説明

逆止弁検査装置とその方法

【課題】 逆止弁の不良品を確実に検出できる逆止弁検査装置を提供する。
【解決手段】 逆止弁の搬送経路となる供給シュート23上に、上流から順に気体吹き出し式検出装置50、透過型検出装置60を設置する。気体吹き出し式検出装置は50、逆止弁に対して気体を吹き出す気体供給ブロック52に気体の流量を計測する流量計が設けられている。また、透過型検出装置60は、逆止弁に対して光を照射する投光器62と、その光を受光する受光器63とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一方向にガス等を排出する機能を備えた逆止弁の不良を検査するための検査装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装袋に充填される被包装物の内容によっては、CO等のガスを発生するものがある(例えば、コーヒー豆)。この種の被包装物を充填する容器には、図10に示すように、ガス抜き用の逆止弁1を所定箇所に装着することがある。
逆止弁1は、包装フィルムF(以下、単にフィルムともいう)に例えば熱融着されて取付けられ、容器内のガスを孔を通じて外部に逃がし、外部の湿気や空気を遮断する機能を有する。
【0003】
この容器からガスを排出する逆止弁1としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1の開示された逆止弁1は、図11(a)に示すように、外枠2と、この外枠2に装着される蓋3とを備えている。蓋3と外枠2との間には、ゴム製のダイヤフラム4(可動バルブ素子)が配置してある。ダイヤフラム4は、外枠2や蓋3よりも光透過率の低い材料で形成されており、通常、光線を遮断する。
図11(b)に示すように、ダイヤフラム4は、蓋3の上部壁に設けられた突起5によって外枠2に押しつけられている。また、蓋3の上部壁には通気孔6が設けられている。さらに、外枠2には、上部外周縁に容器に融着するためのフランジ部7が形成され、また、底部にフィルタ8が装着されている。
【0004】
このように構成された逆止弁1は、通常の状態では、ダイヤフラム4が外枠2に衝合した状態にあって、容器内部に収容された被包装物のガス漏れと、外部からの空気の進入とを防止するシールを形成する。容器の内部でガスが発生した場合には、ダイヤフラム4がたわんで持ち上がり、ガスがフィルタ8から蓋3の通気孔6を通って排出される。
【0005】
また、逆止弁1を装着する包装装置としては、先に特許文献2の縦型製袋充填包装装置を本出願人が提案した。特許文献2の縦型製袋充填包装装置は、従来の縦型製袋充填包装装置に、逆止弁1を装着するための逆止弁装着ユニット20を組み込んだ構成となっている。この逆止弁装着ユニット20によって、縦型製袋充填包装装置は、被包装物の充填前に包装フィルムFに逆止弁1を熱融着させることができる。
【特許文献1】特開2002−179121公報
【特許文献2】特開2003−26104公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、上述のような逆止弁は、専用の製造ラインあるいは人手によって大量生産されるものであり、生産品の中に不良品が含まれることは避けられない。
【0007】
逆止弁の不良態様としては、次の3つの態様が想定される。第1は、逆止弁の蓋が存在しない、または確実に嵌め合わされていない状態である。第2は、逆止弁内にダイヤフラムが挿入されていない状態である。第3は、ダイヤフラムが二枚以上挿入されている状態である。
【0008】
したがって、逆止弁の不良品を検出するには、これらの態様を確実に検出する検査装置が必要となる。しかし、従来はこれらの不良態様を検査することのできる装置がなく、もっぱら作業員の目視に頼っていた。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、逆止弁の不良品を確実に検出できる逆止弁検査装置とその方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明装置は、フィルタを有する外枠と、この外枠に組み込まれる蓋と、外枠と蓋とで囲まれた内部に組み込まれるダイヤフラムとを備え、ダイヤフラムが外枠の表面からフィルタを通して蓋へ向かう方向には内部でたわんで気体を通過させ、その逆方向へは気体を通過させない構成をしており、且つダイヤフラムが外枠や蓋よりも光透過率の低い材料で形成された逆止弁の検査装置であって、
逆止弁に対して外枠の表面側から気体を吹き付けるとともに、当該気体の流量又は吹き付け圧力の変化を検出する第1の検査手段と、
逆止弁のダイヤフラム配置部分を挟んで、一方から光線を照射し他方でこの光線を受光する第2の検査手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
更に、本発明装置は、第1の検査手段が、あらかじめ設定してある基準値よりも少ない気体流量か又は高い気体吹き付け圧力を検出したとき、当該逆止弁が不良品であると判定する判別手段を含むことを特徴とする。
【0012】
更に、本発明装置は、第2の検査手段が、一方から照射された光線を、逆止弁のダイヤフラム配置部分を透して他方で受光したとき、当該逆止弁が不良品であると判定する判別手段を含むことを特徴とする。
【0013】
これにより、上記3つの態様をした逆止弁の不良品を確実に検出することができる。
ここで、検査対象となる逆止弁の搬送経路に沿って、第1の検査手段を配設するとともに、その下流側に第2の検査手段を配設すれば、蓋が装着不良であったり蓋がない結果、ダイヤフラムのみが外枠に引っ掛かっていても、第1の検査手段によって吹き飛ばされるため、第2の検査手段で不良を確実に検出することが可能となる。
【0014】
一方、本発明方法は、フィルタを有する外枠と、この外枠に組み込まれる蓋と、外枠と蓋とで囲まれた内部に組み込まれるダイヤフラムとを備え、ダイヤフラムが外枠の表面からフィルタを通して蓋へ向かう方向には内部でたわんで気体を通過させ、その逆方向へは気体を通過させない構成をしており、且つダイヤフラムが外枠や蓋よりも光透過率の低い材料で形成された逆止弁の検査方法であって、
逆止弁に対して外枠の表面側から気体を吹き付けるとともに、当該気体の流量又は吹き付け圧力の変化を検出する気体吹き付け検査ステップと、
逆止弁のダイヤフラム配置部分を挟んで、一方から光線を照射し他方でこの光線を受光する光検査ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
更に、本発明方法は、気体吹き付け検査ステップにおいて、あらかじめ設定してある基準値よりも少ない気体流量か又は高い気体吹き付け圧力を検出したとき、当該逆止弁が不良品であると判定するステップを含むことを特徴とする。
【0016】
更に、本発明方法は、光検査ステップが、一方から照射された光線を、逆止弁のダイヤフラム配置部分を透して他方で受光したとき、当該逆止弁が不良品であると判定するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の逆止弁検査装置によれば、想定される逆止弁の不良を検出することができる。また、検査対象となる逆止弁の搬送経路に沿って、第1の検査手段を配設するとともに、その下流側に第2の検査手段を配設した場合、第1の検査手段によって吹き飛ばされるため、蓋の装着不良や蓋がない結果、ダイヤフラムのみが外枠に引っ掛かっていた不良形態を、ダイアフラムの無い不良形態として、第2の検査手段により検出することが可能となる。すなわち、3つの不良態様を2つの検査手段で簡便に確実に検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る逆止弁検査装置が組み込まれた縦型製袋充填包装装置の全体構成を示す図である。
なお、本実施形態は、図11に示すような構成の逆止弁1を検査対象として説明を進めるが、検査対象はこれに限定されるものではないことは勿論である。
【0019】
図1に示すように、縦型製袋充填包装装置は、フィルムFの搬送経路(図に一点鎖線で示す)の最も上流に、フィルムFの供給ロール10を備えている。この供給ロール10のすぐ下流には、揺動可能な2個のテンションローラ11が設けてあり、これらテンションローラ11によってフィルムFに一定の張力を付与している。
【0020】
テンションローラ11の下流には、バキュームチャンバ12が設けてあり、供給ロール10から繰り出されたフィルムFをこのバキュームチャンバ12に蓄え、過不足なく下流側へ供給できる構造となっている。
【0021】
バキュームチャンバ12の下流には、搬送ローラ13、14が配置され、更にその下流側に製袋チューブ15が配置されている。製袋チューブ15の周辺には、フィルムFの重合側端部を熱シールする縦シーラ16、ファイルFの繰り出しを行う繰出しベルト17、筒状のフィルムFを横方向に熱シールして袋状に成形する横シーラ18が配設され、さらに一方の横シーラ18にはフィルム切断用のカッタ(図示せず)が内蔵されている。
【0022】
本実施形態では、上述した構造に加え、供給ロール10に近い搬送経路の上流位置、具体的にはテンションローラ11とバキュームチャンバ12の中間位置に、予備繰出しローラ19が配設してあり、さらにこの予備繰出しローラ19とテンションローラ11の間に、逆止弁装着ユニット20が配設してある。
予備繰出しローラ19は、サーボモータにより駆動されて供給ロール10から一定量のフィルムFを間欠的に繰り出す。
逆止弁装着ユニット20は、予備繰出しローラ19によって繰り出されたフィルムFに、逆止弁1を装着するためのユニットである。
【0023】
図2は、逆止弁装着ユニットの機能を概略的に示す模式図であり、図3は、逆止弁装着ユニットの詳細構造を示す正面図である。
逆止弁装着ユニット20は、逆止弁供給装置21と逆止弁融着装置30とで構成されている。このうち、逆止弁供給装置21は、搬送経路に繰り出されたフィルムFの裏面と対向する側に配設してあり、一方、逆止弁融着装置30は、同フィルムFの表面と対向する側に配設してある。
【0024】
逆止弁供給装置21は、パーツフィーダ22(図1参照)から供給された逆止弁1を、供給シュート23(搬送手段)を介して棒状の中空レールからなる蓄積部24に蓄積する。この蓄積部24の上部には、逆止弁1を押し出すための棒状のプッシャ26が配置され、下部には、逆止弁1を保持するための保持手段が設けてある。保持手段は、バネ27aによって常時閉じる方向に付勢される開閉部材27を有し、この開閉部材27で逆止弁1を挟み込んで保持するようになっている。また、プッシャ26は、プッシャ用駆動シリンダ28の往復動作によって逆止弁1を1個分押し下げるようになっている。開閉チャック25は、保持手段から押し出された1個の逆止弁1を受けるとともに、バネ25aの付勢力によりその逆止弁2を確実に把持する。
このような構成の逆止弁供給装置21は、蓄積部24の下端出口から1個ずつ逆止弁1を取り出して、開閉チャック25によって把持し、フィルムFの裏面へと水平搬送する。
【0025】
逆止弁融着装置30は、水平移動自在なヒータブロック31を有し、このヒータブロック31がヒータブロック用駆動シリンダ32(図1参照)により駆動される。逆止弁融着装置30は、この駆動力をもって、開閉チャック25の対向位置から水平移動してフィルムFの表面に当接し、開閉チャック25と協働して逆止弁1をフィルムFに押し付けるとともに、内蔵したヒータの熱により逆止弁1をフィルムFへ熱融着する機能を有している(逆止弁装着手段)。さらに、ヒータブロック32の端面には、複数本の針33が突き出しており、この針33をフィルムFに突き刺すことでフィルムFを貫通して逆止弁1に至るガス抜き孔をフィルムFに形成する機能を有している。
【0026】
次に、この逆止弁装着ユニット20の動作、および縦型製袋充填包装装置の動作について説明する。
図1に示すように、縦型製袋充填包装装置の供給ロール10から繰り出されたフィルムFは、テンションローラ11を介して逆止弁装着ユニット20に搬送される。逆止弁装着ユニット20には、図2,図3に示すように、パーツフィーダ22から供給シュート23を介して搬送されてきた逆止弁1が、蓄積部24に蓄積されている。
逆止弁1は、蓄積部24の下端から、開閉チャック25に把持されて取り出される。その後、搬送用駆動シリンダ29の駆動力をもって開閉チャック25を駆動し、この開閉チャック25に把持された逆止弁1を、フィルムFの裏面に向かって搬送する。そして、既述したように、フィルムFの表面側から水平移動してきた逆止弁融着装置30と協働して、フィルムFに逆止弁1が装着される。
【0027】
逆止弁1が装着されたフィルムFは、バキュームチャンバ12及び複数の搬送ローラ(予備繰り出しローラ19、搬送ローラ13、14)を介して製袋チューブ15の外周面に巻き付いて下方に搬送されていく。その後、フィルムFは、重合側端部が縦シーラ16により熱シールされ、さらに横シーラ18によって幅方向に熱シールして袋状に成形される。そして、フィルムFの内部に製袋チューブ15を介して被包装物(内容物)が充填されるとともに、フィルムFは下方へ搬送されていく。横シーラ18によりフィルムFが幅方向に熱シールされて密封状態の容器が完成する。同時に、横シーラ18に付設したカッタ(図示せず)が作動して横シール面を切断する。
【0028】
次に、本実施形態の逆止弁検査装置40について説明する。
図4は、本実施形態の逆止弁検査装置の全体構成を示す図である。また、図5は、逆止弁検査装置の構成要素である気体吹き出し式検出装置を示す正面断面図であり、図6は、同じく逆止弁検査装置の構成要素である透過型検出装置を示す正面断面図である。
図4に示すように、逆止弁検査装置40は、逆止弁装着ユニット20の供給シュート23上に設けられている。逆止弁検査装置40は、気体吹き出し式検出装置50(第1の検査手段)と、透過型検出装置60(第2の検査手段)とを含み、逆止弁1の供給方向から順に、気体吹き出し式検出装置50、続いて透過型検出装置60が配設されている。
【0029】
供給シュート23には、図5及び図6に示すように、逆止弁1の搬送経路に沿って溝部23aが設けられている。この溝部23aは、逆止弁1のフランジ部7に嵌合し、供給シュート23からの逆止弁1の脱落を防止している。逆止弁1は、供給シュート23内を一列に並べられ、蓄積部24の入口に向かって順次移動していく。
供給シュート23には、気体吹き出し式検出装置50の設置位置よりも上流側に、逆止弁1を感知する逆止弁用感知センサ41が設けられている。逆止弁感知センサ41は、供給シュート23上を移動してくる逆止弁1を検出して、逆止弁検査装置40の制御部(図示せず)に検出信号を送る。
【0030】
気体吹き出し式検出装置50は、図4及び図5に示すように、基台51と、筒状の気体供給ブロック52と、流量計53と、エアシリンダ等のアクチュエータ54とを含む構成となっている。
気体供給ブロック52は、内部が中空となっており、基端部56に供給用チューブ58を介して気体供給源(図示せず)が連通している。また、気体供給ブロック52の先端部57は合成ゴム等の弾性材料からなり、気体吹出口55が開口している。この気体吹出口55は、供給シュート23上を移動する逆止弁1の対向位置、さらに詳しくは、フィルタ8が装着されている外枠2の表面と対向して配置してある。
気体供給ブロック52と気体供給源との間には、気体の供給量が計測可能な流量計53(測定器)が設置されている。
【0031】
アクチュエータ54は、基台51に固定されており、このアクチュエータ54の駆動ロッドに、気体供給ブロック52が連結されている。そして、アクチュエータ54の駆動をもって、気体供給ブロック52が水平方向に往復移動する構成となっている。
すなわち、このアクチュエータ54は、逆止弁1が気体吹出口55の対向位置に移動してくると、逆止弁1の方向へ気体供給ブロック52を移動させる。これにより、気体吹出口55が逆止弁1における外枠2の表面に当接する。気体吹出口55からは、逆止弁1のフィルタ8に向かって、気体が吹き付けられる。
なお、基台51には、気体供給ブロック52を摺動案内する摺動台59が設けてある。
【0032】
透過型検出装置60は、既述したように、気体吹き出し式検出装置50より下流位置に設置される。図4及び図6に示すように、透過型検出装置60は、基台61と、投光器62と、受光器63とを含んでいる。基台61は供給シュート23に固定されており、投光器62と受光器63とを保持している。基台61に保持された投光器62及び受光器63は、逆止弁1の搬送経路を間に挟んで、互いに対向した位置に配置されている。
【0033】
投光器62は、例えば、発光LEDなどの光学素子で構成してあり、常時発光している。一方、受光器63は、投光器62から照射された光を受光して、電気信号に変換する光センサで構成されている。
【0034】
次に、逆止弁検査装置40を用いた逆止弁検査方法について説明する。
供給シュート23内に蓄積された逆止弁1は、開閉チャック25によって蓄積部24の下端から一つ取り出される毎に、供給シュート23内を間欠移動する。
【0035】
まず、気体吹き出し式検出装置50では、対向位置に間欠移動してきた逆止弁1に対して、気体供給ブロック52の気体吹出口55が密接する。そして、気体供給源から気体供給ブロック52に供給された気体が、逆止弁1のフィルタ8に吹き付けられる。吹き付けられた気体は、フィルタ8を介して逆止弁1の内部に入り込む。
逆止弁1の内部では、図11に示したダイヤフラム4が、蓋3の突起5によって外枠2に押しつけられているが、正常な逆止弁1では、気体がダイヤフラム4に吹き付けられると、その圧力によりダイヤフラム4が突起5を支点として弾力的に押し上げられる。このように、気体は、ダイヤフラム4を押し上げて、蓋3の通気孔6側へ流れ出る。よって、気体吹き出し式検出装置50の気体供給ブロック52からは多くの気体が流出し、供給用チューブ58に設置した流量計53の計測値は大きい値を示す。
【0036】
しかし、逆止弁1内にダイヤフラム4が二枚以上挿入されている場合は、逆止弁1に気体が吹き付けられても、ダイヤフラム4を押し上げることができなくなるので、気体の流出がダイヤフラム4によって遮られる。その結果、気体吹き出し式検出装置50の気体供給ブロック52からの気体の流出量が減少し、供給用チューブ58に設置した流量計53の計測値が小さくなる。これにより、ダイヤフラム4が二枚以上挿入された不良品を検出することができる。
【0037】
透過型検出装置60では、間欠移動してきた逆止弁1に対して投光器62から光が照射される。正常な逆止弁1は、内部にあるダイヤフラム4が、投光器62からの光を遮断する。したがって、対向位置にある受光器63は投光器62の光を受光しない。
一方、逆止弁1にダイヤフラム4が装着されていなければ、投光器62から照射した光は逆止弁1を透過して受光器63に至る。これにより、ダイヤフラム4が欠如した不良品を検出することができる。
【0038】
図7は、本実施形態の逆止弁検査装置の検出結果のパターンを示す表である。
既述したように、逆止弁1の不具合は、蓋3が存在しない、または確実に嵌め合わされていない状態と、逆止弁1内にダイヤフラム4が挿入されていない状態と、逆止弁1内にダイアフラム4が二枚以上挿入されている状態と、が想定される。ここで、逆止弁1の不具合として、外枠2が存在しない状態も考えられるが、この状態では、外枠2のフランジ部7がないため、逆止弁1が供給シュート23上を移動することはない。
【0039】
図7に示すように、逆止弁検査装置40は、逆止弁1に蓋3が有り、かつダイヤフラム4が一枚の場合のみを正常と検出することができる。具体的には、蓋3が確実に嵌合した逆止弁1に対しては、気体吹き出し式検出装置50によって気体を吹き付けることで、ダイヤフラム4が二枚以上挿入されているか否かを判断できる。また、蓋3が存在しない、または確実に嵌め合わされていない状態の逆止弁1に対しては、気体吹き出し式検出装置50から空気を吹き付けることにより、ダイヤフラム4が吹き飛ばされる。
【0040】
透過型検出装置60では、蓋3が確実に嵌合した逆止弁1に対して、逆止弁1の透過性を確認することにより、ダイヤフラム4の存在の有無を判断できる。蓋3が存在しない、または確実に嵌め合わされていない状態の逆止弁1は、先に気体吹き出し式検出装置50での検出工程を踏むことにより、ダイヤフラム4が吹き飛ばされているため、透過型検出装置60において、ダイヤフラム4が存在しないと判断される。すなわち、蓋3が存在しない、または確実に嵌め合わされていない状態の異常が、透過型検出装置60で検出される。
したがって、気体吹き出し式検出装置50、透過型検出装置60の順に逆止弁1を検査することで、逆止弁1の不具合を確実に検出することができる。
【0041】
次に、本実施形態の逆止弁検査装置の制御について説明する。
図8は、本実施形態の逆止弁検査装置の制御部を示すブロック図である。
同図に示すように、逆止弁検査装置40は、各検出装置50、60の動作を制御する制御部42を有している。この制御部42は、気体吹き出し式検出装置50の気体供給ブロック52、透過型検出装置60の投光器62、および逆止弁装着ユニット60を制御するとともに、逆止弁用感知センサ41、気体吹き出し式検出装置50の流量計53、透過型検出装置60の受光器63、および逆止弁装着ユニット20からの検出信号を入力して、逆止弁1が不良品かどうかを判定する判別手段としての機能を備えている。
【0042】
図9は、本実施形態の逆止弁検査装置の動作を示すフローチャートである。
ステップS1では、まず逆止弁装着ユニット20の供給シュート23上を間欠移動してきた逆止弁1を、逆止弁用感知センサ41が検知する。次に、逆止弁装着装置21の動作に基づき、逆止弁用感知センサ41が検知した逆止弁1の間欠移動を監視し、当該逆止弁1が気体吹き出し式検出装置50と対向する位置へ移動したことを検出する(ステップS2)。
【0043】
次いで、対向位置に間欠移動してきた逆止弁1に対して、気体供給ブロック52の気体吹出口55が密接する。そして、気体供給源から気体供給ブロック52に供給された気体が、逆止弁1のフィルタ8に吹き付けられる(ステップS3)。
このとき、流量計58が気体の流量を計測しており、その計測値が制御部42に送られる(ステップS4)。制御部42では、検出された気体流量を、あらかじめ設定されている基準値と比較し(ステップS5)、気体流量が基準値よりも大幅に少ない場合は、逆止弁1に異常があると判断する(ステップS9)。一方、気体流量がほぼ基準値と変わらなければ、ステップS6へ進む。
【0044】
ステップS6では、逆止弁装着装置21の動作に基づき、当該逆止弁1が透過型検出装置60と対向する位置へ移動したことを検出する。
次いで、透過型検出装置60の投光器62から受光器63に常時光が照射され、受光器63による光の受光状態を監視している(ステップS7)。逆止弁1の通過時に受光器63が投光器62からの光を受光しない場合はダイアフラム4が存在し、逆止弁1が正常と判断される(ステップS8)。一方、受光器63が光を受光した場合は、逆止弁1にダイアフラム4が存在せず異常があると判断する(ステップS9)。
【0045】
逆止弁検査装置40は、以上のような処理をもって逆止弁1が正常か否かを判別する。この判別結果に基づいて、正常な逆止弁1はそのまま供給シュート23から取り出されて、フィルムFに融着される。一方、不良品と判別された逆止弁1は、フィルムFに融着されることなく、排除される。
【0046】
以上、本実施形態の逆止弁検査装置40によれば、供給されてきた逆止弁が正常なものかどうか確実に判別することが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形例や応用例を構成することも可能である。例えば、本発明の逆止弁検査装置は、縦型製袋充填装置に組み込む構成以外にも、逆止弁を対象とする各種装置に組み込むことが可能である。
また、上述した気体吹き出し式検出装置50(第1の検査手段)では、流量計53によって、外枠2の表面側に吹き付けた気体の流量を計測したが、これに代えて、当該気体の吹き付け圧力を検出する圧力センサを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係る逆止弁検査装置を組み込んだ縦型製袋充填包装装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る逆止弁装着ユニットの機能を概略的に示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係る逆止弁装着ユニットの詳細構造を示す正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る逆止弁検査装置の全体構成を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る逆止弁検査装置の気体吹き出し式検出装置を示す正面断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る逆止弁検査装置の透過型検出装置の構成を示す正面断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る逆止弁検査装置の検出結果のパターンを示す表である。
【図8】本発明の実施形態に係る逆止弁検査装置の制御部を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施形態に係る本実施形態の逆止弁検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】容器に逆止弁を装着した状態を示す斜視図である。
【図11】逆止弁の構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は側面断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1:逆止弁、2:外枠、3:蓋、4:ダイヤフラム、5:突起、6:通気孔、
7:フランジ部、8:フィルタ、
10:供給ロール、11:テンションローラ、12:バキュームチャンバ、
13、14:搬送ローラ、15:製袋チューブ、16:縦シーラ、
17:繰出しベルト、18:横シーラ、19:予備繰出ローラ、
20:逆止弁装着ユニット、21:逆止弁供給装置、22:パーツフィーダ、
23:供給シュート、24:蓄積部、25:開閉チャック、25a:バネ、
26:プッシャ、27:開閉部材、27a:バネ、28:プッシャ用駆動シリンダ、
29:搬送用駆動シリンダ、30:逆止弁融着装置、31:ヒータブロック、
32:ヒータブロック用駆動シリンダ、33:針、
40:逆止弁検査装置、41:逆止弁用感知センサ、42:制御部、
50:気体吹き出し式検出装置、51:基台、52:気体供給ブロック、53:流量計、
54:アクチュエータ、55:気体吹出口、56:基端部、57:先端部、
58:供給用チューブ、59:摺動台、
60:透過型検出装置、61:基台、62:投光器、63:受光器、
F:フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを有する外枠と、この外枠に組み込まれる蓋と、前記外枠と蓋とで囲まれた内部に組み込まれるダイヤフラムとを備え、前記ダイヤフラムが前記外枠の表面からフィルタを通して蓋へ向かう方向には内部でたわんで気体を通過させ、その逆方向へは気体を通過させない構成をしており、且つ前記ダイヤフラムが前記外枠や蓋よりも光透過率の低い材料で形成された逆止弁の検査装置であって、
前記逆止弁に対して前記外枠の表面側から気体を吹き付けるとともに、当該気体の流量又は吹き付け圧力の変化を検出する第1の検査手段と、
前記逆止弁のダイヤフラム配置部分を挟んで、一方から光線を照射し他方でこの光線を受光する第2の検査手段と、
を備えたことを特徴とする逆止弁検査装置。
【請求項2】
検査対象となる逆止弁の搬送経路に沿って、前記第1の検査手段を配設するとともに、その下流側に前記第2の検査手段を配設したことを特徴とする請求項1の逆止弁検査装置。
【請求項3】
前記第1の検査手段が、あらかじめ設定してある基準値よりも少ない気体流量か又は高い気体吹き付け圧力を検出したとき、当該逆止弁が不良品であると判定する判別手段を含むことを特徴とする請求項1又は2の逆止弁検査装置。
【請求項4】
前記第2の検査手段が、一方から照射された光線を、前記逆止弁のダイヤフラム配置部分を透して他方で受光したとき、当該逆止弁が不良品であると判定する判別手段を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の逆止弁検査装置。
【請求項5】
フィルタを有する外枠と、この外枠に組み込まれる蓋と、前記外枠と蓋とで囲まれた内部に組み込まれるダイヤフラムとを備え、前記ダイヤフラムが前記外枠の表面からフィルタを通して蓋へ向かう方向には内部でたわんで気体を通過させ、その逆方向へは気体を通過させない構成をしており、且つ前記ダイヤフラムが前記外枠や蓋よりも光透過率の低い材料で形成された逆止弁の検査方法であって、
前記逆止弁に対して前記外枠の表面側から気体を吹き付けるとともに、当該気体の流量又は吹き付け圧力の変化を検出する気体吹き付け検査ステップと、
前記逆止弁のダイヤフラム配置部分を挟んで、一方から光線を照射し他方でこの光線を受光する光検査ステップと、
を含むことを特徴とする逆止弁検査方法。
【請求項6】
前記気体吹き付け検査ステップにおいて、あらかじめ設定してある基準値よりも少ない気体流量か又は高い気体吹き付け圧力を検出したとき、当該逆止弁が不良品であると判定するステップを含むことを特徴とする請求項5の逆止弁検査方法。
【請求項7】
前記光検査ステップが、一方から照射された光線を、前記逆止弁のダイヤフラム配置部分を透して他方で受光したとき、当該逆止弁が不良品であると判定するステップを含むことを特徴とする請求項5又は6の逆止弁検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−71841(P2007−71841A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262385(P2005−262385)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】