説明

通信アダプタ装置およびみなし音声伝送方法

【課題】みなし音声を符号化して伝送する場合に正常な復号を可能にする技術を提供する。
【解決手段】通信アダプタ装置は、送信信号処理として、みなし音声通信装置から送信みなし音声アナログ信号を受信し、送信みなし音声アナログ信号をサンプリングと量子化によって送信みなし音声デジタル信号に変換し、送信みなし音声デジタル信号を、サンプリングのサンプリングフレームを単位として伝送フレームにマッピングし、伝送フレームを無線回線で前記基地局に送信する。また、通信アダプタ装置は、受信信号処理として、基地局から無線回線で伝送フレームを受信し、伝送フレームから受信みなし音声デジタル信号を、サンプリングフレームを単位としてデマッピングし、受信みなし音声デジタル信号から受信みなし音声アナログ信号を復元し、受信みなし音声アナログ信号をみなし音声通信装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、みなし音声によって無線ネットワークを介してデータ伝送を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
みなし音声という音声周波数帯域のアナログ信号によってデータを伝送する通信を、みなし音声通信という。みなし音声とは、DTE(Data Terminal Equipment)などによるデジタル信号を、モデムを用いて300〜3400Hzの音声周波数帯域のアナログに変換した信号や、ファクシミリなどの信号である。モデムは、例えば、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)のVシリーズ等に準拠したモデムである。みなし音声で通信することにより、音声信号の伝送に用いられる通信路でデータを伝送することが可能となる。
【0003】
図1は、みなし音声通信によってデータを伝送するシステムの構成の一例を示す図である。
【0004】
DTE101はパソコンなどのデータ通信端末機器である。モデム102は、ITU−TのVシリーズ等に準拠し、DTE101からのデータのデジタル信号を300〜3400Hzの音声周波数帯域のアナログ信号(みなし音声)に変換する機器である。
【0005】
PSTN103は、公衆交換電話網(PSTN「Public Switched Telephone Networks」)などの固定電話網である。例えば、PSTN103は、モデム102からのみなし音声のアナログ信号をG.711音声符号化方式の音声コーデックによって64Kbpsデジタル信号に符号化し、音声データ用の通信路で伝送する。
【0006】
図1の信号の流れを見ると、まず、一方(図中の左側)のDTE101からのデジタル信号がモデム102によって、みなし音声のアナログ信号に変換され、PSTN103を伝送され、他方のモデム102で再びデジタル信号に戻され、DTE101に送達される。この例では、みなし音声の信号が、固定電話網であるPSTNを伝送されている。音声のアナログ信号を伝送するためのPSTNを介してデジタルデータが伝送されている。
【0007】
ところで、PSTNと同様に第3世代携帯電話網でも音声信号が伝送され、それにより音声通話が行われている。したがって、第3世代携帯電話網でも、みなし音声を伝送することができれば、固定電話網でみなし音声による通信に使用されてきた既存の通信機器(DTE、モデム、ファクシミリ)をそのまま利用でき、有効活用が可能となる。またその結果、固定電話から携帯電話への移行が容易となる。更に、携帯電話網は固定電話網の回線設置のような工事が不要であることから、新たな機器を設置したり、機器を移設したりする際の自由度が高まり、柔軟にネットワークの構築を行うことが可能となる。
【0008】
しかし、第3世代携帯電話網のような携帯電話網では、高圧縮の音声コーデックが用いられている。そのため、携帯電話網では、音声周波数帯域の信号がPSTNを伝送されるときよりも劣化する。そのため、みなし音声によってデータを第3世代携帯電話網で正常に伝送することはできないとされている。
【0009】
例えば、第3世代携帯電話網では、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式などの3Gネットワークに対応した3G通信モジュールが使用される。3G通信モジュールにて音声通信用に採用されている音声コーデックはAMR(Adaptive Multi−Rate)音声符号化方式である。
【0010】
AMR音声符号化方式では、アナログ音声信号は、ビットレートが4.75kbps〜12.2kbpsのデジタル信号に変換される。このAMR方式のビットレートは、固定電話網で採用されているG.711符号化方式のビットレートである64kbpsよりも量子化ビット数が少ない。そのため、AMR符号化方式はG.711符号化方式よりもアナログ信号が大きく劣化する。そのため、第3世代携帯電話網では、みなし音声を音声信号の通信路で伝送することは不可能とされている。
【0011】
これに対して、みなし音声を携帯電話網で伝送する技術が特許文献1に開示されている。特許文献1には、監視装置から出力される監視データをモデムによってみなし音声に変換し、通信アダプタ装置にて、みなし音声を高品質符号化処理でデジタル音声信号に符号化し、デジタル音声信号を携帯電話網で伝送するシステムが開示されている。
【0012】
特許文献1には、符号化処理の例としてADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation:ITU−T G.726)コーデックが示されている。また、エラー訂正用フレームを実現する方法としてPPP(Point to Point Protocol)を適用する例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−283591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、みなし音声をADPCMコーデックで符号化したデジタル音声信号を、携帯電話網上を伝送するためのフレーム(以下、伝送フレームという)に搭載する際、デジタル音声信号における、みなし音声のアナログ信号からサンプリングされた値を量子化したデータの単位(以下、サンプリングフレームという)が異なる伝送フレームに分割されてしまうことがあった。
【0015】
ADPCMのサンプリングフレームが複数の伝送フレームに分断されると、受信側では、サンプリングフレームのデータが全て揃うまで、そのサンプリングフレームを復号することができない。そのため、特許文献1に開示されたシステムでは、サンプリングフレームの同期をとるのが困難となる場合があった。更に携帯電話網では無線回線においてジッタや揺らぎが発生するため、受信側のADPCMの復号処理にて、みなし音声のアナログ信号を正常に復号することが更に困難となる場合があった。
【0016】
本発明の目的は、みなし音声を符号化して伝送する場合に正常な復号を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明の通信アダプタ装置は、
みなし音声でデータ通信を行うみなし音声通信装置に接続され、アナログ信号を送受信するアナログインタフェース部と、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換するアナログ/デジタル変換部と、前記デジタル信号がマッピングされる伝送フレームを処理するフレーム処理部と、移動体通信網の基地局と無線回線で接続され、該基地局と前記伝送フレームを送受信する無線インタフェース部と、を有し、
送信信号処理として、
前記アナログインタフェース部が、前記みなし音声通信装置から送信みなし音声アナログ信号を受信し、
前記アナログ/デジタル変換部が、前記送信みなし音声アナログ信号をサンプリングと量子化によって送信みなし音声デジタル信号に変換し、
前記フレーム処理部が、前記送信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングのサンプリングフレームを単位として伝送フレームにマッピングし、
前記無線インタフェース部が、前記伝送フレームを前記無線回線で前記基地局に送信し、
受信信号処理として、
前記無線インタフェース部が、前記基地局から前記無線回線で伝送フレームを受信し、
前記フレーム処理部が、前記伝送フレームから受信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングフレームを単位としてデマッピングし、
前記アナログ/デジタル変換部が、前記受信みなし音声デジタル信号から受信みなし音声アナログ信号を復元し、
前記アナログインタフェース部が、前記受信みなし音声アナログ信号を前記みなし音声通信装置に送信するものである。
【0018】
本発明の、みなし音声伝送方法は、みなし音声でデータ通信を行うみなし音声通信装置に接続され、アナログ信号を送受信するアナログインタフェース部と、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換するアナログ/デジタル変換部と、前記デジタル信号がマッピングされる伝送フレームを処理するフレーム処理部と、移動通信網の基地局と無線回線で接続され、該基地局と前記伝送フレームを送受信する無線インタフェース部と、を有する通信アダプタ装置による、みなし音声伝送方法であって、
送信信号処理として、
前記アナログインタフェース部にて、前記みなし音声通信装置から送信みなし音声アナログ信号を受信し、
前記アナログ/デジタル変換部にて、前記送信みなし音声アナログ信号をサンプリングと量子化によって送信みなし音声デジタル信号に変換し、
前記フレーム処理部にて、前記送信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングのサンプリングフレームを単位として伝送フレームにマッピングし、
前記無線インタフェース部から、前記伝送フレームを前記無線回線で前記基地局に送信し、
受信信号処理として、
前記無線インタフェース部にて、前記基地局から前記無線回線で伝送フレームを受信し、
前記フレーム処理部にて、前記伝送フレームから受信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングフレームを単位としてデマッピングし、
前記アナログ/デジタル変換部にて、前記受信みなし音声デジタル信号から受信みなし音声アナログ信号を復元し、
前記アナログインタフェース部から、前記受信みなし音声アナログ信号を前記みなし音声通信装置に送信するものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、みなし音声を符号化して伝送する場合に正常な復号が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】みなし音声通信によってデータを伝送するシステムの構成の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態における、みなし音声データ伝送システムの構成を示す図である。
【図3】本実施形態の通信アダプタ装置203の構成を示すブロック図である。
【図4】第2の実施形態の通信アダプタ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態の一実施例による通信アダプタ装置203の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例における受信バッファ412の面構成を表す模式図である。
【図7】本実施例における伝送フレームのフレームフォーマットおよびデータ搭載の様子を示す図である。
【図8】本実施形態のみなし音声データ伝送システムの送信信号に関する動作を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態のみなし音声データ伝送システムの受信信号に関する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態における、みなし音声データ伝送システムの構成を示す図である。図2を参照すると、本システムは、それぞれ2つのDTE201、モデム202、および通信アダプタ装置203を有している。DTE201がモデム202および通信アダプタ装置203を介して移動体通信網204に接続されている。2つのDTE間の信号が移動体通信網204で伝送される。
【0023】
DTE201はパソコンなどのデータ通信端末機器である。モデム202は、ITU−TのVシリーズ等に準拠し、DTEからのデータのデジタル信号を300〜3400Hzの音声周波数帯域のアナログ信号(みなし音声)に変換する機器である。これらDTE201とモデム202は別々に構成されてもよく、1つの装置に組み込まれていてもよい。
【0024】
通信アダプタ装置203は、送信信号処理として、モデム202から、みなし音声のアナログ信号を受信し、そのアナログ信号をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号を伝送フレームにマッピングして移動体通信網204の基地局(不図示)に送信する。また、通信アダプタ装置203は、受信信号処理として、移動体通信網204の基地局から伝送フレームを受信し、その伝送フレームから、みなし音声のデジタル信号をデマッピングし、デジタル信号をアナログ信号に変換してモデム202に送信する。
【0025】
移動体通信網204は、基地局で、通信アダプタ装置203を含む端末装置と無線回線で接続し、その音声信号あるいはデータがマッピングされた伝送フレームを所望の宛先に伝送する。
【0026】
図3は、本実施形態の通信アダプタ装置203の構成を示すブロック図である。図3を参照すると、通信アダプタ装置203は、アナログインタフェース部301、アナログ/デジタル変換部302、フレーム処理部303、および無線インタフェース部304を有している。
【0027】
上述のように、通信アダプタ装置203の処理には、モデム202から移動体通信網204に向かう上り信号を処理する送信信号処理と、移動体通信網204からモデム202に向かう下り信号を処理する受信信号処理とが含まれている。以下、それぞれについて説明する。
【0028】
まず送信信号処理について説明する。
【0029】
DTE201から送信されたデータがモデム202でみなし音声に変換され、送信みなし音声アナログ信号として、モデム202からアナログインタフェース部301に入力される。
【0030】
アナログインタフェース部301は、送信みなし音声アナログ信号をモデム202から受信し、アナログ/デジタル変換部302に送信する。
【0031】
アナログ/デジタル変換部302は、送信みなし音声アナログ信号を、サンプリングと量子化を行うことによって送信みなし音声デジタル信号に変換し、フレーム処理部303に送信する。サンプリング周期および量子化ビット数は特に限定されず、任意である。
【0032】
フレーム処理部303は、送信みなし音声デジタル信号を、アナログ/デジタル変換部302で行われたサンプリングのサンプリングフレームを単位として伝送フレームにマッピングする。送信みなし音声デジタル信号がマッピングされた伝送フレームは無線インタフェース部304に送信される。これにより、1つのサンプリングフレームが複数の伝送フレームに分割されることが無くなる。
【0033】
無線インタフェース部304は、フレーム処理部303からの伝送フレームを無線回線で移動体通信網204の基地局に送信する。
【0034】
次に受信信号処理について説明する。
【0035】
無線インタフェース部304は、移動体通信網204の基地局から無線回線で伝送フレームを受信し、フレーム処理部303に送信する。
【0036】
フレーム処理部303は、無線インタフェース部304からの伝送フレームから受信みなし音声デジタル信号を、サンプリングフレームを単位としてデマッピングする。そして、フレーム処理部303は、デマッピングした受信みなし音声デジタル信号を、アナログ/デジタル変換部302に送信する。
【0037】
アナログ/デジタル変換部302は、フレーム処理部303からの受信みなし音声デジタル信号から受信みなし音声アナログ信号を復元し、アナログインタフェース部301に送信する。
【0038】
アナログインタフェース部301は、受信みなし音声アナログ信号をモデム202に送信する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、みなし音声のデジタル信号を、サンプリングフレームを単位として伝送フレームにマッピングし、またサンプリングフレームを単位として伝送フレームからデマッピングするので、移動体通信網204を伝送した伝送フレームから取り出したデジタル信号から、みなし音声を正常に復号することができる。
【0040】
なお、本実施形態では、フレーム処理部303は、受信信号処理において、無線インタフェース部304からの伝送フレームの受信タイミングのゆらぎを吸収するバッファを有してもよい。移動体通信網204からの伝送フレームの受信タイミングのゆらぎがバッファで吸収されるので、アナログ/デジタル変換部302におけるみなし音声の復号を、より確実に送信側の符号化と同期させることができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、移動体通信網204でみなし音声通信が可能になることにより、以下のような効果も得られる。
【0042】
PSTNのような固定電話網で、みなし音声通信に用いられていた機器(DTE、モデム、ファクシミリ)を破棄または変更することなく、移動体通信網204における、みなし音声通信にそのまま使用できるため、ユーザはPSTNから移動体通信網(携帯電話網)へ容易に移行することができる。
【0043】
また、移動体通信網204でみなし音声通信が可能となるため、固定電話回線の場合のような工事が不要なり、新たな機器の設置や移設の自由度が高まり、柔軟なネットワークの構築が可能となる。
【0044】
(第2の実施形態)
第2の実施形態のシステムは基本的に第1の実施形態のものと同じ構成を有するが、みなし音声信号に用いる符号化方式や伝送フレームがより具体化されている。
【0045】
本実施形態における、みなし音声データ伝送システムは、図2に示した第1の実施形態のものと同じ構成である。通信アダプタ装置203は、以下の4つの特徴を備えている。
【0046】
第1の特徴として、通信アダプタ装置203は、第3世代携帯電話網(移動体通信網204)を介して64kデジタルデータ通信によるエンド・ツー・エンドのトランスペアレントなデジタルデータ通信が可能である。
【0047】
第2の特徴として、通信アダプタ装置203は、みなし音声をITU−T G.726のADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation:ITU−T G.726)方式で32kbpsのデジタル信号に符号化することで、第3世代携帯電話網で音声信号に用いられるAMR方式による伝送劣化を回避することが可能である。
【0048】
第3の特徴として、通信アダプタ装置203は、みなし音声の32kADPCMデータをサンプリングフレーム単位で処理することで、非同期ネットワークである第3世代携帯電話網を介したADPCMデータの同期が可能である。
【0049】
第4の特徴として、通信アダプタ装置203が、第3世代携帯電話網による64kデジタルデータ通信で生じるパケット受信タイミングの揺らぎやジッタをバッファによって吸収することで、リアルタイム性を失わずにみなし音声の通信を行うことが可能である。なお、64kデジタルデータ通信は、64k回線交換、64k非制限デジタルデータ通信、64kbps UDI(Unrestricted Digital Information)などのことである。
【0050】
図4は、第2の実施形態の通信アダプタ装置の構成を示すブロック図である。通信アダプタ装置203は、第3世代携帯電話網である移動体通信網204による、みなし音声の伝送を可能にするための装置であり、アナログインタフェース部301、アナログ/デジタル変換部302、フレーム処理部303、および無線インタフェース部304を有している。
【0051】
アナログインタフェース部301は、モデム202を接続してみなし音声を入出力するためのインタフェース部である。アナログ/デジタル変換部302は、みなし音声をデジタルデータに符号化し、またデジタルデータをみなし音声に復号する変換部である。
【0052】
フレーム処理部303は、送信信号に関して、デジタル化したみなし音声を伝送フレームにマッピングし、また受信信号に関して、伝送フレームから、デジタル化したみなし音声をデマッピングするというフレーミング処理を行う。また、フレーム処理部303は、移動体通信網204から無線インタフェース部304を介して受信した伝送フレームの揺らぎやジッタをバッファによって吸収する。
【0053】
無線インタフェース部304は、伝送フレームによるデータ通信を第3世代携帯電話網(移動体通信網204)を介して行うための無線インタフェースであり、移動体通信網204の基地局と無線回線で接続し、伝送フレームを送受信する。
【0054】
図4において、アナログインタフェース部301は、HYB2線/4線部305を備えており、モデム(または電話機やファクシミリなど)を接続するための2線式電話用インタフェースを構成する。アナログインタフェース部301は、PSTNにおける電話回線とのインタフェースであるアナログ電話機インタフェースと同等の特性および機能を持ち、電気通信事業法の端末設備等規則に基づくアナログ電話端末を接続し、制御することができる。
【0055】
図4において、アナログ/デジタル変換部302は、モデム202からアナログインタフェース部301経由で受信したアナログ信号(みなし音声)をPCM A/μ−law部306においてPCM方式で符号化し、更に32kADPCM部307においてADPCM方式に変換する。アナログ信号を8kHzでサンプリングし、4ビットで符号化した、1サンプリングフレーム当たり4ビットのデータ配列からなるADPCMデータが生成される。
【0056】
また、アナログ/デジタル変換部302は、その逆に、受信信号に関して、32kADPCM部309においてADPCM方式からPCM方式に変換し、PCM A/μ−law部308においてデジタル信号からアナログ信号(みなし音声)へ復号する。みなし音声は、本実施形態のようにADPCM方式で符号化して伝送した場合、AMR方式の場合と比べて劣化が小さく、正常な復号が可能である。
【0057】
なお、移動体通信網204による64kデジタルデータ通信の伝送帯域(64kbps)に対して余裕をもたせるために、アナログ/デジタル変換部302において、みなし音声を32kbpsのADPCM方式で符号化しているが、本発明がこれに限定されるものではない。移動体通信網204の伝送帯域が十分にあるならば、64kPCM方式(64kbps)や40kADPCM方式(40kbps)を代わりに用いてもよい。例えば、64kPCM方式でデータを移動体通信網204に伝送させる場合、アナログ/デジタル変換部302では、アナログ信号を8kHzでサンプリングし、8ビットで符号化した、1サンプリングフレーム当たり8bitのデータ配列からなるPCMデータを生成すればよい。
【0058】
また本実施形態においては、PCM方式として任意でA−lawとμ−lawのどちらも用いることができる。
【0059】
図4において、フレーム処理部303は、非同期ネットワークである移動体通信網204を介してADPCMデータの送受信装置間のサンプリングフレームのフレーム同期をとる。そのために、送信信号処理として、送信フレーム処理部310が、ADPCMデータを4ビットのサンプリングフレーム単位で伝送フレームにマッピングする。また、受信信号処理として、受信フレーム処理部311が、伝送フレームからADPCMデータを4ビットのサンプリングフレーム単位でデマッピングする。これにより、送受信装置間で正常な同期をとってADPCMデータを正しく符号化および復号することができる。
【0060】
送信フレーム処理部310は、無線インタフェース部304にADPCMデータを伝送する際に、ADPCMデータを伝送フレームのフレームフォーマットにパケット化し、ヘッダ情報を付加して送信する。伝送フレームには、伝送フレームの先頭を示すフラグ情報と、伝送されたデータの誤りを検出するためのFCS(フレームチェックシーケンス)情報を含む、ヘッダおよびトレイラが付加される。
【0061】
伝送フレームのフォーマットとしては、一例として、RFC1661「The Point−to−Point Protocol (PPP)」やRFC1662「PPP in HDLC−like Framing」にしたがったHDLCライクなPPPフレームが用いられる。HDLCライクなPPPフレームが用いられることで、非同期PPP通信が可能となる。
【0062】
また、1つの伝送フレームにパケット化するADPCMデータのサイズは、移動体通信網204の伝送帯域の64kbpsに合わせるため、ADPCMデータのサンプリングフレーム単位で160フレーム(160×4bit=640bit)とする。そして、その伝送フレームの送信間隔は、ADPCMデータの160フレームのデータ量がアナログ信号に換算すると20ミリ秒分のデータに相当するので、20ミリ秒間隔とする。なお、伝送フレームにパケット化するADPCMのサイズと送信間隔として、ここで用いた値は一例であり、移動体通信網204の伝送帯域などによって最適な値に変更したり、調整したりしてもよい。
【0063】
また、受信フレーム処理部311は、送信フレーム処理部310と逆の処理を行う。受信フレーム処理部311は、受信した伝送フレームに付加されたフラグ情報からフレームの先頭を識別し、伝送フレームからADPCMデータを取り出し、アナログ/デジタル変換部302に送信する。その際、受信フレーム処理部311は、受信した伝送フレームのFCSエラー検出を行い、エラーを検出した伝送フレームを破棄する。
【0064】
また、受信フレーム処理部311は、受信バッファ312を備えており、受信した伝送フレームを受信バッファ312に格納した後に、所定の読み出しタイミングで読み出すことで、移動体通信網204による伝送フレームのタイミングの揺らぎやジッタを吸収する。この受信バッファ312は、前述のADPCMデータのサイズに合わせて設計されており、ADPCMデータのサンプリングフレームで160フレームを蓄積できる記憶容量を1単位(この単位を「面」という)として、一例として10面分の記憶容量を有する構成となっている。
【0065】
受信フレーム処理部311は、伝送フレームで受信したデータを受信バッファ312に書き込み、一時的にデータを保持してから一定時間間隔で読み出し、次段の32kADPCM部309へ送信する。これにより、伝送フレームの揺らぎやジッタが吸収され、その結果、リアルタイム性を失わずに、みなし音声を伝送することが可能になる。
【0066】
なお、本実施形態では、受信バッファ312のバッファサイズを一例として10面としたが、本発明がこのサイズに限定されるものではない。このバッファサイズには、その値を大きくすると伝送フレームの揺らぎやジッタに対する耐力が増す一方で伝送遅延が大きくなるというトレードオフがある。そのため、受信バッファ312のバッファサイズは、実際の移動体通信網204を用いたデータ通しの試験などを行って最適な値に調整することができてもよい。
【0067】
図4において、無線インタフェース部304は、一例として、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式などの第3世代携帯電話網に対応したインタフェースで、伝送フレームを移動体通信網204の基地局と送受信する。第3世代携帯電話網では、64kデジタルデータ通信によるエンド・ツー・エンドのトランスペアレントなデジタルデータ通信が可能である。
【0068】
(実施例)
図5は、第2の実施形態の一実施例による通信アダプタ装置203の構成を示すブロック図である。図5を参照すると、通信アダプタ装置203は、SLIC(Subscriber−Loop−Interface−Circuit)401、ADPCM CODEC 402、フレーム制御装置403、および3G通信モジュール404を有している。SLIC401はHYB2線/4線部405およびPCM A/μ−law部406、407を有している。ADPCM CODEC402は32kADPCM408、409を有している。フレーム制御装置403は送信フレーム処理部410および受信フレーム処理部411を有している。受信フレーム処理部411は受信バッファ412を有している。
【0069】
図5において、SLIC401は、図4に示したアナログインタフェース部301とアナログ/デジタル変換部302の一部を備えた装置である。SLIC401は、モデム202から受信したアナログ信号(みなし音声)をPCM方式で64kbpsのPCMデジタル信号に符号化する。また、SLIC401は、ADPC CODEC402からの64kpsのPCMデジタル信号からアナログ信号(みなし音声)を復号する。
【0070】
図5において、ADPCM CODEC 402は、図4に示したアナログ/デジタル変換部302の一部を備えた装置である。ADPCM CODEC 402は、SLIC401から受信した64kbpsのPCMデータをADPCM方式で32kbpsのADPCMデータに符号化する。また、ADPCM CODEC 402は、フレーム制御装置403からの32kのADPCMデジタル信号から64kのPCMデジタル信号を復号する。
【0071】
なお、図5に示すADPCM CODEC 402では、移動体通信網204の伝送帯域(64kbps)に対して余裕をもつためにみなし音声を32kbpsのADPCMデータに変換しているが、本発明がこれに限定されるものではない。移動体通信網204の伝送帯域に十分余裕があるならば、64kbpsのPCMや40kbpsのADPCMを用いてもよい。また、SLIC401におけるPCM方式として、A−lawとμ−lawのどちらも任意で用いることができる。
【0072】
図5において、フレーム制御装置403は、図4に示したフレーム処理部303に相当する装置である。フレーム制御装置403は送信フレーム処理部410と受信フレーム処理部411を有している。そして、受信フレーム処理部411は受信バッファ412を備えている。
【0073】
フレーム制御装置403は、非同期ネットワークである移動体通信網204を介して送受信装置間でADPCMデータのサンプリングフレームのフレーム同期をとる。その際、フレーム制御装置403は、送信信号処理として、アナログ信号を8kHzでサンプリングして量子化することでデジタル信号に符号化し、1サンプリングフレーム当たり4bitのデータ配列としたADPCMデータを、サンプリングフレーム(4bit)単位で処理する。それにより、受信側において、ADPCMデータを正しく復号し、ADPCMデータのフレーム同期をとることができる。なお、32kADPCM方式の代わりに64kPCM方式を用いる場合、1サンプリングフレーム当たりのビット数は8bitとなる。
【0074】
送信フレーム処理部410は、3G通信モジュール404を介して移動体通信網204にADPCMデータを送信する。その際に、送信フレーム処理部410は、ADPCMデータを伝送フレームのフレームフォーマットにパケット化し、ヘッダ情報を付加して送信する。伝送フレームに付加されるヘッダ情報には、フレーム先頭を示すためのフラグ情報と、伝送されるデータの損失を検出するためのFCS(フレームチェックシーケンス)情報が含まれている。
【0075】
伝送フレームのフレームフォーマットは、一例として、RFC1661「The Point−to−Point Protocol (PPP)」やRFC1662「PPP in HDLC−like Framing」にしたがったHDLCライクなPPPフレームである。これにより非同期PPP通信が可能となる。
【0076】
また、1つの伝送フレームにパケット化するADPCMデータのサイズは、移動体通信網204の伝送帯域の64kbpsに合わせるため、一例として、サンプリングフレーム単位で160フレームとする。これは640bit(160×4bit=640bit)に相当する。
【0077】
ADPCMデータの160フレーム分のデータ量はアナログ信号に換算すると20ミリ秒分の長さであるため、伝送フレームの送信間隔は20ミリ秒間隔とする。なお、パケット化するADPCMのサイズと送信間隔は、移動体通信網204の伝送帯域によって最適な値に変更したり、調整したりしても良い。
【0078】
受信フレーム処理部411は、送信フレーム処理部410と逆の処理を行う。移動体通信網204から3G通信モジュール404経由で受信した伝送フレームのフラグ情報からフレーム先頭を識別し、伝送フレームからADPCMデータを取り出す。そして、受信フレーム処理部411は、取り出したADPCMデータをADPCM CODEC402に渡す。その際、受信フレーム処理部411は、伝送フレームのFCSエラーチェックを行い、エラーが検出された伝送フレームを破棄する。
【0079】
また、受信フレーム処理部411は、移動体通信網204による伝送フレームの受信タイミングの揺らぎやジッタを吸収するための受信バッファ412を備えている。この受信バッファ412は、前述のADPCMデータのサイズに合わせて設計されており、ADPCMデータ160フレームを1単位(この単位を「面」とする)として10面構成になっている。
【0080】
図6は、本実施例における受信バッファ412の面構成を表す模式図である。図6を参照すると、受信バッファ412は、160個のADPCMのサンプリングフレーム(ADPCM#1から#160)を1面として、それを10面分記憶できる構成である。
【0081】
受信フレーム処理部411は受信データをこの受信バッファ412に書き込み、一時的にデータを保存してから一定時間間隔で読み出して次段のADPCM CODEC402へ送る。これにより、移動体通信網204による伝送フレームの受信タイミングの揺らぎやジッタを吸収することが可能になり、その結果、リアルタイム性を失うことなく「みなし音声」を伝送することが可能になる。
【0082】
なお、本実施例では受信バッファ412を10面構成としているが、本発明がこの構成に限定されるものではない。このバッファサイズを大きくすると、移動体通信網204で揺らぎやジッタに対する耐力が増す一方で、伝送遅延が大きくなるというトレードオフがある。そのため、受信バッファ412のサイズは実際のシステムにおいてデータ通し試験等を行って最適化(チューニング)してもよい。
【0083】
図5において、3G通信モジュール404は、図4に示した無線インタフェース部304に相当する装置である。3G通信モジュール404は、W−CDMA方式などの3Gネットワークに対応しており、第3世代携帯電話網で64kデジタルデータ通信によるエンド・ツー・エンドのトランスペアレントなデジタルデータ通信が可能である。
【0084】
図7は、本実施例における伝送フレームのフレームフォーマットおよびデータ搭載の様子を示す図である。図7を参照すると、伝送フレームであるHDLCライクな非同期PPPフレーム603は、640ビットのペイロード部分である情報部に対して、フラグ、アドレス(ADR)、制御ビット、プロトコル識別子、およびFCSが付加された構成である。640ビットの情報部には、サンプリングフレームで160フレーム分のADPCMデータ602が搭載されている。ADPCMデータ602は、サンプリング周波数が8kHzで、量子化ビット数が4ビットの32kADPCMデータであり、伝送速度は320000ビット/秒である。その伝送速度は、サンプリング周波数が8kHzで、量子化ビット数が8ビットのPCMデータ601の伝送速度(64000ビット/秒)の1/2である。HDLCライクな非同期PPPフレーム603に搭載される160フレームのADPCMデータは20ミリ秒分に相当するので、HDLCライクな非同期PPPフレーム603の送信間隔は20ミリ秒とされている。
【0085】
図8は、本実施形態のみなし音声データ伝送システムの送信信号に関する動作を示すフローチャートである。図8を参照すると、まず、図2に示したDTE201がデジタル信号(データ)をモデム202へ送信する(ステップ701)。
【0086】
モデム202はDTE201から受信したデジタル信号(データ)を300〜3400Hzの音声周波数帯域のアナログ信号(みなし音声)に変換し(ステップ702)、通信アダプタ装置203へ送信する。
【0087】
通信アダプタ203において、図5に示したSLIC401はモデム202から受信したアナログ信号(みなし音声)を、一例として8kHzでサンプリングし、8ビットで量子化することにより、図7に示したμ−lawの64kbpsのPCMデジタル信号(PCMデータ601)に符号化する(ステップ703)。なお、SLIC401によるPCM方式としてA−lawとμ−lawのどちらを用いてもよい。
【0088】
ADPCM CODEC 402は、SLIC401から受信した64kbpsのPCMデータを、図7に示した32kbpsのADPCMデータ602に変換し(ステップ704)、フレーム制御装置403内の送信フレーム処理部410へ送信する。
【0089】
送信フレーム処理部410はADPCM CODEC 402から受信した32kbpsのADPCMデータを、図7に示した伝送フレーム(HDLCライクな非同期PPPフレーム603)のフレームフォーマットにパケット化し(ステップ705)、ヘッダ情報を付加して3G通信モジュール404へ送信する。
【0090】
その際、送信フレーム処理部410は、非同期ネットワークでADPCMデータのフレーム同期を実現するための処理を実行する。その処理により、図7に示した、1サンプリングフレーム当たり4bitのデータ配列(これを1フレームとする)としたADPCMデータ602は、送信フレーム処理部410にて160フレーム(80オクテット)毎に、フレーム制御装置403への到着順でHDLCライクな非同期PPPフレーム603にカプセル化される。
【0091】
3G通信モジュール404は、送信フレーム処理部410から受信したHDLCライクな非同期PPPフレーム603を同期PPPフレームへ変換し(ステップ706)、第3世代携帯電話網(移動体通信網204)へ送信する(ステップ707)。
【0092】
図9は、本実施形態のみなし音声データ伝送システムの受信信号に関する動作を示すフローチャートである。図9を参照すると、まず、図5に示した3G通信モジュール404が移動体通信網204からHDLCライクな同期PPPフレームを受信し(ステップ801)、受信したHDLCライクな同期PPPフレームを非同期PPPフレームへ変換し(ステップ802)、図5に示したフレーム制御装置403内の受信フレーム処理部411へ送信する。
【0093】
受信フレーム処理部411は、上述した送信フレーム処理部410と逆の処理を行う。受信フレーム処理部411は、3G通信モジュール404から受信したHDLCライクな非同期PPPフレーム603のフラグ情報からフレームの先頭を識別し、そのフレームからADPCMデータを取得する(ステップ803)。受信フレーム処理部411は、取得したADPCMデータをADPCMデジタル信号としてADPCM CODEC 402へ送信する。このとき、受信フレーム処理部411は、FCSエラーチェックを行い、FCSエラーが検出された伝送フレームを破棄する。
【0094】
また、受信フレーム処理部411は、移動体通信網204による伝送フレームの受信タイミングの揺らぎやジッタを吸収するための受信バッファ412を備えている。受信バッファ412の構成は図6に示されている。受信バッファ412は、前述のADPCMデータのサイズに合わせて設計されており、ADPCMデータの160フレームを1単位(この単位を「面」とする)として10面構成になっている。
【0095】
受信フレーム処理部411は、HDLCライクな非同期PPPフレーム603から取り出したADPCMデータ602を受信バッファ412に書き込み(ステップ804)。そして、受信フレーム処理部411は、調整した読み出しタイミングで受信バッファ412からADPCMデータ602を読み出して次段のADPCM CODEC402へ送信する(ステップ805)。これにより、移動体通信網204による揺らぎやジッタが吸収され、その結果として、リアルタイム性を失うことなく、みなし音声の伝送が可能になる。
【0096】
図5に示したADPCM CODEC 402は受信フレーム処理部411から受信した32kbpsのADPCMデータを64kbpsのPCMデータに変換し(ステップ806)、SLIC401へ送信する。
【0097】
図5に示したSLIC401はADPCM CODEC 402から受信した64kbpsのPCMデジタル信号をサンプリング周波数が8kHzでμ−lawのPCM方式でアナログ信号(みなし音声)に復号し(ステップ807)、みなし音声信号をモデム202へ送信する。なお、SLIC401におけるPCM方式としてA−lawとμ−lawのどちらも任意で用いることができる。
【0098】
図2に示したモデム202は、通信アダプタ装置203内のSLIC401から受信した300〜3400Hzの音声周波数帯域のアナログ信号(みなし音声)をデジタル信号(データ)に変換し(ステップ808)、DTE201へ送信する。図2に示したDTE201は、モデム202からのデジタル信号(データ)を受信する(ステップ809)。
【符号の説明】
【0099】
201 DTE
202 モデム
203 通信アダプタ装置
204 移動体通信網
301 アナログインタフェース部
302 アナログ/デジタル変換部
303 フレーム処理部
304 無線インタフェース部
305、405 HYB2線/4線部
306、308、406、407 PCM A/μ−law部
307、309、408、409 32kADPCM部
310、410 送信フレーム処理部
311、411 受信フレーム処理部、
312、412 受信バッファ
401 SLIC
402 ADPCM CODEC
403 フレーム制御装置
404 3G通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
みなし音声でデータ通信を行うみなし音声通信装置に接続され、アナログ信号を送受信するアナログインタフェース部と、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換するアナログ/デジタル変換部と、前記デジタル信号がマッピングされる伝送フレームを処理するフレーム処理部と、移動体通信網の基地局と無線回線で接続され、該基地局と前記伝送フレームを送受信する無線インタフェース部と、を有し、
送信信号処理として、
前記アナログインタフェース部が、前記みなし音声通信装置から送信みなし音声アナログ信号を受信し、
前記アナログ/デジタル変換部が、前記送信みなし音声アナログ信号をサンプリングと量子化によって送信みなし音声デジタル信号に変換し、
前記フレーム処理部が、前記送信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングのサンプリングフレームを単位として伝送フレームにマッピングし、
前記無線インタフェース部が、前記伝送フレームを前記無線回線で前記基地局に送信し、
受信信号処理として、
前記無線インタフェース部が、前記基地局から前記無線回線で伝送フレームを受信し、
前記フレーム処理部が、前記伝送フレームから受信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングフレームを単位としてデマッピングし、
前記アナログ/デジタル変換部が、前記受信みなし音声デジタル信号から受信みなし音声アナログ信号を復元し、
前記アナログインタフェース部が、前記受信みなし音声アナログ信号を前記みなし音声通信装置に送信する、通信アダプタ装置。
【請求項2】
前記フレーム処理部は、前記受信信号処理において、前記無線インタフェース部からの前記伝送フレームの受信タイミングのゆらぎを吸収するバッファを有する、請求項1に記載の通信アダプタ装置。
【請求項3】
前記受信みなし音声デジタル信号および前記送信みなし音声デジタル信号は32kADPCMであり、
前記伝送フレームは、160個のサンプリングフレーム毎にパケット化され、20ミリ秒間隔で送信される、請求項1または2に記載の通信アダプタ装置。
【請求項4】
前記伝送フレームはHDLCライクなPPPフレームである、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信アダプタ装置。
【請求項5】
みなし音声でデータ通信を行うみなし音声通信装置に接続され、アナログ信号を送受信するアナログインタフェース部と、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換するアナログ/デジタル変換部と、前記デジタル信号がマッピングされる伝送フレームを処理するフレーム処理部と、移動通信網の基地局と無線回線で接続され、該基地局と前記伝送フレームを送受信する無線インタフェース部と、を有する通信アダプタ装置による、みなし音声伝送方法であって、
送信信号処理として、
前記アナログインタフェース部にて、前記みなし音声通信装置から送信みなし音声アナログ信号を受信し、
前記アナログ/デジタル変換部にて、前記送信みなし音声アナログ信号をサンプリングと量子化によって送信みなし音声デジタル信号に変換し、
前記フレーム処理部にて、前記送信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングのサンプリングフレームを単位として伝送フレームにマッピングし、
前記無線インタフェース部から、前記伝送フレームを前記無線回線で前記基地局に送信し、
受信信号処理として、
前記無線インタフェース部にて、前記基地局から前記無線回線で伝送フレームを受信し、
前記フレーム処理部にて、前記伝送フレームから受信みなし音声デジタル信号を、前記サンプリングフレームを単位としてデマッピングし、
前記アナログ/デジタル変換部にて、前記受信みなし音声デジタル信号から受信みなし音声アナログ信号を復元し、
前記アナログインタフェース部から、前記受信みなし音声アナログ信号を前記みなし音声通信装置に送信する、みなし音声伝送方法。
【請求項6】
前記受信信号処理において、前記アナログ/デジタル変換部は、バッファによって、前記無線インタフェース部からの前記伝送フレームの受信タイミングのゆらぎを吸収する、請求項5に記載のみなし音声伝送方法。
【請求項7】
前記受信みなし音声デジタル信号および前記送信みなし音声デジタル信号は32kADPCMであり、
前記伝送フレームは、160個のサンプリングフレーム毎にパケット化され、20ミリ秒間隔で送信される、請求項5または6に記載のみなし音声伝送方法。
【請求項8】
前記伝送フレームはHDLCライクなPPPフレームである、請求項5から7のいずれか一項に記載のみなし音声伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−244225(P2012−244225A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109389(P2011−109389)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【出願人】(390010386)NECマグナスコミュニケーションズ株式会社 (22)
【Fターム(参考)】