説明

送液ポンプ及び該ポンプによる送液方法

【課題】 ポンプ室内に僅かな気泡も残留させることなく液体を導入することができる送液ポンプを提供する。
【解決手段】 プランジャ貫通孔を有するシール部材を下端部に有するポンプヘッドと、前記シール部材を一端として前記ポンプヘッド内部で該シール部材と反対方向に延伸されたポンプ室と、前記ポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された液体流入口と、前記液体流入口と反対側のポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された第1の液体流出口と、前記シール部材と反対方向のポンプ室上端部に配設された第2の液体流出口と、前記プランジャ貫通孔を通して前記ポンプ室内に挿入され、ポンプ室内を上下方向に進退運動するプランジャと、前記プランジャを進退運動させるためのプランジャ駆動機構とを有する送液ポンプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマイクロ流体チップへ微量の液体を送液するために使用される送液ポンプに関する。更に詳細には、本発明はマイクロ流体チップのマイクロチャネルなどへ微量の液体を送液するために使用されるプランジャ式の送液ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、マイクロ・トータル・アナリシス・システムズ(μTAS)又はラブ・オン・チップ(Lab-on-Chip)などの名称で知られるように、基板内に所定の形状の流路を構成するマイクロチャネル及びポートなどの微細構造を設け、該微細構造内で物質の化学反応、合成、精製、抽出、生成及び/又は分析など各種の操作を行うことが提案され、一部実用化されている。このような目的のために製作された、基板内にマイクロチャネル及びポートなどの微細構造を有する構造物は総称してマイクロ流路チップとか、マイクロ流体チップ又はマイクロ化学チップなどと呼ばれる。
【0003】
マイクロ流路チップは遺伝子解析、臨床診断、薬物スクリーニング及び環境モニタリングなどの幅広い用途に使用できる。常用サイズの同種の装置に比べて、マイクロ流路チップは(1)サンプル及び試薬の使用量が著しく少ない、(2)分析時間が短い、(3)感度が高い、(4)現場に携帯し、その場で分析できる、及び(5)使い捨てできるなどの利点を有する。
【0004】
マイクロ流路チップ100の構造は種々提案されており、多層構造や複合構造と言った複雑な構造も存在するが、その構造の全体又は少なくともその一部において、図7に示されるような2枚の基板102及び108を貼り合わせた構造を有している。貼り合わせを行う必要性は、形成すべき微細なマイクロチャネル(流路)104や、液体貯留室及び/又は反応室を封止することにある。第1の基板102及び/又は第2の基板108の各貼り合わせ面側に、流路104、液体貯留室及び/又は反応室などを構成する元となる微細構造を有し、第1の基板と第2の基板を貼り合わせることにより、流体を流したり溜めておくことができる、流路、液体貯留室及び/又は反応室などが形成される。流路104の少なくとも一端には流体を送出入させるためのポート105が形成されている。用途に応じて、反対側の端部にもポート106を形成させることができる。
【0005】
ポート105を介してマイクロチャネル104に液体を送入するには、例えば、図8に示されるように、ポート105の開口部にアダプター114を配設し、このアダプター114に送液チューブ116を接続し、送液チューブ116を介して液体供給タンク(図示されていない)から送液する。この液体の送液のためにプランジャポンプが使用されることがある。
【0006】
プランジャポンプは高耐圧、高精度の送液ポンプとして、主に液体クロマトグラフの用途で技術進歩し、実用化されてきた。プランジャポンプの高精度化の一つの課題として、ポンプ室内の気泡の発生防止及び発生気泡の除去がある。ポンプ室内に気泡が付着し、その気泡が取り除けないと、送液精度が低下する原因となる。その気泡の発生防止及び発生気泡の除去対策として種々の装置が提案されている。例えば、ポンプ室内の死空間に残留又は発生する気泡を容易に除去できる送液ポンプが特開平9−292381号公報(特許文献1)に記載されており、また、新規な構造により気泡を容易に除去することができ、かつ、液体の置換性に優れたプランジャポンプが特開平9−126119号公報(特許文献2)に記載されている。
【0007】
図9(a)は特許文献1に記載された送液ポンプの構造を示す概要断面図である。ポンプヘッド118の内部には上下方向に延びた主に円柱状の空間からなるポンプ室120を有する。ポンプ室120には下方よりプランジャ122が挿入されており、このプランジャ122はプランジャ駆動機構124及びバネ126により上下方向に進退することができる。プランジャ122の断面形状はポンプ室120の断面形状と相似しているが、ポンプ室の内径よりも若干小さな外径を有する。ポンプ室120の下端にはシール機構128が配設され、プランジャ122の上下移動に対してポンプ室120が密閉性を保てるように構成されている。図示されているように、特許文献1に記載された送液ポンプでは、液体の流入口130をポンプ室120の下端寄りであって、シール機構128よりも上部のポンプ室側面に配設し、液体の流出口132をポンプ室120の上端部に配設している。これにより、ポンプ室の下方から上方に向かって液流が発生し易くなり、気泡が発生し難く、発生した気泡もプランジャのパージ動作で容易に除去できると説明されている。しかし、下方から上方に向かう液流は必ずしもポンプ室内壁面とプランジャ外周面との間に生じる空間全てに及ぶものではなく、図9(b)に示されるように、流入管路136の流入口130に対してプランジャ122の陰となる部分に気泡が発生し易く、また、この部分に発生した気泡は液流では取り除くことが困難である。仮に取り除かれたとしても、その気泡はポンプ室上端部の流出口132から流出管路134を経て送液ポンプ外へ出されるが、流出管路134が図8の送液チューブ116に接続されていれば、気泡は最終的にはマイクロ流路チップ100のマイクロチャネル104に送り出されることとなる。
【0008】
気泡発生防止のためにポンプ室内壁面とプランジャ外周面との間隔は極力狭く設計するが、ポンプ室内壁面とプランジャ外周面が接触すると、プランジャの移動に伴いゴミが発生するという別の問題がある。また、ポンプを構成する機構部品や組立精度の制限から、必ずしもポンプ室内壁面とプランジャ外周面との間隔を十分に狭くすることはできない。常識的には、ポンプ室内壁面とプランジャ外周面との間隔は約0.1mm(100μm)程度が妥当である。一方、マイクロ流路チップなどのマイクロチャネルの大きさは数10μm以下になる場合もあり、前記のようにポンプ室内に発生した気泡が取り除かれてポンプ室外へ送り出され、その結果、万一マイクロチャネルに侵入したら、マイクロチャネルが気泡により閉塞されるなどの重大な障害を引き起こすとが予想される。
【0009】
一方、特許文献2には、図10に示されるような、外部とポンプ室120内とを接続する流入管路136をプランジャ122’の内部に貫通して設けたプランジャポンプが記載されている。このポンプでは、流入管路136をプランジャ122’の内部に貫通して設けたことにより、ポンプ室120が袋小路とならないため、ポンプ室120内に入った気泡は液体の流れに沿って吐出液と一緒にポンプ外に排出される。このプランジャポンプでも、気泡はポンプ室120上端部の流出口132から流出管路134を経てポンプ外へ出されるので、送液ポンプがマイクロ流路チップに接続されていれば、気泡は最終的にはマイクロ流路チップに送り出されることとなる。
【0010】
また、特許文献2記載のプランジャポンプでも、ポンプ室内壁面とプランジャ外周面との隙間に生じる空間に液流を発生させることができない。図11は、プランジャ122’を吸引端(シール128側)に移動した状態で、プランジャ122’の吸引動作ではなく、別の送液手段(図示されていない)により液体をポンプ室120内に導入している様子を示す概要断面図である。プランジャ122’の移動精度の問題や、シール128がゴムなどの弾性材料で出来ていることなどから、プランジャ先端面は必ずしもシールの上端面と同一には出来ず、プランジャ122’はシール128上面から突出する。従って、僅かながらも、ポンプ室内壁面とプランジャ外周面との隙間に空間が生じ、そこの空気は液体の導入により押し出されることは無く、気泡として何時までも残留し、正確な送液を妨げることとなる。
【0011】
前記特許文献1及び特許文献2に記載されたポンプは主に液体クロマトグラフで使用されるものである。しかし、液体クロマトグラフの分析機器などと異なり、マイクロ流路チップに送液する場合、送液量は極微量で、一層高い送液精度を要求されることがある。マイクロ流路チップに送液する場合に用いられるポンプのプランジャやポンプ室は小型で、例えば、ポンプ室の内容積は100μL以下と極めて小さい場合もある。ポンプ室は空間と言うよりも、細長い管路に近く、こうした微小空間では、液体に及ぼされる力は重力より表面張力などの界面力が支配的となり、気泡が一層発生し易く、かつ、付着し易い傾向がある。従って、浮力により気泡が自然と上方へ抜けることはまず期待できない。
【0012】
送液を行う際、液体クロマトグラフでは数MPaから数10MPaという比較的高い圧力で使用する。一方、樹脂製のマイクロ流路チップなどでは、機械的強度の問題も関係し、数kPa程度の低圧で送液を行う場合も少なくない。よって、ポンプへの液体導入時にほぼ大気圧下で発生した気泡が、送液時に高い圧力によって体積が小さくなることは期待できない。
【0013】
マイクロ流路チップの用途では、送液流量は1μL/分以下と極めて微量の場合がある。よって、体積が1μLにも満たない微小な気泡でも送液精度に大きく影響する。
【0014】
液体クロマトグラフでは長時間、連続的に送液を行うため、プランジャを何度も往復移動させる。すなわち、ポンプ室内の液体の吸引・吐出を繰り返す。この過程で偶然に気泡が除去できる可能性がある。また、積極的にパージ動作(プランジャによる予備的な吸引・突出動作の繰り返し)を行い、気泡を除去することもできる。しかし、マイクロ流路チップの用途では、1回の吸引動作によりポンプ室内に溜めた僅かな液量だけで所望の試験が完了する場合も多い。マイクロ流路チップは極微量な溶液だけで各種の化学反応などが行える点が大きな特徴になっている。パージ動作などにより多くの溶液を無駄にすることは不経済かつ不合理であり、また、元々から用意される溶液が微量であるためパージ動作自体困難である。
【0015】
前記のように、従来のプランジャ式のポンプをマイクロ流路チップなどへの極微量送液に適用する場合、
(1)ポンプ室内に気泡が発生し易く、また取り除き難い、
(2)送液圧力により気泡の体積を小さくすることは期待出来ない、
(3)僅かな体積の気泡でも送液精度に影響する、
(4)溶液量の観点からパージ動作が行えず、1度の吸引動作で気泡無くポンプ室内を液体で満たすことが困難である、及び
(5)万一気泡がマイクロ流路チップに送出されるとマイクロチャネルを閉塞する恐れがある、
などの問題がある。
【特許文献1】特開平9−292381号公報
【特許文献2】特開平9−126119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、ポンプ室内に僅かな気泡も残留させることなく液体を導入することができる送液ポンプを提供することである。
本発明の別の目的は、前記送液ポンプによる送液方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するための手段として、本発明の請求項1の発明は、プランジャ貫通孔を有するシール部材を下端部に有するポンプヘッドと、前記シール部材を一端として前記ポンプヘッド内部で該シール部材と反対方向に延伸されたポンプ室と、前記ポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された液体流入口と、前記液体流入口と反対側のポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された第1の液体流出口と、前記シール部材と反対方向のポンプ室上端部に配設された第2の液体流出口と、前記プランジャ貫通孔を通して前記ポンプ室内に挿入され、ポンプ室内を上下方向に進退運動するプランジャと、前記プランジャを進退運動させるためのプランジャ駆動機構とを有する送液ポンプである。
【0018】
この発明によれば、液体流入口に対してプランジャの陰となる部分に気泡が発生しても、この気泡は液体流入口と反対側の第1の液体流出口から液体と共にポンプ室外へ簡単に除去、排出させることができる。
【0019】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項2の発明は、前記液体流入口は途中に第1の開閉弁を有する液体流入管路の一方の端部に接続され、前記第1の液体流出口は途中に第2の開閉弁を有する第1の液体流出管路の一方の端部に接続され、前記第2の液体流出口は途中に第3の開閉弁を有する第2の液体流出管路の一方の端部に接続されている請求項1記載の送液ポンプである。
【0020】
この発明によれば、各開閉弁の開閉動作を連係させることによりポンプ室内に発生した気泡を第2の液体流出管路から送液対象物(例えば、マイクロ流路チップ等)に送ることなく、第1の液体流出管路から効果的に除去、排出させることができる。
【0021】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項3の発明は、前記液体流入管路の他方の端部は溶液供給タンクに接続され、前記溶液供給タンクと前記第1の開閉弁との間に液体導入ポンプを有し、前記第1の液体流出管路の他方の端部は前記溶液供給タンク又は廃液タンクに接続され、前記第2の液体流出管路の他方の端部は送液対象物に接続されている請求項2記載の送液ポンプである。
【0022】
この発明によれば、気泡を除去するために流された液体を無駄にすることなく再使用することができる。
【0023】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項4の発明は、前記液体流入管路の他方の端部は溶液が充填されたシリンジに接続され、前記第1の液体流出管路の他方の端部は廃液タンクに接続され、前記第2の液体流出管路の他方の端部は送液対象物に接続されている請求項2記載の送液ポンプである。
【0024】
この発明によれば、溶液供給タンク及び液体導入ポンプの代わりに溶液充填シリンジを使用することにより送液ポンプ全体の構成を簡略化することができるばかりか、高価な液体導入ポンプを省略することにより送液ポンプ全体のコストも低減できる。
【0025】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項5の発明は、前記第3の開閉弁が三方弁であり、一方の弁出口には送液対象物へ至る第2の液体流出管路が接続され、他方の弁出口には溶液供給タンク又は廃液タンクに至る第3の液体流出管路が接続されている請求項2記載の送液ポンプである。
【0026】
この発明によれば、ポンプ室上部の気体を第2の液体流出口及び第2の液体流出管路から追い出しながらポンプ室内に液体を満たして行く際に、余分な気体を送液対象物に送ることなく、三方弁により第3の液体流出管路から廃液タンク又は溶液供給タンクへ逃がすことができる。
【0027】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項6の発明は、前記液体流入口及び第1の液体流出口は、前記プランジャのシール部材上面からの最小突出高さに対応する高さ位置に配設されている請求項1記載の送液ポンプである。
【0028】
この発明によれば、プランジャはシール部材の貫通孔内部にまで下降することはなく、必ずシール上面から僅かではあるがプランジャ先端部が突出する。このプランジャ先端部の突出部分周囲に気泡が多く発生するが、プランジャ先端部の突出高さに対応する位置に液体流入口及び第1の液体流出口が配設されているため、プランジャ先端部の突出部分周囲に発生した気泡は液体流入口から入ってくる液体により第1の液体流出口からポンプ室外へ極めて簡単に排出、除去することができる。
【0029】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項7の発明は、プランジャ貫通孔を有するシール部材を下端部に有するポンプヘッドと、前記シール部材を一端として前記ポンプヘッド内部で該シール部材と反対方向に延伸されたポンプ室と、前記ポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された液体流入口と、前記液体流入口と反対側のポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された第1の液体流出口と、前記シール部材と反対方向のポンプ室上端部に配設された第2の液体流出口と、前記プランジャ貫通孔を通して前記ポンプ室内に挿入され、ポンプ室内を上下方向に進退運動するプランジャと、前記プランジャを進退運動させるためのプランジャ駆動機構とを有し、
前記液体流入口は途中に第1の開閉弁を有する液体流入管路の一方の端部に接続され、液体流入管路の他方の端部は溶液供給タンクに接続され、かつ、溶液供給タンクと第1の開閉弁との間に液体導入ポンプを有し、
前記第1の液体流出口は途中に第2の開閉弁を有する第1の液体流出管路の一方の端部に接続され、第1の液体流出管路の他方の端部は、液体供給タンク及び廃液タンクからなる群から選択される何れかのタンクに接続され、
前記第2の液体流出口は途中に第3の開閉弁を有する第2の液体流出管路の一方の端部に接続され、第2の液体流出管路の他方の端部は送液対象物へ接続されている送液ポンプによる送液方法であって、
(1)第1の開閉弁25と第2の開閉弁27を開き、第3の開閉弁29を閉じ、
(2)液体導入ポンプを作動させて、溶液供給タンクから液体をポンプ室に送液し、液体の先端が第2の開閉弁の下流に到達した後、液体導入ポンプの動作を停止させ、
(3)第1の開閉弁と第3の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じて、液体導入ポンプを再度作動させ、
(4)液体の先端が第3の開閉弁の下流、更には送液対象物の所望の位置にまで到達したら、液体導入ポンプを停止し、第1の開閉弁と第3の開閉弁29を閉じ、
(5)第3の開閉弁29を開き、プランジャ駆動機構によりプランジャを吐出動作させ、ポンプ室内の液体を送液対象物内に加圧送入することからなる送液方法である。
【0030】
この発明によれば、第1の開閉弁、第2の開閉弁及び第3の開閉弁の開閉動作を連係させることにより、ポンプ室の閉じられた容積内に、最初に液体を気泡無く満たすことができ、その結果、送液対象物にも気泡無く液体のみを送液することができる。
【0031】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項8の発明は、前記第1の液体流出管路の他方の端部は溶液供給タンクに接続されている送液ポンプによる送液方法であって、前記ステップ(2)において、液体の先端が第1の液体流出管路を満たし、溶液供給タンクに到達するまで液体導入ポンプの動作を継続させ、その後停止させることからなる請求項7記載の送液方法である。
【0032】
この発明によれば、液体をポンプ室に再導入する時には、第1の開閉弁と第3の開閉弁を閉じ、第2の開閉弁を開いてプランジャを吸引動作(すなわち、下降動作)させるとポンプ室の内部は陰圧になるので、溶液供給タンク内の溶液は第1の液体流出管路からポンプ室に吸引される。第1の液体流出管路17内には、もはや気体や気泡が存在しないため、ポンプ室7内に気泡を引き込む心配が無い。従って、液体導入ポンプは最初にポンプ室内に液体を充満をさせるために使用されるが、2度目からは必ずしも液体導入ポンプを使用する必要性がなくなる。
【0033】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項9の発明は、前記第3の開閉弁が三方弁であり、一方の弁出口には送液対象物へ至る第2の液体流出管路が接続され、他方の弁出口には、溶液供給タンク及び廃液タンクからなる群から選択される何れかのタンクに至る第3の液体流出管路が接続されていることからなる送液ポンプによる請求項7記載の送液方法である。
【0034】
この発明によれば、ポンプ室上部の気体を第2の液体流出口及び第2の液体流出管路から追い出しながらポンプ室内に液体を満たして行く際に、余分な気体を送液対象物に送ることなく、三方弁により第3の液体流出管路から廃液タンク又は溶液供給タンクへ逃がすことができる。
【0035】
前記課題を解決するための手段として本発明の請求項10の発明は、前記ステップ(2)において、プランジャを吸引端にまで下降させてから、液体導入ポンプを作動させることからなる請求項7記載の送液方法である。
【0036】
この発明によれば、プランジャをこの状態にしてから液体導入ポンプを作動させるのが気泡発生防止には最も好ましい。
【発明の効果】
【0037】
本発明の送液ポンプ及び送液方法によれば、小型・高性能のプランジャ式ポンプのポンプ室内に万一気泡が発生しても、これら気泡を極めて簡単にポンプ室外へ排出、除去することができ、発生した気泡を除去してからポンプ室内に液体を充満させることにより、マイクロ流路チップなどの微細流路構造を有する送液対象物に対して、高精度かつ高信頼性の送液を可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1は本発明の送液ポンプの基本的構成を示す概要断面図である。図2は図1に示された送液ポンプの好ましい管路構成の一例を示す概要図である。図3は図1におけるIII-III線に沿った概要断面図である。図4は本発明の送液ポンプの或る運転状態を示す概要断面図である。図5は図2に示された管路構成の別の実施態様の部分概要図である。図6は本発明の送液ポンプを実際的に運転するための好ましい構成例を示す概要図である。
【0039】
図1を参照する。図1は本発明の送液ポンプ1の基本的構成を示す。本発明の送液ポンプ1は基本的にポンプヘッド3と、その下部にプランジャ駆動機構5とを有する。ポンプヘッド3の内部にはポンプ室7が長手方向に延伸して配設されている。ポンプ室7の下端にはシール部材9が配設されている。シール部材9には貫通孔が設けられており、この貫通孔内にプランジャ11が挿入されている。プランジャ11はプランジャ駆動機構5によりポンプ室7の内部を上下方向に進退することができるように構成されている。ポンプヘッド3の側面下方寄りには液体流入管路13が接続されており、この液体流入管路13はポンプ室7の内壁面の液体流入口15に連通している。液体流入管路13の反対側のポンプヘッド3の側面下方寄りには第1の液体流出管路17が接続されており、この第1の液体流出管路17はポンプ室7の内壁面の第1の液体流出口19に連通している。従って、液体流入口15と第1の液体流出口19は180゜の位置関係で配置されており、液体流入口15と第1の液体流出口19は同じ高さ位置に存在することが好ましい。更に、ポンプヘッド3の上面には第2の液体流出管路21が接続されており、この第2の液体流出管路21はポンプ室7の天井面の第2の液体流出口23に連通している。
【0040】
図1に示される本発明の送液ポンプ1で使用されるシール部材9自体は当業者に公知であり、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されるような慣用のシール部材を使用することができる。シール部材9は例えば、テフロン(登録商標)などのような撥水性合成樹脂から形成することもできるし、その他の材料からなるシール部材も当然使用可能である。
【0041】
図1に示される本発明の送液ポンプ1で使用されるプランジャ駆動機構5自体は当業者に公知であり、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されるような慣用のプランジャ駆動機構を使用することができる。また、プランジャ駆動機構5として、カムと弾発手段(例えば、バネ)とからなる駆動機構、ステッピングモータからなるロータリーアクチュエーターからなる駆動機構、水圧又は油圧シリンダからなる駆動機構、エアーシリンダーからなる駆動機構など任意の往復運動可能な駆動機構を使用することもできる。
【0042】
図2は図1に示された送液ポンプの好ましい管路構成の一例を示す概要図である。液体流入管路13の途中には第1の開閉弁25が配設されており、第1の液体流出管路17の途中には第2の開閉弁27が配設されており、第2の液体流出管路21の途中には第3の開閉弁29が配設されている。液体流入管路13の一方の端部は溶液供給タンク33(図2参照)に接続されており、溶液供給タンク33と第1の開閉弁との間に液体導入ポンプ31が配設されている。液体導入ポンプ31としては、チューブポンプ、ギヤポンプ又はダイアフラムポンプなどを用いることができる。液体導入ポンプ31は送液ポンプ1のポンプ室7に数秒から数分程度で液体を満たすだけの流量能力があればよい。液体導入ポンプ31はプランジャ式ポンプに比較して、流量精度は低くてよく、脈流などがあってもよい。従って、安価なポンプが使用できる。別法として、溶液供給タンク及び液体導入ポンプの代わりに、注射器(シリンジ)などを使用することもできる。第1の液体流出管路17の終端は例えば、廃液タンク35(図2参照)などに接続することができる。別法として、第1の液体流出管路17の終端を溶液供給タンク33に接続することもできる。また、第2の液体流出管路21の終端は例えば、マイクロ流路チップ等の送液対象物(図示されていない)に接続される。
【0043】
図2に示されるような管路構成を有する本発明の送液ポンプ1による液体導入手順について説明する。
(1)先ず、第1の開閉弁25と第2の開閉弁27を開き、第3の開閉弁29を閉じる。
(2)プランジャ11が最下端(すなわち、吸引端)にまで下降されていることを確認してから、液体導入ポンプ31を作動させて、溶液供給タンク33から液体37をポンプ室7に送液する。この液体導入ポンプ31の動作に伴い、元々液体流入管路13や液体導入ポンプ31内及び第1の開閉弁25内に入っていた気体(通常は空気)はポンプ室7を経て第1の液体流出管路17を通して追い出される。最終的に、図3に示すように、ポンプ室7の下部において、液体37はプランジャ11の周囲を回り込むようにして、液体流入口15と反対側に設けられた第1の液体流出口19へと液流を発生するようになる。液体37が第2の開閉弁27の内部を満たし、液体37の先端が第2の開閉弁27を通過するまで液体導入ポンプ31の動作を継続させ、その後停止させる。これにより、最も気体が残り易く、すなわち気泡が発生し易いポンプ室7の下部(特に、プランジャ11の液体流入口15の反対側外周面)において、気泡の存在無く、ポンプ室7に液体を満たすことができる。
(3)続いて、第1の開閉弁25と第3の開閉弁29を開き、第2の開閉弁27を閉じて、液体導入ポンプ31を再度作動させる。この時、図4に示すように、ポンプ室7の下部に満たされた液体37はポンプ室7の上部に気体を第2の液体流出口23を通して第2の液体流出管路21に追い出しながらポンプ室7を満たしていく。この際、余分な気体を送液対象物(例えば、マイクロ流路チップ等)へ流したくない場合、第3の開閉弁の下流に適当な切替弁などを設けて、適宜別管路へ排出することもできるし、或いは、図5に示されるように、第3の開閉弁29に三方弁を使用し、気体を第3の流出管路(廃液管路)39に逃がすように三方弁を切り換える。第3の開閉弁29の内部が液体37で満たされたら、再び三方弁を切り換え、本流の第2の液体流出管路21に液体を流すようにする。第3の流出管路(廃液管路)39の終端は溶液供給タンク33又は廃液タンク35の何れかに接続することができる。第3の流出管路(廃液管路)39はポンプ室内の液体を置換する際にも使用できる。
(4)液体37の先端が第3の開閉弁29の下流、更には送液対象物の所望の位置にまで到達したら、液体導入ポンプ31を停止し、第1の開閉弁25と第3の開閉弁29を閉じる。以上の操作により、ポンプ室7を中心に、第1の開閉弁25,第2の開閉弁27及び第3の開閉弁29によって閉じられた容積内に気泡が全く存在すること無く液体を満たすことができる。前記の説明では、操作開始時点でプランジャ11を吸引端(最もシール部材9側に近い位置に移動させた状態)に位置させたが、この状態が気泡発生防止には最も好ましい。しかし、所望により、前記の操作手順の何れかのタイミングでプランジャを吸引端に移動させることもできる。
(5)前記のようにポンプ室7への液体37の導入が完了したら、第1の開閉弁25と第2の開閉弁27を閉じ、第3の開閉弁29を開き、プランジャ駆動機構5でプランジャ11を吐出動作(すなわち、上昇動作)させることにより、送液対象物(例えば、マイクロ流路チップのマイクロチャネル)に液体を加圧送入することができる。
【0044】
なお、前記の液体導入の手順は、第1の開閉弁25、第2の開閉弁27及び第3の開閉弁29の連係動作に依って、閉じられたポンプ室容積内に最初に液体を気泡を伴うこと無く満たすときに必要な手順であり、一旦ポンプ室内に液体が充満され、かつ、ポンプ室内に気泡が存在しない場合には、2度目以降は必ずしも液体導入ポンプ31を動作させる必要は無い。すなわち、プランジャ11の吸引動作だけでも液体をポンプ室内に再導入することができる。
【0045】
プランジャ11の吸引動作だけで液体をポンプ室内に再導入する管路構成の一例を図6に示す。図6に示された構成では、第1の液体流出管路17を廃液タンクではなく、溶液供給タンク33に戻すように配管する。この場合、第1の液体流出管路17の終端は溶液供給タンク33の液面レベル以下、すなわち溶液内に浸漬されるように配置されなければならない。図6に示された管路構成を使用する場合、前記の液体導入手順(2)において、液体37の先端が第1の液体流出管路17を満たし、溶液供給タンク33に到達するまで液体導入ポンプ31の動作を継続させ、その後停止させる。これにより、液体37をポンプ室7に再導入する時には、第1の開閉弁25と第3の開閉弁29を閉じ、第2の開閉弁27を開いてプランジャ11を吸引動作(すなわち、下降動作)させればよい。プランジャ11を吸引動作させるとポンプ室7の内部は陰圧になるので、溶液供給タンク33内の溶液37は第1の液体流出管路17からポンプ室7に吸引される。第1の液体流出管路17内には、もはや気体や気泡が存在しないため、ポンプ室7内に気泡を引き込む心配が無い。
【0046】
図6に示された管路構成では、液体導入ポンプ31として、小型で送液流量が小さいポンプや低寿命のポンプが使用できる。すなわち、最初の液体導入時には流量が小さいと液体の導入に時間を必要とするが、2回目以降の液体再導入時は、送液ポンプ1の吸引速度で液体を導入することができる。また、無気泡の液体導入は、溶液を交換したり、配管の洗浄を行った後に一度だけ必要なだけであり、本発明の送液ポンプ1に比較して、チューブポンプ(このポンプはチューブが消耗しやすいことで知られている)などの低寿命のポンプを液体導入ポンプ31として使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上、本発明の送液ポンプの好ましい実施態様について具体例を挙げて説明してきたが、本発明の送液ポンプは図示された実施態様にのみ限定されるものではない。図示された実施態様は本発明の送液ポンプの管路構成の一例であり、例えば、必ずしも第2の流出管路21から吐出送液を行う必要は無く、場合によっては、第1の流出管路17から送液対象物へ送液できるように管路構成することもできる。
【0048】
本発明の送液ポンプはμTASの領域だけでなく、高速液体クロマトグラフなどの高精度の送液制御が求められる機器分析分野でも広範に使用することができる。従って、本発明の送液ポンプは医学、獣医学、歯科学、薬学、生命科学、食品、農業、水産、警察鑑識など様々な分野で好適に有効利用することができる。特に、本発明の送液ポンプは、蛍光抗体法、in situ Hibridization等におけるマイクロ流路チップへの送液制御手段として、免疫疾患検査、細胞培養、ウィルス固定、病理検査、細胞診、生検組織診、血液検査、細菌検査、タンパク質分析、DNA分析、RNA分析などの広範な領域で安価に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の送液ポンプの基本的構成を示す概要断面図である。
【図2】図1に示された送液ポンプの好ましい管路構成の一例を示す概要図である。
【図3】図1におけるIII-III線に沿った概要断面図である。
【図4】本発明の送液ポンプの或る運転状態を示す概要断面図である。
【図5】図2に示された管路構成の別の実施態様の部分概要図である。
【図6】本発明の送液ポンプを実際的に運転するための好ましい構成例を示す概要図である。
【図7】(a)は従来技術によるマイクロ流路チップの一例の平面図であり、(b)は(a)におけるb−b線に沿った断面図である。
【図8】図7に示されたマイクロ流路チップのマイクロチャネルへ液体を送入するための従来技術の一例を示す概要断面図である。
【図9】(a)は特許文献1に記載された送液ポンプの部分概要断面図であり、(b)は該送液ポンプのポンプ室内に液体が充満される状態を説明する概要図である。
【図10】特許文献2に記載されたプランジャポンプの部分概要断面図である。
【図11】図10に示されたプランジャポンプのポンプ室内にプランジャの往復動作によらずに液体が充満される状態を説明する概要図である。
【符号の説明】
【0050】
1 本発明の送液ポンプ
3 ポンプヘッド
5 プランジャ駆動機構
7 ポンプ室
9 シール部材
11 プランジャ
13 液体流入管路
15 液体流入口
17 第1の液体流出管路
19 第1の液体流出口
21 第2の液体流出管路
23 第2の液体流出口
25 第1の開閉弁
27 第2の開閉弁
29 第3の開閉弁
31 液体導入ポンプ
33 溶液供給タンク
35 廃液タンク
37 液体
39 第3の液体流出管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランジャ貫通孔を有するシール部材を下端部に有するポンプヘッドと、前記シール部材を一端として前記ポンプヘッド内部で該シール部材と反対方向に延伸されたポンプ室と、前記ポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された液体流入口と、前記液体流入口と反対側のポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された第1の液体流出口と、前記シール部材と反対方向のポンプ室上端部に配設された第2の液体流出口と、前記プランジャ貫通孔を通して前記ポンプ室内に挿入され、ポンプ室内を上下方向に進退運動するプランジャと、前記プランジャを進退運動させるためのプランジャ駆動機構とを有する送液ポンプ。
【請求項2】
前記液体流入口は途中に第1の開閉弁を有する液体流入管路の一方の端部に接続され、前記第1の液体流出口は途中に第2の開閉弁を有する第1の液体流出管路の一方の端部に接続され、前記第2の液体流出口は途中に第3の開閉弁を有する第2の液体流出管路の一方の端部に接続されている請求項1記載の送液ポンプ。
【請求項3】
前記液体流入管路の他方の端部は溶液供給タンクに接続され、前記溶液供給タンクと前記第1の開閉弁との間に液体導入ポンプを有し、前記第1の液体流出管路の他方の端部は前記溶液供給タンク又は廃液タンクに接続され、前記第2の液体流出管路の他方の端部は送液対象物に接続されている請求項2記載の送液ポンプ。
【請求項4】
前記液体流入管路の他方の端部は溶液が充填されたシリンジに接続され、前記第1の液体流出管路の他方の端部は廃液タンクに接続され、前記第2の液体流出管路の他方の端部は送液対象物に接続されている請求項2記載の送液ポンプ。
【請求項5】
前記第3の開閉弁が三方弁であり、一方の弁出口には送液対象物へ至る第2の液体流出管路が接続され、他方の弁出口には溶液供給タンク又は廃液タンクに至る第3の液体流出管路が接続されている請求項2記載の送液ポンプ。
【請求項6】
前記液体流入口及び第1の液体流出口は、前記プランジャのシール部材上面からの最小突出高さに対応する高さ位置に配設されている請求項1記載の送液ポンプ。
【請求項7】
プランジャ貫通孔を有するシール部材を下端部に有するポンプヘッドと、前記シール部材を一端として前記ポンプヘッド内部で該シール部材と反対方向に延伸されたポンプ室と、前記ポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された液体流入口と、前記液体流入口と反対側のポンプ室側面であって前記シール部材上面側に配設された第1の液体流出口と、前記シール部材と反対方向のポンプ室上端部に配設された第2の液体流出口と、前記プランジャ貫通孔を通して前記ポンプ室内に挿入され、ポンプ室内を上下方向に進退運動するプランジャと、前記プランジャを進退運動させるためのプランジャ駆動機構とを有し、
前記液体流入口は途中に第1の開閉弁を有する液体流入管路の一方の端部に接続され、液体流入管路の他方の端部は溶液供給タンクに接続され、かつ、溶液供給タンクと第1の開閉弁との間に液体導入ポンプを有し、
前記第1の液体流出口は途中に第2の開閉弁を有する第1の液体流出管路の一方の端部に接続され、第1の液体流出管路の他方の端部は、液体供給タンク及び廃液タンクからなる群から選択される何れかのタンクに接続され、
前記第2の液体流出口は途中に第3の開閉弁を有する第2の液体流出管路の一方の端部に接続され、第2の液体流出管路の他方の端部は送液対象物へ接続されている送液ポンプによる送液方法であって、
(1)第1の開閉弁25と第2の開閉弁27を開き、第3の開閉弁29を閉じ、
(2)液体導入ポンプを作動させて、溶液供給タンクから液体をポンプ室に送液し、液体の先端が第2の開閉弁の下流に到達した後、液体導入ポンプの動作を停止させ、
(3)第1の開閉弁と第3の開閉弁を開き、第2の開閉弁を閉じて、液体導入ポンプを再度作動させ、
(4)液体の先端が第3の開閉弁の下流、更には送液対象物の所望の位置にまで到達したら、液体導入ポンプを停止し、第1の開閉弁と第3の開閉弁29を閉じ、
(5)第3の開閉弁29を開き、プランジャ駆動機構によりプランジャを吐出動作させ、ポンプ室内の液体を送液対象物内に加圧送入することからなる送液方法。
【請求項8】
前記第1の液体流出管路の他方の端部は溶液供給タンクに接続されている送液ポンプによる送液方法であって、前記ステップ(2)において、液体の先端が第1の液体流出管路を満たし、溶液供給タンクに到達するまで液体導入ポンプの動作を継続させ、その後停止させることからなる請求項7記載の送液方法。
【請求項9】
前記第3の開閉弁が三方弁であり、一方の弁出口には送液対象物へ至る第2の液体流出管路が接続され、他方の弁出口には、溶液供給タンク及び廃液タンクからなる群から選択される何れかのタンクに至る第3の液体流出管路が接続されていることからなる送液ポンプによる請求項7記載の送液方法。
【請求項10】
前記ステップ(2)において、プランジャを吸引端にまで下降させてから、液体導入ポンプを作動させることからなる請求項7記載の送液方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−65584(P2010−65584A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231843(P2008−231843)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000100861)アイダエンジニアリング株式会社 (153)
【Fターム(参考)】