説明

送電線接近防止装置

【課題】 工具を使用することなく接近遮断棒などの接近防止体を容易に開閉することができ、しかも回線誤認を確実に防止することが可能な送電線接近防止装置を提供する。
【解決手段】鉄塔T側に回動可能に取付けられ、送電線E側への移動を阻止する接近防止体2と、鉄塔T側に設けられ、接近防止体2と回動方向に係合可能な回動規制機構3と、鉄塔T側に設けられ、作業者が携帯する特定のタブレットPと嵌合可能な装着部41と、該装着部41に装着されたタブレットPによって駆動される押圧ボタン42と、を有する開閉操作機構4と、一方が回動規制機構3に連結され、他方が開閉操作機構4に連結され、押圧ボタン42の押圧力を回動規制機構3に伝達する動力伝達機構5と、を備え、押圧ボタン42が押圧された状態では、回動規制機構3によって接近防止体2の回動が許容され、タブレットPが取外された状態では、回動規制機構3によって接近防止体2の回動が規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄塔側から送電線側へ作業者が不用意に接近するのを防止する送電線接近防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送電線や鉄塔の点検・保守作業の際には、作業員が鉄塔上に昇塔して作業を行う。送電線には高電圧が印加されているため、不用意に作業員が送電線に接近しないように接近遮断標識(接近防止体)が設置されている。この接近防止体は、鉄塔側から送電線側への進入路を塞ぐ(遮断する)ように設置され、通常時は開操作ができないように規制され、作業時には工具を使用して規制を解除して開操作するようになっている。ところが、接近防止体の開閉操作は足場の不安定な鉄塔上で作業姿勢が限定された状態で行うために、開閉操作に手間がかかり作業に時間を要していた。
【0003】
そこで、工具を使用しないで開閉操作を行うための、接近遮断棒の方向変え及び取付け支持が極めて容易にできる、高圧送電鉄塔用接近遮断装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、送電線への作業員の接近をより確実に遮断する接近遮断装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−219916号公報
【特許文献2】特開2006−333558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、送電線や鉄塔の点検・保守作業には、停電作業を伴うものもある。この場合は、停電作業は片回線側のみで、他方の回線は通電状態であることが多いため、停電回線の確認を確実にする必要がある。そこで、作業員は回線固有の形状の回線識別具(タブレット)を携帯して昇塔し、鉄塔上の回線に設置された回線識別具用の装着部と照合させることによって、作業回線(停電回線)を確実に識別し、回線誤認を防止している。
【0006】
しかし、上述のように、タブレットなどの回線識別具を用いた作業においては、接近遮断棒の開閉操作は、依然としてモンキースパナなどの工具を用いなければならず、作業能率が低下する問題を解消することができない。したがって、工具を使用することなく接近防止体を容易に開閉することができ、同時に作業者による回線誤認を確実に防止することが可能な装置の開発が望まれる。
【0007】
そこでこの発明は、工具を使用することなく接近遮断棒などの接近防止体を容易に開閉することができ、しかも回線誤認を確実に防止することが可能な送電線接近防止装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、鉄塔側に回動可能に取付けられ、鉄塔側から送電線側への作業者の移動を阻止する棒状の接近防止体と、鉄塔側に設けられ、接近防止体と回動方向に係合可能な回動規制手段と、鉄塔側に設けられ、作業者が携帯する特定のタブレットと嵌合可能な装着部と、該装着部に装着されたタブレットの押圧によって駆動される押圧ボタンと、を有する開閉操作手段と、一方が回動規制手段に連結され、他方が開閉操作手段に連結され、タブレットによる押圧ボタンの押圧力を回動規制手段に伝達する動力伝達機構手段と、を備え、押圧ボタンが押圧された状態では、回動規制手段によって接近防止体の回動が許容され、装着部からタブレットが取外された状態では、回動規制手段によって接近防止体の回動が規制される、ことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、装着部からタブレットが取外された状態では、回動規制手段によって接近防止体の回動が規制され、鉄塔側から送電線側への作業者の移動が阻止される。また、作業者が携帯する特定のタブレットを装着部に嵌合して押圧ボタンが押圧された状態では、回動規制手段によって接近防止体の回動が許容され、作業者の送電線側への移動が可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、接近防止体は、鉄塔の送電線の回線ごとに設けられており、開閉操作手段の装着部は、送電線の回線ごとに形状が異なっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、装着部からタブレットが取外された状態では、回動規制手段によって接近防止体の回動が規制されるので、鉄塔側から送電線側への作業者の移動を阻止することができる。作業者が携帯する特定のタブレットを装着部に嵌合させた場合のみ、押圧ボタンが押圧されて接近防止体が回動可能となるので、作業者が送電線側に接近することができる。このように、作業者が携帯する特定のタブレットを使用しない限りは、接近防止体は回動が規制された状態であるので、特定のタブレットを携帯した作業者以外の接近をより確実に防止できる。しかも、接近防止体の規制解除には、作業者が携帯する特定のタブレットを装着部に嵌合させればよいので、工具不要で、かつ、作業負荷を軽減できる。さらに、接近防止体の開閉操作に電源・動力や無線などを要しないため、送電線接近防止装置の設置場所は限定されない。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、接近防止体は、鉄塔の送電線の回線ごとに設置され、接近防止体の開閉操作を回線ごとに行うことができるので、点検・保守が片側回線のみの場合であっても、当該回線の接近防止体のみを操作することで、確実かつ安全に作業をすることができる。さらに、開閉操作手段の装着部は送電線の回線ごとに形状が異なり、当該回線用の特定のタブレット以外は装着部に嵌合せず、接近防止体を開閉させることができないので、回線誤認を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態に係る送電線接近防止装置の設置状態を示す正面図である。
【図2】図1の送電線接近防止装置の設置状態を示す平面図である。
【図3】図1の送電線接近防止装置の接近防止体と回動規制機構とを示す正面図である。
【図4】図1の送電線接近防止装置の接近防止体が回動規制機構によって回動を規制されている状態を示す正面図である。
【図5】図1の送電線接近防止装置の接近防止体が回動規制機構によって回動を許容されている状態を示す正面図である。
【図6】図1の送電線接近防止装置の開閉操作機構を示す斜視図である。
【図7】図1の送電線接近防止装置の開閉操作機構にタブレットが嵌合された状態を示す斜視図である。
【図8】図1の送電線接近防止装置の開閉操作機構を示す側面図である。
【図9】作業者が携帯するタブレットを示す正面図である。
【図10】作業者が携帯するタブレットを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0015】
図1ないし図10は、この発明の実施の形態を示している。
【0016】
図1および図2は、複数回線の送電線Eが架線された鉄塔Tに、回線ごとに送電線接近防止装置1が設置された状態を示している。ここで、この実施の形態では、図1中右側の送電線Eで構成される回線100、図中左側の送電線Eで構成される回線200の2回線とする。この送電線接近防止装置1は、鉄塔T側から送電線E側への作業者の接近を防止するためのものであり、図1ないし図3に示すように、主として、送電線Eごとに配設された接近防止体2と、回動規制手段としての回動規制機構3と、送電線Eの回線ごとに配設された開閉操作手段としての開閉操作機構4と、動力伝達機構手段としての動力伝達機構5とを備えている。
【0017】
接近防止体2は、鉄塔T側から送電線E側への作業者の移動を阻止するための非導電性の棒状体で、鉄塔T側に回動可能に取付けられている。この接近防止体2は、鉄塔Tの送電線Eごとに鉄塔Tの腕金側に配設されている。また、接近防止体2の略中央部には、図3に示すように、図中上下方向に延びるガイド孔21が形成され、回動規制機構3の回動軸32が挿通された状態で、接近防止体2は上下方向・軸方向にスライド・回動可能となっている。
【0018】
回動規制機構3は、鉄塔T側に設けられ、接近防止体2と回動方向に係合可能である。この回動規制機構3は、図3に示すように、主として、鉄塔Tに配設された基台31と、回動軸32と、支持部33と、弾性部34とを備えている。回動軸32は、図中上下方向に延び、回動軸32の下端側は基台31に固定され、上端側には接近防止体2が抜けるのを防止するストッパ部32aが形成されている。支持部33は、断面が略U字形状で、開口部は接近防止体2を載置可能な大きさに設定されている。この支持部33の側面部によって、接近防止体2は回動が規制される。また、支持部33の略中央部にはガイド孔が形成され、回転軸32がスライド自在に挿通されている。弾性部34は、2本の圧縮コイルバネ34a、34bを有し、下端側が基台31の上面に固定され、上端側が支持部33の底面に固定されている。ここで、通常時、つまり、図4に示すように支持部33が上死点(上方)に位置する状態では、接近防止体2は支持部33とストッパ部32aとに当接することよって、スライド・回動が規制されるようになっている。また、接近防止体の開操作時、つまり、図3、図5に示すように支持部33が下死点(下方)に位置する状態では、接近防止体2は支持部33とストッパ部32aとに当接していないため、上下方向・軸方向にスライド・回動自在となっている。この時、弾性部34は伸張力が働く方向に付勢している。
【0019】
開閉操作機構4は、鉄塔T側に回線ごとに1つ設けられ、図6ないし図8に示すように、ケーシング40と、装着部41と、押圧ボタン42と、を有している。ケーシング40は、仕切板40cによって前面に開口部を有する開放部40aと機構部40bとに仕切られている。装着部41は、開放部40aに露出して配置され、作業者が携帯する特定の(回線ごとの)タブレットPと嵌合可能なもので、タブレットPに対応して送電線Eの回線ごとに形状が異なっている。ここで、タブレットPは、送電線Eの回線ごとに形状が異なる長孔Paと、回線番号表示部Pbと、ストラップPcを備えている。長孔Paは、例えば、この実施の形態では、回線100用のタブレットPは、図9に示すように、縦方向に延びる長孔Pa1、Pa2が横に2つ並列に形成されている。また、回線200用のタブレットPは、図10に示すように、横方向に延びる長孔Pa1、Pa2が縦に2つ並列に形成されている。このとき、回線100側に配設された装着部41は、図6に示すように、縦方向に延びる装着部41a、41bが横に2つ並列に形成されている。また、回線200側に配設された装着部41は、横方向に延びる装着部41a、41bが縦に2つ並列に形成されている(図示略)。押圧ボタン42は、該装着部41に装着されたタブレットPの押圧によって駆動されるもので、先端側が開放部40aに露出し、基端側が動力伝達手段5と接続されている。この押圧ボタン42は、例えば、ハートカム機構を用いたロック装置(図示略)を備え、開閉操作機構4の装着部41からタブレットPが取外された状態では突出し、開閉操作機構4の装着部41にタブレットPが嵌合された状態では、タブレットPを取外さない限り、押圧されて押し込まれた位置から戻らないようになっている。そして、この開閉操作機構4と、回動規制機構3との間には、動力伝達機構手段5が配設されている。
【0020】
動力伝達機構5は、一方が、図3に示すように回動規制機構3に連結され、他方が、図8に示すように開閉操作機構4の押圧ボタン42に連結され、タブレットPによる押圧ボタン42の押圧力を、当該回線のすべての回動規制機構3に伝達するものである。ここで、動力伝達機構5は、例えば図8に示すように、第1の駆動軸51が押圧ボタン42によって揺動可能に配設され、第1の駆動軸51は第1の回転軸52によって、第2の駆動軸53と接続されている。つまり、図8に示すように、第1の駆動軸51が押圧ボタン42の押圧力によって図中右方向に移動すると、第2の駆動軸53は図中上方向に移動するようになっている。また、第2の駆動軸53は、図3に示すように、当該回線のすべての第2の回転軸54a、54b、第3の駆動軸55a、55bと接続され、さらに第3の回転軸56a、56bによって、第4の駆動軸57a、57bと接続され、第4の駆動軸57a、57bの上端側には、回動規制機構3の支持部33が配設されている。つまり、第2の駆動軸53が上方向に移動することによって、当該回線のすべての第4の駆動軸57a、57bが図中下方向に移動して、当該回線のすべての支持部33を同時に下方向にスライドさせることができるようになっている。
【0021】
このように、通常時、つまり、開閉操作機構4の装着部41からタブレットPが取外された状態では、図4に示すように、回動規制機構3によって接近防止体2の回動が規制され、鉄塔T側から送電線側への作業者の移動を阻止する状態を保持される。また、点検・保守作業時、つまり、作業者が携帯する当該回線のタブレットPを開閉操作機構4の装着部41に嵌合して押圧ボタン42が押圧された状態では、図3、図5に示すように、当該回線のすべての接近防止体2のスライド・回動が許容される。
【0022】
次に、このような構成の送電線接近防止装置1の開閉操作方法および作用について説明する。
【0023】
まず、図1、図2に示すように、鉄塔Tに架線されている送電線Eごとに接近防止体2と、回動規制機構3を配設し、送電線Eの回線ごとに開閉操作機構4と、動力伝達機構5とを配設する。ここで、接近防止体2は、鉄塔T側から送電線E側への接近を防止するように、送電線Eの腕金と直交するように水平に配設する。この状態(タブレットPが取外された状態)では、図4に示すように、接近防止体2が、回動規制機構3の支持部33とストッパ部32aとに当接することによって、スライド・回動が規制されている。
【0024】
そして、送電線Eの回線100を点検・保守作業をする場合には、作業者は回線100用のタブレットPを携帯して鉄塔Tに昇塔し、図7に示すように、開閉操作機構4の装着部41にタブレットPを嵌合させる。このとき、図8に示すように、タブレットPで押圧ボタン42が押圧され、動力伝達機構5によって、押圧力が当該回線のすべての回動規制機構3に伝達される。つまり、図5に示すように、第4の駆動軸57a、57bが下方向に移動することによって、当該回線のすべての支持部33が基台31側にスライドし、接近防止体2が支持部33とストッパ部32aとに当接しなくなるので、当該回線のすべての接近防止体2はスライド・回動自在となる。このようにして、作業者は点検・保守作業を行う送電線Eの高さまで昇塔すると、図3に示すように、接近防止体2を手でスライド・回動させて方向を変え、鉄塔T側から送電線E側へ接近することができるようになる。このようにして、順次点検・保守作業を行う送電線Eまで昇塔し、接近防止体2を手で操作する。
【0025】
ここで、回線100用のタブレットPを携帯しない作業者や、回線100以外のタブレットを携帯している作業者などは、回動規制機構3を解除することができないため、接近防止体2を誤ってスライド・回動させてしまうことがない。
【0026】
また、送電線Eの点検・保守作業が終了した場合には、作業者は接近防止体2を回動させて送電線Eの腕金と直交させ、開閉操作機構4の設置位置まで降塔し、開閉操作機構4の装着部41からタブレットPを取り外す。このとき、回動規制機構3の弾性部34が伸張することによって支持部33が上方にスライドし上死点に復帰する。つまり、接近防止体2が支持部33とストッパ部32aとに当接することによってスライド・回動が規制されるようになる。また、押圧ボタン42は突出する位置に復帰する。
【0027】
以上のように、この送電線接近防止装置1によれば、装着部41からタブレットPが取外された状態では、回動規制機構3によって接近防止体2の回動が規制されるので、鉄塔T側から送電線E側への作業者の移動を阻止することができる。また、作業者が携帯する当該回線のタブレットPを装着部41に嵌合させた場合のみ、押圧ボタン42が押圧されて接近防止体2が回動可能となるので、作業者が送電線E側に接近することができる。このように、作業者が携帯する当該回線のタブレットPを使用しない限りは、接近防止体2は回動が規制された状態であるので、当該回線のタブレットPを携帯した作業者以外の接近をより確実に防止できる。しかも、当該回線のすべての接近防止体2の規制解除には、作業者が携帯する当該回線のタブレットPを装着部41に嵌合させるだけでよいので、工具不要のため作業負荷を軽減し、かつ、安全に開閉操作できる。また、接近防止体2の開閉操作に電源・動力や無線などを要しないため、送電線接近防止装置1の設置場所は限定されない。
【0028】
また、接近防止体2は、鉄塔Tの送電線Eの回線ごとに設置され、接近防止体2の開閉操作を回線ごとに行うことができるので、点検・保守が片側回線のみの場合であっても、当該回線の接近防止体2のみがスライド・回動自在となるので、安全に作業をすることができる。さらに、開閉操作機構4の装着部41は送電線Eの回線ごとに形状が異なり、当該回線用の当該回線のタブレットP以外は装着部41に嵌合せず、接近防止体2を開閉させることができないので、回線誤認を確実に防止することができる。
【0029】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、開閉操作機構4は、送電線Eの回線単位に配設しているが、接近防止体2ごとに配設された回動規制機構3に設置するようにしてもよい。また、接近防止体2の閉操作(復帰操作)時に、作業者が手動で接近防止体2を送電線Eの腕金と直交するように戻すようにしたが、タブレットPを取外して回動規制機構3を復帰させると同時に、接近防止体2も自動で復帰するようにしてもよい。さらに、回動規制機構3によって接近防止体2の回動が許容された場合に、接近防止体2を自動で所定角度回動させるようにして、作業者の操作をなくすようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 送電線接近防止装置
2 接近防止体
3 回動規制機構(回動規制手段)
4 開閉操作機構(開閉操作手段)
5 動力伝達機構(動力伝達機構手段)
41 装着部
42 押圧ボタン
P タブレット
T 鉄塔
E 送電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔側に回動可能に取付けられ、鉄塔側から送電線側への作業者の移動を阻止する棒状の接近防止体と、
前記鉄塔側に設けられ、前記接近防止体と前記回動方向に係合可能な回動規制手段と、
前記鉄塔側に設けられ、作業者が携帯する特定のタブレットと嵌合可能な装着部と、該装着部に装着された前記タブレットの押圧によって駆動される押圧ボタンと、を有する開閉操作手段と、
一方が前記回動規制手段に連結され、他方が前記開閉操作手段に連結され、前記タブレットによる前記押圧ボタンの押圧力を前記回動規制手段に伝達する動力伝達機構手段と、を備え、
前記押圧ボタンが押圧された状態では、前記回動規制手段によって前記接近防止体の回動が許容され、前記装着部から前記タブレットが取外された状態では、前記回動規制手段によって前記接近防止体の回動が規制される、
ことを特徴とする送電線接近防止装置。
【請求項2】
前記接近防止体は、前記鉄塔の送電線の回線ごとに設けられており、前記開閉操作手段の前記装着部は、送電線の回線ごとに形状が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の送電線接近防止装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−44803(P2012−44803A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185130(P2010−185130)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】