説明

透明微小球

【課題】良好な機械的特性をもつ透明中実微小球を提供すること。
【解決手段】中実微小球の全重量に対して少なくとも約75重量%の全含有率でチタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカを含有し、アルミナ、ジルコニアおよびチタニアの全含有率はシリカの含有率より大きい、透明中実微小球となす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくはチタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカを含む透明微小球(すなわちビーズ)に関する。より詳しくは、本発明は、例えば、再帰反射物品中のレンズエレメントに適する透明性と機械的特性の両方を有する融合微小球に関する。
【背景技術】
【0002】
反射シートおよび道路表面反射体などの反射体中で用いられる透明ガラス微小球(すなわちビーズ)は、例えば溶融法によって製造することが可能である。こうした溶融法は、一般に、粒状材料の形をとった原材料組成物を溶融させることを含む。その後、液体は水で冷却し、乾燥し、そして破砕して最終ビーズにとって望ましいサイズの粒子を形成することが可能である。その後、破砕された粒子は、破砕された粒子を溶融し球状化するのに十分な温度を有する火炎に通す。殆どのガラスの場合、これは約1000℃〜約1450℃の温度である。あるいは、液体は高速度空気のジェットに注ぐことが可能である。ビーズは生じたストリーム中で直接形成される。ビーズのサイズを制御するために空気の速度は調節される。これらのビーズは、通常、完全に非晶質(すなわち非結晶質)であるガラス質材料から構成され、従って、ビーズは「ガラス質」ビーズ、「非晶質」ビーズ、あるいは単に「ガラス」ビーズまたは微小球と呼ばれることが多い。
【0003】
シリカは、ガラス形成用組成物の一般的な成分である。アルミナおよびジルコニアも、靱性、硬度および強度などの機械的特性を改善するために透明ガラスビーズ中で用いられてきた。しかし、こうしたビーズが含有できるアルミナおよびジルコニアの量は、透明性の損失および処理の難しさなどの、結晶化から生じる問題を避けるように限定される傾向がある。最も非常に耐久性がある組成物は、少量の改質剤(例えば、アルカリ土類酸化物)と合わせて主としてアルミナ、ジルコニアおよびシリカを含む。これらの組成物は極めて高い融点を持つ傾向があり、水素炎またはプラズマトーチなどの特殊な処理装置を必要とする。改質剤含有率が多くより低い融点の組成物は一般に機械的特性が劣り、従来のガラスビーズに比べて限られた改善しかもたらさない。さらに、改質剤含有率が多い(例えば、約25重量%より多い)組成物は、劣った化学的耐久性を示しうる。今日まで記載された高耐久性の融合ビーズは、一般に、ジルコニア含有率が多く(例えば、約55重量%より多い)ないかぎり望ましい屈折率をもたない。しかし、ジルコニア含有率が多いと、融点および結晶化する傾向を高める傾向があり、プラズマ銃または他の特殊装置を使用しないで透明微小球を得るのは難しい。
【0004】
従来のバリウム−チタネート系ガラスビーズ組成物は、一般に、化合物BaTiOまたはBaO/TiO共晶に基づいており、そしてシリカ、あるいは酸化錫または酸化亜鉛などの、より高い屈折率(ハイインデックス)の酸化物を含有しうる。こうした組成物は約55%より多いチタニアを含有しうる。但し、主として酸化鉛を含む、より少ないチタニアの組成物も知られている。バリウム−チタネート系ガラスビーズ組成物は、一般に、耐久性が低いガラスビーズであり、20%より多いアルカリ土類酸化物を含有し、かなりの微結晶性を有する透明ビーズに容易に変換されてこなかったか、あるいは変換されないし、そして一般にはアルミナもジルコニアも殆どまたは全く含有しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされるものは、少ない改質剤含有率(例えば、約25重量%以下のアルカリ土類酸化物)、より高い屈折率、より低い溶融温度および改善された冷却挙動を有する、ジルコニア/アルミナ/シリカ(ZAS)組成で良好な機械的特性をもつ透明中実ビーズ(すなわち微小球)である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態において、微小球は、中実微小球の全重量に対して少なくとも約75重量%の全含有率でチタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカを含む。組成物が「チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカ」を含むという表現は、組成物がチタニアと、アルミナ、ジルコニアおよびシリカの少なくとも一種を含むことを意味する。好ましくは、チタニア、アルミナおよびジルコニア(どの一つの組成物中にもすべてが存在するとは限らなくてもよい)の全含有率は、シリカ(存在するとすれば)の含有率より多い。特に好ましい実施形態において、チタニア含有率は、中実微小球の全重量に対して少なくとも約10重量%、且つより好ましくは約50重量%以下である。
【0007】
好ましくは、微小球は、好ましくはナノスケールのガラスセラミック微小構造を有するガラスセラミック微小球である。ある好ましい実施形態において、微小球は、チタネート化合物(例えば、チタン酸カルシウム)、酸化チタン、ジルコネート化合物、酸化ジルコニウムまたはそれらの組み合わせを含む結晶相を含む。
【0008】
本発明のなおもう一つの好ましい実施形態は融合微小球を含む。本明細書において用いられる場合、「融合」微小球とは、ゾルゲル法とは対照的に溶融法によって調製される微小球を意味する。こうした融合微小球は、完全に非晶質(すなわち非結晶質)であってもよく、あるいは結晶領域と非結晶領域をもってもよい。
【0009】
好ましくは、微小球は、少なくとも約1.7の屈折率を有し、そして再帰反射物品中のレンズエレメントとして有用である。一実施形態において、ガラスセラミック微小球は少なくとも約2.0の屈折率を有し、そしてウェットタイプの再帰反射物品に特に有用である。
【0010】
本発明は、上述した透明中実微小球を含む再帰反射物品も提供する。一つの好ましい物品は、裏材料(バッキング)と裏材料上に被覆された透明中実微小球とを含む舗道マーキングテープである。本発明は、上述した透明中実微小球を含む舗道マーキングも提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよびシリカの少なくとも一種を含有する種々の組成の透明中実微小球(すなわちビーズ)を提供する。微小球が比較的低い液相線温度(好ましくは約1400℃以下、より好ましくは約1300℃以下)を示すと共に冷却された時に曇りのない透明なガラスを形成することが好ましい。また、好ましい微小球は、熱処理を介して微結晶ガラス−セラミック構造を形成し、しかも透明なままである。
【0012】
ビーズは、一般に、初期に溶融物から形成されると実質的に非晶質である(しかし、多少の結晶性を含みうる)。しかし、ビーズは、さらに熱処理すると、ナノスケールのガラスセラミック微小構造(すなわち、かなりの体積分率の直径約100ナノメートル未満の結晶が初期非晶質構造内から成長した微小構造)の形をとって結晶性を発現しうる。驚くべきことには、この結晶が形成されても、組成物は透明なままである。好ましくは、結晶相中の結晶のサイズは、直径約20ナノメートル(0.02マイクロメートル)未満である。このサイズの結晶は、一般には効果的な光散乱体ではないので、透明性を大幅に低下させない。
【0013】
一般に、融合ビーズ(すなわち、溶融法から製造されたビーズ)は密で原子的に均質なガラス網目構造を含み、後続の熱処理中にガラス網目構造からナノ結晶が核化し成長しうる。ゾルゲルビーズは、一般に、焼結コロイドシリカなどの非晶質材料と化学的前駆物質の分解または焼結中に結晶化するジルコニアなどのナノ結晶成分との混合物を含む。ゾルゲルビーズの残りの非晶質マトリックスは、融合ビーズのそれより、一層の結晶化および不透明化に耐えない傾向がある。これは、アルカリ土類含有組成物に関して特に当てはまる。
【0014】
「ビーズ」および「微小球」という用語は互換的に用いられ、厳密ではないけれども実質的に球状である粒子を意味する。「中実」という用語は、中空ではないビーズを意味する。すなわち、ビーズには実質的な空洞も空隙もない。レンズエレメントとして任意に有用であるために、ビーズは、球状で中実であるべきである。中実ビーズは、一般に、特に凍結−融解サイクルに供された時に中空ビーズより耐久性である。
【0015】
「透明」という用語は、ビーズを光学顕微鏡下で(例えば、100倍で)見た時に、ビーズと物体の両方をビーズとほぼ同じ屈折率の油に浸漬した時にビーズと同じ性質の物体などのビーズの下にある物体をビーズを通して明確に見ることができるように、ビーズが可視光の光線を透過する特性を有することを意味する。油はビーズの屈折率に近い屈折率を有するべきであるけれども、油は、(ビーズと油が完全屈折率一致の場合のように)ビーズが消えるように見えるほどには近くてはならない。ビーズの下にある物体の輪郭、周囲または端は明確に識別できる。
【0016】
本発明による透明中実ビーズは、好ましくは少なくとも約1.7、より好ましくは少なくとも約1.8、最も好ましくは少なくとも約1.85の屈折率を有する。ビーズは、空気中での使用のために、好ましくは約2.0以下、より好ましくは1.95以下の屈折率を有する。好ましくは、ビーズは、水またはウェット環境での使用のために、一般的には約2.0より大きい、多くの場合2.2ほどに大きい、より大きい屈折率を有する。こうしたビーズは再帰反射物品中のレンズエレメントとして有用である。
【0017】
本発明のビーズは、約50マイクロメートル(μm)〜約500μmが一般に望ましいが種々のサイズで製造し使用することが可能である。より大きいビーズの製造の副生物として直径2μmまたは3μmまでの僅かのビーズを形成する時もあるが、直径10μmより小さいビーズを意図的に形成することは難しい。一般に、ビーズに関する用途において、直径約2ミリメートル未満、最も多くの場合直径約1ミリメートル未満のビーズが必要とされている。
【0018】
本発明による透明ビーズは、一般に高い硬度レベル、一般に高い破砕強度および高い耐久性を示す。例えば、透明ビーズのビッカース硬度は、好ましくは少なくとも約800kg/mm、より好ましくは少なくとも約900kg/mm、最も好ましくは少なくとも約1000kg/mm、最適には少なくとも約1300kg/mmである。硬度の上限に関する特定の限界はないけれども、硬度は、一般的には約2,000kg/mm以下である。
【0019】
本発明のビーズの破砕強度値は、米国特許第4,772,511号(Wood)に記載された試験手順に従って決定することができる。本ビーズは、この手順を用いて、好ましくは少なくとも約690MPa、より好ましくは少なくとも約960MPa、最も好ましくは少なくとも約1240MPaの破砕強度を実証している。
【0020】
本発明のビーズの耐久性は、米国特許第4,758,469号(Lange)に記載された試験手順に従って圧縮空気駆動の砂流れにビーズを供することにより実証することが可能である。本ビーズは、この手順を用いて、元の反射明度の約50%〜約80%の保持によって証明されるように、高い耐破壊性、耐チッピング性および耐摩耗性である。
【0021】
微小球組成物
ガラスおよびセラミック技術において一般的であるように、ビーズの成分は、酸化物が完成品中に存在するとみなされる形態であると共に、ビーズ中の化学元素および化学元素の割合を正確に説明する形態である酸化物として表現される。ビーズを製造するために用いられる出発材料は、酸化物以外の炭酸塩などの何らかの化合物であることが可能であるが、組成物は、原料の溶融中に酸化物形態に変性されることになる。従って、本発明のビーズ組成物を理論酸化物基準の観点から論じる。
【0022】
用いられる出発材料の量に基づく理論酸化物基準で、本明細書において記載される配合物を報告する。これらの値は、溶融および球状化プロセス中に揮発する一過性材料(例えば、一過性中間体)を必ずしも計上しているとはかぎらない。例えば、ボリア(B)、アルカリ金属酸化物および酸化亜鉛は一般に多少とも一過性である。従って、最終製品が分析されるとすれば、最終微小球を製造するために添加されたボリアおよび/またはアルカリ金属酸化物の元の量の5%の損失程度は存在しうる。しかし、本明細書においては、従来のように、最終微小球のすべての成分を出発材料の量およびガラス形成用組成物の全重量に基づいて計算し、理論基準に基づいて酸化物の重量%で報告する。
【0023】
一般に、本発明による透明ビーズ(好ましくは融合ビーズ)は、チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカを含む。さらに、透明ビーズは、バリア、ストロンチア、マグネシアまたはカルシアなどのアルカリ土類金属酸化物を含むことが可能である。さらに、ビーズは、ビーズの必要な特性に悪い影響を及ぼさないかぎり、単独で、あるいは組み合わせでリチウム、ナトリウム、カリウム、イットリウム、錫および硼素などの元素の酸化物を含むことが可能である。ある実施形態において、約25重量%以下のこれらの酸化物が本発明のビーズに配合される。より好ましい実施形態は、20重量%未満のアルカリ土類酸化物を含む。最も好ましい実施形態は、約15重量%未満、最適には10重量%未満のバリアおよび/またはストロンチアを含む。アルカリ金属酸化物を約10重量%以下でビーズ中に含めることも好ましい。
【0024】
二種以上の成分の全含有率を論じる組成物において、ビーズは、記載された成分の一種のみ、記載された成分の種々の組み合わせ、あるいは記載された成分のすべてを含むことが可能である。例えば、ビーズ組成物が40重量%の量でアルミナおよびジルコニアの全含有率を含むと言われる場合、ビーズ組成物は、40重量%のアルミナ、40重量%のジルコニア、あるいは40重量%のアルミナとジルコニアを含みうる。
【0025】
好ましい1実施形態において、本発明による透明ビーズは、ビーズの全重量に対して少なくとも約75重量%の全量でチタニアと、ジルコニア、アルミナおよび/またはシリカを含む。好ましくは、これらの成分の全含有率は少なくとも約80重量%である。
【0026】
一般に、ジルコニアおよびアルミナは、セラミック物品に高い硬度と強度を与えることが知られている。シリカはガラス形成体として有用であり、そしてアルミナおよびジルコニアと組み合わされた時に液相線温度の多少の低下をもたらす。しかし、シリカは低い屈折率を有し、更に、ジルコニア/アルミナ/シリカ(ZAS)三元系における有用な低溶融領域は、約1750℃の比較的高い液相線温度を有する。
【0027】
チタニアは、融点が1840℃である高い屈折率の酸化物であり、一般には硬度または強度のためではなく、光学的および電気的特性のゆえに一般に用いられる。チタニアは、ジルコニアに似て、ガラス組成物の結晶化を引き起こすことが知られている強い核剤である。チタニアは、ZAS系に添加される四番目の成分としてその高い単独融点にもかかわらず、ZAS組成物の屈折率を大幅に高めつつ液相線温度をさらに低下させる。際だったことには、より低い融点のチタニア含有ビーズの機械的特性は優れているか、あるいはアルミナ含有率が少なく(例えば約20%)、アルミナとジルコニアの組み合わせ量が少ない(例えば約40%)組成物に関してさえ、いっそう大幅に改善される。さらに、チタニアを含有する四元組成物は、ジルコニア含有率が多い(例えば、約40%より多い)時でさえ、そしてジルコニアとチタニアの組み合わせ含有率が50%より多い時でさえ、ガラスに向けて容易に冷却され、そしてガラスセラミックに向けて制御可能に結晶化される。従って、チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよびシリカの一種以上を含有する本発明の組成物は、比較的低い液相線温度、高い屈折率、高い結晶性、優れた機械的特性および高い透明性をもたらす。
【0028】
本発明の組成物において、チタニア、ジルコニアおよびアルミナの組み合わせ量はシリカの量より多い。チタニア、ジルコニアおよびアルミナは、機械的特性を改善する結晶相または高い硬度をもたらす。多すぎるシリカを含有する組成物は、好ましくなく低い屈折率をもつ傾向がある。アルミナとジルコニアとチタニアの全重量対シリカの重量の比、すなわち、(アルミナ+ジルコニア+チタニア)/シリカは、好ましくは少なくとも約1.2、より好ましくは少なくとも約2である。その比は、より好ましくは約3〜約7の範囲内である。アルミナとジルコニアとチタニア対シリカの比が小さすぎる場合、ビーズ硬度を高める効果は低下する。逆に、この比が大きすぎる場合、ビーズの透明性を損なう恐れがある。
【0029】
中実微小球の全重量に対して、アルミナ含有率は好ましくは約70%以下であり、ジルコニア含有率は好ましくは約50%以下である。アルミナとジルコニアの全含有率は、中実微小球の全重量に対して好ましくは少なくとも約5重量%、より好ましくは少なくとも約10重量%、なおより好ましくは少なくとも約20重量%、なおより好ましくは少なくとも約25重量%、最も好ましくは少なくとも約40重量%である。
【0030】
本発明による透明ビーズのチタニア含有率は、中実微小球の全重量に対して好ましくは少なくとも約10重量%である。特に機械的特性が良好なガラスビーズのある好ましい実施形態に関して、チタニア含有率は約50重量%以下である。特に高屈折率ガラスセラミックビーズの他の実施形態に関して、チタニア含有率は約50重量%より多いことが可能である。こうしたガラスセラミックビーズは機械的特性がより劣る場合があるが、それらのビーズは、一般に、約2.0より高い屈折率を有し、湿り反射に有用である。チタニア含有率は、中実微小球の全重量に対してより好ましくは約15%〜約40重量%、最も好ましくは約15%〜約35重量%である。上述したように、チタニアは液相線温度を低下させ、そしてZAS組成物に対する屈折率を高める。チタニアは、冷却中にガラスを形成すると共に結晶化中に透明性を維持する能力を損なわずに結晶性がより大きい組成物も提供する。
【0031】
ZAS組成物が結晶相として主としてジルコニアを含有する傾向がある一方で、本発明の組成物は、一般に、ジルコニア、チタン酸ジルコニウム、他のジルコネート、ルチル、他のチタニアおよびチタネートの一種以上および結晶化後に他の相を含む。チタニウムは、条件に応じて異なる酸素含有率の酸化物を形成する可変原子価遷移金属である。チタニアは酸素を失う傾向があり、高温にさらされ、そして冷却された時に黒い半導電性材料になる。本発明の組成物は、冷却された時に一般に暗色、青色または黒色であるが、熱処理によって再び酸化されうると共に、無色にされうる。本組成物は、こうした熱処理後に組成物が透明なままであるように制御された結晶化特性を示す。従って、同時に色を除去すると共にビーズ内で必要な微結晶性を発現させるこうした熱処理を行うことができる。一般に、50%より多いチタニアを含有する組成物は、色を除去するために、より少ないチタニアを含有する組成物より高い熱処理温度を必要とすることがあり、結晶化しそして半透明性または不透明性を発現させる傾向がありうる。従って、チタニアが多い組成物は、一般に、カルシア、またはビーズを再び酸化させる能力を改善する他の添加剤を含有する。
【0032】
本発明による透明融合ビーズのシリカ含有率は、好ましくは、アルミナとジルコニアとチタニアの全含有率より少ない。一般に、シリカが存在する場合、シリカは、中実微小球の全重量に対して約40重量%以下の量で存在する。より好ましくは、シリカ含有率は、約5%〜約35重量%の範囲内である。シリカ含有率が5重量%未満である場合、ビーズの透明性に悪い影響を及ぼすと共に液相線温度が高くなりすぎるおそれがある。逆にシリカ含有率が35重量%を超える場合、機械的特性に悪い影響を及ぼすか、あるいは屈折率が低くなりすぎるおそれがある。シリカ含有率は、最も好ましくは、中実微小球の全重量に対して約10%〜約30重量%の範囲内である。
【0033】
アルカリ土類改質剤は、冷却中にガラスを形成させたり、透明性を維持しつつ色を除去するためにプロセスウィンドーを広げたり、液相線温度を低下させたりするために特に有用である。驚くべきことには、クリアガラスに向けて冷却する能力は、焼鈍すると結晶化する傾向が増加するにもかかわらず改善される。チタニアからの暗着色が除去される時点の温度は、アルカリ土類の添加によって大幅に低下する。マグネシアおよび他のアルカリ土類も、おそらくは熱処理工程中に結晶化を制御すると共に、生じる微小構造に影響を及ぼすことにより、改善された破砕強度をもたらすことが可能である。多すぎるアルカリ土類酸化物は、より劣った機械的強度および酸性環境への劣った化学的耐性の原因となりうる。従って、ビーズは、中実微小球の全重量に対して約25重量%以下のアルカリ土類酸化物を含有する。
【0034】
本発明のビーズ中に着色剤を含めることも可能である。こうした着色剤には、例えば、CeO、Fe、CoO、Cr、NiO、CuO、MnOなどが挙げられる。本発明のビーズは、ビーズの全重量(理論酸化物基準)に対して一般には約5重量%以下、好ましくは約1重量%以下の着色剤を含む。ユーロピウムなどの希土類元素も蛍光のために含めることが可能である。
【0035】
微小球の調製
本発明による微小球は、例えば、米国特許第3,493,403号(Tun)において開示されたような従来の方法によって調製することが可能である。一つの有用な方法において、各出発材料のサイズが好ましくは約0.01μm〜約50μmである出発材料を特定の形で量って注ぎ、互いに密に混合する。出発原材料は、溶融するかまたは熱処理すると酸化物を形成する化合物を含む。これらには、単独で、あるいは二つ以上の種類を組み合わせた、酸化物(例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア)、水酸化物、酸塩化物、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩などを挙げることが可能である。さらに、ムライト(3Al・2SiO)およびジルコン(ZrO・SiO)などの複合酸化物も、単独で、あるいは上述した原材料と組み合わせて用いることが可能である。
【0036】
その後、すべての出発材料が液体状になるまでガス燃焼炉または電気炉内で出発材料を溶融させる。液体バッチを高速空気のジェットに注ぐことが可能である。生じたストリーム中で必要なサイズのビーズを形成する。この方法において空気の速度を調節して、形成された一定割合のビーズに必要な寸法をもたせる。一般に、こうした組成物は、十分に低い粘度と高い表面張力を有する。
【0037】
出発材料の溶融は、一般には約1500℃〜約1900℃の範囲内の温度、多くの場合例えば、1700℃の温度に加熱することにより行う。出発材料を溶融するために、水素−酸素バーナーまたはアセチレン−酸素バーナーを用いる直接加熱法、あるいはアークイメージ炉、ソーラー炉、グラファイト炉またはジルコニア炉を用いる炉加熱法を用いることが可能である。
【0038】
あるいは、液体を水で冷却し、乾燥し、破砕して最終ビーズに必要なサイズの粒子を形成する。破砕された粒子を篩にかけて、確実に粒子が適切なサイズ範囲内であるようにすることが可能である。その後、粒子を再び溶融すると共に、球状化するのに十分な温度をもつ火炎に破砕粒子を通すことが可能である。
【0039】
好ましい方法において、最初に出発材料を大きな原料粒子に成形する。原料粒子を水素−酸素バーナー、アセチレン−酸素バーナーまたはメタン−空気バーナーなどのバーナーに直接供給し、その後、水(例えば、ウォーターカーテンまたは水浴の形で)で冷却する。出発材料を溶融し粉砕するか、凝集させるか、あるいは焼結することにより原料粒子を形成することが可能である。サイズ(最大寸法の長さ)約500μm以下の凝集粒子を用いることができる。水との混合、噴霧乾燥およびペレット化などによる周知された種々の方法によって凝集粒子を作ることが可能である。得られたビーズの粒子サイズのより良好な制御に、特に凝集物の形を取っている場合、出発材料を分級することが可能である。凝集されているか否かを問わず、バーナー炎を水平配置にしたバーナーに出発材料を供給することが可能である。一般に、原料粒子を火炎の底で火炎に供給する。水平配置は必要な透明レベルの球状粒子の非常に高い収率(例えば、100%)をもたらすことが可能であるので、水平配置は望ましい。
【0040】
溶融小滴を冷却する手順は空冷または急冷を伴うことが可能である。例えば、出発材料の溶融小滴を水または冷却油などの冷却媒体に落下させることにより急冷を行う。さらに、溶融小滴を空気またはアルゴンなどの気体に噴霧する方法も使用することができる。生じた冷却融合ビーズは、一般に、再帰反射物品中のレンズエレメントとして用いるのに十分に透明である。ある実施形態に関して、こうしたビーズはまた、再帰反射物品中で直接用いるのに十分に硬く、強くかつ強靱である。しかし、機械的特性を改善するために、後続の熱処理工程が一般に必要とされる。
【0041】
好ましい1実施形態において、ビーズ前駆体を形成し、その後加熱することが可能である。本明細書において用いられる場合、「ビーズ前駆体」とは、ビーズ出発組成物を溶融し冷却することによってビーズの形状に成形された材料を意味する。このビーズ前駆体を本明細書において冷却融合ビーズとも呼び、それは、機械的特性および透明性が必要なレベルのものである場合に後続の処理なしで用いるために適する場合がある。規定量の原材料(例えば、チタン原材料、シリコン原材料、アルミニウム原材料およびジルコニウム原材料)を含有する出発材料を溶融し、所定の粒子サイズの溶融小滴を形成し、そして溶融小滴を冷却することにより、ビーズ前駆体を形成する。得られたビーズ前駆体が所定の比において必要な原材料を含有するように出発材料を調製する。溶融小滴の粒子サイズは、通常、約10マイクロメートル(μm)〜約2,000μmの範囲内である。ビーズ前駆体の粒子サイズおよび最終透明融合ビーズの粒子サイズを溶融小滴の粒子サイズによって制御することが可能である。
【0042】
従って、ある好ましい実施形態において、ビーズ前駆体(すなわち、冷却融合ビーズ)を後で加熱する。好ましくは、この加熱工程をビーズ前駆体の融点より低い温度で行う。この温度は一般に少なくとも約750℃である。ビーズ前駆体の融点を超えないかぎり、その温度は、好ましくは約850℃〜約1100℃である。ビーズ前駆体の加熱温度が低すぎる場合、得られたビーズの機械的特性を高める効果は不十分である。逆に、加熱温度が高すぎる場合、透明性低下のおそれがある。機械的特性を改善するこの加熱工程の時間に関する特定の限界はないけれども、少なくとも約1分にわたる加熱は通常は十分であり、好ましくは約5分〜約100分にわたり加熱を行うべきである。さらに、ビーズの透明性および機械的特性をさらに高めることが可能であるので、熱処理前に約600℃〜約800℃の範囲内の温度で(例えば、約1時間にわたり)予備加熱することは有利である。
【0043】
この方法は、例えば、その主成分としてアルミナおよびシリカを含有する相内で均一に分散した状態において微細結晶相を成長させるためにも適する。ジルコニウム、チタンなどの酸化物を含有する結晶相も、溶融物から(すなわち、後続の加熱なしで)ビーズを形成すると直ぐに、高レベルのジルコニアまたはチタニアを含有する組成物中に生成することが可能である。重要なことには、出発組成物中にアルカリ土類金属酸化物(例えば、酸化カルシウム、あるいは溶融または熱処理後に酸化カルシウムを形成する炭酸カルシウムなどの物質)を含めることによって結晶相は(溶融物から直接または後で熱処理すると)より容易に形成される。
【0044】
用途
本発明による透明(好ましくは融合)ビーズをコーティング組成物に配合することが可能である(例えば、米国特許第3,410,185号(Harrington)、米国特許第2,963,378号(Palmquistら)、およびビーズを分散させる膜形成性結合材料を一般に含む米国特許第3,228,897号(Nellessen)を参照すること)。あるいは、舗道マーキングの場合のように塗装ライン用のドロップオン用途においてビーズを用いることが可能である。
【0045】
本発明のビーズは、米国特許第4,248,932号(Tungら)に記載されたような舗道マーキングシート材料(テープ)、および米国特許第5,268,789号(Bradshaw)、同第5,310,278号(Kaczmarczikら)、同第5,286,682号(Jacobsら)および同第5,227,221号(hedblom)において開示されたものなどの他の再帰反射アセンブリー中で特に有用である。露出レンズ、封入レンズまたは埋め込みレンズシート中でビーズを用いることが可能である。
【0046】
例えば、米国特許第2,354,018号(Heltzerら)または米国特許第3,915,771号(Gatzkeら)において教示されたように、舗道マーキングに有用なシートは、一般に、裏材料、結合剤材料の層、結合剤材料の層に部分的に埋め込まれたビーズの層を含む。一般的に厚さ約3mm未満である裏材料は、種々の材料、例えば、高分子フィルム、金属箔および繊維系シートから製造することが可能である。適する高分子材料には、アクリロニトリルブタジエンポリマー、ロール練り用ポリウレタンおよびネオプレンゴムが挙げられる。裏材料は、粒状充填剤または耐滑り性粒子を含むことも可能である。結合剤材料には、任意に無機顔料などの着色剤と組み合わせた、種々の材料、例えば、ビニルポリマー、ポリウレタン、エポキシドおよびポリエステルを挙げることが可能である。舗道マーキングシートは、裏当てシートの底上に接着剤、例えば、感圧接着剤、触圧接着剤またはホットメルト接着剤を含むことも可能である。
【0047】
舗道マーキングシ−トは、様々な公知の方法によって製造することが可能である。こうした方法の代表的な例には、樹脂、顔料および溶媒の混合物を裏当てシート上に被覆し、裏材料の湿り表面上に本発明によるビーズを落下させ、そして構造体を硬化させることが挙げられる。その後、接着剤の層を裏当てシートの底上に被覆することが可能である。
【実施例】
【0048】
以下において、実施例および比較例を用いて本発明を説明する。さらに、本発明はこれらの実施例に決して限定されないことが理解されるべきである。すべての百分率は、特に明記しないかぎり組成物の全重量に対する重量%である。
【0049】
実施例1〜16
チタニア、ジルコニア、アルミナおよびシリカ(TZASまたはZAST)の幾つかのビーズ組成物を以下で示すように製造した。粉末をガラスジャー内に入れ、振とうによって混合した。その後、固形物約65〜70重量%の水性スラリーとして、粉末をSzegvari摩砕機ミル(オハイオ州アクロンのユニオンプロセス(Union Process))内で微粉砕(ミリング)した。バッチ200gの粉末を微粉砕するために直径3/16インチ(0.48cm)の球状アルミナ媒体715グラム(g)を用いた。摩砕機ミルの体積は750mlであった。粉末50%で2時間微粉砕後に、スラリーをジャー内に集め、乾燥用オーブン内に入れて水を蒸発させた。その後、乾燥させた固形物を乳鉢と乳棒を用いて破砕し、必要な粒子サイズ範囲に篩で篩った。用いた粉末は次の通りであった。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
ビーズを火炎で形成するために用いた装置は、水が樋、次に排水路に向けて傾斜板を流れ落ちるステンレススチール製金属密閉容器を備えていた。水素トーチを密閉容器内の傾斜板に向けた。ビーズ処理に用いた水素トーチは、ガラス器具に関する加工に一般に用いられるBethlehemベンチバーナーであった。プレミックスとは対照的に、気体を表面混合した。バーナーには小さな内環と大きな外環があり、それぞれは燃料と酸素の両方を備えている。アセチレンを除く殆どの燃料に関してトーチを推奨する。本明細書において用いられる方法において、以下の気体を標準リットル/分(SLPM)で流している内環および外環の両方を用いた。
【0053】
【表3】

【0054】
スクリーン篩および漏斗を備えたフィーダー装置を用いて、乾燥させサイズ調整した粒子を水素トーチ炎に直接供給した。必要な供給速度を与えるために、選択した振動数で機械的装置によってスクリーン篩と漏斗の両方を軽く叩いた。粒子は、バーナー面の約1〜2インチ(2.5〜5.0cm)前で火炎に落下し、火炎によって水に向けて運ばれ、水はトーチ内のビーズを冷却し集めた。材料を集め、乾燥した。その後、極めて均一で狭い粒子原料を火炎中に与える小さい砂時計に似た重力フィード式「くびれ」漏斗を用いて材料をトーチ内で再処理した。
【0055】
その後、火炎で形成したビーズを熱処理して微結晶性を発現させた。一般的には、1gの材料を小さなアルミナるつぼ内に入れ、必要な保持温度への傾斜20℃/分、その温度で1時間保持、扉密閉炉の冷却速度平均約10℃/分での室温への冷却の条件に従って熱処理した。組成物ごとに900℃、950℃、1000℃、1050℃および1100℃の熱処理温度を用いた。Ney Dental International Furnace、モデルVulcan3−550(イリノイ州ニルスのコールパーマー(Cole−Parmer))内で熱処理を行った。
【0056】
幾つかの組成の微小球を作り、試験した。結果を第1表および第2表に報告する。各組成物の小混合物を白金箔上に置き、炉内で加熱し、そして光学顕微鏡でサンプルを観察することにより溶融挙動を試験した。見出し「14、15および16」における第2表の項目は、1400℃、1500℃および1600℃に加熱後の観察を示したものであり、「1」は溶融しなかったことを意味し、「5」は完全に溶融したことを示している。ビーズを再び酸化させるのに要する温度および不透明化が起きる最高温度を「色およびヘーズ」において示している。熱処理後の破砕強度(米国特許第4,772,511号(Wood)に記載された試験手順によって決定される)も示す。
【0057】
【表4】

【0058】
【表5】

【0059】
実施例17
シリカ粉末(キンセイマテック(Kinseimatech Co.)、Snow Mark sp−3、1.05g)、酸化ジルコニウム粉末(ダイイチキゲンソ(Daiichikigenso Ind.Co.)、EP、8.25g)、酸化アルミニウム粉末(住友化学、AES−12、6.75g)、炭酸カルシウム粉末(宇部マテリアルズ(Ube Materials)3N−A、3.3g)およびチタニア粉末(イシハラテクノ(Ishihara Techno Co.)、CR−EL、16g)を水50gと混合した。混合物をガラスジャー内に入れ、20時間にわたり混転した。20時間の時点で、それを乾燥し、乳鉢で破砕した。その後、ガラスジャー内で再び混転することにより、破砕した粉末を再凝集させた。凝集物を篩にかけて106〜180μmを得た。この凝集した材料を1100℃に加熱し、放置して1時間にわたりこの温度のままにした。
【0060】
得られた粉末をH−O炎に落として溶融させ、水で冷却した。火炎は5の水素/酸素比で発生し、長さは35センチメートルであった。角度は0〜20度、すなわち、実質的に水平であった。バーナー出口の直径は40ミリメートルであった。
【0061】
形成されたガラスビーズを乾燥後950℃で5分にわたり熱処理した。ガラスビーズの屈折率は2.17であり、ビッカース硬度は1153kg/mmであった。一般的なソーダ石灰ガラスのビッカース硬度は515kg/mmであることが分かった。
【0062】
所定の荷重下でダイアモンド錐体を材料に貫入し、その後、作られた窪みを光学的に測定することによってビッカース硬度がもたらされる。ビッカース錐体の底面は、錐体の反対面間の頂角が常に136度である正方形である。窪みの深さは、窪み対角線の1/7に対応し、硬度は0.00189F/dに等しい。ここでFは、加えられた力(ニュートン)であり、dは、窪み対角線の長さ(マイクロメートル)である。これらの実施例において、Hv100は、100gの荷重が加えられた時のビッカース硬度を意味する。
【0063】
実施例18〜23
ガラスビーズを実施例17に従って調製した。この実施例における出発材料の組成を第3表および第4表に記載する。得られたビーズ(950℃で5分にわたり熱処理されたもの)のビッカース硬度も第3表に示す。
【0064】
【表6】

【0065】
【表7】

【0066】
実施例24〜25
ガラスビーズを実施例17に従って調製した。この実施例における出発材料の組成を第5表および第6表に記載する。得られたビーズ(950℃で5分にわたり熱処理されたもの)のビッカース硬度も第5表に示す。
【0067】
【表8】

【0068】
【表9】

【0069】
本明細書に引用するすべての特許、特許文書および刊行物は、個別に援用することで完全な開示をしたものとする。本発明の必須の要件から逸脱せずに本発明の上述した実施形態に種々の修正をなすことが可能であることが当業者によって認められるであろう。本発明は、添付した請求項の範囲内でこうした修正のすべてを包含することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよびシリカの少なくとも一種とを含む透明中実微小球であって、チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカの全含有率が前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約75重量%であり、チタニア、アルミナおよびジルコニアの全含有率がシリカの含有率より多く、チタニア含有率が前記中実微小球の全重量に対して約10重量%〜約50重量%である透明中実微小球。
【請求項2】
前記中実微小球の全重量に対して約25重量%以下の量でアルカリ土類酸化物を含む、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項3】
ジルコニアとアルミナの全含有率は、前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約10重量%である、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項4】
ジルコニアとアルミナの全含有率は、前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約25重量%である、請求項2に記載の透明微小球。
【請求項5】
ジルコニアとアルミナの全含有率は、前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約40重量%である、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項6】
前記中実微小球の全重量に対して、ジルコニアとアルミナの全含有率は少なくとも約5重量%であり、チタニア含有率は約15重量%〜約40重量%である、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項7】
屈折率は少なくとも約1.7である、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項8】
屈折率は少なくとも約1.8である、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項9】
屈折率は少なくとも約1.85であり且つ約2以下である、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項10】
前記微小球はガラスセラミック微小構造を含む、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項11】
チタネート、チタニア、ジルコネート、ジルコニアまたはそれらの組み合わせを含む結晶相を含む、請求項10に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項12】
約1400℃以下の液相線温度を有する組成物から調製された、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項13】
約1300℃以下の液相線温度を有する組成物から調製された、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項14】
BaO、SrOおよびそれらの混合物の群から選択された約10重量%以下のアルカリ土類酸化物を含む、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項15】
少なくとも約690MPaの破砕強度を有する、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項16】
少なくとも約960MPaの破砕強度を有する、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項17】
前記微小球は融合されている、請求項1に記載の透明微小球。
【請求項18】
チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよびシリカの少なくとも一種とを含む透明中実ガラスセラミック微小球であって、チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカの全含有率が前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約75重量%であり、チタニア、アルミナおよびジルコニアの全含有率がシリカの含有率より多く、チタニア含有率が前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約10重量%の量で存在する、透明中実ガラスセラミック微小球。
【請求項19】
ジルコニアとアルミナの全含有率は、前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約10重量%である、請求項18に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項20】
屈折率は少なくとも約1.8である、請求項18に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項21】
屈折率は少なくとも約2.0である、請求項18に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項22】
ビッカース硬度は少なくとも約800kg/mmである、請求項18に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項23】
チタネート化合物、チタニア、ジルコネート化合物、ジルコニアまたはそれらの組み合わせを含む結晶相を含む、請求項18に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項24】
前記結晶性化合物は酸化チタンである、請求項23に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項25】
前記結晶性化合物は酸化ジルコニウムである、請求項23に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項26】
チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよびシリカの少なくとも一種とを含む透明中実融合ガラスセラミック微小球であって、チタニアと、アルミナ、ジルコニアおよび/またはシリカの全含有率が前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約75重量%であり、チタニア、アルミナおよびジルコニアの全含有率がシリカの含有率より多く、チタニア含有率が前記中実微小球の全重量に対して少なくとも約10重量%の量で存在する、透明中実融合ガラスセラミック微小球。
【請求項27】
チタニア含有率は前記中実微小球の全重量に対して約10重量%〜約50重量%である、請求項26に記載の透明ガラスセラミック微小球。
【請求項28】
請求項1に記載の透明微小球を含む再帰反射物品。
【請求項29】
請求項18に記載の透明微小球を含む再帰反射物品。
【請求項30】
請求項26に記載の透明微小球を含む再帰反射物品。
【請求項31】
請求項1に記載の透明微小球を含む舗道マーキング。
【請求項32】
請求項18に記載の透明微小球を含む舗道マーキング。
【請求項33】
請求項26に記載の透明微小球を含む舗道マーキング。

【公開番号】特開2011−237825(P2011−237825A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−171078(P2011−171078)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【分割の表示】特願2001−512467(P2001−512467)の分割
【原出願日】平成12年7月5日(2000.7.5)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】