説明

通信システム、中継装置およびマルチキャスト中継方法

【課題】送送信停止中のマルチキャストデータの受信を必要とする受信装置に、当該マルチキャストデータを配信することができる通信システムを得ること。
【解決手段】マルチキャスト送信装置2と、受信装置と、RPと、前記送信装置と直接接続し、マルチキャストデータを中継するマルチキャストルータ1と、を備える通信システムであって、マルチキャストルータ1は、マルチキャストデータの受信を要求する受信装置が無い場合にマルチキャストデータの送信停止要求を送信し、受信装置からマルチキャストデータの送信要求を受信するとマルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信する送信装置制御部13と、送信停止要求を送信した場合に、マルチキャスト送信装置2の送信情報を通知するMRPフレームをRPへ向けて送信する送信装置維持フレーム送信制御部15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチキャストデータを伝送する通信システム、中継装置およびマルチキャスト中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
標準規格(RFC:Request For Comment)に基づいたIP(Internet Protocol)マルチキャスト通信では、マルチキャストルータ間での中継プロトコルであるMRP(Multicast Routing Protocol)、及びマルチキャストルータとマルチキャスト受信装置(以下、受信装置)の間での中継プロトコルであるMGP(Multicast Group Management Protocol)により、各々のマルチキャストデータについて、受信装置が存在しないマルチキャストルータへのマルチキャストデータの伝達が抑止され、ネットワーク帯域が浪費されることを防いでいる。
【0003】
代表的なMRPとしてはPIM(Protocol Independent Multicast)があり、代表的なMGPとしてはIGMP(Internet Group Management Protocol)およびMLD(Multicast Listener Discovery)がある。
【0004】
代表的なMRPであるPIMでは、RP(Rendezvous Point)と呼ばれる送信情報の集約点の役割を果たす機器が1つ設定され、送信機器に関する情報はRPに集められる。そして、マルチキャストデータを要求する受信装置がRPに対して送信装置の情報(送信装置の識別情報等)を問い合わせることにより、送信装置と受信装置を結ぶパスが設定されてマルチキャストデータの伝送が行われる。
【0005】
一方、マルチキャストルータとマルチキャスト送信装置(以下、送信装置)の間では上記のようなマルチキャストデータの通信を抑止する仕組みが無く、受信者の有無に関係なく常にデータが流れ続けている。このため、不必要なマルチキャストデータが送信されることによりネットワーク帯域が浪費され、さらに送受信のための電力が無駄に消費される。
【0006】
上述のようなネットワーク帯域および電力の浪費を低減するために、下記特許文献1に記載の技術では、マルチキャストルータに送信装置のON/OFFを制御する機能を持たせる。そして、マルチキャストルータが、MGPにより受信装置が存在しないことを認識している場合に送信装置をOFFとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−262350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、ネットワーク内に多数の送信装置が存在し、それら送信装置が送信するマルチキャスト情報を少数の受信装置が参照するようなシステム(以下、受信装置参照システムという)を想定した場合、あるタイミングでは、受信している受信装置が0となる送信装置が存在する。このようなシステムの例として、多数の監視カメラの映像を少数の制御用端末で監視する際、各カメラの映像を一定時間ごとに順番に表示するシステムなどが挙げられる。
【0009】
上記特許文献1に記載の方法によれば、上述のような受信装置参照システムでは、いずれの受信装置にもデータが受信されていない送信装置は、マルチキャストルータからの制御情報によりマルチキャストデータの送信を停止する。
【0010】
このような処理により送信停止中のマルチキャストデータの受信を必要とする受信装置が現れた場合、当該受信装置を収容するマルチキャストルータが、RPに対して送信要求を行う。しかし、RPは送信装置からのマルチキャストデータを受信していないため当該送信装置に関する情報を受信装置へ提供することができない。また送信装置は受信要求が到達しない限りマルチキャストデータの送信を再開しないため、受信装置はいつまでも送信装置の情報を得ることができず、その結果所望のマルチキャストデータの受信ができない、という問題があった。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、送信装置がマルチキャストルータからの送信停止要求に従ってマルチキャストデータの送信を停止する場合に、送信停止中のマルチキャストデータの受信を必要とする受信装置に、当該マルチキャストデータを配信することができる通信システム、中継装置およびマルチキャスト中継方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムであって、前記中継装置は、前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信し、一方、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信する送信装置制御部と、前記送信装置制御部が前記送信停止要求を送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、を備え、前記送信装置は、前記マルチキャストデータを前記中継装置へ送信する送信制御部と、前記送信停止要求を受信した場合に前記送信制御部を停止させ、前記送信開始要求を受信した場合に前記送信制御部を起動させる送信状態制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、送信装置がマルチキャストルータからの送信停止要求に従ってマルチキャストデータの送信を停止する場合に、送信停止中のマルチキャストデータの受信を必要とする受信装置に、当該マルチキャストデータを配信することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施の形態1のマルチキャストルータおよびマルチキャスト送信装置の機能構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施の形態1の通信システムの構成例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態1の通信システムの別の構成例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態2のマルチキャストルータおよびマルチキャスト送信装置の機能構成例を示す図である。
【図5】図5は、実施の形態3のマルチキャストルータおよびマルチキャスト送信装置の機能構成例を示す図である。
【図6】図6は、実施の形態4のマルチキャストルータおよびマルチキャスト送信装置の機能構成例を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態4のマルチキャスト送信装置の別の機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる通信システム、中継装置およびマルチキャスト中継方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかるマルチキャストルータ1およびマルチキャスト送信装置(送信装置)2の実施の形態1の機能構成例を示す図である。本実施の形態では、本発明にかかる中継装置としてマルチキャストルータ(First Hop Router(以下、FHRと略す))1を例に挙げて説明する。マルチキャストルータ(FHR)1は、マルチキャスト送信装置2と直接接続されるFHRである。
【0017】
図1に示すように、マルチキャストルータ(FHR)1は、送信制御部11と、受信制御部12と、送信装置制御部13と、中継制御部14と、送信装置情報維持フレーム送信制御部(送信情報送信部)15と、物理ポート16と、物理ポート部17と、で構成される。また、マルチキャスト送信装置2は、送信制御部21と、受信制御部22と、送信状態制御部23と、データ生成部24と、物理ポート25と、で構成される。物理ポート部17は、1以上の物理ポートで構成される。
【0018】
マルチキャスト送信装置2では、データ生成部24がマルチキャストデータを生成し、送信制御部21が物理ポート25を経由して、データ生成部24により生成されたマルチキャストデータをマルチキャストフレームとしてマルチキャストルータ(FHR)1へ送信する。データ生成部24としては、具体的には、マルチキャスト送信装置2がデータ配信サーバとしての機能を有する場合の配信データを取得または生成して配信データを記憶するための記憶媒体や、監視カメラのカメラ部などあげられる。
【0019】
マルチキャストルータ(FHR)1では、受信制御部12が、物理ポート16経由で受信したマルチキャスト送信装置2から送信されたマルチキャストデータに対して所定の受信処理を行い、処理後のマルチキャストデータを中継制御部14へ渡す。そして中継制御部14は、受け取ったマルチキャストデータに対して中継先ポート(物理ポート部17のうち当該マルチキャストデータの受信を要求する受信装置に繋がる物理ポート)の決定や中継制御等を行い、中継先ポート経由でマルチキャストデータを当該データの受信を要求する受信装置が接続されたネットワークへ送信する。
【0020】
中継制御部14は、具体的には例えば、MRP処理機能およびMGP処理機能を有し、MRP、MGPの両プロトコルに基づく受信装置の把握、マルチキャストデータの中継先ポートの決定、中継制御等を行う。
【0021】
送信装置制御部13は、中継制御部14の動作を常時監視し、マルチキャスト送信装置2から送信されるマルチキャストデータを受信する受信装置の数が0(無し)から1以上(有り)に変化したことを検知すると、送信制御部11および物理ポート16を介してマルチキャスト送信装置2に送信開始要求を送信するとともに、送信装置情報維持フレーム送信制御部15に対してマルチキャスト送信装置2が送信状態になった旨を通知する。
【0022】
また、送信装置制御部13は、受信装置の数が1以上(有り)から0(無し)に変化したことを検知すると、送信制御部11および物理ポート16を介してマルチキャスト送信装置2に送信停止要求を送信するとともに、送信装置情報維持フレーム送信制御部15に対してマルチキャスト送信装置2が送信停止状態になった旨を通知する。
【0023】
なお、送信装置制御部13が受信装置の数を検知する方法は、例えば中継制御部14が、MRP、MGPに基づいて受信装置の数を把握し、受信装置の数が変化した場合に送信装置制御部13へ通知する方法としてもよいし、中継制御部14が受信装置の数を内部の記憶手段に記憶しておき、送信装置制御部13が定期的に当該記憶手段を参照して受信装置の数を検知する方法としてもよいし、その他どのような方法を用いてもよい。
【0024】
マルチキャスト送信装置2では、受信制御部22が、マルチキャストルータ(FHR)1から送信された送信開始要求または送信停止要求を物理ポート25経由で受信すると、受信した送信開始要求または送信停止要求に対して所定の受信処理を行い、処理後の送信開始要求または送信停止要求を送信状態制御部23へ出力する。
【0025】
送信状態制御部23は、受信制御部22から受け取った要求(受信した送信開始要求または送信停止要求)の種別が送信開始要求であった場合には送信制御部21の機能の有効化を行い、送信停止要求であった場合には送信制御部21の機能の無効化を行う。無効化された状態(送信停止状態)にある送信制御部21はデータ生成部24で生成されたマルチキャストデータを物理ポート25に伝送することなく廃棄する。有効化された状態(送信状態)にある送信制御部21は、データ生成部24で生成されたマルチキャストデータを物理ポート25経由でマルチキャストルータ(FHR)1へ送信する。
【0026】
以上で述べたとおり、マルチキャスト送信装置2がマルチキャストルータ(FHR)1から受信する情報は、受信装置数が0(無し)から1以上(有り)に変化した、または1以上(有り)から0(無し)に変化したという情報のどちらかであり、受信装置の台数に関する情報、個別の受信装置に関する情報などは受け取らないため、マルチキャスト送信装置2では、それら受信装置に関する情報の管理を行う必要は無い。
【0027】
また、マルチキャストルータ(FHR)1は受信装置の情報を中継制御部14が実施するMRP処理,MGR処理により把握することから、本実施の形態を実現するために特別な受信装置管理を別途行う必要はなく、通常のマルチキャストデータの中継のために使用する情報を転用して必要な全ての情報を取得することができる。
【0028】
また、送信装置情報維持フレーム送信制御部15は、送信装置制御部13から通知されるマルチキャスト送信装置2が送信停止状態であるか否かの情報を保持する。そして、送信装置情報維持フレーム送信制御部15は、送信装置制御部13が送信停止状態である場合には、送信停止状態となる前にマルチキャスト送信装置2が送信していたマルチキャストデータ(MRPフレーム)に含まれるマルチキャスト送信装置2に関する情報(マルチキャスト送信装置2からのデータ受信に必要な情報;マルチキャスト送信装置2の識別情報等)を含むMRPフレームを生成して、RP(Rendezvous Point:配信管理装置)宛に中継制御部14および物理ポート部17経由で一定時間毎に送信する。
【0029】
マルチキャスト送信装置2が送信するマルチキャストデータには、マルチキャスト送信装置2に関する情報が含まれている。マルチキャスト送信装置2が送信したマルチキャストデータを送信している間は、マルチキャストルータ(FHR)1が、当該マルチキャストデータをRPへ転送しており、これによりRPはマルチキャスト送信装置2に関する情報を把握している。したがって、マルチキャスト送信装置2がマルチキャストデータの送信を停止するとマルチキャスト送信装置2に関する情報がRPに到着しなくなる。これに対し、本実施の形態では、マルチキャスト送信装置2がマルチキャストデータの送信を停止している場合には、送信装置情報維持フレーム送信制御部15が、マルチキャスト送信装置2がマルチキャストフレームを送信している場合にRP宛に一定時間毎に送信されるMRPフレーム、と同等のマルチキャスト送信装置2に関する情報を含むMRPフレームを生成してRP宛に中継制御部14および物理ポート部17経由で一定時間毎に送信する。
【0030】
これにより、受信している受信装置が存在しないことからマルチキャストデータの送信を停止しているマルチキャスト送信装置2の情報についても、一定時間毎にRPに到達するようになる。そのため、受信装置がマルチキャストデータの受信を要求した際に、RPが、その受信要求を把握した場合にマルチキャスト送信装置2に関する情報(マルチキャスト送信装置2からのデータ受信に必要な情報;マルチキャスト送信装置2の識別情報等)を当該受信装置に提供することができる。したがって、当該受信装置は要求するマルチキャストデータの受信を開始することが可能となる。なお、本実施の形態では、送信装置情報維持フレーム送信制御部15が、マルチキャスト送信装置2の送信停止中にMRPフレームを一定時間毎に送信するとしているが、これに限らず、どのようなタイミングで送信してもよい。
【0031】
つぎに、本実施の形態のマルチキャストデータの受信手順について説明する。図2は、本実施の形態の通信システムの構成例を示す図である。図2に示すように本実施の形態の通信システムは、図1で説明したマルチキャスト送信装置2およびマルチキャストルータ(FHR)1と、RPであるマルチキャストルータ3と、マルチキャストルータ4と、受信装置5と、で構成される。
【0032】
マルチキャスト送信装置2は電源投入時には送信可能状態で起動し、マルチキャストルータ(FHR)1に対するマルチキャストデータの継続送信を開始する。マルチキャスト送信装置2からマルチキャストデータを受信したマルチキャストルータ(FHR)1では、中継制御部14が、RPであるマルチキャストルータ3へ、マルチキャスト送信装置2に関する情報を含むMRPフレーム32を定期的に送信する。マルチキャストルータ3はマルチキャスト送信装置2に関する情報を保持する。
【0033】
マルチキャスト送信装置2が起動した時点では、マルチキャスト送信装置2が送信するマルチキャストデータの受信を要求する受信装置は存在していない。そのため、マルチキャストルータ(FHR)1はマルチキャストルータ3に対して、マルチキャスト送信装置2の情報を含むMRPフレームを送信した後、上述の受信装置が存在しない(受信装置の数が0)場合の送信停止要求をマルチキャスト送信装置2に対して送信する。そして、マルチキャスト送信装置2は、送信停止要求を受信して送信停止状態となる。
【0034】
マルチキャスト送信装置2が送信停止状態となった後に、受信装置5がマルチキャスト送信装置2からのマルチキャストデータの送信要求を行うまでの間、マルチキャストルータ(FHR)1では、上述のように送信装置情報維持フレーム送信制御部15がマルチキャストルータ3宛にマルチキャスト送信装置2の情報を含むMRPフレーム32を一定時間ごとに送信する。
【0035】
受信装置5は、マルチキャスト送信装置2が送信するマルチキャストデータの受信が必要となった時点で、自身に隣接するマルチキャストルータ4に対してMGPフレーム33を用いて送信要求を行う。マルチキャストルータ4は、受信装置5から送信されたMGPフレーム33による送信要求を受信すると、マルチキャストルータ3に対してMRPフレーム34を用いて当該送信要求(受信装置5からのマルチキャスト送信装置2のマルチキャストデータに対する送信要求)を行う。なお、この時、マルチキャストルータ4とマルチキャストルータ3の間に他のマルチキャストルータが接続されていても問題無く、その場合にはマルチキャストルータ4から送信された送信要求は経路上のマルチキャストルータにより中継されてマルチキャストルータ3まで伝達される。
【0036】
マルチキャストルータ3は、MRPフレーム34による当該送信要求を受信すると、マルチキャスト送信装置2が直接接続されているマルチキャストルータ(FHR)1に対しMRPフレーム35を用いて当該送信要求を送信する。このMRPフレーム35には、受信装置5への経路が格納されているとする。そして、マルチキャストルータ(FHR)1は、マルチキャスト送信装置2のマルチキャストデータの受信を要求する受信装置の数が1以上となることから、上述の手順によりマルチキャスト送信装置2へ送信開始要求を送信する。マルチキャスト送信装置2は、送信開始要求を受信して送信状態となる。
【0037】
マルチキャストルータ(FHR)1では、中継制御部14がマルチキャストルータ3からのMRPフレーム35により指定された経路に基づいて中継先ポートを決定し、マルチキャスト送信装置2から送信されたマルチキャストデータ36を中継先ポート経由で受信装置5に向けて伝送する。
【0038】
ただし、マルチキャストルータ(FHR)1が図2で示した構成要素以外の別のマルチキャストルータや受信装置等と接続し、マルチキャストルータ(FHR)1の中継制御部14が、受信装置2以外の、マルチキャスト送信装置2からのマルチキャストデータを受信している受信装置が存在していることを事前に認識している場合、上述の送信開始要求の送信を行わず、受信中のマルチキャストデータをMRPフレーム35に指定された経路に基づいて受信装置5に伝送する処理を行う。
【0039】
マルチキャスト送信装置2から送信されているマルチキャストデータを受信している受信装置5が、受信を中止する場合の手順については、各フレーム(MGPフレームまたはMRPフレーム)の内容が送信要求から送信停止要求へ代わる点を除き、送信要求時の手順と同様である。マルチキャストルータ(FHR)1は、送信中止要求を受けたマルチキャスト送信装置2に対し送信停止要求を行う。そして、マルチキャスト送信装置2は送信停止要求に基づいて送信停止状態となる。
【0040】
ただし、マルチキャストルータ(FHR)1が図2で示した構成要素以外の別のマルチキャストルータや受信装置等と接続し、マルチキャストルータ(FHR)1の中継制御部14が、受信装置2以外の、マルチキャスト送信装置2からのマルチキャストデータを受信している受信装置が存在していることを事前に認識している場合、当該マルチキャストデータを受信している全てのポート(物理ポート部17のポート)から送信中止要求を受けた場合にマルチキャスト送信装置2への送信停止要求を行うこととし、当該マルチキャストデータの受信を継続するポートが1つでも存在する場合には、マルチキャスト送信装置2への送信停止要求は行わない。
【0041】
図3は、本実施の形態の通信システムの別の構成例を示す図である。図3の例では、本実施の形態の通信システムは、図1で説明したマルチキャスト送信装置2およびマルチキャストルータ(FHR)1と、RPであるマルチキャストルータ3と、マルチキャストルータ4−1,4−2と、受信装置5−1〜5−3と、で構成される。マルチキャストルータ4−1は、マルチキャストルータ3に接続するとともに、受信装置5−1,5−2と接続する。また、マルチキャストルータ4−2は、マルチキャストルータ3に接続するとともに、受信装置5−3と接続する。
【0042】
図3の構成例では、マルチキャストルータ(FHR)1の1つのポートに対し、複数の受信装置5−1〜5−3が接続されている場合、各受信装置5−1〜5−3、及び各受信装置5−1〜5−3に接続する各マルチキャストルータ4−1,4−2が送信する送信要求や送信停止要求等のMRPフレームおよびMGPフレームはマルチキャストルータ(FHR)1までの経路上で集約され、結果としてマルチキャストルータ(FHR)1に到達するMRPフレームは1フレームのみとなる。
【0043】
具体的には、受信装置5−1,5−2,5−3が送信要求または送信停止要求をそれぞれMRPフレーム37−1,37−2,37−3により、自身に最も近いマルチキャストルータ(マルチキャストルータ4−1またはマルチキャストルータ4−2)に送信したとする。マルチキャストルータ4−1は、MRPフレーム37−1,37−2の内容を集約して、MRPフレーム38−1としてマルチキャストルータ3へ送信する。この集約の際、マルチキャストルータ4−1は、受信装置5−1,5−2のいずれか1つ以上がマルチキャスト送信装置2からのマルチキャストデータの送信要求中(送信要求を受信し送信停止要求を受信していない状態)であれば、MRPフレーム38−1の内容は送信要求とする。受信装置5−1,5−2の両方から送信停止要求を受信した場合に、MRPフレーム38−1の内容は送信停止要求とする。
【0044】
また、マルチキャストルータ4−2は、MRPフレーム37−3の内容を格納したMRPフレーム38−2をマルチキャストルータ3へ送信する。マルチキャストルータ3は、MRPフレーム38−1とMRPフレーム38−2の内容を集約してMRPフレーム39としてマルチキャストルータ(FHR)1へ送信する。この集約の際、マルチキャストルータ4−1,4−2のいずれか1つ以上が、マルチキャスト送信装置2からのマルチキャストデータの送信要求中(送信要求を受信し送信停止要求を受信していない状態)であれば、MRPフレーム39の内は送信要求とする。マルチキャストルータ4−1,4−2の両方から送信停止要求を受信した場合に、MRPフレーム39の内容は送信停止要求とする。
【0045】
以上のように、受信装置5−1〜5−3からマルチキャストルータ(FHR)1までの間の各マルチキャストルータ(中間装置)が、自身が受信したMGPフレームまたはMRPフレームを集約する際に、マルチキャスト送信装置2から送信されるマルチキャストデータを受信していた全ての受信装置およびマルチキャストルータから送信停止要求がない限り、送信停止要求を送信することは無い。したがって、マルチキャストルータ(FHR)1は、物理ポート部17のポートから送信停止要求を受信した場合、当該ポートには送信を要求する受信装置が1つも存在しないことを認識することができる。このため、マルチキャストルータ(FHR)1は各ポートに接続された受信装置の数などの情報を管理することなく、当該ポートからの送信開始要求/送信停止要求に従ってマルチキャスト送信装置2への送信開始/送信停止要求を行うことができる。
【0046】
なお、MRP及びMGPは一定時間ごとに接続する機器の生存確認を行う機能を備えている。各マルチキャストルータは、この生存確認機能により、自身に接続する受信装置またはマルチキャストルータが消失したと判定した場合には、当該機器に接続するポートから送信停止要求を受信した場合と同様の処理を実施するようにしてもよい。
【0047】
なお、本実施の形態では、受信装置5−1〜5−3および各マルチキャストルータは、MRPまたはMGPにより送信要求および送信停止要求を送信するようにしたが、これに限らず他の形式のフレームにより送信要求および送信停止要求を送信するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施の形態では、受信装置5−1〜5−3からマルチキャストルータ(FHR)1までの間の各マルチキャストルータが、受信した送信要求および送信停止要求を集約してマルチキャスト送信装置2の方向へ送信するようにしたが、受信した送信要求および送信停止要求を個別にマルチキャスト送信装置2の方向へ送信するようにしてもよい。この場合は、マルチキャストルータ(FHR)1は、図2の構成例の場合と同様に、マルチキャスト送信装置2が送信するマルチキャストデータの受信を要求する受信装置の有無により、マルチキャスト送信装置2へ送信要求または送信停止要求を送信する。
【0049】
このように、本実施の形態では、マルチキャスト送信装置2のFHRであるマルチキャストルータ(FHR)1が、マルチキャスト送信装置2が送信するマルチキャストデータの受信を要求する受信装置が無い場合には、マルチキャスト送信装置2へ送信停止要求を送信するとともに、マルチキャスト送信装置2についての情報を含むMRPフレームを一定時間ごとにRPであるマルチキャストルータ3へ送信するようにした。そのため、マルチキャスト送信装置2が送信停止中でも、マルチキャストルータ3がマルチキャスト送信装置2の情報を把握でき、受信装置からマルチキャスト送信装置2が送信するマルチキャストデータの送信要求があった場合に、当該受信装置へマルチキャスト送信装置2の情報を通知することができる。したがって、マルチキャスト送信装置2が送信停止中の場合にも、当該受信装置はマルチキャスト送信装置2からマルチキャストデータを受信することができる。
【0050】
また、受信装置5−1〜5−3とマルチキャストルータ(FHR)1との間にマルチキャストルータが存在する場合、これらのマルチキャストルータは、自身が接続する受信装置またはマルチキャストルータの全てが送信停止要求中である場合に送信停止要求を、自身が接続する受信装置またはマルチキャストルータのうち1つでも送信要求中である場合には送信要求を、マルチキャスト送信装置2の方向へ送信するようにした。そのため、マルチキャストルータ(FHR)1は、集約されたフレームを参照することにより複雑な管理を必要とせずに、マルチキャスト送信装置2へ送信要求または送信停止要求を送信することができる。
【0051】
実施の形態2.
図4は、本発明にかかるマルチキャストルータ(FHR)1aおよびマルチキャスト送信装置2の実施の形態2の機能構成例を示す図である。本実施の形態では、本発明にかかる中継装置としてマルチキャストルータ(FHR)1aを例に挙げて説明する。マルチキャスト送信装置2の構成は、実施の形態1のマルチキャスト送信装置2と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
本実施の形態のマルチキャストルータ(FHR)1aは、図4に示すように、実施の形態1のマルチキャストルータ(FHR)1の送信装置維持フレーム送信制御部15の代わりに定期送信制御部18を備える以外は、実施の形態1のマルチキャストルータ(FHR)1と同様である。
【0053】
また、本実施の形態における送信装置制御部13は、実施の形態1と同様に、中継制御部14の動作を常時監視し、マルチキャスト送信装置2から送信されるマルチキャストデータを受信する受信装置の数が0(無し)から1以上(有り)に変化したことを検知すると、送信制御部11および物理ポート16を介してマルチキャスト送信装置2に送信開始要求を送信する。この際、送信装置情報維持フレーム送信制御部15ではなく定期送信制御部18に対して、マルチキャスト送信装置2が送信状態になった旨を通知する。
【0054】
また、実施の形態1と同様に、送信装置制御部13は、マルチキャスト送信装置2が送信するマルチキャストデータの受信を要求する受信装置の数が1以上(有り)から0(無し)に変化したことを検知すると、送信制御部11および物理ポート16を介してマルチキャスト送信装置2に送信停止要求32を送信する。この際、送信装置情報維持フレーム送信制御部15ではなく定期送信制御部18に対してマルチキャスト送信装置2が送信停止状態になった旨を通知する。
【0055】
定期送信制御部18は、通知に基づいて送信状態であるかまたは送信停止状態であるかの情報を把握し、当該情報を保持し、送信停止状態である場合は一定時間毎に送信制御部11および物理ポート16を介してマルチキャスト送信装置2に送信開始要求を送信する。マルチキャスト送信装置2では、送信開始要求を受信すると、マルチキャストルータ(FHR)1aへのマルチキャストデータの送信を開始する。マルチキャストルータ(FHR)1aでは、マルチキャストデータを受信すると、実施の形態1と同様に、中継制御部14が、RPであるマルチキャストルータ3へ、マルチキャスト送信装置2に関する情報を含むMRPフレーム32を送信する。
【0056】
そして、一定時間毎の送信開始要求の送信開始後、定期送信制御部18は、受信制御部12を監視し、マルチキャスト送信装置2から送信されたマルチキャストデータを1つ以上受信した事を確認すると、送信制御部11および物理ポート17経由でマルチキャスト送信装置2に送信停止要求を送信する。なお、中継制御部14は、マルチキャストデータを1つ以上受信した場合にRPであるマルチキャストルータ3へ、マルチキャスト送信装置2に関する情報を含むMRPフレーム32を送信することとする。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1と同様である。
【0057】
したがって、本実施の形態では、定期送信制御部18が、中継制御部14を用いて、受信装置がマルチキャスト送信装置2にマルチキャストデータの送信を要求するために必要なマルチキャスト送信装置2の装置情報を送信しているため、定期送信制御部18が送信情報送信部としての機能を有することになる。
【0058】
このように、本実施の形態では、定期送信制御部18は、マルチキャスト送信装置2が送信停止状態になった場合に、一定時間毎にマルチキャスト送信装置2に対して送信開始要求を送信し、また1つでもマルチキャストデータを1つ以上受信した事を確認するとマルチキャスト送信装置2に対して送信停止要求を送信するようにした。そして、中継制御部14が有する通常のマルチキャストデータ送信時の定期的なMRPフレーム送信機能を用いて、マルチキャストデータの送信停止時のMRPフレームをRPへ送信するようにした。そのため、独自のMRPフレームの生成機能を有することなく、実施の形態1と同様の効果が得ることができる。
【0059】
実施の形態3.
図5は、本発明にかかるマルチキャストルータ(FHR)1bおよびマルチキャスト送信装置2aの実施の形態3の機能構成例を示す図である。本実施の形態のマルチキャストルータ(FHR)1bは、実施の形態1のマルチキャストルータ(FHR)1に接点端子19を追加する以外は、実施の形態1のマルチキャストルータ(FHR)1と同様である。また、本実施の形態のマルチキャスト送信装置2aは、実施の形態1のマルチキャスト送信装置2の受信制御部22および送信状態制御部23を削除し、電源装置26および接点端子27を追加する以外は、実施の形態1のマルチキャスト送信装置2と同様である。また、本実施の形態のマルチキャストルータ(FHR)1bの接点端子19と、マルチキャスト送信装置2aの接点端子19と、は接点ケーブル41により接続されている。
【0060】
本実施の形態では、接点ケーブル41によって接点接続を行うことにより、マルチキャストルータ(FHR)1bの送信装置制御部13は、送信開始要求/送信停止要求を物理ポート16経由で送信する代わりに、接点端子19および接点ケーブル41経由でマルチキャスト送信装置2aの電源装置26を直接制御することにより、マルチキャスト送信装置2aからのマルチキャストデータの送信と送信停止を制御する。なお、ここでは電源装置26は例えばデータ生成部24の電源を制御する電源装置とし、マルチキャストデータの送受信機能の有効化/無効化を制御可能な電源装置であるとする。
【0061】
具体的には、送信装置制御部13は、実施の形態1と同様に、中継制御部14を監視して、マルチキャスト送信装置2aのマルチキャストデータの受信を要求する受信装置の有無により、マルチキャスト送信装置2aに送信要求を行うか送信停止要求を行うかを決定する。送信装置制御部13は、送信要求を行うと決定した場合はマルチキャストデータの送受信機能の有効化を指示する信号を接点端子19および接点ケーブル41経由で送信し、送信停止要求を行うと決定した場合はマルチキャストデータの送受信機能の無効化を指示する信号を接点端子19および接点ケーブル41経由で送信する。
【0062】
マルチキャスト送信装置2aでは、電源装置26が、接点端子27経由で接点ケーブル41から入力された信号に基づいて、マルチキャストデータの送受信機能の有効化または無効化を実施する。
【0063】
なお、電源装置26をマルチキャスト送信装置2a自身の電源装置とし、送信装置制御部13は、マルチキャストデータの送受信機能の有効化または無効化を指示する信号の代わりに、電源装置26のON/OFF(すなわちマルチキャスト送信装置2aのON/OFF)を指示する信号を送信してもよい。具体的には、送信要求を行うと決定した場合は電源装置26をONする(起動する)信号を接点端子19および接点ケーブル41経由で送信し、送信停止要求を行うと決定した場合は電源装置26をOFFする(停止させる)信号を接点端子19および接点ケーブル41経由で送信するようにしてもよい。マルチキャスト送信装置2aでは、ONの状態では、マルチキャストルータ(FHR)1bへマルチキャストデータを送信する。以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1と同様である。
【0064】
マルチキャスト送信装置2aのうち、監視カメラなどの機器は多くの場合接点信号により、ON/OFFを制御する機能を備えているため、これらの機器のON/OFFを制御可能な接点にマルチキャストルータ(FHR)1bの送信装置制御部13からの信号を入力することにより、マルチキャストルータ(FHR)1bからの直接制御によるマルチキャストデータの送受信機能の有効化または無効化を実現することができる。
【0065】
このように、本実施の形態では、マルチキャスト送信装置2aのマルチキャストデータの送受信機能の有効化および無効化を制御可能な接点と、マルチキャストルータ(FHR)1bと、を接点ケーブル41により接点接続し、マルチキャストルータ(FHR)1bの送信装置制御部13は、マルチキャスト送信装置2aからのマルチキャストデータの送信の有無を直接制御するようにした。そのため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、マルチキャスト送信装置2a内に送信開始/送信停止要求を解読・処理する機能を実現するための実装が不要となり、実施の形態1のマルチキャスト送信装置2に比べマルチキャスト送信装置2aの構成を簡略化することができる。
【0066】
実施の形態4.
図6は、本発明にかかるマルチキャストルータ(FHR)1cおよびマルチキャスト送信装置2bの実施の形態4の機能構成例を示す図である。本実施の形態のマルチキャストルータ(FHR)1cは、実施の形態1のマルチキャストルータ(FHR)1の送信制御部11の代わりにPoE(Power over Ethernet(登録商標))給電制御部20を備える以外は実施の形態1のマルチキャストルータ(FHR)1と同様である。本実施の形態では、マルチキャストルータ(FHR)1cとマルチキャスト送信装置2bは、PoEによる通信を行うこととし、物理ポート16と物理ポート25とは実施の形態1から実施の形態3と同等の通信用ケーブルで接続されているものとする。PoEにおいては通信線としてEthernet(登録商標)ケーブルを使用することが規定されているが、本発明においてはマルチキャストデータの送受信と電力供給を同時に行うことが可能な他規格のケーブルを用いても良い。
【0067】
また、本実施の形態のマルチキャスト送信装置2bは、実施の形態3のマルチキャスト送信装置2aと同様の構成であるが、給電方法が実施の形態3のマルチキャスト送信装置2aと異なる。具体的には、送信制御部21については、マルチキャストルータ(FHR)1cから通信用ケーブルを経由した電力供給42により電力が供給される。具体的には、通信用ケーブルを経由した電力供給42が物理ポート25から電力供給43として送信制御部21に入力されることにより、送信制御部21に電力が供給される。また、データ生成部24には、電源装置26から電力供給44がなされる。
【0068】
したがって、本実施の形態のマルチキャストルータ(FHR)1cでは、PoE給電制御部20が、通信用ケーブル経由でマルチキャスト送信装置2bに対して電力供給42を行うか否かにより、マルチキャスト送信装置2bの送信制御部21の起動および停止を制御することができる。
【0069】
送信装置制御部13は、実施の形態1と同様に、中継制御部14を監視して、マルチキャスト送信装置2bのマルチキャストデータの受信を要求する受信装置の有無により、マルチキャスト送信装置2bに送信要求を行うか送信停止要求を行うかを決定する。そして、決定結果をPoE給電制御部20へ通知する。PoE給電制御部20は、通知された決定結果が送信要求を行う結果であった場合には、物理ポート16経由でマルチキャスト送信装置2bに対して電力供給42を行い、通知された決定結果が送信停止要求を行う結果であった場合には、物理ポート16経由でのマルチキャスト送信装置2bに対する電力供給42を停止する。
【0070】
実施の形態1では、マルチキャストルータ(FHR)1からの送信要求および送信停止要求が制御フレームにより伝送されるため、マルチキャスト送信装置2側で制御フレームを認識するための受信制御部22と送信状態制御部23が必要であったのに対し、本実施の形態においてはPoEにより給電42のON/OFFがそのまま制御信号と同等の役割を果たすため、送信装置が受信制御部22および送信状態制御部23のような制御機能を具備する必要が無い。従って、本実施の形態における送信装置は、電力供給されている場合にはマルチキャストデータの送信を続け、電力供給が停止した場合にはマルチキャストデータ2を送信停止する動作を、単純な装置構成により実現することができる。
【0071】
なお、本実施の形態と同様の構成で、送信制御部21以外のマルチキャスト送信装置2bの構成要素についてもマルチキャストルータ(FHR)1bからの給電42により駆動することとしてもよい。その場合、マルチキャストデータの送信停止時に、送受信機能に必要な電力だけでなく送受信機能を含むマルチキャスト送信装置2b全体の電力をOFFとし、送信再開時には電力供給を再開することが可能となり、マルチキャスト送信装置2bの消費電力を低減させることができる。
【0072】
図7は、本実施の形態の別の構成例を示す図である。図7では、図6に示したマルチキャスト送信装置2bの代わりにマルチキャスト送信装置2cを用いている。マルチキャスト送信装置2cでは、電源装置26がデータ生成部24および送信制御部21への電力供給45を実施し、電源装置26のON/OFFをマルチキャストルータ(FHR)1bからの給電42の給電の有無に連動させる。これにより、マルチキャストデータの送信停止時に、送受信機能に必要な電力だけでなく送受信機能を含むマルチキャスト送信装置2b全体の電力をOFFとし、送信再開時には電力供給を再開することが可能となり、マルチキャスト送信装置2bの消費電力を低減させることができる。
【0073】
また、マルチキャスト送信装置2bが必要とする全電力がPoEにより供給可能な電力よりも小さい場合、図7における電源装置26を廃し、マルチキャスト送信装置2bに具備された全ての機能をPoEから供給される電力により動作させても良い。
【0074】
このように、本実施の形態では、マルチキャストルータ(FHR)1cのPoE給電制御部20が送信装置制御部13からの通知に基づいて、マルチキャスト送信装置2bへの給電42を制御する。そして、マルチキャスト送信装置2bでは、マルチキャストルータ(FHR)1cからの給電42により送信制御部21を駆動するようにした。そのため、接点間を接続することなく、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明にかかる通信システム、中継装置およびマルチキャスト中継方法は、マルチキャストデータを伝送する通信システムに有用であり、特に、送信装置が送信するマルチキャスト情報を少数の受信装置が参照するようなシステムに適している。
【符号の説明】
【0076】
1,1a,1b,1c マルチキャストルータ(FHR)
2,2a,2b,2c マルチキャスト送信装置
3,4,4−1,4−2 マルチキャストルータ
5,5−1,5−2 受信装置
11,21 送信制御部
12,22 受信制御部
13 送信装置制御部
14 中継制御部
15 送信装置維持フレーム送信制御部
16,25 物理ポート
17 物理ポート部
18 定期送信制御部
19,27 接点端子
20 PoE給電制御部
23 送信状態制御部
24 データ生成部
26 電源装置
31 マルチキャストデータ
32,34,35,38−1,38−2,39 MRPフレーム
33,37−1〜37−3 MGPフレーム
41 接点ケーブル
42,43,44,45 給電

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムであって、
前記中継装置は、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信し、一方、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信する送信装置制御部と、
前記送信装置制御部が前記送信停止要求を送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備え、
前記送信装置は、
前記マルチキャストデータを前記中継装置へ送信する送信制御部と、
前記送信停止要求を受信した場合に前記送信制御部を停止させ、前記送信開始要求を受信した場合に前記送信制御部を起動させる送信状態制御部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムであって、
前記中継装置は、
前記送信装置の前記マルチキャストデータの送信機能の停止と起動を制御する接点と接点ケーブルにより接続することとし、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記マルチキャストデータの送信機能を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記マルチキャストデータの送信機能を起動させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信する送信装置制御部と、
前記送信装置制御部が前記マルチキャストデータの送信機能を停止させる信号を前記接点へ送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムであって、
前記中継装置は、
前記送信装置への電力供給を制御する接点と接点ケーブルにより接続することとし、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記送信装置への電力供給を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置への電力供給を開始させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信する送信装置制御部と、
前記送信装置制御部が前記送信装置への電力供給を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項4】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムであって、
前記送信装置は、
前記マルチキャストデータを前記中継装置へ送信する送信制御部、
を備え、
前記送信制御部は、前記中継装置からPoEにより供給される供給電力により駆動されることとし、
前記中継装置は、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記供給電力の供給を停止し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記供給電力の供給を開始するPoE給電制御部と、
前記PoE給電制御部が前記供給電力の供給を停止した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項5】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムであって、
前記中継装置は、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記供給電力の供給を停止し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記供給電力の供給を開始するPoE給電制御部と、
前記PoE給電制御部が前記供給電力の供給を停止した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備え、
前記送信装置は、前記供給電力の供給が無い場合に自装置を停止させ、前記供給電力の供給が開始された場合に自装置を起動する、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項6】
前記送信情報送信部は、前記送信情報を定期的に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項7】
前記送信情報送信部は、前記送信情報として、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信を停止する前に前記送信装置から受信したマルチキャストデータに含まれる送信情報を、前記配信管理装置に向けて送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記中継装置は、
前記マルチキャストデータの中継を制御し、前記マルチキャストデータを前記送信装置から受信している場合に前記送信装置の送信情報を定期的に送信する中継制御部、
をさらに備え、
前記送信情報送信部は、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に定期的に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記マルチキャストデータを受信すると前記中継制御部が前記送信情報を送信した後に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項9】
前記中継装置と前記受信装置との間に配置され、前記マルチキャストデータを中継する中間装置と、
をさらに備え、
前記中間装置は、自装置に接続する前記受信装置または前記中間装置から前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信した場合、前記中継装置へ向けて自装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を送信し、また自装置に接続する全ての前記受信装置および前記中間装置から前記マルチキャストデータの送信の停止を要求する受信停止要求を受信した場合、自装置への前記マルチキャストデータの送信の停止を要求する受信停止要求を送信し、
前記中継装置は、前記マルチキャストデータの送信を要求する前記受信装置および前記中間装置が無い場合に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置または前記中間装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信する、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項10】
前記中継装置は、MRPに基づく中継を行うこととし、前記送信情報をMRPフレームにより送信する、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の通信システム。
【請求項11】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおける前記中継装置であって、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信する送信装置制御部と、
前記送信装置制御部が前記送信停止要求を送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項12】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおける前記中継装置であって、
前記送信装置の前記マルチキャストデータの送信機能の停止と起動を制御する接点と接点ケーブルにより接続することとし、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記マルチキャストデータの送信機能を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記マルチキャストデータの送信機能を起動させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信する送信装置制御部と、
前記送信装置制御部が前記マルチキャストデータの送信機能を停止させる信号を前記接点へ送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項13】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおける前記中継装置であって、
前記送信装置への電力供給を制御する接点と接点ケーブルにより接続することとし、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記送信装置への電力供給を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置への電力供給を開始させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信する送信装置制御部と、
前記送信装置制御部が前記送信装置への電力供給を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項14】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおける前記中継装置であって、
前記送信装置は、前記マルチキャストデータを前記中継装置へ送信する送信制御部を備えることとし、前記中継装置からPoEにより供給される供給電力により駆動されることとし、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記供給電力の供給を停止し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記供給電力の供給を開始するPoE給電制御部と、
前記PoE給電制御部が前記供給電力の供給を停止した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項15】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおける前記中継装置であって、
前記中継装置は、
前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記供給電力の供給を停止し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記供給電力の供給を開始するPoE給電制御部と、
前記PoE給電制御部が前記供給電力の供給を停止した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信部と、
を備え、
前記送信装置は、前記供給電力の供給が無い場合に自装置を停止させ、前記供給電力の供給が開始された場合に自装置を起動する、
ことを特徴とする中継装置。
【請求項16】
前記送信情報送信部は、前記送信情報を定期的に送信する、
ことを特徴とする請求項11〜15のいずれか1つに記載の中継装置。
【請求項17】
前記送信情報送信部は、前記送信情報として、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信を停止する前に前記送信装置から受信したマルチキャストデータに含まれる送信情報を、前記配信管理装置に向けて送信する、
ことを特徴とする請求項16に記載の中継装置。
【請求項18】
前記マルチキャストデータの中継を制御し、前記送信装置の送信情報を含む前記マルチキャストデータを前記送信装置から受信し、当該マルチキャストデータを前記配信管理装置に向けて転送する中継制御部、
をさらに備え、
前記送信情報送信部は、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に定期的に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記マルチキャストデータを受信すると、前記中継制御部が当該マルチキャストデータを転送した後に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信する、
ことを特徴とする請求項16に記載の中継装置。
【請求項19】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおけるマルチキャスト中継方法であって、
前記中継装置が、前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信する送信装置制御ステップと、
前記中継装置が、前記送信装置制御部が前記送信停止要求を送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信ステップと、
前記送信装置が、前記マルチキャストデータを前記中継装置へ送信する送信制御ステップと、
前記送信装置が、前記送信停止要求を受信した場合に前記送信制御部を停止させ、前記送信開始要求を受信した場合に前記送信制御部を起動させる送信状態制御ステップと、
を含むことを特徴とするマルチキャスト中継方法。
【請求項20】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおけるマルチキャスト中継方法であって、
前記中継装置は、前記送信装置の前記マルチキャストデータの送信機能の停止と起動を制御する接点と接点ケーブルにより接続することとし、
前記中継装置が、前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記マルチキャストデータの送信機能を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記マルチキャストデータの送信機能を起動させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信する送信装置制御ステップと、
前記中継装置が、前記送信装置制御部が前記マルチキャストデータの送信機能を停止させる信号を前記接点へ送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信ステップと、
を含むことを特徴とするマルチキャスト中継方法。
【請求項21】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおけるマルチキャスト中継方法であって、
前記中継装置は、前記送信装置への電力供給を制御する接点と接点ケーブルにより接続することとし、
前記中継装置が、前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記送信装置への電力供給を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記送信装置への電力供給を開始させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信する送信装置制御ステップと、
前記中継装置が、前記送信装置制御ステップで前記送信装置への電力供給を停止させる信号を前記接点へ前記接点ケーブル経由で送信した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信ステップと、
を含むことを特徴とするマルチキャスト中継方法。
【請求項22】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおけるマルチキャスト中継方法であって、
前記送信装置は、前記マルチキャストデータを前記中継装置へ送信する送信制御部、を備え、
前記送信制御部は、前記中継装置からPoEにより供給される供給電力により駆動されることとし、
前記中継装置が、前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記供給電力の供給を停止し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記供給電力の供給を開始するPoE給電制御ステップと、
前記中継装置が、前記PoE給電制御ステップで前記供給電力の供給を停止した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信ステップと、
を含むことを特徴とするマルチキャスト中継方法。
【請求項23】
マルチキャストデータを送信する送信装置と、前記マルチキャストデータを受信する受信装置と、前記受信装置から前記送信装置へ前記マルチキャストデータの送信を要求するために用いる情報である送信情報を管理する配信管理装置と、前記送信装置と直接接続し、前記マルチキャストデータを中継する中継装置と、を備える通信システムにおけるマルチキャスト中継方法であって、
前記中継装置が、前記マルチキャストデータの受信を要求する前記受信装置が無い場合に前記供給電力の供給を停止し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記受信装置から当該受信装置への前記マルチキャストデータの送信を要求する送信要求を受信すると前記供給電力の供給を開始するPoE給電制御ステップと、
前記中継装置が、前記PoE給電制御ステップで前記供給電力の供給を停止した場合に、前記送信装置の送信情報を前記配信管理装置へ向けて送信する送信情報送信ステップと、
前記送信装置が、前記供給電力の供給が無い場合に自装置を停止させ、前記供給電力の供給が開始された場合に自装置を起動する制御ステップと、
を含むことを特徴とするマルチキャスト中継方法。
【請求項24】
前記送信情報送信ステップでは、前記送信情報を定期的に送信する、
ことを特徴とする請求項19〜23のいずれか1つに記載のマルチキャスト中継方法。
【請求項25】
前記送信情報送信ステップでは、前記送信情報として、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信を停止する前に前記送信装置から受信したマルチキャストデータに含まれる送信情報を、前記配信管理装置に向けて送信する、
ことを特徴とする請求項24に記載のマルチキャスト中継方法。
【請求項26】
前記マルチキャストデータの中継を制御し、前記マルチキャストデータを前記送信装置から受信している場合に前記送信装置の送信情報を定期的に送信する中継制御ステップ、
をさらに含み、
前記送信情報送信ステップでは、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に定期的に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信を要求する送信開始要求を送信し、前記送信装置が前記マルチキャストデータの送信停止中である場合に前記マルチキャストデータを受信すると前記中継制御部が前記送信情報を送信した後に前記送信装置に対して前記マルチキャストデータの送信停止を要求する送信停止要求を送信する、
ことを特徴とする請求項24に記載のマルチキャスト中継方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−250018(P2011−250018A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119528(P2010−119528)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】