説明

逆浸透濾過システム保管タンク

互いに結合されて囲いを形成する、第1及び第2の成形シェルと、囲い内部にあり、囲い内部で生産水を圧搾水から分離するように結合される嚢と、嚢の生産水側への水のアクセスを提供するための、囲いの壁部を貫通する第1のポートと、嚢の圧搾水側への圧搾水アクセスを提供するための、囲いの壁部を貫通する第2のポートを有する、逆浸透生産水保管タンクであって、囲いの内面は、嚢が生産水で満たされているとき、囲い内への圧搾水の流れを囲いと嚢との間に受け入れるために、嚢が生産水で満たされているときに囲いの内面と嚢との間に複数のチャネルを画成するように構成された、トポグラフィを有する

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(関連出願の相互引用)
本出願は、2005年8月26日出願の米国仮特許出願第60/711,649号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、逆浸透濾過システムの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
逆浸透水濾過システムは、源水を有する適当な膜の片側を加圧し、膜に水をゆっくりと通過させ、水中の不純物を、膜を通る余分な源水の制御された流れによって洗い流すために、膜の源水側に残す。膜を通過する濾過水すなわち生産水は、保管タンクを生産水保管領域と圧搾水領域とに分割する可撓性の嚢を有する、保管タンク内に蓄積される。通常、嚢によって区画される生産水保管タンク領域が満たされると、嚢は、タンク壁部にぴったりと接触する。次に、生産水が分配されると、圧搾水が、嚢とタンク壁部との間の領域に結合される。しかし、嚢はタンク壁部とぴったり接触しているので、圧搾水が嚢とタンク壁部との間で滲出するには、少し時間がかかる。したがって、圧搾水の流れには、初期のもたつきが存在し、したがって生産水の加圧の際に、初期の生産水分配における望ましくないもたつき及び躊躇がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
改善された製造しやすさと性能を有する、逆浸透濾過用保管タンクが開示される。図1に見ることができるように、好ましい実施形態の保管タンク20は、上方シェル22と下方シェル24から製作され、下方シェル24は、完成したタンク20を平坦な表面上で支持するための中空の円形基部26を有する。タンクの断面図である図1は、上方タンク・シェル22と下方タンク・シェル24の内側にそれぞれ、リブすなわち突起28、30が示されている。これらのリブは、タンク・シェルの内側表面上に一体成形されたリブ様突起であり、その機能は以下で説明される。図2は、リブの正面図を示す、上方シェル22内をのぞき込んだ図である。
【0005】
図1にはまた、タンク内に配置されることになる嚢内に出入りする生産水のための中央開口部34と、生産水を分配する目的で選択的に加圧するための圧搾水の用の複数の周辺開口部36とを備えた頂部部材32も示されている。この好ましい実施形態では、2つのタンク・シェル22、24は、説明したばかりのリブによって主に中断されるほぼ球形の内面を形成するために、2つの部材を強力かつ恒久的に接合するように、互いにスピン溶接される。
【0006】
次に図3を参照すると、図の左側は、図1と同じ断面を示し、図の右側は、嚢38が設置された後のタンクの断面を示す。嚢38は、好ましくは、逆浸透濾過保管タンクの嚢のために従来から使用される、何らかの可撓性材料製のブロー成形された球形の嚢であり、部材32の下向きの突起40を覆うように嵌め込まれて、それに封止されるネックを有する。図3の下方部分に見ることができるように、リブ30は、嚢をシェル24の壁部から離して局所的に保持し、図1に示すリブ28は、シェルの内周周囲の別の位置にて、シェル22に対して同じことを行う。その点に関して、2つのシェル22、24の相対的な角度向きは重要ではなく、制御される必要はない。
【0007】
好ましい実施形態の完成したアセンブリの斜視図を、図4に見ることができる。図に示されるように、好ましい実施形態では、上方シェル22の頂部42は、バヨネット・タイプのコネクタ44を有し、コネクタ44は、タンクの頂部42を逆浸透濾過システム・アセンブリの残りの部分に締結させ、Oリング溝46(図1及び図2参照)内のOリングが、生産水接続部を封止し、頂部42の内周内部のOリング・フィッティングが、特に加圧時に、圧搾水の漏れを防止するためにその内周を封止する。
【0008】
動作に際して、濾過中は、逆浸透膜を通過する生産水が嚢の内側に蓄積するように、嚢38とタンク20の内周との間の圧搾水領域が、ドレインへと排出される。すなわち嚢は、基本的に生産水で膨張し、ほとんどの圧搾水をドレインへ排水する。ただし、タンクの内周上のリブ28、30は、嚢を局所的にタンクの内壁から離して保持して、ポート36を通るこれらの領域への流れ通路をリブの周りに残す。したがって、嚢が満たされシステムが遮断されるときにも、リブのそれぞれの側部にあるこれらの流れ通路は維持される。次に、蛇口を開くこと、又は製氷機の弁をオンにすることなどによって、生産水が要求されるときや、システムが圧搾水を加圧するとき、圧搾水は、嚢38とタンク内周との間の領域内へと自由に流入し、生産水を、分配目的で実質的に直ちに加圧する。結果的に、本発明のタンクは、容易に射出成形及びスピン溶接され、かつ、満たされた保管タンクからの生産水の初期分配の際のもたつき及び躊躇をなくすという、さらなる利点を有する。
【0009】
好ましい実施形態では、リブが、圧搾水の初期流入のための流路を形成するように、タンクの内面上に配置される。あるいは、タンク内の同様の凹みを使用することができるが、それらはタンクを弱くし、タンクのための平均壁厚を幾分より厚くすることが必要となり、費用が増すので、好ましくない。しかし、さらなる代替形態として、リブは、必ずしもタンクの内面全体にわたって延び、又は円周方向に向けられる必要はないが、少なくとも、圧搾水接続部からタンクへと出るべきである。各「リブ」はまた、互いに隣接する2つの盛り上がった領域の形とし、それによって、盛り上がった領域の間に別の圧搾水流路を形成することができる。同様に、タンク・シェルは、球形以外の内部を形成することができ、かつ/又は、スピン溶接以外の手段によって組み立てることができるが、スピン溶接が好ましい。というのもスピン溶接は、成形された材料自体と実質的に同じくらい強い溶接強度をもたらす、非常に低価格な製造技術であるからである。
【0010】
すなわち、本発明のいくつかの好ましい実施形態を、限定ではなく例示のために、本明細書において開示し説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更を加えることができることが、当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の好ましい一実施形態によるタンク・アセンブリを示す断面図である。
【図2】図1の実施形態の上方シェル22を直接のぞき込んだ図である。
【図3】図1と同様であるが嚢が図の右側に示される断面図である。
【図4】好ましい実施形態の最終的なタンク・アセンブリを示す斜視図である。。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
囲いを形成するために互いに結合される、第1及び第2の成形シェルと、
前記囲い内部にあり、前記囲い内部で生産水を圧搾水から分離するように結合される嚢と、
前記嚢の前記生産水側へ水を入れるための、前記囲いの壁部を通る第1のポートと、
前記嚢の前記圧搾水側への圧搾水を入れるための、前記囲いの壁部を通る第2のポートとを備え、
前記囲いの内面は、前記嚢が生産水で満たされているときに、前記囲いの前記内面と前記嚢との間に複数のチャネルを形成するように構成されたトポグラフィを有し、前記嚢が生産水で満たされているときに前記囲い内への圧搾水の流れを前記囲いと前記嚢との間に受け入れる逆浸透生産水保管タンク。
【請求項2】
前記複数のチャネルが、前記第2のポート付近から発している請求項1に記載のタンク。
【請求項3】
前記トポグラフィが、前記第1及び第2の成形シェルの前記内面内に成形された、複数のリブで構成される請求項1に記載のタンク。
【請求項4】
前記第1及び第2の成形シェルが、実質的に球形の囲となっている請求項1に記載のタンク。
【請求項5】
前記第1及び第2の成形シェルが、互いにスピン溶接される請求項4に記載のタンク。
【請求項6】
前記第1及び第2のポートが、同心ポートである請求項1に記載のタンク。
【請求項7】
前記第1の成形シェルがインサートを内部に備える開口部を有し、前記インサートが、生産水のための中央導管と、前記中央導管に隣接して圧搾水のための少なくとも1つの通路とを備え、前記嚢が前記中央導管に結合される請求項6に記載のタンク。
【請求項8】
囲いを形成するように同一平面内で互いに結合され、前記平面に対して垂直な共軸を有する第1及び第2の成形シェルと、
前記囲い内にあり、圧搾水から生産水を分離するように結合される嚢と、
前記第1の成形シェル内の、実質的にその軸上にあってインサートを有する開口部とを備え、
前記インサートが、生産水のための中央導管と、前記中央導管に隣接して圧搾水のための少なくとも1つの通路とを備え、前記嚢が、前記中央導管に結合され、
前記囲いの内面は、前記嚢が生産水で満たされているときに、前記囲いの前記内面と前記嚢との間に複数のチャネルを形成するように構成されたトポグラフィを有し、前記嚢が生産水で満たされているときに前記囲い内への圧搾水の流れを前記囲いと前記嚢との間に受け入れる逆浸透生産水保管タンク。
【請求項9】
前記複数のチャネルが、前記第1の成形シェル内の前記開口部付近から発している請求項8に記載のタンク。
【請求項10】
前記トポグラフィが、前記第1及び第2の成形シェルの前記内面内に成形された複数のリブで構成される請求項8に記載のタンク。
【請求項11】
前記第1及び第2の成形シェルが実質的に球形の囲いである請求項8に記載のタンク。
【請求項12】
前記第1及び第2の成形シェルが、互いにスピン溶接される請求項8に記載のタンク。
【請求項13】
球形の囲いを形成するように1つの平面内で互いにスピン溶接され、前記平面に対して垂直の共軸を有する、第1及び第2の成形シェルと、
前記囲い内にあり、圧搾水から生産水を分離するように結合される嚢と、
前記第1の成形シェル内の、実質的にその軸にあり内部にインサートを有する開口部とを備え、
前記インサートが、生産水のための中央導管と、前記中央導管に隣接して圧搾水のための少なくとも1つの通路とを備え、前記嚢が前記中央導管に結合され、
前記囲いの内面は、前記嚢が生産水で満たされているときに、前記囲いの前記内面と前記嚢との間に複数のチャネルを形成するように構成されたトポグラフィを有し、前記嚢が生産水で満たされているときに前記囲い内への圧搾水の流れを前記囲いと前記嚢との間に受け入れる逆浸透生産水保管タンク。
【請求項14】
前記複数のチャネルが、前記第1の成形シェル内の前記開口部付近から発している請求項13に記載のタンク。
【請求項15】
前記トポグラフィが、前記第1及び第2の成形シェルの前記内面内に成形された複数のリブで構成される請求項13に記載のタンク。
【請求項16】
球形の囲いを形成するように1つの平面内で互いにスピン溶接され、前記平面に対して垂直の共軸を有する、第1及び第2の成形シェルと、
前記囲い内にあり、圧搾水から生産水を分離するように結合される嚢と、
前記第1の成形シェル内の、実質的にその軸上にありインサートを有する開口部とを備え、
前記インサートが、生産水のための中央導管と、前記中央導管に隣接した、圧搾水のための少なくとも1つの通路とを備え、前記嚢が、前記中央導管に結合され、
前記囲いの内面が、前記第1及び第2の成形シェルの前記内面内に成形され、前記第1の成形シェル内の前記開口部付近から発していて、前記嚢が生産水で満たされるときに前記囲いの前記内面と前記嚢との間に複数のチャネルを形成するための複数のリブを有し、前記複数のリブは、前記嚢が生産水で満たされているときに、前記囲い内への圧搾水の流れを前記囲いと前記嚢の間で受け入れる、逆浸透生産水保管タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−505827(P2009−505827A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528238(P2008−528238)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/033597
【国際公開番号】WO2007/025263
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508059063)ネクスト−アールオー・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】