説明

送り装置

【課題】直線部や曲線部を有する走行路において機能障害をきたさず、安全性・省スペース・高度の送り精度・構成の簡潔性・低価格などを満足させる送り装置を提供する。
【解決手段】移動体41が走行路11の曲線部17に滞在したり曲線部17を通過したりするときには、線状体51・52の一部が曲線部17の案内部材63a〜63cから離脱して当該曲線部17の外周側寄りに変位する。移動体41が走行路11の曲線部17に滞在したり曲線部17を通過したりするとき、しかも、線状体51・52の一部が当該曲線部17の案内部材63a〜63cから離脱して当該曲線部17の外周側寄りに変位しているときには、その外方への変位量と対応する長さ分だけ、線状体51・52が線状体調整機31を介して伸長される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人および/または物の搬送・輸送・移送・移動などに供する機械関係の技術分野に属するものであって、移動体を往復動させるための送り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送・輸送・移送・移動などの手段に用いられる送り装置については、ベルトコンベヤ送り装置・ネジ式送り装置・シリンダ式送り装置・タイミングベルト式送り装置・リフト式送り装置・ロボットなど各種のものが存在する。
【0003】
上記の従来装置に対しては、下記の特許文献1〜2が短所を指摘している。それは搬送物(輸送物)の位置決め精度の低下・搬送速度(輸送速度)の低速性・搬送距離(輸送距離)の不足・装置の大型化・高額の設備コスト・部品摩耗粉塵の発生など、何らかの問題が従来装置にみられるというものである。
【0004】
一方、特許文献1〜2に開示された送り装置の場合は、位置決め精度・長距離搬送・遠隔搬送・制御性・高精密送り・高速送り・低価格・簡潔構成・省スペース・軽量化・発塵対策・事故発生に対する安全対策などを満足させた上で、運転状態の静穏安定化に基づく高精度化と耐久性の向上と構成のコンパクト化や、線状体の適正な巻き取り巻き戻しに基づく高精度化と耐久性の向上とがはかられているから既述のような問題がない。この特許文献1〜2の送り装置は他に問題がないかのごとくである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−017292号公報
【特許文献2】特開2007−127138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1〜2の送り装置についても技術上の課題が残されている。それは図12(A)〜(C)を参照してつぎのようなものである。
【0007】
図12(A)〜(C)において、L1〜L2は線状体、Mは移動体、Rは走行路をそれぞれ示す。これらのうちで走行路Rは、直角に向き合う二つの直線部D1〜D2と、両直線部D1〜D2の間にあって当該両部D1〜D2を繋いでいる曲線部Cとを有するものである。各直線部D1〜D2の端末側には案内部材G1〜G2が設けられている。移動体Mは走行路Rの直線部D1・曲線部C・直線部D2を往復動自在に走行するものである。このような走行を行う移動体Mに駆動力を付与するための二本の線状体L1〜L2は、図示しない動力式の巻取機に巻き取り巻き戻し自在に繋がれているほか、一方の線状体L1の巻き戻し端が案内部材G1を経由して移動体Mに接続され、かつ、他方の線状体L2の巻き戻し端が案内部材G2を経由して移動体Mに接続されているものである。図12(A)の走行路Rについては、説明の便宜上、案内部材G1のある側を始点といい、案内部材G2のある側を終点という。
【0008】
図12(A)において走行路R上を走行する移動体Mは、始点側から終点側に向けて移動したり終点側から始点側に向けて移動したりするものである。その場合の一例として、走行路Rの始点側にある移動体Mが線状体L2により引き取られて走行路Rの終点側へ走行するときには、一方の線状体L2が巻取機(図示せず)を介して巻き取られると同時に他方の線状体L1が巻取機(図示せず)から巻き戻される。ところで、このケースについて指摘してみると、移動体Mと案内部材G2とにわたる線状体L2が走行路Rから大きく逸脱するという不具合を生じる。このように逸脱する線状体L2は、走行路Rの周辺領域を大きく侵蝕するだけでなく、周辺の作業員や器物などに対して危害を与えかねない。したがって特許文献1〜2の送り装置は、図12(A)のような走行路Rに適用するというときに、安全性を確保するのが困難になる。
【0009】
上記の対策の一つとしては、たとえば図12(B)のように、走行路R上の曲線部Cに複数の案内部材G3〜G5を設け、これらの案内部材G3〜G5に線状体L2などを掛け回すことが考えられる。このとき移動体Mの進行方向に伸びる線状体L2は、曲線部Cの各案内部材G3〜G5を経由して走行路終点側の案内部材G2に至り、そこから図示しない巻取機で巻き取られるため、線状体L2が走行路Rから大きく逸脱するようなことにならない。さらにいうと、図12(B)における移動体Mは、線状体L2を所定方向に巻き取ることで矢印方向へと進行する。これによって移動体Mは、走行路Rの直線部D1・曲線部C・直線部D2を難なく進行するかのようにみえるが、図12(B)のものは、移動体Mと案内部材G3との関係で致命的ともいえる問題が発生する。それは図12(C)を参照して以下のようなものである。
【0010】
図12(C)において線状体L2を既述の巻取機で巻き取るときは、移動体Mが走行路Rの始点側から終点側に向けて走行するようになる。より具体的には直線部D1→曲線部C→直線部D2のような経路で移動体Mが走行路Rを走行するようになる。ただしそれには、この送り装置に機能障害のないことが前提になる。これについて図12(C)のケースでは、直線部D1と曲線部Cとの境界部で移動体Mが案内部材G3に衝突するため、移動体Mを曲線部C側へ進行(走行)させるのが困難である。したがって図12の送り装置の場合、直線部D1のみで構成された走行路Rはよいとしても、曲線部Cをも有する走行路Rにおいて走行路全長にわたる移動体Mの走行が不可能になる。
【0011】
特許文献1〜2に開示された送り装置は上記のとおり、直線部と曲線部とを有する走行路には適用できないものである。この適用不可という事情は、走行路の水平な直線部に対して走行路の曲線部が水平方向(前方・後方・左方・右方など)、垂直方向(上方・下方など)、傾斜方向のいずれに曲がっていても変わらないものであり、さらに、走行路の直線部が垂直または傾斜していて走行路の曲線部が水平方向または傾斜方向に曲がっている場合でも変わらないものである。ゆえにこの種の送り装置については、直線部と曲線部とを有する走行路に適用できるものが希求されている。なお、二基の送り装置を直角に結合した場合は、一基のみでよいものに比して設備費が嵩み、しかも、両送り装置間における搬送物の受け渡し手段(例:ロボットハンドなど)も要するから設備費がさらに嵩む。
【0012】
本発明はこのような技術上の課題に鑑みなされたものである。すなわち本発明は、線状体を介して走行路上の移動体を走行させる方式の送り装置について、直線部と曲線部とを有する走行路においても機能障害をきたすこがなく、しかも安全性・省スペース・高度の送り精度・構成の簡潔性・低価格などを満足させることのできる送り装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る方法装置は所期の目的を達成するために下記(01)(02)の課題解決手段を特徴とするものである。
(01) 直線部と曲線部とが同一線上に並んでいる走行路と、走行路に対して往復動自在に配備された移動体と、移動体に接続されたものであってその移動体の往動側に配線された線状体と、移動体往動側の線状体を介して移動体と連係しているものであって当該線状体を移動体の往動方向へ引き取ったり復動方向へ追随させたりするための線状体操作機と、移動体に接続されたものであってその移動体の復動側に配線された線状体と、移動体復動側の線状体を介して移動体と連係しているものであって当該線状体を移動体の復動方向へ引き取ったり往動方向へ追随させたりするための線状体操作機と、走行路の直線部や曲線部にそれぞれ配置されたものであって線状体を誘導案内するための案内部材と、線状体操作機と移動体との間において線状体を伸縮自在に保持しているものであって当該線状体の長さを調整するための線状体調整機とを備えていること、および、
走行路の曲線部にある案内部材が、走行路の曲線部を移動自在な移動体に対し、当該移動体との衝突を回避する位置に配置されていること、および、
移動体が走行路の直線部にあるときには、それぞれの線状体が走行路の直線部や曲線部の各案内部材に掛かり合うものであり、かつ、移動体が走行路の曲線部に滞在したりその曲線部を通過したりするときには、線状体の一部がその曲線部の案内部材から離脱して当該曲線部の外周側寄りに変位するものであること、および、
移動体が走行路の曲線部に滞在したりその曲線部を通過したりするときであって線状体の一部が当該曲線部の案内部材から離脱して当該曲線部の外周側寄りに変位しているときには、その外方への変位量と対応する長さ分だけ、線状体が線状体調整機を介して伸長されるものであり、かつ、移動体が走行路の直線部にあってそれぞれの線状体が走行路の直線部や曲線部の各案内部材と掛かり合っているときには、伸長した上記線状体が線状体調整機を介して元の状態に収縮するものであること
を特徴とする送り装置。
(02) 上記(01)に記載された送り装置において、
それぞれの線状体のための線状体操作機が単一のものからなり、その単一の線状体操作機と移動体とがそれぞれの線状体を介して連係していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る送り装置は下記(11)〜(16)のような効果を有する。
(11) 走行路の曲線部にある案内部材は、走行路の曲線部を移動自在な移動体に対し、当該移動体との衝突を回避する位置に配置されている。しかも移動体が走行路の曲線部に滞在したりその曲線部を通過したりするときに、線状体の一部がその曲線部の案内部材から離脱して当該曲線部の外周側寄りに変位する。走行路が直線部や曲線部を有するところの送り装置においてこの二つの条件が満たされるときは、移動体が曲線部の案内部材と衝突するような事態が発生せず、走行路の全長にわたって移動体が走行できるものとなる。ゆえに送り装置は、既述のような機能障害を惹き起こすことがない。
(12) 移動体の往動側や復動側にそれぞれ配線された各線状体と、直線部や曲線部を有する走行路との関係については、つぎのとおりである。移動体が直線部(走行路の一部)にあるとき、線状体の一部が曲線部(走行路の他の一部)の案内部材に掛かり合うから、各線状体は走行路上に保持される。移動体が曲線部にあって上記線状体の一部がその曲線部の案内部材から離脱するときも、走行路上の移動体に接続された各線状体は、そのまま走行路上に保持される。ゆえに走行路からの線状体の逸脱がなく、これに起因した作業員や機器への危害発生もない。したがって、送り装置としての安全性を十分に確保することができる。
(13) 各線状体が上記のようにして走行路上に保持される送り装置については、各線状体が走行路から大きく逸脱する装置と比較した場合、設置スペースを線状体によって無駄に消費することがない。したがって省スペース型の送り装置になる。
(14) 走行路を走行自在な移動体については、これを走行させるべく、各線状体を線状体操作機で引き取ったり追随させたりするだけでよいから、きわめて精密に制御することができる。したがって送り装置は、高度の送り精度を満足させるものとなる。
(15) 送り装置の主な構成要素は、移動体・走行路・線状体・線状体操作機などである。かかる構成要素の場合、複雑で特殊な部品を要したりはしない。これに加え、走行路の曲線部に案内部材を備えたり、線状体の長さを調整するための線状体調整機を備えたりすればよいのであるから、全体的な装置構成も簡潔なものにすることができる。
(16) 送り装置の構成要素は上記のようなものであり、その装置構成も無駄のない簡潔なものであるから、送り装置の低価格化をはかることができる。とくに曲線をともなう送りが一基の装置で達成できる設備面の合理化がより一層はかれる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明装置の一実施形態を示すものであって移動体が走行路の直線部かつスタート位置にいるときの平面図である。
【図2】本発明装置の一実施形態を示すものであって移動体が走行路の曲線部にいるときの平面図である。
【図3】本発明装置の一実施形態を示すものであって移動体が走行路の直線部にいるときの平面図である。
【図4】本発明装置の一実施形態について線状体操作機や線状体調整機のある箇所を示した正面図である。
【図5】本発明装置の一実施形態について線状体操作機や線状体調整機のある箇所を示した側面図である。
【図6】本発明装置の一実施形態における線状体操作機の断面図である。
【図7】本発明装置の一実施形態における移動体の断面図である。
【図8】本発明装置の一実施形態における移動体とレールとの関係を示した底面図である。
【図9】本発明装置の一実施形態における移動体と案内部材との関係を示した底面図である。
【図10】本発明装置の一実施形態における位置規制具を示した断面図である。
【図11】本発明装置における走行路の他例を略示した平面図である。
【図12】従来技術の課題を説明するための略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る送り装置のそれぞれの実施形態について、以下、添付図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図10に例示されたものは本発明装置の一実施形態である。これらの図では、説明の便宜上、一部の部品などを透視して示した箇所がある。この図1〜図10において、11は走行路、21は線状体操作機、31は線状体調整機、41は移動体、51・52は線状体をそれぞれ示し、さらに61a〜61c・62a〜62e・63a〜63cは案内部材をそれぞれ示す。
【0018】
図1〜図10の実施形態における走行路11は金属・合成樹脂・複合材など機械的特性の優れた材料からなり、ごく一部の部品がゴム製からなることもある。代表的な一例でいうと、走行路11の骨格や主要部はそのほとんどが金属製である。この図示例において走行路11は上面に路面部12を有しており、その路面部12が複数の脚13で支えられているものである。路面部12について、さらにいうと、これは直角関係にある二つの直線部15・16と、この両直線部15・16にわたる曲線部17とを有するものであり、これら各部が直線部15・曲線部17・直線部16のような隣接関係を保持して一連になっている。走行路11の路面部12上には、その一端部から他端部にわたり、二種類のレール18・19が敷設されている。そのうちで一方のレール18は二本を一組とするものである。二本を一組とするこのレール18は、走行路11の両直線部15・16において直線状をなすとともに走行路11の曲線部17において曲線状をなすものであり、しかもその直線部15・16と曲線部17との境界でレールが分断されていて、曲線部17のレール幅が直線部15・16のレール幅よりも狭いものになっている。したがって二本を一組とするレール18の各部については、レール直線部18a・レール曲線部18c・レール直線部18bのようにいうことができる。かかるレール18については、その上面をローラ型の車輪やローラ型の車輪が転動するのに適している。他方のレール19は一本のものからなる。このレール19も、走行路11の両直線部15・16において直線状をなすとともに走行路11の曲線部17において曲線状をなし、かつ、上記二本のレール18の間にあって当該レール18と平行するものである。このレール19は取付部材19aを介して走行路11上に取り付けられていて、当該レール19の両側面がレール面になるものである。
【0019】
図1〜図10の実施形態において線状体操作機21は、図4・図5で明らかなように路面部12下に配置されているものである。具体的にいうと、複数本の脚13にわたる横桟13aを利用してこれに平板20が水平に取り付けられ、その平板20上に線状体操作機21が据え付けられている。線状体操作機21については、周方向に正逆回転自在かつ軸方向に往復動自在な巻胴(円筒形)を備えた動力式線状体巻取機であれば、種々のタイプのものを採用することができる。ちなみに、図示例の線状体操作機21は、図4〜図6で明らかな取付用基盤22・正逆回転自在な巻取機24・原動機28・カップリング30などを主要部品にして構成されている。このうちで平板20上に取り付けられた取付用基盤22は、所定の間隔をおいてその盤面から立ち上がる一対の軸受スタンド23a・23bを有するものである。正逆回転自在な巻取機24は同軸状に組み合わされた三部品(スプライン軸25・管状ないし円筒状の雄ネジ軸26a・同じく管状ないし円筒状の雌ネジ軸26b・円筒形の巻胴27)を備えている。かかる四部品は同軸状で周方向に重なり合った多重構造をしている。より詳しくいうと、軸心部にはスプライン軸25があり、中間部には雄ネジ軸26aと雌ネジ軸26bとがあり、最外周部には巻胴27がある。この四部品については、また、それぞれがつぎのような相対構成になっている。その一は、スプライン軸25の外周面に形成されて軸方向に沿うスプライン凹凸部25sと雄ネジ軸26aの内周面に設けられて軸方向に沿うスプライン凹凸部26sとが、双方の凹凸部の嵌め合いによりスプライン嵌合されていることである。他の一つは、雄ネジ軸26aの外周面に形成された雄ネジ26arと雌ネジ軸26bの内周面に形成された雌ネジ26brとが、その雄ネジ・雌ネジの嵌め合いによりネジ嵌合されていることである。このほかについては、巻胴27と雄ネジ軸26aとは互いに干渉することなく内外に嵌り合うものである。巻取機24における当該四部品はつぎのように支持されている。スプライン軸25はその両端部が一対の軸受スタンド23a・23bで回転自在に支持されていて当該スプライン軸25の一端部が一方の軸受スタンド23bを貫通している。雄ネジ軸26aはスプライン軸25の外周面と巻胴27の内周面との間にあって巻胴27に固定(ビス止め)されている。この両者の関係からすると、巻胴27はその内周面に筒状の雄ネジ軸26aを備えたものともいえる。さらに雌ネジ軸26bは、これが回転することのないように軸受スタンド23bに固定されて巻胴27側に突出している。そして巻胴27と雌ネジ軸26bとは、これらの内外周面間に雌ネジ軸26bを導入導出するようにしながら軸方向に往復動するものである。その際に巻胴27は正逆回転もするのである。一方、モータたる原動機28は、公知ないし周知のサーボモータまたはパルスモータからなり、モータ回転子と一体回転する出力軸29を有しているものである。原動機28は軸受スタンド23bを隔てて巻取機24の隣りに配置され、取付用基盤22に据え付けられている。巻取機24と原動機28とがこのように隣接するときは、巻取機24のスプライン軸25と原動機28の出力軸29とが同一軸線上において互いに対向かつ近接する。カップリング30はこのようなスプライン軸25と出力軸29とを連結しているものである。
【0020】
図1〜図10の実施形態で線状体調整機31は、図4・図5のように路面部12下に装備されている。より具体的にいうと、線状体操作機21の上位に配置された取付板13bが複数本の脚13にわたり垂直に取り付けられ、その取付板13bの内面に線状体調整機31が取り付けられている。線状体調整機31の主体は油圧式または空気圧式のシリンダ32からなり、このシリンダ32のピストンロッド33の先端に後述する案内部材62bが取り付けられている。線状体調整機31のシリンダ32はホースなどの配管により圧力源ユニット(図示せず)に接続されている。線状体調整機31は、後述する線状体51・52に対して一定張力を付与するほか、後述する線状体51・52に一定張力を上回る力が作用したときに収縮するというものである。このような線状体調整機31については、たとえば線状体に対して一定の張力を付与することのできるダンサーローラやテンションローラなどでもよいものである。
【0021】
図1〜図10の実施形態において、移動体41については図7〜図9に詳しく示されている。図7〜図9を参照して明らかなとおり、移動体41の基本部分は下部基板42と上部基板43と連結部材44とで構成されている。それは衝突回避用の開放型空間部48を間に介在して上下に配置された下部基板42および上部基板43が、連結部材44によって相互に連結されているものである。これらのうちで下部基板42は、車輪やローラの類を複数種備えている。その一つである車輪45の場合は、走行路11の直線部15・16に敷設されたレール18に対応するものである。具体的にいうと、この車輪45はレール直線部18a・18bに対応した垂直型で輪形をしていて、周知の手段で下部基板42の四隅に取り付けられているため、レール直線部18a・18b上を走行することができるものである。他の一つの車輪46は、走行路11の曲線部17に敷設されたレール18に対応するものである。より具体的にいうと、この車輪46はレール曲線部18cに対応した球形(ボール形)のものであって、下部基板42の下面四カ所に周知の手段で取り付けられている。さらにいうと、前後対称かつ左右対称の四点配置で下部基板42の下面にあるこの四つの車輪46は、球形をなす該各車輪46の下面がその取付具の下部より突出かつ露出しているものであるため、レール曲線部18c上を走行することができるものである。さらに上記以外の他の一つは、走行路11の中央部に敷設されたレール19に対応する輪形かつ水平型の車輪47である。この車輪47は下部基板42の下面中央に周知の手段で四カ所に取り付けられている。左右一対(二個)を一組をとした場合に二組(合計四個)あるこの車輪47は、一方側の車輪二個がレール19の一側面に接して走行するとともに、他方側の車輪二個がレール19の他側面に接して走行するというものである。したがってこの四個の車輪47はレール19をその両側から挟み付けていることになる。このような移動体構成における開放型空間部48は、その移動体41の先端面・一側面・後端面などが開放された凹み構造をしている。
【0022】
二本の線状体51・52は、抗張力性に富む強靱な可撓性の長尺物からなる。両線状体51・52の太さはとくに問わないが、細くて丈夫なものがより望ましいといえる。両線状体51・52の具体的な材料として金属・合成樹脂(FRPを含む)・これらの複合体をあげることができ、アラミッド繊維(商品名:ケブラー)製なども使用できる。両線状体51・52の代表的一例としては金属製ワイヤが用いられる。この両線状体51・52は整然とした螺旋巻き状態で巻取機24の巻胴27に巻き取られたり、その巻胴27から巻き戻されたりするものである。このような整列螺旋巻きのため、巻胴27の周面には線状体51・52の嵌り込む螺旋溝が形成されていたりする。二本の線状体51・52のうちで、一方の線状体51は、その一端部(巻き取り巻き戻し用の端部)が巻胴27の一端部外周面に繋がれて(固定されて)いるとともにその他端部が移動体41の一部(例:先端部)に繋がれている。これに準じて他方の線状体52も、その一端部(巻き取り巻き戻し用の端部)が巻胴27の他端部外周面に繋がれているとともにその他端部が移動体41の一部(例:後端部)に繋がれている。この場合の両線状体51・52は一本に繋がったものでもよいし、二本が別々に切り離されたものであってもよい。両線状体51・52が一本に繋がったものあるとき、それは移動体41に固定する部分において互いに繋がっている。これらについては、一方の線状体51が巻胴27の中央部から巻胴27の一端部に向けて螺旋巻きされ、他方の線状体52が巻胴27の中央部から巻胴27の一端部に向けて螺旋巻きされる。この際のそれぞれの巻き付け方は、巻胴27を正逆回転させたときに両線状体51・52のいずれか一方が巻き取られながらその他方が巻き戻されるというものである。
【0023】
図1〜図10の実施形態で二本の線状体51・52は、それぞれの巻き戻し端部が移動体41に連結される。したがって両線状体51・52は、巻取機24の巻胴27から移動体41へとわたるものである。かかる巻取機24と移動体41との間において、それぞれの線状体51・52は、回転自在なプーリ(またはシーブ)からなるそれぞれの案内部材61a〜61c・62a〜62eに掛けられる。より具体的にはつぎのとおりである。一方の線状体51は、移動体41→案内部材61a→案内部材61b→案内部材61c→移動体41のような経路で各案内部材61a〜61cに掛けられ、それによって巻き取り巻き戻し自在に配線される。他方の線状体52は、移動体41→案内部材62a→案内部材62b→案内部材62c→案内部材62d→案内部材62e→移動体41のよう経路で各案内部材62a〜62eに掛けられ、それによって巻き取り巻き戻し自在に配線される。上記以外の案内部材としては、走行路11の曲線部17に複数個設けられものもある。この複数の案内部材63a〜63cも回転自在なプーリ(またはシーブ)からなり、曲線部17の路面部12において水平回転するものである。具体的にいうと、この複数の案内部材63a〜63cは、路面部12の曲線部17においてレール曲線部18cよりも内周側にあり、かつ、その曲線部17の一端部・中間部・他端部に対応してそれぞれ水平回転自在に設けられている。各案内部材63a〜63cについては、さらに、路面部12からの高さが、移動体41における衝突回避用開放型空間部48の高さに相当するから、走行路11の曲線部17を移動する移動体41が各案内部材63a〜63cに衝突したりすることはない。これはすなわち、走行路11の曲線部17にある各案内部材63a〜63cが移動体41との衝突を回避する位置に配置されているということである。この種の案内部材63a〜63cについては、図示例よりも多くても少なくてもよく、また、その外径も支障のないかぎり任意の大きさでよいものである。さらに、各案内部材61a〜61c・62a〜62e・63a〜63cなどは、表面の摩擦係数が小さくて滑りのよいものが望ましく、そのような案内部材であれば、単に線状体51・52を掛けるだけの非回型のものも採用することができる。このような滑性を有する各案内部材は、一例として、ポリテトラフルオルエチレン(商品名テフロン:登録商標)のようなフッ素樹脂で表面がコーティングされていたりする。上述の各案内部材61a〜61c・62a〜62e・63a〜63cなどは、軸受・ブラケット・取付具・その他を介した周知の手段で所定部に設けられるものであり、図示例の場合もそのようになっている。
【0024】
上述した移動体41と各案内部材63a〜63cと両線状体51・52との関係は、つぎのとおりである。図1のように、移動体41が走行路11の直線部15にいるときは、線状体51が各案内部材63a〜63cに掛かるものである。図2のように、移動体41が走行路11の曲線部17にいるときは、両線状体51・52とも、各案内部材63a〜63cから外れるものである。図3のように、移動体41が走行路11の直線部16にいるときは、線状体52が各案内部材63a〜63cに掛かるものである。
【0025】
このほか走行路11の所定部上には線状体用の位置規制具53〜56も備わっている。図10を参照して説明すると、これら複数の位置規制具53〜56は、それぞれの上端部が水平な二股状になっていてそこに扁平な開通間隙57が介在しているものである。そのうちで一つ目の位置規制具53は、走行路11における直線部15と曲線部17との境界部付近に配置されており、かつ、開通間隙57を有するその上端部が走行路11を横切るという態様で当該走行路11と交差しそこへ介入しているものである。二つ目と三つ目の位置規制具54・55は走行路11の曲線部17に配置されているとともに、それぞれ開通間隙57を有するその上端部が走行路11を横切るという態様で当該走行路11と交差しそこへ介入しているものである。四つ目の位置規制具56も、上記と同様、走行路11における曲線部17と直線部16との境界部付近に配置されており、かつ、開通間隙57を有するその上端部が走行路11を横切るという態様で当該走行路11と交差しそこへ介入しているものである。走行路11を走行するところの移動体41について、各位置規制具53〜56との関係でいうと、移動体41が各位置規制具53〜56に衝突したりすることはない。それは各案内部材63a〜63cの場合と同様、各位置規制具53〜56における上端部(開通間隙57のある部分)の高さが、移動体41における所定空間部(下部基板42と上部基板43との間)の高さに相当するからである。つまり走行する移動体41と定位置にある各位置規制具53〜56とは衝突することなくすれ違う。さらに、移動体41を牽引したりこれに追随したりする両線状体51・52も、各位置規制具53〜56の開通間隙57内に介在するレベルにあるから、これら位置規制具53〜56との関係で不具合をきたすようなことがない。逆に両線状体51・52は各位置規制具53〜56の開通間隙57内から脱出しがたいものであるから、不測の事態が発生した場合でも所定位置(レベル)に保持されることとなる。
【0026】
図1〜図10の実施形態において、たとえば走行路11の直線部15を高速走行する移動体41が走行路11の曲線部17に差し掛かったときなどはケースいかんで移動体41を減速させるのが望ましい。そのような場合に備えて、走行路11の所定部には位置センサ71が取り付けられている。具体的には図5・図7のごとく、走行路11における直線部15と曲線部17との境界部またはその境界部付近に位置センサ71が取付具72で取り付けられている。一方で移動体41には、位置センサ71に対応した被検知部材73が取り付けられている。位置センサ71による移動体検知信号は、線状体操作機21における原動機28の制御盤(図示せず)に入力されるものである。かかる検知信号を受けたときの当該制御盤は、原動機28を電気的に制御して巻取機24を所定の回転速度にまで減速し、それによって移動体41を適切な速度となるようにスピードダウンさせる。
【0027】
本発明に係る送り装置は、人および/または物を搬送・輸送・移送・移動などしたりする場合に、人および/または物を搭載することのできる移動体41を走行路11上で走行させるものである。図1〜図10に例示された実施形態においてこれを実施するときは以下のようになる。
【0028】
図1において走行路11の直線部15で停止している移動体41は、その直線部15の端末部に位置している。この位置の移動体41を走行路11の直線部16まで走行させるとき、すなわち、図1の左方や左下方へと移動体41を走行(進行)させるときは、その進行方向先端側にある線状体51が移動体往動側の線状体(移動体牽引用の線状体)になり、その進行方向後端側にある線状体52が移動体追随用の線状体になる。線状体52を上記の方向へ走行させるときの運転では、図4〜図6にみられる線状体操作機21の原動機28をオンの状態にしてこれを正回転させる。この原動機28の回転は、出力軸29やカップリング30を介してスプライン軸25に伝達されるので、巻取機24の巻胴27が正回転するようになる。そして正回転する巻取機24の巻胴27により、線状体51が巻き取られると同時に線状体52が巻胴27から巻き戻されるのである。このように正回転するときの巻胴27には、雄ネジ軸26a(雄ネジ26ar)と雌ネジ軸26b(雌ネジ26br)による軸方向の推進力が作用する。それで正回転時の巻胴27は、スプライン軸25をガイドにして軸方向の一端側へと移動するようにもなる。したがって巻胴27に巻き取られるときの線状体51は、整然とした密接したスパイラル巻き状態で巻胴27に巻き取られることとなり、線状体52も同様に巻胴27から整然と巻き戻されることとなる。ちなみに、この際の巻胴27による線状体51の巻き取り量と線状体52の巻き戻し量は互いに等しいものである。この運転状態になると、装置各部がつぎのよう作動する。図1の右方(走行路直線部15の端末部)にある移動体41については、線状体51が巻取機24の巻胴27に巻き取られて図1の左方へ引き取られため、その線状体51からの牽引力で図1の左方へと走行する。すなわち移動体41が走行路11の直線部15を右から左へと移動していき、線状体52がその移動体41に追随して図1の左方へと繰り出されるのである。このときの線状体51は、走行路11の直線部15・曲線部17・直線部16にわたるものであり、しかも、曲線部17においては各案内部材63a〜63cに掛かっている。
【0029】
上記のようにして走行路11の直線部15を走行する移動体41は、つぎの曲線部17に至り、そこから方向変換をしながら直線部15へと向かい、直線部15の端末部に至るものである。移動体41が曲線部17に到来したりここを通過したりするときの当該移動体41と曲線部17にある各案内部材63a〜63cとの関係、および、両線状体51・52と各案内部材63a〜63cとの関係は、それぞれつぎのようになる。まず、移動体41と曲線部17の各案内部材63a〜63cとは、移動体41に衝突回避用の開放型空間部48があるため、それを介して互いに衝突することなくすれ違うようになる。一方、両線状体51・52と各案内部材63a〜63cとは、両線状体51・52が移動体41を介して曲線部17の外側方向(外周部側)へ持ち出されるため、図2のように各案内部材63a〜63cから外れてしまう。これはすなわち、走行路11の曲線部17における移動体41や両線状体51・52は、その曲線部17にある各案内部材63a〜63cの案内を受けないということである。しかしながら一方の線状体51は、移動体41と直線部16の案内部材62cとによって、走行路11から逸脱することなく所定の位置や所定の方向性を保持され、他方の線状体52も、移動体41と直線部15の案内部材62eとによって、走行路11から逸脱することなく所定の位置や所定の方向性を保持される。ゆえに、上記のようにして線状体51が巻き取られながら線状体52が巻き戻されるというときは、走行路11上の移動体41が直線部15の端末部から曲線部17を経由して図3のごとく直線部16の端末部にまで到達するのである。移動体41が直線部16の端末部に到達したときは、図示しない制御手段(移動体位置の演算手段などを含むもの)を介して線状体操作機21の原動機28がオフされるために移動体41が停止する。
【0030】
移動体41が図3のごとく走行路11の直線部16で停止している場合において、これを直線部15まで走行させるときは、線状体操作機21の原動機28をオンの状態にしてこれを逆回転させればよい。この場合は、その進行方向先端側にある線状体52が移動体往動側の線状体(移動体牽引用の線状体)になり、その進行方向後端側にある線状体51が移動体追随用の線状体になる。このケースのときは、巻取機24の巻胴27が逆回転して前記とは逆の作用が生じるため、走行路11上の移動体41が直線部16の端末部から曲線部17を経由して直線部15の端末部にまで到達する。
【0031】
本発明に係る送り装置について前記実施形態は一例にすぎないものである。ちなみに走行路11などは、直線部と曲線部とを有するものであるかぎり、前後方向に曲がりのあるもの・左右方向に曲がりのあるもの・上下方向に曲がりのあるものなど、いずれのものにも適用できる。図11に略示する走行路11はそれらの場合の数例を示すものである。以下これらについて簡単に説明する。
【0032】
図11(A)に略示された走行路11は、三つの直線部15a〜15cと二つの曲線部17a・17bを備えた水平型である。図11(B)に略示された走行路11は、走行路11の中央部に曲線部17を備えている。図11(C)に略示された走行路11は波形のものであり、四つの直線部15a〜15dと三つの曲線部17a〜17cを備えている。図11(D)に略示された走行路11はクランク型で、三つの直線部15a〜15cと二つの曲線部17a・17bを備えている。
【0033】
上下方向に曲がりのある走行路11については、たえとば図11(A)〜(D)ものにおいて、図の左側部・図の右側部・図の上側部・図の下側部のいずれかが上部で、その反対側が下部になるものである。また、図1〜図10の実施形態で述べた走行路11についても、これを上下方向に曲がりのあるものとして使用するときは、図の左側部・図の右側部・図の上側部・図の下側部のいずれかが上部で、その反対側が下部になるものである。こらの場合は走行路11の内周面および/または外周面を移動体41が走行することになる。走行路11の内周面および外周面を移動体41が走行するタイプのものでは、曲線部の内周面や外周面に各案内部材63a〜63cが設けられる。
【0034】
上述したしたいずれの走行路11を採用した場合でも、既述の内容に準じて線状体操作機21・移動体41・両線状体51・52をはじめるとするそれぞれの構成要素が装備されるものである。
【0035】
本発明送り装置の既述の実施形態では、一つの線状体操作機21が両線状体51・52で兼用されている。これについては、一方の線状体51用と他方の線状体52用とでそれぞれ独立の線状体操作機21が設けられることもある。その場合の各線状体操作機は、線状体操作機21に準ずるものである。
【0036】
移動体41については、台型・箱形・籠形・室型など、いずれのタイプでもよいものである。また、図示例のような車輪付き移動体41のほかに、図示しない車輪なし移動体も採用することができる。移動体41については、さらに、複数のものが一列状態に連結されて走行路11を走行することもある。このような実施形態の場合は、先頭の移動体41と後尾の移動体41にそれぞれ線状体51・51が接続される。
【0037】
走行路11に設けられるレールに関して、図示の実施形態ではレール18・19などが採用されている。この走行路11に設けられるレールについては、「二本一組のレールを一組用いる」、「二本一組のレールを複数組用いる」、「二本一組のレールとモノレールとを組み合わせて用いる」、「二本一組のものとモノレールとを組み合わせて用いる」、「モノレールを一つ用いる」、「モノレールを複数用いる」など、種々の実施形態を採用することができる。さらに移動体41を浮上させて走行させる場合などでは、走行路11にレールを設けない実施形態もある。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る送り装置は、走行路が直線部と曲線部とを有するにおいて、機能障害をきたすことなく、安全かつ高精度で実施することができるから、産業上の利用可能性が十分に備わっている。
【符号の説明】
【0039】
11 走行路
12 路面部
15 直線部
16 直線部
17 曲線部
21 線状体操作機
31 線状体調整機
41 移動体
51 線状体
52 線状体
61a 案内部材
61b 案内部材
61c 案内部材
62a 案内部材
62b 案内部材
62c 案内部材
62d 案内部材
62e 案内部材
63a 案内部材
63b 案内部材
63c 案内部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線部と曲線部とが同一線上に並んでいる走行路と、走行路に対して往復動自在に配備された移動体と、移動体に接続されたものであってその移動体の往動側に配線された線状体と、移動体往動側の線状体を介して移動体と連係しているものであって当該線状体を移動体の往動方向へ引き取ったり復動方向へ追随させたりするための線状体操作機と、移動体に接続されたものであってその移動体の復動側に配線された線状体と、移動体復動側の線状体を介して移動体と連係しているものであって当該線状体を移動体の復動方向へ引き取ったり往動方向へ追随させたりするための線状体操作機と、走行路の直線部や曲線部にそれぞれ配置されたものであって線状体を誘導案内するための案内部材と、線状体操作機と移動体との間において線状体を伸縮自在に保持しているものであって当該線状体の長さを調整するための線状体調整機とを備えていること、および、
走行路の曲線部にある案内部材が、走行路の曲線部を移動自在な移動体に対し、当該移動体との衝突を回避する位置に配置されていること、および、
移動体が走行路の直線部にあるときには、それぞれの線状体が走行路の直線部や曲線部の各案内部材に掛かり合うものであり、かつ、移動体が走行路の曲線部に滞在したりその曲線部を通過したりするときには、線状体の一部がその曲線部の案内部材から離脱して当該曲線部の外周側寄りに変位するものであること、および、
移動体が走行路の曲線部に滞在したりその曲線部を通過したりするときであって線状体の一部が当該曲線部の案内部材から離脱して当該曲線部の外周側寄りに変位しているときには、その外方への変位量と対応する長さ分だけ、線状体が線状体調整機を介して伸長されるものであり、かつ、移動体が走行路の直線部にあってそれぞれの線状体が走行路の直線部や曲線部の各案内部材と掛かり合っているときには、伸長した上記線状体が線状体調整機を介して元の状態に収縮するものであること
を特徴とする送り装置。
【請求項2】
それぞれの線状体のための線状体操作機が単一のものからなり、その単一の線状体操作機と移動体とがそれぞれの線状体を介して連係している請求項1記載の送り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−2004(P2011−2004A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144738(P2009−144738)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(504134759)SKマシナリー株式会社 (6)
【Fターム(参考)】