説明

通信コネクタのためのワイヤ端子ブロック

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信ワイヤとケーブル用のコネクタに関し、特に通信ジャックに使用されるスプリングワイア端子ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトな通信用ジャックコネクタは、米国特許第5,096,442号(1992年3月7日)に開示されている。公知のコネクタは、8個の細長い導電性要素接続スプリング性ジャックワイヤ端子をその一端に有し、他端に対応するワイヤ接続用端子を有する1個のリードフレームから形成されている。このワイヤ接続端子は、スロットビーム型の絶縁層除去コネクタ(insulation displacement connector −IDC)である。これに関しては、米国特許第3,027,536号(1962年3月27日)と、第3,798,587年(1974年3月19日)と、第4,826,449号(1989年5月2日)を参照のこと。
【0003】前掲特許の第5,096,442号には、このリードフレームは、絶縁性スプリングブロックの底部表面に対向して配置され、ジャックワイヤ端子は、このブロックの舌状態の突起部の周囲に巻回され、そして細長い導電性要素がブロックの底部表面上に平坦でかつ互いに平行となるよう配置されている。リードフレームの個々のIDC端子は、ブロックの側表面上に折曲げられている。
【0004】このIDC端末のスロットは、ブロック内に形成された対応するワイヤ受け入れ用スロットと整合し、そしてカバーが巻回されたIDC端末を含むブロックの周囲に配置されている。このブロックの舌状突起部がジャックフレーム内に収納され、そしてジャックワイヤ端子が整合し、接続用プラグがジャックフレーム内に挿入されたときに、ジャックワイヤ端子はプラグ内の対応するワイヤリードと電気的に接続される。
【0005】AMP社により製造され、高速データ用の通信用ジャック(部品番号557901-1)は、印刷ワイヤボードと、このボードの上部表面から突出しボードの後ろ側に鋭角で曲げられたジャックワイヤとボードの側の1組のワイヤ接続用端子とを有する。2個の端子カバーはそれぞれ端子ベース内の開口を垂直方向に貫通するピンにより止められている。ワイヤボードのフレームは、この2個の端子カバーの間で露出している。このボードの前端部は、ジャックハウジング内にスライドし、ボードの側のタブは、ジャックハウジングの後部側壁内のスロット内にパチンと入り込む。このジャックハウジングはまたワイヤボードの底部表面上に延びた後部底部壁を有する。
【0006】米国特許出願第08/668,553号(1998年2月10日発行の米国特許第5,716,237、発明の名称"クロストークを補償する電気的コネクタ(Electrical Connector With Crosstalk Compensation)")は、あるコネクタによるクロストークを低減させるデバイスを開示している。このデバイスは、数個の誘電体層を有するプリントワイヤボードを有する。ある導体パスの対は選択された層の上に形成され、ある別の対の導体パスは隣接する層の上の別の対の導体パスと垂直方向に離間しながら整合している。
【0007】垂直方向に整合したパスの組は、垂直方向に整合するパスの水平方向に隣接する組と共働してキャパシタのプレートとして電気的に機能し、そしてあるコネクタにより示されるクロストークを低減する。我々の知り得る限りでは、前掲の特許出願第08/668,553号のクロストーク低減機構は、通信ジャックには、適応できないものである。
【0008】米国特許第5,186,647号(1993年2月16日)は、前掲の第5,096,442号に類似の高周波用電気コネクタを開示しているが、並列に配置された導電性要素のある対は、クロストークを低減させる手段として別の対の上に交差している。クロストークを低減させる別の構成は、米国特許第5,432,484号(1995年7月11日)と、第5,299,956号(1994年4月5日)第5,580,270号(1996年12月3日)に開示されている。
【0009】開口により分離された2個の鋭いスプリング部材により形成された保持部分を有する端子ポストを構成する(「針の目」形状に類似することになる)ことは公知である。これに関して米国特許第4,206,964号(1980年6月10日)を参照のこと。さらにまた米国特許第4,345,268号(1995年1月10日)は、スロットで形成された保持部分を有する通信用端末クリップを開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジャックを通過する複数の信号パス間のクロストークを低減するような高周波用通信ジャックを提供することである。特にそれだけではクロストークを導入しやすい通信用プラグがジャックに適合した際に、クロストークを低減する高周波用通信ジャックを提供することである。このようにして得られたプラグ−ジャックの接続構成により、ワイヤ接続されたネットワークの高速データ伝送が可能となる。
【0011】好ましいジャックは、大量生産が容易で柔軟性のあるものでなければならない。即ちジャックは相手方プラグとの着脱を繰り返しても高い性能が維持でき、異なる種類のワイヤ導体を有するプラグとの着脱も可能なものでなければならない。特に不使用のジャックワイヤ端子は、ジャック内のジャックワイヤ端子の数よりも少ない数のワイヤ導体を収納するプラグ本体により折れ曲がっても永久に変形してはならないものである。製造ステップに関しては、通信ジャックは組立中に水平方向に横方向にスライドする工具の移動が最少となり、組立の際の垂直方向即ち上下方向の工具の移動に主に依存するのが好ましい。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の通信用ジャックのスプリングワイヤ端子ブロックは請求項1に記載した特徴を有する。
【0013】本発明の端子ブロックは、第1端部のジャックワイヤ端子領域と第2端部のワイヤ接続端子領域との間に延びる導電性パスを有するワイヤボードと、通信用プラグがジャックワイヤ端子領域に配置された際、前記通信用プラグと接続されよう、ジャックワイヤ端子領域内をのびる複数のスプリングジャックワイヤと、前記ジャックワイヤ端子領域内の端子ブロックの端部の1つの領域内に配置され、前記ジャックワイヤに対し所定の最低曲げ半径を与えながら前記ジャックワイヤがその周囲に折り曲げられる誘電体製マンドレルと、からなる。
【0014】前記スプリングジャックワイヤ23の端部は前記導電性パスに電気的に接続される。
【0015】本発明の通信用ジャックのスプリングワイヤ端子ブロックは、請求項6に記載した特徴を有する。
【0016】本発明の端子ブロックは、スプリングワイヤ端子ブロック第1端部のジャックワイヤ端子領域18と第2端部のワイヤ接続端子領域22との間に延びる導電性パスを有するワイヤボード12と、前記ジャックワイヤ端子領域内の複数の第1メッキホールから下方にのびる同数のスプリングジャックワイヤと、前記ワイヤボードの底部に固定されるジャックワイヤブロックとからなる。
【0017】前記スプリングジャックワイヤは、前記ジャックワイヤを前記第1メッキホールに機械的に保持するためにその一端に針の目状部分を有し、前記ジャックワイヤブロックは、前記スプリングジャックワイヤを着座させるよう構成かつ配置され、前記スプリングジャックワイヤのそれぞれに対し、ある最低の曲げ半径を確立するジャックワイヤマンドレルを有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の高周波用通信ジャック10の展開図である。このジャック10は多層構造であるプリントワイヤボード12を有する。図1には2つの層14,16が示されているが、ワイヤボード12は、片面あるいは両面にプリントされた導電性パスを有する1つの層を含むか、あるいはクロストーク低減機構により各層上に導電性パスを有する付属の層を有してもよい。図1においてワイヤボード12は、層14,16の上に導電性パス(図7参照)を有し、このパスは、ワイヤボード12の前端部20近傍にあるジャックワイヤ端子領域18とワイヤボード12の後部領域にあるワイヤ接続端子領域22との間を延びる。
【0019】ある数(例えば8本)のスプリング性ジャックワイヤ23a−23hがボード12の前面からジャックワイヤ端子領域18を貫通してワイヤボード12の上部表面に対し後方に鋭角で延びて通信用プラグがジャックワイヤ端子領域18内に配置されたときにそのプラグと接続される。
【0020】スプリング性ジャックワイヤ23a−23hは、ワイヤボード12の対応する導電性パスとその底部で接続され、その結果この導電性パスが通信用プラグがジャックワイヤと接続されたときに1本あるいは複数本の通信信号パスの一部を形成する。一般的に各通信信号パスは、ワイヤボード12上の異なる対の導電性パスからなる。この実施例においては最大4本の通信信号パスがボード上の対応する数の導電性パスでもって8個のジャックワイヤ23a−23hによりサポートされる。
【0021】好ましくはワイヤボード12に関連する導電性パスは、例えば抵抗、キャパシタ,インダクタのような他の個別の部品(図示せず)と組み合わせて、あるいは独立に形成され、プラグがジャックワイヤに接続された時に通信信号パス内に発生するクロストークを補償あるいは低減する。
【0022】ジャックワイヤ23a−23hの底部端部は、ワイヤボードの底部表面内のメッキされた開口部内に挿入され、導電性パスと接続されそしてジャックワイヤは、ジャックワイヤブロック26の湾曲した前方端部の周囲に巻回される。ジャックワイヤブロック26の詳細は図2,3に示される。好ましくはジャックワイヤ23a−23hの底部端部は、針の目状の構成を有し、この構成によりボード12の下のメッキされた開口内にその端部を押し込むことができる。
【0023】この開口の直径は、ジャックワイヤの底部端部の直径よりも若干小さい。これによりハンダづけを必要とすることなくジャックワイヤと導電性パスとの間で信頼性の高い接続が確立できる。針の目状の構成は、本発明のジャック10のコネクタ端子28a−28hに関連して以下詳述する。
【0024】絶縁層除去コネクタ(Insulation displacement connector −IDC)端末28a−28hが図1に示すようにワイヤボード12の後ろの後部両側に搭載される。各端子28a−28hは、スプリング性ジャックワイヤ23a−23hの個々の対応する導電性パスに接続される。このIDC端末28a−28hの詳細は図7R>7で説明する。1対の端子ハウジング搭載ホールがワイヤボードの後方側の間の中央線に沿ってワイヤボード12に形成される。
【0025】本発明のジャック10のジャックフレーム40(図1)は、米国特許出願08/866,796号(1999年4月27日発行の米国特許第5,897,395、発明の名称"多重位置ジャックフレーム(Multi-Position Jack Frame)")に開示されたものと類似のものでもよい。あるいは、前掲の米国特許第5,096,442号に開示されたのと類似のジャックフレームも図1のジャックフレーム40として用いることができる。このジャックフレーム40は、図1の右側後方に向いた前面開口42を有する。ジャックフレーム40はまた後面開口44を有し、この後面開口44の寸法は、ジャックワイヤ23a−23hを含むワイヤボード12の前方向エッジ20を収納できる程度である。
【0026】このジャックフレームの後方部分46には、ジャックワイヤ23a−23hの対応する数のものを収納するある数(例8個)の縦方向スロットが形成され、各ジャックワイヤをガイドするプラグ(図示せず)がフレーム前面開口42を貫通してジャックワイヤ端子領域18でワイヤボード12の上に配置された時に曲げられるようにする。このようにして挿入されたプラグにより運ばれたワイヤ導体がジャックワイヤ23a−23hの対応するものとの電気的接続を確立する。
【0027】絶縁物製あるいは誘電体製の端子ハウジング50(図1)が形成され、ワイヤリードを保護し、かつワイヤリードがワイヤボード12の上部上のワイヤ接続端子部分22にアクセスできるようにする。ハウジング50の詳細は、図5−7で詳述する。ハウジング50は、絶縁性および柔軟性に関する全ての標準を満たすようなプラスチック材料製である。
【0028】このようなプラスチック材料としては、ポリカーボネート,ABS,およびそれらの混合物が含まれるが必ずしもこれに限定されるものではない。このハウジング50は、図5,6に示すようにハウジング50の底部表面から突出した一対の搭載用ポスト52を有する。ハウジング50がワイヤボード12上のIDC端子28a−28hと整合し、そして下側に降りてきて端子28を覆うと搭載用ポスト52は、ボード12の後ろ側開口部と整合しそこを貫通してボード12の下から突出する。
【0029】カバー60は、ハウジング50およびジャックフレーム40の材料と同一または類似の材料から形成される。カバー60は、ワイヤ接続端子領域22のボード12の底部を保護するように形成される。このカバー60は、その両側の間の中央線に沿った場所に形成された一対の開口62a,62bを有し、そこにワイヤボード12の下から突出している搭載用ポスト52の先端部が整合する。
【0030】ワイヤボード12はハウジング50とカバー60との間に挟まれて搭載用ポスト52の先端部は、カバー60の本体と例えば超音波溶接プローブを図1のカバー60の下から開口62a,62b内に挿入することにより結合される。搭載用ポスト52の先端部とそれを包囲するカバー本体とは、互いに溶融し結合し冷却されると一体のジョイントを形成する。ハウジング50とカバー60との間にワイヤボード12が装着されると、ワイヤボード12のワイヤ接続端子領域22のほぼ全域が保護されながら包囲される。
【0031】ジャックフレーム40は図1の後部開口44の下に突出するラッチ70を有する。カバー60は、その前端部と後端部に隣接して一対の肩部80を有する。ハウジング50はカバー60にそれらの間にワイヤボード12が挿入されるように結合されると、ワイヤボード12の前端部20は、ジャックフレーム40内の後面開口44内に、フレームラッチ70がカバー60への隣接する肩部80の上にきっちりとはまるまで挿入される。
【0032】図2は、図1のジャック10内のジャックワイヤブロック26の拡大斜視図である。このジャックワイヤブロック26は、ジャックフレーム40とハウジング50とカバー60を形成するのに用いられたのと同一または類似の材料で形成されている。ジャックワイヤブロック26は、フロントジャックワイヤマンドレル100とこのマンドレル100用のフレームサポート部材102を有する。ポスト108はレグ104から上方向に突出し、別のポスト110はレグ106から上部方向に突出する。これらのポスト108,110は、垂直方向のリブを有し、これによりワイヤボード12の下から延びてワイヤボード12の対応する開口内に適合するようになる。
【0033】図3は、図2の線3−3に沿ったジャックワイヤブロック26の部分断面図である。図4は図2の底部から見たジャックワイヤブロック26の平面図である。
【0034】マンドレル100は、図1のジャックワイヤ23a−23hのうち対応するジャックワイヤを着座させ導くために、その前端部にある数(例、8本)の垂直方向スロット112a−112hが形成されている。このジャックワイヤは、図3に示すように各スロットのベースでマンドレル100の内側形状に沿って巻回される。具体的に説明すると、ジャックワイヤの第1端部は、ワイヤボード12の底部内のメッキされたホール内に挿入され、そしてその端部は、図1のボードの上部から突出している。
【0035】この実施例においては、ワイヤボード12内のジャックワイヤ用ホールは、それぞれが4個のホールからなる2列に配置され、それらの孔は互い違いに配置されて、隣接するジャックワイヤ間に均一なギャップが形成されるようジャックワイヤが互いに並列になるように走る。一般的にマンドレル100へのスロットの中心間スペースは、0.040インチ(1.016mm)である。
【0036】図1に示すように、ジャックワイヤブロック26は、ワイヤボード12の底部表面に固定され、マンドレル100の後部がボード20の前端部20に対して固定されている。ジャックワイヤ23a−23hが、ボートの下で互いに並行して通り、対応するマンドレルのスロット112a−112hを通ってガイドされ、そしてこのジャックワイヤは、スロット112a−112h内でマンドレルの先端部の周りに巻かれる。
【0037】図3に示すように、マンドレル100は約0.040インチ(1mm)の曲げ半径をジャックワイヤに与え、このジャックワイヤがワイヤボード12の下からでてくるにつれて、そしてワイヤボード12の上にジャックワイヤが曲がり出す所で0.050インチ(1.27mm)の第2の曲げ半径を与える。ジャックワイヤ23a−23hが、ワイヤボード前端部20の周りである所定の曲げ半径以下とはならないようにマンドレル100が確保しているために、ジャックワイヤ23a−23hの自由端がジャックフレーム40内で内側に過剰に曲げられた場合でも、ジャックワイヤは永久に変形することはない。
【0038】図5は、本発明のジャック10の端子ハウジング50の側面図である。このハウジング50は、ハウジングの対応する側において、IDC端子のワイヤガイドポスト150,152の2つのバンクを規定するような単一ピースとしてモールドで形成するのが好ましい。ワイヤガイドポスト150,152からなる2つのバンクは、図1と6に示すような一体形成されたベース壁154により結合される。ハウジング固定搭載用ポスト52は、図6に示すようにベース壁54の底部から突出している。このガイドポスト150,152とベース壁154とは一緒にワイヤ接続端子領域22においてワイヤボード12の上部表面を保護するよう機能する。
【0039】このハウジング50は、後部エプロン156を有し、この後部エプロン156はボードがハウジング50とカバー60との間に配置されるワイヤボード12の後部端部を保護する。図1のIDC端子28a−28hのワイヤ接続部分は、対応する端子スロット158a−158h内に収納される。この端子スロット158a−158hは、ハウジングのベース壁154の下に溝を切られた一対のチャネル160−162のベースに沿って一列に空けられている。チャネル160,162は、図7に示すようにワイヤボード12の直上にあるIDC端末のベース部分を収納する。
【0040】図7は、本発明のジャック10に使用されるIDC端末200の展開図である。この端末200は、次の特徴を有する。端末200は例えば厚さが約0.015インチ(0.381mm)で、0.1(0.00254mm)から0.3ミル(0.00762mm)の間の厚さの光沢ハンダ最終仕上げの銅合金のような金属材料製である。
【0041】端末200の高さHは、搭載ベース部分204の底部端部202と、端末200の絶縁ワイヤ収納溝208の両側の上部の内側に切れ込んだレッジ206との間で約0.23インチ(5.842mm)である。絶縁ワイヤ導体がIDC端末の上部に保持され、端末溝内に押し込められると、対向したレッジ206は、導体上の絶縁層を切り開いて中の導体とIDC端末200の側表面210,212を介して接触する。溝208の一般的な幅は、約0.012インチ(0.3048mm)である。
【0042】搭載ベース部分204は、端末200が搭載されるプリントワイヤボード12の上部表面216と、整合して同一高さになる底部エッジ214を有する。搭載ベース部分204の上部分は、端末200のワイヤ収納部分からある距離Sだけ突出した肩部218を形成する。この肩部218は、ベース部分204の底部エッジ214の上から所定高さBの位置にある。一般的な寸法は、S=約0.025インチ(0.635mm)で、B=0.053インチ(1.3462mm)である。
【0043】IDC端末200は、針の目のように見えるワイヤボード搭載部分220を有する。このワイヤボード搭載部分220は、共通ステム226により端子の底部エッジ214に結合される対向したアーチ状部分222,224を有する。このアーチ状部分222,224の内側半径は約0.083インチ(2.1082mm)で、外側半径は約0.094インチ(2.3876mm)である。
【0044】アーチ状部分222,224の間に規定される目である開口の高さは、通常約0.056インチ(1.4224mm)で、開口の幅は0.014インチ(0.3556mm)である。アーチ状部分222,224を規定する金属ストリップの幅は約0.011インチ(0.27mm)である。搭載ベース部分204とワイヤボード搭載部分220を含むIDC端末200全体は、金属材料の一枚のシートから打ち抜きで形成される。
【0045】IDC端末200の重要な特徴は、そのワイヤボード搭載部分220が開口228の直径が針の目状のワイヤボード搭載部分220の全体幅(例、0.035インチ(0.889mm))よりも若干狭い場合にはワイヤボード12内のメッキされた開口228と信頼性よく電気的接触を構成することである。
【0046】即ちワイヤボード搭載部分220は、ワイヤボード12上に端末を搭載するために開口228の軸方向に付勢され、アーチ状部分222,224は、開口228のメッキされた壁と電気的接触を維持するために互いの方向に柔軟性を持って付勢される。ワイヤボード12上の導電性パス230は、開口228と電気的に接触しかくして端末200と電気的に接触する。かくして端末200と開口228の導電性メッキ部分との電気的接触を維持するためにはハンダのような固定ボンディング手段は必要ない。
【0047】図7におけるIDC端末200の別の好ましい特徴は、ハウジング50がカバー60にワイヤボード12を間に挟んで結合されると、肩部218に当接する端子ハウジングボディの一部を介してワイヤボード12上にIDC端末200が固定されることである。即ちワイヤ導体が端末200内の溝208に繰り返し挿入されたり引き抜かれたりすることは、端子を動かさずにかつワイヤボード搭載部分220が端子搭載用ホールにつながる導電性パスと電気的接触を失うことなく行うことができる。即ち端末200が端子がハウジング内の端子スロット158a−158hの対応する1つに一旦挿入され、そしてハウジング50がカバー60とワイヤボード12を間に挟んで結合される。
【0048】具体的に説明すると図6,7に示すように、ハウジングベース壁154内のチャネル160,162のベースに開口している端子スロット158a−158hは、ハウジング50の本体内に形成されたパーティッション232により分離されている。各パーティッション232は、ハウジング50上の端子ワイヤガイドポスト150,152の隣接するもの同士を分離する。端子スロット158a−158hは、IDC端末200から肩部218の上部に収納するのに十分な程度幅が広い。
【0049】パーティッション232の側部コーナ234は、端末が図7のワイヤボード12上に搭載されると肩部218と向かい合う位置に配置される。かくしてワイヤが端末200の収納用溝208内に押し込まれ、その後ワイヤが図7で上方向に引かれて端子から分離されるようになると、端末200の垂直方向の変位はパーティッション232の側部コーナ234により停止される。端末200の垂直方向の動きが限られているが、その理由は、ボード搭載部分220は、開口228内にハンダ付けされてはおらずそして開口228のメッキされた壁とのスライドしながらの電気的接触が維持されるからである。
【0050】ハウジング50上のワイヤガイドポスト150,152の隣接するもの同士が鋭い先端を持った即ちピラミッド状のトップエンド250,252を形成する。ガイドポストの鋭い先端を持ったトップエンド250,252の目的は、リード対がトップエンド250,252の一方に対向して押し込まれると、きっちりと捻られたシールドされていないリード対(図示せず)の各リードを分離するためである。
【0051】対を構成する各リードは、その後ポストの上部で傾斜した表面に沿ってガイドポスト内に形成された垂直方向のスロットの内側に露出した溝部を有する端子へIDC端末の溝のナイフ状のエッジの間で下方向に引かれる。ハウジング50のこの構成は、きっちりと捻られた未シールドのリード対が受ける高速データアプリケーションに特に適したものである。
【0052】かくして本発明の高周波通信用ジャック10は、1層または複数の層を有するワイヤボード12と、プラグがジャックと係合したときに発生するクロストークを低減するような層の上の導電性パスあるいは金属製トレースを含むスプリング性ジャックワイヤブロック組立体を含む。ジャックワイヤブロック26を有するワイヤボードがハウジング50とカバー60の間に固定されると、これらは共働してワイヤボード12上のいDC端末200の溝内に押し込まれる絶縁ワイヤ用の信号パスを絶縁する。ハウジング50はIDC端末の各対の間の尖った表面を規定する端末ワイヤガイドポストを有し、これらはしっかりと捻られたワイヤ対のワイヤを分離させ、端末収納溝の対の各ワイヤの挿入を容易にする。
【0053】ワイヤボード12とジャックワイヤブロック26とジャックワイヤ23a−23hと端末200は、スプリングブロック組立体を規定する。このジャックワイヤは、端末200にワイヤボード12上の導電性パス即ち金属製トレースにより電気的に接続される。ジャックワイヤブロック26は、マンドレル100を有し、このマンドレル100の周囲にジャックワイヤ23a−23hがワイヤボード12の領域内で巻回される。
【0054】ジャックワイヤとIDC端末は、ハンダをすることなくワイヤボード上に搭載可能である。このIDC端末とジャックワイヤは、柔軟な針の目状の搭載部分を有し、ワイヤボード上の導電性パスとの電気的接続を強化する。さらにまたカバー60と組み合わされたハウジング50は、IDC端末200の肩部218に係合しその端末をワイヤボードに固定する。
【0055】ここに開示した低構造のIDC端末200は、プリントワイヤボード上に搭載するのに適したものである。この端末200は、少なくとも1つの肩部218を有し、この肩部218は端子をワイヤボード12内に挿入するのを容易にするだけでなく、ハウジング50の部分と共働してワイヤが端子から引き抜かれる際に、ワイヤボード上にその端子をワイヤボード上の元の位置に維持する。
【0056】ワイヤは、IDC端末から通常は引き抜かれることはないが、引き抜いて再度配置することも稀ではない。端末200の搭載部分用の上記した針の目構造は、端末200が挿入されるメッキされたワイヤボードのホールよりも若干広い柔軟性ある構造体である。肩部218は、端子をその位置に保持するためにハウジング50の部分と共働して働くためにその端子は、ワイヤボードのハンダ付けする必要はない。
【0057】本発明の変形例としては、クロストークを低減するためにワイヤボード12上で個別の部品を使用することおよびワイヤボードに搭載する前に誘電性ハウジング内に金属製端末ストリップ(例、110タイプのコネクタ)を使用して予め負荷を掛けることである。
【0058】さらにまたハウジング50とカバー60との間にこの固定装置は、ハウジングの下から突出した少なくとも1つの固定ポストとポストの先端部を包囲するカバー内の開口を有するよう図では示してある。等価の配置、例えばカバーから少なくとも1つの固定ポストが突出してポストの先端部がハウジングベース壁内の開口で包囲されるような構成も可能である。なお、請求項に構成部品の後に記載した参照番号は発明の容易なる理解のためで、特許請求の範囲を限定的解釈すべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用通信ジャック組立体とその相手方のジャックフレームの展開図
【図2】図1のジャック内のスプリング性ジャックワイヤブロックの拡大斜視図
【図3】図2の線3−3に沿ったジャックワイヤブロックの部分断面図
【図4】図2の底部から見たジャックワイヤブロックの平面図
【図5】図1の左側後部から見たジャックの端子ハウジングの拡大側面図
【図6】図5のハウジングの底部平面図
【図7】図1のジャック内のコネクタ端子と端子ハウジングが配置された拡大図
【符号の説明】
10 高周波用通信ジャック
12 プリントワイヤボード
14,16 層
18 ジャックワイヤ端子領域
20 前端部
22 ワイヤ接続端子領域
23a−23h スプリング性ジャックワイヤ
26 ジャックワイヤブロック
28a−28h 端子
40 ジャックフレーム
42 フロント開口
44 後面開口
50 ハウジング
52 搭載用ポスト
54 ベース壁
60 カバー
62a−62h 開口
70 フレームラッチ
80 肩部
100 フロントジャックワイヤマンドレル
102 フレームサポート部材
104 レグ
108,110 ポスト
112a−112h 垂直方向スロット
150,152 IDC端子ワイヤガイドポスト
154 一体形成されたベース壁
156 後部エプロン
158a−158h 端子スロット
160−162 チャネル
200 端末
202 底部端部
204 搭載ベース部分
206 レッジ
208 絶縁ワイヤ収納溝
210,212 側表面
214 底部エッジ
216 上部表面
218 肩部
220 ワイヤボード搭載部分
222,224 アーチ状部分
226 共通ステム
228 開口
230 導電性パス
232 パーティッション
234 側部コーナ
250,252 トップエンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】 マンドレルと、該マンドレルの反対端から延びる一対のレグを含むフレームとからなり、印刷ワイヤボード上に装着されるように、そして相手方コネクタと接触するボードから出現するいくつかの端子ワイヤの近くのボードの前端部に対して該マンドレルを十分支持するように、該レグが構成され配置されており、そして該マンドレルに沿っていくつかのスロットが形成されており、該ワイヤが該スロットの対応するものに着座しそして該スロット内で該マンドレルの周りを包むときに該端子ワイヤの所望の曲げ半径を形成するよう、該スロットの各々のベースにおける内部輪郭が形成されることを特徴とする通信コネクタのためのワイヤ端子ブロック。
【請求項2】 請求項1に記載のワイヤ端子ブロックにおいて、該端子ワイヤが出現する該ワイヤボードの側における端子ワイヤの第1の曲げ半径を形成するように、そして、相手方コネクタと接触するワイヤボードの反対側で曲がる端子ワイヤの第2の曲げ半径を形成するように、該スロットの各々のベースにおける内部輪郭が形成されることを特徴とするワイヤ端子ブロック。
【請求項3】 請求項1に記載のワイヤ端子ブロックにおいて、該ワイヤボードの対応する開口とかみ合う該フレームの該レグに関連するポスト部材を含むことを特徴とするワイヤ端子ブロック。
【請求項4】 請求項3に記載のワイヤ端子ブロックにおいて、該ポスト部材は、該レグから突出し、そして該ワイヤボードの対応する開口内に適合するように形成されているリブを有することを特徴とするワイヤ端子ブロック。
【請求項5】 マンドレルと、印刷ワイヤボード上に搭載されるように、そして相手方コネクタと接触するボードから出現するいくつかの端子ワイヤの近くのボードの前端部に対して該マンドレルを十分支持するように構成され配置されたフレームとからなり、該マンドレルに沿っていくつかのスロットが形成されており、該ワイヤが該スロットの対応するものに着座され、そして該スロット内でマンドレルの周りを包むときには、該端子ワイヤが出現するワイヤボードの一の側における該端子ワイヤの第1の曲げ半径と、該相手方コネクタと接触するワイヤボードの他の側で曲がる該端子ワイヤの第2の半径とを形成するように、該スロットの各々のベースにおける内部輪郭が形成されていることを特徴とする通信コネクタのためのワイヤ端子ブロック。
【請求項6】 請求項5に記載のワイヤ端子ブロックにおいて、該第2の曲げ半径は該第1の曲げ半径より大きいことを特徴とするワイヤブロック。
【請求項7】 請求項5に記載のワイヤ端子ブロックにおいて、該フレームは該マンドレルの反対端に位置する複数のレグからなり、該レグが、該フレームが該ワイヤボードの該一の側上に搭載されたときに、該マンドレルに関し、該ワイヤボードの前端部に対して該マンドレルを十分支持するように該レグを構成し配置することを特徴とするワイヤ端子ブロック。
【請求項8】 請求項7に記載のワイヤ端子ブロックにおいて、該ワイヤボードの対応する開口とかみ合う該フレームのレグに関連するポスト部材を含むことを特徴とするワイヤ端子ブロック。
【請求項9】 請求項8に記載のワイヤ端子ブロックにおいて、該ポスト部材は、該レグから突出し、そして該ワイヤボードの対応する開口内に適合するように形成されているリブを有することを特徴とするワイヤ端子ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【特許番号】特許第3216805号(P3216805)
【登録日】平成13年8月3日(2001.8.3)
【発行日】平成13年10月9日(2001.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−226641
【出願日】平成10年8月11日(1998.8.11)
【公開番号】特開平11−111371
【公開日】平成11年4月23日(1999.4.23)
【審査請求日】平成11年9月17日(1999.9.17)
【出願人】(596077259)ルーセント テクノロジーズ インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】Lucent Technologies Inc.
【住所又は居所原語表記】600 Mountain Avenue,Murray Hill, New Jersey 07974−0636U.S.A.
【参考文献】
【文献】特開 平2−27673(JP,A)
【文献】特開 平8−65860(JP,A)
【文献】特表 平11−509975(JP,A)