説明

送信装置および送信方法

【課題】 フレームスキップにより削除されるフレームによっては、ユーザが注目すべき注目領域の内容がわからなくなってしまう恐れがあった。
【解決手段】 動画データをネットワークを介して送信する送信装置100の対応付け部104は、動画データのフレーム内に注目領域が含まれるか否かを判定し(S204)、フレーム決定部106は、送信待ちの動画データのフレームのうち注目領域が含まれないフレームを、ネットワークの状況に応じて、注目領域を含むフレームよりも優先的に削除する(S205)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してデータを送信する送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザが共有するネットワーク上で、音声や映像等のマルチメディアデータを実時間転送するとき、常に必要なネットワーク帯域を確保できるとは限らない。そこで、符号化された映像ストリームを転送する際に使用可能なネットワーク帯域に合わせてストリームのビットレートを削減することが行われる。
従来、ビットレート削減方法の1つとして、映像のフレームタイプに応じてフレーム単位でデータを廃棄するフレームスキップが提案されている。
特許文献1には、複数の受信装置へ動画データを送信する際に、各受信装置までの通信帯域に応じて、一部のフレームを送信しないようにすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特登録04255685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フレームスキップにより送信されなくなるフレームによっては、ユーザが注目すべき注目領域の内容がわからなくなってしまう恐れがあった。
例えば、送信待ち状態の複数のフレームのうち、時間的に古いフレームには注目領域が含まれており、時間的に新しいフレームには注目領域が含まれていない場合に、注目領域を含む古いフレームが削除されてしまうと注目領域の状況が分からなくなる恐れがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、注目領域の内容がフレームスキップによりわからなくなる可能性を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題点を解決するために、本発明の送信装置は、例えば以下の構成を有する。すなわち、動画データをネットワークを介して送信する送信装置であって、送信待ちの動画データのフレームを保存する保存手段と、前記動画データのフレーム内に注目領域が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記送信待ちの動画データのフレームのうち注目領域が含まれないフレームを、前記ネットワークの状況に応じて、前記注目領域を含むフレームよりも優先的に前記保存手段から削除する削除手段とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、注目領域の内容がフレームスキップによりわからなくなる可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】送信装置の機能構成例を示すブロック図である
【図2】送信装置における処理を説明するためのフローチャート
【図3】動画データの1フレームを取り出した図である
【図4】オブジェクトの検出条件の設定のためのウインドウを示す図である
【図5】送信装置における処理を説明するためのフローチャートである
【図6】送信装置における処理を説明するためのフローチャートである
【図7】動画データの1フレームを取り出した図である
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施例に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の送信装置100の機能構成例を示すブロック図である。図1に示すように、送信装置100は、送信バッファ102、データ解析部103、対応付け部104、領域解析部105、フレーム決定部106、帯域監視部107、送信部108を有する。
【0010】
送信バッファ102は、送信データ101を一時的に保存する。例えば送信装置100がビデオカメラである場合、撮像部から動画データが送信データ101として送信バッファ102に入力される。また、例えば、送信装置100がビデオサーバである場合、例えば、別のサーバやビデオカメラから動画データが送信データ101として送信バッファ102に入力される。なお、本形態では送信データが動画データである場合について説明するが、静止画データなどでも良い。
【0011】
データ解析部103は、送信バッファ102に保存されている動画データを、時間的に古いものから順に読み出して解析する。本形態のデータ解析部103は、動画データのフレームに含まれるオブジェクトを解析により検知する。データ解析部103は、例えば、動画データに対する顔検知や色検知、動き検知、文字認識などにより各種オブジェクトを検知する。ただし、オブジェクトの検知方法は、これらの方法に限らない。そして、データ解析部103は、送信バッファ102に保存されているフレームから、例えば、人物オブジェクトと家オブジェクトを検知すると、検知されたオブジェクトの種別(人物と家)を対応付け部104へ通知する。
【0012】
領域解析部105は、受信装置110から注目情報を受信する。なお、受信装置110は、送信装置100による動画データの送信先のクライアントである。注目情報は、注目領域を特定するための情報である。注目情報は、例えば、受信装置110のユーザにより指定されたオブジェクトの種別に関する情報である。
【0013】
対応付け部104は、データ解析部103による解析結果と、領域解析部105により取得された注目情報に基づいて、動画データのフレームと注目領域の検知結果を対応付ける。例えば、データ解析部103が、あるフレームから人物オブジェクトと家オブジェクトを検知すると共に、人物オブジェクトを注目領域として指定する注目情報が受信された場合、本形態の対応付け部104は、当該フレームと「注目領域有り」を対応付ける。一方、例えば、データ解析部103が、あるフレームから人物オブジェクトと家オブジェクトを検知すると共に、車オブジェクトを注目領域として指定する注目情報が受信された場合、対応付け部104は、当該フレームと「注目情報無し」を対応付ける。
【0014】
なお、上記の説明では、注目情報がオブジェクトの種別に関する情報である例について説明したが、例えば、オブジェクトの形状やサイズや色の情報を注目情報としても良い。この場合、入力されたフレームからデータ解析部103が検知した各オブジェクトの形状やサイズや色を用いて、対応付け部104は、各フレームに注目領域が含まれるか判定できる。
【0015】
また、注目情報が、オブジェクトの動きの方向や速さに関する情報であっても良い。この場合、入力されたフレームからデータ解析部103が検知した各オブジェクトの動きの方向や速さを用いて、対応付け部104は、各フレームに注目領域が含まれるか判定できる。
また、注目情報が、動画データのフレーム内の位置(領域)を示す座標情報であっても良い。この場合、データ解析部103が、撮像装置の撮像方向の変更(パン・チルト)やズーム倍率の変更を検知することで、対応付け部104は、各フレームに注目領域が含まれるか判定できる。
【0016】
フレーム決定部106は、送信バッファ102に保存されている未送信のフレームをフレームスキップにより削除するか否かを判定すると共に、送信バッファ102内のフレームのうち、削除するフレームを決定する。フレーム決定部106による処理の詳細は後述する。
送信部108は、フレーム決定部106により削除されていない動画データのフレームを受信装置110へ送信する。受信装置110は、送信装置100から動画データを受信するクライアントである。本形態では、送信装置100と受信装置110はネットワークを介して接続される。また、送信装置100は複数の受信装置110へ動画データを送信することが可能である。
【0017】
次に、本形態の送信装置100によるフレームスキップの処理方法について図2のフローチャートを用いて説明する。本形態の送信装置100は、動画データをネットワークを介して受信装置110(クライアント)へ送信する送信装置である。また、本形態の送信装置100のCPU(不図示のコンピュータ)は、図2に示す処理を実行するためのプログラムを、ROMから読み出して実行することで、図2の処理を実現する。ただし、図2の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアで行うようにすることも可能である。
本形態では、送信装置100が動画データのリクエストを受信装置110から受信すると、送信データ101の入力と、図2の処理が開始されるが、この形態に限らない。
【0018】
送信装置100の領域解析部105は、受信装置110から注目情報を受信する(S201)。注目情報は、送信装置100が注目領域を特定するために用いられる情報である。また、注目情報は、追加、削除、変更が可能である。また、図2には図示していないが、送信装置100の送信バッファ102には、動画データが定期的に入力される。
【0019】
本形態における注目情報は、例えば、ユーザにより入力されたオブジェクトの種別(例えば、人物、家、山、大木)に関する情報である。なお、送信装置100は、データ解析部103により検知されたオブジェクトのリストを受信装置110へ提示し、受信装置110のユーザによりリストから指定されたオブジェクトの種別を注目情報とすることも可能である。また、オブジェクトのリストは、受信装置110で動画データを解析することにより生成することも可能である。
【0020】
データ解析部103は、送信バッファ102に保存されている動画データの各フレームを解析してオブジェクトを検知する(S202)。また、対応付け部104は、S202において、動画データのフレームと注目領域の検知結果を対応付ける。例えば、動画データの第1フレームから注目領域が検知され、第2フレームからは注目領域が検知されなかった場合、対応付け部104は、「第1フレーム」と「注目領域有り」を対応付け、「第2フレーム」と「注目領域無し」を対応付ける。すなわち、対応付け部104は、送信バッファ102に保存されている複数のフレームのうち、注目情報により指定された人物オブジェクトを含むフレームが識別できるように、注目領域の検知結果とフレームとを対応づける。
【0021】
フレーム決定部106は、フレームスキップを実行するか否かを判定する(S203)。本形態のフレーム決定部106は、送信バッファ102に保存されている未送信のフレーム数が所定のフレーム数に達した場合に、フレームスキップを実行すると判定する。ただし、この判定方法に限らず、例えば、送信バッファ102に保存されている未送信の動画データのデータ量が所定のデータ量に達した場合に、フレームスキップを実行すると判定しても良い。
【0022】
また、例えば、帯域監視部107により取得されたネットワークの有効帯域に関する情報と、送信バッファ102への動画データの入力レートを用いて、フレームスキップを実行するか否かを判定するようにしても良い。この場合、フレーム決定部106は、送信バッファ102への動画データの入力レートが、受信装置110への動画データの出力レートよりも大きい状態が、一定期間以上、続いた場合に、フレームスキップを実行することを決定する。
【0023】
また、フレーム決定部106は、フレームスキップを実行すると判定した場合、削除するフレーム数を決定する。本形態のフレーム決定部106は、削除するフレーム数を、送信バッファ102に保存されている各フレームの平均データサイズに基づいて決定する。すなわち、フレーム決定部106は、保存されている各フレームの平均データサイズが小さい場合のほうが、より多くのフレームが削除されるように、削除するフレーム数を決定する。ただし、この例に限らず、例えば、フレームの画面サイズに基づいて削除するフレーム数を決定するようにしても良い。すなわち、フレーム決定部106は、保存されているフレームのサイズが小さい場合のほうが、より多くのフレームが削除されるように、削除するフレーム数を決定することが可能である。また、削除するフレーム数が常に一定数になるようにしても良い。
【0024】
S203においてフレームスキップを実行すると判定された場合はS204へ進む。一方、フレームスキップを実行しないと判定された場合、フレーム決定部106は、送信バッファ102から読み出されたフレームを受信装置110へ送信する(S209)。S209で送信されるフレーム数は、1フレームでも複数フレームでも良い。すなわち、送信部108は、フレームスキップにより削除されていない動画データのフレームを受信装置110(クライアント)へ送信する。フレーム送信後、フレーム決定部106は、動画データの送信を終了するか否かを判定する(S210)。動画データの送信を終了しないと判定された場合はS201へ戻り、動画データの送信を終了すると判定された場合は図2の処理を終了する。
【0025】
フレーム決定部106は、フレームスキップにより送信バッファ102から削除するフレームを決定する(S204〜S208)。フレームスキップにより削除されたフレームは、受信装置110へ送信されない。
フレーム決定部106によるスキップフレームの決定方法について説明する。
【0026】
本形態のフレーム決定部106は、送信バッファ102に保存されている複数のフレームのうち、時間的に最も古いフレームから順に、フレーム内に注目領域が含まれているか否かを判定する(判定手順)。そして、フレーム決定部106は、注目領域が含まれていないと判定されたフレームを送信バッファ102から削除する。
すなわち、フレーム決定部106は、送信バッファ102に保存されている複数のフレームのうち、時間的に最も古い第1フレームに注目領域が含まれているか判定する(S204)。そして、フレーム決定部106は、S204の判定により、第1フレームに注目領域が含まれていると判定した場合は、第1フレームを送信バッファ102から削除しない(S206)。そして、フレーム決定部106は、フレームスキップが完了していないと判定し(S207)、時間的に2番目に古い第2フレームを判定対象に設定し(S208)、第2フレームに注目領域が含まれているか判定する(S204)。そして、第2フレームに注目領域が含まれていないと判定された場合、第2フレームを送信バッファ102から削除する(S205)。その後、フレーム決定部106は、フレームスキップが完了したか判定する(S207)。S207の判定は、フレームスキップにより1度に削除するフレーム数の条件を満たしたか否かにより判定する。フレームスキップが完了したと判定されると、S201に戻る。
すなわち、S205において、フレーム決定部106は、送信待ちの動画データのフレームのうち注目領域が含まれないフレームを、ネットワークの状況に応じて、注目領域を含むフレームよりも優先的に送信バッファ102から削除する。
【0027】
なお、本形態では、フレームスキップされたフレームを送信バッファ102から削除することを中心に説明しているが、当該フレームを送信しないようにすれば、送信バッファ102から削除しなくても良い。すなわち、フレーム決定部106は、S205において、送信待ちの動画データのフレームのうち注目領域を含まないフレームが、注目領域を含むフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように、送信しないフレームを制御する(制御手順)。
【0028】
また、上記の説明では、注目領域が含まれるか否かに応じて削除するか判定しているが、例えば、フレームスキップを実行することが決定された時点において送信バッファ102に保存されている各フレームの優先度に基づいて、削除するフレームを決定しても良い。各フレームの優先度の決定方法として、各フレームに含まれる注目領域の数、各注目領域の優先度、注目情報を送信した受信装置110の優先度などを用いることが可能である。
例えば、送信バッファ102に保存されている5つのフレーム(第1から第5フレーム)のうち、時間的に最も古い第1フレームには注目領域が含まれておらず、第2及び第3フレームには2つ含まれ、第4及び第5フレームには注目領域が1つ含まれていたとする。この場合において、1枚のフレームをフレームスキップにより送信バッファ102から削除する場合、フレーム決定部106は、上記5つのフレームのうち、第1フレームを削除するフレームとして決定する。また、2枚のフレームを削除する場合、フレーム決定部106は、第1及び第4フレームを削除するフレームとして決定する。また、3枚のフレームを削除する場合、フレーム決定部106は、第1及び第4及び第5フレームを削除するフレームとして決定する。ただし、削除するフレームの決定方法は、この方法に限らない。
【0029】
また、注目領域ごとにユーザが優先度を指定している場合、フレーム決定部106は、優先度が低い注目領域が含まれているフレームが、優先度が高い注目領域が含まれているフレームよりも優先的に削除されるように削除するフレームを決定する。例えば、受信装置110のユーザが、人物オブジェクトの優先度を家オブジェクトの優先度よりも高く設定している場合、フレーム決定部106は、以下のようにして削除するフレームを決定する。すなわち、フレーム決定部106は、人物オブジェクトが含まれ家オブジェクトが含まれていないフレームよりも、家オブジェクトが含まれ人物オブジェクトが含まれていないフレームが優先的に削除されるように削除するフレームを決定する。
【0030】
また、上記の説明では、ユーザが1つの場合(1台の受信装置110が接続されている場合)について説明しているが、複数のユーザが接続されるようにしても良い。また、ユーザごとに優先度が設定されている場合、フレーム決定部106は、以下のようにしてフレームスキップにより削除するフレームを決定する。すなわち、フレーム決定部106は、優先度が低いユーザからの注目情報に対応する注目領域を含むフレームが、優先度が高いユーザからの注目情報に対応する注目領域を含むフレームよりも優先的に削除されるように削除するフレームを決定する。また、フレーム決定部106は、各フレームに含まれる注目領域の数、各注目情報を指定したユーザの優先度、各注目情報の優先度を合わせて送信バッファ102から削除するフレームを決定することも可能である。
【0031】
なお、フレーム決定部106は、各フレームの優先度をポイントで表しても良い。
例えば、1つの受信装置110(クライアント)により指定された1つの注目領域に対して5ポイント付与し、さらに、優先度の高いユーザにより指定された注目領域に対しては、5ポイント追加付与することができる。例えば、動画データを受信している第1受信装置から人物オブジェクトを注目することを示す注目情報を受信し、第2受信装置から人物オブジェクトと車オブジェクトを注目する注目情報を受信した場合のフレームのポイントは、以下のようになる。
すなわち、例えば、フレームから、人物オブジェクトが1つと、車オブジェクトが1つと、大木オブジェクトが1つ検知された場合、当該フレームのポイントは、15ポイントとなる。なお、この例では、大木オブジェクトが検知されても、検知されなくても、ポイントは同じ15ポイントである。また、例えば、第2受信装置が、優先度が高い受信装置で、第1受信装置が一般の受信装置の場合、このフレームのポイントは25ポイントとなる。一方、第1受信装置が、優先度が高い受信装置で、第2受信装置が一般の受信装置の場合、このフレームのポイントは20ポイントとなる。このようにして決定された各フレームのポイントに基づいて、送信バッファ102から削除するフレームを決定することが可能である。
【0032】
図3は、動画データを構成する1つのフレームの例を示している。本形態の受信装置110は、送信装置100から動画データを受信して図3に示すようなフレームを表示する。図3の人物オブジェクト302、大木オブジェクト303、家オブジェクト304、太陽オブジェクト305は、すでにデータ解析部103により検知されている。受信装置110は、データ解析部103による解析結果を動画データと共に受信することで、動画データの表示画面上で各オブジェクトの枠を表示させることができる。そして、受信装置110のユーザが、図3のような表示画面上で、注目したいオブジェクトを指定すると、受信装置110は、注目領域を送信装置100において特定するための注目情報を送信装置100へ送信する。このときに送信される注目情報は、例えば、オブジェクトの種別(人物、家、大木など)の情報である。以上説明したように、本形態の送信装置100は、注目領域が含まれないフレームを、注目領域が含まれるフレームよりも優先的にフレームスキップにより削除する。このようにすることで、注目領域を含むフレームがフレームスキップにより削除されにくくすることができる。
【0033】
なお、上記の説明では、注目領域の有無に基づいてフレームスキップするフレームを決定する例を中心に説明したが、例えば、注目領域の有無に加えて、注目領域の状態に関する条件を満たす場合に、フレームスキップされにくくすることも可能である。注目領域の状態に関する条件とは、例えば、フレーム内における注目領域の存在位置の条件や、注目領域の動きに関する条件や、注目領域の存在時間の条件などである。
【0034】
注目領域の状態に関する条件を受信装置110において設定するための設定画面の例を図4に示す。本形態の受信装置110は、まず、図4のページ1(401)を表示する。ページ1では、過去の所定フレーム数のフレームから検知されたオブジェクトの種別がリスト表示されている。受信装置110のユーザは、ページ1のリストから注目したいオブジェクトを指定することができる。ここでは、人物オブジェクトが指定されたものとする。なお、オブジェクトは複数指定することも可能である。
【0035】
ページ1でユーザが注目するオブジェクトを指定すると、ページ2(402)が表示される。ページ2は、ページ1で指定された人物オブジェクトの動作条件を指定するためのページである。ページ2の動作条件のうち、例えば、「静止中」が指定されると、静止している人物オブジェクトのみが注目領域として検知される。一方、ページ2の動作条件のうち、「映像から検知される間」が指定されると、人物オブジェクトが静止しているか動いているかに関わらず、注目領域として検知される。ここでは、「動作が検知されている間」が指定されたものとする。なお、動作条件は、ページ2で示した例に限らず、例えば、動きの方向や、動きの速さや、オブジェクトの存在時間などであっても良い。
【0036】
ページ2でユーザがオブジェクトの動作条件を指定すると、ページ3(403)が表示される。ページ3は、ページ1で指定されたオブジェクトの状況の詳細な条件を指定するためのページである。ここでは、ページ3に「人物が家の前を通過している間」が指定されたものとする。また、ページ3において、例えば、「ユーザが接続してから10分間」という設定をすることも可能である。このような設定がされた場合、対応付け部104は、ユーザが接続されてから10分が経過した後の動画データのフレームにページ1と2で指定された条件を満たす注目領域が含まれるか否かの判定をしない。すなわち、対応付け部104は、ユーザが接続してから10分が経過した後に、ページ1と2で指定された条件を満たす注目領域を含むフレームがあったとしても、当該フレームには注目領域が含まれていないとみなす。図4のページ1からページ3の指定が行われると、指定内容が注目情報として送信装置100へ送信される。そして、送信装置100のフレーム決定部106は、指定されたオブジェクト(人物オブジェクト)の状態(位置や動作)が、指定された条件に合致しているフレームが、合致していないフレームよりも先に削除されないように削除するフレームを決定する。
【0037】
次に、送信装置100がオブジェクトの状態の条件に基づいてフレームスキップを行う場合の処理について図5のフローチャートを用いて説明する。なお、本形態の送信装置100のCPUは、図5に示す処理を実行するためのプログラムを、ROMから読み出して実行することで、図5の処理を実現する。ただし、図5の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアで行うようにすることも可能である。
【0038】
送信装置100の領域解析部105は、受信装置110から注目情報を取得する(S501)。ここで受信される注目情報には、図4を用いて説明したような条件の情報が含まれている。ここでは、図4のページ1で人物オブジェクト、ページ2で「動作が検知されている間」、ページ3で「人物が家の前を通過している間」と指定されたときの注目情報が取得されたものとする。
データ解析部103は、送信バッファ102に保存されている動画データを解析し、解析結果を対応付け部104へ通知する(S502)。データ解析部103が通知する解析結果には、フレームから検知されたオブジェクトの種別、検知されたオブジェクトの位置、オブジェクトの動き有無が含まれる。
【0039】
また、S502において、対応付け部104は、送信バッファ102に保存されているフレームから、注目情報に応じた条件を満たすフレームを特定する。すなわち、対応付け部104は、注目情報で指定されたオブジェクトが、注目情報で指定された条件(動作や位置)を満たして存在するフレームを特定する。そして、対応付け部104は、各フレームと注目領域の検知状態を対応付ける。
フレーム決定部106がフレームスキップを実行すると判定した場合(S503でYES)、S504へ進む。S504〜S509において、フレーム決定部106は、注目情報で指定された注目領域であって、注目情報で指定された条件を満たす注目領域を含むフレームが他のフレームよりも先に削除されないようにフレームを削除する。
上記の条件の場合、フレーム決定部106は、注目領域を含む複数のフレームのうち注目領域の動きが検知されていないフレームを、注目領域の動きが検知されているフレームよりも優先的に削除する。
【0040】
また、フレーム決定部106は、注目領域を含む複数のフレームのうち注目領域が所定の範囲内(家の前)にないフレームを、注目領域が所定の範囲内にあるフレームよりも優先的に削除する。
【0041】
なお、図5のS503においてフレームスキップを実行しないと判定された場合、送信部108は、送信バッファ102に保存されているフレームを送信する(S510)。S510で送信されるフレーム数は、1フレームでも複数フレームでも良い。
【0042】
<第2の実施形態>
次に、送信装置100が複数の受信装置110(クライアント)に対して動画データを送信している場合に好適な実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。本形態では、送信装置100が、複数の受信装置110(第1、第2、第3受信装置)からのリクエストに応じて、動画データ1を第1受信装置へ送信し、第2の動画データを第2及び第3受信装置へ送信する場合について説明する。また、複数の受信装置110(第1、第2、第3受信装置)のそれぞれは、注目情報を送信装置100へ送信することが可能である。本形態の送信装置100は、複数の受信装置110のそれぞれから注目情報を受信すると、送信バッファ102内の各フレームの優先度を決定し、削除するフレームを決定する。
【0043】
送信バッファ102内の各フレームの優先度に基づいて、削除するフレームを決定する場合における送信装置100の処理を図6を用いて説明する。本形態の送信装置100のCPUは、図6に示す処理を実行するためのプログラムを、ROMから読み出して実行することで、図6の処理を実現する。ただし、図6の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアで行うようにすることも可能である。
【0044】
本形態では、送信装置100が動画データのリクエストを受信装置110から受信すると、送信データ101の入力と、図6の処理が開始されるが、この形態に限らない。また、以下の説明では、送信装置100が、複数の受信装置110(第1、第2、第3受信装置)のうち、第1受信装置へ第1の動画データを送信し、第2及び第3受信装置へ第2の動画データを送信する場合について説明する。
【0045】
送信装置100の領域解析部105は、各受信装置110により指定された注目領域を特定するための注目情報を受信する(S601)。ここでは、人物オブジェクトを注目領域とする注目情報を第1受信装置から受信し、家オブジェクトを注目領域とする注目情報を第2受信装置から受信し、家オブジェクトと車オブジェクトを注目領域とする注目情報を第3受信装置から受信したとする。
【0046】
データ解析部103は、送信バッファ102に保存されている第1及び第2動画データの各フレームを解析してオブジェクトを検知する(S602)。また、対応付け部104は、S602において、動画データのフレームと注目領域の検知結果とを対応付ける。例えば、第1の動画データの第1フレームから人物オブジェクトが1つ検知され、第2フレームからは検知されず、第3フレームから人物オブジェクトが2つ検知された場合、対応付け部104は、以下のようにフレームと注目領域の検知結果を対応付ける。すなわち、対応付け部104は、第1の動画データの「第1フレーム」と「注目領域1つ」を対応付け、「第2フレーム」と「注目領域なし」を対応付け、「第3フレーム」と「注目領域2つ」を対応付ける。
【0047】
また、第2の動画データの第1フレームから家オブジェクトが1つと車オブジェクトが1つ検知され、第2フレーム及び第3フレームから家オブジェクトが1つ検知された場合、対応付け部104は、以下のようにフレームと注目領域の検知結果を対応付ける。すなわち、対応付け部104は、第2の動画データの「第1フレーム」と「注目領域3つ」を対応付け、「第2フレーム」及び「第3フレーム」と「注目領域2つ」を対応付ける。
【0048】
フレーム決定部106は、フレームスキップを実行するか否かを判定する(S603)。また、フレーム決定部106は、フレームスキップを実行すると判定した場合、フレームスキップにより削除するフレーム数を決定する。フレーム決定部106は、送信バッファ102に保存されている未送信のフレームのデータ量が所定のデータ量に達したことに応じて、フレームスキップを実行すると判定する。ただし、例えば未送信のフレーム数などに基づいて判定しても良い。
【0049】
フレーム決定部106は、S603でフレームスキップを実行すると決定された時点において送信バッファ102に保存されているフレームの優先度を、S602の対応付けの結果を用いて判定する(S604〜S606)。送信バッファ102に保存されているフレームが、第1の動画データの第1及び第2及び第3フレームと、第2の動画データの第1及び第2及び第3フレームである場合、各フレームの優先度は、以下のように判定される。すなわち、第1の動画データの第1フレームの優先度は1、第2フレームの優先度は0、第3フレームの優先度は2となる。また、第2の動画データの第1フレームの優先度は3、第2フレームの優先度は2、第3フレームの優先度は2と判定される。優先度は数字が大きいほど優先度が高いとする。
【0050】
フレーム決定部106は、S603で決定された削除フレーム数と、S604〜S606で判定された各フレームの優先度とに基づいてフレームを送信バッファ102から削除する(S607)。例えば、削除フレーム数が3枚と決定された場合、フレーム決定部106は、第1の動画データの第1フレーム及び第2フレーム、及び、第2の動画データの第2フレームを削除する。すなわち、フレーム決定部106は、第1の動画データの第1フレームを、第2の動画データの第1フレームよりも優先的に削除する。なお、第1の動画データの第1フレームは、第1受信装置での指定に応じた注目領域(人物オブジェクトの領域)が含まれるフレームである。また、第2の動画データの第1フレームは、第2受信装置での指定に応じた注目領域(家オブジェクト)と、第3受信装置での指定に応じた注目領域(車オブジェクト)が含まれるフレームである。
【0051】
なお、第1の動画データの第3フレームと、第2の動画データの第2フレームと第3フレームの優先度は、共に2であるが、本形態のフレーム決定部106は、第2の動画データの第2フレームを削除フレームとして決定する。すなわち、フレーム決定部106は、優先度が同じ複数のフレームのうち、すでに削除フレームとして決定されたフレームが属する動画データとは異なる動画データのフレームが優先的に削除されるようにする。また、フレーム決定部106は、同一の動画データに属する複数のフレームであって、優先度が同じフレームの中から削除フレームを決定する場合、時間的に古いフレームが優先的に削除されるようにする。フレーム決定部106がフレームスキップを実行すると、S601に戻る。
【0052】
なお、図6のS603においてフレームスキップを実行しないと判定された場合、送信部108は、送信バッファ102に保存されているフレームを送信する(S608)。S608で送信されるフレーム数は、1フレームでも複数フレームでも良い。
【0053】
このように、本形態の送信装置100は、複数の受信装置110に対して異なる動画データを送信する場合において、各受信装置110の指定に応じた注目領域の数に基づいて削除するフレームを決定する。このようにすることで、より多くの受信装置110で注目される注目領域を含むフレームがフレームスキップにより削除されにくくすることができる。
【0054】
<第3の実施形態>
次に、注目領域の存在時間に基づいて削除するフレームを決定する例について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。本形態の対応付け部104は、注目領域の動き情報や、撮像装置の撮像範囲の変更(パン、チルト、ズーム制御)に関する情報を用いて、注目領域がフレームに含まれる時間(存在時間)を予測する。存在時間は、注目領域が連続的に存在するフレーム数に対応する。そして、フレーム決定部106は、存在時間が長い注目領域が含まれるフレームが、存在時間が短い注目領域が含まれるフレームよりも優先的に削除されるように、送信バッファ102からフレームを削除する。
【0055】
本形態の送信装置100の処理を図6のフローチャートを用いて説明する。本形態の送信装置100のCPUは、図6に示す処理を実行するためのプログラムを、ROMから読み出して実行することで、図6の処理を実現する。ただし、図6の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアで行うようにすることも可能である。また、以下の説明では、送信装置100が、第1受信装置へ第1の動画データを送信し、第2受信装置へ第2の動画データを送信している場合について説明する。すなわち、本形態の送信装置100は、複数の受信装置110(クライアント)に対して動画データを送信する。
送信装置100の領域解析部105は、第1及び第2受信装置により指定された注目領域を特定するための注目情報を受信する(S601)。この例では、第1受信装置が大木オブジェクトを注目領域とする注目情報を送信し、第2受信装置が人物オブジェクトを注目領域とする注目情報を送信したとする。
【0056】
データ解析部103は、送信バッファ102に保存されている動画データのフレームを解析してオブジェクトを検知する(S602)。また、対応付け部104は、S602において、動画データのフレームと注目領域の検知結果とを対応付ける。この例では、送信バッファ102に第1の動画データの第1及び第2及び第3フレームと、第2の動画データの第1及び第2及び第3フレームが保存されているとする。また、送信バッファ102に保存されている第1の動画データの第1及び第2及び第3のフレームから大木オブジェクトが1つ検知され、第2の動画データの第1及び第2及び第3のフレームから人物オブジェクトが1つ検知されているとする。この場合、対応付け部104は、各フレームと「注目領域1つ」を対応付ける。
【0057】
また、対応付け部104は、S602において、注目情報に応じた各オブジェクトがフレームに含まれる時間(存在時間)を予測する。この例では、第1の動画データのフレームに大木オブジェクトが含まれる時間(第1の存在時間)を判定すると共に、第2の動画データのフレームに人物オブジェクトが含まれる時間(第2の存在時間)を判定する。本形態では、第2の存在時間が第1の存在時間よりも短いと判定される。
【0058】
S602における存在時間の予測方法について、図7を用いて説明する。図7は、第1の動画データの第1フレームの例である。図7に示すように、フレーム701からは、人物オブジェクト702、車オブジェクト703、大木オブジェクト704、太陽オブジェクト705がデータ解析部103により検知される。ただし、第1受信装置からの注目情報に対応するオブジェクトは大木オブジェクトのみなので、第1フレームには「注目領域1つ」が、対応付け部104により対応づけられる。
【0059】
また、図7に示すように、人物オブジェクト702は左方向、車オブジェクト703は右方向へ移動し、大木オブジェクト704及び太陽オブジェクト705は静止し、撮像方向は左方向へ移動していることがデータ解析部103の解析により検知される。対応付け部104は、データ解析部103により検知された動き情報(各オブジェクトの動きの方向及び速さ)、及び、各オブジェクトの位置、及び、撮像装置の撮像方向の制御内容に基づいて、各オブジェクトの存在時間を予測する。ただし、これらの情報のうちの一部を用いて予測することも可能である。
【0060】
フレーム決定部106によりフレームスキップを実行すると判定されると(S603でYES)、フレーム決定部106は、送信バッファ102内の各フレームの優先度を決定する(S604〜S606)。この例では、フレーム決定部106は、第1の動画データの第1及び第2及び第3フレームの優先度と、第2の動画データの第1及び第2及び第3フレームの優先度を判定する。なお、第1の動画データの各フレームから検知されている大木オブジェクトの存在時間は、第2の動画データの各フレームから検知されている人物オブジェクトの存在時間よりも長いと予測されているとする。この場合、フレーム決定部106は、第1の動画データの各フレームの優先度を、第2の動画データの各フレームの優先度よりも低く設定する。
【0061】
各フレームの優先度が決定されると、フレーム決定部106は、削除するフレームを決定する(S607)。例えば、2枚のフレームを削除する場合、フレーム決定部106は、第1の動画データの第1及び第2フレームを削除する。即ち、フレーム決定部106は、第1の存在時間であると予測された注目領域(大木オブジェクト)を含む第1の動画データのフレームを、第2の存在時間であると予測された注目領域(人物オブジェクト)を含む第2の動画データのフレームより優先的に削除する。S607のフレームスキップの処理が完了すると、S601に戻る。
このように、存在時間がより長いと予測される注目領域を含むフレームを優先的に削除するようにすることで、フレームスキップにより注目領域の内容が見逃されてしまう可能性を低減できる。
【0062】
なお、図6のS603でフレームスキップを実行しないと判定された場合、送信部108は、送信バッファ102に保存されているフレームを送信する(S608)。S608で送信されるフレーム数は、1フレームでも複数フレームでも良い。
【0063】
また、本形態の対応付け部104は、動画データ内のオブジェクトの動きが不規則であるとデータ解析部103により判定された場合、動きが不規則でないと判定されたオブジェクトの存在時間よりも長く設定する。このようにすることで、実際には存在時間が短い注目領域を含むフレームが、存在時間の予測の間違いにより削除されてしまう可能性を低減できる。
【0064】
また、上記の実施形態では、フレームスキップされたフレームを送信バッファ102から削除することを中心に説明しているが、当該フレームを送信しないようにすれば、送信バッファ102から削除しなくても良い。
【0065】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画データをネットワークを介して送信する送信装置であって、
送信待ちの動画データのフレームを保存する保存手段と、
前記動画データのフレーム内に注目領域が含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記送信待ちの動画データのフレームのうち注目領域を含まないフレームが、前記注目領域を含むフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように、前記ネットワークの状況に応じて前記送信しないフレームを制御する制御手段とを有することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記動画データの送信先であるクライアントで指定された座標情報を受信する受信手段を有し、
前記判定手段は、前記受信された座標情報により特定される注目領域が前記動画データのフレーム内に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記動画データに含まれる複数のオブジェクトのうち、前記動画データの送信先であるクライアントで指定されたオブジェクトの情報を受信する受信手段を有し、
前記判定手段は、前記受信されたオブジェクトの情報により特定される注目領域が前記動画データのフレーム内に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記注目領域を含む複数のフレームのうち前記注目領域の動きが検知されていないフレームが、前記注目領域の動きが検知されているフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように制御することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記注目領域を含む複数のフレームのうち前記注目領域が所定の範囲内にないフレームが、前記注目領域が前記所定の範囲内にあるフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように制御することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、第1の動画データの送信先である第1のクライアントでの指定に応じた第1の注目領域が含まれる第1のフレームが、第2の動画データの送信先である第2及び第3のクライアントのうち前記第2のクライアントでの指定に応じた第2の注目領域と、第3のクライアントでの指定に応じた第3の注目領域とが含まれる第2のフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように制御することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項7】
前記動画データのフレーム内に注目領域が含まれる存在時間を当該注目領域の動きに関する動き情報に基づいて予測する予測手段を有し、
前記制御手段は、第1の存在時間であると予測された第1の注目領域を含む第1のフレームが、前記第1の存在時間よりも短い第2の存在時間であると予測された第2の注目領域を含む第2のフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように制御することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項8】
前記予測手段は、前記動画データのフレーム内における前記注目領域の位置、及び、当該注目領域の動きの方向及び速さに基づいて前記注目領域の存在時間を予測することを特徴とする請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
前記予測手段は、前記動画データを撮像する撮像手段の撮像方向の制御内容に基づいて前記存在時間を予測することを特徴とする請求項7又は8に記載の送信装置。
【請求項10】
動画データをネットワークを介して送信する送信装置であって、送信待ちの動画データのフレームを保存する保存手段を有する送信装置が行う制御方法であって、
前記動画データのフレーム内に注目領域が含まれるか否かを判定する判定工程と、
前記送信待ちの動画データのフレームのうち注目領域が含まれないフレームが、前記注目領域を含むフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように、前記ネットワークの状況に応じて前記送信しないフレームを制御する制御工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
動画データをネットワークを介して送信するコンピュータであって、送信待ちの動画データのフレームを保存する保存手段を有するコンピュータに、
前記動画データのフレーム内に注目領域が含まれるか否かを判定する判定手順と、
前記送信待ちの動画データのフレームのうち注目領域が含まれないフレームが、前記注目領域を含むフレームよりも優先的に送信しないフレームとして決定されるように、前記ネットワークの状況に応じて前記送信しないフレームを制御する制御手順とを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−169919(P2012−169919A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29969(P2011−29969)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】