説明

送電線用L型終端接続部の解体工法と、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる養生シート・解体用治具

【課題】L型終端接続部の現場での解体・組立工法を確立することで、L型終端接続部の事故時にクレーン等を使用せず、現地での解体および部本単位の交換が容易に行えることで電力供給信頼度の確保が図れるようにすると共に、解体作業時での絶縁油の飛散や碍管吊り上げ時の横振れによるエポキシブッシング等の部品破損を未然に防ぐことができる、送電線用L型終端接続部の解体工法と、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる養生シート・解体用治具を提供する。
【解決手段】本発明に係る送電線用L型終端接続部の解体工法は、碍管内の導体切り離し工程後に、絶縁油を抜き取るためのシリコンチューブを一体化してなるクッション性を有する養生シートを碍管内面に挿入密着させる工程と、前記シリコンチューブを介して碍管内の絶縁油を抜き取る工程と、を有する。また、碍管内の絶縁油を抜き取る工程の後に、L型終端接続部のブッシング保護ケースに対する碍管の解体工程を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルの事故時等において、L型終端を取り替える際に行われる送電線用L型終端接続部の解体工法と、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる養生シート・解体用治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、架空送電線鉄塔から電力ケーブルを分岐する場合には、図8に示すように、終端接続部Aにおいて真下から電力ケーブルPを挿入するものであるため、当該電力ケーブルPを略S字状に蛇行させる、所謂ケーブルオフセット2Rが必要となるが、これでは鉄塔アーム間隔がとれないケースがある。
【0003】
このため、近年においては、鉄塔高さが制限されるケースでは、真横から電力ケーブルPを挿入できる、所謂L型終端接続部Bを採用した設備が使用されてきている。
【0004】
このようなL型終端接続部のユニット重量は、例えば、66kVのものでは1相当たり320kgであり、地上からの昇降用として利用される昇降機(バーチカ)の許容積載荷重240kgをかるくオーバーしてしまうため、このような昇降機は使用することができない。
【0005】
このため、電力ケーブルの事故時等においてL型終端を取り替える際には、例えば、クレーン等でL型終端接続部のユニットを持ち上げて解体する作業が要求されるのである。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来においては、L型終端接続部は工場組立を原則として作成されており、現場での解体・組立工法が確立されていないのが実状であることから、以下のような弊害が生じる可能性がある。
【0007】
例えば、L型終端接続部の現場での解体・組立に際し、碍管内部の絶縁油の抜き取り作業が必要となるのであるが、このとき碍管内部中央に配されているエポキシブッシングと碍管内壁との間の隙間が非常に小さいため、鉄塔上での作業においては、絶縁油の飛散やチェーンブロック等による碍管吊り上げ時の横振れによるエポキシブッシング等の部品破損が懸念される。
【0008】
このため、L型終端接続部のユニット全体をクレーン等で一括して搬出する作業となるが、このとき危険防止のために他回線の線路停止が必要となり、復旧時間の長期化および電力供給信頼度の低下が懸念される。
【0009】
そこで、本発明は、如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、L型終端接続部の現場での解体・組立工法を確立できるようにすることで、L型終端接続部の事故時にクレーン等を使用せず、現地での解体および部本単位の交換が容易に行えることで電力供給信頼度の確保が図れるようにすると共に、解体作業時での絶縁油の飛散や碍管吊り上げ時の横振れによるエポキシブッシング等の部品破損を未然に防ぐことができる、送電線用L型終端接続部の解体工法と、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる養生シート・解体用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る送電線用L型終端接続部の解体工法は、碍管内の導体切り離し工程後に、絶縁油を抜き取るためのシリコンチューブを一体化してなるクッション性を有する養生シートを碍管内面に挿入密着させる工程と、前記シリコンチューブを介して碍管内の絶縁油を抜き取る工程と、を有することで、上述した課題を解決した。
【0011】
また、碍管内の絶縁油を抜き取る工程の後に、L型終端接続部のブッシング保護ケースに対する碍管の解体工程を行うことで、同じく上述した課題を解決した。
【0012】
さらに、碍管の解体工程は、碍管の襞最下部にある複数の固定用ボルトに替わってそれぞれガイドシャフトをセットする工程と、各ガイドシャフトに可撓性のある上部吊り上げ治具を装着し、碍管内のエポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管の襞部分に上部吊り上げ治具を配置する工程と、L型終端接続部の中心鉛直上に支点を設けてガイドシャフトに案内されながら碍管を吊り上げて解体する工程と、を有することで、同じく上述した課題を解決した。
【0013】
また、碍管の解体工程は、碍管の最下部における襞を支持固定している支持ボルトを取り外して、そこに複数のガイドシャフトを、碍管の最下部における襞が上下スライド可能となるように挿通された状態となって接続する工程と、エポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管1の襞部分に可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具を配置させて当該上部吊り上げ治具の周囲に各ガイドシャフトの上端をボルトで固定する工程と、L型終端接続部の中心鉛直上に支点を設けて、碍管の最下部における襞がガイドシャフトに案内されながら碍管自体を吊り上げて解体する工程と、を有することで、同じく上述した課題を解決した。
【0014】
この他、本発明に係る送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる養生シートは、碍管内の絶縁油を抜き取るための径6.5mm程度のシリコンチューブと、碍管内面に挿入密着可能となるよう厚さ約2mmのビニール製の略台形円錐状に成形された養生シートとを備え、該養生シートはシリコンチューブと一体化してなることで、同じく上述した課題を解決した。
【0015】
また、本発明に係る送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる解体用治具は、碍管の最下部における襞の複数箇所の固定用ボルトに替わってそれぞれ取り付けられるガイドシャフトと、各ガイドシャフトの上端から挿入されてエポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管の襞部分に配置される可撓性を有する上部吊り上げ治具とを備えていることで、同じく上述した課題を解決した。
【0016】
さらに、解体用治具は、碍管の最下部における襞を固定している支持ボルトの抜き取り後に取り付けられ、碍管の最下部における襞の周囲に形成されているガイド孔に上下スライド自在に挿通される複数のガイドシャフトと、エポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管の襞部分に配置され、各ガイドシャフトの上端がボルトによって固定される可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具とを備えたことで、同じく上述した課題を解決した。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、L型終端接続部の現場での解体・組立工法を確立できるようにすることで、L型終端接続部の事故時にクレーン等を使用せず、現地での解体および部本単位の交換が容易に行えることで電力供給信頼度の確保が図れるようにすると共に、解体作業時での絶縁油の飛散や碍管吊り上げ時の横振れによるエポキシブッシング等の部品破損を未然に防ぐことができる。
【0018】
また、碍管内の絶縁油を抜き取るための径6.5mm程度のシリコンチューブを一体化してなる厚さ約2mmのビニール製の略台形円錐状に成形された養生シートを当該碍管内面に挿入密着させたので、L型終端接続部の解体作業において、この養生シートのクッション性によって碍管内のエポキシブッシング全体を保護することができる。
【0019】
そして、シリコンチューブと養生シートとを一体化したことで、エポキシブッシングと碍管内壁との間の狭隘部への配管が容易となると同時に、エポキシブッシング先端付近の幅約17mm程度の狭隘部よりも低い位置にある絶縁油をシリコンチューブと不図示のギヤーポンプとを使用することで、飛散することなく略全容量の絶縁油の抜き取りが可能となる。
【0020】
しかも、径6.5mm程度のシリコンチューブを使用するため、碍管の内壁とエポキシブッシングとの間のクリアランスを通って碍管の内底部にシリコンチューブを確実にセットでき、絶縁油の抜き取り後の残渣を確実に防止することができる。
【0021】
さらに、碍管はガイドシャフトに案内されながらL型終端接続部の中心鉛直上に沿って横振れすることなく安定した状態で吊り上げられて解体されると共に、碍管が上昇するに伴い内壁が外側に若干拡がることと相俟って、エポキシブッシングと碍管内壁とのクリアランスが常に保持される。
【0022】
これによって、エポキシブッシングと碍管内壁との接触による損傷を未然に防止することができ、不測の横振れに起因する部品の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
送電線用L型終端接続部は、図1(b)に示すように、下側の電力ケーブル接続部としてのブッシング保護ケース8と、上側の襞状の碍管1とによって構成され、ブッシング保護ケース8は、横側から電力ケーブルPを引き出すように形成されている。
【0025】
このブッシング保護ケース8には、電力ケーブルPの接続端部側がストレスコーン圧縮装置16、保護金具17、Oリング18、防水テープ層19を介して接続されている。
【0026】
そして、電力ケーブルPのケブラ・シース内側の芯線P1が接続端子13、ストッパー14、ストレスコーン15を介して、ブッシング保護ケース8内のエポキシブッシング2で囲繞された内部電極である接触子9に接続端子13を介して接続されている。
【0027】
また、このエポキシブッシング2は、碍管1内壁と約17mm程度のクリアランスをもって碍管1内の略中間位置まで略円筒状となって突出しており、この内側には、内部電極である接触子9が挿入されている。この接触子9の上端は、碍管1上端の上部金具4、固定フランジ5、締付金具6、上部覆7等によって固定保持されている導体引出棒3の下端とマルチラムバンドMを介して接続されている。
【0028】
そして、碍管1とエポキシブッシング2との間のスペースには、絶縁油10が充填されることで内部電極である接触子9を絶縁保護している。尚、図1中において、符号11は防水混和物、符号12はOリングである。
【0029】
また、L型終端接続部のブッシング保護ケース8に対する碍管1の解体に先立ち、当該碍管1内の絶縁油10を抜き取る必要があるが、このとき図2(a)(b)に示すように、碍管1内の絶縁油10を抜き取るための径6.5mm程度のシリコンチューブ21を一体化してなる厚さ約2mmのビニール製の略台形円錐状に成形された養生シート22を当該碍管1内面に挿入密着させ、この養生シート22のクッション性によって碍管1内のエポキシブッシング2全体を保護している。
【0030】
このように、シリコンチューブ21と養生シート22とを一体化したことでエポキシブッシング2と碍管1内壁との間の狭隘部への配管が容易となると同時に、エポキシブッシング2先端付近の幅約17mm程度の狭隘部よりも低い位置にある絶縁油10をシリコンチューブ21と不図示のギヤーポンプとを使用することで、飛散することなく略全容量の絶縁油10の抜き取りが可能となる。
【0031】
しかも、径6.5mm程度のシリコンチューブ21を使用するため、碍管1の内壁とエポキシブッシング2との間のクリアランスを通って碍管1の内底部に確実にセットでき、絶縁油10の抜き取り後の残渣を確実に防止できる。
【0032】
また、このとき碍管1内壁に付着した絶縁油10の自然流下を考慮し、ギヤーポンプで約30分間隔をあけて2度引きすることにより、残油量を数cc程度まで減らすようにしても良い。
【0033】
一方、碍管1を吊り上げるための解体治具は、例えば、図3乃至図5に示すように、碍管1の最下部における襞の4箇所の固定用ボルト31(図1参照)に替わってそれぞれ取り付けられる、例えば、4本のガイドシャフト32と、各ガイドシャフト32の上端から挿入されてエポキシブッシング2位置よりも上側に位置する碍管1の襞部分に配置されるよう周囲4箇所にガイド孔を有する可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具33とを備えている。
【0034】
また、碍管1を吊り上げるための解体治具の他例として、例えば、図7に示すように、碍管1の最下部における襞を固定しているブッシング保護ケース8上面の4箇所の支持ボルト(図示せず)を抜き取り、この先端に取り付けられる4本のガイドシャフト32と、各ガイドシャフト32は碍管1の最下部における襞の周囲4箇所に形成されているガイド孔に上下スライド自在に挿通されており、エポキシブッシング2位置よりも上側に位置する碍管1の襞部分に配置された可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具33の周囲4箇所に各ガイドシャフト32の上端がボルトによって固定されているものとしても良い。
【0035】
次に、以上のように構成された本発明の最良の形態について、L型終端接続部の解体工法の一例を説明する。
【0036】
先ず、導体切り離し工程において、図6(a)(b)に示すように、上部覆7と導体引出棒3とを、マルチラムバンドMから引抜撤去する。
【0037】
また、絶縁油10の抜き取り工程において、図6(c)(d)(e)に示すように、シリコンチューブ21と一体化した養生シート22を碍管1内に挿入し、シリコンチューブ21に接続した不図示のギヤーポンプで碍管1内の絶縁油10を吸引する。
【0038】
このとき、図6(e)に示すように、碍管1下部からマイナス150mmのレベルまで絶縁油10を抜いて、絶縁油10の抜き取り作業が完了する。
【0039】
碍管1の解体工程において、図3に示すように、当該碍管1の襞最下部にある4箇所の固定用ボルト31を抜き取り、これに替わってそれぞれガイドシャフト32をセットする。
【0040】
そして、各ガイドシャフト32の上端を、可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具33の4箇所のガイド孔に挿入して固定する。このとき、上部吊り上げ治具33は、エポキシブッシング2位置よりも上側に位置する碍管1の襞部分に配置された状態にする。
【0041】
次に、碍管1上部に2本のアイボルト35をセットし、L型終端接続部の中心鉛直上に支点を設け、このアイボルト35に挿通した不図示のナイロンスリングを介して、チェーンブロックにより碍管1を吊り上げる。
【0042】
また、他例による解体治具を使用した場合には、図7(a)に示すように、碍管1の最下部における襞を固定しているブッシング保護ケース8上面の4箇所の支持ボルト(図示せず)を抜き取り、これら各先端にガイドシャフト32を取り付ける。このとき、碍管1の最下部における襞の周囲4箇所に形成されているガイド孔に、各ガイドシャフト32が挿通された状態となる。そして、エポキシブッシング2位置よりも上側に位置する碍管1の襞部分に可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具33を配置して当該上部吊り上げ治具33の周囲4箇所に各ガイドシャフト32の上端をボルトで固定する。
【0043】
そして、図4または図7(b)に示すように、碍管1上部にアイボルト35を2本セットし、L型終端接続部の中心鉛直上に支点を設け、このアイボルト35に挿通した不図示のナイロンスリングを介して、チェーンブロックにより碍管1を吊り上げる。このとき、碍管1の最下部における襞は4本のガイドシャフト32に案内されながらL型終端接続部の中心鉛直上に沿って横振れすることなく安定した状態でブッシング保護ケース8から吊り上げられて解体されると共に、碍管1が上昇するに伴い内壁が外側に若干拡がることと相俟って、エポキシブッシング2と碍管1内壁とのクリアランスが常に保持される。これによってエポキシブッシング2と碍管1内壁との接触による損傷を未然に防止することができ、不測の横振れに起因する部品の破損を防止することができるのである。
【0044】
解体後には、ブッシング保護ケース8の点検補修交換等の作業が行われる。このとき、ブッシング保護ケース8自体のユニット重量が1相当たり約135kgとなり、昇降機(バーチカ)の許容積載荷重である240kgを超えないものとなることから、当該昇降機(バーチカ)での搬出入が可能となるのである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る送電線用L型終端接続部の解体工法と、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる養生シート・解体用治具は、送電線用L型終端接続部の他に、種々の終端接続部にも利用できる等、幅広く応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を実施するための最良の形態におけるL型終端接続部の構成を示し、(a)は平面図、(b)は一部切欠断面図である。
【図2】養生シートとシリコンチューブの具体的な構成の一例を示し、(a)は碍管内に養生シートを組付けた状態の断面図、(b)は養生シートにシリコンチューブを一体化させた状態の側面図、(c)は(b)のX−X断面図、(d)は(b)のY−Y断面図である。
【図3】解体治具の使用例を示す側面図である。
【図4】解体治具を使って碍管を吊り上げた状態の側面図である。
【図5】解体治具の平面図である。
【図6】(a)および(b)は導体切り離し工程を説明するための一部切欠断面図、(c)乃至(e)は絶縁油抜き取り工程を説明するための一部切欠断面図である。
【図7】他例による解体治具の使用例を示すもので、(a)は碍管に解体治具を組み付けた状態の一部切欠断面図、(b)は解体治具を使って碍管を吊り上げた状態の一部切欠断面図である。
【図8】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0047】
P…電力ケーブル
P1…芯線
M…マルチラムバンド
1…碍管
2…エポキシブッシング
3…導体引出棒
4…上部金具
5…固定フランジ
6…締付金具
7…上部覆
8…ブッシング保護ケース
9…接触子(内部電極)
10…絶縁油
11…防水混和物
12…Oリング
13…接続端子
14…ストッパー
15…ストレスコーン
16…ストレスコーン圧縮装置
17…保護金具
18…Oリング
19…防水テープ層
21…シリコンチューブ
22…養生シート
31…固定用ボルト
32…ガイドシャフト
33…上部吊り上げ治具
35…アイボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
碍管内の導体切り離し工程後に、絶縁油を抜き取るためのシリコンチューブを一体化してなるクッション性を有する養生シートを碍管内面に挿入密着させる工程と、前記シリコンチューブを介して碍管内の絶縁油を抜き取る工程と、を有することを特徴とした送電線用L型終端接続部の解体工法。
【請求項2】
碍管内の絶縁油を抜き取る工程の後に、L型終端接続部のブッシング保護ケースに対する碍管の解体工程を行う請求項1に記載の送電線用L型終端接続部の解体工法。
【請求項3】
碍管の解体工程は、碍管の襞最下部にある複数の固定用ボルトに替わってそれぞれガイドシャフトをセットする工程と、各ガイドシャフトに可撓性のある上部吊り上げ治具を装着し、碍管内のエポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管の襞部分に上部吊り上げ治具を配置する工程と、L型終端接続部の中心鉛直上に支点を設けてガイドシャフトに案内されながら碍管を吊り上げて解体する工程と、を有する請求項2に記載の送電線用L型終端接続部の解体工法。
【請求項4】
碍管の解体工程は、碍管の最下部における襞を支持固定している支持ボルトを取り外して、そこに複数のガイドシャフトを、碍管の最下部における襞が上下スライド可能となるように挿通された状態となって接続する工程と、エポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管の襞部分に可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具を配置させて当該上部吊り上げ治具の周囲に各ガイドシャフトの上端をボルトで固定する工程と、L型終端接続部の中心鉛直上に支点を設けて、碍管の最下部における襞がガイドシャフトに案内されながら碍管自体を吊り上げて解体する工程と、を有する請求項2に記載の送電線用L型終端接続部の解体工法。
【請求項5】
碍管内の絶縁油を抜き取るための径6.5mm程度のシリコンチューブと、碍管内面に挿入密着可能となるよう厚さ約2mmのビニール製の略台形円錐状に成形された養生シートとを備え、該養生シートはシリコンチューブと一体化してなることを特徴とする、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる養生シート。
【請求項6】
碍管の最下部における襞の複数箇所の固定用ボルトに替わってそれぞれ取り付けられるガイドシャフトと、各ガイドシャフトの上端から挿入されてエポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管の襞部分に配置される可撓性を有する上部吊り上げ治具とを備えていることを特徴とする、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる解体用治具。
【請求項7】
碍管の最下部における襞を固定している支持ボルトの抜き取り後に取り付けられ、碍管の最下部における襞の周囲に形成されているガイド孔に上下スライド自在に挿通される複数のガイドシャフトと、エポキシブッシング位置よりも上側に位置する碍管の襞部分に配置され、各ガイドシャフトの上端がボルトによって固定される可撓性のあるリング状の上部吊り上げ治具とを備えたことを特徴とする、送電線用L型終端接続部の解体工法に用いられる解体用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−301556(P2008−301556A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141771(P2007−141771)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】