説明

逆錐台状容器

【課題】引き抜かれる容器とその下側にある容器との間に負圧部が生ずることがないため、容易に引き抜きができる逆錐台状容器を提供する。
【解決手段】本発明の逆錐台状容器1は、外側面または内側面に楔状とされた部分2bを有する空気流路形成用突片2備えてなるもので、好ましい形態においては、複数の突片2が並列的に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は逆錐台状容器に関する。さらに詳しくは、積み重ねられた状態から容易に引き抜きがなし得る逆錐台状容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、積み重ねが容易なことから、容器の形状として逆錐台状形状が用いられている。
【0003】
しかしながら、積み重ねられた容器1A‘,1B’を引き抜く場合、引き抜かれる容器1A‘とその下側にある容器1B’との間に、図6に示すように、負圧部vが発生して容易に引き抜きができないという問題が生じている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、引き抜かれる容器とその下側にある容器との間に負圧部が生ずることがないため、容易に引き抜きができる逆錐台状容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の逆錐台状容器は、外側面または内側面に空気流路形成用突片を上下方向に備えてなることを特徴とする。
【0006】
本発明の逆錐台状容器においては、複数の突片を並列的に備えてなるのが好ましい。
【0007】
また、本発明の逆錐台状容器においては、突片が楔状とされた部分を有するのが好ましい。
【0008】
さらに、本発明の逆錐台状容器においては、突片がスペース片を構成する基部を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の逆錐台状容器は、前記の如く構成されているので、積み重ねられた場合、いわゆるスタックされた場合、下側の容器との間に空気流路が形成される。そのため、上側の容器を引き抜く際に、下側の容器との間に負圧が発生せず、容易に引き抜くことができ、作業能率が向上するという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではない。
【0011】
実施形態1
図1に、本発明の実施形態1に係る逆角錐台状容器(以下、単に容器という)1A,1Bを積み重ねつつある状態を概略図で示す。
【0012】
容器1は、図1に示すように、各外側面に楔状の突片(空気流路形成用突片)2を上端部に形成された把持部から上下方向に所定長さで一体的にそれぞれ備えてなるものとされる。
【0013】
なお、図中の符号3は下側の容器1Bとの間に把持スペースを確保するためのスペース片を示す。
【0014】
突片2は、図2に示すように、スペース片3と同一形状とされた基部2aと、基部2aの下端から段付状に側面に沿わせて適宜長さにて形成された楔部2bとを有するものとされる。
【0015】
容器1は、前述したように楔状の突片2が各外側面に設けられているので、積み重ねられた場合、図3に示すように、楔部2bが各容器1のそれぞれの側面をその可撓性を利用して隙間が広がるように変形させ、各側面間に空気を形成させる。そのため、上側の容器1Aを引き抜く際に、下側の容器1Bとの間に負圧が生せず容易に引き抜きがなし得る。
【0016】
このように、実施形態1の容器1によれば、引き抜きが容易になるので、作業能率が向上する。
【0017】
実施形態2
本発明の実施形態2に係る容器10を図4に示す。
【0018】
実施形態2は実施形態1を改変してなるものであって、容器10の各外側面に、楔状の突片2,2を上端部に形成された把持部から上下方向に所定長さで一体的に並列的に備える一方、実施形態1で用いられていたスペース片3を省略してなるものとされる。ここで、並列的とは、必ずしも突片2,2が平行に配置されていることを意味しない。
【0019】
なお、実施形態2のその余の構成および作用・効果は、実施形態1と同様とされている。
【0020】
容器10は、前述したように楔状の突片2,2が各外側面に並列的に設けられているので、図5に示すように、突片2,2間に確実に空気流路が形成される。この場合、突片2の数を3以上とすることにより、空気流路の形成がより確実になされる。
【0021】
このように、実施形態2の容器10によれば、突片2,2間に確実に空気流路が形成されるので、下側の容器10Bとの間における負圧の発生を確実に防止できる。そのため、上側の容器10Aの引き抜きが一層容易となる。
【0022】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるものではなく、種々改変が可能である。
【0023】
例えば、各実施形態では、各外側面に突片2が設けられているが、突片2を幅狭の外側面のみに設けるようにしてもよい。
【0024】
また、各実施形態では突片2は容器1の外側面に設けられているが、容器の内側面に設けるようにしてもよい。
【0025】
さらに、本実施形態では容器1の形状は逆四角錐台状とされているが、容器1の形状は各種形状とすることができ、例えば、逆円錐台状とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、いわゆるスタックされて搬送される容器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態1に係る容器を積み重ねつつある状態を示す概略図である。
【図2】同実施形態における突片の詳細図である。
【図3】積み重ねられた状態で、下側の容器との間に空気流路が形成されることを示す要部断面図である。
【図4】本発明の実施形態2の図1相当図である。
【図5】本発明の実施形態2の図3相当図である。
【図6】従来の容器を引き抜く際に負圧部が生じている状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1,10 容器
2 空気流路形成用突片
2a 基部
2b 楔部
3 スペース片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側面または内側面に空気流路形成用突片を上下方向に備えてなることを特徴とする逆錐台状容器。
【請求項2】
複数の突片を並列的に備えてなることを特徴とする請求項1記載の逆錐台状容器。
【請求項3】
突片が楔状とされた部分を有することを特徴とする請求項1記載の逆錐台状容器。
【請求項4】
突片がスペース片を構成する基部を有することを特徴とする請求項1記載の逆錐台状容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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