説明

通信サーバ及びコード生成サーバ

【課題】カラーのコード及びピクトグラムと合成されたカラーのコードを容易に生成することができるコード生成サーバを提供する。
【解決手段】ユーザからネットワーク16を介して二次元コード生成要求があったときに、要求に応じて二次元コード24を生成する。サーバ10は、ユーザから二次元コード24の生成時に指定されたURLのデータを、サーバ10のアドレスを示す短縮URLと識別情報としての乱数とにより構成されたデータに変換し、該データを表す二次元コード24を生成する。また、所定の色の中から二次元コード24の濃いセルの色、淡いセルの色を任意に指定でき、更に、生成した二次元コード24をピクトグラム内に配置することもできる。リダイレクトサービスでは、二次元コード生成サービスで生成した二次元コード24が示す短縮URLにアクセスがあると、上記乱数に対応させて記憶した接続先のURLにリダイレクトする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リダイレクト(転送)機能を有する通信サーバ、及びカラーのコードを生成するコード生成サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、任意のデータを表すと共に光学的に読取り可能なコードが、様々な分野で使用されている。例えば、読み取りの速さと正確さ等から、バーコードのように一方向にのみ情報を有するコードが広く普及している。一方、より多くの情報をより小さいスペースに収納できるコードへのニーズが高まってきていることから、二次元方向に情報を有する二次元コードも近年急速に普及してきている。
【0003】
二次元コードには様々な種類があり、例えばスタック式の二次元コードとマトリックス式の二次元コードとがある。スタック式の二次元コードは、1次元のバーコードを細かく積み重ねて情報を表したコードで、マトリックス式の二次元コードは、白黒のます目(セル)を配置して情報を表したコードである。例えば、マトリックス式の二次元コードとしては、二進コードで表されるデータをセル化して、二次元のマトリックス上にパターンとして配置した二次元コードにおいて、該マトリックス内の、少なくとも2個所の所定位置に、各々中心をあらゆる角度で横切る走査線において同じ周波数成分比が得られるパターンの位置決め用シンボルを配置した二次元コードが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、近年、色や濃淡の配列で任意の情報を表したコードも提案されている。
【0005】
こうした、コードにはインターネット上の情報の場所(アドレス)を指定するURL(Uniform Resource Locator)等を表すものも多く、コードを読み取る機能を備えた携帯電話などの端末で該コードを読み取るだけで、所定のアプリケーションによって該読み取ったURLが示す場所にアクセスできるようになってきている。
【特許文献1】特許第2938338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の二次元コードは、白黒で表現されるのが一般的であり、カラーバリエーションは無く、更に、色の配列で任意の情報を表したコードであったとしても、その表現方法は画一的であって何ら特徴を持たせることはできない。
【0007】
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、カラーのコードを読み取って得られた読取情報により接続先に容易に接続することができる通信サーバ、及びピクトグラムと合成されたカラーのコードを容易に生成することができるコード生成サーバを提供することをを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の通信サーバは、自装置の接続先情報及び識別情報を表したカラーのコードを読み取ることにより得られた読取情報を受信する受信手段と、前記識別情報と前記自装置以外の接続先情報とを対応させて記憶した接続先記憶手段と、前記受信手段で受信された読取情報に含まれる識別情報に対応して前記接続先記憶手段に記憶された接続先情報が示す接続先にネットワークを介して接続する接続手段と、を含んで構成したものである。
【0009】
この通信サーバでは、予め識別情報と自装置(通信サーバ)以外の接続先情報とを対応させて接続先記憶手段に記憶しておく。さらにこの通信サーバは、自装置の接続先情報及び識別情報を表したカラーのコードを読み取ることにより得られた読取情報を受信し、該受信した読取情報に含まれる識別情報に対応して接続先記憶手段に記憶された接続先情報が示す接続先にネットワークを介して接続する。
【0010】
例えば、コードを読み取ることができる端末は、上記コードを読み取ることにより得られた接続先情報によって通信サーバにアクセスし、通信サーバを介して、同じくコードを読み取ることにより得られた識別情報に対応して接続先記憶手段に記憶された接続先に接続することができる。
【0011】
このように、本発明の通信サーバによれば、カラーのコードを読み取って得られた読取情報に含まれる識別情報に対応する接続先に容易に接続することができる。
【0012】
なお、前記自装置の接続先情報は、自装置のURLまたは短縮URLであり、前記接続先記憶手段に記憶された自装置以外の接続先情報は自装置以外のURLであってもよい。
なお、短縮URLは、桁数を短くしたURLであって、例えば、ドメイン取得サービス等で短いドメインを取得、登録することにより使用できる。なお、自装置の短縮URLをコードで表せば、コードは小さいサイズですむ。
【0013】
また、本発明における前記コードは、濃淡の配列、複数色の配列、濃いセル及び淡いセルの配列、及びバーコードの配列のいずれかの配列で前記自装置の接続先情報及び前記識別情報を表したコードとすることができる。
【0014】
さらにまた、前記読取情報は、前記コードより大きな面積を有するピクトグラム内に位置するように表示されたコードを読み取ることにより得られた情報とすることができる。
【0015】
ピクトグラムは、絵文字やキャラクタなどをいう。このように、コードをピクトグラム内に位置するように表示することにより、コードの表現方法がより豊富になる。
【0016】
なお、通信サーバは、クライアントより指定されたコード色、背景色、及びピクトグラムの種類に基づいて、前記自装置の接続先情報及び前記識別情報を表したカラーのコードと前記コードより大きな面積を有するピクトグラムとを合成して、該ピクトグラム内に前記コードが位置するように表示した画像を生成する生成手段と、を更に含むことができる。
【0017】
例えば、濃いセル及び淡いセルの配列で表されたコードを生成する場合には、濃いセルを指定されたコード色、淡いセルを指定された背景色で生成し、指定されたピクトグラム内にコードが位置するように配置するようにしてもよい。また、ピクトグラムの色はコードの背景色と同色とすることもできる。また、生成するコードが、このように濃淡のセルの配列で表されたコードでなくても、指定されたコード色、背景色を用いて生成し、指定されたピクトグラム内に位置するように表示することができる。
【0018】
このように、指定されたコード色、背景色、及びピクトグラムの種類に基づいてコードを生成することにより、コードの表現方法がより豊富になる。
【0019】
また、通信サーバは、複数のコード色、複数の背景色、及び複数のピクトグラムの各データを組み合わせて記憶した記憶手段と、前記記憶手段に記憶された各データの組み合わせに応じて、指定可能なコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の組み合わせをクライアントの表示手段に表示させる表示制御手段と、を更に含むことができる。
【0020】
すなわち、これにより、指定可能なコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の組み合わせがクライアントの表示手段に表示されるため、該表示手段を閲覧したクライアント(ユーザ)は、容易にコード色、背景色、ピクトグラムを指定することができる。なお、記憶手段には、例えば、コード色と背景色が全く同じ色とならないように対応させて記憶しておくこともできるし、表示可能なピクトグラムも背景色に応じて対応させて記憶しておくこともできる。なお、背景色は、白色であってもよいし白色以外のカラーであってもよい。
【0021】
なお、前記記憶手段に、濃度コントラストが所定値以上のコード色及び背景色の組み合わせを記憶することができる。
【0022】
これにより、コードを明瞭に表すことができ、生成したコードの情報を正確且つ容易に読み取ることができる。なお、濃度コントラストは、双方の濃度差であってもよいし、濃度比率であってもよい。
【0023】
また、通信サーバは、乱数を生成する乱数生成手段を更に含み、前記生成手段は、前記乱数生成手段で生成された乱数に基づいて前記識別情報を生成することができる。
【0024】
これにより、効率よく識別情報を生成することができる。なお、識別情報を、生成した乱数そのものとしてもよい。
【0025】
前記コードは、一辺が7mm以上の正方形状の二次元コードとすることができる。
【0026】
前述のように、接続先記憶手段には、識別情報と自装置(通信サーバ)以外の接続先情報とを対応させて記憶する。従って、コードで通信サーバ以外の接続先情報を表したい場合には、対応して記憶された識別情報を該接続先情報に代えてコードに表せばよい。これにより、該通信サーバ以外の接続先情報が長い桁数(大きな情報量)の場合であっても、コードに表す情報量を小さくすることができる。
【0027】
また、本発明のコード生成サーバは、コード色、背景色、及びピクトグラムの種類を指定した指定情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信されたコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の指定情報に基づいて、所定の装置の接続先情報及び識別情報を表したカラーのコードと前記コードより大きな面積を有するピクトグラムとを合成して、該ピクトグラム内に前記コードが位置するように表示した画像を生成する生成手段と、を含んで構成したものである。
【0028】
このように、コード色、背景色、及びピクトグラムの種類の指定情報に基づいてコードを生成することにより、コードを様々な色で表現することが可能となるとともに、ピクトグラムと合成することができるため、その表現方法がより豊富になる。なお、コードで表す情報は、所定の装置の接続先情報及び識別情報である。また、所定の装置は、自装置(コード生成サーバ)であってもよいし、コードを読み取って得られた読取結果に応じて所定の処理を行う他の装置であってもよい。
【0029】
前記所定の装置の接続先情報は、所定の装置のURLまたは短縮URLとすることができる。なお、自装置の短縮URLをコードで表せば、コードは小さいサイズですむ。
【0030】
上記生成するコードは、濃淡の配列、複数色の配列、濃いセル及び淡いセルの配列、及びバーコードの配列のいずれかの配列で前記接続先情報及び前記識別情報を表したコードとすることができる。
【0031】
また、コード生成サーバは、複数のコード色、複数の背景色、及び複数のピクトグラムの各データを組み合わせて記憶した記憶手段と、前記記憶手段に記憶された各データの組み合わせに応じて、指定可能なコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の組み合わせをクライアントの表示手段に表示させる表示制御手段と、を更に含んで構成することができる。
【0032】
すなわち、これにより、指定可能なコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の組み合わせがクライアントの表示手段に表示されるため、該表示手段を閲覧したクライアント(ユーザ)は、容易にコード色、背景色、ピクトグラムを指定することができる。なお、記憶手段には、例えば、コード色と背景色が全く同じ色とならないように対応させて記憶しておくこともできるし、表示可能なピクトグラムも背景色に応じて対応させて記憶しておくこともできる。
【0033】
なお、前記記憶手段に、濃度コントラストが所定値以上のコード色及び背景色の組み合わせを記憶することもできる。
【0034】
これにより、コードを明瞭に表すことができ、生成したコードの情報を正確且つ容易に読み取ることができる。なお、濃度コントラストは、双方の濃度差であってもよいし、濃度比率であってもよい。
【0035】
また、コード生成サーバに、乱数を生成する乱数生成手段と、前記識別情報と任意の情報とを対応させて記憶する情報記憶手段と、を更に含み、前記生成手段は、前記乱数生成手段で生成された乱数に基づいて前記識別情報を生成することができる。
【0036】
これにより、効率よく識別情報を生成することができる。なお、識別情報を、生成した乱数そのものとしてもよい。また、情報記憶手段には識別情報と任意の情報とを対応させて記憶することができるが、この情報記憶手段に記憶したデータを、コードで表された接続先情報が示す接続先である上記所定の装置に対して供給することにより、例えば、コードを読み取ることができる端末は、コードを読み取ることにより得られた接続先情報によって該所定の装置にアクセスすることができ、該所定の装置は、アクセスしてきた端末に対して、該読取情報に含まれる識別情報に対応して記憶された任意の情報を用いて何らかの処理を行うことができる。なお、任意の情報は、特に限定されない。例えば、任意の情報を企業の広告情報とした場合には、該広告情報をアクセスしてきた端末に表示させるようにしてもよい。任意の情報を、接続先のURLとした場合には、アクセスしてきた端末を該URLに転送して接続させることができる。なお、上記所定の装置を、自装置(コード生成サーバ)とすることもできる。
【0037】
また、コード生成サーバは、一辺が7mm以上の正方形状の小さな二次元コードを生成することができる。前述のように、情報記憶手段には、識別情報と任意の情報とを対応させて記憶する。従って、コードで任意の情報を表したい場合には、対応して記憶された識別情報を該任意の情報に代えてコードに表せばよい。これにより、該任意の情報が長い桁数(大きな情報量)の場合であっても、コードに表す情報量を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように、本発明の通信サーバによれば、カラーのコードを読み取って得られた読取情報により接続先に容易に接続することができる。また本発明のコード生成サーバによれば、ピクトグラムと合成されたカラーのコードを容易に生成することができるカラーのコードを容易に生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下では、濃いセル及び淡いセルをマトリクス状に配列した二次元コードを例に挙げて説明する。
【0040】
図1に示すように、本実施の形態の二次元コードサービスシステムは、二次元コード24に関するサービス(二次元コードサービス)を提供するサーバ10、企業のホームページ(HP)40等を表示するためのHTML(HyperText Markup Language)文書や画像などの情報を蓄積しておき、クライアントからの要求に応じてインターネットなどのネットワーク16を介して蓄積されている情報を送信することによりHP40の画像をクライアントのWebブラウザに表示させる企業のWebサーバ12、及びサーバ10やサーバ12にネットワーク16を介して接続することができるパーソナルコンピュータ(PC)14が、モデム、ルータ、またはTA(ターミナルアダプタ)等の接続装置を介して、インターネット等のネットワーク16に接続されて構成されている。
【0041】
さらにまた、ネットワーク16には、デジタル携帯電話網等のネットワークを介して送受信センタ18が接続され、送受信センタ18にはアンテナを備えた基地局20が接続されている。データ送受信機能及び二次元コード24を読取るカメラ22Fを備えた携帯電話22は、上記基地局20を介してネットワーク16に接続することができる。
【0042】
ここで、二次元コード24は、図1及び図4に示すように、濃いセル及び淡いセルを複数個マトリクス状に配列することにより任意の情報を表したマークである。二次元コード24の周囲には二次元コード24に表された情報を正確に読み取るため所定のサイズのマージン28が設けられる。また、本実施の形態では、後述する二次元コード生成サービスにより、図4及び図5に示すように、カラーの二次元コード24がカラーのピクトグラム(キャラクタや絵文字)26と合成され、二次元コード24がピクトグラム26内に位置した状態の画像データがユーザに供給される。なお、図4に示すように、ピクトグラム26は、マージン28を含めた二次元コード24よりも大きな面積を有し、二次元コード24はマージン28が確実に確保されるように配置される。
【0043】
二次元コードサービスを提供するサーバ10は、図2に示すように、予め記憶した図8、図9に示す処理ルーチンに従ってサーバ全体の制御を行なうCPU(中央処理装置)10A、この処理ルーチンのプログラムを記憶したROM及びワークエリアとして使用されるRAMを備えたメモリ10B、ハードディスクドライブ等により構成され、複数のコード色、複数の背景色、及び複数のピクトグラムの各データを組み合わせて記憶すると共に、二次元コード24を作成する際に生成した乱数と二次元コード24の生成要求受付時にユーザにより入力された接続先のURLとを対応させて記憶するデータベース10C、及びデータを入出力するための入出力ポート10Dが設けられている。これらのCPU10A、メモリ10B、データベース10C、及び入出力ポート10Dは、データバスやコントロールバス等のバスを介して相互に接続されている。
【0044】
ここで、サーバ10が提供する二次元コードサービスの概要を説明する。二次元コードサービスには、二次元コード生成サービス及びリダイレクトサービスが含まれる。
【0045】
二次元コード生成サービスは、ユーザからネットワーク16を介して二次元コード生成要求があったときに、要求に応じて二次元コード24を生成するサービスである。本実施の形態では、二次元コード24で表す情報として、インターネット等のネットワークで使用されるURL(Uniform Resource Locator)を例に挙げて説明する。また、このサーバ10は、二次元コード24を生成する際、ユーザから二次元コード24の生成時に指定された接続先のURL(例えば、図6(A)参照)のデータを、サーバ10のアドレスを示す短縮URLと(ユーザから指定された接続先のURLを識別するための)識別情報としての乱数とにより構成されたデータに変換し(例えば、図6(B)参照)、該変換したデータを表す二次元コード24を生成する。乱数は二次元コード生成要求毎に生成され、二次元コード生成要求時にユーザから指定された接続先のURLは該生成された乱数に対応させて、データベース10Cに記憶する(例えば、図7参照。)。
【0046】
ここで、短縮URLは、桁数を短くしたURLであって、所定のドメイン取得サービス等で短いドメインを取得、登録することにより使用することができる。
【0047】
また、この二次元コード生成サービスでは、所定の色の中から二次元コード24の濃いセルの色、淡いセルの色を任意に指定できる。また、図4や図5に示すように、生成した二次元コード24を様々なピクトグラム(キャラクタや絵文字)26の上に重ね合わせ、二次元コード24をピクトグラム26内に配置することもできる。なお、このピクトグラム26の色は二次元コード24の淡いセルの色と同色となる。
【0048】
リダイレクトサービスは、二次元コード生成サービスで生成した二次元コード24が示す上記短縮URLへのアクセス(すなわち自装置へのアクセス)を、上記データベース10Cを参照して元のURL(ユーザが指定しデータベース10Cに記憶されている接続先のURL)にリダイレクト(転送)するサービスである。このサービスにより、サーバ10で生成した二次元コード24を読み取った携帯電話22は、該二次元コード24が示す乱数に対応してデータベース10Cに記憶されている接続先のURLにアクセスすることができる。
【0049】
入出力ポート10Dは、他の機器とネットワークを介して通信を行うための通信制御ユニット10Eを介してネットワーク16に接続されている。
【0050】
なお、このサーバ10は、Webサーバとしての機能も有している。具体的には、HTML文書や画像などのデータを上記データベース10C等に蓄積しておき、Webブラウザ等によるクライアント(ここではPC14)の要求に応じて、上記ネットワーク16を介してこれら蓄積している情報を送信したり、要求に応じてプログラムを実行し、結果をクライアントに送信したりする。
【0051】
また、Webサーバ12の構成は、上記サーバ10とほぼ同様の構成であるため図示は省略するが、CPU、CPUが動作するための各種プログラム(Webブラウザ等からの要求に応じてファイルを送信するソフトウェア等を含む)を記憶するROMとワークメモリからなるメモリ、HTML文書や画像などの各種データを記憶するハードディスクドライブを含んで構成されている。更にWebサーバ12は、サーバ10と同様に、CPU、メモリ、ハードディスクドライブと接続された入出力ポート、及び入出力ポートに接続された通信制御ユニットを備えている。
【0052】
また、クライアントとしてのPC14の構成も、上記サーバ10とほぼ同様の構成であるため図示は省略するが、CPU、CPUが動作するための各種プログラム(Webブラウザ等のクライアントソフトウェアを含む)を記憶するROMとワークメモリからなるメモリ、各種データを記憶するハードディスクドライブ、及びディスプレイ等の表示手段やキーボード、マウス等の操作入力手段等のユーザ・インターフェイス(UI)を含んで構成されている。更にPC14は、CPU、メモリ、ハードディスクドライブと接続された入出力ポート、及び入出力ポートに接続された通信制御ユニットを備えている。
【0053】
さらにまた、ユーザが使用する携帯電話22には、図3に示すように、Webブラウザ等のソフトウェアや、二次元コード24を読み取って該二次元コード24で表されたURLにアクセスするソフトウェア等が記憶されたメモリ22A、メモリ22Aに記憶されたソフトウェアに従って処理を行なうCPU22B、データの送受信を行なう送受信部22C、情報を表示するLCD表示部22D、確定キーやテンキー等を備えたキー操作部22E、及び二次元コード24を撮影して二次元コード24で表されたデータを読取るためのカメラ22Fが設けられている。
【0054】
以下、本実施の形態のサーバ10のCPU10で実行される二次元コード生成サービスの処理ルーチンについて図8を参照しながら説明する。なお、この処理ルーチンは、PC14のWebブラウザからアクセスされたときに起動される。
【0055】
ステップ100では、初期画面をPC14のWebブラウザに表示するためのデータを送信し、PC14のWebブラウザに初期画面を表示させる。この初期画面の図示は省略するが、PC14のユーザはこの初期画面から、二次元コードで表したいURLを入力することができる。
【0056】
ステップ102では、URLの入力待ちを行う。ここで、ユーザにより入力されたURLが受信された場合には、ステップ104に移行する。ステップ104では、所定の桁数(図4及び図5では6桁)の乱数32Bを生成し、図7に示すように、該生成した乱数32Bと入力されたURL30とを対応させたテーブルを作成してデータベース10Cに記憶する。
【0057】
ステップ106では、選択可能な二次元コードの色(Code色)のリストをPC14のWebブラウザに表示するためのデータを送信し、PC14のWebブラウザにリストを表示させる。ここで表示させるCode色は予めデータベース10Cに記憶されている色である。Code色は、二次元コードの濃いセルの色として用いられるため、例えば、二次元コード24の読取に容易な濃度の高い色とすることができる。PC14のユーザは、該表示されたリストの中から所望の色を選択して指定することができる。ここで指定された色が、上記生成された二次元コード24の濃いセルの色として設定される。
【0058】
ステップ108では、Code色の選択待ちを行う。ここで、ユーザにより選択されたCode色が受信された場合には、ステップ110に移行する。ステップ110では、選択可能な背景色のリストをPC14のWebブラウザに表示させる。背景色は、二次元コード24の淡いセルの色であって、なおかつ二次元コード24に重ね合わされるピクトグラム26の色として用いられる。データベース10Cには、Code色よりも濃度が低い色であって、Code色との濃度コントラストが所定値以上となるような背景色、例えば濃度コントラストの比率が55%以上となるような背景色、がCode色毎に組み合わされて複数色記憶されている。ここでは、データベース10Cに記憶されている背景色のうち上記選択され指定されたCode色に組み合わされて記憶されている背景色がWebブラウザにリストで表示される。PC14のユーザは、該表示されたリストの中から所望の背景色を選択して指定することができる。
【0059】
なお、組み合わされて記憶されているCode色と背景色との濃度コントラストを所定値以上とすることによって、生成した二次元コード24の読取りが容易になる。
【0060】
ステップ112では、背景色の選択待ちを行う。ここで、ユーザにより選択された背景色が受信された場合には、ステップ114に移行する。ステップ114では、選択可能な二次元コード24のサイズのリストをPC14のWebブラウザに表示させる。PC14のユーザは、該表示されたリストの中から所望のサイズを選択することができる。本実施の形態では、後述するように、ユーザにより入力された長いURLではなく、短縮URLと乱数により構成されたデータが二次元コード24で表されるように二次元コード24を生成するため、二次元コード24で表すデータ量を少なくすることができ、最小7mm角で二次元コード24を生成できる。従って、ここでは、7mm角以上のサイズをリストとして表示させることができる。
【0061】
ステップ116では、サイズの選択待ちを行う。ここで、ユーザにより選択された背景色が受信された場合には、ステップ118に移行する。ステップ118では、選択可能なピクトグラム26のリストをPC14のWebブラウザに表示させる。選択可能なピクトグラム26は、データベース10Cに、上記選択されたCode色及び背景色に組み合わされて複数個記憶されており、該記憶されたピクトグラム26を示す名称がリストで表示される。ピクトグラムは、特に限定されず、例えば、図4に示すような多角形のピクトグラム26であってもよいし、図5に示すような星型のピクトグラム26であってもよい。なお、本実施の形態では、背景色として白色が選択された場合には、二次元コード24のマージン分を確保するための「正方形」のみが選択されるように、背景色「白」とピクトグラム「正方形」とが組み合わされてデータベース10Cに記憶されている。なお、表示方法は特に限定されず、例えば、ピクトグラム26を識別することができるピクトグラムの名称のリストを表示してもよいし、ピクトグラム26の絵柄を表示してもよい。PC14のユーザは、該表示されたリストの中から所望のピクトグラム26を選択することができる。
【0062】
ステップ120では、ピクトグラム26の選択待ちを行う。ここで、ユーザにより選択されたピクトグラム26の情報が受信された場合には、ステップ122に移行する。ステップ122では、二次元コード24を生成する。具体的には、濃いセルの色を上記選択されたCode色に、かつ淡いセルの色を上記選択された背景色にして、図6(B)に示すようにサーバ10のアドレスを示す短縮URL32Aと乱数32Bとにより構成されたデータ32を表す二次元コードの画像データを生成する。ステップ124では、図5に示すように、上記選択したサイズに応じた大きさのピクトグラム26内の、予め二次元コード24が配置されるように定められた座標位置に二次元コード24が配置されるように二次元コード24とピクトグラム26とを合成する。なお、該予め定められた座標位置は、二次元コード24がピクトグラム26内でマージン28が確実に確保されるように配置される座標位置である。
【0063】
ステップ126では、合成して得られた画像データのプレビュー画像をPC14のWebブラウザに表示させる。ユーザはこのプレビュー画像を見て、生成した二次元コード24の画像データをダウンロードするか或いはキャンセルするかを判断することができる。ステップ128で、ユーザがWebブラウザからダウンロードを要求した場合には、ステップ130で、上記画像データをユーザのPC14にダウンロードする。また、ステップ128で、ユーザが画像データのダウンロードをキャンセルした場合には、ステップ130の処理は行わずに、本処理ルーチンを終了する。なおキャンセル時には、データベース10Cの該当する乱数とURLとが対応付けられて記憶されているレコードを削除するようにしてもよい。
【0064】
ダウンロードされた画像データは、ユーザが適宜使用することができる。例えば、名刺やはがき等に該ダウンロードした画像データを印刷してもよいし、シール等に該画像データを印刷し、様々な媒体に貼付することもできる。
【0065】
次に、上記二次元コード24の画像が携帯電話22で読み取られた場合の処理の流れについて説明する。
【0066】
携帯電話22のカメラモードを起動してカメラ22Fを二次元コード24に向けて携帯電話22のキー操作部22Eに設けられている確定キーをオン操作すると、撮影動作が開始されると共に、メモリ22Aに記憶されている処理ルーチンのプログラムが起動される。この処理ルーチンのプログラムにより、カメラ22Fで読み取った二次元コード24の画像が表すサーバ10のURL32Aに自動的にアクセスすることができる。
【0067】
サーバ10では、携帯電話22からアクセスがあると、図9に示すリダイレクトサービスの処理ルーチンのプログラムが起動される。
【0068】
ステップ200では、二次元コード24の読取結果としてのサーバ10のURL32Aの直下に指定されている6桁の乱数32Bに対応してデータベース10Cに記憶されているURL30を検索する。なお、ここで検索が失敗した場合には、エラーを返すようにしてもよい。さらにまた、本サービスを利用する期限を設け、期限を過ぎた後は本サービスを利用できないようにデータベース10Cから該当の乱数32B及びURL30を削除するようにして、エラーを返すこともできる。
【0069】
ステップ202では、アクセスした携帯電話22に対し、特定のサービスを受けられるクーポンの画像データを送信する(クーポン発行)。このクーポンは、予めサーバ10が提供する二次元コードサービスに参加する全企業のうちランダムに選択された企業のクーポンとすることもできるし、上記検索したURL30の企業のクーポンとすることもできる。携帯電話22のユーザは、受信した画像データによりクーポンの画像を表示でき、該クーポンを利用して各種サービスを受けることができる。
【0070】
ステップ204では、検索したURL30にリダイレクト(転送)して、サーバ10にアクセスしてきた携帯電話22が該検索したURL30に接続されるようにする。
【0071】
以上説明したように、二次元コードの濃淡の色を任意に指定することができるため、二次元コードを個性的にデザインすることができる。更に二次元コードをピクトグラムと合成するようにしたため、表現方法が豊富となる。また、ユーザにより指定されたURLを乱数(識別情報)に対応して記憶しておき、短縮URLと乱数とにより構成したデータを二次元コードで表すようにしたため、二次元コードのサイズを小さくすることができる。また、二次元コードに表された乱数から元のURLにリダイレクトするようにしたため、小さなサイズの二次元コードであっても、二次元コードを読み取ることによって、所望のURLにアクセスすることができる。
【0072】
また、上記実施の形態では、リダイレクトサービスを行うときにクーポンの発行を行うようにしたが、これにより、特定のクーポンを簡易に発行でき、またその情報を発行会社が管理することにより、より積極的な販売活動を行なうことができる。
【0073】
なお、上記実施の形態では、二次元コード生成サービスとリダイレクトサービスを同一のサーバが行う例について説明したが、これに限定されず、各々のサービスを異なるサーバにより行うようにしてもよい。この場合には、二次元コード生成サービスを行うサーバから、リダイレクトサービスを行うサーバに対して、二次元コード生成時に生成される、乱数とユーザにより指定されたURLとを対応付けたテーブルを転送する必要がある。
【0074】
また、上記実施の形態では、二次元コードを読み取る端末装置として、携帯電話を用いる例について説明したが、携帯電話に限らず、パソコンとスキャナーとを接続して二次元コードを読取る機能を備えた端末装置を用いるようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態では、サーバ10の短縮URLと接続先URLに対応づけられた識別情報(乱数)とにより構成したデータを表した二次元コードを例に挙げて説明したが、識別情報に対応づけられる情報は接続先URLに限定されず、任意の情報とすることができる。例えば、メールアドレスであってもよい。この場合も、上記同様に、メールアドレスの宛先を乱数に対応させて記憶し、上記と同様に短縮URLと乱数のデータを二次元コードで表すことができる。また、乱数と元のメールアドレスを対応付けて記憶することにより、上記実施の形態と同様に処理して、メールを転送することができる。また、二次元コードで表す情報を企業の広告メッセージ等としてもよい。この場合には、広告メッセージを乱数に対応させて記憶しておき、アクセスがあったときに記憶されている広告メッセージを配信する。
【0076】
また、二次元コードで表すデータに含まれる短縮URLに代えて通常のURLを用いてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、濃いセルと淡いセルとをマトリクス状に配列した二次元コードを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、濃淡の配列や色の配列でデータを表したコードであってもよいし、スタック式の二次元バーコードのようにバーコードの配列でデータを表したコードであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態の二次元コードサービスシステムを示す概略図である。
【図2】図1のサーバの概略を示すブロック図である。
【図3】図1の携帯電話の概略を示すブロック図である。
【図4】カラーの二次元コードがカラーのピクトグラム内に配置され合成された状態を示す図である。
【図5】ピクトグラム内に二次元コードが配置される様子を示した図である。
【図6】(A)は、ユーザにより入力されたURLの一例であり、(B)は、短縮URLと乱数とにより構成されたデータを示した一例である。
【図7】乱数とユーザにより入力されたURLとを対応させてデータベースに記憶した状態を示した図である。
【図8】二次元コード生成サービスの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】リダイレクトサービスの処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
10 サーバ
10A CPU
10C データベース
10E 通信制御ユニット
16 ネットワーク
24 二次元コード
26 ピクトグラム
30 ユーザにより指定されたURL
32A 短縮URL
32B 乱数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の接続先情報及び識別情報を表したカラーのコードを読み取ることにより得られた読取情報を受信する受信手段と、
前記識別情報と前記自装置以外の接続先情報とを対応させて記憶した接続先記憶手段と、
前記受信手段で受信された読取情報に含まれる識別情報に対応して前記接続先記憶手段に記憶された接続先情報が示す接続先にネットワークを介して接続する接続手段と、
を含む通信サーバ。
【請求項2】
前記自装置の接続先情報は、自装置のURLまたは短縮URLであり、前記接続先記憶手段に記憶された自装置以外の接続先情報は自装置以外のURLである請求項1記載の通信サーバ。
【請求項3】
前記コードは、濃淡の配列、複数色の配列、濃いセル及び淡いセルの配列、及びバーコードの配列のいずれかの配列で前記自装置の接続先情報及び前記識別情報を表したコードである請求項1または請求項2記載の通信サーバ。
【請求項4】
前記読取情報は、前記コードより大きな面積を有するピクトグラム内に位置するように表示されたコードを読み取ることにより得られた情報である請求項3記載の通信サーバ。
【請求項5】
クライアントより指定されたコード色、背景色、及びピクトグラムの種類に基づいて、前記自装置の接続先情報及び前記識別情報を表したカラーのコードと前記コードより大きな面積を有するピクトグラムとを合成して、該ピクトグラム内に前記コードが位置するように表示した画像を生成する生成手段と、
を更に含む請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の通信サーバ。
【請求項6】
複数のコード色、複数の背景色、及び複数のピクトグラムの各データを組み合わせて記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された各データの組み合わせに応じて、指定可能なコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の組み合わせをクライアントの表示手段に表示させる表示制御手段と、
を更に含む請求項5記載の通信サーバ。
【請求項7】
前記記憶手段に、濃度コントラストが所定値以上のコード色及び背景色の組み合わせを記憶した請求項6記載の通信サーバ。
【請求項8】
乱数を生成する乱数生成手段を更に含み、
前記生成手段は、前記乱数生成手段で生成された乱数に基づいて前記識別情報を生成する請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の通信サーバ。
【請求項9】
前記コードは、一辺が7mm以上の正方形状の二次元コードである請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の通信サーバ。
【請求項10】
コード色、背景色、及びピクトグラムの種類を指定した指定情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信されたコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の指定情報に基づいて、所定の装置の接続先情報及び識別情報を表したカラーのコードと前記コードより大きな面積を有するピクトグラムとを合成して、該ピクトグラム内に前記コードが位置するように表示した画像を生成する生成手段と、
を含むコード生成サーバ。
【請求項11】
前記所定の装置の接続先情報は、所定の装置のURLまたは短縮URLである請求項10記載のコード生成サーバ。
【請求項12】
前記コードは、濃淡の配列、複数色の配列、濃いセル及び淡いセルの配列、及びバーコードの配列のいずれかの配列で前記接続先情報及び前記識別情報を表したコードである請求項10または請求項11記載のコード生成サーバ。
【請求項13】
複数のコード色、複数の背景色、及び複数のピクトグラムの各データを組み合わせて記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された各データの組み合わせに応じて、指定可能なコード色、背景色、及びピクトグラムの種類の組み合わせをクライアントの表示手段に表示させる表示制御手段と、
を更に含む請求項10乃至請求項12のいずれか1項記載のコード生成サーバ。
【請求項14】
前記記憶手段に、濃度コントラストが所定値以上のコード色及び背景色の組み合わせを記憶した請求項13記載のコード生成サーバ。
【請求項15】
乱数を生成する乱数生成手段と、
前記識別情報と任意の情報とを対応させて記憶する情報記憶手段と、
を更に含み、
前記生成手段は、前記乱数生成手段で生成された乱数に基づいて前記識別情報を生成する請求項10乃至請求項14のいずれか1項記載のコード生成サーバ。
【請求項16】
前記コードは、一辺が7mm以上の正方形状の二次元コードである請求項10乃至請求項15のいずれか1項記載のコード生成サーバ。

【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−301919(P2006−301919A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122270(P2005−122270)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(500058693)株式会社レイ (2)
【Fターム(参考)】