説明

通信システム、通信方法、および端末装置

【課題】端末機器にデバイスを接続して、接続先のサーバを利用可能とする。
【解決手段】端末装置101は、1つ以上のデバイス102に対して、デバイス情報と、接続するサーバ103のアドレスとが格納された接続先情報を記録する手段と、デバイスが接続され場合にデバイス情報を取得するデバイス通信手段と、取得したデバイス情報と接続先情報に格納されたデバイス情報とが一致する場合は接続先情報からデバイスデータを送信するサーバのアドレスを取得する外部機器制御手段と、外部機器制御手段が取得したサーバのアドレスに基づいて、サーバ103にデバイス情報を送信するサーバ通信手段とを備え、サーバ103は、ネットワークを介してサーバ通信手段からデバイス情報を受信した場合に、ネットワークおよび端末装置101を介して、デバイス102とデバイスデータの送信と、デバイスデータの受信とを行う通信手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
端末装置に接続したデバイスをサーバに接続する通信システム、通信方法、デバイスを接続可能な端末装置及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンド普及に伴い、様々な端末機器がネットワークに接続されている。また、端末機器には多くのデバイスが利用可能となっている。特許文献1では、デバイスをネットワークに繋がれた他の端末機器に接続し利用する方法が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−219711
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、端末機器にデバイスを接続してネットワークで接続されたサーバで利用しようとしても、利用する端末機器や接続先のサーバでデバイスを接続や利用するための設定や操作をしないと利用可能とならなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ネットワークに接続している端末装置と、前記端末装置に接続されているデバイスと、ネットワークに接続しているサーバ、から構成され、前記端末装置に記録されている各デバイスごとの接続先サーバ情報を用いて前記サーバに前記デバイスを接続し利用する。
本願は上記目的を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、デバイスが接続される端末装置と、サーバとがネットワークを介して接続された構成である通信システムであって、
前記端末装置は、
1つ以上のデバイスに対して、前記デバイスのデバイス情報と、前記デバイスを接続するサーバのアドレスと、が格納された接続先情報を記録する記録手段と、
デバイスが接続され場合に前記デバイスからデバイス情報を取得するデバイス通信手段と、
前記デバイスから取得したデバイス情報と、前記接続先情報に格納されたデバイス情報と、が一致する場合は前記接続先情報から前記デバイスデータを送信するサーバのアドレスを取得する外部機器制御手段と、
前記外部機器制御手段が取得した前記サーバのアドレスに基づいて、前記サーバに前記デバイス情報を送信するサーバ通信手段と、を備え、
前記サーバは、
ネットワークを介して前記サーバ通信手段から前記デバイス情報を受信した場合に、ネットワークおよび前記端末装置を介して、前記デバイスへデバイスデータの送信と、前記デバイスから送信された前記デバイスデータの受信と、を行う通信手段を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、デバイスを接続した端末機器の情報だけで、ネットワークに繋がれた他のサーバに接続し利用する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】システム全体の構成図の例である。
【図2】端末装置の例である。
【図3】サーバの例である。
【図4】接続先情報の例である。
【図5】起動設定情報の例である。
【図6】システムの動作フロー図の例である。
【図7】サーバ接続判定処理の動作フロー図の例である。
【図8】アプリケーション起動判定処理の動作フロー図の例である。
【図9】接続先情報の例である。
【図10】起動設定情報の例である。
【図11】サーバ接続の動作フロー図の例である。
【図12】アプリケーション起動の動作フロー図の例である。
【図13】端末装置の例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、システム全体の構成図の例である。
本システムは、端末装置101、端末装置101に接続されたデバイス102、サーバ103、ネットワーク104、から構成されている。
【0010】
端末装置101、デバイス102は、無線、あるいはUSBなどの有線の信号線を介して接続されており、端末装置101とデバイス102は、相互にデータを送受信する機能を備えた機器である。
【0011】
端末装置101、サーバ103は、無線、あるいは有線を介した通信路によりネットワーク104に接続されており、端末装置101とサーバ103は、ネットワーク104を介して、相互にデータを送受信する機能を備えた機器である。
【0012】
端末装置101は、端末装置101に接続されたデバイス102からデータを受信してそのままあるいは加工して、ネットワーク104を介してサーバ103に送信する機能を備えた機器であり、サーバ103は端末装置101から送信されたデータを受信する機能を備えた機器である。
【0013】
サーバ103は、サーバ103で動作しているアプリケーションが生成するデータをそのままあるいは加工して、ネットワーク104を介して端末装置101に送信する機能を備えた機器であり、端末装置101はサーバ103から送信されたデータを受信し、デバイス102に対してサーバ103から受信したデータをそのままあるいは加工して送信する機能を備えた機器であり、デバイス102は端末装置101から送信されたデータを受信する機能を備えた機器である。
【0014】
図1においては、1台のサーバ機器しかネットワーク104に接続されていないが、複数のサーバ機器がネットワーク104に接続されていてもよい。
【0015】
図2は、図1の端末装置101の例である。端末装置101は、ネットワーク接続部201を介してネットワーク104に、USBコントローラ207を介してデバイス102に接続されており、CPU202、記録部203、メモリ204、画像処理部205、表示部206、から構成される。また、メモリ204に格納された外部機器制御プログラム208、端末機能プログラム209、画像処理プログラム210をCPU202が実行することで、外部機器制御、端末機能、画像処理の各処理を行うことでソフトウェアで実現することができる。ソフトウェアで実現された各機能は外部機器制御部208や端末機能部209、画像処理部210など、各処理を行う処理部として集積回路化するなどしてハードウェアで実現することもできる。
【0016】
以下説明を簡略化するため、外部機器制御プログラム208、端末機能プログラム209、画像処理プログラム210をCPU202が実行することで実現される各処理を、各処理部が各処理の主体として説明する。なお各処理部をハードウェアで実現した場合にはその各処理部が主体となって各処理を行う。
【0017】
ネットワーク接続部201は、ネットワーク104を介してサーバ103と外部機器制御部208とのデータの送受信を仲介する。
【0018】
記録部203は後述する接続先情報211を記録する。
【0019】
表示部206は画像処理部210が作成した画面情報を表示する。図2では端末装置101が表示部206を備える構成となっているが、表示部206は端末装置101の外にある外付けの表示部であってもよい。
【0020】
外部機器制御部208は、デバイス102が接続されたかどうかの判定、記録部203から読み出した接続先情報211に従いデバイス102をサーバ103に接続するかしないかの判定、端末装置101に接続されたデバイス102をネットワーク104を介してサーバ103に接続するための処理、デバイス102とサーバ103がデータを送受信するための処理、送受信するデータの加工の処理を行う。
【0021】
端末機能部209は、端末装置101本体の処理を行う。ここでの処理とは、端末装置101が本実施例におけるデバイス102をサーバ103に接続する機能以外の機能を実行するための処理のことである。端末機能部209はこの処理を全て行ってもよいし、その他の処理部と役割を分担して処理を行ってもよい。
【0022】
画像処理部210は表示部206に表示する画面情報を作成する。
【0023】
図3は、図1のサーバの例である。サーバ103は、ネットワーク接続部301を介してネットワーク104に接続されており、CPU302、記録部303、メモリ304から構成される。また、メモリ304に格納されたアプリケーション実行プログラム311、遠隔機器制御プログラム312、画像処理プログラム210をCPU302が実行することで、アプリケーション実行、遠隔機器制御の処理を行うことでソフトウェアで実現することができる。ソフトウェアで実現された各機能はアプリケーション実行部312や遠隔機器制御部313、画像処理部310など、各処理を行う処理部として集積回路化するなどしてハードウェアで実現することもできる。
【0024】
以下説明を簡略化するため、アプリケーション実行プログラム311、遠隔機器制御プログラム312をCPU302が実行することで実現される各処理部を各処理の主体として説明する。なお各処理部をハードウェアで実現した場合にはその各処理部が主体となって各処理を行う。
【0025】
ネットワーク接続部301は、ネットワーク104を介して端末装置101と遠隔機器制御部313とのデータの送受信を仲介する。
【0026】
記録部303は後述する起動設定情報314を記録する。
【0027】
アプリケーション実行部312は、遠隔機器制御部313を通じてデバイス102と必要なデータを送受信することにより、アプリケーションを実行する。
【0028】
遠隔機器制御部313は、記録部304から読み出した起動設定情報313に従い、端末装置101に接続されたデバイス102と対応したアプリケーションがあるかを判別し、対応したアプリケーションがあれば起動する。
【0029】
図4は、実施例1における図2の記録部203で記録している接続先情報211の例である。接続先情報211は優先順位401と、USBの規格等で定められている端末装置101に接続されたデバイス102の製造元を示すVendorID402と、USBの規格等で定められている端末装置101に接続されたデバイス102のモデル別等に割り振られるProductID403と、端末装置101に接続されたデバイス102を接続するサーバ103を示す情報である接続先サーバ情報404、から構成される。
【0030】
優先順位401は、接続先情報211においての優先する順位を示したものである。優先順位401は、明示的に記載して示してもよいし、接続先情報211に記載する順番により示してもよい。
【0031】
VendorID402は、デバイス102の製造元を表し、同一の製造元において製造されるデバイス機器は同一のVendorID402となる。
ProductID403は、製造元が割り当てる情報でデバイス機器ごとに異なる。
VendorID402とProductID403を組み合わせることにより、特定のデバイス機器を示すことが出来る。
【0032】
接続先サーバ情報404は、端末装置101に接続されたデバイス102を接続するサーバ103を特定するための情報であり、IPアドレスのようなサーバ103を直接的に特定する情報であったり、DNSのような仕組みを用いて間接的に特定するURLなどの情報であったりしてもよい。
【0033】
同一のVendorID402かつ同一のProductID403の接続先情報211がある場合、外部機器制御部208は優先順位401が高い接続先サーバ情報404を優先的に用い、接続先サーバ情報404に従って接続する。接続先サーバ情報404を用いてサーバに接続できなかった場合、優先順位401が低い接続先情報211の接続先サーバ情報404に従ってサーバ103に接続するように設定することもできる。
【0034】
接続先情報211を読み出して、優先順位401に従って端末装置101に接続されたデバイス102のVendorID402とProductID403に対応した接続先サーバ情報404を特定し、デバイス102を接続するサーバ103に関する情報を取得する。
【0035】
図5は、実施例1における図3の記録部304で記録している起動設定情報の例である。優先順位501と、端末装置101に接続されたデバイス102の製造元を示すVendorID502と、端末装置101に接続されたデバイス102のモデル別等に割り振られるProductID503と、サーバ103において起動アプリケーションを示す起動アプリケーション情報504、から構成される。
【0036】
優先順位501は、起動設定情報314においての優先する順位を示したものである。優先順位501は、明示的に記載して示してもよいし、接続先情報211に記載する順番により示してもよい。
【0037】
VendorID502は、デバイス102の製造元を表し、同一の製造元において製造されるデバイス機器は同一のVendorID502となる。
ProductID503は、製造元が割り当てる情報でデバイス機器ごとに異なる。
VendorID502とProductID503を組み合わせることにより、特定のデバイス機器を示すことが出来る。
【0038】
起動アプリケーション情報504は、端末装置101に接続されたデバイス102をサーバ103に接続したときに起動するアプリケーションを特定するための情報であり、ファイルパスとファイル名の文字列のようなアプリケーションを直接的に特定する情報でもよく、ショートカットコマンドのような仕組みを用いて間接的に特定する情報でもよい。
【0039】
同一のVendorID502かつ同一のProductID503の起動設定情報314がある場合、アプリケーション実行部312は優先順位501が高い起動設定情報314を優先的に用い、起動アプリケーション情報504に従ってアプリケーションを起動する。起動アプリケーション情報504を用いてアプリケーションを起動できなかった場合、優先順位501が低い起動設定情報314の起動アプリケーション情報504を用いて、アプリケーションを起動する。
【0040】
図6は、実施例1におけるシステムの動作フロー図の例であり、図7は、実施例1におけるサーバ接続判定処理の動作フロー図の例であり、図8は、実施例1を実現したアプリケーション起動判定処理の動作フロー図の例である。以下、図6を用いて端末装置101にデバイス102を接続している場合に、デバイス102をサーバ103に接続しデバイス102に対応したアプリケーションを起動させて動作させる処理をフローチャートに従い説明する。
【0041】
端末装置101において端末機能部209が動作している状態で、デバイス102が端末装置101に接続される。この際、端末機能部209が動作していない状態でもよく、デバイス102と端末装置101の間にハブなどを介してもよい。(S101)
外部機器制御部208は、ポーリング処理や接続通知を受けてデバイス102を発見し、端末装置101にデバイス102が接続されたことを確認する。このとき、端末機能部209が動作している場合、端末機能部209の動作を休止したり、停止したりしてもよい。(S102)
外部機器制御部208は、デバイス102に対してVendorID、ProductID、サーバ103でデバイス102を接続し動作させるデバイス情報を要求する。(S103)
デバイス102は、外部機器接続制御部204からのデバイス情報の要求に対して応答する。(S104)
外部機器制御部208は、S104で取得したデバイス102のデバイス情報を基に後述のサーバ接続判定処理を行う。(S105)
外部機器制御部208は、S105においてデバイス102をサーバ103に接続させると判定した場合、S205で取得した接続先サーバ情報404を用いてサーバ103を特定して接続をする。その際、S104で取得したデバイス102のデバイス情報を送信する。また、デバイス102をサーバ103に接続しないと判定した場合や、端末装置101がサーバ103に接続できなかった場合、デバイス102はサーバ103に接続することなく、端末装置101で使用する。(S106)
遠隔機器制御部313は、S106においてネットワーク接続部301経由で受信したデバイス102のデバイス情報を基にサーバ103に接続処理を行う。例えば、デバイスを特定しデバイスに対応したドライバをロードしたり、必要なリソースを確保したりする。この処理により、サーバ103は、デバイス102をサーバ103に直接接続されているように認識することが出来る。また、サーバ103にデバイス102が接続できなかった場合は、S111に進む。(S107)
遠隔機器制御部313は、S106で取得したデバイス102のデバイス情報を基に後述のアプリケーション起動判定処理を行う。(S108)
遠隔機器制御部313は、S108においてデバイス102に対応したアプリケーションを起動すると判定した場合、S305で取得した起動アプリケーション情報504を用いて起動するアプリケーションを特定して、アプリケーション実行部312でアプリケーションを起動する。また、デバイス102に対応したアプリケーションを起動しないと判定した場合やアプリケーションの起動ができなかった場合、デバイス102をサーバ103に接続したままとなる。(S109)
アプリケーション実行部312では、遠隔機器制御部313によって起動されたアプリケーションの動作を開始する。(S110)
遠隔機器制御部313は、外部機器制御部208に対してデバイス102の接続結果を通知する。デバイス102がサーバ103に接続できた場合、遠隔機器制御部313は接続できた旨の接続結果を外部機器制御部208に通知する。また、デバイス102がサーバ103に接続できなかった場合、遠隔機器制御部313は接続できなかった旨の接続結果を通知をし、以降の処理は行わない。ただし、サーバ接続判定処理S105において複数の接続先サーバ情報404が取得できた場合は、外部機器制御部208は優先順位401が次に高い接続先サーバ情報404を用いて、サーバ103以外のサーバ機器に接続してもよい。この場合、端末装置101、デバイス102、および優先順位401が次に高いサーバがS106以降の処理を行う。(S111)
アプリケーション実行部312は、起動されたアプリケーションを実行する上で必要なデータをデバイス102に送信したりデバイス102に要求したりするためにデバイスデータを生成し、遠隔機器制御部313に送信する。(S112)
デバイスデータの例としては、デバイスがデジカメであり、アプリケーションが画像編集ソフトだった場合、デジカメの中のメモリから画像編集ソフトに送る画像データがデバイスデータであり、デバイスがプリンタでアプリケーションが印刷ソフトだった場合、プリンタで印刷するために印刷ソフトからプリンタに送るデータがデバイスデータである。
【0042】
遠隔機器制御部313は、アプリケーション実行部312から受信したデバイスデータをネットワーク接続部301を経由して外部機器制御部208に送信する。その際、デバイスデータのフォーマットをネットワーク104で送受信できるように変換する。(S113)
外部機器制御部208は、ネットワーク接続部201経由で遠隔機器制御部313から受信したデバイスデータをデバイス102に送信する。その際、ネットワーク104で送受信できるように変換したデバイスデータのフォーマットをもとのフォーマットに変換する。(S114)
デバイス102は、アプリケーション実行部312から送信されたデバイスデータを解析して、データを受信する場合はその応答を、デバイス102にあるデータ要求された場合はそのデータを、デバイスデータとして外部機器制御部208に送信する。(S115)
外部機器制御部208は、デバイス102から受信したデバイスデータをネットワーク接続部201を介して経由して遠隔機器制御部313に送信する。その際、デバイスデータのフォーマットをネットワーク104で送受信できるように変換する。(S116)
遠隔機器制御部313は、ネットワーク接続部301経由で外部機器制御部208から受信したデバイスデータをアプリケーション実行部312に送信する。その際、ネットワーク104で送受信できるように変換したデバイスデータのフォーマットをもとのフォーマットに変換する。(S117)
上記のフォーマットの変換は、例えばリモートUSBの場合、通常のUSBでは、URB(USB Request Block)がUSBケーブルを伝送することによりデータの送受信を行うが、リモートUSBではURBをIPパケットを用いてIP網を伝送することによりデータの送受信を行う。そのため、URBフォーマットからIPパケットのフォーマットに変換する必要があり、実際は、URBをIPパケットのデータ部に格納したIPパケットを作成することであり、IPパケットのデータ部からURBを取り出すことである。
【0043】
以上の動作により、S112、S113、S114、S115、S116、S117の処理を繰り返し行い、アプリケーション実行部312とデバイス102がデータの送受信を行うことで、アプリケーション実行部312で動作しているアプリケーションを機能させることができる。
【0044】
以下に、端末装置101からデバイス102が取り外されたときの処理を説明する。
【0045】
端末装置101からデバイス102が取り外される。(S118)
外部機器制御部208は、ポーリング処理や接続通知を受けてデバイス102が取り外されたことを検知する。この際、S102において、端末機能部209の動作を休止や停止をした場合、端末機能部209を動作させてもよい。(S119)
外部機器制御部208は、デバイス102とサーバ103の接続を切断するために、S106で用いた接続先サーバ情報404を用いて、遠隔機器制御部313に対してデバイス102が取り外されたことを送信する。(S120)
遠隔機器制御部313は、外部機器制御部208からデバイス102が端末装置101から取り外されたことを受信すると、デバイス102との接続を切断する処理を行う。例えば、デバイス102を動作させるためにロードしていたドライバをアンロードしたり、確保したリソースを開放したりする。また、S108でアプリケーションを起動していた場合、S109で用いた起動アプリケーション情報504を用いて、S109で起動したアプリケーションを特定し、特定されたアプリケーションの終了を指示するアプリケーション終了通知を行う。(S121)
アプリケーション実行部312は、遠隔機器制御部204により通知されたアプリケーション終了通知に基づいて、指示されたアプリケーションの動作を終了する。この際、S102において、端末機能部209の動作を休止や停止をした場合、端末機能部209を動作させてもよい。(S122)
以下、図7を用いて図6のステップS105のサーバ接続判定処理の詳細を説明する。
外部機器制御部208は、記録部203に記録してある接続先情報211を読み込む。(S201)
接続先情報211の読み込みが出来て接続先情報211が正しく取得出来た場合はS203の処理に進み、読み込みが出来ず接続先情報211が正しく取得できなかった場合はサーバ103に接続しない判定として、サーバ接続判定処理を終了する。(S202)
外部機器制御部208は、S104で取得したデバイス102のデバイス情報とS201で取得した接続先情報211の中のデバイス情報とを照合する。まず、VendorID同士を照合し一致したら、ProductID同士を照合する。双方が一致した場合、外部機器制御部208はデバイス102が接続先情報211に登録されているデバイスであると判断する。(S203)
デバイス102が接続先情報211に登録されている場合はS205の処理に進み、登録されていない場合はサーバ103に接続しない判定として、サーバ接続判定処理を終了する。(S204)
外部機器制御部208は、デバイス102をサーバ103に接続するためにデバイス102が登録されている接続先情報211の接続先サーバ情報404を取得する。ここで、複数の接続先サーバ情報404が取得できた場合は、優先順位401が高い接続先サーバ情報404を用いる。(S205)
以上のように遠隔機器制御部313はサーバ接続判定処理を行う。
【0046】
以下、図8を用いて図6のステップS108のアプリケーション起動判定処理の詳細を説明する。
遠隔機器制御部313は、記録部304に記録してある起動設定情報314を読み込む。(S301)
起動設定情報314の読み込みが出来て起動設定情報314が正しく取得出来た場合はS303の処理に進み、読み込みが出来ず起動設定情報314が正しく取得できなかった場合はアプリケーションを起動しない判定として、アプリケーション起動判定処理を終了する。(S302)
遠隔機器制御部313は、S106で取得したデバイス102のデバイス情報とS301で取得した起動設定情報314の中のデバイス情報とを照合する。まず、VendorID同士を照合し一致したら、ProductID同士を照合する。双方が一致した場合、デバイス102は起動設定情報314に登録されていると判断する。(S303)
デバイス102が起動設定情報314に登録されている場合はS305の処理に進み、登録されていない場合はアプリケーションを起動しない判定として、アプリケーション起動判定処理を終了する。(S304)
遠隔機器制御部313は、アプリケーションを起動するためにデバイス102が登録されている起動設定情報314の起動アプリケーション情報504を取得する。ここで、複数の起動アプリケーション情報504が取得できた場合は、優先順位501が高い起動アプリケーション情報504を用いる。(S305)
以上のように、遠隔機器制御部313はアプリケーション起動判定処理を行う。
本実施例によれば、端末装置101に記録されている接続先情報211を用いて、端末装置101に接続されているデバイス102をサーバ103に接続する事ができる。また、サーバ103に記録されている起動設定情報314を用いて、サーバ103に接続したデバイス102に対応したアプリケーションを起動する事ができる。さらに、あらかじめ所定の優先度をつけておくことにより、同一のIDを持つデバイスが接続された場合に、優先して起動するアプリケーションを指定することができる。
【実施例2】
【0047】
図9は、実施例2における図2の記録部203で記録している接続先情報211の例である。優先順位401と、USBの規格で定められている端末装置101に接続されたデバイス102の製造元を示すVendorID402と、USBの規格で定められている端末装置101に接続されたデバイス102のモデル別等に割り振られるProductID403と、端末装置101に接続されたデバイス102を接続するサーバ103を示す情報である接続先サーバ情報404、USBの規格で定められている製造元やモデル名を問わずデバイス機器の種類を示すClassID405、から構成される。
【0048】
ClassID405は、プリンタやHID(Human Interface Device)などのデバイス機器の種類を分類する。また、ClassID405のデータがあれば、VendorID402とProductID403のデータは無くてもよい。その場合、ClassID405のみで照合を行い、一致すれば接続先サーバ情報404を用いてサーバ103に接続する。同様に、VendorID402とProductID403のデータがあれば、ClassID405のデータは無くてもよい。その場合、実施例1と同様の照合を行う。
【0049】
図10は、実施例2における図3の記録部304で記録している起動設定情報314の例である。優先順位501と、USBの規格で定められている端末装置101に接続されたデバイス102の製造元を示すVendorID502と、USBの規格で定められている端末装置101に接続されたデバイス102のモデル別等に割り振られるProductID503と、サーバ103において起動アプリケーションを示す起動アプリケーション情報504、USBの規格で定められている製造元やモデル名を問わずデバイス102の種類を示すClassID505から構成される。
【0050】
ClassID505は、プリンタやHIDなどのデバイスの種類を分類する。また、ClassID505のデータがあれば、VendorID502とProductID503のデータは無くてもよい。その場合、ClassID505のみで照合を行い、一致すれば起動アプリケーション情報504を用いてアプリケーションを起動する。同様に、VendorID502とProductID503のデータがあれば、ClassID505のデータは無くてもよい。その場合、実施例1と同様の照合を行う。
【0051】
図11は、実施例2におけるサーバ接続の動作フロー図の例である。実施例1における図7と異なる箇所のみ説明する。
S204において、デバイス102のデバイス情報が接続先情報211に登録されていない場合はサーバ103に接続しない判定として、サーバ接続判定処理を終了していたが、実施例2ではS206に進む。
【0052】
外部機器制御部208は、S104で取得したデバイス102のデバイス情報のClassID405とS201で取得した接続先情報211の中のデバイス情報のClassID405とを照合する。一致した場合、外部機器制御部208はデバイス102が接続先情報211に登録されているデバイスであると判断する。(S206)
デバイス102が接続先情報211に登録されている場合はS205の処理に進み、登録されていない場合はサーバ103に接続しない判定として、サーバ接続判定処理を終了する。(S207)
図12は、実施例2におけるアプリケーション起動の動作フロー図の例である。実施例1における図8と異なる箇所のみ説明する。
S304において、デバイス102のデバイス情報が接続設定情報に登録されていない場合はアプリケーションを起動しない判定として、アプリケーション起動判定処理を終了していたが、実施例2ではS306に進む。
【0053】
遠隔機器制御部313は、S106で取得したデバイス102のデバイス情報のClassIDとS301で取得した起動設定情報314のClassID505とを照合する。一致した場合、デバイス102は起動設定情報314に登録されていると判断する。(S306)
デバイス102が起動設定情報314に登録されている場合はS305の処理に進み、登録されていない場合はアプリケーションを起動しない判定として、アプリケーション起動判定処理を終了する。(S307)
その他の箇所は、実施例1と同様なので省略する。
【0054】
本実施例によれば、接続先情報211や起動設定情報314にデバイス102のVendorIDとProductIDが登録されていなくてもサーバ103に接続してアプリケーションを起動する事が出来る。
【実施例3】
【0055】
実施例1および実施例2で説明したシステムはシンクライアントシステムに適用し、クライアントである端末装置101に接続されたデバイス102を、サーバ103に接続する場合に用いることができる。
【0056】
図2の端末装置101をクライアントとして用いる場合、サーバ103の画像処理部310は端末装置101の表示部206に表示する画面情報を作成し、作成した画面情報を符号化してネットワーク接続部301を介してネットワーク104経由で端末装置101に送信する。また、端末装置101はサーバ103から送信された画面情報をネットワーク接続部201を介して受信し、画像処理部210が符号化された画面情報を復号し、表示部206に表示する。
【0057】
端末装置101に接続されたマウスやキーボード、その他の機器などのデバイス102は実施例1または実施例2で説明した方法でサーバ103に接続され、端末装置101を介してサーバ103とデバイスデータの送受信を行う。
【0058】
以上のようにシステムを構成することで、本実施例の端末装置101と、端末装置101に接続されたデバイス102を用いてサーバ103を遠隔地から制御することができる。
さらに、本実施例において端末装置101はパーソナルコンピュータなどである必要はなく、例えばテレビジョン装置などで構成することも可能である。
【0059】
図13は端末装置101をテレビジョン装置で構成した図の例である。端末装置101は、ネットワーク接続部201を介してネットワーク104に、USBコントローラ207を介してデバイス102に接続されており、CPU202、記録部203、メモリ204、画像処理部205、表示部206、チューナ615、デスクランブラ616、デマルチプレクサ617、デコーダ618から構成される。アンテナ619は端末装置101に内蔵されていても、外付けであってもよい。
図2に記載の番号と同じ番号の構成は図2のものと同じであるため、説明を省略する。
【0060】
チューナ212は、放送局からアンテナ619を介して受信した複数のチャンネルから所望のチャンネルを選局し、デジタル変調された番組を復調する。
【0061】
デスクランブラ213は、サービス事業者と契約したチャンネルのみを受信可能とするためにかけられている番組のスクランブルを解除する。
デマルチプレクサ214は、放送番組から映像データを抽出する。
デコーダ215は、デマルチプレクサ214が抽出した圧縮符号化された映像データを復号して、元の映像信号に伸長し、表示部206に表示させる。
【0062】
端末装置101が図13の構成である場合であって、サーバ103の画像処理部310が端末装置101の表示部206に表示させる画像情報を符号化する場合に、画像処理部310がデコーダ618の復号可能なMPEGなどの動画形式に符号化することで本実施例に記載の画像処理部210が行っていた符号機能をデコーダで代用することができる。したがって、その他の用途に使用しない場合は図13の画像処理部210は省略することが可能であり、端末装置101のCPU202が行う処理を軽減することができる。
【0063】
以上の構成を有するテレビジョン装置などを用いて端末装置101を構成することで、パーソナルコンピュータと比較すると処理能力が劣るテレビジョン受信機等であってもデバイス102を用いてサーバ103を遠隔地から制御することができる。
【0064】
以上の実施例における各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよいし、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【0065】
各機能実行時には、対応するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は端末装置101やサーバ103などの図示しないメモリまたはキャッシュメモリに置くことができる。非実行時には、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、端末装置101やサーバ103のメモリや、ハードディスク等の記録部203、記録部304、記録部610、記録部707等、または、ICカード装置等に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0066】
101 端末装置
102 デバイス
103 サーバ
104 ネットワーク
201 ネットワーク接続部
202 CPU
203 記録部
204 メモリ
206 表示部
207 USBコントローラ
208 外部機器制御部
209 端末機能部
210 画像処理部
211 接続先情報
301 ネットワーク接続部
302 CPU
303 記録部
304 メモリ
310 画像処理部
312 アプリケーション実行部
313 遠隔機器制御部
314 起動設定情報
401 優先順位
402 VendorID
403 ProductID
404 接続先サーバ情報
405 ClassID
501 優先順位
502 VendorID
503 ProductID
504 起動アプリケーション情報
505 ClassID
615 チューナ
616 デスクランブラ
617 デマルチプレクサ
618 デコーダ
619 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスが接続される端末装置と、サーバとがネットワークを介して接続された構成である通信システムであって、
前記端末装置は、
1つ以上のデバイスに対して、前記デバイスのデバイス情報と、前記デバイスを接続するサーバのアドレスと、が格納された接続先情報を記録する記録手段と、
デバイスが接続され場合に前記デバイスからデバイス情報を取得するデバイス通信手段と、
前記デバイスから取得したデバイス情報と、前記接続先情報に格納されたデバイス情報と、が一致する場合は前記接続先情報から前記デバイスデータを送信するサーバのアドレスを取得する外部機器制御手段と、
前記外部機器制御手段が取得した前記サーバのアドレスに基づいて、前記サーバに前記デバイス情報を送信するサーバ通信手段と、を備え、
前記サーバは、
ネットワークを介して前記サーバ通信手段から前記デバイス情報を受信した場合に、ネットワークおよび前記端末装置を介して、前記デバイスへデバイスデータの送信と、前記デバイスから送信された前記デバイスデータの受信と、を行う通信手段を備えること、
を特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記端末装置の通信手段は、
前記デバイスが前記端末装置に接続され、前記外部機器制御手段が前記デバイスデータを送信するサーバのアドレスを取得した場合に、前記デバイス情報を前記サーバの前記通信手段に送信し、
前記サーバは、
1つ以上のデバイスに対して、前記デバイスのデバイス情報と、前記デバイスのデバイス情報を受信した場合に動作させるアプリケーションを示す情報と、が格納された起動設定情報と、
前記アプリケーションを示す情報によって示され、前記デバイスに送信する前記デバイスデータを作成するアプリケーションと、を記録する記録手段と、
前記通信手段が取得したデバイス情報と、前記起動設定情報に格納されたデバイス情報と、が一致する場合は前記起動設定情報から前記動作させるアプリケーションを示す情報を取得する遠隔機器制御手段と、
前記遠隔機器制御手段が取得した前記動作させるアプリケーションを示す情報に基づいて前記アプリケーションを動作させるアプリケーション実行手段と、を有することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記端末装置の前記外部機器制御手段は、前記デバイスが前記端末装置から取外された場合に、前記接続先情報から取得したサーバのアドレスに基づいて前記サーバに対して前記デバイスが取外された旨を前記サーバ通信手段を介して前記サーバに通知することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
デバイスが接続される端末装置と、サーバとがネットワークを介して接続された構成である通信システムに用いられる通信方法であって、
前記デバイスは、前記端末装置に接続された場合に、前記端末装置に対して前記デバイスのデバイス情報を送信し、
前記端末装置は、
1つ以上のデバイスに対して、前記デバイスのデバイス情報と、前記デバイスを接続するサーバのアドレスと、が格納された接続先情報を記録しており、
デバイスが接続され場合に前記デバイスからデバイス情報を取得し、
前記デバイスから取得したデバイス情報と、前記接続先情報に格納されたデバイス情報と、が一致する場合は前記接続先情報から前記デバイスを接続するサーバのアドレスを取得し、
取得した前記サーバのアドレスに基づいて、前記サーバに前記デバイス情報を送信し、
前記サーバは、ネットワークを介して前記デバイス情報を受信した場合に、ネットワークおよび前記端末装置を介して前記デバイスへデバイスデータの送信を行い、
前記デバイスはネットワークおよび前記端末装置を介して前記サーバに対して前記デバイスデータを送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項5】
ネットワークに接続された端末装置であって、
1つ以上のデバイスに対して、前記デバイスのデバイス情報と、前記デバイスを接続するサーバのアドレスと、が格納された接続先情報を記録する記録手段と、
デバイスが接続され場合に前記デバイスからデバイス情報を取得するデバイス通信手段と、
前記デバイスから取得したデバイス情報と、前記接続先情報に格納されたデバイス情報と、が一致する場合は前記接続先情報から前記デバイスを接続するサーバのアドレスを取得する外部機器制御手段と、
前記外部機器制御手段が取得した前記サーバのアドレスに基づいて、前記サーバに前記デバイス情報を送信し、前記サーバと、前記デバイスとのデバイスデータの送受信を仲介する通信手段と、
を備えることを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−238078(P2011−238078A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109784(P2010−109784)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】