説明

迅速なガス水和物の製造方法

本発明は、迅速なガス水和物の製造方法に関し、より詳しくは、i)潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を反応器に注入する第1の段階、ii)前記第1段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第2段階、及びiii)前記第2の段階のガスが注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、を含む半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法及び前記第1段階と第3段階の手順を変えた回分式(batch type) ガス水和物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、迅速なガス水和物の製造方法に関し、より詳しくは、i)潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を反応器に注入する第1段階と、ii)前記第1段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第2段階と、iii)前記第2の段階のガスが注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、を含む半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法及び前記第1段階と第3段階の手順を変えた回分式(batch type) ガス水和物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスは、清浄性、安全性、便利性などを備えた燃料として、石油、石炭など固体燃料の代替エネルギーとして注目されており、家庭、商業、輸送、産業などの多用な分野でその利用が増加し続けて世界エネルギー消費の約1/4を供給するエネルギー源として石油、石炭などの固体燃料と共に世界エネルギー産業の根幹を形成している。
【0003】
このような天然ガスをガス田から採取してガス状態でそのまま輸送する場合、体積がとても大きくて爆発可能性があるので、その問題を解決するために天然ガスを液化温度まで冷却して液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)を生成し、これを輸送船などに設置した専用タンクに貯蔵して輸送する方法が主に使われて来た。液化天然ガスは、単位体積当り通常600倍体積の天然ガスを含んでいる。
【0004】
しかし、液化天然ガス(LNG)の主成分であるメタンガスの場合、液化させるためには約−162℃の極低温が必要であるので、液化天然ガスの生産施設だけではなく海上及び陸上での天然ガス運送装置の製作においても非常に多い費用が必要となる問題点がある。
【0005】
また、他の天然ガス貯蔵及び運送方法として圧縮ガスを使用する方法があるが、この方法も高い貯蔵圧力により大型容器の製作が技術的に難しくて多くの費用が必要となり、高圧力爆発による安全上の問題が発生する問題点がある。
【0006】
これに反して、天然ガス水和物(gas hydrate)は、単位体積当り170倍体積のガスを提供しながらも比較的穏やかな圧力と温度で(40 bar at 3℃)作られ、一度形成されたら水和物の貯蔵が−20℃、1気圧で行われる。このような温度、圧力条件は、液化天然ガス及び圧縮ガスの温度、圧力条件より一層穏やかな条件である。
【0007】
また、天然ガス水和物は、常温及び常圧に露出されても爆発する可能性が低いため、システムの漏水と破損に対処する十分な時間を確保することができるので安全であるという利点がある。すなわち、天然ガス水和物は、LNG(liquefied natural gas)やCNG(compressed natural gas)に比べて貯蔵及び輸送が安全で且つ経済的である。
【0008】
天然ガス水和物は、低い温度と高い圧力でガスと水が化学的結合ではない物理的結合によりドライアイス(dry ice)のような形態を取りながら生成された化合物として、ガス水和物1mの発熱量は約180mの天然ガスが有する発熱量と類似である。自然的には、温度は低く圧力が高い海底や凍土(frozen earth)などで水とガスが結合された結晶体として埋蔵されており、これは解離(dissociation)条件になれば水とガスに容易に分解される。
【0009】
天然ガス水和物は、分子構造によってI型、II型、H型などに分類され、外形上氷と類似であるが氷と異なる構造を有する。氷は、0℃近くの低い温度で2次元平面構造を有するが、水分子は天然ガス水和物が適当な圧力(20−40bar)で与えられると3次元空洞構造(cavity structure)を形成する。
【0010】
単一空洞のサイズは球面体で仮定する時、約1ナノメートルであり、単位格子サイズ(unit cell size)は、約2ナノメートルであり、この空洞の内部に天然ガスが入るようになる。すなわち、水素結合により連結された水分子は‘ホスト(host)'になり、ガス分子は‘ゲスト(guest)'になる。ガス水和物の一般式は、Gas(HO)であり、ここで、nは水和数番号(hydration number)としてガス分子のサイズによって約5〜8の値を有するようになる。非極性ガス分子と水分子との間にはファン・デル・ワールス力(van der Waals force)が作用する。
【0011】
一般的な天然ガス水和物の製造方法は、反応器の上端に設置されたガスノズルを通じて供給された高圧の冷却された天然ガスが、それより下側に設置されたノズルまたは反応器の下端に設置された多孔板を通じて噴射された水と接触して天然ガスハイドレートを生成するバブリング(Bubbling)方法が大部分であり、全体反応が発熱反応であるため反応中に生成された熱を除去するために冷却システムを反応器内に設置するかあるいは外部から反応器の温度を低めるシステムを備えるようになる。
【0012】
しかし、このような方法は、生成された天然ガスハイドレートが原料水や天然ガス噴射ノズルにプラギングを起こす恐れがあり、噴射板を使用する場合、生成された原料水粒子の直径が大きいため、生成反応時に物質伝達の抵抗が大きいという短所などがあり、生成された天然ガスハイドレートと未反応の水との分離が難しくて、低い転換率により未反応の水の量が多くなり、分離及び再使用工程に多くのエネルギーが必要となる。
【0013】
また、既存の天然ガス水和物の生産方法は、長い水和物誘導時間と低い水和物の結晶成長速度により産業化に問題点がある。ここで、水和物誘導時間(induction period)とは、固体ガス水和物の結晶粒子が生ずる前まで準安定化(mata−stable)した液体状態で維持される期間であると定義することができ、メタン水和物の誘導時間は普通数日程度である。
【0014】
最近、RogersとZhongは、SDS(sodium dodecyl sulfate)の界面活性剤と反応器の内部及び外部の二重冷却システム(double−cooling system)を使う場合、エタン水和物の誘導時間が約40分で減少することを報告した(2002)。この時、エタン水和物の全体的な生成速度は、SDSを使わない場合に比べて約700倍増加した。
【0015】
しかしながら、結晶核生成(水和物結晶誘導)過程は確率的であり、速い誘導過程は同一な実験条件と界面活性剤濃度を使用しても一貫して繰り返し発生しないで、水溶液内の不純物、外部振動、冷却方法などのさまざまな要因により影響を受けるようになる。
【0016】
したがって、前記のような既存のガス水和物の製造方法の問題点を克服してガス水和物の誘導期間なしにガス水和物の結晶生成速度を増加させることができるガス水和物の製造方法に対する新しい工程開発が天然ガスエネルギーの活用において切実に要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明は前述のような問題点を解決すべくなされたものであって、種子水和物粒子(seed hydrate particle)を形成することができる少量の潜在的種子水和物水溶液(potential feed hydrate solution)を利用して単一外部冷却装置を有した反応器で誘導期間なしに速い結晶生成速度でガス水和物を製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の目的は、i)潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を反応器に注入する第1段階と、ii)前記第1段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第2段階と、iii)前記第2段階のガスが注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、を含む半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法を提供することで達成される。
【0019】
また、本発明の目的は、i)反応器にガスを注入する(pressurize)第1段階と、ii)前記第1段階のガスが注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第2段階と、iii)前記第2段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、を含む半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法を提供することで達成される。
【0020】
また、本発明の目的は、i)反応器にガス(pressurize)と種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を同時に注入する第1段階、及びii)前記第1段階のガス(pressurize)と種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)が同時に注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第2段階と、を含む半回分式(fed batch type)ガス水和物の製造方法を提供することで達成される。
【0021】
また、本発明の目的は、i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階と、ii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第2段階と、iii)前記第2段階のガスが注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第3段階と、を含む回分式(batch type)ガス水和物の製造方法を提供することで達成される。
【0022】
また、本発明の目的は、i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階と、ii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第2段階と、iii)前記第2段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第3段階と、を含む回分式(batch type)ガス水和物の製造方法を提供することで達成される。
【0023】
また、本発明の目的は、i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階、及びii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器にガス(pressurize)及び潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を同時に注入する第2段階を含む回分式(batch type)ガス水和物の製造方法を提供することで達成される。
【0024】
また、本発明の目的は、i)反応器にガスを注入する(pressurize)第1段階と、ii)前記第1段階のガスが注入された(pressurize)反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第2段階と、iii)前記第2段階の界面活性剤溶液(surfactant solution)が注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第3段階と、を含む回分式(batch type)ガス水和物の製造方法を提供することで達成される。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、水のメモリー効果や既に形成されているガス水和物粒子を利用しないで純粋水溶液からガス水和物を迅速に形成する新しい方法として、比較的穏やかな条件の圧力と温度下で潜在的種子水和物水溶液を少量利用して反応器内で種子水和物を作ってその上に天然ガス水和物を同時に形成させて迅速な反応が行われるようにする。
【0026】
反応器内の種子水和物の形成は、水の凝固点以上の温度で常圧または10bar以下の比較的低い圧力で行われる。前記種子水和物は、少量の界面活性剤を含有した水溶液とともに水和物誘導時間なしにすぐにガス水和物を形成することができ、水和物が反応器の壁面に沿って多孔性構造で速く形成される。このような迅速な水和物の製造方法は、回分式(batch type)または半回分式(fed−batch type)工程の両方に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】sI、sIIタイプのガス水和物分子の構造を示した図である。
【図2】本発明のガス水和物の製造方法を利用するガス水和物の製造装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法は、i)潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を反応器に注入する第1段階と、ii)前記第1段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第2段階と、iii)前記第2段階のガスが注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、で行われる。
【0029】
また、本発明の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法は、i)反応器にガスを注入する(pressurize)第1段階と、ii)前記第1段階のガスが注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第2段階と、iii)前記第2段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、で行われる。
【0030】
また、本発明の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法は、i)反応器にガス(pressurize)と種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を同時に注入する第1段階、及びii)前記第1段階のガス(pressurize)と種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)が同時に注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第2段階で行われる。
【0031】
ここで、潜在的種子水和物(potential feed hydrate)とは、水和物を形成する種子になる化合物として働くことができ、sI、sII、sH水和物形成体またはセミ−クラスレート(semi−clathrate)化合物を形成する塩になることができる。
【0032】
sI、sII及びsH水和物とは、水和物の分子構造による分類として、特に、H型は実験室でのみ人工的に生成が可能であったが最近カナダ西部海岸の深さ20〜500mの海底で発見されたことがある(図1参照)。
【0033】
セミ−クラスレート(semi−clathrate)化合物とは、二つの分子が適当な条件下で一緒に結晶化される時、一分子が立体網状構造を作ってその隙間に他の分子が入った構造の内包化合物を指称する。
【0034】
前記種子水和物溶液は、テトラヒドロフラン(THF:tetrahydrofuran)、1,3−ジオキソラン(1,3−dioxolane)、テトラヒドロピラン(tetrahydropyran)、シクロペンタン(cyclopentane)、アセトン(acetone)、二フッ化メタン(HFC−32:Difluoromethane)、イソブタン(isobutane)、イソブチレン(iso−butylene)、n−ブタン(n−butane)、プロパン(propane)、LPG(C3+C4)、メチルシクロヘキサン(methylcyclohexane)、メチルシクロペンタン(methylcyclopetane)、ネオヘキサン(neohexane)、メチルtert−ブチルエーテル(methyl tert−butyl ether)、アマンタジン(adamantine)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(tetra−n−butylammonium bromide)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(tetra−n−butylammonium fluoride)及びテトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(tetra−n−butylammonium chloride)から選択されるいずれか一つ以上の化合物を含むことができる。
【0035】
一方、また他の潜在的種子水和物として、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:sodium dodecyl sulfate)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS:diisooctyl sodium sulfosuccinate)、テトラデシル硫酸ナトリウム(sodium tetradecyl sulfate)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(sodium hexadecyl sulfate)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium dodecylbenzene sulfonate)、キシレンスルホン酸ナトリウム(Xylenesulfonate)、オレイン酸ナトリウム(Sodium oleate)、4−n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(4−n−Decylbenzenesulfonate)、ラウリン酸ナトリウム(sodium laurate)、4−ドデシルベンゼンスルホン酸(4−dodecylbenzenesulfonic acid)、 ドデシルアミン塩酸塩(dodecylamine hydrochloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(dodecyltrimethylammonium chloride)、4−n−オクチルベンゼンスルホン酸塩(4−n−Octylbenzene sulfonate)、エトキシル化スルホン酸塩(Ethoxylated sulfonate)、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Decylbenzenesulfonate)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−Decylbenzene sulfonate)、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド(Alkyltrimethylammonium bromide、C10−C16 chains)、ドデシルアミン(Dodecyl amine)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Tetradecyltrimethylammonium chloride), ドデシルポリサッカライドグルコシド(dodecyl polysaccharide glycoside)、シクロデキストリン(Cyclodextrins)、グリコリピド(glycolipids)、リポプロテイン−リポペプチド(lipoprotein−lipopeptides)、ホスホリピッド(phospholipides)、para−トルエンスルホン酸(para-toluene sulfonic acid)、トリシロキサン(trisiloxane)、トリトン(triton)X−100のような界面活性剤の氷スラリ(ice slurry)を使用することが可能である。
【0036】
上述した潜在的種子水和物の水溶液の量は、界面活性剤溶液の全体体積の5%以内程度の少量だけでも十分である。
【0037】
前記潜在的種子水和物の水溶液は、冷却された反応器で注入されたガス(例えば、メタンガス35−100bar)と共に種子水和物(seed hydrate)をすぐに形成するようになる。
【0038】
前記ガスは、潜在的種子水和物の水溶液が反応器に注入される前あるいは後に流入されることができ、または同時に注入されてもよい。
【0039】
反応器の冷却は、ガスが反応器に流入される前、潜在的種子水和物の水溶液が反応器に流入される前、または界面活性剤溶液が反応器に流入される前に行われることができる。
【0040】
反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることが好ましく、注入されたガスの注入圧力はガス水和物の平衡圧力より10〜50bar以上であることが好ましい。すなわち、相対的に穏やかな温度、圧力条件で反応が行われるようになる。
【0041】
注入されるガスは、メタン(methane)、エタン(ethane)、プロパン(propane)、二酸化炭素(carbone dioxide)、またはこれらの混合物などの水和物を形成することができるガスであればいずれも可能である。
【0042】
このように種子水和物が形成された反応器に界面活性剤が含まれた水溶液を注入すれば、一切の誘導時間なしにガス水和物を直ちに形成するようになる。すなわち、界面活性剤溶液は、ガスと接触すれば、反応器の壁面に沿って多孔性構造のガス水和物を形成するようになり、これはガスが未反応した水溶液に近付きやすくするだけではなく、反応熱が容易に散らばるようにして、ガス貯蔵密度(gas storage density)と転換収率が増加するようになる効果をもたらす。
【0043】
この時使われる界面活性剤水溶液は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:sodium dodecyl sulfate)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS:diisooctyl sodium sulfosuccinate)、テトラデシル硫酸ナトリウム(sodium tetradecyl sulfate)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(sodium hexadecyl sulfate)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium dodecylbenzene sulfonate)、キシレンスルホン酸ナトリウム(Xylenesulfonate)、オレイン酸ナトリウム(Sodium oleate)、4−n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(4−n−Decylbenzenesulfonate)、ラウリン酸ナトリウム(sodium laurate)、4−ドデシルベンゼンスルホン酸(4−dodecylbenzenesulfonic acid)、 ドデシルアミン塩酸塩(dodecylamine hydrochloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(dodecyltrimethylammonium chloride)、4−n−オクチルベンゼンスルホン酸塩(4−n−Octylbenzene sulfonate)、エトキシル化スルホン酸塩(Ethoxylated sulfonate)、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Decylbenzenesulfonate)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−Decylbenzene sulfonate)、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド(Alkyltrimethylammonium bromide、C10−C16 chains)、ドデシルアミン(Dodecyl amine)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Tetradecyltrimethylammonium chloride)、ドデシルポリサッカライドグルコシド(dodecyl polysaccharide glycoside)、シクロデキストリン(Cyclodextrins)、グリコリピド(glycolipids)、リポプロテイン−リポペプチド(lipoprotein−lipopeptides)、ホスホリピッド(phospholipides)、para−トルエンスルホン酸(para-toluene sulfonic acid)、トリシロキサン(trisiloxane)、トリトン(triton)X−100から選択されるいずれか一つ以上の化合物を含むことができ、その濃度は、約50〜2000ppmであることが好ましい。
【0044】
一方、本発明のガス水和物の製造方法は、回分式(batch type)製造方法にも適用でき、この場合、本発明の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法は、i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階と、ii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize e)第2段階と、iii)前記第2段階のガスが注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第3段階と、で行われる。
【0045】
また、本発明の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法は、i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階と、ii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第2段階と、iii)前記第2段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第3段階と、で行われる。
【0046】
また、本発明の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法は、i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階、及びii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器にガス(pressurize)及び潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を同時注入する第2段階で行われる。
【0047】
また、本発明の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法は i)反応器にガスを注入する(pressurize)第1段階と、ii)前記第1段階のガスが注入された(pressurize)反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第2段階と、iii)前記第2段階の界面活性剤溶液(surfactant solution)が注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第3段階と、で行われる。
【0048】
前記回分式ガス水和物の製造方法で使用できる界面活性剤溶液と潜在的種子水和物水溶液は、上述した半回分式製造方法で使われるものと同一である。回分式製造方法では、種子水和物が先に注入された界面活性剤上に形成される。
【0049】
すなわち、反応器に流入された潜在的種子水和物の水溶液が冷却された反応器で注入されたガスと(例えば、メタン35−100bar)と共に種子水和物(seed hydrate)を形成すれば、この種子水和物は、既に反応器に注入されていた界面活性剤と一切の誘導時間なしにガス水和物を直ちに形成するようになる。
【0050】
前記ガスは、潜在的種子水和物の水溶液が反応器に注入される前あるいは後、または同時にも流入されることができ、反応器の冷却は、ガスが反応器に流入される前、潜在的種子水和物の水溶液が反応器に流入される前、または界面活性剤溶液が反応器に流入される前に行われることができる。
【0051】
この時、半回分式製造方法と同様に反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることが好ましくて、注入されたガスの加圧圧力は、ガス水和物の平衡圧力より10〜50bar以上であることが好ましい。
【0052】
図2は、本発明の製造方法を利用した実験装置として、ガスがガスタンク1からパイプ3を通じて供給され、ここに質量流量計2が設置されてガス水和物の形成によるガス注入量が測定され、界面活性剤溶液は、液体注入ライン4を通じて高圧液体ポンプ5により反応器に供給される。ガス排出ライン6が反応器9の上側に設置されている。冷却水ライン10が、温度制御機が付着された冷却器11と反応器を連結して反応器の温度を降下させる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0054】
<実施例1>
下の表1は、純粋THF溶液を種子水和物形成溶液とした実験結果である。ます、反応器に500ppm SDS及び4wt% THF溶液を0.02リットル供給する。その後、反応器の温度を0℃付近に外部冷却器を利用して低めて、メタンガスを反応器に50barで満たす。その後、500ppm SDS水溶液1リットルを反応器に注入してガス水和物を生成する。
【0055】
この実験において、メタンガスは、メタン水和物の単位体積当り0℃、1気圧で173倍の体積ほどメタンガスが貯蔵されていた。実験後、反応器を開いた時、メタン水和物が反応壁に沿って形成されたことが確認できる。
【0056】
【表1】

【0057】
<実施例2>
下の表2は、純粋CP溶液を種子水和物の形成溶液とした実験結果である。メタンの貯蔵密度は、前記実験より多少少ないが、反応温度、圧力、液体注入速度等を最適化すれば、ガス貯蔵量を最大化することができる。
【0058】
【表2】

【0059】
前記二つの実施例はいずれもSDS水溶液の注入前に種子水和物が加圧と冷却過程で形成されたし、SDS水溶液を注入しながらガス水和物が直ちに形成される。
【0060】
以上において説明した本発明は、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であるので、上述した実施例及び添付された図面に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0061】
1 ガスタンク、2 質量流量計(MFC)、3 ガス注入ライン、4 水溶液注入ライン、5 液体ポンプ、6 ガスベントライン、7 熱電対(thermocouple)、8 水溶液タンク、9 反応器、10 冷却剤インアンドアウト、11 冷却装置、12 データリンク、13 PC、14 データ獲得ボード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を反応器に注入する第1段階と、
ii)前記第1段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第2段階と、
iii)前記第2段階のガスが注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、
を含むことを特徴とする半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項2】
i)反応器にガスを注入する(pressurize)第1段階と、
ii)前記第1段階のガスが注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第2段階と、
iii)前記第2段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第3段階と、
を含むことを特徴とする半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項3】
i)反応器にガス(pressurize)と種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を同時に注入する第1段階と、
ii)前記第1段階のガス(pressurize)と種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)が同時に注入された反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第2段階と、
を含むことを特徴とする半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項4】
反応器に前記ガスを注入する前に反応器を冷却する(cool down)段階をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項5】
前記反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることを特徴とする請求項4に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項6】
反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する前に反応器を冷却する(cool down)段階をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項7】
前記反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることを特徴とする請求項6に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項8】
反応器に界面活性剤溶液を注入する前に反応器を冷却する(cool down)段階をさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項9】
前記反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることを特徴とする請求項8に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項10】
反応器に注入されるガスは、メタン(methane)、エタン(ethane)、プロパン(propane)、二酸化炭素(carbone dioxide)、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項11】
前記注入ガスの加圧圧力は、ガス水和物の平衡圧力より10〜50bar以上であることを特徴とする請求項10に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項12】
前記潜在的種子水和物は、sI、sII、sH水和物形成体(hydrate former)またはセミ−クラスレート(semi−clathrate)化合物を形成する塩であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項13】
前記sI、sII、sH水和物形成体(hydrate former)またはセミ−クラスレート(semi−clathrate)化合物を形成する塩は、テトラヒドロフラン(THF:tetrahydrofuran)、1,3−ジオキソラン(1,3−dioxolane)、テトラヒドロピラン(tetrahydropyran)、シクロペンタン(cyclopentane)、アセトン(acetone)、二フッ化メタン(HFC−32:Difluoromethane)、イソブタン(isobutane)、イソブチレン(iso−butylene)、n−ブタン(n−butane)、プロパン(propane)、LPG(C3+C4)、メチルシクロヘキサン(methylcyclohexane)、メチルシクロペンタン(methylcyclopetane)、ネオヘキサン(neohexane)、メチルtert−ブチルエーテル(methyltert−butyl ether)、アマンタジン(adamantine)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(tetra−n−butylammonium bromide)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(tetra−n−butylammonium fluoride)及びテトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(tetra−n−butylammonium chloride)から選択されるいずれか一つ以上の化合物であることを特徴とする請求項12に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項14】
前記潜在的種子水和物は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:sodium dodecyl sulfate)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS:diisooctyl sodium sulfosuccinate)、テトラデシル硫酸ナトリウム(sodium tetradecyl sulfate)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(sodium hexadecyl sulfate)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium dodecylbenzene sulfonate)、キシレンスルホン酸ナトリウム(Xylenesulfonate)、オレイン酸ナトリウム(Sodium oleate)、4−n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(4−n−Decylbenzenesulfonate)、ラウリン酸ナトリウム(sodium laurate)、4−ドデシルベンゼンスルホン酸(4−dodecylbenzenesulfonic acid)、 ドデシルアミン塩酸塩(dodecylamine hydrochloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(dodecyltrimethylammonium chloride)、4−n−オクチルベンゼンスルホン酸塩(4−n−Octylbenzene sulfonate)、エトキシル化スルホン酸塩(Ethoxylated sulfonate)、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Decylbenzenesulfonate)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−Decylbenzene sulfonate)、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド(Alkyltrimethylammonium bromide、C10−C16 chains)、ドデシルアミン(Dodecyl amine)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Tetradecyltrimethylammonium chloride), ドデシルポリサッカライドグルコシド(dodecyl polysaccharide glycoside)、シクロデキストリン(Cyclodextrins)、グリコリピド(glycolipids)、リポプロテイン−リポペプチド(lipoprotein−lipopeptides)、ホスホリピッド(phospholipides)、para−トルエンスルホン酸(para-toluene sulfonic acid)、トリシロキサン(trisiloxane)、トリトン(triton)X−100から選択されるいずれか一つ以上の化合物の氷スラリ(ice slurry)であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項15】
前記潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液の体積は、前記界面活性剤溶液の全体体積の5%以内であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項16】
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:sodium dodecyl sulfate)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS:diisooctyl sodium sulfosuccinate)、テトラデシル硫酸ナトリウム(sodium tetradecyl sulfate)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(sodium hexadecyl sulfate)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium dodecylbenzene sulfonate)、キシレンスルホン酸ナトリウム(Xylenesulfonate)、オレイン酸ナトリウム(Sodium oleate)、4−n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(4−n−Decylbenzenesulfonate)、ラウリン酸ナトリウム(sodium laurate)、4−ドデシルベンゼンスルホン酸(4−dodecylbenzenesulfonic acid)、 ドデシルアミン塩酸塩(dodecylamine hydrochloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(dodecyltrimethylammonium chloride)、4−n−オクチルベンゼンスルホン酸塩(4−n−Octylbenzene sulfonate)、エトキシル化スルホン酸塩(Ethoxylated sulfonate)、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Decylbenzenesulfonate)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−Decylbenzene sulfonate)、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド(Alkyltrimethylammonium bromide、C10−C16 chains)、ドデシルアミン(Dodecyl amine)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Tetradecyltrimethylammonium chloride), ドデシルポリサッカライドグルコシド(dodecyl polysaccharide glycoside)、シクロデキストリン(Cyclodextrins)、グリコリピド(glycolipids)、リポプロテイン−リポペプチド(lipoprotein−lipopeptides)、ホスホリピッド(phospholipides)、para−トルエンスルホン酸(para-toluene sulfonic acid)、トリシロキサン(trisiloxane)、トリトン(triton)X−100から選択されるいずれか一つ以上の化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項17】
前記界面活性剤溶液の濃度は、50〜2000ppmであることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の半回分式(fed−batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項18】
i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階と、
ii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第2段階と、
iii)前記第2段階のガスが注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第3段階と、
を含むことを特徴とする回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項19】
i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階と、
ii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第2段階と、
iii)前記第2段階の潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液が注入された反応器にガスを注入する(pressurize)第3段階と、
を含むことを特徴とする回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項20】
i)界面活性剤溶液(surfactant solution)を反応器に注入する第1段階と、
ii)前記第1段階の界面活性剤溶液が注入された反応器にガス(pressurize)及び潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を同時に注入する第2段階と、
を含むことを特徴とする回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項21】
i)反応器にガスを注入する(pressurize)第1段階と、
ii)前記第1段階のガスが注入された(pressurize)反応器に界面活性剤溶液(surfactant solution)を注入する第2段階と、
iii)前記第2段階の界面活性剤溶液(surfactant solution)が注入された反応器に潜在的種子水和物(potential feed hydrate)を含有した純粋水溶液(aqueous fresh solution)を注入する第3段階と、
を含むことを特徴とする回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項22】
反応器に前記ガスを注入する前に反応器を冷却する(cool down)段階をさらに含むことを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項23】
前記反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることを特徴とする請求項22に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項24】
反応器に潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液を注入する前に反応器を冷却する(cool down)段階をさらに含むことを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項25】
前記反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることを特徴とする請求項24に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項26】
反応器に界面活性剤溶液を注入する前に反応器を冷却する(cool down)段階をさらに含むことを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項27】
前記反応器の冷却温度は、−5℃〜5℃であることを特徴とする請求項26に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項28】
反応器に注入されるガスは、メタン(methane)、エタン(ethane)、プロパン(propane)、二酸化炭素(carbone dioxide)、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項29】
前記注入ガスの加圧圧力は、ガス水和物の平衡圧力より10〜50bar以上であることを特徴とする請求項28に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項30】
前記潜在的種子水和物は、sI、sII、sH水和物形成体(hydrate former)またはセミ−クラスレート(semi−clathrate)化合物を形成する塩であることを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項31】
前記sI、sII、sH水和物形成体(hydrate former)またはセミ−クラスレート(semi−clathrate)化合物を形成する塩は、テトラヒドロフラン(THF:tetrahydrofuran)、1,3−ジオキソラン(1,3−dioxolane)、テトラヒドロピラン(tetrahydropyran)、シクロペンタン(cyclopentane)、アセトン(acetone)、二フッ化メタン(HFC−32:Difluoromethane)、イソブタン(isobutane)、イソブチレン(iso−butylene)、n−ブタン(n−butane)、プロパン(propane)、LPG(C3+C4)、メチルシクロヘキサン(methylcyclohexane)、メチルシクロペンタン(methylcyclopetane)、ネオヘキサン(neohexane)、メチルtert−ブチルエーテル(methyltert−butyl ether)、アマンタジン(adamantine)、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム(tetra−n−butylammonium bromide)、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(tetra−n−butylammonium fluoride)及びテトラ−n−ブチルアンモニウムクロリド(tetra−n−butylammonium chloride)から選択されるいずれか一つ以上の化合物であることを特徴とする請求項30に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項32】
前記潜在的種子水和物は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:sodium dodecyl sulfate)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS:diisooctyl sodium sulfosuccinate)、テトラデシル硫酸ナトリウム(sodium tetradecyl sulfate)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(sodium hexadecyl sulfate)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium dodecylbenzene sulfonate)、キシレンスルホン酸ナトリウム(Xylenesulfonate)、オレイン酸ナトリウム(Sodium oleate)、4−n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(4−n−Decylbenzenesulfonate)、ラウリン酸ナトリウム(sodium laurate)、4−ドデシルベンゼンスルホン酸(4−dodecylbenzenesulfonic acid)、 ドデシルアミン塩酸塩(dodecylamine hydrochloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(dodecyltrimethylammonium chloride)、4−n−オクチルベンゼンスルホン酸塩(4−n−Octylbenzene sulfonate)、エトキシル化スルホン酸塩(Ethoxylated sulfonate)、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Decylbenzenesulfonate)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−Decylbenzene sulfonate)、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド(Alkyltrimethylammonium bromide、C10−C16 chains)、ドデシルアミン(Dodecyl amine)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Tetradecyltrimethylammonium chloride), ドデシルポリサッカライドグルコシド(dodecyl polysaccharide glycoside)、シクロデキストリン(Cyclodextrins)、グリコリピド(glycolipids)、リポプロテイン−リポペプチド(lipoprotein−lipopeptides)、ホスホリピッド(phospholipides)、para−トルエンスルホン酸(para-toluene sulfonic acid)、トリシロキサン(trisiloxane)、トリトン(triton)X−100から選択されるいずれか一つ以上の化合物の氷スラリ(ice slurry)であることを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項33】
前記潜在的種子水和物を含有した純粋水溶液の体積は、前記界面活性剤溶液の全体体積の5%以内であることを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項34】
前記界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:sodium dodecyl sulfate)、ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS:diisooctyl sodium sulfosuccinate)、テトラデシル硫酸ナトリウム(sodium tetradecyl sulfate)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(sodium hexadecyl sulfate)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium dodecylbenzene sulfonate)、キシレンスルホン酸ナトリウム(Xylenesulfonate)、オレイン酸ナトリウム(Sodium oleate)、4−n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(4−n−Decylbenzenesulfonate)、ラウリン酸ナトリウム(sodium laurate)、4−ドデシルベンゼンスルホン酸(4−dodecylbenzenesulfonic acid)、 ドデシルアミン塩酸塩(dodecylamine hydrochloride)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(dodecyltrimethylammonium chloride)、4−n−オクチルベンゼンスルホン酸塩(4−n−Octylbenzene sulfonate)、エトキシル化スルホン酸塩(Ethoxylated sulfonate)、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(Decylbenzenesulfonate)、オレイン酸カリウム(Potassium oleate)、n−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(n−Decylbenzene sulfonate)、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド(Alkyltrimethylammonium bromide、C10−C16 chains)、ドデシルアミン(Dodecyl amine)、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Tetradecyltrimethylammonium chloride), ドデシルポリサッカライドグルコシド(dodecyl polysaccharide glycoside)、シクロデキストリン(Cyclodextrins)、グリコリピド(glycolipids)、リポプロテイン−リポペプチド(lipoprotein−lipopeptides)、ホスホリピッド(phospholipides)、para−トルエンスルホン酸(para-toluene sulfonic acid)、トリシロキサン(trisiloxane)、トリトン(triton)X−100から選択されるいずれか一つ以上の化合物であることを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。
【請求項35】
前記界面活性剤溶液の濃度は、50〜2000ppmであることを特徴とする請求項18又は請求項21に記載の回分式(batch type)ガス水和物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−515764(P2013−515764A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546975(P2012−546975)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【国際出願番号】PCT/KR2010/000448
【国際公開番号】WO2011/090229
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511008861)エスティーエックス オフショア・アンド・シップビルディング カンパニー リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】STX Offshore & Shipbuilding Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】100, Wonpo−dong, Jinhae−si, Gyeongsangnam−do 645−703, Korea
【Fターム(参考)】