説明

追記型情報記録媒体、情報記録方法、情報再生方法、情報記録装置および情報再生装置

【課題】最新のDDSおよび最新の欠陥リストを容易に探索することができる追記型情報記録媒体が提供される。
【解決手段】本発明の追記型情報記録媒体には、少なくとも1つの欠陥管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、最新の欠陥リストと最新のDDSとは、この所定の方向に沿って、最新の欠陥リスト、最新のDDSの順に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追記型情報記録媒体、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法、追記型情報記録媒体から情報を再生する情報再生方法、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置および追記型情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量で交換可能な情報記録媒体、および大容量で交換可能な情報記録媒体を扱うディスクドライブ装置が普及している。大容量で交換可能な情報記録媒体として、光ディスク(例えば、DVD)が良く知られている。
【0003】
光ディスク対応の光ディスクドライブ装置は、レーザ光によって光ディスクに微小なピットを形成することによって情報を記録再生するため、大容量で交換可能な情報記録に適している。しかし、光ディスクは交換可能な情報記録媒体であるため、埃や傷などによってその記録面に欠陥が存在する。
【0004】
したがって、光ディスクドライブ装置によって、記録再生データの信頼性保証のために欠陥管理を行う必要がある。
【0005】
従来の欠陥管理方法として、書換え型光ディスクの内周側と外周側との所定の位置にそれぞれ2個ずつ(合計4つ)の欠陥管理領域(DMA)を割り付け、欠陥管理情報が更新された場合に、これらの欠陥管理領域に新規欠陥管理情報を上書きする方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
図23は、従来の書換え型光ディスク400のデータ構造を示す。
【0007】
データ領域5は、ユーザデータが記録再生されるユーザデータ領域16と、ユーザデータ領域16に存在する欠陥ブロックの代わりに用いるブロック(以下、「交替ブロック」と記載する。)として予め用意されたスペア領域17とを含む。
【0008】
リードイン領域4とリードアウト領域6とは、データ領域5に存在する欠陥ブロックの情報等を書き込むための欠陥管理領域を含む。リードイン領域4は、第1の欠陥管理領域10(以下、「DMA1」と記載する。)と第2の欠陥管理領域11(以下、「DMA2」と記載する。)とを含む。リードアウト領域6は、第3の欠陥管理領域12(以下、「DMA3」と記載する。)と第4の欠陥管理領域13(以下、「DMA4」と記載する。)とを含む。
【0009】
DMA1〜DMA4の各々は、所定の位置に配置されており、DMA1〜DMA4の各々のサイズは固定長である。DMA1〜DMA4の各々に配置される管理情報のサイズは、欠陥ブロックの個数に応じて可変長である。なお、DMA1〜DMA4には、全て同じ情報が多重記録されている。DMA1〜DMA4自身が欠陥に冒される場合の備えのためである。例えば、正しく再生されないDMAがあったとしても、DMA1〜DMA4のうちのいずれか1つが正しく再生できた場合には、欠陥管理情報を取得できる。
【0010】
DMA1〜DMA4の各々には、ディスク定義構造(以下、「DDS」とも記載する。)14と欠陥リスト(以下、「DFL」とも記載する。)15とが配置されて、DDS14の次にDFL15が配置される。
【0011】
DFL15は、欠陥リストヘッダ32とM個(Mは0以上の整数)の欠陥エントリ33とを含む。
【0012】
欠陥リストヘッダ32は、DFL15に含まれる欠陥エントリ33の個数である欠陥エントリ数などを含み、DFL15の所定の位置(例えば、DFL15の先頭)に含まれる。
【0013】
欠陥エントリ33は、データ領域5で検出された欠陥ブロックの位置情報、その欠陥ブロックの交替先であるスペア領域の交替ブロック位置情報などを含む。
【0014】
DDS14は、DFL15の配置を示す欠陥リスト先頭位置情報などを含む。
【0015】
書換え型光ディスク400に含まれたDMA1〜DMA4の書換えが可能であるため、欠陥管理情報が新しくなる度に最新の欠陥管理情報をDMA1〜DMA4に上書き、つまり更新することが出来るので、常に固定位置のDMA1〜DMA4に最新の欠陥管理情報を記録することができる。
【0016】
図24は、従来の書換え型光ディスク対応の光ディスク記録再生装置200の構成を示す。
【0017】
光ディスク記録再生装置200は、I/Oバス170を介して上位制御装置(図示せず)に接続される。上位制御装置は、典型的には、ホストコンピュータである。
【0018】
光ディスク記録再生装置200は、上位制御装置からの命令を処理する命令処理部110と、光ディスクへの記録時の制御を行う記録制御部120と、光ディスクからの再生時の制御を行う再生制御部130と、DMA1〜DMA4のうちの何れかから再生した内容を格納する欠陥管理情報格納バッファ140と、記録データおよび再生データを一時的に格納するデータバッファ150と、欠陥管理情報に関する処理を行う欠陥管理情報処理部180とを含む。
【0019】
欠陥管理情報処理部180は、DMA1〜DMA4のうちの正常な欠陥管理領域を判断し、正常な欠陥管理領域に記録された内容を欠陥管理情報格納バッファ140に読み出す欠陥管理情報読み出し部161と、欠陥ブロック情報が変化した場合に欠陥管理情報格納バッファ140の内容を更新して新規欠陥情報を作成する欠陥管理情報更新部164と、欠陥管理情報更新部164によって更新された内容をDMA1〜DMA4に書き込む欠陥管理情報書き込み部162と、欠陥管理情報処理部180の動作制御状態を記憶する欠陥管理情報制御メモリ163とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開平5−006626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかし、追記型情報記録媒体(追記型光ディスク)に含まれたDMA1〜DMA4への記録は1回しか出来ないため、書換え型情報記録媒体(書換え型光ディスク)に含まれたDMA1〜DMA4への記録方法と同様の方法によって、所定位置のDMA1〜DMA4に最新の欠陥管理情報を常に記録しておくことは出来ない。そのため、書換え型情報記録媒体対応の記録再生装置によって欠陥管理対応の追記型情報記録媒体を記録再生すること
は出来ないという課題があった。
【0022】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、書換え型情報記録媒体対応の記録再生装置によって記録再生可能な追記型情報記録媒体、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法、追記型情報記録媒体から情報を再生する情報再生方法、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置および追記型情報記録媒体から情報を再生する情報再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の追記型情報記録媒体は、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられる追記型情報記録媒体であって、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、最新のディスク管理情報と最新のディスク定義構造とは、前記所定の方向に沿って、前記最新のディスク管理情報、前記最新のディスク定義構造の順に配置され、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に配置されたディスク管理情報であり、前記最新のディスク定義構造は、前記最新のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域の所定の位置に配置され、前記所定の位置は、前記境界を基準に算出可能であり、これにより、上記目的が達成される。
【0024】
前記ディスク管理情報は、可変サイズの情報であり、前記ディスク定義構造は、固定サイズの情報であってもよい。
【0025】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記ディスク定義構造は、前記交替リストの位置情報である交替リスト位置情報を含んでもよい。
【0026】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域の末尾を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0027】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の外周から内周の方向であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域の先頭を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0028】
前記ディスク管理作業領域は、複数のブロックを含み、前記複数のブロックは、データを記録再生する単位であり、前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とは、前記複数のブロックのうち、互いに異なるブロックに配置されてもよい。 前記ディスク管理作業領域は、1つ以上のブロックを含み、前記1つ以上のブロックは、データを記録再生する単位であり、前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とは、前記1つ以上のブロックのうちの少なくとも1つを共有し、前記ディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域に含まれるブロックのうち、前記境界を基準に算出可能な所定のブロックにおける所定の位置に配置されてもよい。
【0029】
前記追記型情報記録媒体には、ファイナライズ識別フラグが記録されてもよい。前記ファイナライズ識別フラグは、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示す。
【0030】
前記ディスク定義構造および前記ディスク管理情報のうちの少なくとも一方は、前記ファイナライズ識別フラグを含んでもよい。
【0031】
前記追記型情報記録媒体は、少なくとも1つのディスク管理領域をさらに備え、前記少なくとも1つのディスク管理領域には、最後のディスク管理情報と最後のディスク定義構造とが配置され、前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された前記最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最後のディスク管理情報と前記最後のディスク定義構造とが、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向に沿って、前記少なくとも1つのディスク管理領域の先頭から、前記最後のディスク定義構造、前記最後のディスク管理情報の順に配置されてもよい。
【0032】
前記ディスク管理作業領域は、複数のブロックを含み、前記複数のブロックは、データを記録再生する単位であり、前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とは、前記複数のブロックのうち、互いに異なるブロックに配置されてもよい。
【0033】
前記ディスク管理作業領域は、1つ以上のブロックを含み、前記1つ以上のブロックは、データを記録再生する単位であり、前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とは、前記1つ以上のブロックのうちの少なくとも1つを共有し、前記ディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域に含まれるブロックのうち、前記境界を基準に算出可能な所定のブロックにおける所定の位置に配置されてもよい。
【0034】
前記追記型情報記録媒体には、ファイナライズ識別フラグが記録されてもよい。前記ファイナライズ識別フラグは、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示す。
【0035】
前記ディスク定義構造および前記ディスク管理情報のうちの少なくとも一方は、前記ファイナライズ識別フラグを含んでもよい。
【0036】
前記追記型情報記録媒体は、少なくとも1つのディスク管理領域をさらに備え、前記少なくとも1つのディスク管理領域には、最後のディスク管理情報と最後のディスク定義構造とが配置され、前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された前記最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最後のディスク管理情報と前記最後のディスク定義構造とが、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向に沿って、前記少なくとも1つのディスク管理領域の先頭から、前記最後のディスク定義構造、前記最後のディスク管理情報の順に配置されてもよい。
【0037】
本発明の情報記録方法は、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記情報記録方法は、(a)記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択するステップと、(b)前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報を記録するステップと、(c)前記ステップ(b)で記録された前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に記録するステップとを包含し、前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とは、前記所定の方向に沿って、前記ディスク管理情報、前記ディスク定義構造の順に配置され、前記ディスク定義構造は、前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域の所定の位置に配置され、前記所定の位置は、前記境界を基準に算出可能であり、これにより、上記目的が達成される。
【0038】
前記ディスク管理情報は、可変サイズの情報であり、前記ディスク定義構造は、固定サイズの情報であってもよい。
【0039】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記ディスク定義構造は、前記交替リストの位置情報である交替リスト位置情報を含んでもよい。
【0040】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向であり、前記ステップ(b)で記録された前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記未記録ディスク管理作業領域の末尾を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0041】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の外周から内周の方向であり、前記ステップ(b)で記録された前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記未記録ディスク管理作業領域の先頭を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0042】
前記ステップ(b)は、前記ディスク管理情報の記録が正常に行われたか否かを判断するステップをさらに包含し、前記ステップ(c)は、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われたか否かを判断するステップをさらに包含し、前記情報記録方法は、(d)前記ディスク管理情報の記録が正常に行われるまで、前記ステップ(b)の実行を繰り返し、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われるまで、前記ステップ(c)の実行を繰り返すステップをさらに包含してもよい。 前記ステップ(b)は、前記ディスク管理情報の記録が正常に行われたか否かを判断するステップをさらに包含し、前記ステップ(c)は、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われたか否かを判断するステップをさらに包含し、前記情報記録方法は、(d)前記ディスク管理情報の記録が正常に行われるまで、前記ステップ(b)の実行を繰り返し、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われるまで、前記ステップ(c)の実行を繰り返すステップをさらに包含してもよい。 本発明の情報再生方法は、追記型情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、最新のディスク管理情報と最新のディスク定義構造とは、前記所定の方向に沿って、前記最新のディスク管理情報、前記最新のディスク定義構造の順に配置され、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に配置されたディスク管理情報であり、前記最新のディスク定義構造は、前記最新のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域の所定の位置に配置されており、前記所定の位置は、前記境界を基準に算出可能であり、前記情報再生方法は、(a)前記境界の位置を探索し、前記境界の位置を示す境界位置情報を取得するステップと、(b)前記境界位置情報に基づいて、前記最新のディスク定義構造を再生するステップと、(c)前記最新のディスク定義構造に基づいて、前記最新のディスク管理情報に関する位置情報を取得するステップと、(d)前記最新のディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記ディスク管理情報を再生するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0043】
前記ディスク管理情報は、可変サイズの情報であり、前記ディスク定義構造は、固定サイズの情報であってもよい。
【0044】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記ディスク定義構造は、前記交替リストの位置情報である交替リスト位置情報を含んでもよい。
【0045】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域の末尾を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0046】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の外周から内周の方向であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域の先頭を基準に算出可能な所定の位置に配置されていてもよい。
【0047】
本発明の情報記録装置は、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記情報記録装置は、(a)記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択する手段と、(b)前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報を記録する手段と、(c)前記手段(b)で記録された前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に記録する手段とを備え、前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とは、前記所定の方向に沿って、前記ディスク管理情報、前記ディスク定義構造の順に配置され、前記ディスク定義構造は、前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域の所定の位置に配置され、前記所定の位置は、前記境界を基準に算出可能であり、これにより、上記目的が達成される。
【0048】
前記ディスク管理情報は、可変サイズの情報であり、前記ディスク定義構造は、固定サイズの情報であってもよい。
【0049】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記ディスク定義構造は、前記交替リストの位置情報である交替リスト位置情報を含んでもよい。
【0050】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向であり、前記手段(b)によって記録された前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記未記録ディスク管理作業領域の末尾を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0051】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の外周から内周の方向であり、前記手段(b)によって記録された前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記未記録ディスク管理作業領域の先頭を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0052】
前記手段(b)は、前記ディスク管理情報の記録が正常に行われたか否かを判断する手段をさらに備え、前記手段(c)は、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われたか否かを判断する手段をさらに備え、前記情報記録装置は、(d)前記ディスク管理情報の記録が正常に行われるまで、前記ディスク管理情報を記録することを繰り返し、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われるまで、前記ディスク定義構造を記録することを繰り返す手段をさらに備えてもよい。
【0053】
前記手段(b)は、前記ディスク管理情報の記録が正常に行われたか否かを判断する手段をさらに備え、前記手段(c)は、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われたか否かを判断する手段をさらに備え、前記情報記録装置は、(d)前記ディスク管理情報の記録が正常に行われるまで、前記ディスク管理情報を記録することを繰り返し、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われるまで、前記ディスク定義構造を記録することを繰り返す手段をさらに備えてもよい。
【0054】
本発明の情報再生装置は、追記型情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、最新のディスク管理情報と最新のディスク定義構造とは、前記所定の方向に沿って、前記最新のディスク管理情報、前記最新のディスク定義構造の順に配置され、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に配置されたディスク管理情報であり、前記最新のディスク定義構造は、前記最新のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域の所定の位置に配置されており、前記所定の位置は、前記境界を基準に算出可能であり、前記情報再生装置は、(a)前記境界の位置を探索し、前記境界の位置を示す境界位置情報を取得する手段と、(b)前記境界位置情報に基づいて、前記最新のディスク定義構造を再生する手段と、(c)前記最新のディスク定義構造に基づいて、前記最新のディスク管理情報に関する位置情報を取得する手段と、(d)前記最新のディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記ディスク管理情報を再生する手段とを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0055】
前記ディスク管理情報は、可変サイズの情報であり、前記ディスク定義構造は、固定サイズの情報であってもよい。
【0056】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記ディスク定義構造は、前記交替リストの位置情報である交替リスト位置情報を含んでもよい。
【0057】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域の末尾を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0058】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の外周から内周の方向であり、前記最新のディスク定義構造は、前記境界に隣接する前記記録済みディスク管理作業領域の先頭を基準に算出可能な所定の位置に配置されてもよい。
【0059】
本発明のファイナライズ判定方法は、追記型情報記録媒体が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が割り付けられており、前記ファイナライズ判定方法は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示すファイナライズ識別フラグが、前記追記型情報記録媒体に記録されているか否かを判定するステップと、(b)前記判定の結果に基づいて、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0060】
前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、前記ステップ(a)は、前記ファイナライズ識別フラグが、前記ディスク定義構造および前記ディスク管理情報のうちの少なくとも一方に記録されているか否かを判定するステップを包含してもよい。
【0061】
本発明のファイナライズ判定方法は、追記型情報記録媒体が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域と、少なくとも1つのディスク管理領域とが割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが記録されており、前記ファイナライズ判定方法は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つからデータを読み出し、記録済みか否かを判定するステップと、(b)前記判定の結果に基づいて、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0062】
前記ステップ(a)は、前記データの読み出し結果を示す読み出し信号の振幅に応じて、記録済みか否かを判定するステップを包含してもよい。
【0063】
前記ステップ(a)は、前記データが正しく読み出されるか否かの検査結果に基づいて、記録済みか否かを判定するステップを包含してもよい。
【0064】
前記ステップ(a)は、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つからデータを読み出し、前記データの読み出し結果に基づいて、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク管理情報と最後のディスク定義構造とが記録されているか否かを判定するステップを包含してもよい。前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に記録されたディスク管理情報である。
【0065】
前記ステップ(a)は、最後のディスク管理情報または最後のディスク定義構造が正しく読み出されるか否かの検査結果に基づいて、記録済みか否かを判定するステップを包含してもよい。前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に記録されたディスク管理情報である。
【0066】
前記ステップ(a)は、前記少なくとも1つのディスク管理領域の各々からデータを読み出し、記録済みか否かを判定するステップを包含し、前記ステップ(b)は、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの少なくとも1つが記録済みであると判定された場合には、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていると判定し、前記少なくとも1つのディスク管理領域の全てが未記録であると判定された場合には、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていないと判定するステップを包含してもよい。
【0067】
前記ディスク管理領域は、欠陥領域に関する管理情報を記録する欠陥管理領域でよい。
【0068】
本発明のファイナライズ判定装置は、追記型情報記録媒体が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が割り付けられており、前記ファイナライズ判定装置は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示すファイナライズ識別フラグが、前記追記型情報記録媒体に記録されているか否かを判定する手段と、(b)前記判定の結果に基づいて、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定する手段とを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0069】
前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、前記手段(a)は、前記ファイナライズ識別フラグが、前記ディスク定義構造および前記ディスク管理情報のうちの少なくとも一方に記録されているか否かを判定する手段を備えてもよい。
【0070】
本発明のファイナライズ判定装置は、追記型情報記録媒体が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域と、少なくとも1つのディスク管理領域とが割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが記録されており、前記ファイナライズ判定装置は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つからデータを読み出し、記録済みか否かを判別する手段と、(b)前記判定の結果に基づいて、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定する手段とを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0071】
前記手段(a)は、前記データの読み出し結果を示す読み出し信号の振幅に応じて、記録済みか否かを判定する手段を備えてもよい。
【0072】
前記手段(a)は、前記データが正しく読み出されるか否かの検査結果に基づいて、記録済みか否かを判定する手段を備えてもよい。
【0073】
前記手段(a)は、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つからデータを読み出し、前記データの読み出し結果に基づいて、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク管理情報と最後のディスク定義構造とが記録されているか否かを判定する手段を備えてもよい。前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に記録されたディスク管理情報である。
【0074】
前記手段(a)は、最後のディスク管理情報または最後のディスク定義構造が正しく読み出されるか否かの検査結果に基づいて、記録済みか否かを判定する手段を備えてもよい。前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に記録されたディスク管理情報である。
【0075】
前記手段(a)は、前記少なくとも1つのディスク管理領域の各々からデータを読み出し、記録済みか否かを判定する手段を備え、前記手段(b)は、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの少なくとも1つが記録済みであると判定された場合には、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていると判定し、前記少なくとも1つのディスク管理領域の全てが未記録であると判定された場合には、前記追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていないと判定する手段を備えてもよい。
【0076】
前記ディスク管理領域は、欠陥領域に関する管理情報を記録する欠陥管理領域でよい。
【0077】
本発明のファイナライズ方法は、追記型情報記録媒体をファイナライズするファイナライズ方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が割り付けられており、前記ファイナライズ方法は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示すファイナライズ識別フラグを前記追記型情報記録媒体に記録するステップを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0078】
前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、前記ステップ(a)は、前記ディスク定義構造および前記ディスク管理情報のうちの少なくとも一方に、前記ファイナライズ識別フラグが含まれるように前記ファイナライズ識別フラグを記録するステップを含んでもよい。
【0079】
本発明のファイナライズ方法は、追記型情報記録媒体をファイナライズするファイナライズ方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域と、少なくとも1つのディスク管理領域とが割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが記録されており、前記ファイナライズ方法は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク管理情報を記録するステップと(b)前記最後のディスク管理情報に基づいて、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク定義構造を記録するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に記録されたディスク管理情報である。
【0080】
前記ファイナライズ方法は、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域の位置を示す位置情報を前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つの位置を示す位置情報に変更することによって、最新のディスク定義構造を前記最後のディスク定義構造に変更するステップをさらに包含してもよい。前記最新のディスク定義構造は、前記最新のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造である。
【0081】
前記ファイナライズ方法は、前記少なくとも1つのディスク管理領域の各々に対して、前記ステップ(a)とステップ(b)との実行を繰り返すことによって、前記少なくとも1つのディスク管理領域の全てに前記最後のディスク管理情報と前記最後のディスク定義構造とを記録するステップをさらに包含してもよい。
【0082】
本発明のファイナライズ装置は、追記型情報記録媒体をファイナライズするファイナライズ装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が割り付けられており、前記ファイナライズ装置は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示すファイナライズ識別フラグを前記追記型情報記録媒体に記録する手段を備え、これにより、上記目的が達成される。
【0083】
前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、前記手段(a)は、前記ディスク定義構造および前記ディスク管理情報のうちの少なくとも一方に、前記ファイナライズ識別フラグが含まれるように前記ファイナライズ識別フラグを記録する手段を備えてもよい。
【0084】
本発明のファイナライズ装置は、追記型情報記録媒体をファイナライズするファイナライズ装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域と、少なくとも1つのディスク管理領域とが割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報と、前記ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが記録されており、前記ファイナライズ装置は、(a)前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク管理情報を記録する手段と、(b)前記最後のディスク管理情報に基づいて、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク定義構造を記録する手段とを備え、これにより、上記目的が達成される。前記最後のディスク管理情報は、前記少なくとも1つのディスク管理領域に配置された最新のディスク管理情報であり、前記最後のディスク定義構造は、前記最後のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造であり、前記最新のディスク管理情報は、記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に記録されたディスク管理情報である。
【0085】
前記ファイナライズ装置は、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域の位置を示す位置情報を前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つの位置を示す位置情報に変更することによって、最新のディスク定義構造を前記最後のディスク定義構造に変更する手段をさらに備えてもよい。前記最新のディスク定義構造は、前記最新のディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造である。
【0086】
前記ファイナライズ装置は、前記少なくとも1つのディスク管理領域の各々に対して、前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに前記最後のディスク定義構造を記録することと、前記最後のディスク定義構造に基づいて前記少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに前記最後のディスク管理情報を記録することとを繰り返すことによって、前記少なくとも1つのディスク管理領域の全てに前記最後のディスク管理情報と前記最後のディスク定義構造とを記録する手段をさらに備えてもよい。
【0087】
本発明の追記型情報記録媒体は、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられる追記型情報記録媒体であって、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域は、データを記録再生する単位である複数のブロックを含み、前記複数のブロックの各々には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報に含まれる部分ディスク管理情報と、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、前記ディスク定義構造は、前記複数のブロックの各々の所定の位置に配置されており、これにより、上記目的が達成される。
【0088】
記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理領域に含まれる複数のブロックの各々には、前記部分ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とが配置されてもよい。
【0089】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記複数のブロックの各々には、前記交替リストに含まれる部分交替リストと、前記部分交替リストに関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置されてもよい。
【0090】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の内周から外周の方向でよい。
【0091】
前記所定の方向は、前記追記型情報記録媒体の外周から内周の方向でよい。
【0092】
本発明の情報記録方法は、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記情報記録方法は、(a)記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択するステップと、(b)前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報に含まれる部分ディスク管理情報を記録するステップと、(c)前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を記録するステップとを包含し、前記複数のブロックは、データを記録再生する単位であり、前記ディスク定義構造は、前記複数のブロックの各々の所定の位置に配置され、これにより、上記目的が達成される。
【0093】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記複数のブロックの各々には、前記交替リストに含まれる部分交替リストと、前記部分交替リストに関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置されてもよい。
【0094】
前記ステップ(b)は、前記部分ディスク管理情報の記録が正常に行われたか否かを判断するステップをさらに包含し、前記ステップ(c)は、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われたか否かを判断するステップをさらに包含し、前記情報記録方法は、(d)前記部分ディスク管理情報の記録が正常に行われるまで、前記ステップ(b)の実行を繰り返し、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われるまで、前記ステップ(c)の実行を繰り返すステップをさらに包含してもよい。
【0095】
本発明の情報再生方法は、追記型情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生方法であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域は、データを記録再生する単位である複数のブロックを含み、前記複数のブロックの各々には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報に含まれる部分ディスク管理情報と、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、前記ディスク定義構造は、前記複数のブロックの各々の所定の位置に配置されており、前記情報再生方法は、(a)記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界の位置を探索し、前記境界の位置を示す境界位置情報を取得するステップと、(b)前記境界位置情報に基づいて、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域から前記ディスク定義構造を再生するステップと、(c)前記ディスク定義構造に基づいて、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報を取得するステップと、(d)前記部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々から、前記部分ディスク管理情報を再生するステップとを包含し、これにより、上記目的が達成される。
【0096】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記複数のブロックの各々には、前記交替リストに含まれる部分交替リストと、前記部分交替リストに関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置されてもよい。
【0097】
前記ステップ(c)は、(e)前記ディスク定義構造に含まれる前記部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記記録済みディスク管理作業領域は正常に記録が完了した領域であるか否かを判断するステップをさらに包含し、前記記録済みディスク管理作業領域が正常に記録が完了していない領域であると判断された場合には、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域と前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に隣接する記録済みディスク管理作業領域との境界の位置を探索してもよい。
【0098】
前記ステップ(e)は、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報と記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界の位置情報とを比較することによって、前記記録済みディスク管理作業領域は正常に記録が完了した領域であるか否かを判断するステップを包含してもよい。
【0099】
本発明の情報記録装置は、追記型情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記情報記録装置は、(a)記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択する手段と、(b)前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報に含まれる部分ディスク管理情報を記録する手段と、(c)前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を記録する手段とを備え、前記複数のブロックは、データを記録再生する単位であり、前記ディスク定義構造は、前記複数のブロックの各々の所定の位置に配置され、これにより、上記目的が達成される。
【0100】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記複数のブロックの各々には、前記交替リストに含まれる部分交替リストと、前記部分交替リストに関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置されてもよい。
【0101】
前記手段(b)は、前記部分ディスク管理情報の記録が正常に行われたか否かを判断する手段をさらに備え、前記手段(c)は、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われたか否かを判断する手段をさらに備え、前記情報記録装置は、(d)前記部分ディスク管理情報の記録が正常に行われるまで、前記部分ディスク管理情報を記録することを繰り返し、前記ディスク定義構造の記録が正常に行われるまで、前記ディスク定義構造を記録することを繰り返す手段をさらに備えてもよい。
【0102】
本発明の情報再生装置は、追記型情報記録媒体に記録された情報を再生する情報再生装置であって、前記追記型情報記録媒体には、少なくとも1つのディスク管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、前記少なくとも1つのディスク管理作業領域は、データを記録再生する単位である複数のブロックを含み、前記複数のブロックの各々には、前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報に含まれる部分ディスク管理情報と、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置され、前記ディスク定義構造は、前記複数のブロックの各々の所定の位置に配置されており、前記情報再生装置は、(a)記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界の位置を探索し、前記境界の位置を示す境界位置情報を取得する手段と、(b)前記境界位置情報に基づいて、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域から前記ディスク定義構造を再生する手段と、(c)前記ディスク定義構造に基づいて、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報を取得する手段と、(d)前記部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々から、前記部分ディスク管理情報を再生する手段とを備え、これにより、上記目的が達成される。
【0103】
前記追記型情報記録媒体は、データを記録するデータ領域と、前記データ領域の交替領域であるスペア領域とを備え、前記ディスク管理情報は、前記データ領域に含まれる交替元の領域と前記スペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む交替リストを含み、前記複数のブロックの各々には、前記交替リストに含まれる部分交替リストと、前記部分交替リストに関する位置情報を含むディスク定義構造とが配置されてもよい。
【0104】
前記手段(c)は、(e)前記ディスク定義構造に含まれる前記部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記記録済みディスク管理作業領域は正常に記録が完了した領域であるか否かを判断する手段をさらに備え、前記記録済みディスク管理作業領域が正常に記録が完了していない領域である場合には、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域と前記境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に隣接する記録済みディスク管理作業領域との境界の位置を探索してもよい。
【0105】
前記手段(e)は、前記部分ディスク管理情報に関する位置情報と記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界の位置情報とを比較することによって、前記記録済みディスク管理作業領域は正常に記録が完了した領域であるか否かを判断する手段を備えてもよい。
【発明の効果】
【0106】
本発明の追記型情報記録媒体には、少なくとも1つの欠陥管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、最新の欠陥リストと最新のDDSとは、この所定の方向に沿って、最新の欠陥リスト、最新のDDSの順に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置されている。したがって、最新のDDSおよび最新の欠陥リストを容易に検索することができる。
【0107】
ファイナライズ処理によって、ファイナライズ後の追記型光ディスクのデータ構造は書換え型光ディスクのデータ構造と同じになる。その結果、書換え型光ディスク対応の光ディスク記録再生装置によって、ファイナライズ後の追記型光ディスクに記録されたデータが再生可能となる、つまり再生互換を取ることが可能となる。
【0108】
また、複数のブロックの各々の所定の位置に副ディスク定義構造(SDDS)を配置することによって、欠陥管理作業領域の更新途中に電源が切れる等の原因で更新が途中で終わった場合でも、更新に失敗したという事実を誤ることなく判定できるとともに、更新に失敗した欠陥管理作業領域の先頭位置を容易に検索できる。したがって、最新の正常な欠陥管理作業領域中の欠陥リストを容易に取得することができる。
【0109】
本発明における情報記録方法によれば、欠陥管理作業領域に欠陥ブロックが存在したために欠陥リストとDDSとの記録に失敗しても、欠陥リストとDDSとの記録が正常に終了するまで欠陥リストとDDSとの記録を繰り返すことによって、正しく欠陥リストとDDSとの記録を行うことができる。その結果、欠陥管理作業領域に記録する欠陥リストとDDSとのデータの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の実施の形態1の追記型光ディスクの領域の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1の追記型光ディスクのデータ構造を示す図である。
【図3】DDSと欠陥リストとのデータ構造を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1の光ディスク記録再生装置の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1の追記型光ディスクの記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域から最新の欠陥リストと最新のDDSとを取得する手順を示すフローチャートである。
【図6】記録済み終端位置の探索過程を示す図である。
【図7】記録済み終端位置の探索処理手順を示すフローチャートである。
【図8】欠陥管理作業領域群に含まれるDMWAに欠陥リストおよびDDSが追記されていく状態を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態1の追記型光ディスクの欠陥管理作業領域に欠陥リストとDDSとを追記する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】欠陥リストとDDSとが正常に記録できたか否かを判断しながら新たな欠陥リストとDDSとを欠陥管理作業領域に記録(追記)する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図10を参照して説明した追記手順に従って欠陥管理作業領域に欠陥リストおよびDDSが追記されていく状態を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1の他の追記型光ディスクのデータ構造を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1におけるファイナライズ処理手順を示すフローチャートである。
【図14】書換え型光ディスクとファイナライズ後の追記型光ディスクとのデータ構造の比較を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態1における別のファイナライズ処理手順を示すフローチャートである。
【図16】追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定手順を示すフローチャートである。
【図17】追記型光ディスクが既にファイナライズされているか否かを判定する別のファイナライズ判定手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態2のDMWAのデータ構造を示す図である。
【図19】SDDSの構造を示す図である。
【図20】欠陥管理作業領域群に含まれる欠陥管理作業領域のうち最新に記録された欠陥管理作業領域からSDDSとSDFLとを取得する手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の実施の形態2の追記型光ディスクの欠陥管理作業領域にSDFLとSDDSとを追記する手順を示すフローチャートである。
【図22】子情報としてスペースビットマップ情報と欠陥リストとが配置される欠陥管理作業領域の例を示す図である。
【図23】従来の書換え型光ディスクのデータ構造を示す図である。
【図24】従来の書換え型光ディスク対応の光ディスク記録再生装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0111】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0112】
なお、本発明の実施の形態の説明では、情報記録媒体として追記型情報記録媒体(以下、「追記型光ディスク」と記載する。)を用いる。
【0113】
(実施の形態1)
1.1. 追記型光ディスクのデータ構造
図1は、本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1の領域の構成を示す。円盤状の追記型光ディスク1には、スパイラル状に多数のトラック2が形成されており、多数のトラック2の各々には、細かく分けられた多数のブロック3が形成されている。ブロック3は、エラー訂正の単位であり、記録動作および再生動作が行われる最小の単位である。例えば、赤色レーザを用いるDVD−RAMの場合には、ブロック3のサイズは、1ECC(32KByte)サイズであり、青色レーザを用いる大容量のBD−REの場合には、ブロック3のサイズは、1クラスタ(64KByte)サイズである。
【0114】
追記型光ディスク1には、リードイン領域4と、データ領域5と、リードアウト領域6とが割り付けられる。ユーザデータの記録再生はデータ領域5に対して行われる。リードイン領域4とリードアウト領域6とは、光ヘッド(図示せず)がデータ領域5の端へアクセスする場合に、光ヘッドがオーバーランしてもトラックに追随できるようにのりしろとしての役割を果たす。
【0115】
図2は、本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1のデータ構造を示す。
【0116】
追記型光ディスク1の領域は、リードイン領域4とデータ領域5とリードアウト領域6とに大別される。
【0117】
リードイン領域4は、第1の欠陥管理領域10(以下、「DMA1」とも記載する。)と第2の欠陥管理領域11(以下、「DMA2」とも記載する。)と欠陥管理作業領域群20とを含む。
【0118】
DMA1とDMA2とは、データ領域5における欠陥ブロックの情報等を管理するための領域である。
【0119】
データ領域5は、データを記録する領域であり、ユーザデータ領域16とスペア領域17とを含む。
【0120】
ユーザデータ領域16は、音楽やビデオなどのリアルタイムデータや文章やデータベースなどのコンピュータデータなど、任意の情報がユーザによって記録可能な領域である。
【0121】
スペア領域17は、データ領域5の交替領域であり、例えば、ユーザデータ領域16に欠陥ブロックが検出された場合、その欠陥ブロックの代わりにデータを記録する領域である。図2に示された追記型光ディスク1のデータ構造では、スペア領域17は、データ領域5の内周側(つまりリードイン領域側)と外周側(つまりリードアウト領域側)に1つずつ存在するが、スペア領域17の個数や配置は任意であって、図示されたスペア領域の個数や配置に限らない。
【0122】
リードアウト領域6は、第3の欠陥管理領域12(以下、「DMA3」とも記載する。)と第4の欠陥管理領域13(以下、「DMA4」とも記載する。)とを含む。
【0123】
DMA3とDMA4とは、データ領域5における欠陥ブロックの情報等を管理するための領域である。
【0124】
DMA1〜DMA4の各々は、所定の位置に配置される領域であり、DMA1〜DMA4の各々のサイズは固定長である。DMA1〜DMA4の各々に配置される管理情報のサイズは、例えば、欠陥ブロックの個数に応じて可変長である。
【0125】
DMA1〜DMA4の各々は、ディスク定義構造(以下、「DDS」とも記載する。)14と欠陥リスト(以下、「DFL」とも記載する。)15とを含み、DDS14の次に欠陥リスト15が配置される。
【0126】
欠陥管理作業領域群20は、N個(Nは1以上の整数)の欠陥管理作業領域(以下、「DMWA」とも記載する。)21を含む。
【0127】
欠陥管理作業領域21は、追記型光ディスク1をファイナライズする以前に更新された欠陥管理情報を一時的に記録するための領域であり、欠陥管理作業領域21には、DDS14と欠陥リスト15とが配置され、欠陥リスト15の次にDDS14が配置される。欠陥管理作業領域21は、1つ以上のブロックを含む。ブロックは、データを記録再生する単位である。
【0128】
ここで、本明細書では、「追記型光ディスクをファイナライズする」とは、追記型光ディスクを追記可能な状態から追記不可能な状態に変更することである。例えば、最新の欠陥管理作業領域21の内容をDMA1〜DMA4に記録することによって、追記型光ディスク1を書換え型光ディスクのデータ構造と互換のあるデータ構造にすることができ、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更される。ファイナライズの詳細は、後述される。
【0129】
欠陥管理作業領域群20の先頭から終端の方向(追記型光ディスク1の内周から外周の方向)に沿って、少なくとも1つの欠陥管理作業領域21(DMWA#1〜DMWA#N(Nは1以上の整数))が順に割り付けられる。欠陥管理作業領域群20の先頭(追記型光ディスク1の内周側)の欠陥管理作業領域21から順に欠陥情報が記録される。さらに、欠陥管理作業領域21には、欠陥リスト15とDDS14とが、欠陥管理作業領域群20の先頭から終端の方向(追記型光ディスク1の内周から外周の方向)に沿って、欠陥リスト15、DDS14の順に配置される。つまり、欠陥管理作業領域21には、DMA1〜DMA4の各々に配置されたDDS14および欠陥リスト15との配置の順番とは逆に、DDS14と欠陥リスト15とが配置される。
【0130】
なお、欠陥管理作業領域21を含む欠陥管理作業領域群20は、必ずしもリードイン領域4に含まれなくともよい。ユーザデータ領域16を除く領域、例えばリードアウト領域6またはスペア領域17に含まれてもよい。
【0131】
DDS14は、例えば、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置される。DDS14は、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域の所定の位置に配置され、その所定の位置は、境界を基準に算出可能である。本発明の実施の形態1では、DDS14が記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域の末尾に配置されているものとして説明を行う。
【0132】
なお、DDS14が配置される場所は、欠陥管理作業領域の末尾に限らない。DDS14は、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域の末尾(境界)を基準に算出可能な所定の位置に配置される
図3は、DDS14と欠陥リスト15とのデータ構造を示す。
【0133】
DDS14は、欠陥リスト15の位置情報を含む。例えば、DDS14は、欠陥リスト15が配置される先頭位置の情報である欠陥リスト先頭位置情報30とその他の情報31とを含む。ここで、欠陥リスト先頭位置情報30とは、例えば、アクセス可能な最小の単位であるセクタ(1セクタは2KByteのサイズ)の位置情報であるセクタアドレスである。
【0134】
DDS14は、固定長の情報であって、例えば1ブロックのサイズである。本発明の実施の形態1では、DDS14のサイズを1ブロックサイズとして説明を行う。なお、DDS14は、欠陥リスト15の配置位置を示す情報(つまりここでは欠陥リスト先頭位置情報30)が配置されている位置が記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界を基準に算出可能であれば、必ずしも固定長でなくとも良い。境界を基準に欠陥リストの配置位置が算出できるからである。
【0135】
欠陥リスト15は、欠陥リストヘッダ32とM個(Mは、0以上の整数)の欠陥エントリ33とを含む。
【0136】
欠陥リスト15は、欠陥リストヘッダ32と欠陥エントリ33とに加えて、欠陥管理情報の終端を示すアンカ等の情報をさらに含んでよい。
【0137】
欠陥リストヘッダ32は、欠陥リストに含まれる欠陥エントリ33の個数である欠陥エントリ数などを含む。
【0138】
欠陥エントリ33は、データ領域に含まれる交替元の領域とスペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む。欠陥エントリ33は、例えば、ユーザデータ領域で検出された欠陥ブロックの位置情報と、その欠陥ブロックの交替先であるスペア領域の交替ブロック位置情報とを含む。
【0139】
欠陥リスト15は、可変長の情報であって、欠陥リスト15のサイズは、欠陥リスト15に登録された欠陥エントリ33の数に応じる。つまり、欠陥管理作業領域#1〜欠陥管理作業領域#Nのサイズは同一とは限らない(図2参照)。
【0140】
1.2.光ディスク記録再生装置100の構成
図4は、本発明の実施の形態1の光ディスク記録再生装置100の構成を示す。
【0141】
光ディスク記録再生装置100は、I/Oバス170を介して上位制御装置(図示せず)に接続される。上位制御装置は、例えば、ホストコンピュータである。
【0142】
光ディスク記録再生装置100は、上位制御装置からの命令を処理する命令処理部110と、追記型光ディスク1への記録時の制御を行う記録制御部120と、追記型光ディスク1からの再生時の制御を行う再生制御部130と、DMA1〜DMA4のうちの何れかから再生した内容もしくは欠陥管理作業領域21から再生した内容を格納する欠陥管理情報格納バッファ140と、記録データおよび再生データを一時的に格納するデータバッファ150と、欠陥管理情報に関する処理を行う欠陥管理情報処理部160とを含む。
【0143】
欠陥管理情報処理部160は、欠陥管理情報読み出し部161と、欠陥管理情報書き込み部162と、欠陥管理情報制御メモリ163と、欠陥管理情報更新部164と、欠陥管理作業情報読み出し部165と、欠陥管理作業情報書き込み部166とを含む。
【0144】
欠陥管理情報読み出し部161は、DMA1〜DMA4のうち正常な欠陥管理領域を判断し、その欠陥管理領域に記録された内容を欠陥管理情報格納バッファ140に読み出す。
【0145】
さらに、欠陥管理情報読み出し部161は、追記型光ディスク1に割り付けられた複数の欠陥管理領域のうちの1つからデータを読み出し、記録済みか否かを判定し、判定結果に基づいて、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定する。
【0146】
例えば、欠陥管理情報読み出し部161は、DMA1〜DMA4のうちの少なくとも1つからデータを読み出し、正常に再生できる場合には、追記型光ディスク1はファイナライズ済みであると判断し、DMA1〜DMA4の全てが未記録のために、これらの欠陥管理領域からデータを正常に再生できない場合には、追記型光ディスク1はファイナライズされていないと判断する。
【0147】
欠陥管理情報更新部164は、欠陥ブロック情報が変化した場合等に欠陥管理情報格納バッファ140の内容を更新して新規欠陥管理情報を作成する。
【0148】
欠陥管理情報書き込み部162は、欠陥管理情報更新部164によって更新された内容をDMA1〜DMA4に書き込む。つまり、欠陥管理情報書き込み部162は、ファイナライズの際に、DMA1〜DMA4への欠陥管理情報の記録処理を行う。
【0149】
欠陥管理情報制御メモリ163は、欠陥管理情報処理部160の動作制御状態を記憶する。
【0150】
欠陥管理作業情報読み出し部165は、欠陥管理作業領域群20に含まれる欠陥管理作業領域21のうち最新に記録された欠陥管理作業領域21をサーチし、最新に記録された欠陥管理作業領域21に記録された内容を欠陥管理情報格納バッファ140に読み出す。
【0151】
なお、欠陥管理情報読み出し部161は、DMA1〜DMA4の各々からデータを読み出し、ファイナライズ済みか否かを判断するが、欠陥管理作業情報読み出し部165によっても、ファイナライズ済みか否かを判断することができる。例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、欠陥管理作業領域21の所定の位置にファイナライズ識別フラグが記録されているか否かに基づいて、ファイナライズ済みか否かを判断する。ファイナライズ識別フラグは、少なくとも1つの欠陥管理作業領域21へのデータの追記の禁止を示す。
【0152】
なお、ファイナライズ識別フラグの記録位置は、欠陥管理作業領域21の所定の位置に限らない。追記型光ディスク1の所定の位置に記録されていれば良い。
【0153】
例えば、ディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方に記録されていてもよい。欠陥管理作業情報読み出し部165は、ディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方に記録されているファイナライズ識別フラグを読み出した場合には、追記型光ディスク1がファイナライズ済みであると判断する。
【0154】
欠陥管理作業情報書き込み部166は、欠陥管理情報更新部164によって更新された内容を利用可能な欠陥管理作業領域21へ書き込む。また、ファイナライズ識別フラグを欠陥管理作業領域21へ書き込むこともできる。例えば、欠陥管理作業情報書き込み部166は、ディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方に、ファイナライズ識別フラグが含まれるようにファイナライズ識別フラグを記録する。
【0155】
1.3.最新欠陥管理情報の取得
本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1に記録された情報(記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に記録された最新の欠陥リストおよび最新のDDS)を取得(再生)する方法を以下に説明する。
【0156】
図5は、本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1の記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域から最新の欠陥リスト15と最新のDDS14とを取得する手順を示す。以下、図5を参照して記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域から最新の欠陥リスト15と最新のDDS14とを取得する手順をステップごとに説明する。
【0157】
ステップ601:欠陥管理作業情報読み出し部165は、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界の位置を探索し、境界の位置を示す境界位置情報を取得する。
【0158】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、欠陥管理作業領域群20の記録済み終端位置を探索し、欠陥管理情報制御メモリ163にある記録済み終端位置40に、探索した記録済み終端の欠陥管理作業領域21の位置を記憶させる。ここで、記録済み終端の欠陥管理作業領域21の位置とは、例えば、記録済み終端のセクタの位置情報であるセクタアドレスである。探索した記録済み終端の欠陥管理作業領域21の位置を記憶させた後、処理は、ステップ602に進む。なお、記録済み終端位置の探索の詳細は、後述される。
【0159】
ステップ602:欠陥管理作業情報読み出し部165は、境界位置情報に基づいて、最新のDDS14を再生し、最新のDDS14に基づいて、最新の欠陥リスト15に関する位置情報を取得する。
【0160】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、欠陥管理情報格納バッファ140に、記録済み終端位置40を終端として1ブロックサイズで配置されている最新のDDS14を読み出すとともに、欠陥管理情報制御メモリ163にある欠陥リスト先頭位置41に、最新のDDS14に含まれる欠陥リスト先頭位置情報30を記憶させる。最新のDDS14を読み出し、欠陥リスト先頭位置情報30を記憶させた後、処理は、ステップ603に進む。
【0161】
ステップ603:最新の欠陥リスト15に関する位置情報に基づいて、最新の欠陥リスト15を再生する。
【0162】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、欠陥リスト先頭位置41を先頭として配置されている最新の欠陥リスト15を欠陥管理情報格納バッファ140へ読み出す。最新の欠陥リスト15を読み出した後、処理は終了する。
【0163】
ここで、記録済み終端位置40が、欠陥管理作業領域群20が全く記録されていないことを示す場合、ステップ602、ステップ603の読み出し処理を行う必要はない。読み出し処理を行う代わりに、欠陥管理情報格納バッファ140に、DDS14と、欠陥リスト15とをあらかじめ格納しておけばよい。なお、格納されたDDS14は、所定の値に初期化された欠陥リスト先頭位置情報30を含み、格納された欠陥リスト15は、欠陥リストヘッダ32の欠陥エントリ数が初期化されている(欠陥エントリ数=0)ために欠陥エントリ33を持たない。
【0164】
なお、読み出す欠陥リスト15のサイズは、欠陥リスト15の先頭に位置する欠陥リストヘッダ中の欠陥エントリ数を基に算出してもよいし、欠陥リスト先頭位置からDDS14の先頭位置を減算して求めてもよい。
【0165】
図6は、記録済み終端位置の探索過程を示す。図7は、記録済み終端位置の探索処理手順を示す。記録済み終端位置の探索とは、最新に記録された欠陥管理作業領域21の探索である。
【0166】
以下、図6と図7とを参照して記録済み終端位置の探索処理手順をステップごとに説明する。
【0167】
ステップ801:欠陥管理作業情報読み出し部165は、第1の振幅検査を行う。第1の振幅検査は、欠陥管理作業領域群20の先頭から所定ブロックおきに振幅がなくなるまで行われる。振幅がなくなった後、処理は、ステップ802に進む。
【0168】
ステップ802:欠陥管理作業情報読み出し部165は、第2の振幅検査を行う。第2の振幅検査は、振幅があった位置から振幅がなかった位置の間で、振幅がなくなる位置を検査する。振幅がなくなる位置が検査された後、処理は、ステップ803に進む。
【0169】
ステップ803:欠陥管理作業情報読み出し部165は、検査により求まった記録済み終端位置(最新に記録された欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域の境界の位置)を取得する。記録済み終端位置を取得した後、処理は、終了する。
【0170】
以上の手順を実行することによって、欠陥管理作業情報読み出し部165は、最新に記録された欠陥管理作業領域21の内容を読み出すことができる。
【0171】
なお、記録済み終端位置の探索手順は、図7を参照して説明した記録済み終端位置探索手順に限らない。例えば欠陥管理作業領域群20の末尾から先頭に向かって振幅が生じる先頭位置を探索することによっても、記録済み終端位置の探索を実現できる。
【0172】
図5に示される実施の形態では、ステップ601が「境界の位置を探索し、境界の位置を示す境界位置情報を取得するステップ」に対応し、ステップ602が「境界位置情報に基づいて、最新のディスク定義構造を再生するステップ」と「最新のディスク定義構造に基づいて、最新のディスク管理情報に関する位置情報を取得するステップ」とに対応し、ステップ603が「最新のディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、ディスク管理情報を再生するステップ」に対応する。
【0173】
しかし、追記型光ディスク1の記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域から最新の欠陥リスト15と最新のDDS14とを取得する手順が、図5に示されるものに限定されるわけではない。追記型光ディスク1の記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域から最新の欠陥リスト15と最新のDDS14とを取得する手順は、上述した「境界の位置を探索し、境界の位置を示す境界位置情報を取得するステップ」、「境界位置情報に基づいて、最新のディスク定義構造を再生するステップ」、「最新のディスク定義構造に基づいて、最新のディスク管理情報に関する位置情報を取得するステップ」および「最新のディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、ディスク管理情報を再生するステップ」の機能を有する限り、任意の処理手順を有し得る。
【0174】
1.4.欠陥管理情報の更新
本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1に情報(欠陥リスト15およびDDS)を記録する方法を以下に説明する。
【0175】
図8は、欠陥管理作業領域群20に含まれるDMWA21に欠陥リスト15およびDDS14が追記されていく状態を示す。
【0176】
状態(a)は、欠陥管理作業領域群20に含まれるDMWA#1に、欠陥リスト15およびDDS14が1回目に記録された状態を示す。状態(b)は、欠陥管理作業領域群20に含まれるDMWA#2に、欠陥リスト15およびDDS14が2回目に記録された状態を示す。状態(c)は、欠陥管理作業領域群20に含まれるDMWA#3に、欠陥リスト15およびDDS14が3回目に記録された状態を示す。
【0177】
図8において、黒く塗りつぶされたDMWAは、欠陥リスト15およびDDS14が記録された記録済みDMWAを示し、白く塗りつぶされたDMWAは、まだ欠陥リスト15およびDDS14が記録されてない未記録DMWAを示す。
【0178】
新たな欠陥リスト15およびDDS14は、複数の未記録DMWAのうち、先頭に位置する未記録DMWAに追記される。つまり、新たな欠陥リスト15およびDDS14は、未記録DMWAと記録済みDMWAとの境界に隣接する未記録DMWAに追記される。
【0179】
従って、最新の欠陥リスト15とDDS14とは、複数の記録済みDMWAの終端に隣接した記録済みDMWAに配置されていることになる。つまり、最新の欠陥リスト15とDDS14とは、未記録DMWAと記録済みDMWAとの境界に隣接する記録済みDMWAに配置されている。
【0180】
図9は、本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1の欠陥管理作業領域21に欠陥リスト15とDDS14とを追記する処理手順を示す。
【0181】
欠陥管理作業情報書き込み部166が、新たな欠陥リスト15とDDS14とを欠陥管理作業領域21に記録(追記)する。
【0182】
ここで、欠陥管理情報格納バッファ140に格納されている欠陥リスト15は、欠陥管理情報更新部164によって、最新の内容に保たれている。
【0183】
具体的には、例えば、新規に1つの欠陥ブロックが検出された場合、欠陥管理情報更新部164は、欠陥管理情報格納バッファ140に格納されている欠陥リスト15に新規交替ブロック(つまり新規欠陥ブロック)に相当する欠陥エントリを追加し、さらに欠陥エントリに含まれる欠陥ブロックの位置情報にしたがって、欠陥エントリのソーティングを行う。さらに欠陥管理情報更新部164は、欠陥リストヘッダの欠陥エントリ数を1つ増加させる。
【0184】
以下、図9を参照して本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1の欠陥管理作業領域21に欠陥リストとDDSとを追記する処理手順をステップごとに説明する。
【0185】
ステップ901:欠陥管理情報更新部164は、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する未記録欠陥管理作業領域を選択する。
【0186】
例えば、欠陥管理情報更新部164は、欠陥管理情報制御メモリ163にある記録済み終端位置40を1つ先へ進めた位置で、欠陥管理情報格納バッファ140に含まれるDDS14を更新することによって、複数の未記録欠陥管理作業領域の先頭に位置する未記録欠陥管理作業領域を選択する。つまり、欠陥リスト先頭位置情報30が未記録欠陥管理作業領域の先頭位置を示すようにDDS14を更新することによって、複数の未記録欠陥管理作業領域の先頭に位置する未記録欠陥管理作業領域を選択する。DDS14が更新された後に、処理はステップ902に進む。
【0187】
ステップ902:欠陥管理作業情報書き込み部166は、境界に隣接する未記録欠陥管理作業領域に、追記型光ディスク1に関する管理情報である欠陥リスト15を記録し、この記録された欠陥リスト15に関する位置情報を含むDDS14を境界に隣接する未記録欠陥管理作業領域に記録する。
【0188】
例えば、欠陥管理作業情報書き込み部166は、未記録領域の先頭位置に欠陥管理情報格納バッファ140に含まれる更新済みの欠陥リスト15を記録し、さらに引き続いて、更新済みのDDS14を記録する。欠陥リスト15とDDS14とを記録した後、処理は終了する。
【0189】
以上の手順を実行することによって、欠陥管理作業情報書き込み部166は、欠陥管理作業領域群20に含まれる欠陥管理作業領域21に最新の欠陥リスト15とDDS14とを記録することができる。
【0190】
なお、欠陥管理情報更新部164による欠陥リスト15の更新処理は一例であり、欠陥に関する情報が反映されていればよい。例えば欠陥エントリのソーティング等は、必要とされない。
【0191】
なお、欠陥管理作業領域群20に含まれる欠陥管理作業領域21に欠陥リスト15とDDS14とを記録するタイミングは、装置の状態と媒体の状態とが変化する場合に記録済み欠陥管理作業領域の終端に必ずDDS14が存在するように欠陥リスト15とDDS14とを記録する限りは、任意のタイミングで良い。装置の状態と媒体の状態とが変化する場合とは、例えば、追記型光ディスクを光ディスク記録再生装置100から排出する場合や光ディスク記録再生装置100の電源を落とす場合である。
【0192】
なお、欠陥リスト15とDDS14とを欠陥管理作業領域に記録する際に、欠陥リスト15とDDS14とが正常に記録できたか否かを判断してもよい。
【0193】
図10は、欠陥リスト15とDDS14とが正常に記録できたか否かを判断しながら新たな欠陥リスト15とDDS14とを欠陥管理作業領域21に記録(追記)する処理手順を示す。
【0194】
ここで、欠陥管理情報格納バッファ140に格納されている欠陥リスト15は、欠陥管理情報更新部164によって、最新の内容に保たれている。
【0195】
以下、図10を参照して、欠陥リスト15とDDS14とが正常に記録できたか否かを判断しながら新たな欠陥リスト15とDDS14とを欠陥管理作業領域21に記録(追記)する処理手順をステップごとに説明する。
【0196】
ステップ1101:欠陥管理情報更新部164は、欠陥管理情報制御メモリ163にある記録済み終端位置40を1つ先へ進めた位置で、欠陥管理情報格納バッファ140に含まれるDDS14を更新する。つまり、欠陥リスト先頭位置情報30が未記録欠陥管理作業領域の先頭位置を示すようにDDS14を更新する。DDS14が更新された後に、処理はステップ1102に進む。
【0197】
ステップ1102:欠陥管理作業情報書き込み部166は、未記録欠陥管理作業領域の先頭位置に欠陥管理情報格納バッファ140に含まれる更新済み欠陥リスト15を記録する。記録した後、処理はステップ1103に進む。
【0198】
ステップ1103:欠陥リスト15が正常に記録されたか否かを判断する。
【0199】
ここで、欠陥リスト15が正常に記録されたか否かの判断は、例えば、欠陥リスト15を記録したブロックにエラー訂正を行うことによって、または記録されたデータを読み出して、そのデータが記録したデータと一致しているかを確かめることによって実現される。
【0200】
欠陥リスト15が正常に記録されなかったと判断された場合(つまり欠陥リスト15の記録が失敗していた場合)には、処理は、ステップ1101に進む。ステップ1101では、記録済み終端位置40を先に記録された欠陥リストのサイズ分だけ加算した値に変更する。そして、記録済み終端位置40を1つ先に進めた位置を欠陥リスト先頭位置情報30として、欠陥管理情報格納バッファ140に含まれるDDS14を更新する。
【0201】
欠陥リスト15が正常に記録されたと判断された場合(つまり欠陥リスト15の記録が成功していた場合)には、処理は、ステップ1104に進む。
【0202】
ステップ1104:更新済みのDDS14を記録する。DDS14を記録した後、処理は、ステップ1105に進む。
【0203】
ステップ1105:DDS14が正常に記録されたか否かを判断する。
【0204】
DDS14が正常に記録されなかったと判断された場合(つまりDDS14の記録が失敗していた場合)には、処理は、ステップ1104に進む。
【0205】
DDS14が正常に記録されたと判断された場合(つまりDDS14の記録が成功していた場合)には、処理は終了する。
【0206】
欠陥リスト15の記録が正常に行われるまで、ステップ1102とステップ1103との実行を繰り返し、DDS14の記録が正常に行われるまで、ステップ1104とステップ1105との実行を繰り返す。
【0207】
以上の手順を実行することによって、欠陥管理作業領域更新部165は、欠陥リスト15とDDS14とが正常に記録できたか否かを判断しながら新たな欠陥リスト15とDDS14とを欠陥管理作業領域21に記録(追記)する。
【0208】
なお、ステップ1101とステップ1102との順番を入れ替えてもよい。つまり、欠陥リスト15の記録を行い、さらに記録が正常に行えたことを確認した後で、欠陥リスト15を記録した欠陥管理作業領域21の位置に、DDS14に含まれる欠陥リスト先頭位置情報30を置き換えてもよい。
【0209】
なお、図10を参照した処理手順の説明では、欠陥リスト15とDDS14との各々が、複数のブロックのうち、互いに異なるブロックに配置されることを前提としたが、欠陥リスト15とDDS14との両方が複数のブロックのうち、少なくとも1つのブロックを共有していることを前提としてもよい。
【0210】
欠陥リスト15とDDS14との両方が複数のブロックのうち、少なくとも1つのブロックを共有していることを前提とする場合には、欠陥リスト15とDDS14とによって共有されるブロックに欠陥リスト15とDDS14とを記録後に、記録が正常に行えたかどうかの確認を行う。記録に失敗していた場合には、次に記録を行う位置がDDS14の欠陥リスト先頭位置情報30になるように位置情報を変更し、再度欠陥リスト15とDDS14とによって共有されるブロックに欠陥リスト15とDDS14とを記録する。欠陥リスト15とDDS14との記録が正常に行われるまで、欠陥リスト15とDDS14との記録を繰り返す。
【0211】
したがって、欠陥管理作業領域21に記録される欠陥リスト15とDDS14とのデータの信頼性を高めることができる。
【0212】
図11は、図10を参照して説明した追記手順に従って欠陥管理作業領域21に欠陥リスト15およびDDS14が追記されていく状態を示す。
【0213】
状態(a)は、欠陥管理作業領域#1(DMWA#1)に欠陥ブロックが存在していたため、DMWA#1への1回目の欠陥リスト15の記録は失敗した状態を示す。引き続き欠陥リスト15の記録を行い、欠陥リスト15の記録が成功した場合、続けてDDS14の記録を行う。
【0214】
状態(b)は、DMWA#2に欠陥ブロックが存在しない状態を示す。
【0215】
以上から、欠陥管理作業領域21に欠陥ブロックが存在したために欠陥リスト15とDDS14との記録に失敗しても、欠陥リスト15とDDS14との記録が正常に終了するまで欠陥リスト15とDDS14との記録を繰り返すことによって、正しく欠陥リスト15とDDS14との記録を行うことができる。
【0216】
図9に示される実施の形態では、ステップ901が「記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択するステップ」に対応し、ステップ902が「境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に、追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報を記録するステップ」と「ステップ(b)で記録されたディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に記録するステップ」とに対応する。
【0217】
しかし、本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1の欠陥管理作業領域21に欠陥リストとDDSとを追記する処理手順が、図9に示されるものに限定されるわけではない。本発明の実施の形態1の追記型光ディスク1の欠陥管理作業領域21に欠陥リストとDDSとを追記する処理手順は、上述した「記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択するステップ」、「境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に、追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報を記録するステップ」および「ステップ(b)で記録されたディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を前記境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に記録するステップ」の機能を有する限り、任意の処理手順を有し得る。
【0218】
図12は、本発明の実施の形態1の他の追記型光ディスク1のデータ構造を示す。
【0219】
本発明の実施の形態1の他の追記型光ディスク1には、欠陥管理作業領域群20の終端から先頭の方向(追記型光ディスク1の外周から内周の方向)に沿って、少なくとも1つの欠陥管理作業領域21(DMWA#1〜DMWA#N(Nは1以上の整数))が順に割り付けられる。欠陥管理作業領域群20の終端(追記型光ディスク1の外周側)の欠陥管理作業領域21から順にDDS14と欠陥リスト15とが記録される。
【0220】
さらに、欠陥管理作業領域21には、DMA1〜DMA4の各々に配置されたDDS14および欠陥リスト15との配置の順番と同様に、DDS14と欠陥リスト15とが配置される。欠陥管理作業領域21には、欠陥リスト15とDDS14とが、欠陥管理作業領域群20の終端から先頭の方向(追記型光ディスク1の外周から内周の方向)に沿って、欠陥リスト15、DDS14の順に配置される。
【0221】
DDS14は、例えば、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置される。DDS14は、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域の先頭を基準に算出可能な所定の位置に配置される。
【0222】
図12で示される本発明の実施の形態1の他の追記型光ディスク1において、最新に記録された欠陥管理作業領域を探索する場合には、光ディスク記録再生装置100は、欠陥管理作業情報読み出し部165において、欠陥管理作業領域群20の中で記録済みの先頭位置をサーチして、記録済み先頭位置にある欠陥管理作業領域21を最新に記録されたものとする。つまり、図6において、記録済領域と未記録領域を入れ替えて、記録済み先頭位置をサーチすることになる。欠陥管理作業情報書き込み部166において、欠陥管理作業領域群20の中で記録済み先頭領域より内周側の未記録欠陥管理作業領域を利用可能な欠陥管理作業領域21とする。
【0223】
本発明の追記型情報記録媒体には、少なくとも1つの欠陥管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、最新の欠陥リストと最新のDDSとは、この所定の方向に沿って、最新の欠陥リスト、最新のDDSの順に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置されている。したがって、最新のDDSおよび最新の欠陥リストを容易に探索することができる。
【0224】
以下、少なくとも1つの欠陥管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、最新のDFLと最新のDDSとは、この所定の方向に沿って、最新のDFL、最新のDDSの順に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置されており、この所定の方向が、追記型光ディスク1の内周から外周の方向である場合に得られる効果について詳しく説明する。
【0225】
まず、DMA1〜DMA4の最新のDFL15と最新のDDS14との配置と同じように、追記型光ディスク1の外周から内周の方向に沿って、最新のDFL15、最新のDDS14の順に、欠陥管理作業領域21に最新のDFL15と最新のDDS14とが配置されている場合を例にとって考えてみる。
【0226】
この場合、図8に示す欠陥管理作業領域群20における記録済み終端位置を探索することは可能であるが、DFL15のサイズは欠陥エントリ数によって可変であるため、終端位置からDFL15の先頭位置を算出することは出来ない。
【0227】
このデータ構造において最新のDFL15の取得を行おうとした場合は、欠陥管理作業領域群20の先頭のDDS14からDFL15の先頭位置を算出し、さらにDFL15に含まれる欠陥エントリ数からDFL15のサイズを算出し、次のDDS14の位置を決定する。このDDS14からDFL15の先頭位置を算出し、・・・というように、順に欠陥管理作業領域群20を辿っていく必要がある。DDS14の次にDFL15を配置したデータ構造であれば、多くの時間を要してしまうため望ましくないことは明白である。又、これらDDS14とDFL15の中で再生できないブロックがあると最新のDFL15の探索に支障をきたす為に信頼性も低くなるという課題も発生する。
【0228】
DFL15を固定長にすれば、最新のDDS14と最新のDFL15の探索に関する問題は回避できるが、欠陥管理作業領域群20を追記できる回数が減るか、より大きな欠陥管理作業領域群20を用意する必要が生じて、領域の使用効率が低下するという別の課題が発生する。
【0229】
そこで、本発明における実施の形態1の追記型光ディスク1のように、少なくとも1つの欠陥管理作業領域21が所定の方向に沿って順に割り付けられており、最新のDFL14と最新のDDS15とは、この所定の方向に沿って、最新のDFL14、最新のDDS15の順に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置され、DDS14は境界を基準に算出可能な所定の位置に配置されている構成とすれば、欠陥管理作業領域21において使用効率の良い可変サイズのDFL15を利用でき、欠陥管理作業領域群20中の記録済み終端位置の欠陥管理作業領域21(つまり、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域)のDDS14に、最新のDFL15の記録位置が記載されているので、上述した課題は解決できる。
【0230】
本発明の追記型情報記録媒体には、少なくとも1つの欠陥管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、最新の欠陥リストと最新のDDSとは、この所定の方向に沿って、最新の欠陥リスト、最新のDDSの順に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に配置され、DDSは境界を基準に算出可能な所定の位置に配置されている。したがって、最新のDDSおよび最新の欠陥リストを容易に検索することができる。
【0231】
1.5.ファイナライズ処理
図13は、本発明の実施の形態1におけるファイナライズ処理手順を示す。本発明の追記型光ディスク1のDMA1〜DMA4の各々に欠陥リスト15とDDS14とを記録することによって、本発明の実施の形態1におけるファイナライズ処理が行われる。
【0232】
ここで、欠陥管理情報格納バッファ140に格納されている欠陥リスト15は、欠陥管理情報更新部164によって、最新の内容に保たれている。
【0233】
以下、図13を参照して本発明の実施の形態1におけるファイナライズ処理手順をステップごとに説明する。
【0234】
ステップ1001:DMA1〜DMA4のうちの1つ(DMA1)に対して、欠陥リスト15とDDS14とを記録する処理を開始する。
【0235】
ステップ1002:欠陥管理情報更新部164は、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域の位置を示す位置情報を少なくとも1つの欠陥管理領域のうちの1つの位置を示す位置情報に変更することによって、最新のDDS14を最後のDDS14に変更する。例えば、欠陥管理情報更新部164は、欠陥管理情報格納バッファ140中のDDS14の欠陥リスト先頭位置情報30を記録対象の欠陥管理領域(DMA1)の欠陥リスト先頭位置情報に変更することによって、最新のDDS14を最後のDDS14に変更する。欠陥リスト先頭位置情報30が変更された後、処理は、ステップ1003に進む。
【0236】
ステップ1003:欠陥管理情報書き込み部162は、少なくとも1つの欠陥管理領域のうちの1つに、最後の欠陥リスト15を記録する。例えば、欠陥管理情報書き込み部162は、DMA1に欠陥管理情報格納バッファ140中の欠陥リスト15を記録する。欠陥リスト15が記録された後、処理は、ステップ1004に進む。
【0237】
ステップ1004:欠陥管理情報書き込み部162は、最後の欠陥リスト15に基づいて、少なくとも1つの欠陥管理領域のうちの1つに、最後のDDS14を記録する。例えば、欠陥管理情報書き込み部162は、DMA1に欠陥管理情報格納バッファ140中のDDS14を記録する。DDS14が記録された後、処理は、ステップ1005に進む。
【0238】
ステップ1005:DMA1〜DMA4のうちの1つ(DMA1)に対して、欠陥リスト15とDDS14とを記録する処理を終了する。記録処理が終了した後、処理は、ステップ1001に進む。
【0239】
ステップ1002からステップ1004の処理を、残り全ての欠陥管理領域(つまり、DMA2〜DMA4)に対して実施する。
【0240】
DMA1〜DMA4に対して欠陥リスト15とDDS14とを記録する処理が終了した後、ファイナライズ処理は、終了する。
【0241】
なお、ステップ1001〜ステップ1005において、最後の欠陥リスト15は、少なくとも1つの欠陥管理領域に配置された最新の欠陥リスト15であり、最後のディスク定義構造14は、最後の欠陥リスト15に関する位置情報を含むディスク定義構造14であり、最新の欠陥リスト15は、一般的に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に記録された欠陥リスト15であり、最新のディスク定義構造14は、最新の欠陥リスト15に関する位置情報を含むディスク定義構造14である。
【0242】
以上の手順を実行することによって、欠陥管理情報処理部160は、ファイナライズのために、DMA1〜DMA4に最後のDDS14および最後の欠陥リスト15を記録することができる。
【0243】
図14は、書換え型光ディスク400とファイナライズ後の追記型光ディスクとのデータ構造の比較を示す。
【0244】
図13を参照して説明したファイナライズ処理手順を実行することによって、ファイナライズ後の追記型光ディスクに配置されたDMA1〜DMA4のデータ構造は、書換え型光ディスク400に配置されたDMA1〜DMA4のデータ構造と同じになるため、図24で示された書換え型光ディスク対応の光ディスク記録再生装置200によってファイナライズ後の追記型光ディスクが再生可能になり、再生互換を取ることが出来る。
【0245】
なお、ファイナライズ処理の際には、一般的に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に記録された欠陥リスト15と同じ内容の情報が欠陥管理作業領域に記録される。従って、本発明の追記型光ディスクのデータ構造に対応した装置では、最新の欠陥管理作業領域21の内容を取得すれば、DMA1〜DMA4の内容を取得する必要がなくなり、欠陥管理情報を取得するまでの時間を短縮することができる。DMA1〜DMA4へのDDS14と欠陥リスト15との記録が全て失敗したとしても、最新の欠陥管理作業領域21からDDS14と欠陥リスト15とを取得することによって、追記型光ディスク1に記録されたデータを再生できる。
【0246】
以上、本発明のファイナライズ処理によれば、ファイナライズ後の追記型光ディスクのデータ構造は書換え型光ディスクのデータ構造と同じになる。その結果、書換え型光ディスク対応の光ディスク記録再生装置によってファイナライズ後の追記型光ディスクに記録されたデータを再生可能となる、つまり再生互換を取ることが可能となる。
【0247】
図13に示される例では、欠陥管理情報書き込み部162が「少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク管理情報を記録する手段」および「最後のディスク管理情報に基づいて、少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つに、最後のディスク定義構造を記録する手段」として機能する。しかし、欠陥管理情報書き込み部162は、本発明の機能分担の一例を示したに過ぎない。上述した機能が達成される限り、任意の構成を有する手段を有し得る。
【0248】
なお、ファイナライズ識別フラグを追記型光ディスク1に記録することによっても、追記型光ディスク1をファイナライズすることができる。
【0249】
例えば、欠陥管理作業情報書き込み部166は、ディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方に、ファイナライズ識別フラグが含まれるようにファイナライズ識別フラグを記録する。
【0250】
図15は、本発明の実施の形態1における別のファイナライズ処理手順を示す。本発明の追記型光ディスク1にファイナライズ識別フラグが含まれるようにファイナライズ識別フラグを記録することによって、本発明の実施の形態1における別のファイナライズ処理が行われる。
【0251】
以下、図15を参照して本発明の実施の形態1における別のファイナライズ処理手順をステップごとに説明する。
【0252】
ステップ2201:ファイナライズ識別フラグを追記型光ディスク1に記録する。ファイナライズ識別フラグが記録される位置は、追記型光ディスク1の所定の位置である。本発明の光ディスク記録再生装置によってファイナライズ識別フラグが読み出せる位置であれば、所定の位置は問わない。
【0253】
所定の位置が欠陥管理作業領域21であれば、欠陥管理作業情報書き込み部166は、欠陥管理作業領域21に配置されるディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方に、ファイナライズ識別フラグが含まれるようにファイナライズ識別フラグを記録する。この場合には、欠陥管理作業情報読み出し部165によってファイナライズ識別フラグが読み出される。
【0254】
ディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方にファイナライズ識別フラグが記録された後、処理は、終了する。
【0255】
1.6.ファイナライズ判定処理
図16は、追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定手順を示す。以下、図16を参照して追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定手順(ステップ2301〜ステップ2303)をステップごとに説明する。
【0256】
なお、ステップ2301〜ステップ2303において、最後の欠陥リスト15は、少なくとも1つの欠陥管理領域に配置された最新の欠陥リスト15であり、最後のディスク定義構造14は、最後の欠陥リスト15に関する位置情報を含むディスク定義構造14であり、最新の欠陥リスト15は、一般的に、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に記録された欠陥リスト15である。
【0257】
ステップ2301:欠陥管理情報読み出し部161は、追記型光ディスク1に割り付けられた少なくとも1つの欠陥管理領域のうちの1つを選択する。少なくとも1つの欠陥管理領域のうちの1つを選択した後、処理は、ステップ2302に進む。
【0258】
ステップ2302:欠陥管理情報読み出し部161は、追記型光ディスク1に割り付けられた少なくとも1つの欠陥管理領域のうちの1つからデータを読み出し、記録済みか否かを判定する。例えば、欠陥管理情報読み出し部161は、DMA1〜DMA4のうちの1つからデータを読み出し、読み出し結果に基づいて、DMA1〜DMA4のうちの1つに最後の欠陥リストと最後のDDSとが記録されているか否かを判定する。
【0259】
データの読み出し結果を示す読み出し信号の信号振幅値が所定の閾値以上である場合には記録済みであると判定され、読み出し信号の信号振幅値が所定の閾値を超えなかった場合には、未記録であると判定される。例えば、DMA1からデータを読み出し、読み出し結果に基づいて、記録済みか否かを判定する。
【0260】
読み出しの対象となるデータは、最後の欠陥リスト15および最後のDDS14には限られない。図6および図7を参照して説明した手順によって記録済みか否かの判断として利用しえる限り、データの内容は問わない。
【0261】
記録済みか否かの判定処理手順は、図6および図7を参照して説明した手順と同様であるため、その説明を省略する。なお、図6および図7を参照して説明した手順では、欠陥管理作業情報読み出し部165によって振幅が検査されたが、ファイナライズ判定手順では、欠陥管理情報読み出し部161によって振幅が検査される。
【0262】
なお、記録済みか否かの判定手順は、図6および図7を参照して既に説明した手順に限らない。データが正しく読み出されるか否かの検査に基づいて、記録済みか否かを判定してもよい。例えば、欠陥管理領域に記録された最後の欠陥リスト15または最後のDDS14が正しく読み出されるか否かの検査結果に基づいて、記録済みか否かを判定する。
【0263】
記録済みである場合には、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていると判断され、処理は終了する。
【0264】
記録済みでない場合には、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていないと判断され、処理は、ステップ2303に進む。
【0265】
ステップ2303:欠陥管理情報読み出し部161は、追記型光ディスク1に割り付けられた少なくとも1つの欠陥管理領域の全てが選択済みか否か判定する。
【0266】
全てが選択済みである場合には、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていないと判断され、処理は終了する。
【0267】
選択されていない欠陥管理領域がある場合には、処理は、ステップ2301に進む。
【0268】
DMA1〜DMA4のうちの少なくとも1つが記録済みであると判定された場合には、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていると判定され、DMA1〜DMA4の全てが未記録であると判定された場合には、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていないと判定される。
【0269】
例えば、欠陥管理情報読み出し部161は、DMA1〜DMA4のうちの少なくとも1つからデータを読み出し、正常に再生できる場合には、追記型光ディスク1はファイナライズ済みであると判断し、DMA1〜DMA4の全てが未記録のためにこれらの欠陥管理領域からデータを正常に再生できない場合には、追記型光ディスク1はファイナライズされていないと判断する。
【0270】
図16に示される実施の形態では、ステップ2302が「少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つからデータを読み出し、記録済みか否かを判定するステップ」に対応し、ステップ2303が「判定の結果に基づいて、追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定するステップ」に対応する。
【0271】
しかし、追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定手順が、図16に示されるものに限定されるわけではない。追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定するファイナライズ判定手順は、上述した「少なくとも1つのディスク管理領域のうちの1つからデータを読み出し、記録済みか否かを判定するステップ」および「判定の結果に基づいて、追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定するステップ」の機能を有する限り、任意の処理手順を有し得る。
【0272】
図17は、追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定する別のファイナライズ判定手順を示す。以下、図17を参照して追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定する別のファイナライズ判定手順をステップごとに説明する。
【0273】
ステップ2401:光ディスク記録再生装置100によって追記型光ディスク1のデータが読み出される。例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域21のデータを読み出す。データの読み出し手順は、図5を参照して説明した手順と同様であるため、その説明を省略する。
【0274】
データの読み出し後、処理は、ステップ2402に進む。
【0275】
ステップ2402:ファイナライズ識別フラグが追記型光ディスク1に記録されているか否かを判定する。例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、読み出したデータに基づいて、欠陥管理作業領域21の所定の位置にファイナライズ識別フラグが記録されているか否かを判定する。なお、ファイナライズ識別フラグの記録位置は、欠陥管理作業領域21の所定の位置に限らない。光ディスク記録再生装置100によって読み出すことができる位置であれば、ファイナライズ識別フラグの記録位置は、追記型光ディスク1の所定の位置でよい。所定の位置は、例えば、ディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方である。
【0276】
判定の結果に基づいて、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かが判定される。
【0277】
ファイナライズ識別フラグが記録されている場合には、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていると判断され、処理は終了する。
【0278】
ファイナライズ識別フラグが記録されていない場合には、追記型光ディスク1が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されていない判断され、処理は終了する。
【0279】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、ディスク定義構造14および欠陥リスト15のうちの少なくとも一方に記録されているファイナライズ識別フラグを読み出した場合には、追記型光ディスク1がファイナライズ済みであると判断する。
【0280】
図17に示される実施の形態では、ステップ2402が「少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示すファイナライズ識別フラグが、追記型情報記録媒体に記録されているか否かを判定するステップ」と「判定の結果に基づいて、追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定するステップ」とに対応する。
【0281】
しかし、追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定する別のファイナライズ判定手順が、図17に示されるものに限定されるわけではない。追記型光ディスク1が既にファイナライズされているか否かを判定する別のファイナライズ判定手順は、上述した「少なくとも1つのディスク管理作業領域へのデータの追記の禁止を示すファイナライズ識別フラグが、追記型情報記録媒体に記録されているか否かを判定するステップ」および「判定の結果に基づいて、追記型情報記録媒体が追記可能な状態から追記不可能な状態に変更されているか否かを判定するステップ」の機能を有する限り、任意の処理手順を有し得る。
【0282】
なお、本発明の実施の形態1において、欠陥リスト(DFL)15およびディスク定義構造(DDS)14の各々がエラー訂正の単位であるブロック単位であるとして説明を行った。DDS14のサイズまたはDFL15のサイズがブロックサイズに満たない場合は、満たない部分には、意味を持たないデータ(例えば0)を記録することによって、ブロックサイズとする。
【0283】
なお、DFL15とDDS14とは互いに異なるブロックに配置されることを前提に説明したが、DDS14が、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に含まれるブロックのうち、境界を基準に算出可能な所定のブロックにおける所定の位置に配置される場合には、DFL15とDDS14とが1つ以上のブロックのうちの少なくとも1つのブロックを共有してもよい。例えば、DFL15の最後のブロックの所定の位置にDDS14が配置されてもよい。記録終端からDDS14の位置が一意に求まる限り、最新のDDS14とDFL15とを容易に検索することができる。
【0284】
なお、本発明の実施の形態1では、エラー訂正の単位であるブロックを再生記録および欠陥管理の単位として説明したが、例えば、アクセス可能な最小の単位であるセクタ(1セクタは2KByteのサイズ)を再生記録および欠陥管理の単位としても、本発明が適用できることは明白である。そのような変更態様は、本発明の精神ならびに適用範囲から逸脱するものでなく、同業者にとって自明な変更態様は、本発明の請求の範囲に含まれるものとする。
【0285】
なお、本発明の実施の形態1において、欠陥管理作業領域21は1つの欠陥リスト15(つまり子情報)とその位置情報を含むDDS14(つまり親情報)とを含む例を説明したが、親情報が子情報に関する位置情報を備えている限りにおいては、子情報は1つに限らない。子情報が欠陥管理作業領域21に複数存在しても良い。つまり親情報は、複数の子情報に関する位置情報を含んでいても良く、この場合も同様の効果を得ることができる。
【0286】
(実施の形態2)
2.1.光ディスクデータ構造
本発明の実施の形態2の追記型光ディスク300のデータ構造は、欠陥管理作業領域21(DMWA)を除いて、本発明の実施の形態1で説明した追記型光ディスク1のデータ構造と同じであるので、欠陥管理作業領域21(DMWA)以外の説明は、ここでは省略する。
【0287】
図18は、本発明の実施の形態2のDMWAのデータ構造を示す。
【0288】
DMWAは、M個のブロック(Mは1以上の整数)を含み、M個のブロックの各々には、副欠陥リスト(以下、「SDFL」とも記載する。)18と副ディスク定義構造(以下、「SDDS」とも記載する。)19とが配置される。
【0289】
SDDS19は固定サイズの情報(例えば、1セクタ(2KByte))であり、SDDS19は、DMWAに含まれる各ブロック内の所定の位置(例えば、ブロックの末尾セクタ)に配置される。
【0290】
SDDS19のサイズは、ディスク定義構造(DDS)14のサイズと同じである。
【0291】
なお、SDDS19のサイズは、DDS14のサイズと同じであることに限らない。
【0292】
なお、SDDS19が各ブロック内の所定の位置に配置される限りにおいては、SDDS19は、固定長でなくとも良い。
【0293】
欠陥リスト(DFL)15のサイズとSDDS19のサイズとを足した結果、1ブロックサイズを越える場合に、SDDS19と足し合わせたサイズが1ブロックサイズ以内に収まるようにDFL15を分割したものがSDFL18である。つまり全てのSDFL18を組み合わせたものがDFL15となる。
【0294】
また、SDFL18はDFL15を分割したものであるため、いずれかのSDFL18の所定の位置(例えば、SDFL#1の先頭)に欠陥リストヘッダ32が配置される。
【0295】
DFL15のサイズが可変長であるため、SDFL18の個数およびサイズも可変となるが、SDFL18とSDDS19とを足し合わせたサイズは必ず1ブロックサイズに収まる。
【0296】
ここで、SDFL18のサイズとSDDS19のサイズとを足したサイズが1ブロックサイズに満たない場合には、満たない部分には意味を持たないデータ(例えば0)を記録することによって、1ブロックサイズとする。
【0297】
図19は、SDDS19の構造を示す。
【0298】
SDDS19は、DMWA内に存在する全てのSDFL18の位置情報である副欠陥リスト先頭位置情報34を含む。
【0299】
なお、SDDS19は必ずしも全てのSDFL18に関する副欠陥リスト先頭位置情報34を備えていなくても良い。例えば先頭のSDFL18、末尾のSDFL18、同じブロックを構成するSDFL18に関する副欠陥リスト先頭位置情報34だけを持っていても良い。
【0300】
2.2.光ディスク記録再生装置の構成
本発明の実施の形態2の光ディスク記録再生装置の構成は、本発明の実施の形態1の光ディスク記録再生装置100の構成と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0301】
2.3.最新欠陥管理情報の取得
本発明の実施の形態2の追記型光ディスク300に記録された情報(記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に記録されたSDDSおよびSDFL)を取得(再生)する方法を以下に説明する。
【0302】
図20は、欠陥管理作業領域群20に含まれる欠陥管理作業領域21のうち最新に記録された欠陥管理作業領域21からSDDS19とSDFL18とを取得する手順を示す。以下、図20を参照して最新に記録された欠陥管理作業領域21からSDDS19とSDFL18とを取得する手順をステップごとに説明する。
【0303】
ステップ1901:欠陥管理作業情報読み出し部165は、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界の位置を探索し、境界の位置を示す境界位置情報を取得する。
【0304】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、欠陥管理作業領域群20の記録済み終端位置を探索し、欠陥管理情報制御メモリ163にある記録済み終端位置40に、探索した記録済み終端の欠陥管理作業領域21の位置を記憶させる。探索した記録済み終端の欠陥管理作業領域21の位置を記憶させた後、処理は、ステップ1902に進む。
【0305】
なお、記録済み終端位置の探索手順は、図6および図7を参照して本発明の実施の形態1で説明した手順と同様であるため、その説明を省略する。
【0306】
ステップ1902:欠陥管理作業情報読み出し部165は、境界位置情報に基づいて、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に含まれるブロックからSDDS19を再生し、再生されたSDDS19に基づいて、SDFL18に関する位置情報を取得する。
【0307】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、記録済み終端位置40を終端として存在するブロック内の所定位置に配置されている固定長のSDDS19を欠陥管理情報格納バッファ140へ読み出すとともに、SDDS19中の全ての副欠陥リスト先頭位置情報34を欠陥管理情報制御メモリ163にあるSDFL先頭位置42に記憶する。SDDS19中の全ての副欠陥リスト先頭位置情報34を記憶した後、処理は、ステップ1903に進む。
【0308】
ステップ1903:欠陥管理作業情報読み出し部165は、SDDS19に含まれるSDFL18に関する位置情報に基づいて、欠陥管理作業情報読み出し部165は、記録済み欠陥管理作業領域が正常に記録が完了した領域であるか否かを判断する。
【0309】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、SDFL先頭位置42として読み出した位置情報を用いて、読み出しを行ったSDDS19を含むDMWAが正常な欠陥管理作業領域か否かを判定する。
【0310】
例えば、SDFL18に関する位置情報と記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界の位置情報とを比較することによって、欠陥管理作業情報読み出し部165は、記録済み欠陥管理作業領域が正常に記録が完了した領域であるか否かを判断する。
【0311】
具体的には、例えば、SDFL先頭位置42の位置情報の中に、記録済み終端位置40よりも大きいアドレスが存在しない場合には、読み出そうとしているDMWAは正常であると判定し、反対に記録済み終端位置40よりも大きいアドレスが存在する場合には、読み出そうとしているDMWAは異常であると判定する。
【0312】
なお、上記の判定方法は一例であり、DMWAが正常かどうかの判定方法はこれに限るものではない。
【0313】
記録済み欠陥管理作業領域が正常に記録が完了していない領域である場合には、SDFL18に関する位置情報に基づいて、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域と境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に隣接する記録済み欠陥管理作業領域との境界の位置を探索する。
【0314】
例えば、読み出そうとしているDMWAが異常であると判定された場合には、現在読み出そうとしているDMWAよりも欠陥管理作業領域群20の先頭側に向かって1つ前に存在している正常なDMWA、つまり副欠陥リスト#1先頭位置情報34を表すSDFL先頭位置42の1つ前の位置を領域末尾として存在しているDMWAを読み出す。
【0315】
ここで現在読み出しているDMWAが異常であると判定される場合としては、例えばDMWAの更新途中で光ディスク記録再生装置100の電源が落ち、更新が途中で止まってしまったDMWAの読み出しを行った場合や、読み出しているDMWAに傷や指紋等の欠陥が生じて読み出しに失敗する場合等がある。
【0316】
正常な欠陥管理作業領域であると判定された場合には、処理は、ステップ1904に進む。
【0317】
正常な欠陥管理作業領域でないと判定された場合には、処理は、ステップ1902に進む。
【0318】
ステップ1904:欠陥管理作業情報読み出し部165は、SDFL18に関する位置情報に基づいて、境界に隣接する記録済み欠陥管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々からSDFL18を再生する。
【0319】
例えば、欠陥管理作業情報読み出し部165は、SDFL先頭位置42として読み出された位置を先頭として配置されている全てのSDFL18を欠陥管理情報格納バッファ140へ読み出す。
【0320】
ここで、記録済み終端位置40が、欠陥管理作業領域群20が全く記録されていないことを示す場合、ステップ1902、ステップ1903およびステップ1904の読み出し処理を行う必要はない。読み出し処理を行う代わりに、欠陥管理情報格納バッファ140に、DDS14と、欠陥リスト15とをあらかじめ格納しておけばよい。なお、格納されたDDS14は、所定の値に初期化された欠陥リスト先頭位置情報30を含み、格納された欠陥リスト15は、欠陥リストヘッダ32の欠陥エントリ数が初期化されている(欠陥エントリ数=0)ために欠陥エントリ33を持たない。
【0321】
なお、欠陥管理情報格納バッファ140には、読み出した全てのSDFL18を組み合わせてDFL15として保持しても良いし、読み出した状態のまま保持しておいても良いが、本発明の実施の形態では、読み出した全てのSDFL18を組み合わせてDFL15として保持するものとする。
【0322】
図20に示される実施の形態では、ステップ1901が「記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界の位置を探索し、境界の位置を示す境界位置情報を取得するステップ」に対応し、ステップ1902が「境界位置情報に基づいて、境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域からディスク定義構造を再生するステップ」と「ディスク定義構造に基づいて、部分ディスク管理情報に関する位置情報を取得するステップ」とに対応し、ステップ1904が「部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々から、部分ディスク管理情報を再生するステップ」に対応する。
【0323】
しかし、欠陥管理作業領域群20に含まれる欠陥管理作業領域21のうち最新に記録された欠陥管理作業領域21からSDDS19とSDFL18とを取得する手順が、図20に示されるものに限定されるわけではない。欠陥管理作業領域群20に含まれる欠陥管理作業領域21のうち最新に記録された欠陥管理作業領域21からSDDS19とSDFL18とを取得する手順は、上述した「記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界の位置を探索し、境界の位置を示す境界位置情報を取得するステップ」、「境界位置情報に基づいて、境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域からディスク定義構造を再生するステップ」、「ディスク定義構造に基づいて、部分ディスク管理情報に関する位置情報を取得するステップ」および「部分ディスク管理情報に関する位置情報に基づいて、境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々から、部分ディスク管理情報を再生するステップ」の機能を有する限り、任意の処理手順を有し得る。
【0324】
以上、本発明によれば、DMWAに含まれる全てのブロックの所定位置に、SDFLの位置情報を含むSDDSを配置することにより、そのDMWAが正常に更新されたDMWAであるか否かをSDDS内の情報から容易に判断することができる。さらに、そのDMWAが更新に失敗していた場合でも、1つ前に存在する正常なDMWAの位置情報を容易に算出できる。
【0325】
2.4.欠陥管理情報の更新
本発明の実施の形態2の追記型光ディスク300に情報(SDFLおよびSDDS)を記録する方法を以下に説明する。
【0326】
図21は、本発明の実施の形態2の追記型光ディスク300の欠陥管理作業領域21にSDFL18とSDDS19とを追記する手順を示す。
【0327】
欠陥管理作業情報書き込み部166が、SDFL18とSDDS19とを欠陥管理作業領域21に記録(追記)する。
【0328】
ここで、欠陥管理情報格納バッファ140に格納されている欠陥リスト15は、欠陥管理情報更新部164によって、最新の内容に保たれている。
【0329】
具体的には、例えば、新規に1つの欠陥ブロックが検出された場合、欠陥管理情報更新部164は、欠陥管理情報格納バッファ140に格納されている欠陥リスト15に新規交替ブロック(つまり、新規欠陥ブロック)に相当する欠陥エントリを追加し、さらに欠陥エントリに含まれる欠陥ブロックの位置情報にしたがって、欠陥エントリのソーティングを行う。さらに欠陥管理情報更新部164は、欠陥リストヘッダの欠陥エントリ数を1つ増加させる。
【0330】
以下、図21を参照して本発明の実施の形態2の追記型光ディスク300の欠陥管理作業領域21にSDFL18とSDDS19とを追記する手順をステップごとに説明する。
【0331】
ステップ2001:欠陥管理情報更新部164は、欠陥管理情報格納バッファ140に格納されている最新のDFL15のサイズを算出し、固定サイズであるSDDS19のサイズと最新のDFL15のサイズと足したサイズが1ブロックサイズを越えるか否かを判定する。
【0332】
足したサイズが1ブロックサイズを越える場合には、DFL15を複数の副欠陥リスト18に分割する。
【0333】
足したサイズが1ブロックサイズ以下である場合には、DFL15をそのまま副欠陥リスト18#1とする。
【0334】
1つの副欠陥リスト18のサイズと固定サイズのSDDS19のサイズとを足した結果、最大で1ブロックサイズになるように、1つの副欠陥リスト18のサイズが決められる。
【0335】
具体的には、光ディスク300がDVD−RAMであり、1ブロックサイズがエラー訂正の単位である1ECCブロック(=16セクタ)の場合では、SDDS19のサイズが1セクタであるとすると、副欠陥リスト18のサイズは最大で15セクタサイズとなる。
【0336】
ステップ2002:欠陥管理情報更新部164は、記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する未記録欠陥管理作業領域を選択する。
【0337】
例えば、欠陥管理情報更新部164は、欠陥管理情報制御メモリ163にある記録済み終端位置40を1つ先へ進めた位置、つまり未記録領域の先頭位置を副欠陥リスト#1先頭位置情報34として欠陥管理情報格納バッファ140中のSDDS19を更新することによって、複数の未記録欠陥管理作業領域の先頭に位置する未記録欠陥管理作業領域を選択する。副欠陥リスト18がM個(Mは2以上の整数)存在する場合には、SDDS19に含まれるそれぞれの副欠陥リスト18に対応する副欠陥リスト先頭位置情報34を更新する。
【0338】
ここで、副欠陥リスト#2先頭位置情報、・・・、副欠陥リスト#M先頭位置情報は、副欠陥リスト#1先頭位置情報とブロックサイズとを用いることで算出できる。具体的には、例えば、副欠陥リスト#2先頭位置情報は、副欠陥リスト#1先頭位置情報の示す位置から1ブロックサイズ分先へ進んだ位置として求めることが出来る。
【0339】
ステップ2003:欠陥管理作業情報書き込み部166は、境界に隣接する未記録欠陥管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、追記型光ディスクに関する管理情報である欠陥リスト15に含まれるSDFL18とSDFL18に関する位置情報を含むSDDS19とを記録する。
【0340】
例えば、欠陥管理作業情報書き込み部166は、未記録領域の先頭位置から順に、欠陥管理情報格納バッファ140中の更新済みのSDFL18と更新済みのSDDS19とを記録する。SDFL18がM個存在する場合には、更新済みのSDFL18と更新済みのSDDS19との記録をSDFLの個数分、つまりM回繰り返して行う。
【0341】
ここで、SDDS19が全てのSDFL18に関する副欠陥リスト先頭位置情報34を含む場合、SDFL18とあわせて記録するSDDS19の内容は、全てのSDFL18に対して同じものとなる。しかし、例えばSDDS19が、先頭のSDFL18に関する副欠陥リスト先頭位置情報34と、末尾のSDFL18に関する副欠陥リスト先頭位置情報34と、同じブロックを構成するSDFL18に関する副欠陥リスト先頭位置情報34とを含む場合には、それぞれのSDDS19において、同じブロックを構成するSDFL18に関する副欠陥リスト先頭位置情報34だけが違う内容となる。
【0342】
なお、本発明の実施の形態2においても、本発明の実施の形態1において、図10を参照して説明したように、記録が正常に行えたかどうかの確認を行いながらSDFL18とSDDS19とを記録しえる。本発明の実施の形態2において、記録が正常に行えたかどうかの確認を行いながらSDFL18とSDDS19とを記録する場合には、SDFL18とSDDS19との記録が正常に行われるまで、ステップ2003の実行を繰り返す。
【0343】
なお、本発明の実施の形態1において、図10を参照して説明したように、記録が正常に行えたかどうかの確認を行いながらDMWAの更新を行うような場合には、途中に欠陥ブロックが存在すると、先に記録したブロックのSDDS19が示す副欠陥リスト先頭位置情報34と、実際に副欠陥リスト18の記録を行う位置とに不整合が生じる可能性がある。しかし、このような場合にも、その都度欠陥管理情報格納バッファ140中のSDDS19の内容を更新し、最新に記録したブロック(つまり記録済み終端位置に存在するブロック)におけるSDDS19の内容が正しい内容となるようにすることで整合を取ることが出来るので問題ない。
【0344】
以上の手順を実行することによって、欠陥管理作業情報書き込み部166は、欠陥管理作業領域群20に含まれる欠陥管理作業領域21に最新の欠陥リスト15とDDS14とを記録することができる。
【0345】
図21に示される実施の形態では、ステップ2002が「記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択するステップ」に対応し、ステップ2003が「境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報に含まれる部分ディスク管理情報を記録するステップ」と「境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、部分ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を記録するステップ」とに対応する。
【0346】
しかし、本発明の実施の形態2の追記型光ディスク300の欠陥管理作業領域21にSDFL18とSDDS19とを追記する手順が、図21に示されるものに限定されるわけではない。本発明の実施の形態2の追記型光ディスク300の欠陥管理作業領域21にSDFL18とSDDS19とを追記する手順は、上述した「記録済みディスク管理作業領域と未記録ディスク管理作業領域との境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域を選択するステップ」、「境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報に含まれる部分ディスク管理情報を記録するステップ」および「境界に隣接する未記録ディスク管理作業領域に含まれる複数のブロックの各々に、部分ディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造を記録するステップ」の機能を有する限り、任意の処理手順を有し得る。
【0347】
2.5.ファイナライズ処理
本発明の実施の形態2のファイナライズ処理手順は、本発明の実施の形態1のファイナライズ処理手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。なお、本発明の実施の形態2のファイナライズ処理手順は、本発明の実施の形態2のSDDS19に含まれる副欠陥リスト先頭位置情報34を本発明の実施の形態1のDDS14に含まれる欠陥リスト先頭位置情報30とすることによって、本発明の実施の形態1のファイナライズ処理手順を適用する。
【0348】
2.6.ファイナライズ判定処理
本発明の実施の形態2のファイナライズ判定処理手順は、本発明の実施の形態1のファイナライズ判定処理手順と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0349】
以上、本発明によれば、欠陥管理作業領域21の更新途中に電源が切れる等の原因で更新が途中で終わった場合でも、更新に失敗したという事実を誤ることなく判定できるとともに、更新に失敗した欠陥管理作業領域21の先頭位置を容易に検索できる。したがって、最新の正常な欠陥管理作業領域21中の欠陥リスト15を容易に取得することができる。
【0350】
なお、本発明の実施の形態2では、エラー訂正の単位であるブロックを再生記録および欠陥管理の単位として説明したが、例えば、アクセス可能な最小の単位であるセクタ(1セクタは2KByteのサイズ)を再生記録および欠陥管理の単位としても、本発明が適用できることは明白である。そのような変更態様は、本発明の精神ならびに適用範囲から逸脱するものでなく、同業者にとって自明な変更態様は、本発明の請求の範囲に含まれるものとする。
【0351】
なお、本発明の実施の形態1および2において、欠陥管理作業領域21に欠陥リスト15または副欠陥リスト18(つまり子情報)とその位置情報を含むDDS14またはSDDS19(つまり親情報)とが配置される例を説明したが、配置される情報は、欠陥リスト15または副欠陥リスト18とDDS14またはSDDS19とに限らない。
【0352】
例えば、配置される情報が、ディスクに関する管理情報であるディスク管理情報とディスク管理情報に関する位置情報を含むディスク定義構造である場合には、少なくとも1つの欠陥管理作業領域が所定の方向に沿って順に割り付けられており、最新のディスク管理情報と最新のディスク定義構造とが、この所定の方向に沿って、最新のディスク管理情報、最新のディスク定義構造の順に、記録済みディスク管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界に隣接する記録済みディスク管理作業領域に配置されていれば、最新のディスク管理情報を容易に検索することが可能となり、本発明の効果を得ることができる。
【0353】
例えば、配置される情報が、交替リストと交替リストに関する位置情報を含むDDSであってもよい。交替リストは、データ領域に含まれる交替元の領域とスペア領域に含まれる交替先の領域との対応関係を示す対応関係情報を含む。
【0354】
なお、本発明の実施の形態1および2において、欠陥管理作業領域21に欠陥リスト15または副欠陥リスト18(つまり子情報)とその位置情報を含むDDS14またはSDDS19(つまり親情報)とが配置される例を説明したが、親情報が子情報に関する位置情報を備えている限りにおいては、子情報は1つに限らない。子情報が欠陥管理作業領域21に複数存在しても良い。つまり親情報は、複数の子情報に関する位置情報を含んでいても良い。また複数の子情報は必ずしも同種類の情報でなくとも良い。
【0355】
図22は、子情報としてスペースビットマップ情報と欠陥リストとが配置される欠陥管理作業領域の例を示す。
【0356】
欠陥管理作業領域21には、子情報として先に説明したスペースビットマップ情報と欠陥リストとが配置され、親情報であるDDSがこれら2つの子情報に関する位置情報を含んでも良い。この場合も、子情報の位置情報を示すDDS(つまり親情報)が記録済み欠陥管理作業領域と未記録欠陥管理作業領域との境界(記録済み欠陥管理作業領域の終端または記録済み欠陥管理作業領域の先頭)を基準に算出可能な所定の位置に存在していれば、最新の子情報を容易に検索することが可能となり、本発明の効果をえることができる。
【0357】
なお、図10および図11を参照して説明したように記録済みの欠陥管理作業領域21中に欠陥ブロックが存在するような場合、図6および図7を参照して説明した手順で記録済み終端位置を探索するだけでは、欠陥ブロックを未記録領域と誤判定してしまう可能性が考えられる。そこで、図6および図7を参照して説明した手順で探索した記録済み終端位置情報と保持されている情報とを比較し、正しい未記録領域の先頭位置かどうかを判定する等の方法を用いることで、誤判定を避けることが可能となる。ここで、保持されている情報とは、例えば、媒体上の所定の位置や光ディスク記録再生装置内の(不揮発性)メモリに保持されている前回の欠陥管理作業領域群20への記録時の記録済み終端位置情報(LRA)や欠陥ブロックの位置情報等である。
【0358】
なお、本発明の説明において、情報記録媒体として追記型光ディスクを用いて説明を行ったが、情報記録媒体は必ずしも追記型光ディスクでなくとも、追記型の情報記録媒体であれば良く、その場合にも本発明と同様の効果を得ることができる。
【0359】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【符号の説明】
【0360】
1 追記型光ディスク
4 リードイン領域
5 データ領域
6 リードアウト領域
10 第1の欠陥管理領域
11 第2の欠陥管理領域
12 第3の欠陥管理領域
13 第4の欠陥管理領域
14 ディスク定義構造
15 欠陥リスト
16 ユーザデータ領域
17 スペア領域
20 欠陥管理作業領域群
21 欠陥管理作業領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
追記型情報記録媒体から情報の再生を行なう情報再生装置であって、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、
前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報とディスク定義構造とを記録するためのディスク管理作業領域と
を備え、
前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とを合わせたサイズが1ブロックサイズを超える場合には、前記ディスク管理情報は複数の副ディスク管理情報に分割され、
前記複数の副ディスク管理情報のそれぞれは、前記ディスク管理作業領域内の互いに異なるブロックに、前記ディスク定義構造とともに記録され、
前記ディスク定義構造は、前記副ディスク管理情報に関する位置情報を含み、
前記ディスク定義構造は、前記各ブロック内の所定位置に配置されており、
前記情報再生装置は、
前記ディスク管理情報が複数の前記副ディスク管理情報に分割されている場合には、前記ディスク管理作業領域内の互いに異なるブロックに記録された複数の前記副ディスク管理情報を読み出し、複数の前記副ディスク管理情報を組み合わせることで、前記ディスク管理情報を読み出す、情報再生装置。
【請求項2】
追記型情報記録媒体から情報の再生を行なう情報再生方法であって、
前記追記型情報記録媒体は、
ユーザデータを記録するためのユーザデータ領域と、
前記追記型情報記録媒体に関する管理情報であるディスク管理情報とディスク定義構造とを記録するためのディスク管理作業領域と
を備え、
前記ディスク管理情報と前記ディスク定義構造とを合わせたサイズが1ブロックサイズを超える場合には、前記ディスク管理情報は複数の副ディスク管理情報に分割され、
前記複数の副ディスク管理情報のそれぞれは、前記ディスク管理作業領域内の互いに異なるブロックに、前記ディスク定義構造とともに記録され、
前記ディスク定義構造は、前記副ディスク管理情報に関する位置情報を含み、
前記ディスク定義構造は、前記各ブロック内の所定位置に配置されており、
前記情報再生方法は、
前記ディスク管理情報が複数の前記副ディスク管理情報に分割されている場合には、前記ディスク管理作業領域内の互いに異なるブロックに記録された複数の前記副ディスク管理情報を読み出し、複数の前記副ディスク管理情報を組み合わせることで、前記ディスク管理情報を読み出すステップ
を包含する、情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−226824(P2012−226824A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159213(P2012−159213)
【出願日】平成24年7月18日(2012.7.18)
【分割の表示】特願2010−151210(P2010−151210)の分割
【原出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】