説明

送信装置

【課題】音声周波数の異なる映像を伴ったコンテンツを再生する際に、コンテンツの切り替わり目において音声出力が途切れる不都合を防止できるようにする。
【解決手段】 カメラ100がテレビ120に送信する音声データの周波数が変更されない場合、音声データの周波数に応じて生成された音声出力情報、音声データ及び音声データをテレビ120に送信し、カメラ100がテレビ120に送信する音声データの周波数が変更される場合、変更された後の周波数に応じて生成された音声出力情報、音声データ及び音声データをテレビ120に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置に音声データを送信する送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の電子機器をHDMI(High Definition Multimedia Interface(登録商標))規格に対応した接続ケーブルを介して接続し、電子機器の間で高速な通信網を確立してデータを伝送する通信システムが知られている。このような、通信システムにおいて、ユーザは、デジタルビデオカメラ等の送信装置で生成された高画質な動画データをテレビ等の受信装置で観賞することができる。
【0003】
このような通信システムでは、映像データ及び音声データを受信する受信装置と映像データ及び音声データを送信する送信装置とが接続され、送信装置は、映像データ及び音声データを受信装置に送信する。受信装置で送信装置から送信された映像データ及び音声データを視聴する際に、送信装置は、映像データ及び音声データを送信するとともに、音声データの視聴に必要なクロック及び周波数を示す音声出力情報を受信装置に送信する必要がある。
【0004】
送信装置が、異なる周波数の音声データを含むコンテンツを受信装置に送信する場合、送信装置は、送信する音声データの周波数の切り替えを行う。送信装置が音声データの周波数の切り替えを行っている間、送信装置から受信装置に送信される音声データ及び音声出力情報にエラーが発生することにより、受信装置が送信装置から受信した音声データを正常に出力できないという問題があった。
【0005】
そこで、受信装置において、送信装置から送信されるデータの乱れを検知した場合、受信装置自身が自身の固定クロックを基準として出力することにより、正常に音声データの出力を行うことが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−134390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、HDMI規格に準拠した接続ケーブルによって接続された通信システムにおいて、送信装置は、映像データと音声データとの双方の同期をとって受信装置に送信する必要があった。このため、送信装置は、音声データの周波数を切り替えるまでの間、受信装置への音声データ及び音声出力情報の送信を一時的に停止していた。
【0008】
このため、送信装置で音声データの周波数の切り替えが完了した後に、送信装置が音声データ及び音声出力情報の受信装置への送信を再開した場合、受信装置は音声出力情報に応じて、送信装置から受信した音声データと映像データとの同期をとるための処理を行う。受信装置は、映像データと音声データとの同期をとるための処理を行った後に、送信装置から受信した音声データを出力するので、映像データと音声データとの同期をとるための処理を行っている間、音声データを出力することができなかった。このため、送信装置で生成された音声データを含むコンテンツを受信装置で視聴する場合、コンテンツに含まれる音声データの周波数が切り替えられたとき、ユーザが所望の音声データを聞くことができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、送信装置が外部装置に送信する音声データの周波数が変更された場合、送信装置から受信した音声データの再生を外部装置に停止させないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る送信装置は、外部装置に映像データ、音声データ及び前記外部装置に音声データを再生させるための音声出力情報を送信する送信手段と、前記音声データの周波数が第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第1の周波数と異なる第2の周波数に変更されるか否かを判定する判定手段と、前記音声データの周波数に応じて前記音声出力情報を生成する第1の生成手段と、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更される場合に、前記第2の周波数に対応する所定値に応じて前記音声出力情報を生成する第2の生成手段と、前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されていないとき、前記第1の生成手段によって生成された前記音声出力情報を前記外部装置に送信するように前記送信手段を制御する制御手段と、前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されるとき、前記第2の生成手段によって生成された前記音声出力情報を前記外部装置に送信するように前記送信手段を制御することことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、送信装置が外部装置に送信する音声データの周波数が変更された場合、送信装置から受信した音声データの再生を外部装置に停止させないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る通信システムで行われる送信処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、ここで示す実施形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施形態に限定されるものではない。
【0014】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る通信システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る通信システムの構成例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、第1の実施形態の通信システムは、送信装置100、接続ケーブル110及び受信装置120を有する。接続ケーブル110は、電源情報ライン111、能力情報ライン112及びデータ通信ライン113を有する。すなわち、第1の実施形態の通信システムは、送信装置100が外部装置である受信装置120との間で、複数のデジタル伝送ラインを介して通信を行う。
【0016】
第1の実施形態では、送信装置100の一例としてデジタルスチルカメラ(以下、「カメラ」という)を用い、受信装置120の一例としてテレビジョン受像機(以下、「テレビ」という)を用いる。また、接続ケーブル110の一例としてHDMI規格に準拠した接続ケーブルを用いる。以下、HDMI規格に準拠した接続ケーブルを「HDMIケーブル」という。なお、HDMIケーブルは、HDMI規格1.4に対応するものであっても、HDMI規格1.3以前の規格に対応するものであってもよく、HDMI規格1.4以後の規格に対応するものであってもよい。
【0017】
次に、HDMIケーブル110について説明する。
HDMIケーブル110は、HPDライン111を有する。さらに、HDMIケーブル110は、DDC(Display Data Channel)ライン112を有する。さらに、HDMIケーブル110は、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)ライン113を有する。
【0018】
HPDライン111は、テレビ120がカメラ100からの電源信号に対する応答信号であるHPD信号を伝送する伝送ラインである。
DDCライン112は、EDID(Extended display identification data)やE−EDID(Enhanced EDID)をテレビ120からカメラ100に伝送する伝送ラインである。以下、EDID及びE−EDIDのいずれも「EDID」と呼ぶ。
【0019】
EDIDは、テレビ120の表示能力を示す情報である、画像の解像度の設定情報、画像のカラースペースの設定情報、走査周波数の設定情報等を含んでいる。さらに、EDIDは、テレビ120の音声出力能力を示す情報である、音声の音響効果の設定情報等を含んでいる。さらに、EDIDは、メーカー情報、型番等のテレビ120を識別するための情報を含んでいる。カメラ100は、EDIDを取得し、映像データ及び音声データをEDIDに含まれる情報に合わせて設定することにより、テレビ120の表示能力及び音声出力能力に適した映像データ及び音声データをデータ通信ライン113を介して送信することができる。
【0020】
TMDSライン113は、カメラ100からテレビ120へ映像データ、音声データ及び補助データを伝送する伝送ラインであり、TMDSチャンネル0、TMDSチャンネル1、TMDSチャンネル2及びTMDSクロックチャンネルを含む。また、HDMIケーブル110は、不図示のカメラ100からテレビ120に電源信号を伝送する電源ライン及びカメラ100とテレビ120との間で相互に制御コマンドを伝送するCECラインを含む。
【0021】
なお、接続ケーブル110は、HDMIケーブルに限るものではなく、DiiVA規格に準拠した接続ケーブルであっても良い。電源応答信号及び電源通知信号を伝送するライン、様々なデータを双方向で伝送するライン、データ及びパケットを伝送するラインを別々に有する接続ケーブルであれば、HDMIケーブル以外の接続ケーブルであってもよい。
【0022】
以下、カメラ100について説明する。
カメラ100は、CPU101、RAM102、記録媒体103、発振制御部104、音声出力制御部105、自動情報生成部106、固定情報生成部107、送信制御部108、コネクタ109を有する。
【0023】
CPU(Central Processing Unit)101は、カメラ100の動作の制御を行う。また、CPU101は、RAM102、記録媒体103、発振制御部104、音声出力制御部105、自動情報生成部106、固定情報生成部107及び送信制御部108を制御するための指示を出し、カメラ100全体の制御を行う。
【0024】
RAM102は、CPU101のワークエリアとして機能するメモリであり、記録媒体103より読み出した静止画像、動画像及び音声データ等を記憶するメモリである。なお、CPU101のワークエリアは、RAM102に限られるものではなく、ハードディスク装置等の外部記憶装置であってもよい。
【0025】
記録媒体103(メディア)は、静止画像や動画像等の映像データを記録する。なお、記録媒体103は、カメラ100に内蔵されたものであっても、カメラ100から取り外し可能なものであってもよい。また、記録媒体103には、静止画像や動画像の映像データ及び音声データ等が記録される。
【0026】
発振制御部104は、音声出力制御部105が音声データの再生を行うための処理を行う場合と、送信制御部108がテレビ120へ映像データ及び音声データの送信を行う場合に、音声データを再生するための基準となる原信号を生成する。また、カメラ100の不図示の表示部に映像データを表示させ、カメラ100の不図示のスピーカ部に音声データを出力する場合に、音声データを再生するための基準となる原信号の作成を行っている。
【0027】
音声出力制御部105は、発振制御部104より供給される音声データを再生するための基準となる原信号を入力として、音声データを再生するための音声再生クロック信号を作成し、作成した音声再生クロックを自動情報生成部106に供給する。また、音声出力制御部105は、音声再生クロックに同期してRAM102より音声データを読み出して送信制御部108に供給する。
【0028】
自動情報生成部106は、発振制御部104が送信制御部108に供給する送信基準信号と、音声出力制御部105が出力する音声データの周波数信号とに応じて演算を行う。そして、送信制御部108よりテレビ120へ音声データを送信する際に、音声データをテレビ120のスピーカ121に再生させるための音声出力パケット(音声出力情報)を含む補助データを生成する。なお、自動情報生成部106は、送信基準信号と、音声データの周波数信号とによって得られた演算結果に応じて音声出力パケットを生成し、送信制御部108は、自動情報生成部106によって生成された音声出力パケットをテレビ120に送信することができる。なお、音声出力パケットとは、HDMI規格におけるAudio InfoFrameである。
【0029】
固定情報生成部107は、音声出力制御部105が送信制御部108によってテレビ120に送信する音声データの周波数にかかわらず、CPU101によって指定された定数値により音声出力パケットを生成する。なお、固定情報生成部107は、CPU101より設定される定数値を固定値として音声出力パケットを生成し、送信制御部108は、固定情報生成部107によって生成された音声出力パケットをテレビ120に送信することができる。なお、音声出力パケットとは、送信制御部108よりTMDSライン113を介してテレビ120へ送信する音声データの周波数と、音声データと映像データとがともにテレビ120に送信されるときは、映像データと音声データとの同期をとるための情報を含む。
【0030】
送信制御部108は、発振制御部104より出力される基準信号をデータ出力時の送信クロックとして使用する。送信制御部108は、映像データ、音声データ及び音声出力パケットをTMDSライン113を介してテレビ120に送信する。なお、映像データは、記録媒体103から送信制御部108に供給されるデータである。また、音声データは、音声出力制御部105から送信制御部108に供給されるデータである。また、音声出力パケットは、自動情報生成部106、または固定情報生成部107から供給されるデータである。CPU101は、自動情報生成部106及び固定情報生成部107のいずれか一つから音声出力パケットが送信制御部108に供給されるように制御する。送信制御部108は、自動情報生成部106、または固定情報生成部107から送信制御部108に供給される音声出力パケットを送信クロックに同期させてTMDSライン113を介してテレビ120に送信する。コネクタ109はケーブル110との接点となる。
【0031】
カメラ100は、上記で説明した構成以外にも、静止画像及び動画像を撮影する撮像部、撮影した静止画像及び動画像を記録媒体103に書き込む記録部及び記録媒体103に記録されている静止画像及び動画像を再生する再生部を有するものとする。さらに、カメラ100は、再生された静止画像及び動画像を表示する表示部、音声データを出力するスピーカ及び静止画像や動画像の撮影や再生を指示するための操作部等を有するものとする。
なお、送信装置100は、映像データ及び音声データを送信できるものであれば、デジタルスチルカメラ以外にデジタルビデオカメラやDVDプレイヤ、レコーダ等であってもよい。また、送信装置100は、HDMI規格で規定されているSource機器としての機能を持つ機器であればよい。
【0032】
次に、テレビ120について説明する。
テレビ120はスピーカ121、RAM122、受信制御部123、発振制御部124、音声出力制御部125、コネクタ126を有し、他に図示されないCPUを有している。スピーカ121は、音声出力制御部より出力される音声データを音として鳴らす機能を備えている。
【0033】
RAM122は、テレビ120のワークバッファとなる。受信制御部123によって受信した映像データや音声データを蓄積しておくために使用する。受信制御部123はカメラ100が送信制御部108よりTMDSライン113を介して送信クロックに同期されて送信されてくる映像データ及び音声データを受信する。そして、送信クロックの解析、送信データの解析及び音声出力パケット等を含む補助データの解析を行い、RAM122に解析結果を格納する。
【0034】
発振制御部124は、音声出力制御部125の音声出力を行う際の基準信号を作成する他、テレビ120において映像出力する際の基準信号を作成し、各々に供給する。
【0035】
音声出力制御部125は、発振制御部124より入力される基準信号に応じて、音声データをスピーカ121で出力する際の音声再生クロックを作成する。音声データをスピーカ121で出力する際、音声出力制御部125は、作成した音声再生クロックに同期し、RAM122より音声データを読み出し、スピーカ121へと出力する。ただし、映像データと音声データとの双方がある場合については、映像データと音声データとを同期させ、映像データとの同期が完了した場合に音声データの出力を開始する。
【0036】
コネクタ126はケーブル110との接点となる。
テレビ120は、上記で説明した構成以外にも、テレビ放送を受信するチューナ部、テレビ放送または、カメラ100から受信した静止画像及び動画像を表示する表示部、静止画像及び動画像を表示部に再生するように制御する再生制御部を有するものとする。さらに、テレビ120は、音声データや映像データの再生を制御したり、音声データ及び映像データの送信をカメラ100に指示するための操作部等を有するものとする。
なお、受信装置120は、送信装置100から送信された映像データ及び音声データを受信し、受信した映像データを表示し、受信した音声データを出力するものであれば、テレビジョン受像機以外に、パーソナルコンピュータやプロジェクタ等であってもよい。また、受信装置120は、HDMI規格に規定されているSink機器としての機能を持つ機器であればよい。
【0037】
以上のように構成された第1の実施形態に係る通信システムにおいて、カメラ100によって行われる送信処理について説明する。
【0038】
カメラ100によって行われる送信処理は、以下に説明する3点の前提を考慮した処理である。
【0039】
第1の前提とは、カメラ100がテレビ120に映像データ及び音声データを送信する際、カメラ100から受信した映像データとカメラ100から受信した音声データとの同期がとれるまでテレビ120がカメラから受信した音声データを出力しないことである。この第1の前提は、カメラ100が映像データ及び音声データを同期させてテレビ120に送信する際、音声データ及び音声出力パケットのテレビ120への送信を停止し、音声データ及び音声出力パケットを再びテレビ120に送信する場合に起こる。カメラ100が所定時間4msを超えても、音声データ及び音声出力パケットの送信を再開しない場合、テレビ120は、音声データ及び音声出力パケットを再び受信しても、カメラ100から受信した映像データとの同期がとれるまで音声データを出力しない。所定時間4msとは、HDMI規格において許容されている時間である。
【0040】
第2の前提とは、HDMI規格に対応した映像データ及び音声データを含む、NTSC方式のビデオ信号を再生する際に、映像データのフレームレートと音声データの周波数との間に誤差が生じることである。このため、映像データと音声データとの同期を取るために数秒に一度端数が生じるのを吸収する必要があり、カメラ100とテレビ120とがHDMI接続した場合、カメラ100は、音声出力パケットをテレビ120に送信する必要がある。そこで、通常、カメラ100がHDMI規格に対応した映像データと音声データとをテレビ120に送信する場合、カメラ100は音声出力パケットを自動情報生成部106によって作成する。
【0041】
第3の前提とは、カメラ100がHDMIケーブル110を介して映像データと音声データをテレビ120に送信している場合、カメラ100が音声データの周波数を変更するとき、カメラ100は、テレビ120への映像データの送信を継続して行うことである。これにより、テレビ120がカメラ100から受信した映像データを表示している場合、テレビ120に表示されている映像データが途中で途切れることがないので、ユーザの視聴を妨げる状態を避けるようにする。
【0042】
以上に示す3つの前提条件を考慮すると、カメラ100は、テレビ120にHDMIケーブル110を介して映像データ及び音声データを送信する際、映像データ、音声データ及び音声出力パケットの出力信号の方式を順守することが必要となる。さらに、カメラ100は、音声データの周波数の変更を行う際、映像データ及び音声データ、音声出力パケットの送信を停止することなく継続して送信することが必要となる。
【0043】
以上に説明した3つの前提条件を考慮して、第1の実施形態において、カメラ100によって行われる送信処理について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
図2に示すように、S200における初期状態として、カメラ100とテレビ120はHDMIケーブル110により物理的及びHDMIの規格に従って通信の接続を確立する。この場合、カメラ100は、TMDSライン113を介して映像データ及び音声データをテレビ120に送信し、テレビ120は、カメラ100から受信した映像データを不図示の表示部に表示し、カメラ100から受信した音声データをスピーカ121で出力する。S200では、CPU101は、ユーザからカメラ100に対して再生を指示するための操作の受付を行う。なお、カメラ100に対して再生を指示するための操作は、テレビ120からCECラインを介してカメラ100に送信された再生を指示するためのCECコマンドによる操作でもよい。カメラ100に対して再生を指示するための操作が行われた場合、送信制御部108は、記録媒体103から読み出した映像データ及び音声データを、TMDSライン113を介してテレビ120に送信する。さらに、送信制御部108は、記録媒体103から読み出された音声データに応じて自動情報生成部106(第1の生成手段)で生成された音声出力パケットも映像データ及び音声データとともにTMDSライン113を介してテレビ120に送信する。カメラ100に対して再生を指示するための操作が行われた場合、本フローチャートはS200からS201に進む。なお、テレビ120は、カメラ100から受信した映像データを表示し、音声データを出力するモードのとき、カメラ100から送信された映像データを表示し、自動情報生成部106で生成された音声出力パケットに応じて音声データをスピーカ121で出力する。
【0044】
S201では、CPU101において、現在再生を行っている音声データの周波数(第1の周波数)が異なる周波数(第2の周波数)に切り替えられた(変更された)か否かを判定する。CPU101によって、音声データの周波数が異なる周波数に切り替えられたと判定された場合、本フローチャートは、S201からS202に進む。音声データの周波数が異なる周波数に切り替えられた場合とは、例えば、再生される音声データが周波数48kHzの音声データから周波数44.1kHzの音声データに変更されるような場合である。また、再生される音声データが周波数44.1kHzの音声データから周波数48kHzの音声データに変更されるような場合も、音声データの周波数が切り替えられたことになる。CPU101によって、音声データの周波数が切り替えられたと判定されなかった場合、本フローチャートは、S201からS210に進み、送信処理は終了する。
【0045】
S202において、CPU101は、音声出力制御部105が送信制御部108に供給する音声データに対してミュート処理を行う。これにより、送信制御部108がTMDSライン113を介してテレビ120へ送信する音声データは無音となる。また、このミュート処理により、音声出力制御部105は、ノイズを含む音声データを送信制御部108に供給したとしても、カメラ100から送信された音声データがテレビ120のスピーカ121において出力されることを防止することができる。なお、この場合、テレビ120は、カメラ100から受信した映像データを表示し、カメラ100でミュート処理が行われた音声データをスピーカ121で出力する。
【0046】
なお、S202でのミュート処理中においても音声データは送信制御部108より無音状態のままTMDSライン113を介してテレビ120に送信されるが、音声データの周波数の切り替えが行われている状態であるため、無音となることに弊害はない。S202で、CPU101が音声データに対してミュート処理を行った場合、本フローチャートは、S202からS203に進む。
【0047】
S203では、CPU101は、切り替えられた後の音声データの周波数に対応する音声出力パケットに含まれる情報を算出する。音声出力パケットに含まれる情報とは、切り替えられた後の音声データの周波数に対応する定数値である。この定数値は、音声データの周波数毎に定数値が定まっている。CPU101によって、切り替えられた後の音声データの周波数に対応する定数値が算出された場合、本フローチャートはS203からS204に進む。
【0048】
S204では、CPU101は、S203で算出した定数値を固定情報生成部107に設定し、定数値(所定値)によってテレビ120に送信する音声出力パケットを生成する。CPU101によって、音声出力パケットが生成された場合、本フローチャートはS204からS205に進む。
【0049】
S205では、CPU101は、送信制御部108によってテレビ120に送信する音声出力パケットを、S204によって固定情報生成部107(第2の生成手段)で生成された音声出力パケットに変更するように制御する。これにより、テレビ120に送信する音声出力パケットを、切り替えられた後の音声データの周波数に対応する固定の定数値によって生成した情報を含む音声出力パケットに設定する。CPU101によって、音声出力パケットの設定が行われた場合、本フローチャートはS205からS206に進む。
【0050】
S206では、CPU101は、テレビ120に送信する音声データの周波数の切り替えを行うために、発振制御部104から音声出力制御部105に供給する基準信号の周波数を切り替える処理を行う。発振制御部104が基準信号の周波数の切り替えを行っている間、CPU101は、S204によって固定情報生成部107で生成された音声出力パケットを送信制御部108よってテレビ120に送信するように制御する。CPU101によって、音声出力パケットがテレビ120に送信されるように送信制御部108が制御された場合、本フローチャートはS206からS207に進む。なお、この場合、テレビ120は、カメラ100から受信した映像データを表示し、固定情報生成部107で生成された音声出力パケットに応じて、カメラ100でミュート処理が行われた音声データをスピーカ121で出力する。
【0051】
S207では、CPU101は、テレビ120に送信するために音声出力制御部105において、周波数が切り替えられている音声データのクロック出力が安定したか否かを自動情報生成部106で演算した結果に応じて判断する。CPU101は、自動情報生成部106の自動演算結果とS203で演算した定数値との差の絶対値が所定の誤差範囲以内に入っているかによって判断する。なお、所定の誤差範囲とは、任意に設定される値である。CPU101が、自動情報生成部106の自動演算結果とS203で演算した定数値との差の絶対値が誤差範囲内に入っていると判定した場合、音声出力制御部105の周波数を切り替えた後の音声データが安定したとみなす。この場合、CPU101は、音声出力パケットを自動生成状態に戻す処理を行う必要がある。CPU101によって、自動情報生成部106の自動演算結果とS203で演算した定数値との差の絶対値が誤差範囲内に入っていると判定された場合、本フローチャートは、S207からS208に進む。CPU101が、自動情報生成部106の自動演算結果とS203で演算した定数値との差の絶対値が誤差範囲内に入っていないと判定した場合、音声出力制御部105の周波数を切り替えた後の音声データが安定していないとみなす。この場合、本フローチャートは、S207からS207に戻る。
【0052】
S208では、CPU101は、送信制御部108によってテレビ120に送信される音声出力パケットを、自動情報生成部106において生成された音声出力パケットに変更するように制御する。CPU101によって、自動情報生成部106において生成された音声出力パケットが送信制御部108によりテレビ120に送信されるように制御された場合、本フローチャートはS208からS209に進む。この場合、テレビ120は、カメラ100から受信した映像データを表示し、自動情報生成部106で生成された音声出力パケットに応じて、カメラ100でミュート処理が行われた音声データをスピーカ121で出力する。
【0053】
S209では、CPU101は、音声出力制御部105より送信制御部108に供給される音声データに対して行っていたミュート処理を解除する。これにより、ミュート処理が解除された音声データが音声出力制御部105よって送信制御部108に供給され、送信制御部108によって音声データがTMDSライン113を介してテレビ120に送信されるようになる。なお、CPU101は、送信制御部108によってテレビ120に送信される音声出力パケットが、固定情報生成部107で生成された音声出力パケットから自動情報生成部106において生成された音声出力パケットに変更されるとき、ミュート処理の解除を行う。CPU101によって、音声データのミュート処理の解除が行われた場合、本フローチャートはS209からS210に進み、送信処理は終了する。この場合、テレビ120は、カメラ100から受信した映像データを表示し、自動情報生成部106で生成された音声出力パケットに応じて、カメラ100でミュート処理が解除された音声データをスピーカ121で出力する。なお、送信制御部108が映像データをテレビ120に送信している場合、CPU101によってS201からS210までの処理が行われたとしても、送信制御部108によるテレビ120への映像データの送信は中断されずに継続して行われる。
【0054】
以上の送信処理を行うことによって、カメラ100は、音声データの周波数が切り替えられたとしても、音声データ及び音声出力パケットをテレビ120に送信しない時間が所定時間4msを超えないようにすることができる。そのため、音声データの周波数が切り替えられたとしても、テレビ120が音声データ及び音声出力パケットを受信できない時間が所定時間4msを超えるような事態を減少させることができる。このため、テレビ120は、音声データ及び音声出力パケットを受信した場合、映像データと音声データとの同期を取る必要がなくなり、映像データと音声データとの同期がとれるまで音声データをスピーカ121に出力しないという事態が解消される。
【0055】
このように、第1の実施形態にかかるカメラ100は、テレビ120に映像データ及び音声データを送信する場合、送信する音声データの周波数が変更されている間、固定情報生成部107において生成された音声出力パケットをテレビ120に送信するようにした。これによって、テレビ120に送信するための音声データの周波数が変更された後の音声データが安定するまでの間、テレビ120への音声出力パケットの送信を停止しないようにした。これにより、テレビ120は、カメラ100から周波数の切り替えられた後の音声データを受信したとしても、映像データと音声データとの同期をとることなく、映像データの表示とともに音声データを再生することができる。
【0056】
したがって、カメラ100は、音声データ及び音声出力パケットをテレビ120に送信し続けることができるので、音声データの再生をテレビ120に停止させないようにすることができる。このため、カメラ100がテレビ120に送信する音声データの周波数が変更される場合であっても、ユーザは、カメラ100で生成された音声データが途切れることなく、テレビ120によって視聴できる。
【0057】
また、カメラ100は、テレビ120に送信する音声データの周波数が変更されている間、音声データにミュート処理を行うようにした。これによって、カメラ100は、周波数の変更に伴うノイズを含む音声データがテレビ120で再生されることを防ぐことができる。
【0058】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0059】
100 画像送信装置
101 CPU
102 RAM
103 記録媒体(メディア)
104 発振制御部
105 音声出力制御部
106 自動情報生成部
107 固定情報生成部
108 送信制御部
109 コネクタ
110 接続ケーブル
111 電源情報ライン
112 能力情報ライン
113 データ通信ライン
120 受信装置
121 スピーカ
122 RAM
123 受信制御部
124 発振制御部
125 音声出力制御部
126 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に映像データ、音声データ及び前記外部装置に音声データを再生させるための音声出力情報を送信する送信手段と、
前記音声データの周波数が第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第1の周波数と異なる第2の周波数に変更されるか否かを判定する判定手段と、
前記音声データの周波数に応じて前記音声出力情報を生成する第1の生成手段と、
前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更される場合に、前記第2の周波数に対応する所定値に応じて前記音声出力情報を生成する第2の生成手段と、
前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されていないとき、前記第1の生成手段によって生成された前記音声出力情報を前記外部装置に送信するように前記送信手段を制御する制御手段と、
前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されるとき、前記第2の生成手段によって生成された前記音声出力情報を前記外部装置に送信するように前記送信手段を制御することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されるとき、前記制御手段は、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されるまでの間、前記第1の生成手段によって生成された前記音声出力情報を前記外部装置に送信することなく、前記第2の生成手段によって生成された前記音声出力情報を前記外部装置に送信するように前記送信手段を制御すること特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記送信手段によって前記外部装置に送信される前記音声データを無音にするためのミュート処理を行うミュート処理手段を有し、
前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されるとき、前記ミュート処理手段は、前記音声データに対して前記ミュート処理を行い、
前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更された後、前記ミュート処理手段は、前記音声データに対して前記ミュート処理を行わないようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されるとき、前記制御手段は、前記外部装置への前記映像データの送信を停止しないように前記送信手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記音声データの周波数が前記第1の周波数である場合に、前記音声データの周波数が前記第1の周波数から前記第2の周波数に変更されるとき、前記制御手段は、前記外部装置への前記音声データの送信を停止しないように前記送信手段を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記送信手段は、HDMI規格に準拠することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の送信装置。

【図1】
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【図2】
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