説明

送信装置、通信装置、データ移動システム、データ移動方法およびプログラム

【課題】通信先装置内のデータと異なるデータが存在することを回避することが可能な送信装置、通信装置、通知システム、通知方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】送信装置は、データを保持するメモリと、データの移動先となる移動先装置と自装置とを接続する無線通信部と、移動先装置と自装置が接続されている状況で、データの移動の指示を受け付けると、メモリ内のデータを移動先装置に移動する処理部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、通信装置、データ移動システム、データ移動方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の通信機能を有する情報反映元端末と情報反映先端末とを含む情報反映システムが記載されている。情報反映元端末と情報反映先端末とは、それぞれ格納部を備えている。
【0003】
特許文献1に記載の情報反映システムにおいて、情報反映元端末の格納部に予め設定された通信機能の設定情報が格納されている状況で情報反映元端末が、自端末の格納部から設定情報を読み出すと、読み出した設定情報を情報反映先端末に送信する。情報反映先端末は、情報反映元端末から設定情報を受信すると、受信した設定情報を自端末の格納部に格納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−180890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の情報反映先端末は、情報反映元端末から送信された設定情報を受信し、その設定情報を自端末の格納部に格納する。その後、情報反映先端末において、例えばユーザ操作にて、自端末の格納部に格納された設定情報が変更される場合がある。この場合には、情報反映元端末と情報反映先端末とで設定情報が互いに異なる状況が発生してしまう。
【0006】
この状況で、情報反映元端末の格納部に残っている設定情報が、情報反映元端末から情報反映先端末へ送信されることも考えられる。この場合に情報反映先端末では、情報反映元端末から受信した設定情報が自端末の格納部に格納されるため、自端末の格納部内に存在している変更された設定情報が、情報反映元端末の格納部に残っていた設定情報に戻ってしまうことがあるという問題があった。
【0007】
この問題は、情報反映元端末および情報反映先端末のそれぞれに互いに異なる設定情報が存在してしまうことに起因する。
【0008】
このため、情報反映元端末および情報反映先端末のそれぞれの通信装置内に互いに異なる設定情報のデータが存在してしまうと問題となる場合がある。
【0009】
本発明の目的は、通信先装置内のデータと異なるデータが存在することを回避することが可能な送信装置、通信装置、通知システム、通知方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の送信装置は、データを保持する保持手段と、前記データの移動先となる移動先装置と自装置とを接続する接続手段と、前記接続手段が前記移動先端末と自装置とを接続している状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理手段と、を含む。
【0011】
本発明の通信装置は、データを保持するための特定保持手段と、送信装置から、前記データを受信する受信手段と、前記受信手段が受信したデータを前記特定保持手段に記録する特定処理手段と、を含む。
【0012】
本発明のデータ移動システムは、送信装置と通信装置とを有するデータ移動システムであって、前記送信装置は、データを保持する所定保持手段と、前記データの移動先となる移動先装置と自装置とを接続する接続手段と、前記接続手段が前記移動先装置と自装置とを接続している状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記所定保持手段内のデータを移動する所定処理手段と、を含み、前記通信装置は、前記データを保持するための特定保持手段と、前記送信装置から、前記データの移動が行われたデータを受信する受信手段と、前記受信手段が受信したデータを前記特定保持手段に記録する特定処理手段と、を含む。
【0013】
本発明のデータ移動方法は、送信装置のデータ移動方法であって、データを保持手段に保持する保持ステップと、前記データの移動先となる移動先装置と前記送信装置とを接続する接続ステップと、前記移動先装置と前記送信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理ステップと、を含む。
【0014】
本発明のデータ移動方法は、データを保持する特定保持手段を有する通信装置のデータ移動方法であって、送信装置から前記データを受信する受信ステップと、前記受信されたデータを前記特定保持手段に記録する特定処理ステップと、を含む。
【0015】
本発明のデータ移動方法は、送信装置と通信装置とを有するデータ移動システムのデータ移動方法であって、前記送信装置が、データを所定保持手段に保持する所定保持ステップと、前記送信装置が、該送信装置と前記通信装置とを接続する接続ステップと、前記送信装置が、該送信装置と前記通信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記所定保持手段内のデータを移動する所定処理ステップと、前記通信装置が、前記送信装置から、前記データの移動が行われたデータを受信する受信ステップと、前記通信装置が、前記受信されたデータを特定保持手段に記録する特定処理ステップと、を含む。
【0016】
本発明のプログラムは、送信装置内のコンピュータに、データを保持手段に保持する保持手順と、前記データの移動先となる移動先装置と前記送信装置とを接続する接続手順と、前記移動先装置と前記送信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理手順と、を実行させる。
【0017】
本発明のプログラムは、データを保持する特定保持手段を有する通信装置内のコンピュータに、送信装置から前記データを受信する受信手順と、前記受信されたデータを前記特定保持手段に記録する処理手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信先装置内のデータと異なるデータが存在することを回避することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態における送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態のデータ移動システムの構成を示すブロック図である。
【図4】データ移動システムのデータ移動方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本実施形態における送信装置の構成例を示すブロック図である。
【0022】
送信装置10は、受信装置と通信を行う携帯端末である。送信装置10は、例えば、携帯電話機、携帯情報端末や、ゲーム機などで実現される。送信装置10は、メモリ11と、無線通信部12と、処理部13と、を備える。処理部13は、操作部131と、表示部132と、CPU(Central Processing Unit)133と、を備える。
【0023】
メモリ11は、一般的に保持手段または所定保持手段と呼ぶことができる。
【0024】
メモリ11は、データの移動対象となる移動対象データを保持する。本実施形態では、メモリ11には、移動対象データとして、画像や音楽などのコンテンツデータと設定データとが保持されている。設定データには、送信装置10の機種ごとに定められた複数のデータが含まれている。また、メモリ11は、CPU133が実行するプログラムを保持する。なお、メモリ11は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
なお、メモリ11には、移動対象データとして、ユーザの日程表や時間割を示すスケジュールデータや、通信先の端末ごとに端末の使用者の氏名と電話番号とメールアドレスとを示すアドレス帳データなどが記録されてもよい。あるいは、メモリ11には、コンテンツデータとその名称などが互いに対応付けられた対応表と、コンテンツデータとが記録されてもよい。
【0026】
無線通信部12は、一般的に接続手段と呼ぶことができる。
【0027】
無線通信部12は、CPU133の制御に従って、無線通信を使用して送信装置10とデータの移動先となる受信装置とを接続する。つまり、無線通信部12は、送信装置10および受信装置の間に他の装置を介さず、受信装置と直接通信を行う。
【0028】
処理部13は、一般的に処理手段または所定処理手段と呼ぶことができる。
【0029】
処理部13は、無線通信部12で送信装置10と受信装置とが接続されている状況で、データの移動を指示する旨の移動指示を受け付けると、メモリ11内のデータを受信装置に移動する。
【0030】
本実施形態では、処理部13は、移動指示を受け付けると、メモリ11内のデータから移動対象データを読み出し、その移動対象データを受信装置に送信し、かつ、メモリ11内の移動対象データを削除して移動対象データを無効にする。なお、処理部13は、移動対象データを無効にするために、メモリ11内の移動対象データの保持領域に他のデータを上書きしてもよく、メモリ11内の移動対象データへのアクセスを禁止してもよい。
【0031】
操作部131は、ユーザ操作にて入力される指示を受け付け、その指示をCPU133に供給する。操作部131は、移動先の受信装置と送信装置10とを接続状態にする旨の接続指示を受け付ける。また、無線通信部12と受信装置とが接続状態のときに操作部131は、移動指示を受け付ける。
【0032】
表示部132は、メモリ11に記憶されたコンテンツデータや、無線通信部12の接続状態などを表示する。表示部132としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)が用いられる。
【0033】
CPU133は、メモリ11と無線通信部12と操作部131と表示部132とをそれぞれ制御するコンピュータである。
【0034】
CPU133は、操作部131から移動指示を受け付けると、メモリ11から、移動指示にて特定される移動対象データを読み出し、その移動対象データを無線通信部12に供給する。無線通信部12は、移動対象データを受け付けると、無線通信部12と接続状態にある受信装置へ移動対象データを送信する。さらにCPU133は、操作部131から移動指示を受け付けると、メモリ11内の移動対象データを無効にする。
【0035】
また、メモリ11内のコンテンツデータの一部と同じデータが受信装置内に既に記憶されている状況では、CPU133は、例えば、操作部131からコンテンツデータの移動指示を受け付けると、メモリ11内のコンテンツデータのうち、受信装置に記憶されているコンテンツデータ以外のコンテンツデータを読み出し、その読み出されたコンテンツデータを所定のブロックごとに受信装置へ順次送信してもよい。よって、コンテンツデータの移動に要する時間を短縮することが可能となる。
【0036】
次に移動対象データの受信装置の構成について説明する。
【0037】
図2は、本実施形態における受信装置の構成例を示すブロック図である。
【0038】
受信装置20は、一般的に通信装置または移動先装置と呼ぶことができる。
【0039】
受信装置20は、図1に示した送信装置と通信を行う携帯端末である。受信装置20は、例えば、携帯電話機、携帯情報端末や、ゲーム機などで実現される。受信装置20は、メモリ21と、無線通信部22と、処理部23と、を備える。処理部23は、操作部231と、表示部232と、CPU233と、を備える。
【0040】
メモリ21は、一般的に特定保持手段と呼ぶことができる。
【0041】
メモリ21は、図1に示した送信装置から送信された移動対象データを保持するために用いられる。メモリ21には、移動対象データとして、例えば、画像や音楽などのコンテンツデータと設定データとが保持される。また、メモリ21は、CPU233が実行するプログラムを保持する。なお、メモリ21は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0042】
無線通信部22は、一般的に受信手段と呼ぶことができる。
【0043】
無線通信部22は、送信装置から、移動対象データを受信する。無線通信部22は、移動対象データを受信すると、その移動対象データをCPU233に供給する。
【0044】
処理部23は、一般的に特定処理手段と呼ぶことができる。
【0045】
処理部23は、無線通信部22から移動対象データを受け付けると、その移動対象データをメモリ21に記録する。
【0046】
操作部231は、ユーザ操作にて入力される指示を受け付け、その指示をCPU233に供給する。操作部231は、例えば、受信装置20と送信装置とを接続するための接続指示や、データの移動をする旨の移動指示を受け付ける。また、操作部231は、例えば、ユーザ操作にて、メモリ21内のデータを変更または追加するための入力データを受け付け、その入力データをCPU233に供給する。
【0047】
表示部232は、メモリ21に記憶されたコンテンツデータや無線通信部22の接続状態などを表示する。表示部232としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)が用いられる。
【0048】
CPU233は、無線通信部22から移動対象データを受け付けると、その移動対象データをメモリ21に記録する。例えば、CPU233は、無線通信部22から、移動対象データとしてコンテンツデータを受け付けると、コンテンツデータをメモリ21に記録する。
【0049】
また、CPU233は、無線通信部22から、移動対象データとして設定データを受け付けると、その設定データの中から、受信装置20の機種に対応する該当データを特定し、その該当データをメモリ21に設定する。CPU233は、無線通信装置22から受け付けた設定データの中に、受信装置20の機種に対応する該当データが存在しない場合には、予め定められたデフォルトデータをメモリ21に設定する。
【0050】
また、CPU233は、操作部231から、例えば、受信装置20の機能を設定する旨の設定指示を受け付けると、メモリ21から、設定指示にて特定される入力データを読み出し、その入力データをメモリ21に設定し、その入力データを設定データとしてメモリ21に追加する。さらにCPU233は、無線通信部22から、例えば、設定データの更新データを受け付けると、メモリ21内の設定データを更新データに変更する。すなわち、CPU233は、メモリ21内の移動対象データを変更または追加して、移動対象データを管理する。
【0051】
図3は、データ移動システムの構成例を示すブロック図である。
【0052】
データ移動システム30は、送信装置と、送信装置から送信された移動対象データを記録する受信装置と、を有する。送信装置は、図1に示した送信装置10と同様の構成であり、受信装置は、図2に示した受信装置20と同様の構成であるので、同一符号を付してここでの詳細な説明を省略する。
【0053】
データ移動システム30では、送信装置10と受信装置20とを接続状態にするために無線通信が用いられる。無線通信としては、例えば、Bluetoothなどが用いられる。このため、送信装置10と受信装置20との間を接続するケーブルなどの部品を必要としないので、ユーザにとってはデータの移動を容易に行うことができる。
【0054】
送信装置10では、メモリ11に移動対象データが保持されており、無線通信部12が送信装置10と受信装置20とを接続状態にする。接続状態において処理部13は、データの移動の指示を受け付けると、メモリ11内のデータのうち移動対象データを読み出す。そして処理部13は、無線通信部12を用いて移動対象データを受信装置20に送信し、かつ、メモリ11内の移動対象データを無効にする。
【0055】
受信装置20では、無線通信部22が、送信装置10から移動対象データを受信し、処理部23は、無線通信部22が受信した移動対象データをメモリ21に記録する。その後、処理部23は、データの移動の指示を受け付けると、メモリ21から移動対象データを読み出し、その移動対象データを、無線通信部22を用いて送信装置10に送信し、かつ、メモリ21内の移動対象データを無効にする。
【0056】
なお、受信装置20は、送信装置10とは別の装置に接続することも可能である。この場合、処理部23は、操作部231から、データの移動の指示を受け付けると、メモリ21から移動対象データを読み出し、移動対象データを別の装置に移動する。
【0057】
次にデータ移動システム30の動作について説明する。
【0058】
図4は、データ移動システム30のデータ移動方法を示すフローチャートである。
【0059】
まず、受信装置20において、操作部231は、送信装置10からの移動対象データを受信可能な状態にする旨の接続指示を受け付け、その接続指示をCPU233に供給する。CPU233が受信指示を受け付けると、CPU233の制御に従って無線通信部22は、送信装置10と接続可能な状態にする。
【0060】
次に送信装置10において、操作部131は、送信装置10から受信装置20にデータを送信可能な状態にする旨の接続指示を受け付け、その接続指示をCPU133に供給する。CPU133が接続指示を受け付けると、CPU133の制御に従って無線通信部12は、受信装置20と接続装置10とを接続状態にする(ステップS91)。
【0061】
処理部13は、操作部131から、データの移動を指示する旨の移動指示を受け付けると、メモリ11内の移動対象データを受信装置20に移動する。本実施形態では、処理部13は、メモリ11から移動対象データを読み出し、その移動対象データを受信装置20に送信し、かつ、メモリ11内の移動対象データを無効にする(ステップS92)。すなわち、送信装置10と受信装置20との間で通信が行われ、送信装置10はメモリ11内の移動対象データを受信装置20に転送する。そして移動対象データの転送完了時には送信装置10は、メモリ11内の移動対象データを削除する。
【0062】
その後、受信装置20において、無線通信部22は、送信装置10から送信された移動対象データを受信する(ステップS93)。移動対象データを受信すると無線通信部22は、その移動対象データを処理部23に供給する。
【0063】
処理部23は、無線通信部22から移動対象データを受け付けると、その移動対象データをメモリ21に記録して(ステップ94)、移動対象データを使用可能な状態(有効)にし、データ移動方法の一連の処理手順が終了する。
【0064】
本実施形態によれば、送信装置10は、送信装置10の機種ごとに定められた設定データを保持するメモリ11を有する。送信装置10では、無線通信部12が、設定データの移動先となる受信装置20と送信装置10とを接続し、受信装置20と送信装置10とが接続されている状況で処理部13は、データの移動の指示を受け付けると、メモリ11内の設定データを移動する。具体的には、処理部13は、メモリ11内の設定データを読み出し、その設定データを受信装置20に送信し、かつ、メモリ11内の読み出された設定データを削除して設定データを無効にする。
【0065】
このため、送信装置10は、メモリ11に記憶されたデータを受信装置20に移動することが可能となる。よって、送信装置10と受信装置20とで異なる設定データが存在することを回避することができる。
【0066】
一般に複数の端末内のデータを同一にするためには、複数の端末内のデータを管理するサーバやPC(Personal Computer)などの中継装置が用いられることが多い。この場合、ある端末でデータが変更されると、その変更された後の変更データが中継装置に送信され、変更データを受信した中継装置は、その変更データを他の端末に送信する。
【0067】
これに対し、送信装置10は、メモリ11に記憶された設定データを、中継装置を介さずに移動先となる受信装置20に直接送信するので、簡易な構成でデータの移動を行うことができる。また、ユーザにとっては、ネットワークを介して中継装置と接続する作業が必要ないため、手間が省かれる。
【0068】
また、本実施形態によれば、受信装置20は、移動対象データである設定データを保持するためのメモリ21を有し、無線通信部22が、送信装置10から、データの移動が行われた設定データを受信すると、処理部23は、その設定データをメモリ21に記録する。
【0069】
よって、受信装置20は、送信装置10内に記憶されていた設定データをメモリ21に移動する。
【0070】
また、受信装置20において、処理部23は、例えばユーザ操作にて入力された入力データを受け付けると、その入力データを設定データとしてメモリ21に記録する。例えば、メモリ21にスケジュールデータが記憶されている場合、処理部23は、ユーザの予定を示す入力データを受け付けると、その入力データをメモリ21内のスケジュールデータに記録する。
【0071】
このため、受信装置20は、メモリ21に記録された設定データの追加、修正または更新を行うことができる。すなわち、受信装置20は、メモリ21に記録された設定データをまとまった情報として管理することができる。また、受信装置20は、例えば自装置に関係のない入力データであっても、その入力データを削除せずにメモリ21に記録する。
【0072】
また、受信装置20において、処理部23は、データの移動の指示を受け付けると、メモリ21内の設定データを読み出し、その設定データを移動先装置に送信し、かつ、メモリ21内の設定データを無効にする。
【0073】
このため、受信装置20は、メモリ21で管理された設定データを別の装置に移動することができる。また、受信装置20は、メモリ21で管理された設定データを送信装置10に戻すこともできる。
【0074】
よって、送信装置10と受信装置20とを含むデータ移動システム30は、設定データを容易に送信装置10から受信装置20へ移行することが可能となる。このため、送信装置10および受信装置20内に互いに異なる設定データが存在することを回避でき、設定データの一貫性を保つことができる。
【0075】
なお、本実施形態では、無線通信部12および22が無線通信を用いて送信装置10と接続装置20とを接続する例について説明したが、両装置を接続する手法としては無線通信に限られず、ケーブルなどを介して行う有線通信が用いられても良い。
【0076】
また、本実施形態は、同一のユーザによって択一的に使用される複数の携帯端末に適用することが可能である。または、多数の端末が不特定多数の人に貸し出される端末に適用することも可能である。
【0077】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0078】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0079】
(付記1)データを保持する保持手段と、前記データの移動先となる移動先装置と自装置とを接続する接続手段と、前記接続手段が前記移動先端末と自装置とを接続している状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理手段と、を含む送信装置。
【0080】
(付記2)前記処理手段は、前記接続手段が前記移動先端末と自装置とを接続している状況で、前記保持手段内のデータを読み出し、前記読み出されたデータを前記移動先装置に送信し、かつ、前記保持手段内の前記読み出されたデータを無効にして、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する、付記1に記載の送信装置。
【0081】
(付記3)前記処理手段は、前記保持手段内の前記読み出されたデータを削除して、前記保持手段内の前記読み出されたデータを無効にする、付記2記載の送信装置。
【0082】
(付記4)前記移動先装置は、前記保持手段内のデータの一部と同じデータを記憶しており、前記処理手段は、前記保持手段内のデータのうち、前記移動先装置内に記憶されたデータ以外のデータを前記移動先装置に移動する、付記1から3のいずれか記載の送信装置。
【0083】
(付記5)データを保持するための特定保持手段と、付記1に記載の送信装置から、前記データを受信する受信手段と、前記受信手段が受信したデータを前記特定保持手段に記録する特定処理手段と、を含む通信装置。
【0084】
(付記6)前記特定処理手段は、前記データの移動の指示を受け付けると、前記特定保持手段に記録されたデータを移動先装置に移動する、付記5に記載の通信装置。
【0085】
(付記7)送信装置と通信装置とを有するデータ移動システムであって、前記送信装置は、データを保持する所定保持手段と、前記データの移動先となる移動先装置と自装置とを接続する接続手段と、前記接続手段が前記移動先装置と自装置とを接続している状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記所定保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する所定処理手段と、を含み、前記通信装置は、前記データを保持するための特定保持手段と、前記送信装置から前記データを受信する受信手段と、前記受信手段が受信したデータを前記特定保持手段に記録する特定処理手段と、を含む、データ移動システム。
【0086】
(付記8)前記所定処理手段は、前記接続手段が前記移動先端末と自装置とを接続している状況で、前記所定保持手段内のデータを読み出し、前記読み出されたデータを前記移動先装置に送信し、かつ、前記所定保持手段内の前記読み出されたデータを無効にして、前記所定保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する、付記7に記載のデータ移動システム。
【0087】
(付記9)送信装置のデータ移動方法であって、データを保持手段に保持する保持ステップと、前記データの移動先となる移動先装置と前記送信装置とを接続する接続ステップと、前記移動先装置と前記送信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理ステップと、を含むデータ移動方法。
【0088】
(付記10)前記処理ステップでは、前記接続手段が前記移動先端末と自装置とを接続している状況で、前記保持手段内のデータを読み出し、前記読み出されたデータを前記移動先装置に送信し、かつ、前記保持手段内の前記読み出されたデータを無効にする、付記9に記載のデータ移動方法。
【0089】
(付記11)データを保持する特定保持手段を有する通信装置のデータ移動方法であって、付記9に記載の送信装置から前記データを受信する受信ステップと、前記受信されたデータを前記特定保持手段に記録する特定処理ステップと、を含むデータ移動方法。
【0090】
(付記12)前記特定処理ステップでは、前記データの移動の指示を受け付けると、前記特定保持手段内のデータを移動先装置に移動する、付記11に記載のデータ移動方法。
【0091】
(付記13)送信装置と通信装置とを有するデータ移動システムのデータ移動方法であって、前記送信装置が、データを所定保持手段に保持する所定保持ステップと、前記送信装置が、該送信装置と前記通信装置とを接続する接続ステップと、前記送信装置が、該送信装置と前記通信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記所定保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する所定処理ステップと、前記通信装置が、前記送信装置から前記データを受信する受信ステップと、前記通信装置が、前記受信されたデータを特定保持手段に記録する特定処理ステップと、を含む、データ移動方法。
【0092】
(付記14)送信装置内のコンピュータに、データを保持手段に保持する保持手順と、前記データの移動先となる移動先装置と前記送信装置とを接続する接続手順と、前記移動先装置と前記送信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理手順と、を実行させるためのプログラム。
【0093】
(付記15)データを保持する特定保持手段を有する通信装置内のコンピュータに、付記14に記載の送信装置から前記データを受信する受信手順と、前記受信されたデータを前記特定保持手段に記録する処理手順と、を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0094】
10 送信装置
11、21 メモリ
12、22 無線通信部
13、23 処理部
131、231 操作部
132、232 表示部
133、233 CPU
20 受信装置
30 データ移動システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを保持する保持手段と、
前記データの移動先となる移動先装置と自装置とを接続する接続手段と、
前記接続手段が前記移動先端末と自装置とを接続している状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理手段と、を含む送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置において、
前記処理手段は、前記接続手段が前記移動先端末と自装置とを接続している状況で、前記保持手段内のデータを読み出し、前記読み出されたデータを前記移動先装置に送信し、かつ、前記保持手段内の前記読み出されたデータを無効にして、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する、送信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の送信装置において、
前記処理手段は、前記保持手段内の前記読み出されたデータを削除して、前記保持手段内の前記読み出されたデータを無効にする、送信装置。
【請求項4】
データを保持するための特定保持手段と、
請求項1に記載の送信装置から、前記データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したデータを前記特定保持手段に記録する特定処理手段と、を含む通信装置。
【請求項5】
送信装置と通信装置とを有するデータ移動システムであって、
前記送信装置は、
データを保持する所定保持手段と、
前記データの移動先となる移動先装置と自装置とを接続する接続手段と、
前記接続手段が前記移動先装置と自装置とを接続している状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記所定保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する所定処理手段と、を含み、
前記通信装置は、
前記データを保持するための特定保持手段と、
前記送信装置から前記データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信したデータを前記特定保持手段に記録する特定処理手段と、を含む、データ移動システム。
【請求項6】
送信装置のデータ移動方法であって、
データを保持手段に保持する保持ステップと、
前記データの移動先となる移動先装置と前記送信装置とを接続する接続ステップと、
前記移動先装置と前記送信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理ステップと、を含むデータ移動方法。
【請求項7】
データを保持する特定保持手段を有する通信装置のデータ移動方法であって、
請求項6に記載の送信装置から前記データを受信する受信ステップと、
前記受信されたデータを前記特定保持手段に記録する特定処理ステップと、を含むデータ移動方法。
【請求項8】
送信装置と通信装置とを有するデータ移動システムのデータ移動方法であって、
前記送信装置が、データを所定保持手段に保持する所定保持ステップと、
前記送信装置が、該送信装置と前記通信装置とを接続する接続ステップと、
前記送信装置が、該送信装置と前記通信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記所定保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する所定処理ステップと、
前記通信装置が、前記送信装置から前記データを受信する受信ステップと、
前記通信装置が、前記受信されたデータを特定保持手段に記録する特定処理ステップと、を含む、データ移動方法。
【請求項9】
送信装置内のコンピュータに、
データを保持手段に保持する保持手順と、
前記データの移動先となる移動先装置と前記送信装置とを接続する接続手順と、
前記移動先装置と前記送信装置とが接続されている状況で、前記データの移動の指示を受け付けると、前記保持手段内のデータを前記移動先装置に移動する処理手順と、を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
データを保持する特定保持手段を有する通信装置内のコンピュータに、
請求項9に記載の送信装置から前記データを受信する受信手順と、
前記受信されたデータを前記特定保持手段に記録する処理手順と、を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−221462(P2012−221462A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90095(P2011−90095)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】