説明

透析用粉末剤溶解方法および装置

【課題】短時間で粉末供給でき溶解時間を短縮して容易に大型のセントラル透析システムにも対応可能とし、粉末供給機構に高精度が不要で装置全体を簡素化し、しかも、粉末の付着や飛散等を容易に防止可能な、透析用粉末剤溶解方法および装置を提供する。
【解決手段】溶解槽において透析用粉末剤と希釈水を所定の混合比率にて混合、溶解して所定濃度の透析用原液を調製するに際し、先に透析用粉末剤を溶解槽内に供給し、供給された透析用粉末剤を溶解槽ごと計量し、次いで希釈水を供給するに際し、先に計量された透析用粉末剤の供給量に対応して希釈水の供給量が所定の混合比率になるように、希釈水の供給量を溶解槽ごと計量することにより制御することを特徴とする、透析用粉末剤溶解方法および装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液透析に用いられる透析液、とくに所定濃度の透析用原液を調製するための透析用粉末剤溶解方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
とくに、多人数用の血液透析を中央で集中管理できるようにした、いわゆるセントラル透析システムにおいては、個々の血液透析に用いられる透析液、とくに所定濃度の透析用原液が、透析用粉末剤と希釈水とを所定の混合比率で混合し、透析用粉末剤を希釈水で溶解することにより、多量に調製されることが多い。この所定濃度の透析用原液は、通常バッチ方式で調製される。例えば、透析用粉末剤を貯留するホッパーとそこから所定量の透析用粉末剤を供給制御できるようにした供給手段とを有し、供給された透析用粉末剤と希釈水とを混合することにより所定濃度の透析用原液を調製できるようにした透析用粉末剤溶解装置が知られている。
【0003】
このような従来の透析用粉末剤溶解装置では、基本的に、溶解槽に希釈水を供給し、その希釈水量に対し、混合する透析用粉末剤の供給量を調節し、粉末の微粉注によって調製すべき透析用原液の濃度を最終調整するようになっている。
【0004】
しかしながら、このような従来方法および装置は、溶解槽での最終濃度調整をあくまで粉末の小刻みな継ぎ足しで行うものであり、透析用原液の溶解、濃度調整に多くの時間が必要となり(特に、濃度フィードバック式では多くの時間が必要となり)、不具合発生時のリカバリーは極めて困難である。また、微粉注のための粉末供給手段に高い精度が要求され、機構が複雑になる。さらに、小刻みな粉注は、最終段階で粉末供給手段の先端部に粉末を中途半端に残留させることになり、粉末の吸湿固着による供給不良あるいは固着塊落下による濃度不良を誘発するおそれがある。
【0005】
また、粉末供給手段として、貯留ホッパーと溶解槽の間にロードセル式計量ホッパを設け、この計量ホッパで受けた粉末の重量をフィードバックするようにした方式が知られているが、大きなスペースを占める計量ホッパを特別に設ける必要があり、粉末供給経路や機構が複雑になるとともに、粉末が付着しやすくなる、飛散しやすくなる、などの問題がある。また、例えば、特許文献1には、粉末の貯留ホッパーではなく、粉末が収容された複数の容器を容器保持手段に保持して順次開封し、開封された容器から粉末を溶解槽に供給するようにした透析用粉末剤溶解装置が開示されているが、やはり、溶解槽前の粉末供給経路や機構の複雑になるとともに、とくに容器開封時、開封容器からの粉末供給時に、粉末が付着しやすくなる、飛散しやすくなる、などの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3965979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、上記のような従来方式における問題点に着目し、短時間で粉末供給でき溶解時間を短縮して容易に大型のセントラル透析システムにも対応可能とし、粉末供給機構に高精度が不要で装置全体を簡素化可能であり、しかも、粉末の付着や飛散を容易に防止可能な、透析用粉末剤溶解方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る透析用粉末剤溶解方法は、溶解槽において透析用粉末剤と希釈水を所定の混合比率にて混合、溶解することにより所定濃度の透析用原液を調製する透析用粉末剤溶解方法において、先に主として透析用粉末剤を溶解槽内に供給し、供給された透析用粉末剤を溶解槽ごと計量し、次いで希釈水を供給するに際し、先に計量された透析用粉末剤の供給量に対応して希釈水の供給量が前記所定の混合比率になるように、希釈水の供給量を溶解槽ごと計量することにより制御することを特徴とする方法からなる。
【0009】
すなわち、本発明においては、空の溶解槽に、または、所定量の希釈水が溜められている溶解槽に、先に透析用粉末剤が1バッチ処理のための全量供給され、その状態で溶解槽ごと質量計量される。計量された透析用粉末剤の供給量に対応して、所定の混合比率になるように、希釈水が供給され、その供給量が、溶解槽ごと計量することにより制御される。つまり、透析用粉末剤と希釈水を混合して所定濃度の透析用原液を調製する場合、目標とする濃度によって混合比率は一義的に決まっているので、あくまで先に供給された透析用粉末剤の供給量に対して所定比率の希釈水を加え、所定濃度の透析用原液を調製すればよいことになる。この透析用原液の調製においては、所定濃度への調整は、最終的に希釈水の供給量の制御によって行われることになるから、先に行われる透析用粉末剤の供給における供給量は、高精度に制御する必要はなく、1バッチ分の透析用粉末剤を短時間のうちに、例えば一気に、溶解槽に供給して粉末供給動作を完了させることが可能になり、粉注口等に粉末を残すことはなくなる。そして、希釈水の供給による透析用原液の濃度最終調整は、水(希釈水)の供給量制御により行われるから、従来の粉末の微粉注による濃度最終調整に比べ、簡単な供給量制御機構にて容易に制御でき、かつ、容易に高い供給量の精度が得られる。したがって、従来の粉末の微粉注による方法における残留粉による影響、とくに前述したような粉末の付着や飛散、固着塊の落下による濃度不良などの発生が防止され、しかも、装置全体を簡素に構成しつつ、透析用原液の目標とする濃度への調整が短時間のうちに高精度で実行できることになる。
【0010】
上記の本発明に係る透析用粉末剤溶解方法においては、上記所定の混合比率への最終微調整のために、それまでに供給された希釈水に加え、最終的に、供給量を計測しながら希釈水を追加供給するようにすることが好ましい。つまり、希釈水の供給最終段階で、希釈水の供給量を計測しながら少量ずつ供給できるようにすることにより、より高精度の透析用原液の濃度最終調整を可能とするのである。この最終的な調整においても、従来の微粉注に比べ、水(希釈水)を扱う方がはるかに容易であり、かつ、微調整も容易にしかも高精度で行うことが可能になる。
【0011】
上記所定の混合比率への最終微調整のための希釈水の追加供給においては、定量ポンプを用いることが好ましい。定量ポンプを用いることにより、一層高精度の透析用原液の濃度調整が可能となる。ただし、他の希釈水の追加供給手段を用いることも可能である。
【0012】
また、上記希釈水の追加供給のための定量ポンプは、専用の定量ポンプを設けることも可能であり、例えば、溶解槽内に薬液を供給する薬液供給用定量ポンプと共用することも可能である。後者の場合には、より装置全体を簡素化し、かつ、コストダウンを図ることが可能である。
【0013】
本発明に係る透析用粉末剤溶解装置は、透析用粉末剤を貯留する透析用粉末剤貯留手段と、該透析用粉末剤貯留手段内の透析用粉末剤を溶解槽内に供給する透析用粉末剤供給手段と、透析用粉末剤を希釈する希釈水を溶解槽内に供給する希釈水供給手段と、供給された透析用粉末剤と希釈水を所定の混合比率にて混合、溶解することにより所定濃度の透析用原液を調製する溶解槽とを有する透析用粉末剤溶解装置において、溶解槽内に供給された透析用粉末剤の供給量を溶解槽ごと計量するとともに次いで溶解槽内に供給された希釈水を溶解槽ごと計量することが可能な計量手段を有し、該計量手段による計量を介して前記所定の混合比率が達成可能に構成されていることを特徴とするものからなる。
【0014】
この本発明に係る透析用粉末剤溶解装置においては、上述の如く、透析用粉末剤の微粉注は不要であるから、透析用粉末剤貯留手段と溶解槽との間に設けられる透析用粉末剤供給手段には、従来の微粉注手段のような複雑な機構は必要なく、簡単な機構の手段でよいので、装置全体の簡素化、小型化、コストダウンが可能である。また、短時間で比較的多量の透析用粉末剤を溶解槽内に供給すればよいから、粉末の微粉注による装置における残留粉による影響も排除できる。そして、粉末に比べ供給量制御の容易な希釈水の供給量の制御によって透析用原液の濃度最終調整を行うことになるから、所定濃度への調整の容易化とともに、高精度の濃度調整が可能になる。したがって、従来の粉末の微粉注による装置に比べ、残留粉による影響を排除しつつ、装置全体を簡素に構成でき、透析用原液の高精度の濃度調整を短時間のうちに行うことができるようになる。
【0015】
上記の本発明に係る透析用粉末剤溶解装置においては、上記所定の混合比率への最終微調整のために、それまでに供給された希釈水に加え、供給量を計測しながら希釈水を追加供給可能な希釈水追加供給手段を有することが好ましい。これにより、より高精度の透析用原液の濃度調整が可能となる。
【0016】
また、上記所定の混合比率への最終微調整のための希釈水追加供給手段は、高精度で希釈水の供給量制御が可能な定量ポンプからなることが好ましい。この希釈水追加供給手段としての定量ポンプは、例えば、溶解槽内に薬液を供給する薬液供給用定量ポンプと共用することが可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る透析用粉末剤溶解方法および装置によれば、透析用粉末剤の供給に多くの時間がかからず、かつ、濃度調整のための希釈水の供給は、微粉注に比べてはるかに容易にかつ高精度で行うことができるから、短時間のうちに所定濃度の透析用原液を高い精度で容易に調製できるようになる。また、透析用粉末剤の供給に高い精度を必要としないから粉末剤供給手段は簡素なものでよく、かつ短時間のうちに比較的多量の透析用粉末剤を溶解槽に供給すればよいから微粉注の場合のような不具合の発生を防止でき、装置全体の簡素化、小型化、低コスト化を図ることができるとともに、装置および装置周辺の清浄化を達成でき、かつ、保守、管理作業の軽減を図ることもできる。その結果、セントラル透析システムへの対応に最適な透析用粉末剤溶解方法および装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施態様に係る透析用粉末剤溶解装置の機器系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施態様に係る透析用粉末剤溶解方法を実施するための、本発明の一実施態様に係る透析用粉末剤溶解装置を示している。図1において、1は透析用粉末剤溶解装置全体を示しており、透析用粉末剤溶解装置1は、透析用粉末剤2が投入され透析用粉末剤2を貯留する透析用粉末剤貯留手段としてのホッパー3と、該ホッパー3内の透析用粉末剤を溶解槽内に供給する透析用粉末剤供給手段としてのフィーダ4と、透析用粉末剤を希釈する希釈水5を溶解槽内に供給する希釈水供給手段6と、供給された透析用粉末剤と希釈水を所定の混合比率にて混合、溶解することにより目標とする所定濃度の透析用原液を調製する溶解槽7とを有している。
【0020】
本実施態様においては、希釈水5は、希釈水供給弁8を介して溶解槽7内に供給され、最終的な透析用粉末剤との混合比率を所定の混合比率に制御できるように、供給の最終段階では最終混合比率調整弁9を介して溶解槽7内に供給されるようになっている。また、本実施態様においては、溶解槽7内には薬液としての消毒液10も供給できるようになっている。この消毒液10は、消毒液供給弁11を介して溶解槽7内に供給され、薬液供給用定量ポンプ12により、その供給量を高精度で制御できるようになっている。そして、本実施態様では、この薬液供給用定量ポンプ12は、最終混合比率調整弁9を介して溶解槽7内に供給される希釈水の最終供給量をより高精度に制御するための、希釈水最終供給量制御用の定量ポンプとしても機能できるようになっている。
【0021】
溶解槽7は、溶解槽内7に供給された透析用粉末剤の供給量を溶解槽7ごと質量計量するとともに、その計量に次いで溶解槽7内に供給された希釈水を溶解槽7ごと計量することが可能な計量手段としての質量計測手段13上に設けられている。この質量計測手段13による計量を介して目標とする透析用粉末剤と希釈水との所定の混合比率が達成可能となっている。
【0022】
溶解槽7における透析用粉末剤と希釈水との混合は、例えば、循環ポンプ14、循環弁15を通した混合液循環によって行われる。本実施態様では、混合により調製される透析用原液が所定濃度に調整されているか否かを確認するために、必要に応じて電導率の測定を行うことができるようになっており、該測定のための電導率センサ16と電導率測定用循環弁17を備えた分岐回路が付加されている。さらに本実施態様では、必要に応じて溶解槽7からの排水を行うために、排水弁18を備えた排水回路が溶解槽7の下部に接続されており、排水19は適当な排水先に送られる。溶解槽7で所定濃度に調製された透析用原液は、循環ポンプ14を利用し、移送弁20を介して原液貯留槽21へと送られるようになっている。
【0023】
このように構成された透析用粉末剤溶解装置1において、本発明に係る透析用粉末剤溶解方法は次のように実施される。
まず、空の溶解槽7に、あるいは、所定の少量の希釈水が溜められている溶解槽7に(この場合には、貯留されている少量の希釈水量はあらかじめ質量計測手段13によって計量されている。)、透析用粉末剤が1バッチ処理のために必要な量、全量フィーダ4によって供給される。この透析用粉末剤の供給には、高精度の供給量制御は必要とせず、1バッチ処理のための量が、短時間のうちに実質的に一気に供給されればよい。したがって、従来の微粉注に比べ、供給時間は僅かでよく、粉末供給動作は短時間で完了し、かつ、微粉注の場合のような、粉注口等に粉末を残すことはなく、しかも、粉末の付着や飛散、固着塊の落下による濃度不良などの発生も容易に防止される。
【0024】
溶解槽7内に透析用粉末剤が供給された状態で、透析用粉末剤の供給量が、質量計測手段13によって溶解槽7ごと質量計量される。つまり、この段階では、透析用粉末剤の供給結果(つまり、供給量)さえ把握されればよい。計量された透析用粉末剤の供給量に対応して、目標とする所定の混合比率になるように、希釈水が供給される。希釈水の供給量も、溶解槽7ごと計量され、その計量を介して供給量が制御される。透析用粉末剤と希釈水を混合して所定濃度の透析用原液を調製する場合、目標とする濃度によって透析用粉末剤と希釈水との混合比率は一義的に決まるので、先に供給された透析用粉末剤の供給量に対して所定比率の希釈水が加えられる。この希釈水の供給量の制御は、水の供給量制御であるから、従来の粉末の微粉注による混合比率調整に比べ、極めて容易にかつ高精度に行うことが可能になる。また、透析用粉末剤の供給量と希釈水の供給量がともに溶解槽7ごと計量されるので、最終混合比率が容易にかつ高精度に把握可能であり、所定濃度の透析用原液を高精度に調製される。
【0025】
さらに本実施態様では、上記所定の混合比率への最終微調整のために、それまでに供給された希釈水に加え、最終的に、供給量を計測しながら希釈水を少量ずつ追加供給できるようにしているので、最終的な微調整も容易にかつより高精度で行うことが可能になる。しかも、最終微調整のための希釈水の追加供給に、定量ポンプ12を用いるので、一層高精度の透析用原液の濃度調整が可能となる。加えて、この定量ポンプ12は、薬液供給用定量ポンプと共用されているので、装置全体の簡素化を図りつつ、コストダウンも図ることが可能となっている。
【0026】
このように、本実施態様に係る透析用粉末剤溶解方法および装置においては、粉末供給に時間がかからないため、溶解に要する時間を大幅に短縮でき、大型セントラル透析システムへの対応が可能となる。また、微粉注が不要になるため粉末供給手段に高い精度を必要とせず、さらに、粉末中間計量ホッパ等を必要としないので粉末供給機構を簡素に構成でき、クリーン化度の向上や保守作業の軽減などを図ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、あらゆる透析用粉末剤溶解方法および装置に適用可能であり、とくにセントラル透析システムに適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0028】
1 透析用粉末剤溶解装置
2 透析用粉末剤
3 透析用粉末剤貯留手段としてのホッパー
4 透析用粉末剤供給手段としてのフィーダ
5 希釈水
6 希釈水供給手段
7 溶解槽
8 希釈水供給弁
9 最終混合比率調整弁
10 薬液としての消毒液
11 消毒液供給弁
12 薬液供給用定量ポンプ
13 計量手段としての質量計測手段
14 循環ポンプ
15 循環弁
16 電導率センサ
17 電導率測定用循環弁
18 排水弁
19 排水
20 移送弁
21 原液貯留槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解槽において透析用粉末剤と希釈水を所定の混合比率にて混合、溶解することにより所定濃度の透析用原液を調製する透析用粉末剤溶解方法において、先に主として透析用粉末剤を溶解槽内に供給し、供給された透析用粉末剤を溶解槽ごと計量し、次いで希釈水を供給するに際し、先に計量された透析用粉末剤の供給量に対応して希釈水の供給量が前記所定の混合比率になるように、希釈水の供給量を溶解槽ごと計量することにより制御することを特徴とする透析用粉末剤溶解方法。
【請求項2】
前記所定の混合比率への最終微調整のために、それまでに供給された希釈水に加え、供給量を計測しながら希釈水を追加供給する、請求項1に記載の透析用粉末剤溶解方法。
【請求項3】
前記所定の混合比率への最終微調整のための希釈水の追加供給に、定量ポンプを用いる、請求項2に記載の透析用粉末剤溶解方法。
【請求項4】
前記希釈水の追加供給のための定量ポンプを、溶解槽内に薬液を供給する薬液供給用定量ポンプと共用する、請求項3に記載の透析用粉末剤溶解方法。
【請求項5】
透析用粉末剤を貯留する透析用粉末剤貯留手段と、該透析用粉末剤貯留手段内の透析用粉末剤を溶解槽内に供給する透析用粉末剤供給手段と、透析用粉末剤を希釈する希釈水を溶解槽内に供給する希釈水供給手段と、供給された透析用粉末剤と希釈水を所定の混合比率にて混合、溶解することにより所定濃度の透析用原液を調製する溶解槽とを有する透析用粉末剤溶解装置において、溶解槽内に供給された透析用粉末剤の供給量を溶解槽ごと計量するとともに次いで溶解槽内に供給された希釈水を溶解槽ごと計量することが可能な計量手段を有し、該計量手段による計量を介して前記所定の混合比率が達成可能に構成されていることを特徴とする透析用粉末剤溶解装置。
【請求項6】
前記所定の混合比率への最終微調整のために、それまでに供給された希釈水に加え、供給量を計測しながら希釈水を追加供給可能な希釈水追加供給手段を有する、請求項5に記載の透析用粉末剤溶解装置。
【請求項7】
前記所定の混合比率への最終微調整のための希釈水追加供給手段が定量ポンプからなる、請求項6に記載の透析用粉末剤溶解装置。
【請求項8】
前記希釈水追加供給手段としての定量ポンプが、溶解槽内に薬液を供給する薬液供給用定量ポンプと共用されている、請求項7に記載の透析用粉末剤溶解装置。

【図1】
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