオキャリアK(商品名/浅田製粉(株)製)、フバサミKクレー(商品名/フバサミクレー(株)製)および特雪Fクレー(商品名/昭和KDE(株)製)、蓉花HB微粉(商品名/啓和炉剤(株)製)、蓉花H微粉(商品名/啓和炉剤(株)製)、SP-F(商品名/啓和炉剤(株) 製)、SP-7F(商品名/啓和炉剤(株) 製)、昭和DLクレー(商品名/昭和KDE(株)製)、SWクレー(商品名/昭和ケミカル(株)製)、みやき水和剤クレー(商品名/(株)三養基興業所 製)みやき水和剤クレーA(商品名/(株)三養基興業所 製)、等が挙げられる。
【0046】
上記炭酸カルシウムの具体例としては、ミクロカル250(商品名/青倉石灰工業((株)製)、ミクロカル100(商品名/青倉工業(株)製)、NS#100(商品名/日東粉化工業(株)製)、NS#200(商品名/日東粉化工業(株)製)、NS#3000(商品名/日東粉化工業(株)製)およびスーパーSS(商品名/丸尾カルシウム(株)製)等が挙げられる。
【0047】
これらの固体粉末は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。本発明の粒状物に含有される固体粉末の総含有量は、粒状物に対して通常40〜80重量%であり、好ましくは45〜70重量%である。
【0048】
次に、本発明の固型農薬製剤についてさらに詳細に説明する。本発明の固型農薬製剤の剤型としては、粒剤、錠剤、ブリケット等が挙げられる。本発明の固型農薬製剤が粒剤である場合には、通常造粒時に水を添加する湿式造粒法で製造される。湿式造粒法では、押出式造粒機、流動層造粒機、攪拌式造粒機および転動造粒機等の造粒機が用いられる。例えば、押出式造粒機を用いる場合は、粒状物、固体担体および酸性物質に、さらに必要に応じて農薬活性成分(粒状物含まれる農薬活性成分と同一でも異なってもよい。)や補助成分を加え、これらを均一に混合して得られた混合物に、液体の補助成分および適量の水を加えてペースト状に混練した後、直径0.5〜1.5mmの穴を有するスクリーンを装着した押出式造粒機を用いて造粒後、乾燥して製造することができる。
本発明の固型農薬製剤に含有される酸性物質は、固型農薬製剤における農薬活性成分の放出制御をできる限り損なわないために、水に溶解させて添加するのが望ましい。農薬活性成分の放出制御が損なわれないメカニズムは、酸性物質が含有されることにより水に対する農薬活性成分の溶解性が低下する〔例えば、スルホニルウレア系除草活性成分は、そのスルホンアミド基の水素原子が脱離してイオン化する性質があるため、酸性側で水溶解度が低下する。〕ため、粒状物に含有される農薬活性成分が、製造時に添加される水へ溶解し難くなり、製造工程において粒状物内部から外部へ農薬活性成分が移動することが抑えられ、完成した粒剤における農薬活性成分の放出制御が損なわれないと推測している。また、水を添加してその後の工程で乾燥され水が除かれるまでの時間が長いほど、製造工程において粒状物内部から外部へ移動する農薬活性成分量が多くなり放出制御が損なわれるため、大量の製品を作り製造工程に時間がかかる場合により有効である。
【0049】
本発明の固型農薬製剤に含有される酸性物質としては、0.1重量%水溶液のpHが4.0以下であるものが望ましい。例えば、酢酸、クエン酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、コハク酸、フマル酸、オレイン酸、安息香酸等の有機酸、燐酸、塩酸および硫酸等の無機酸が挙げられ、特にクエン酸、アスコルビン酸、安息香酸および燐酸が好ましい。本発明の固型農薬製剤に含有される酸性物質の含有量は、固型農薬製剤に対して通常0.01〜10重量%であり、好ましくは0.1〜5重量%であり、より好ましくは0.3〜3重量%である。
【0050】
本発明の固型農薬製剤に含有される粒状物の含有量は、固型農薬製剤に対して通常1〜20重量%であり、好ましくは2〜15重量%である。
【0051】
本発明の固型農薬製剤からの粒状物に含まれる農薬活性成分の1日後の水中溶出率は、作物(特に水稲)に対する薬害を軽減する観点から、75%以下が好ましい。
【0052】
本発明の固型農薬製剤は、粒状物に含有されない状態の農薬活性成分を含有できる。該農薬活性成分としては、除草活性成分が好ましく、具体的には前述した粒状物に含有される除草活性成分の具体例を挙げることができる。
【0053】
粒状物に含まれない状態の農薬活性成分は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。該農薬活性成分の総含有量は、固型農薬製剤に対して通常0.1〜25重量%である。
【0054】
本発明の固型農薬製剤に用いることのできる補助成分としては、例えば、界面活性剤、結合剤、溶剤、吸収剤、粉砕助剤、分解防止剤、無機塩、着色剤及び防腐剤等が挙げられる。
【0055】
本発明の固型農薬製剤に含有される固体担体としては、前述した本発明の粒状物に含有できる固体粉末を挙げることができる。
【0056】
固体担体は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。固体担体の総含有量は、固型農薬製剤に対して通常20〜70重量%である。
【0057】
本発明の固型農薬製剤および粒状物に含有できる界面活性剤としては、例えば、以下の(A)、(B)、(C)、(D)および(E)が挙げられる。
【0058】
(A)ノニオン性界面活性剤:
(A-1)ポリエチレングリコール型界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキル(C12〜18)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキル(C8〜12)フェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12〜18)モノエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸(C12〜18)ジエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(C12〜18)エステル、グリセロール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキル(C12〜18)アミンエチレンオキサイド付加物および脂肪酸(C12〜18)アミドエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0059】
(A-2)多価アルコール型界面活性剤:例えば、グリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸(C12〜18)エステル、ソルビタン脂肪酸(C12〜18)エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエーテルおよび脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
【0060】
(A-3)アセチレン系界面活性剤:例えば、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物およびアセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0061】
(A-4)その他の界面活性剤:例えば、アルキルグリコシド等が挙げられる。
【0062】
(B)アニオン性界面活性剤:
(B-1)カルボン酸型界面活性剤:例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ無水マレイン酸、マレイン酸または無水マレイン酸とオレフィン(例えばイソブチレンおよびジイソブチレン等)との共重合物、アクリル酸とイタコン酸の共重合物、メタアクリル酸とイタコン酸の共重合物、マレイン酸または無水マレイン酸とスチレンの共重合物、アクリル酸とメタアクリル酸の共重合物、アクリル酸とアクリル酸メチルエステルとの共重合物、アクリル酸と酢酸ビニルとの共重合物、アクリル酸とマレイン酸または無水マレイン酸の共重合物、N−メチル−脂肪酸(C12〜18)サルコシネート、樹脂酸および脂肪酸(C12〜18)等のカルボン酸、並びにそれらカルボン酸の塩が挙げられる。
【0063】
(B-2)硫酸エステル型界面活性剤:例えば、アルキル(C12〜18)硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの硫酸エステル、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化脂肪酸および硫酸化オレフィン等の硫酸エステル、並びにそれら硫酸エステルの塩が挙げられる。
【0064】
(B-3)スルホン酸型界面活性剤:例えば、パラフィン(C12〜22)スルホン酸、アルキル(C8〜12)ベンゼンスルホン酸、アルキル(C8〜12)ベンゼンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸のホルマリン縮合物、α−オレフィン(C14〜16)スルホン酸、ジアルキル(C8〜12)スルホコハク酸、リグニンスルホン酸、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテルスルホコハク酸ハーフエステル、ナフタレンスルホン酸、(モノまたはジ)アルキル(C1〜6)ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、(モノまたはジ)アルキル(C1〜6)ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、アルキル(C8〜12)ジフェニルエーテルジスルホン酸、イゲポンT(商品名)、ポリスチレンスルホン酸およびスチレンスルホン酸とメタアクリル酸の共重合物等のスルホン酸、並びにそれらスルホン酸の塩が挙げられる。
【0065】
(B-4)燐酸エステル型界面活性剤:例えば、アルキル(C8〜12)燐酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜18)エーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノまたはジ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)アルキル(C8〜12)フェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)フェニルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)ベンジルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテル燐酸エステル、ポリオキシエチレン(モノ、ジまたはトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマーの燐酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの燐酸エステル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールイミンおよび縮合燐酸(例えばトリポリリン酸等)等の燐酸エステル、並びにそれら燐酸エステルの塩が挙げられる。
【0066】
上記の(B-1)〜(B-4)における塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウムおよびカリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム等)、アンモニウムおよび各種アミン(例えばアルキルアミン、シクロアルキルアミンおよびアルカノールアミン等)等が挙げられる。
【0067】
(C)カチオン性界面活性剤:
例えば、アルキルアミン、アルキル4級アンモニウム塩、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物およびアルキル4級アンモニウム塩のエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
【0068】
(D)両性界面活性剤:
例えば、ベタイン型界面活性剤およびアミノ酸型界面活性剤等が挙げられる。
【0069】
(E)その他の界面活性剤:
例えば、シリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤等が挙げられる。
【0070】
これらの界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、粒状物に含有される界面活性剤の総含有量は、粒状物に対して通常0〜20重量%の範囲である。本発明の固型農薬製剤に含有される界面活性剤の総含有量(但し、粒状物に含有される界面活性剤は除く。)は、固型農薬製剤に対して通常2〜15重量%の範囲である。
【0071】
本発明の固型農薬製剤に用いることのできる結合剤としては、例えばデキストリン(焙焼デキストリンおよび酵素変性デキストリン等)、酸分解澱粉、酸化澱粉、アルファー化澱粉、エーテル化澱粉(カルボキシメチル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉およびカチオン澱粉等)、エステル化澱粉(酢酸澱粉およびリン酸澱粉等)、架橋澱粉およびグラフト化澱粉等の加工澱粉、例えばアルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ゼラチン、トラガントガム、ローカストビーンガムおよびカゼイン等の天然物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびアセチルセルロース等のセルロース誘導体、ならびに例えばポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレンブロック共重合体、ポリビニルアルコール、部分けん化酢酸ビニルとビニルエーテルの共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合物およびポリアクリルアミド等のその他の高分子が挙げられる。
【0072】
これらの結合剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、本発明の固型農薬製剤に含有される結合剤の総含有量は、固型農薬製剤に対して通常1〜10重量%の範囲である。
【0073】
本発明の固型農薬製剤は、水田、畑地、稲の育苗箱および園芸作物のセルトレイ等に施用することができるが、特に水田への施用に適している。本発明の固型農薬製剤を施用する際の施用量は、農薬活性成分の種類等によっても異なるが、水田や畑地の場合、10アールあたり通常0.1〜20kg、好ましくは0.2〜5kgであり、稲(特に、水稲)の育苗箱施用の場合、育苗箱一枚あたり通常10〜200g、好ましくは10〜100gであり、園芸作物のセルトレイ施用の場合、セルトレイ一枚あたり通常1〜2000g、好ましくは5〜1000gである。
【実施例】
【0074】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。但し本発明はこれらの実施例および試験例のみに限定されるものではない。なお、「メタゾスルフロン」は、3-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(5-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミドである。メタゾスルフロンの純度は95.0%であり、不純物として3-クロロ-N-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イルカルバモイル)-1-メチル-4-(6-メチル-5,6-ジヒドロ-1,4,2-ジオキサジン-3-イル)-1H-ピラゾール-5-スルホンアミドを3.9%含有する。以下の部は、すべて重量部を意味する。
【0075】

〔実施例1〕
約5ミクロン程度に微粉砕したメタゾスルフロン21.0部、フローライトR(商品名/カルシウムシリケート、(株)トクヤマ製)1.5部、H微粉(商品名/二酸化ケイ素、啓和炉材(株)製)47.5部および石油系パラフィンワックス(融点70〜80℃、針入度5〜7(25℃)、平均分子量500〜600)30部を、約100℃で溶融しながら、混合撹拌しメタゾスルフロンを均一に分散させた。これらの化合物を室温まで冷却し粉砕した。
【0076】
この粒状物の体積中位径321μmのもの5.0部と、ジオクチルスルホサクシネートNa塩1.3部、トリポリリン酸ナトリウム1.0部、ベントナイト30部、クレー62.2部とともに混合した。燐酸0.5部を含む適量の造粒水を加えて混練した。直径1.0mm の穴を有するスクリーンにて押し出し造粒した。造粒物を二等分し、半分を造粒直後に55℃の送風温度にて10分間流動層乾燥を行った。さらに残りの一部は造粒後静置し、6時間後に同様に乾燥した。これらの乾燥物を整粒後、710〜1,700μmの篩でふるい分け、メタゾスルフロンを含有する本発明の粒剤を得た。
【0077】

〔実施例2〕
約5ミクロン程度に微粉砕したメタゾスルフロン21.0部、フローライトR(商品名/カルシウムシリケート、(株)トクヤマ製)1.5部、H微粉(商品名/二酸化ケイ素、啓和炉材(株)製)47.5部および石油系パラフィンワックス(融点70〜80℃、針入度5〜7(25℃)、平均分子量500〜600)30部を、約100℃で溶融しながら、混合撹拌しメタゾスルフロンを均一に分散させた。これらの化合物を室温まで冷却し粉砕した。
【0078】
この粒状物の体積中位径321μmのもの5.0部と、ジオクチルスルホサクシネートNa塩1.3部、トリポリリン酸ナトリウム1.0部、ベントナイト30部、クレー61.7部とともに混合した。燐酸1.0部を含む適量の造粒水を加えて混練した。直径1.0mm の穴を有するスクリーンにて押し出し造粒した。造粒物を二等分し、半分を造粒直後に55℃の送風温度にて10分間流動層乾燥を行った。さらに残りの一部は造粒後静置し、6時間後に同様に乾燥した。これらの乾燥物を整粒後、710〜1,700μmの篩でふるい分け、メタゾスルフロンを含有する本発明の粒剤を得た。
【0079】

〔比較例1〕
約5ミクロン程度に微粉砕したメタゾスルフロン21.0部、フローライトR(商品名/カルシウムシリケート、(株)トクヤマ製)1.5部、H微粉(商品名/二酸化ケイ素、啓和炉材(株)製)47.5部および石油系パラフィンワックス(融点70〜80℃、針入度5〜7(25℃)、平均分子量500〜600)30部を、約100℃で溶融しながら、混合撹拌しメタゾスルフロンを均一に分散させた。これらの化合物を室温まで冷却し粉砕した。
【0080】
この粒状物の体積中位径321μmのもの5.0部と、ジオクチルスルホサクシネートNa塩1.3部、トリポリリン酸ナトリウム1.0部、ベントナイト30部、クレー62.7部とともに混合した。適量の造粒水を加えて混練した。直径1.0mm の穴を有するスクリーンにて押し出し造粒した。造粒物を二等分し、半分を造粒直後に55℃の送風温度にて10分間流動層乾燥を行った。さらに残りの一部は造粒後静置し、6時間後に同様に乾燥した。これらの乾燥物を整粒後、710〜1,700μmの篩でふるい分け、メタゾスルフロンを含有する粒剤を得た。
【0081】

〔参考例1〕
約5ミクロン程度に微粉砕したメタゾスルフロン21.0部、フローライトR(商品名/カルシウムシリケート、(株)トクヤマ製)1.5部、H微粉(商品名/二酸化ケイ素、啓和炉材(株)製)47.5部および石油系パラフィンワックス(融点70〜80℃、針入度5〜7(25℃)、平均分子量500〜600)30部を、約100℃で溶融しながら、混合撹拌しメタゾスルフロンを均一に分散させた。これらの化合物を室温まで冷却し粉砕した。
【0082】
この粒状物の体積中位径337μmのもの5.0部と、ジオクチルスルホサクシネートNa塩1.3部、トリポリリン酸ナトリウム1.0部、ベントナイト30部、クレー57.7部とともに混合した。塩化カリウム5.0部を含む適量の造粒水を加えて混練した。直径1.0mm の穴を有するスクリーンにて押し出し造粒し、55℃の送風温度にて10分間流動層乾燥、整粒後、710〜1,700μmの篩でふるい分け、メタゾスルフロンを含有する粒剤を得た。
【0083】

〔試験例1〕 メタゾスルフロンの水中溶出試験
実施例1〜2及び比較例1で製造した粒剤各300mgを、1リットルの10度硬水を入れたビーカーに投入し、24時間経過した後にビーカーの中央部から溶液の一部を採取して、HPLC(高速液体クロマトグラフ)により水中に溶出したメタゾスルフロンの成分量を定量し、下記の式により初期水中溶出率を算定した。
【0084】
初期水中溶出率(%) = (X / Y)× 100
X:24時間後に水中に溶出した成分量
Y:粒剤中の成分含有量

メタゾスルフロン含有粒剤の結果を第1表に示す。
【0085】

第1表
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
乾燥時期 水中溶出率(%) 静置1時間当たり
の溶出変化
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 造粒直後 66
造粒後静置6時間後 73 1.2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例2 造粒直後 67
造粒後静置6時間後 63 −0.7
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
比較例1 造粒直後 70
造粒後静置6時間後 83 2.2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


〔実施例3〕
約5ミクロン程度に微粉砕したメタゾスルフロン21.0部、フローライトR(商品名/カルシウムシリケート、(株)トクヤマ製)1.5部、H微粉(商品名/二酸化ケイ素、啓和炉材(株)製)47.5部および石油系パラフィンワックス(融点70〜80℃、針入度5〜7(25℃)、平均分子量500〜600)30部を、約100℃で溶融しながら、混合撹拌しメタゾスルフロンを均一に分散させた。これらの化合物を室温まで冷却し粉砕した。
【0086】
この粒状物の体積中位径363μmのもの5.0部と、ジオクチルスルホサクシネートNa塩1.3部、トリポリリン酸ナトリウム1.0部、ベントナイト30部、炭酸カルシウム60.7部とともに混合した。クエン酸2.0部を含む適量の造粒水を加えて混練した。直径1.0mm の穴を有するスクリーンにて押し出し造粒した。造粒物を二等分し、半分を造粒直後に55℃の送風温度にて10分間流動層乾燥を行った。さらに残りの一部は造粒後静置し、5時間後に同様に乾燥した。これらの乾燥物を整粒後、710〜1,700μmの篩でふるい分け、メタゾスルフロンを含有する本発明の粒剤を得た。
【0087】

〔実施例4〕
約5ミクロン程度に微粉砕したメタゾスルフロン21.0部、フローライトR(商品名/カルシウムシリケート、(株)トクヤマ製)1.5部、H微粉(商品名/二酸化ケイ素、啓和炉材(株)製)47.5部および石油系パラフィンワックス(融点70〜80℃、針入度5〜7(25℃)、平均分子量500〜600)30部を、約100℃で溶融しながら、混合撹拌しメタゾスルフロンを均一に分散させた。これらの化合物を室温まで冷却し粉砕した。
【0088】
この粒状物の体積中位径363μmのもの5.0部と、ジオクチルスルホサクシネートNa塩1.3部、トリポリリン酸ナトリウム1.0部、ベントナイト30部、炭酸カルシウム61.7部とともに混合した。燐酸1.0部を含む適量の造粒水を加えて混練した。直径1.0mm の穴を有するスクリーンにて押し出し造粒した。造粒物を二等分し、半分を造粒直後に55℃の送風温度にて10分間流動層乾燥を行った。さらに残りの一部は造粒後静置し、5時間後に同様に乾燥した。これらの乾燥物を整粒後、710〜1,700μmの篩でふるい分け、メタゾスルフロンを含有する本発明の粒剤を得た。
【0089】

〔比較例2〕
約5ミクロン程度に微粉砕したメタゾスルフロン21.0部、フローライトR(商品名/カルシウムシリケート、(株)トクヤマ製)1.5部、H微粉(商品名/二酸化ケイ素、啓和炉材(株)製)47.5部および石油系パラフィンワックス(融点70〜80℃、針入度5〜7(25℃)、平均分子量500〜600)30部を、約100℃で溶融しながら、混合撹拌しメタゾスルフロンを均一に分散させた。これらの化合物を室温まで冷却し粉砕した。
【0090】
この粒状物の体積中位径363μmのもの5.0部と、ジオクチルスルホサクシネートNa塩1.3部、トリポリリン酸ナトリウム1.0部、ベントナイト30部、炭酸カルシウム62.7部とともに混合した。適量の造粒水を加えて混練した。直径1.0mm の穴を有するスクリーンにて押し出し造粒した。造粒物を二等分し、半分を造粒直後に55℃の送風温度にて10分間流動層乾燥を行った。さらに残りの一部は造粒後静置し、5時間後に同様に乾燥した。これらの乾燥物を整粒後、710〜1,700μmの篩でふるい分け、メタゾスルフロンを含有する本発明の粒剤を得た。
【0091】

メタゾスルフロン含有粒剤の結果を第2表に示す。
【0092】

第2表
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
乾燥時期 水中溶出率(%) 静置1時間当たり
の溶出変化
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例3 造粒直後 54
造粒後静置6時間後 51 −0.5
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例4 造粒直後 56
造粒後静置6時間後 57 −0.2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
比較例2 造粒直後 50
造粒後静置6時間後 62 2.3
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の固型農薬製剤は、雑草や病害虫等の有害生物の防除に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)、(b)および(c)を含む固型農薬製剤。
(a)農薬活性成分および25℃において固体の疎水性物質を含む粒状物
(b)酸性物質
(c)固体担体
【請求項2】
0.1重量%水溶液のpHが4.0以下である酸性物質を用いる請求項1記載の固型農薬製剤。
【請求項3】
酸性物質が、有機酸または無機酸である請求項1または2記載の固型農薬製剤。
【請求項4】
酸性物質が、クエン酸、アスコルビン酸、安息香酸および燐酸から選ばれる1種以上である請求項1または2記載の固型農薬製剤。
【請求項5】
25℃において固体の疎水性物質が、ワックス、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび樹脂から選ばれる1種以上である請求項1ないし4のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項6】
25℃において固体の疎水性物質が、パラフィンワックスである請求項1ないし5のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項7】
25℃において固体の疎水性物質中に、農薬活性成分が分散している請求項1ないし6のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項8】
農薬活性成分が、式(1):
【化1】


〔式中、
GはG1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、G9、G10またはCH3(CH3SO2)Nを表し、
LはL1またはL2を表し、
XおよびYは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜3アルキル基またはC1〜3アルコキシ基を表し
ZはCHまたは窒素原子を表し
L1はSO2NH(C=O)N(R1)、CH2SO2NH(C=O)N(R1)またはNHSO2NH(C=O)N(R1)を表し
L2は酸素原子、硫黄原子、CH2、CH(OH)またはC=Oを表し、
R1は水素原子またはC1〜3アルキル基を表し、
G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、G9およびG10は
【化2】


を表し、
R2はC1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシC1〜3アルキル基、Aによって置換されていてもよいフェニル基またはAによって置換されていてもよいピリジル基を表し、
Aはハロゲン原子、C1〜3アルキル基、C1〜3アルコキシ基およびC1〜3ハロアルキル基から選ばれる1以上の置換基を表し、
R3は水素原子、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、C1〜6ハロアルコキシ基、C1〜3アルコキシC1〜6アルキル基、C1〜3ハロアルコキシC1〜3アルキル基、NO、CO2R8、COR9、CON(R10)2、CONHR10、NHCOR9、SO2R11、SO2N(R10)2、SO2NH(R10)、NHSO2(R11)、CH(CHFCH3)(OCOCH2OCH3)、2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル基またはQを表し、
Qは
【化3】


を表し
R4、R5、R6およびR7は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基、C2〜6ハロアルケニル基、C2〜6ハロアルキニル基、C1〜3アルコキシC1〜3アルキル基、NHCOR9、CH2NHSO2R11、C(R12)=NOR13または4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル基を表し
R3とR4が隣接する場合、R3とR4は結合している炭素原子と共に5ないし6員環を形成してもよく、形成される環内に酸素原子あるいはカルボニル基を含んでいてもよく、
R8は水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基、C3〜6シクロアルキル基、3-オキセタニル基、2-オキセタニル基、またはN=C(Ph)2を表し、
R9は水素原子、C1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、C1〜6ハロアルキル基またはC3〜6シクロアルキル基を表し、
R10はC1〜6アルキル基を表し、
R11はC1〜6アルキル基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基またはC1〜6ハロアルキル基を表し、
R12は水素原子またはC1〜6アルキル基を表し、
R13はC1〜6アルキル基を表し、
を表し、
R14、R15、R16およびR17は各々独立して水素原子またはC1〜6アルキル基を表す。〕で表される化合物およびそれらの塩から選ばれる1種以上の除草活性成分である請求項1ないし7のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項9】
さらに農薬活性成分を含有する請求項1ないし8のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項10】
さらに補助成分を含有する請求項1ないし9のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項11】
固型農薬製剤が粒剤である請求項1ないし10のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項12】
固型農薬製剤が、湿式造粒法で製造された粒剤である請求項1ないし10のいずれか1項記載の固型農薬製剤。
【請求項13】
酸性物質を適量の水に溶解させて調製した水溶液、粒状物および固体担体を混合してペースト状に混練したものを湿式造粒した後、乾燥して製造された請求項12記載の固型農薬製剤。
【請求項14】
酸性物質を適量の水に溶解させて調製した水溶液、粒状物および固体担体を混合してペースト状に混練したものを湿式造粒した後、乾燥する固型農薬製剤の製造方法。

【公開番号】特開2012−12299(P2012−12299A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147100(P2010−147100)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】